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照明の基礎知識1.4 グレア評価 1-13 1.4.1 グレア グレア (glare) とは 視野の中に不適当な輝度分布があるか 輝度の範囲が広すぎるか または過度の輝度対比があるために 視野内の細部や物体を見る能力の減少 ( 減能グレア :disabitiy glare) もしくは不快感 ( 不快グレア :discomfort glare) を生じさせる視覚の条件または状態をいいます グレアを生じさせる面から分けると次のようになります 直接グレア (direct glare) 視野内 特に視線に近い方向にある輝度の大きい面によって生じるグレア 反射グレア (glare by reflection) 反射像が観察する物体と同じか または近い方向にあるような正反射によって生じるグレア 光幕反射 (veiling reflection) 見るものと重なって 輝度対比を低下させることによって物体の細部を部分的または全面的に見分けにくくする正反射 または指向性が強い拡散反射 1.4.2 不快グレアの評価 LIGHTING HANDBOOK, IES, 1984 不快グレア評価の基本式 Ls a ω b M = F c P d M--- 不快グレア -------- 大きいほどまぶしい (cd/m 2 ) Ls--- 光源の輝度 ------- 輝度が高いほどまぶしい (cd/m 2 ) ω--- 光源の立体角 ----- 大きいほどまぶしい (sr) F---- 視野の平均輝度 --- 低いほどまぶしい (cd/m 2 ) P---- 光源の位置指数 --- 距離が近いほどまぶしい (m) a, b, c, d : 定数 (1)VCP (Visual Comfort Probability) 北米で主に用いられている方式です グレアを不快ではないと感じる人の割合 (%) で評価されます 北米照明学会では オフィス 学校など 70 以上を推奨しています ( 表 4.1) 1 1 個の器具によるグレア LSQ M = 0.5018 0.44 F P ( Q = 20.4ω+1.52ω 2 0.075) 2 複数の器具によるグレア DGR =( M ) a (a = n -0.0914 n は視野内の器具の種類 ) 3 VCP への変換 VCP=( 100 / 2π ) t ( t 0 = 6.374 1.333log e( DGR)) e t 0 2 / 2 VCP 95 75 50 20 5 dt 表 4.1 評価数と印象 (VCP) Unnoticeable ( 感じない ) Acceptable ( 感じられる ) BCD ( 不快グレアの評価の基本 ) perceptible uncomfortable ( 不快である ) just intolerable ( ひどすぎると感じ始める ) ( 参考文献 Lighting Handbook : IES, 1984, pp.9-47. )

照明の基礎知識1-14 Technical ReportNo.10 IES-London, 1967 屋内作業場の照度基準 JISZ9125 2007 年 (2)BGI (British Daylight Glare Index ) 英国のグレアインデックス法のことです 数値が小さいほどグレアが少ないことを示し 特にグレアのないことが必要な場所では約 10 を 一般屋内では約 20 を 比較的粗な作業では約 30 を許容しています ( 表 4.2) 1 1 個の器具によるグレア 1.6 S L ω M = 0.478 F P 0.8 1.6 2 複数の器具によるグレア G = M 3 グレアインデックス (BGI) への変換 BGI = 10log10(0.5G) 表 4.2 評価数と印象 (BGI) BGI 28~ 28 25 22 19 16 13 Intolerable ( ひどすぎる 耐え難い ) Just Intolerable ( ひどすぎると感じ始める ) Uncomfortable but not intolerable ( 不快である ) Just uncomfortable ( 不快であると感じ始める ) Unacceptable but not uncomfortable ( 気になる ) Just acceptable ( 気になり始める ) Perceptible but unacceptable ( 感じられる ) Ls--- 光源の輝度 (cd/m 2 ) ω--- 光源の立体角 (sr) F---- 視野の平均輝度 (cd/m 2 ) P---- 光源の位置指数 (m ) 10 Just perceptible ( 感じ始める ) ~10 Imperceptive ( 感じない ) ( 参考文献 Techinical ReportNo.10 : IES-London, 1967. ) (3)UGR (Unified Glare Rating) 暫定 CIE 法 (CGI) に代わって 1995 年に CIE が推奨した方法です 数値が小さいほどグレアが少ないことを示し BGI とほぼ同じ意味を持つとされています UGR の方が約 3 単位高くなるという研究もあります UGR = Lb--- 背景の輝度 (cd/m 2 ) L---- その環境にある各照明の発光部分の輝度 (cd/m 2 ) ω--- 光源の立体角 (sr) P---- 光源の位置指数 (m) また Lb は下記で表されます Ei L b = π 2 0.25 Lω log( ) L P 8 2 b 表 4.3 評価数と印象 (UGR) UGR 28 25 Just Intolerable ( ひどすぎると感じ始める ) Uncomfortable but not intolerable ( 不快である ) Ei---- 観察者の目の位置での間接照度 (lx) 22 19 16 13 Just uncomfortable ( 不快であると感じ始める ) Unacceptable but not uncomfortable ( 気になる ) Just acceptable ( 気になり始める ) Perceptible but unacceptable ( 感じられる ) ( 参考文献屋内作業場の照度基準 JISZ9125 2007 年 )

