別紙

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淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

Microsoft Word (直江津)土地利用~貯蔵一覧

武蔵 狭山台工業団地周辺大気 環境調査結果について 埼玉県環境科学国際センター 化学物質担当 1

水質

水質

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

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地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について 工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化 地下水位流動方向に対する影響 並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施した また

資料4 検討対象水域の水質予測結果について

4. 堆砂

第 41 巻 21 号 大分県農業気象速報令和元年 7 月下旬 大分県大分地方気象台令和元年 8 月 1 日

第 12 章環境影響評価の結果 12.1 調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果

LAB-S1/LAB-SKY追加・変更マニュアル

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第 41 巻 13 号 大分県農業気象速報令和元年 5 月上旬 大分県大分地方気象台令和元年 5 月 1 3 日

日報-934.xls

修正基本設計報告書表紙(和文final).PDF

佐賀県気象月報 平成 29 年 (2017 年 )6 月 佐賀地方気象台

日報-938.xls

平成 27 年 9 月埼玉県東松山環境管理事務所 東松山工業団地における土壌 地下水汚染 平成 23~25 年度地下水モニタリングの結果について 要旨県が平成 20 年度から 23 年度まで東松山工業団地 ( 新郷公園及びその周辺 ) で実施した調査で確認された土壌 地下水汚染 ( 揮発性有機化合物

日報-948.xls

ⅱ 調査地点調査地点は 事業実施区域の敷地境界 2 地点とし 調査時において 風上 風下となる地点とした 調査地点を図 7.4-1に示す ⅲ 調査方法調査方法を表 7.4-3に示す 表 悪臭の調査方法 調査項目 悪臭の状況 気象の状況 調査方法 臭気指数 : 三点比較式臭袋法試料採取時の

( 速報 ) ~ 騒音 振動調査 ( 騒音 )~ 騒音レベル (db) 騒音レベル (db) 各地点の騒音調査結果 騒音調査結果まとめ (L のみ表示 ) NVR-2 NVR-3 L L L9 LAeq L L L9 LAeq 騒音レベル (db) 9 8 7

利水補給

Microsoft Word - hyou1.doc

Microsoft Word - 3.1_3.2章_0802.doc

平成 30 年 2 月の気象概況 2 月は 中旬まで冬型の気圧配置が多く 強い寒気の影響を受け雪や雨の日があった 下旬は短い周期で天気が変化した 県内アメタ スの月降水量は 18.5~88.5 ミリ ( 平年比 29~106%) で 大分 佐賀関 臼杵 竹田 県南部で平年並の他は少ないかかなり少なか

日報-953.xls

塩分 大岡分水路 表層 底層 図 1-2 塩分の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の塩分は 東京湾西岸で低く 東岸に向かうにしたがって高くなる傾向が確認されました 特に 隅田川や荒川 鶴見川, 大岡分水路の河口付近では 塩分が低くなっており これは調査日の3 日前に降

S1:Chl-a 濃度 8.5μg/L S1:Chl-a 濃度 8.4μg/L B3:Chl-a 濃度 8.0μg/L B3:Chl-a 濃度 7.5μg/L B2:Chl-a 濃度実測値 67.0μg/L 現況 注 ) 調整池は現況の計算対象外である S1:Chl-a 濃度 8.7μg/L S1:

S1:Chl-a 濃度 18.6μg/L S1:Chl-a 濃度 15.4μg/L B3:Chl-a 濃度 19.5μg/L B3:Chl-a 濃度 11.0μg/L B2:Chl-a 濃度実測値 33.7μg/L 現況 注 ) 調整池は現況の計算対象外である S1:Chl-a 濃度 16.6μg/

Microsoft Word - HP掲載資料 docx

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大阪港新島地区埋立事業及び大阪沖埋立処分場建設事業に係る

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添付資料 〇添付 -1: 大気質に係る追加調査候補地点 〇添付 -2: 大気質に係る予測手法の変更 〇添付 -3: 騒音 振動 低周波音に係る追加調査候補地点 〇添付 -4: 水質に係る追加調査候補地点 〇添付 -5: 植物 動物に係る環境影響評価項目の変更植物 動物に係る環境影響評価項目選定理由の

Microsoft Word - 資料2-2

(1) 生活排水について 地域の実状に応じ 下水道 浄化槽 農業集落排水施設 コミュニティ プラント等の生活排水処理施設の整備及び高度処理化 適正な施設維持管理等の対策を計画的に推進すること 加えて 合流式下水道の改善の取組を推進すること (2) 指定地域内事業場について これまで行われてきた汚濁負

資料 2-3 平成 28 年 11 月 21 日火力部会資料 相馬港天然ガス発電所 ( 仮称 ) 設置計画 環境影響評価準備書 補足説明資料 平成 28 年 11 月 福島ガス発電株式会社 1

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

(00)顕著速報(表紙).xls

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取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

資料 2 3 平成 29 年 1 月 18 日火力部会資料 西条発電所 1 号機リプレース計画 環境影響評価方法書 補足説明資料 平成 29 年 1 月 四国電力株式会社 - 1 -

