t 熟 t 踊評 tt [ di : 广 t/t 謡 Kyushu DeD Dental 曲工一宏 Society boie 仁郵 F c ( 九弗齒禽誌 ) 肉腫化を起し死の韓帰を取つた下顎対照性 Osteo Fibrom に就いて ( ) 臨症例 肉腫化を起し死の轉歸を取つ下顎對照性 OsteofibrOm に就い た て On a Symmetric Osteo 飾 roma of Mandibla That Caused peath after Transformation into Sarcoma 九州歯科大学口腟外科学教室 ( 主任 ; 平川教授 ) 準川正輝 ウ 丶 ボ f, ポ蓋 緒言 顎骨は他の諸臓器に於けると同様屡糊重瘍の 発生母地となる事は周知の事実であるが, 同病理学教室 ( 主任 ; 高野義臣教授 ) 梶谷貫大 線維 形成を伴ふ骨腫が顎骨領域に発生する事は稀な ものとされてゐる 即ち本疾患最初の報告者 Menzel を始めとし HipPe, 野口他 28 例を蒐 つたもの と考察される o 蓋し本症例は本態が骨線維腫と釦も必すしも 終始良性腫瘍としての態度を継続するとは限ら な v 事を証左する例である 茲にその臨床的並 びに組織学的所見の概要を報告すると共に併せ て術後の処畳蹴てその一端を述ぺようと,W う 臨床例 集し得たに過ぎない 而して以上の報告に依れば, 本疾患は片顎性 殊に上顎に好発するやうで, 下顎に関する記載は上記の中 Menzel, Stafine, 川野, 小野の 5 例を挙げ得るのみである o 夊本腫瘍は臨床上良性の経過を示すもので, 従つてとれが原困をなして死亡した例は従来の 報告 lill には 例もない 今回吾 k が遭遇した本症例は 2 年 3 ケ月女児 の下顎部に而も対照性に癸現したものが, 悪性腫瘍の観を呈しつ 恰も 末期に於て唾液腺, 淋 巴腺其他胸部に汎癸性の転移を来し死の転帰を 患者 ; 手 恭, 女児, 2 初診 ;95 } 年 8 月 6 日 年 3 ケ月 主訴 ; 両耳下腺咬筋部に於ける睡脹, 並に顎一 Fva 巴 腺の腫大 の 血族史及び既往病歴 ; 特筆する事はない 現病歴 ; 両親は約 年前より両側耳下腺咬筋部附近 膨隆を気付いてゐたが, 別に疼痛を訴える事はなか つた 約 2 ケ月前より左耳下腺咬飭部に於て顴脹は急 速に増大の傾向を示し, 約 ケ月前よの同部に時々懸 痛を訴え, 該側顎下部にも同時に腫脹, 疼痛が認めら れ 且つ ee 38 前後の発蕪を起す様になつたので, 取つたものである 斯様な臨床所見に対し吾 k は常識的 [ 一応顎 某医を訪れ薬物療法を受けてゐたが, 睡脹は軽決せず 却て更に増大の傾向を認めたので当院外科を訪れた 肉腫を想像するが, 組織検索の結果は明かに骨 線維種と確認され, 唯屑膜の 一部に肉腫変化像 を認め得た 即ち本例は臨床的並びに病理組織学的所見か ら, 顎骨々線維腫を原斃竈とし骨膜部に於て二 次的に悪性腫瘍化し, とれより耳 F 腺, 顎下腺等の隣接臓器に蔓延し, 更に淋巴腺其他に転移を形成し, 全身衰弱の結果死の転帰を取るに至 現症 ; 顔貌は左右非対照性, 即ち左側下顎上行枝部 を呼心に手拳大の腫脹があるが, 同部の皮膚には発赤 は認めない 触診すれば皮膚と下在腫瘍とは未だ可動 性であるが, てゐる p 左耳下腺と下在腫瘍とは可動性が失われ 双合診を行なうと下顎水平部中央より上行枝 全般に勘下顎の膨大を触れる諏度は歟骨様硬度で 圧痛は著明ではない 顎下腺も触診上稍々踵大し, 下一顎腫癆との可動性は少ない 左顎ド及び上頸部淋巴腺 が数個腫大してゐるのを触れる 倚注意して観察する 一一 一 NII-Electronic N 工工一 Eleotronlo Llbrary Library Service Servloe
