生活単元学習学習指導案 指導者 呉市立呉中央中学校 教諭山下三枝子 1 日時平成 26 年 10 月 27 日 ( 月 ) 第 5 校時 (13:45~14:35) 2 学年 学級ステップ学級 2( 自閉症 情緒障害特別支援学級 ) 第 3 学年 2 名 3 場所ステップ学級 2( 自閉症 情緒障害特別支援学級 ) 4 単元名 カレンダーをつくろう 5 単元設定の理由 (1) 生徒観 本学級は, 第 3 学年女子 2 名, 第 2 学年男子 2 名の計 4 名の生徒が在籍してい本単元は 同じ教育課程を編成する第 3 学年女子 2 名で学習を行う 生徒は, 明るく真面目であ掃除 や手伝いをすることが好きで進んで活動し, 意欲的に取り組む雰囲気があ 2 名それぞれの 興味 関心, 数や言葉に対する認知の実態は異なり, 発達の状況や能力の個人差が大きい 生徒 2 名は, 小学生であった平成 21 年度からカレンダー作りを始めており, 今年度で 6 年目 を迎え初年度は 自信がないからしたくない という思いを抱いていた しかし, 当時の 中学生が作った見本を見てカレンダーの原画を作る活動が定着するにつれて活動への不安がな くなってきた 小学生の間は, 中学生のアドバイスを受けてカレンダーを作ってきた 生徒ら はこれまでの取り組みを通して, カレンダーが完成したときの達成感を味わうことを体験して いまた, 主体的に取り組み, 見通しをもって積極的に共同して制作する楽しさを感じてい 個々の生徒の実態は, 次の通りであ 生徒 学年等 A 3 年女子 障害等 自閉 症, 知的 障害 美術科に関すること数学科に関すること自立活動に関すること 手本をもとにし た作業的な活動は 得意であるが, 自 分で考えて制作す ることは難しい 具体的なイメージ がもてると, 発展 した作品作りをす ることができ カレンダーに大 変興味があり, 人の 誕生日や記念日を 自ら尋ねて覚えて い 1 年が 365 日あ り,1 週間が 7 日あ ることは理解して いない よく会話をするが, 曖昧な言い回しや複雑 な文章を理解すること が難しい 指示がシン プルで明快であると概 略は理解でき 視覚的支援を用いて の個別の指示があると より理解しやすい
B 3 年女子 (2) 単元観 発達 障害 経験をもとに自 ら材料を用意し, 家庭で作ってみよ うと挑戦す作 品に愛着をもち, 大切にしようとす 創造力豊かで一 人でストーリーを 考えて四コマ漫画 を描き, 個性的な 作品を作ることが できしかし, 時間が掛かること があ 行動がぎこちな く, 手先も不器用 であり, 作業がゆ っくりとした動き であ 曜日の名称は分 かっているが, 活用 まではいたってい ない 1 ヶ月は 30 日,31 日であることを知 っているが, 仕組み は, まだ, 分かって いない 1 年 365 日,1 週 間が 7 日あるとい うことは理解でき てい基礎的な計 算もできるが, 時間 の観念は難しい カレンダーの日 付や曜日の理解は しているが, あまり 関心がなく, あと何 日という 1 週間後 の予定についての 計画の見通しをも ちにくい 活動に対してこだわ りがあり, 時間が掛か ることがあ 目的が明確である と, 興味をもち, 持続 して意欲的に丁寧に作 業を行うことができ 日常会話はほぼ理解 でき 言葉掛けがあると, 一つの指示で一つ行動 することができ 質問をすることがあ るが, 相手が答えよう としたときには, 興味 は既に他に移っている ことがあ 自分の思いや考えを 言葉で分かりやすく相 手に伝えることが苦手 であ 特別支援学校学習指導要領解説総則編等 ( 幼稚部 小学部 中学部 ) ( 平成 21 年 ) によれ ば, 生活単元学習は 児童生徒が生活上の目標を達成したり, 課題を解決したりするために, 一連の活動を組織的に経験することによって, 自立的な生活に必要な事柄を実際的 総合的に 学習するもの であり, 児童生徒の学習活動は, 生活的な目標や課題に沿って組織されること が大切である と示されてい 本単元では, カレンダー作りを通して共同制作の喜びを味わわせ, 日常生活においてカレン ダーを活用しようとする態度を育てるために適していまた, 季節ごとの日本の伝統行事や 自然の美しさを表現することができそして, できあがったカレンダーを, 日頃, お世話に なっている人たちに届け, 相手から感想をいただくことで, 成就感や達成感を高めることがで きると考え カレンダーは生活の要であり,1 年ごとに更新するという特性をもっていそのため, 多 様な相手に継続して届けることができ生徒にとっては誕生日などの楽しい情報や生活の見 通しをもつことができる情報を提供してくれる身近なアイテムであるため, 生徒が意欲や関心 をもって学習に取り組むことが期待できまた, 毎年, 同じ手順で制作していくことができ ることから, 見通しをもって活動することができ
