Preoperative diagnosis of a rudimentary horn pregnancy ; a case report Yukiyasu SATOH, Hiroaki ITOH, Hirosi FUJIWARA, Norimasa SAGAWA and Takahide MORI Department of Gynecology and Obstetrics, Kyoto University Faculty of Medicine, Kyoto Kaori TOGASHI Department of Nuclear Medicine, Kyoto University Faculty of Medicine, Kyoto Synopsis Pregnancy in the rudimentry horn is an extremely rare disorder. Usually, preoperative diagnosis of rudimentary horn pregnancy is difficult, and in most cases, it is diagnosed during laparotomy. We report a rare case of unruptured rudimentary horn pregnancy which was diagnosed preoperatively in the first trimester by using magnetic resonance imaging (MRI), ultrasonography and hysteroscopy. [Adv Obstet Gynecol 48 (1) ; 12-19, 1996 (H8. 1)] Key words : rudimentary horn pregnancy, magnetic resonance imaging (MRI), utrasonography, hysteroscopy
1996年1月 13 佐藤他 (1) (3) (2) (1) A子 宮 の右 側 に子宮 体 部 と連 続 す る直 径 約3cmの B:バ 腫 瘤 像(造 影T1強 ナ ナ 状 子宮 内膜(T2強 図1妊 調 画 像) 調 画 像) 娠11週1日 のMRI像 (2) 直 径約3cmの (3) 腫瘤 像 =右 卵 巣像
14 術 前 に診 断 し得 た 副角 妊 娠 の1症 例 と きに 妊 娠31週 で 骨 盤 位,前 王切 開術 を行 い,体 現病歴:平 期破水 の ため緊急 帝 重1562gの 4月5日 産 婦 の 進 歩 第48巻1号 (1) 女 児 を分 娩 した. よ り6日 間 を最 終 月 経 と して 無 月 経 と な り,当 科 外 来 を受 診 し妊 娠 と診 断 さ れ た.妊 娠10週6日 とな っ て も,経 膣 超 音 波 検 査 に て 子 宮 内 に胎 嚢 像 を認 め ず,妊 娠 反 応 は依 然 陽 性 で あ っ た た め 子 宮 外 妊 娠 を疑 い 入 院 と な っ た. 入院 時所 見(妊 娠10週6日):顔 色 良 好,血 液検査 に てWBC5700/mm3,RBC416万/mm3,Hb12.5 g/d1,尿 中hCGは13,2001U/Lで hcg41,3001u/l,血 あ っ た.血 中 中プ ロ ゲ ス テ ロ ン4.5ng/ml, 血 中 エ ス トラ ジ オ ー ル280pg/ml.下 腹 痛,性 器 出 (z) 血 な どの 自覚 症 状 は 認 め な か っ た.内 診 上 外 子 宮 口 は1つ で 子 宮 口か らの 出 血 は な く,子 宮 は超 鶏 卵 大 で 軟,両 側付属 器 は触知 されず圧痛 はなか っ た.経 膣 超 音 波 検 査 で は 子 宮 内 に胎 嚢 を 認 め ず, Douglas窩 に液 体 の 貯 留 を 認 め な か っ た.ま 宮 外 に も胎 嚢 像 は確 認 で き な か った が,子 た子 宮外 妊 娠 が 強 く疑 わ れ た た め 入 院 経 過 観 察 と した. 入 院 後経 過:妊 娠11週1日,子 確 認 す るた め,MRI検 宮 外胎 嚢 の有 無 を 査 を施 行 した.図1Aに 示 す よ う に,子 宮 の右 側 に 子 宮 体 部 と連 続 す る 直径 約3cmの 腫 瘤 像 が 認 め られ た.そ の内部 には胎 嚢 様 の 嚢 胞 像 が 存 在 し,子 宮 筋 層 と等 信 号 強 度 の 血 管 に富 ん だ 薄 い壁 に 囲 まれ て い た.