Kyushu Dental Society ノ ttt 灘 珂噸 罫り呼摯广 ( 2 ) 肉腫化を起し死ゐ韓帰を取つた下顎対照性 OsteoFibrom に款いて 引 と右下顎体部 k il 上行枝部にも, 左側より稱々小さい が全く左側同様の睡瘍が存在し耳下腺, 顎下腺, 淋巴 り退院, 以後は通院及び往診治療を続けた 2 月中旬 左上頸部睡脹は増大し周囲に数個の腫瘤 腺も共に驥大してゐるのを認めた X 線像 ; 左右下顎の X 線隊を観察すると下顎輪廓は 状瞳大が現われ, 手拳大の膨隆が現われてゐる 右側 後顎下部にも拇指頭大の腫瘤 個及び小指頭大の腫瘤 著しく膨犬し, 内部は綿雲状暗影を呈しており濃淡不 規則である 術前診斷 ; 両倶 ij 下顎肉瞳重 處置並に經過 ;950 年 8A25H 左側下顎切除を行な う ( 平川執刀 ) エドテル吸入全身麻酔に局所麻酔 を併用し, 通法の如く下顎下縁に沿う皮膚切開を加え 左側下顎乳犬歯以簽を関節離断の下に切除すると, 耳厂ド腺並に顎下腺が共に顎腫瘍と癒着してゐたので之を 摘出した 爾顎下並に頸部琳巴節を可及的清掃, 転移 の疑はしいもの 9 個を摘出した 顎切除部にはアクリリツク v ヂソの篏植義顎を 挿入し, 手術創は 一部 F V 一ソを残し一次的に縫 が数個触れる様になつた 95 年 月下旬, 両上頸部の腫瘍は更に増大 左胸 部皮卞にも拇指頭大の瞳瘍が現われた 患児は食思不 振,38 前後の発熱を続け全身衰弱著明 3 月下旬, : 家族より患児死亡の通知を受けた 皿 剔出腫瘍可見 肉眼的所見 ; 剔出腫瘍は腫瘍化した下顎約鵞卵 大のも a5 左右 2 個 其の他転移を疑う淋巴腺及び睡 液腺合 i 講 7 個 顎腫癌は骨体部の全般を侵し 下顎隅 角部を略々巾心とし後方は闕節突起, 筋突起下縁に及 んでゐる 硬度は大部分は軟骨様礇度を呈するも一方 に於ては骨様硬度, 肥厚した被嚢の一部は破壊状であ ρ 響ズ嵐 合閉鎖して手術を終る 9 月 5 日 ( 術後 日 ), 手術は一応治癒し退院 0 月 2 肩 ( 術後 38 日 ), 局所を見ると左下顎部 の 術に依る反応性踵廡は殆んど減退してゐる 篏櫃義顎 と下顎断端部に於て口腟に通ずる撰孔が残り, 消息子 を挿入すると義顎に直接触れる部分がある 牙関緊急 は殆んどなく, 全身状態も著変はない 手 唯左眼瞼の閉 る 左側咬筋粗隆部は殊に豊隆, 極めて菲薄な骨穀に 包まれる黒褐色を呈する二次感染竈を認める 穴きさ は約嬲獣, 触詼こ際し一部に於て羊皮紙様捻髪音を 発する 表面は火体に於て平滑様 割面は平等に灰白 色充実性で甚だしく緻密 線維束は縦横に 走り渦紋を なし, 其の中央部周辺には小さな骨質が略々放射線状 鎖は不充分で軽度の末稍性顔面神経麻擁の症状を現は してゐる 0 月 27 fl, 第 2 回手術, 右側下顎切除 ( 平川執刀 ) の配列を承し r ゐるのが認めちれる 2 組織所見 ; 剔出材料は全断標本となし, 通法に 依り脱灰後 Ce0idin 連続切片標本を作製, HE 染 全く前回同様の術式に依つて右側乳犬歯以後の下顎を 切除し, 同時に宕耳下腺の大部分, 顎下腺及び転移を 疑 5 淋巴腺等 8 個を摘出し, 顎敏損部には前回同様の アクリリツ 9u ヂソ製義顎を適合篏植した 倚左一部ドレ一ソを挿入してゐた部は瘻孔となり 側の 少量の排膿を持続してゐる 月 6 日, 右側部の外側に ケ所, 口腟内に ケ所 瘻孔が認められる 倫左上頸部に拇指頭大の腫瘤状睡 脹が現はれたが自発痛, 圧痛は著朗でない 夊右側に 於ても全耳下腺部を手術時に清掃したので, 軽度の顔 面神経麻痺状態が認められる 月 3 日, 左上頸部の腫脹は小鶏卵犬となる 皮膚 tt との可動性は僅かに認められるが F 在組織とは町動性 