青森県環境保健センター所報No11

Microsoft Word - 0評_水質.docx

日報-952.xls

7 月沖合定線海洋観測結果 令和元年 7 月 11 日岩手県水産技術センター TEL: FAX: 県南部沖 20~50 海里の 100m 深水温は平年より最大 4 程度低め 1. 水温分布 ( 図

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 横浜地方気象台月別累年順位更新表 横浜地方気象台冬日 夏日 真夏

平成22年度 マハゼ稚仔魚の生息環境調査

長野県農業気象速報(旬報) 平成27年9月上旬

1. 水温分布 ( 図 1) 7 月沖合定線海洋観測結果 平成 26 年 7 月 14 日 岩手県水産技術センター TEL: FAX: 全域で表面水温は高め 県南部に北上暖水が流入 1) 本県沿岸

8 月の気象概況 上旬と下旬は 高気圧に覆われ概ね晴れの日が多く 強い日射の影響も加わって気温が上がり 日最高気温が 35 以上の猛暑日となる日があった 中旬は 湿った空気の影響で曇りや雨の日が多かった また 台風第 12 号 第 15 号 第 19 号 第 20 号が宮崎県に上陸又は接近し 大雨や

風速 ^2 ((m/s)^2) 気圧 (hpa) 観測項目の経時変化 図 2 に各観測項目の時系列を示した. なお, 風速の縦軸は風速の 2 乗 ( 風速 ^2) であり, 項目名末尾のアルファベットは各地点 ( 三宅島 : M, 大島 :

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環境科学部年報(第16号)-04本文-学位論文の概要.indd

畜産環境情報 < 第 63 号 > 1. 畜産の汚水から窒素を除去するということはどういうことか 2. 家畜排せつ物のエネルギー高度利用 南国興産を例に 3. 岡山県の畜産と畜産環境対策 4. 兵庫県の畜産と畜産環境対策について

局別風向頻度表 期間平成 29 年 4 月 1 日 ~ 平成 30 年 3 月 31 日 項目風向 市町村名 測定局 区分 N NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW CALM 合計 南町 度数

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

本文(横組)2/YAX334AU

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 平成 21 年 (2009 年 ) の月別累年順位更新表 ( 横浜 ) 23

黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 日数 8~ 年度において長崎 松江 富山で観測された気象台黄砂日は合計で延べ 53 日である これらの日におけるの頻度分布を図 6- に示している が.4 以下は全体の約 5% であり.6 以上の

6-2. 河川水質 (1) 環境基準 遠賀川の水質環境基準は昭和 年に最初の類型指定を受け その後平成 年に 見直しを受けており その指定状況は以下に示すとおりである A( ハ ) 響灘江川河口堰 B( イ ) C( イ ) 江川橋 島津橋 B( イ ) 伊佐橋 西川 B( イ ) 犬鳴川日の出橋

Taro-40-11[15号p86-84]気候変動

5 月の気象概況 上旬と下旬は 前線を伴った低気圧や気圧の谷等の影響で曇りや雨の日が多く 日降水量が 10mm を超える大雨となった所があった 中旬は 高気圧に覆われて概ね晴れの日が続き 暖かい空気の影響で平年よりも気温が高く推移した また 九州南部 ( 宮崎県を含む ) は26 日ごろ梅雨入り (

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

2. 大和川について が 難波津 現在の大阪 から船で大和川をさか 奈良県には奈良盆地のほぼ全域を流域とし 大阪 のぼり 初瀬川から三輪山麓の海石榴市 つばい 平野を西に横切って大阪湾に注ぐ全長68kmの一級 ち に上陸 飛鳥の宮に至ってから1400年となる 河川である大和川が流れている 記念すべき

Microsoft Word - format_amedas.doc

Microsoft Word - 栃木県土地改良区運営強化推進計画(最終版)

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綾部測定局 国道 27 号 ( 綾部市味方町アミダジ 20-2) 農業研究センター 新綾部大橋 綾部市清掃工場 凡例 事業予定地 気象測定場所 大気質測定場所 騒音振動測定場所 騒音測定場所 悪臭測定場所 資料 1: 綾部市ごみ中間処理施設整備に係る生活環境影響調査報告書 ( 平成 12 年 綾部市

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

7/ /4 7/30 18:00 19:00 7/31 10:00 15:00 7/31 10:00 15:00 8/20 12:30 15:00 8/21 13:00 15:00 ( 49ha) JA () TEL

ISSN X 山梨衛公研年報 第53号 2009 山梨の名水百選における水質調査について 辻 敬太郎 佐々木 裕也 小林 浩 清水 源治 Survey of the water quality in the Japanese brand-name water best 100 of

1. 概 要 (2) 気象 水象状況 (1) 塩害防除の状況 1 気象 ( 観測地点 ; 利根川河口堰管理所 ) 1 堰上流基準地点 (26km) 表層の塩化物イオン濃度 雨量 上旬 中旬 下旬 総雨量 最多 1 時間雨量 発生日時 最大値 98 ppm ( 4 月 5 日 ) 平均値 71 ppm