(3) 指導観指導に当たっては, 単元の導入でこれまでの学習を写真や実物で振り返り, カレンダー作りの計画を立てることで, 活動への見通しをもち, 主体的に取り組むことができるようにす平成 27 年度のカレンダーの原画は, 生徒がこれまでに学習したことのある日本唱歌を取り入れ, 歌詞からイメージがわくようにさせ, さまざまな表現技法を体験させさらに, 今回, 12 月のパネルを制作させることで最上級生としての役割を自覚させ, その役割を意識して活動させたい カレンダーを配る活動では, 人とのやりとりを通して, 他者に喜んでもらう経験から成就感や達成感を感じさせたい このような学習を通して, 自分が頑張って作ったカレンダーを楽しみにしている人がいるという喜びや達成感を感じさせ, 生徒の自己評価を高め, もっと頑張ろう もっとできるようになりたい という意欲へとつなげたい また, 生徒が見通しをもって主体的に取り組むことができるように場を設定し, 自分の力で活動しているという思いを高めるよう指導に当たりたい 6 単元の目標 カレンダー原画を制作する活動を通して, 安全に道具を扱うことができ 季節のイメージをもつことができ カレンダーを活用できるようにな カレンダー作りを通して, 自分で作業をすることができ 人に働き掛け協力することができ 7 指導と評価の計画 指導と評価の計画 ( 全 35 時間 ) 次 第 一 次 第 二 次 学習内容 学習の計 画を立て よう カレンダーをつくろう ( 本時 5/22) 時 間 5 22 生徒 A 平成 27 年のカレンダーの テーマ 日本唱歌 をもと に, カレンダー作りに興 味 関心をもってい テーマをもとに, 複数の 日本唱歌の中から各月の歌 を話し合いながら季節のイ メージをもって決めてい 暦の学習を通して, カレ ンダーの元号, 月, 日付と 祝日を色分けして書いてい 評価規準 生徒 B 平成 27 年のカレンダーの テーマ 日本唱歌 をもと に, カレンダー作りに意欲 的であ テーマをもとに, 季節に 応じた各月の歌を話し合い ながら季節のイメージをも って選んでい 暦の学習を通して, カレ ンダーの元号, 曜日, 日付, 祝日を色分けして書いてい 評価方法行動観察行動観察
歌詞から季節のイメージ 歌詞から季節のイメージ を感じ取り, それらを言葉 を言葉で表現でき で表現でき 指導者の指示により準備 自分で道具の準備をして してい い 手順カードを利用して, チェックカードを利用し 自分の役割, 作業内容及び て, 自分の役割, 作業内容 作業手順等を理解し, 取り 及び作業手順等を理解し, 組んでい 取り組んでい カレンダーの原画を制作 カレンダーの原画を制作 する活動を通して, 安全に する活動を通して, 安全に 道具を扱うことができてい 道具を扱うことができてい 人に働き掛けながら, 作 お互いに協力してカレン 業をすることができてい ダーの原画に山や雪のパー ツを貼るなどの作業ができ 困ったときに自ら 分からないので教えてください と言ってい 各月のカレンダーを手順 各月のカレンダーを手順 第三次 カレンダーを製本しよう 5 どおり重ねて仕上げてい はさみやホッチキスを使 どおり重ねて決められた時間内に仕上げてい 道具を使用して, カレン 行動観察 用して, カレンダーを製本 ダーを丁寧に製本してい してい 届け先を調べたり, メッ 届け先のリストに従っ 第四次 カレンダーをくばろう 3 セージを書いたりしてお世 話になった方にカレンダー を届けて感謝の気持ちを伝 て, カレンダーを届けて感謝の気持ちを伝えてい 行動観察 えてい
8 本時の目標 (1) 全体の目標 カレンダーの原画制作を通して, お互いに協力して作業することができ 手順カード等を利用して, 自分の役割, 作業内容を理解し, 取り組むことができ (2) 個々の目標 生徒これまでの様子目標 A B 言葉だけの指示では理解が難しい 困ったことや分からない時に尋ねるこ とが難しい 人と協力して活動することが苦手であ り, 自分勝手に作業を進めようとするこ とがあ自分なりのやり方をすること があ 作業内容や作業手順が理解できれば, 丁寧に作業することができ カレンダー作りに関心があ ファンタジーの世界を話すことが多 く, 時間的な観念がない 返事はするが, 指示を理解していなかったり, 聞き間違 いがあったりすることがあ 指導者に対して, 特定の言い方であれ ば報告することができるが, 自分から進 んで報告することは少なく, 指示待ちに なりやすい 周囲に意識が移りやすいが, 好きな絵 を描く活動は継続して丁寧に行うことが でき 自然や行事に関心をもち, 自分なりに 工夫して制作活動をす 手順カードを利用して, 自分の役 割, 作業内容及び作業手順等を理解 し, 取り組むことができ 困ったときに自ら 分からないの で教えてください と言うことが でき チェックカードを利用して, 自分の役割, 作業内容及び作業手順等を理解し, 取り組んでい ペアを組み, 生徒 A と二人でカレンダーの原画に山や雪のパーツを運んだり, 貼ったりするなどの作業ができ 9 準備物パネル, クラフトパンチ, 原画の材料, 両面テープ, はさみ, ボンド, のり学習シート, タイマー, 手順カード, イーゼル, これまでに制作したカレンダーの原画プロジェクター, パソコン,CD
10 学習過程 学習活動 1 始めの挨拶をす (2 分 ) 指導上の留意事項 ( 課題 支援 評価規準 ( 方法 )) A B 全体 まわりの状況を確認して号令を掛けさせ 2 本時のめあてを確認す (8 分 ) 昨年のカレンダー作りを思い出させることで関心を高め 3 準備と手順の確認をす (3 分 ) 4 カレンダーを作 (20 分 ) 号令を掛け スキー を元気よく歌うことで活動の意欲を高め ホワイトボードの文字を手掛かりにめあてを学習シートに記入させ 手順カードを利用して, 見通しをもたせ 〇必要な材料を準備した箱に入れるておく 指導者の指示により準備することができたか 手順カードを利用して, できたことを報告させ 木と家のパーツを番号順に貼り付けさせ クラフトパンチを使用して雪の結晶を作っ 姿勢を正して お願い します と声に出して 言う 学習の始まりを意識させ ホワイトボードに注目し, めあてや学習内容を知 昨年のカレンダー作りを思い出させることで学習の動機づけとす スキー を歌うことで学習のねらいを意識させ 学習シートに一人でめあてを記入させ チェックカードを利用し, 説明されたやり方で指示通りさせ〇分からないときは指導者に尋ねるよう指示す 自分で準備することができたか 協力してパネルに雪と山とリフトのパーツを貼 所定の位置に貼ることができるように完成図を利用させ サイズの異なる雪だるまとスキーをしている人のパーツを番号順に貼り付けさせ あいさつにより学習の始まりを意識させ 学習している暦について触れ, 意識を高め 昨年作ったカレンダーを見せて, 意識を高め 12 月のカレンダー作りを簡単に説明す 日本唱歌 スキー を歌い, 意欲を高め めあてを確認させ, 学習シートに記入させ 準備ができたら報告するよう言葉掛けを行い, 確認す 活動の時間に見通しがもてるように, タイマーで活動の終わりを示す
て, パネルに散らさせ 手順カードを利用して, 自分の役割, 作業内容及び作業手順を理解し, 取り組むことができたか 困ったときに自ら 分からないので教えてください と言うことができたか 最後に, 朝日のパーツを貼り付けさせ チェックカードを利用して, 自分の役割, 作業内容及び作業手順等を理解し, 取り組むことができたか ペアを組み, 生徒 A と二人でカレンダーの原画に山や雪のパーツを運んだり, 貼ったりするなどの作業ができたか 5 片付けをす (5 分 ) 使用した道具を所定の位置に片付けさせ 使用した道具を所定の位置に片付けさせ パネル原画を鑑賞できる位置に配置す 6 振返り (10 分 ) 困っていたら指導者の言葉掛けにより, めあてに対するがんばったところや工夫したところを学習シートに記入させ 学習シートに記入した内容を読んで発表させ 相手に伝わるようにゆっくりはっきりと発表することができたか めあてに対するがんばったところや工夫したところを自分の言葉で学習シートに記入させ 学習シートをもとに, 自分の言葉で発表させ 相手に伝わるように分かりやすく発表することができたか がんばったところ, 工夫したところを発表させ称賛す 本時の目標を達成できたか評価す 7 終わりの挨拶をす (2 分 ) 姿勢を正して ありがと うございました と声 号令を掛け 挨拶により学習の終わりを意識させ に出して言う 姿勢を正して挨拶させ 学習の終わりを意識させ
11 板書計画 今日の学習の流れ めあて めあて じゅんび カレンダーをつくろう カレンダーづくり かたづけ ふりかえり 1 2 教室配置図 出 ホワイトボード ( 移動式 ) 入 口 テーブル 衝 立 キッチン 三段ボックス B A ロッカー B 机 A 机 生徒ロッカー 出 入 口 教卓 ホワイトボード ( 黒板 ) 畳スペース