色を施し詳細に観察した 腫瘍実質は骨組織及び之を囲橈する線維組織とから 成つてゐる 線維組織は仔細に検すると更に稍々性状 を異にする 2 つの部分に区別される 即ち海綿状構造 を呈する微細な結締織線維が一群となつて渦紋状を画 く部分, 他は比較酌密な線維が大小種々の線維束を形 成し不定な走行を示す部分である 之等は種々の方向 に織或されてゐるが, 何れも細胞成分は極めて乏しく 僅かに細長い紡錘形細胞が散見されるに過ぎない して 幼若な線維芽細胞, 炎性細胞又は肉陲性細胞等は 全く認められず 腫瘍細胞の核分剖豫は著しいものな く, 血管の発育も亦乏しい 爾線維は硝子様を呈する 部分が多く, 全く硝子様に陥つた部分が諸々に斑点状 而 を欠く 右顎下部には依然として痩孔を止め, 少量の排膿を認める ユ 月 30 日, 左頚部の睡脹は手拳大となる 左側に偏した顎下識こは外皮に開く痩孔が出来てゐる 右側にも瘻孔を留め時々少量の排膿がある 患家の希望に依 一 2 一 に散在してゐる 期様な睡瘍の es 中心部周辺には骨の病的新生が可 つ成り広範に観察される 即ち形態不規則且成熟度を異批する骨組織が島嶼状に或は相集合して大小の骨梁の模倣を現はしたもの等を形成してゐる 樹枝状の発 ゴ t NII-Electronic N 工工一 E n Library 賃 Service 懇慰 町 騒鑑藁
Kyushu Dental Society 欝欝欝響響 騨 鶸 5, 垣广, 肉腫化を起し死の轉帰髪取つた下顎対照性 Osteo 爵 bro 血に就レ て ( t3 ) 院ゾ 膨 ピ 断 t モ 育分岐を示す骨 類骨様の梁状骨の中には骨層板を春 するものもあり 又骨小管を備えた骨小腔が形成せら れ, 中に骨細胞を認める 基質は同質性でなく, 封入 細胞の形態や排列も不同で寧ろ白亜質に近い感を与え る 塊状, 板状の最も未熟な ものでは所謂単純な無構 造の石灰沈着物質の如くである 然し乍ら鬆粗な腫瘍 組織が直接しており, これが単なる臆瘍組織の石灰変 性ではなく, の と考えられる D 踵瘍細胞が積極的に石灰竈を形成したも 要するに一般には何れも不完全且つ粗性を想はせる が, 之等は概ね発生部位を中心として放線状り配列を 示してゐる 骨組織周縁には骨芽細胞の配列を見る事 があるが, 該細胞ば骨形成肉瞳に見られる程未熟では ない 即ち核は楕円形, 核質は中等量, 核小体は認め られない 胞体の填界又不明瞭である 骨組織を直接 取り囲む組織は多数の造骨細胞を含む, 更に幼若な組 織で骨組織とは骨芽細胞を介して直接移行が認められ る 徇下顎斜線部に相当する骨膜直下には転位した右側 第 大臼歯々胚が見られ, 破期直前の造構を示してゐる 歯冠形成を完了した歯根形 融瑯質は略々完成した と見られ得べく完全に脱灰消失してゐる 象牙質の形 成にをま異常なくヂヌ, 歯ミ乳頭にも著変 ltik 認め得な L 而し所謂歯嚢と称される部分は不分明で且つ睡瘍性 を帯びてゐる 此の部は他部に比し線維の走行の乱れ は比較的少なく又, より繊細な感を受ける 即ち歯嚢 が已に本腫瘍形成の一部をなしてゐる所見は特記に値する 更に犬歯々胚を観察すると, 前述のものとは幾分異 つた構構造を呈してゐる 即ち完成した磁瑯質直ドの 象牙質は概ね発育を完了してゐるが〆象牙芽細胞は歯 乳頭の周縁に在つて筒盛んに幼若象牙質を生成しつ N ある 髄腟の狭窄と共に歯乳頭も自ら漸次退縮し, 中 には血球を充盈した比較的大きな 血管を容れてゐる 歯胚を取囲む歯嚢は一部本来の性状を保つてゐるが, 大半は腫瘍化し且つ歯胚周辺に病的新生骨を発生せし め, 其等への移行像は萌瞭に観察ざれる 周縁 ecgn 芽 細胞を伴ふ新生骨梁の成熟躑瀬々で又々の形状 燗排列共に甚だしく不規則で, 構造は膣瘍中心部に発生 した蔚記骨梁と全く同一である 然し乍ら骨梁間に血 球を擁し, 並 管を通し骨髄腟に相当する部身が認めら れ, 億全般の排列の点から見れば必ずしも歯槽骨を否 定し得ないものがある 倚歯乳頭の一部が睡蕩実質へ と移行する組織連絡が見られる 骨膜は肉眼鯲こも可成りの肥厚を想はしめたが, 細 胞成分の比較的豊富な部分と, 比較的乏しく線維成分 に冨む部分とから成つてゐる 前者は小円形細胞夊は 稱々短大な丸昧を帯びた或ひは稍々細長い紡錘形の何 れも不正形の細胞群が粗性微細結締織中に不規則な排 列を示して ゐる 後者は比較的分化度の高い原形質に 冨む泡沫状の紡錘形細胞が大部分で, 可成り太い密な 結締織線維束を形成し波状, 渦紋状の不定な走行を示 してゐる g 更に夫等に混在して円形細胞の聚落が椙当 数散見される 要するに骨膜の所見は全般的には, 比 較的分化した構造を示す線維腫及び比較的成熟型に近 い線維肉睡を主体とするが, 斯様な成熟度を異にする 中間型 混合型叉は移行隊は, 即ち該部の悪性腫瘍性 転化を意昧する 淋巴腺, 小円形肉睡細胞の浸潤は広汎且つ高度で破 壌著明 淋巴腺に特有な構造は殆んど留めてゐない 唾液腺 淋巴腺に比較すれば左程ではなく正常構造 を保つ部分が多いが, 一一 Ut 聞質, 実質に跨がる幼若型 肉睡細胞の浸潤があり, 該部の腺実質は破壊状である V 總括並びに考按 先づ従来の文献に現はれた本疾患に本例を併 せた 29 例に就き観察を加えて見ると次表の如く であって発見年令は 30 才台を最高とするが一般 には若年者特に婦女子に多い を主とし而も概訟 側性である o 全て所謂良性経過を取るもの 塁現部位は上顎 従来の報告は で淋巴腺腫脹は全 く見られす 悪性腫瘍性転化を起した例はない 々唯佐木の症例に於ては掻把手術後 5 ケ舟にし て再発し, 剔手腫瘍所見で骨の吸収破壊が見ら れ, 恰も悪性腫瘍の観を示すが, それに於てす ら淋巴腺腫脹の記載はな V 従つて予後は一般 に良餅であり, 本疾患に依り死の転帰を取った 例は報告されてゐな v 大体別表の如くであるが ; 本例は臨床的並び に病理組織学的に幾多の注目すべ した き所見を発見 本例は初診時に於て既に下顎骨体より上行枝 に亘り, 左右相対性に腫瘍形成を認めたが下顎 骨中央部, 即ち左右乳犬歯聞は肉眼的に太さの変化もなく, X 線像に於ても全く腫瘍化を疑う 部分がなかつた 又術後両断端を見ても中央端 3 _ 一 : 姫 馬飜麟 i 幻 ; く二尸 tzt NII-Electronic t i LibF Library,a Service y F Vi
リヤ甲ヒ : 二 : 〆丁し避二叮 調 w ゼ宀, こ Dental Society Kyushu 工 SOOle セ y ( 4 ) 肉腫化を起し死の轉帰を取つた下顎対照 性 OsteoEibrom に駄 就て 顎骨に現はれた骨線維腫の 諸冢報告例 齶報告者黠鞭陣年到欟繖性 幡床的颶淋 腺酬予后 23456789023 饕 567892D222 弘中一伊藤 器 鱗 ゐ 後 26272829 小 Menzel Uyeno! / t / r Hippel fr Feldmann tl 伊 ノノ 藤, 佐 々 木 広 川 大 村 岡 Stafine 田 野 野 野 瀬 土佐林 不川一梶谷 89 主 709 年 9 5 928 ケ グ 哩 99303 934 ぴ, ゴ 99999 353740505 グ 222 ー 5733 ケ 3542223333233332 54700325T 才 が フ 3585598788524 LL L L LLL LL T 8 孚 小 03 δ QT QT ΩT 無 ケ ケ ケ α レ 痛 軽匿の圧痛 無 痛 該部違和感 無 急性炎症々 痛 ( ッ 伊 ぴ ツ 伊 ぴ ( + ヘノ ラ 良 再 良 死 α 仇 ノ〆 好 溌 好 ny 亡 層 ぐ は明かに健康下顎骨を確認出来るので, 左右上 なすものは, 細胞成分に乏レく緻密な絲維成分 行枝部の腫瘍が何れか一方に原癸しで下顎骨に に富む所謂硬性線維腫で, 内部には中心部より 沿ひ反対側に波及したものでない事は明かであ 周縁に向つ て放射線状の排列を示す骨漸生を伴 る 即ち本例は両下顎に相対性に原発したもの と云える b 次に臨床的には初診時既に左右顎下, 上頸部, 耳下腺部に明かに転移形成が見られ, 又手衛時 下顎腫瘍と周囲組織とは癒着が強く, 且つ転移 つてゐる 即ち Osteo Fibrom と見るぺき部分が大部分を占めでゐる 6 2 下顎瞳瘍の周縁は可成り肥厚し尢骨膜を 外層とする極めて菲薄な骨壁に韓り囲繞されで ゐるが, 所に依つ ては骨壁の破壊吸収を見る部 タ 形成も確認されたので臨床的には 転移形成を 伴える下顎肉腫,, と診断されたが, 組織検索を 分もある 3 下顎腫瘍を取り囲む骨膜は其の大部分に 行つた結果は大略次の如くであつた 本疾患の原発竈である下顎腫瘍の主体を 於て線維腫及び線維肉腫化が認められた o 4 標本観察範囲に現はれた右下顎第 大臼 ny 4 _ 嬢 NII-Electronic N 工工一 Eleotronio Library Service
Kyushu Dental Society 鰯 驪化雄し死の覯輙つ鮃顎対照性 0 t Fib 瑚蹴いて ( 5 ) 歯及び同犬歯々 膝の歯冠部は, 凡そ年令に相応 して形成されてゐるが, 所謂歯嚢と称される部 e は腫瘍実質とは明かに区別を認め得ぬ状態で 自らは腫瘍化し, 且つ又周辺には病的新生骨を発生せしめ, 夫等と混然一体の観を呈し本腫瘍形成の一部をなしてゐる 徇一部に於て歯乳頭と腫瘍実質との移行連絡が観察された 5 歯嚢は正常の場舎一方鯲て白亜質を形 ntl るが 他方に於ては歯槽骨を形成するものであ 以上の新生骨が即ち本来の機能 IC 基いて 形成された歯槽骨に相当するものか, 或は歯嚢 の腫瘍化に依つて能動的麟生せしめた所調病 的薪生物かは想像以外に繭の手掛りもない が 歯胚歯嚢の非披性の部分から発生した腫 瘍で線牙質泊亜巓 躇通の骸生じ得る 事は組纏生学的には容易蠏釈される 艮防 本例の歯胚周辺の所見は後者に依つ るべきものと思う 0 て説明され 6 左噸腫瘍の咬筋粗隆部には二次感染, 壊疽形成が見られた 7 淋巴腺及び唾灘には著明納鵬移竈 を見た 即ち本例は中心性骨線維腫として原発し, 育増大するに及んで骨膜部に先づ肉腫変性を起 さしめ凋囲組織特略唾灘鷹移賭する と共に更に淋巴腺へ転移を形成したものと思ば れる 発 す筍例と云える 樹本疾患が下顎対照性に発生 した報告は HiPP i の 例を見るのみであるが, 本邦で は本例を以て最初とする 又本疾患発見年令が 2 年 3 ケ月なる点は文献上最弱年者に相当する 次に本症の処置に就て考えるに本症の悪性イ匕しないものは, 一般の顎の良性腫瘍に準じ完全摘出又は顎切除に依つて腫瘍を完金に除去すれば全治し 予後は良好であるが, 本例では患者 は 2 年 3 ケ月の幼児であ P, 而も左右下顎力尉 照性に罹患してゐるので, 其の治療に姻難な問題が附随して来る 先づ僅かに乳切歯部のみを残し左右顎の切除を行ふとすれば, 其の顎転移防止 顎機能保持に対して顎副木を如何にするかと云ふ問題を初めとし, 患者の手術に対する耐劭及び無痛法等が聞題である 本例は左右両側蹣竈があるとは云え瀕部には僅かに罹患しな磆戰つてゐたので, 之を境として先づ左側, 次で約 2 ケ月後に右側の腫瘍を外科的に切除した 麻酔は最初は頭蓋底に於ける患側卵円孔部への伝達麻酔を行ひ, 次で大凡病竈部に浸潤麻酔を行つて置 V て, 手術進行中はエーテル吸入麻酔を続ける事に依つて患児の安静を保ち 