子 宮 体 部 と こ の 腫 瘤 外 周 との 間 に は"く ぼ み"が 存 在 した. また,図1Bに 示 す よ う に子 宮 内膜 はバ ナ ナ 状 を して お り,内 膜 の 形 よ り単 角 子 宮 あ る い は双 角 子 宮 の 可 能 性 が 考 え られ た.以 上 のMRI画 見 か ら,右 副 角 妊 娠,双 像 の所 部 妊 娠 の 可 能 性 が考 え られ た. 妊 娠11週3日,軽 (1) 角 子 宮 妊 娠 あ るい は 間 質 (z) 度 の右 下 腹 痛 を 自覚 す る よ う に な り,内 診 上 右 付 属 器 に 圧 痛 の あ る胡 桃 大 の軟 らか い 腫 瘤 を触 知 した.MRI検 査 の 所 見 を念 頭 に お き再 度 経 膣超 音 波 検 査 を実 施 した とこ ろ,依 然 と して 子 宮 内 に は 胎 嚢 を 認 め ず,図2の ご と く子 宮 の 右 側 方 の 圧 痛 部 に一 致 して 直 径1.7cm(妊 5週 相 当)の 胎 嚢 様 の 像 を 認 め,そ 娠 の 内部 には出 図2妊 娠11週3日 の 経 膣 超 音 波 断 層検 査 像 血 に よ る と思 わ れ る高 輝 度 エ コ ー 部 分 お よび 胎 芽 子 宮 の右 側 方の 圧 痛 部 に一 致 して 直径1.7cm(妊 娠 5週 相 当)の 胎 嚢 様 の 像 を認 め た. と思 わ れ る像 が 存 在 した が,胎 児 心 拍 は確 認 で き ;胎 嚢 様 像 を伴 う腫 瘤 像 :子 宮
1996年1月 A:経 15 佐藤他 腹超 音波 ガ イ ド下 の ゾ ンデ 診 ゾ ンデ は左 角 に は 入 るが 妊 娠 腫 瘤 内 に は挿 入 され な か っ た. A:開 腹 時所 見 :子 宮 右 側 の妊 娠 腫 瘤 孟 4. 〆 汽 警糠1欝 '紳 旨'騨 縮毒 ぎ a ヒ k 嚢 c1 り さ, ザ,ご ざ一 〆 暴 翼 ぐ ' B:組 運 娠11週5日, 図3妊 響'燃F 矧 斜, 一 一 B:子 宮鏡像 左卵管開 口部のみ確認 され左単角子宮の所見 を示 し た. ガ 詫 驚k 磯 藍丁噛 斎 ミ P ミ塾 臓甑鳶 執饗 9 4 鍮灘 遡鴨 げ 祭 一.モ き欝 織 所見( 100) :絨 毛 組 織 の 筋 層 内へ の 直接 浸 潤 像 図4妊 娠12週0日 な か っ た.こ の 腫 瘤 の 全 周 は 子 宮 筋 層 と同 輝 度 な 連 続 性 を認 め な か っ た こ とか ら,双 角 子 宮 妊 娠 は 充 実 組 織 の壁 で 囲 まれ,足 否 定 的 で あ り,右 副 角 妊 娠 を も っ と も疑 っ た が, 連 続 して お り,MRI所 方 にお い て 子 宮 筋 層 と 見 と同様 に子 宮 体 部 と腫 瘤 外 周 の 間 に は"く ぼ み"が 認 め られ た.ま 様 像 と子 宮 内膜 との 間 に連 続 性 は な か っ た.両 側 そ こ で,血 中hCGが24,0001U/L前 後 で横 ばい や や 低 下 傾 向 で あ る こ と,経 膣 超 音 波 検 査 上 胎 卵 巣 は腫 瘤 と は別 に確i認さ れ,右 卵 巣 に は 黄体 嚢 児 心 拍 が依 然 確 認 され な い こ と よ り流 産 と判 断 し, 胞 と思 わ れ る嚢 胞 像 が 存 在 した.ま 間 質 部 妊 娠 の 否 定,胎 嚢 の経 膣 的 排 出 の 可 能 性 の た,右 た胎嚢 間 質 部 妊 娠 を完 全 に 否 定 す る こ とは で き なか っ た. 下腹部 の 自発 痛 は 翌 日よ り消 失 した が,圧 痛 は 引 き続 き 判 定 を 目的 と して 妊 娠11週5日 認 め られ た. び 子 宮 内膜 掻 爬 術 を実 施 し た.経 腹 超 音 波 ガ イ ド 経 膣 超 音 波 検 査 で 胎 嚢 様 像 と子 宮 内 膜 との 間 に 下 の ゾ ンデ 診 で は,図3Aの に子 宮 鏡 検 査 お よ よ うに ゾ ン デ は 左 角
18) Gomori J.M. et al. : Intracranial hematomas, imaging by high field MR., Radiology, 157 : 87, 1985. 19) Pentli K. Heinonen : Clinical implicaton of the unicornuate uterus with rudimentary horn., Int. J. Gynaecol. Obstet., 21 : 145, 1983. 20) Strolzmer H. et al. : `Chemical curettage' using intrauterine methotrexate injection. Hurn. Reprod., 7 : 1027, 1992.