The lighting of indoor work systems, ISO8995,1989 照(4) 輝度制限法この方法は 照明器具単位のを表そうとするもので 鉛直角 45 以上の照明器具の輝度制限値を定める方法で ISO 8895 (The lighting of indoor work systems) に示されています また 公共照明器具標準のG 分類は これが基礎になっています ( 図 4.1) ( 図 4.2) ( 図 4.3) 図 4.1 輝度制限法 ( 参考文献 The lighting of indoor work systems, ISO8995, 1989. ) 器具の輝度 L(cd/m 2 ) 図 4.2 長辺が視線に直角に取付けられ 側面から光が出ている照明器具に対する限界輝度 ( 参考文献 The lighting of indoor work systems, ISO8995, 1989. ) 器具の輝度 L(cd/m 2 ) 図 4.3 長辺が視線に平行に取付られた照明器具および 側面から光が出ていない器具に対する限界輝度 ( 参考文献 The lighting of indoor work systems, ISO8995, 1989. ) 鉛直角 r 鉛直角 r a / ha a / ha 明の基礎知識1-15

照明の基礎知識1-16 1.4.3 道路照明の不快グレア評価 Glare and uniformity in road lighting installations CIE 31, 1976 道路照明器具が連続して配置される場合の不快は グレアコントロールマーク (G) で評価されます 0.5 ( log I 80 / I 88 ) 0.08log I 80 88 G = 13.84 3.31log I 80 + 1.3 / I + 1.29 log F + 0.97 log L + 4.41log h 1.46log p G--------- グレアコントロールマーク I 80 -------- 道路平行断面方向の鉛直角 80 の光度 ------50<I 80 <7,000 (cd) I 80 / I 88 --- 同上鉛直角 80 の光度と 88 の光度の比 ---1 <I 80 /I 88 < 50 F--------- 同上鉛直角 76 の照明器具の発光面積 ------0.007<F<0.4 (m 2 ) L--------- 路面平均輝度 ---------------------------------------0.3<L<7 (cd/m 2 ) h--------- 目と照明器具の高さの差 --------------------------5<h<20 (m) p---------1km 当たりの照明器具の数 ( 台 ) 表 4.4 評価数と印象 G 1 3 5 7 9 unbearable ( 耐えられない ) disturbing ( 邪魔になる ) just admissible ( 許容できる限界 ) tolerable ( あまり気にならない ) unnoticeable ( 気にならない ) 1.4.4 屋外 ( スポーツ ) 施設の不快グレア評価 Glare evaluation system for use within outdoor sports and area lighting CIE 112, 1994 この方法は 任意の点から照明塔の地際又は水平方向を見た場合の不快を評価する方法で グレア比 (GR) で評価されます ( 図 4.4)( 表 4.5) ( Lvl / 0.9 ) ( / 2 ) GR = 27 + 24log Lve Lvl = 10 Eov θ Lve 0.035Ehρ /π ( 参考文献 Glare and uniformity in road lighting installations, CIE31, 1976.) GR----- グレア比 Lvl----- グレア光による等価光幕輝度 (cd/m 2 ) Lve---- 反射光による等価光幕輝度 (cd/m 2 ) Eov----- 視線方向の照度 ( 水平視線では鉛直面照度 ) (lx) θ ----- グレア光と視線のなす角度 (sr) Eh ----- フィールド面の平均水平面照度 (lx) ρ ----- 反射率 (%) ( 芝 : 約 20%) 表 4.5 評価数と印象 (GR) GR 90 70 50 30 10 unbearable ( 耐えられない ) disturbing ( 邪魔になる ) just admissible ( 許容できる限界 ) tolerable ( あまり気にならない ) unnoticeable ( 気にならない ) 図 4.4 屋外 ( スポーツ ) 施設のグレア評価 ( 参考文献 Glare evaluation system for use within outdoor sports and area lighting, CIE112, 1994. )