速かに顎切除と転移竈の清掃を終つた 副木としては比較的新しい試みとしてアクリリツク レヂン製義顎の篏植を試み 扨て従来報告された顎領域の骨線維腫は何れ た 術後は相当量の失血に依る衰弱が見られた も悪性化を働ぬものであり, 従つて其の多く が 之耐して瞳篠人血漿の注射及び輸血に は終始良性腫瘍としての経過を辿つてゐるが, 本例は全く異例的攤を辿つてゐる, 既往歴に於て約一年前より已に両側耳下腺咬筋部の無痛性膨齢るのに鮒いてゐるカ 此頃より已に骨線維腫が存在してゐた事が想像され, 来院前 2e 月頃より症状は急速に増悪し始め 腫脹は増大且つ屡磽熱疼病を訴えてゐ 依つて抗し, 幸ひに傾力を恢復し得た 篏植副木使用の結果は転移防止と顎機 fie 保持 には充分な効果を現し, 牙関緊急も殆んどなく経過したが不幸にして 6 ケ月後よ b, 腫瘍再 es が起つて来たので篏植義顎使用の遠隔成績は観 察し得ないま X に終つた 然し乍ら成人に応用する様 k 切除義歯も用ひ るが 恰も此頃は已に肉腫変性, 転移, 癒着, 二次感染が進行しつ喃つたものと想はれる 得す, 叉勿論骨前移植法も応用し得ない様な幼 蓋し本例は骨線維腫が特に若年者に発生した 場合には悪性腫瘍化への繊性を孕む事を示唆 一 児に対し, 広汎 な F 顎切除を行はねばならない場合 vaは纐轆顎の応勵淇の一解決法であると考える次第である g 燭一 o し on NII-Electronic 工工一 Eleotronio Llbrary Library Service Servloe
Kyushu Dental Society ー 毒 } ノ广 tt Ut+t { l で t tt 一 t ( 6 ) 肉腫化を起し死の轉帰を取つた下顎対照性 OsteoFibr6rp に就レ て 〆 最褒に本例樋じて感じた事は, 歯胚と顎領 域に発生する腫瘍との関聯性に就て f ある 本 例に於ては歯嚢と腫瘍実質とは壕界なく互に移 行し, 更に歯嚢夫れ自身も腫瘍の 一 部をなして ゐるが, 斯様 k 場含 r 歯芽が本睡瘍発生の母地 をなしたものか, 又は幼時に於ける顎構成のヅ 蔀分と しての歯芽が即ち階膸を 蒄生母地と する結締織性腫瘍形成に参劃したものか, に就ては今俄かには論断し得な V が, の点 少くとも る幼卿鮒顎腫瘍, 特に骨刋城を伴ふ線維腫の発生に関しては Lexer も僅かに言及してゐ る如く, 共の腫瘍芽としての歯芽 ( 歯嚢 ) を無 視し得 な V と 拳えられる o 爾掘論が許されるならば, 幼時に発生した顎の骨線 維踵吟或るものに歯嚢性歯系睡瘍と做すべきもの が右り得ると羹ふ事であり, 又定型的歯牙瞳 軟性歯 ffpt 歯系 0 t Fib m Sarc の呷各移行階程に 該当する如き組織所見を持つた臨症例力弐 今後注意深 い検索に依つ ll である : ゴ て見禺される可能性があると考えるもの Y 結 ; 本例は生後 2 年 3 ケ月女児 ( び下顎部 こ対 照性に韲現した中心性骨線維腫並びに骨膜唯線維肉睡の 例である o 2 本例は顎骨々線維腫を原癸瞬瘍とし, 次 で骨膜に二次的肉腫化を起しゴ 語 更に唾液腺耳び 淋巴腺等に転移を来したと思はれる極めて稀なー例である 3 本例の手術は患児の耐え得る限度た於て 腫瘍の完全切除と徹底的清掃を行ったが, 術後 6 月を経て頸部, 胸部に汎癸性転移肉腫を形 成し全身衰弱の結果死の転帰を取るに至った 4, 本例は幼児であり且つ切除範囲が広汎に 亘るので, 其の下顎切除部には通常用ひられる 下顎切除義歯の応用は不可能である 依つてア クリリツク レヂ γ 製義顎の篏植を試みた所 比較的良結果を得た 5 組織所見上歯胚歯嚢は解しも腫瘍の一 9K をなしてゐるが, 即ち 歯芽が本腫瘍発隼の母 