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後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

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45-2 感染となる場合もある * リスクのある集団 : 2015 年には 約 32 億人 ( 世界の人口の半数近く ) がマラリアの危険にさらされた 最もマラリア症例数および死亡数が多いのは サハラ以南のアフリカである しかし アジア ラテンアメリカの特定の集団 そして中東と一部のヨーロッパへの広

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します また 血小板減少症などの診断にもなります 血糖糖尿病が妊娠をきっかけに発見されたり 既に糖尿病に罹っていて 妊娠中に発見されることがあります 既に糖尿病と分かっていて妊娠された場合を糖尿病合併妊娠 妊娠中にはじめて対糖能低下 ( 糖尿病の傾向 ) が指摘された場合を妊娠糖尿病といいます 糖尿

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なくて 脳以外の場所で起きている感染が 例えばサイトカインやケモカイン 酸化ストレスなどによって間接的に脳の障害を起こすもの これにはインフルエンザ脳症やH HV-6による脳症などが含まれます 三つ目には 例えば感染の後 自己免疫によって起きてくる 感染後の自己免疫性の脳症 脳炎がありますが これは

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3-2 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値流行状況の年次推移を 全国的な状況と比較するため 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値について解析した ( 図 2) 全国的には 調査期間の定点あたり患者報告数の年平均値は その年次推移にやや増減があるものの大きな変動は認められなかった 札

参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 参考 9 大量出血や急速出血に対する対処 参考 11 慢性貧血患者における代償反応 2) 投与方法 (1) 使用血液 3) 使用上の注意 (1) 溶血の防止 赤血球液 RBC 赤血球液

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はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

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なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領

13

二類感染症 1 結核平成 23 年は 291 件の届出があり 前年 (188 件 ) の約 1.5 倍に増加した 月別届出数は 16~43 件で推移した 症状別では 患者 198 件 ( 内訳 : 肺結核 143 件 その他の結核 42 件 肺結核およびその他の結核 13 件 ) 疑似症患者 1 件

( 症状および検査所見 ) 3~7 日の潜伏期間の後に 発熱 発疹 頭痛 骨関節痛 嘔気 嘔吐などの症状がおこる 日本国内で診断されたデング熱患者の症状や検査所見の出現頻度を表 1 に示す 3) 発熱は発病者のほぼ全例にみられ 時に二峰性となる 通常 発病後 2~7 日で解熱し そのまま治癒する 約

というもので これまで十数年にわたって使用されてきたものになります さらに 敗血症 sepsis に中でも臓器障害を伴うものを重症敗血症 severe sepsis 適切な輸液を行っても血圧低下が持続する重症敗血症 severe sepsis を敗血症性ショック septic shock と定義して

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

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2. 診断 どうなったら TTTS か? 以下の基準を満たすと TTTS と診断します (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊水過少が同時に存在すること a) 羊水過多 :( 尿が多すぎる ) b) 羊水過少 :( 尿が作られない ) 参考 ; 重症度分類 (Quintero 分類

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診断 治療 原虫の証明 他の感染症との合併注意 パートナーの治療 イソスポーラ Isospora belli 慢性的な下痢 25

診断 治療 浮遊法でオーシスト検出 ST 合剤? 26

クリプトスポリジウム Cryptosporidium hominis HIV 患者では重症化して死亡することあり 27

診断 治療 浮遊法でオーシスト検出 AIDS 患者ではニタゾキサニド パロモマイシン アジスロマイシン 28

サイクロスポーラ Cyclospora cayetenensis 慢性的な下痢 29

診断 治療 浮遊法にてオーシスト検出 ST 合剤 30

31

トキソプラズマ Toxoplasma gondii 急性感染症 先天性トキソプラズマ症網脈絡膜炎水頭症脳内石灰化精神運動障害 後天性トキソプラズマ症トキソプラズマ脳炎 (AIDS) 32

診断 治療 虫体検出 色素テスト ELISA 等 ST 合剤 アセチルスピラマイシン マクロライド等 ヒトマラリア 住血胞子虫類プラスモジウム科プラスモジウム属のうち 4 種によって引き起こされる感染症 感染症新法では新四類感染症に分類 世界では WHO の推計で 3 億人が感染し年間 300 万人が死亡している 特に熱帯サハラ以南のアフリカで猛威を振るっている 33

Mal= 悪い Aria= 空気 よどんだ空気で起こる病気と考えられていた イタリアの三日熱マラリアは沼地の近くで発生 よい空気は BuenosAires 子供の脾臓を触診する医者 マラリア患者と思われる人を診察するヒポクラテス 34