1-17 1.4.5 減能グレアの評価 ( 視機能低下グレア ) 日本道路協会道路照明施設設置基準 同解説 2006 年 減能グレアは 知覚しうる最小輝度差の増加量 (TI) で表されます TI ΔL ΔL g g ΔL o )/ ΔL 100 o (%) : グレアがあるときの知覚しうる最小輝度差 (cd/m 2 ) ΔL o : グレアがないときの知覚しうる最小輝度差 (cd/m 2 ) 減能グレアによる知覚しうる最小輝度差の増加は ある均一輝度を有する光幕 ( 等価光幕輝度 ) を視対象と目の間にかけたときの 知覚しうる最小輝度差の増加に置き換えて考えることができます 照明の基礎知識( 1.4.6 道路 トンネル照明の減能グレア評価 日本道路協会道路照明施設設置基準 同解説 2006 年 道路照明など背景輝度分布が路面の平均輝度で表せる場合には 視機能低下を相対いき値の増加量 (TI: グレアのない状態に対してグレアがあることによって障害物などの視認性が低下する割合 ) として 次式で求めることができます Lr 5 (cd/m 2 0.8 ) の場合 TI = L v / L (%) 65 r TI = 95 L v / Lr Lr> 5 (cd/m 2 1.05 ) の場合 (%) Lr--- 平均路面輝度 (cd/m 2 ) Lv--- 運転者の視野内の灯具による等価光幕輝度 (cd/m 2 ) 等価光幕輝度と相対いき値増加の計算で特に注意が必要なのは 照明施設の完成当初の状態で計算するということであり 相対いき値増加を計算する際に用いる等価光幕輝度および平均輝度は 保守率を1として計算をします 上記の2つの式で必要となる等価光幕輝度 Lvは 以下の式により表されます また 道路 トンネルにおいては 表 4.4の値を原則とします n Evi Lv = 10 2 i= 1 θi Evi--- グレア源 i による視線と垂直な面における照度 (lx) θi--- 視線とグレア源 i のなす角度 ( ) i --- 対象とする灯具数 ( 台 ) 表 4.4 相対いき値増加 道路 トンネル分類 高速自動車国道等 相対いき値増加 (%) 10 以下 一般国道 幹線 補助幹線道路 トンネル 主要幹線道路 15 以下 15 以下 ( 参考文献 道路照明設置基準 同解説 日本道路協会 2006 年 30 頁 68 頁 )

照明の基礎知識1-18 1.4.7 街路照明器具の輝度規制 歩行者のための屋外公共照明基準 JIEC-006 1994 年 街路照明器具が歩行者などに与えるグレアは その発光部分の見かけの大きさ ( 立体角 ) と輝度との関係で取り扱うことができます ( 図 4.5) 図 4.6 は 各種基準や研究結果との関係をまとめたものです 照明学会では これを簡略化し 鉛直角 85 度方向の光度を 取付高さに応じて以下の表に示す値以下と規定しています 表 4.6 照明器具のグレア規制 ( 取付け高さ 10m 未満のもの ) 鉛直角 85 度以上の輝度 20,000cd/m 2 以下 ( 注 ) 照明器具の高さ 4.5m 以下 4.5~6.0m 6.0m 以上 鉛直角 85 度方向の光度 2,500cd 5,000cd 12,000cd ( 注 ) 鉛直角 85 度方向の光度から推定してもよい ( 参考文献歩行者のための屋外公共照明基準 JIEC006 1994 年 ) 照明器具 目 5 度 1.5m 図 4.5 街路照明器具の輝度規制 高さ 図 4.6 発光面輝度 発光部の立体角と ( 参考文献歩行者のための屋外公共照明基準 JIEC006 1994 年 )