地,, をなしたものか, 或は歯芽が 骨髓を発生 母地,, とする本腫瘍に参劃したものかの点に就 ては今俄かには論断し得な V 6 本例は顎骨女線維睡と雖も殊に若年者に 整生した場合には, 時に悪性腫瘍化岱の危険性 を孕む事を示唆する例である 7 下顎対照性に発現した本例は本邦最初 ) 報告であり, する 発見年令は文献上最弱年者に相当 ( 稿を了るに当り御指導並に御校閲を賜つた病理学 教室高野義臣教授に対し深甚の謝意を表する ) 献 ) Menzel ;Arch fklinchirur Bd 3, S 22 872 2 ) 叮 yeno ;BeittKlin Chir,909 Bd 65, S 3{} 一一 33 3 ) Hippel ; Ztschr f Mund u Kiefer Chir95, Bd S ユ 0 28 4 )Lexetr ; A! ユ gemeine ChirgrgieBd IL S 266 924 5 )Feldpnapn ; D M F Z Heft2, 928 6 ) 弘中 伊藤ぢ臨床医章, ユ 6 年,( 昭 3 ), 7 ) 後藤 J 海軍々医会雑誌,9 巻 3, 号, (930 ) 焔耳鼻 37 巻 2 号 ; ( 昭 6 )? ) 8 > 佐々木 岡 ; 大日耳鼻, 3 徳 2 号, ( 昭 7 ) 0 ) St 恥 三 JA D A p 822 934 ) 廣田 ; 大日耳鼻, 40 巻 i 号,( 昭 9 ) 2 ) 川野 ; 東京医誌 昭 9 453 ) 大野 ; 東京嘩詰, No 2955 ( 昭 0 ) 4 ) 小野 ; 病誌,3 巻湾号,( 昭 4) 5 ) 村も瀬 ; 歯科学報,46 巻, 号, ( 昭 5 ) 6 ) 土佐林 ; 耳鼻咽喉科,22 巻, 9 号, ( 昭 25 ) i 駄ド竪 < 司 F L 6 州 e 蜘 叢 NII-Electronic N 工工一 一 Library 一一 Service
靆 Kyushu Dental Society 購聯職導睡 津 ; : θ 艶 ツ警構 ぐ慌丶噛職野? 凝 ジ 旨冖 匸厂 肉腫化を起し死 の 輜帰を取つた下顎対照性 0 就 Feo 鵬 mm に就い て 伽 ( 譜ビ 7 ) 7 ド, 猶 雑 μ 難 縁 y い宀叩 叩日 r 第 圖第互團 ソ ;9 〆一 擁ら 飄 ジ : ぐ : 三 : i 翫 噌ド, い 噛 第亘 画 第 w 圜 巨 第 圖第豆圖第 H 圀第 rv 圏 術前顏貎左右下顎の剔 Hi 腫瘍轉移を來した剔出唾液腺及び淋巴腺歯胚周翅の組織所見 一 7 一 NII-Electronic N 工工一 Eleotronlo 工馬 Library Service
ソ Kyushu Dental Society 糶騨 騨繕壷 : 胃警 警警冫拶, 帯一 匸厂聯轡響 甥 \ 醤 騨藍灘罪 : ttt π パ, 黶け 2, 内 F r 冫 ぐ 一幅二, t 石尸, ヒド尊 F 旨 r ゴ ヒド内尸 ず F r 石一帯呼 } 卩 丶 ρ 尸ドヒ 奄内 齟 L l 一 :: ( 8 ) 肉腫化を起し死の轉帰を取つた下顎対照性 OsteoFibro 皿に就いて舜卩 P 引 L o 尸 濫 尸 貯 卜 馳 駄お〆 尸 吹 こ 牌尸 r 汽厂 } へ甲ー確紬 P 广簡 : 囁齟評, 内恥 P 累馳 F ゴ 囁 馳卩り 母 艀尸 ぞ内陀戸訝 rt p 尸丶 F 厂 U P ぺド凡ゴ 覧ヒ ゴ 馬売 = φひ D 内 u げ戸囁 S 一ド ー厂 r 厂 dible kat Caused atio 皿 intosarco 皿 a 9 0n A Sym 皿 etrica0steofibroma of Ma n ) eath After Transfo by Masateru 正 lirakaw @andturao Kajitani