発熱発作を示す絵ロンドン 1792 年 フランス陸軍軍医ラベランが 1880 年にアルジェリアで死亡した兵士から見つけ出したマラリア原虫のスケッチ 35

ロナルドロス英国陸軍軍医少佐はインドでマラリアが蚊によって伝播することを発見 (1897 年 8 月 20 日 ) 後に鳥マラリアで証明 一方イタリアのグラッシはより科学的方法でマラリアが人に蚊によって伝播することを証明 1902 年ノーベル賞はロスに与えられた 中央ロナルドロス 左端スティーブンス マラリアの分布 マラリアの分布は媒介蚊であるアノフェレス属の分布に一致 マラリアリスクのある国あるいは地域であっても条件により伝播のリスクは異なる 36

マラリアの症状と徴候 1 発熱 2 貧血 3 黄疸 4 感冒様症状 5 下痢 6 意識障害など 第一次大戦での北アフリカにおけるマラリア感染兵士王立空軍熱帯病病理研究所 マラリアの種類 Plasmodium falciparum 熱帯熱悪性三日熱 Plasmodium vivax 三日熱 48 時間周期に発熱 Plasmodium malariae 四日熱 72 時間周期に発熱 Plasmodium ovale 卵形 48 時間周期に発熱 37

38 マラリアのサイクルマラリアのマラリアのマラリアのマラリアの流行度流行度流行度流行度流行度流行度流行度流行度脾腫率脾腫率脾腫率脾腫率寄生率寄生率寄生率寄生率意味意味意味意味 Hypoendemic 10%> %> %> %> 10%> %> %> %> 流行少流行少流行少流行少ないないないない Mesoendemic 11<< << << <<50 11<< << << <<50 一般的一般的一般的一般的地誌的影響大地誌的影響大地誌的影響大地誌的影響大 Hyperendemic 50< 成人成人成人成人で 25< 50< 季節性変動季節性変動季節性変動季節性変動免疫免疫免疫免疫は不完全不完全不完全不完全 Holoendemic 75< 成人成人成人成人で低い 75< 0-11 ヶ月常に流行流行流行流行し免疫免疫免疫免疫は小児小児小児小児を除き高い 2-9 歳の小児小児小児小児におけるにおけるにおけるにおける割合割合割合割合

マラリア流行流行の因子 一人のマラリアのマラリア患者患者が一定期間一定期間のうちにのうちに媒介蚊媒介蚊によってどれぐらい吸血吸血されされ そのその蚊の中でどれぐらい早く効率効率よくマラリアがよくマラリアが発育発育し そのその蚊が再度人を刺す確率確率などをなどを基に算出算出するする ヒトの因子 : 寄生率 環境 : 高度 気温気温 湿度湿度 雨量雨量 植生植生など 蚊 : 嗜好性 ( ヒトのみか動物動物も刺すのか ) 習性 Endophilic Exophilic Endophagic Endophilic 産卵場所などなど 社会的因子 : 人口密度 人口移動人口移動 インフラインフラ整備農業などなど人工人工の生活因子生活因子 戦争戦争などなど 教育教育レベルや個人的防御個人的防御などもなども含まれるまれる 熱帯熱マラリア 分布 : 広く熱帯地方に分布特にアフリカ 感染 : 幼弱赤血球から古い赤血球すべてに感染 潜伏期 :9-14 日 薬剤耐性 : クロロキン耐性が蔓延している 再燃 (Recrudescence) あり 予後 : 非免疫患者の場合感染後数日で死亡することもあり 注意が必要 コントロール方法は他のマラリアとほぼ同じ 39

熱帯熱マラリアの病態は感染赤血球に Knob と呼ばれる突起物が生じそれが血管内皮細胞に付着することによっておこる (Sequestration) この Knob は感染赤血球内のマラリア原虫が成熟するにつれ出現する よって感染赤血球のうち未熟なマラリアすなわち輪状体のみが末梢血に出現する 成熟したマラリア感染赤血球が末梢に出現するのは重症か脾摘出患者 マラリア感染 赤血球の変形と付着 溶血 Sequestration 肝脾腫 貧血 循環障害 低酸素 代謝異常 過剰な免疫応答 細胞障害 様々な症状 RIP 40

熱帯熱マラリアの合併症 1 貧血 2 低血糖 3 肺水腫 4 腎不全 5 DIC 様症状 6 ショック 7 脳症 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum ring form 輪状体 比較的小型の原虫で一つの赤血球に複数感染が見られたり ヘッドフォーンのようにクロマチン顆粒が 2 つあるものもある赤血球は腫大しない 41

熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Trophozoite 栄養体 モーラー (Maurer) 斑点が見られることがある 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Schizont 分裂体 一般的に毛細血管に付着するため末梢血には現れないが重症の場合や脾臓摘出後の患者では出現する メロゾイトの数は 8-24 個 42

熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Gametocyte 生殖母体 バナナの形をしている オスはピンクでメスは青である 感染回復期に見られることが多い 蚊によって吸血され新たな感染源となる 免疫をもったヒトでは無症状でも観察されることがある 三日熱マラリア Plasmodium vivax 分布 : 広く熱帯地方に分布温帯にも存在 感染 : 幼弱赤血球 網状赤血球に感染 潜伏期 :12-17 日一部ロシア 中国では 2 年 薬剤耐性 : クロロキン耐性が一部に見られる 再発 (Relapse) あり Hypnozoite の存在 予後 : 良好 合併症 : 脾臓破裂タイービルマ戦争 43

世界における三日熱マラリア Mendis ら 2001 を改変 地域 三日熱 : 熱帯熱その他 南 東アジア 太平洋 1:1 東地中海 1:3 中米 カリブ 5:1 南米 2:1 中央アジア コーカサス 三日熱のみ アフリカ ほとんどが三日熱以外 アフリカを除く全世界の合計 6:5 輸入マラリア 2:1 44

Plasmodium vivax ring form 輪状体 感染赤血球は腫大 リングは熱帯熱に比べやや大きい シュフナー (Schueffner) 斑点が見られる ( やや成熟すると ) Plasmodium vivax (Amoeboid) Trophozoite 栄養体 アメーバ状となりシュフナー斑点がはっきりする 45

Plasmodium vivax Schizont 分裂体 メロゾイト数は 12-24 個 Plasmodium vivax Gametocyte 生殖母体 46

三日熱マラリアの発熱パターン 四日熱マラリア Plasmodium malariae 分布 : 主にアフリカに分布 感染 : 成熟赤血球に感染 潜伏期 :18-40 日 薬剤耐性 : 耐性なし 再燃 ( Recrudescence ) あり Hypnozoite なし 予後 : 良好 合併症 : 小児の糸球体腎炎 ( 予後不良 ) 47

四日熱マラリア Plasmodium malariae ring form 輪状体 成熟赤血球に感染 感染赤血球の腫大はない Plasmodium malariae Trophozoite 栄養体 バンドフォームが見られたら容易に診断がつく 48

Plasmodium malariae Schizont 分裂体 メロゾイトはやや少なく 6-12 個 Plasmodium malariae Gametocyte 生殖母体 49

卵形マラリア Plasmodium ovale 分布 : 主にアフリカに分布 ミャンマーなど 感染 : 幼弱赤血球に感染 潜伏期 :16-18 日 薬剤耐性 : 耐性なし 再発 ( Relapse) あり Hypnozoite あり 予後 : 良好 合併症 : 脾臓破裂は三日熱に比べ少ない 三日熱に準ずるが 4 種のなかでもっとも弱い 卵形マラリア Plasmodium ovale ring form 輪状体 感染赤血球の腫大はあるものもあるが三日熱ほど顕著ではない すべてではないが卵形をするものが多い シュフナー斑点 (James 斑点ともいう ) が見られるが三日熱より弱い 50

Plasmodium ovaletrophozoite 栄養体卵型の栄養体は三日熱に似ている ここには生殖母体も見られている 卵形マラリア Plasmodium ovaleschizont 分裂体 卵形のメロゾイトは 8-12 個で三日熱より少ない事が多い 51

Plasmodium ovale Gametocyte 生殖母体 形態のまとめ 1 どこに注意するか 小型の輪状体のみが多数見られ感染赤血球の拡大なく複数感染 ウォークマン型があれば熱帯熱 バナナ状の生殖母体で決まり 多くのステージが見られ ( 三 四 卵 ) 感染赤血球が腫大あり ( 三 ) なし ( 四 卵 ) バンドフォームで四 卵の形 辺縁がシャギーで卵形 シェフナーは三 卵 混合感染注意 52

形態のまとめ 2 ステージ 輪状体のみあるいはバナナ補助 : 原虫サイズや数 様々 バンドフォーム 感染赤血球サイズ大シュフナーあり 熱帯熱 四日熱 アメーバ様 三日熱あるいは卵形 混合感染に注意 分裂体内メロゾイト 12-24 卵の形分裂体内メロゾイト 8-12 卵形 ( 感染赤血球の腫大は三日熱ほどではない ) マラリアの診断方法 1 臨床診断 : いわゆるClinical Malaria 2 染色法 : ギムザ フィールド染色など 3 抗体検出法 :IFAT,ELISA など 4 抗原検出法 : ディップスティック 5 PCR 53

直接診断 ギムザ染色バッファーの ph に注意 (7.2-7. 4) フィールド染色迅速 A 液 3 秒水洗 5 秒 B 液 1 秒 アクリジンオレンジ蛍光染色スクリーニング ギムザ染色 血液を一滴たらしスライドグラスの角でまぜる ( 固定しない ) 血液を一滴たらしスライドグラスで引く 乾燥させ メタノールにて固定 ph7.2-7.4 の燐酸バッファーで希釈したギムザ液 (2-10%) で染色 洗浄後観察 54