Depa ment bf Oral Surgery, ushu Dental CQllege and Depart 皿 ent of Pathology, Kyushu Dental college ( Pr Dr Y Takano ) ド r Osteofibroma of nlandible, transfor 皿 e ( t into malignant t nor, has n (}t yet bee 皿 reported This case occured fro 皿 osteqflbroma that ha @prirnarily symmetrica! foci in the 亅皿 andible Qf a 2 years a 皿 d 3 no 皿 ths old ch 圭 The osteofibro 皿 a to( 洫 the secondarytransfor 皿 ation into sarcoma in the perio eum, and brought hl thediffuse metastasis on salivary and lylnphatc glands a finally on the breast The patient finally died This case suggested us that o eofibroma may be consi dered rather dangerous in the case in fant Histologically we obser ed tumorous transfor ロ ati of tooth anlage (dentalfollicule ), which made lls s 囎 Pose some histogenic relatio @tq the incidence of the ず tumor The present case is the first report of osteofib ma occurring sym 塒 etrically in the 阻 andible in the llteratures of our country, andthe & ge of the v 童 ctim 皿 ay be the ア oungest described in the foreign reports Bec se of the patient s 呈 nfancy, and the scope of resection being very extensive, the usual splint was 圭 napplicableas the if 仁 er treatment We had, however, a succ sful resultby applying the art ficial mandible made of acry c resin @ 内 齟 t 7 極めて稀有なる齒系混合腫瘍の 例 ARare C e of Odontogenous 匪 ixed T 腿 mor 7虐 ρ r 九州歯科大学口腟外科学教室 ( 主任 ; 耳 Z 川教授 ) ヒ厂 4 川正輝 同病理学教室 ( 主任 ; 高野教授 ) F 耐一梶谷貫大 通黼 而して之等の所謂歯系混合腫瘍と称される症 L 緒言例の報告は 比較的少ない様である 6 系腫瘍と呼ばれるもの瞰瑯上皮腫瀘本例騨一齢源基に由来して発生した濾胞 tt 胞 性歯牙嚢, 歯牙腫歯周嚢胞等がある 性歯牙嚢胞及び性一部性歯牙腫が, 外観上皐 8 一 i 亨 /,t L ロ NII-Electronic, キ t Library Service N 工一 Eleotpomo Llbrary 手 ゴ t t / 諦 こ : t:{ 濾 塾童藤