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1


Microsoft Word - 管理-979

森林・河川等の環境中における 放射性セシウムの動き

田辺市役所環境白書 < 平成 9 年度版 > より抜粋 背戸川水質検査結果まとめ 背戸川排水路水質浄化対策事業水質検査結果を平成 3 年 10 月より平成 8 年 7 月まで の水質検査結果をまとめた (1) 背戸川排水路の水質結果 BOD 除去率 61% BOD の除去率を単純に平均してみると 浄

局別風向頻度表 期間 2013 年 4 月 1 日 ~2014 年 3 月 31 日 項目風向 単位 % 市町村名 測定局 区分 NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW N CALM 合計 南町 度数

PC農法研究会

資料5 汚濁負荷量の状況

10 月の気象概況 期間の前半は 高気圧に覆われて晴れの日と 気圧の谷や前線等の影響で曇りや雨の日が短い周期で経過し 後半は 高気圧に覆われて概ね晴れの日が多かった また 上旬に台風第 25 号や前線の影響で大気の状態が非常に不安定となり 4 日 23 時から24 時にかけて発達した積乱雲により 宮

4 予測結果では 海側で少し環境目標値を超えているのですけれども 対岸の東海市のところは 新日鐵住金の工場等でしょうか 東海市側も臨港地区になりまして ご指摘の通り新日鐵住金等があるエリアです なお 対岸までの距離は約 1km ですが 住宅地までは約 3.5km です 5 煙源が地面に近く 施工区域

PowerPoint プレゼンテーション

資料3

報告書作成テンプレート 1

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圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

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2 章アオコ発生への対応 アオコ発生への対応としては 日常的にもアオコ発生に影響する環境条件を把握するとともに アオコの発生警戒時 発生時 発生後の各段階に応じて適切な対応を行う必要があります この章では アオコ発生への対応として 必要な調査や確認の方法に関する情報について紹介します 2.1 アオコ

8 月沿岸定線海洋観測結果 平成 29 年 8 月 3 日岩手県水産技術センター TEL: FAX: 全定線で顕著な水温躍層が形成 県北部から中部沖 20~50 海里の 100m 深に親潮系冷水が分

流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

局別風向頻度表 期間 2010 年 4 月 1 日 ~2011 年 3 月 31 日 項目風向 単位 % 市町村名 測定局 区分 NNE NE ENE E ESE SE SSE S SSW SW WSW W WNW NW NNW N CALM 合計 南町 度数

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

Transcription:

大江川におけるアオコ発生のメカニズムと今後の対策 ( 案 ) について 資料 2 1. 大江川におけるアオコ発生のメカニズムについて アオコの発生に至る一般的な条件としては 概ね以下のとおりであると考えられている 滞留時間が十分であること ( 風が弱く 水の流れが穏やか ) 水温が30 近くあること 栄養塩類 ( リン 窒素 ) が水中に高濃度存在すること (T-P:0.035~0.100mg/L T-N:0.500~1.300mg/L で富栄養状態 ) phは6~9 程度 日射量が十分であること 平成 23 年度第 1 回協議会資料 ( 資料 2 大江川の浄化対策について p5) より 上記の条件を 水質等の条件 気象条件の 2 つの側面から 大江川の状況等に照らして改 めて検証し 大江川におけるアオコ発生のメカニズムについての考察を行った (1) 水質等の条件水質等の条件について 今年度の導水社会実験における測定データを基に考察した 導水社会実験期間中の大江川の水質等調査項目の平均値 ( 各日の全地点の平均値 ) は 表 -1のとおりである 表 -1 今年度の大江川の導水社会実験期間中における主な水質等調査項目の平均値 ( 全地点 ) 大 江 川 水温 流速 T-P T-N ph ( 総リン ) ( 総窒素 ) ( 水素イオン濃度 ) ( ) (m/s) (mg/l) (mg/l) 第 1 回導水期間 H24.7.17~7.24 26.6 0.015 0.22 1.27 7.1 第 2 回導水期間 H24.7.30~8.6 30.7 0.022 0.27 1.32 7.7 第 3 回導水期間 H24.8.16~8.23 28.5 0.026 0.27 2.20 7.1 第 1~3 回導水期間平均 28.6 0.021 0.25 1.60 7.3 ( 参考 ) 揖斐川第 1~3 回導水期間平均 25.0-0.06 0.94 6.9 揖斐川の流速は未測定 a) 水温各期間の平均値を見ると 第 2 回期間中は30 を超えた高い値であった 同期間中はアオコの高いレベルでの発生が確認されているが 地点 4~10においては 常に30 以上の水温を記録していた 1

b) 流速 各期間の平均値は 0.02m/s 前後であり 全期間を通して水の流れは穏やかであった 特に期間ごとの著しい差異は認められなかった c) T-P( 総リン ) 各期間とも平均値は 0.2mg/L を超え 大江川は恒常的にT-Pが水中に高濃度存在する富栄養状態であった また アオコの発生した第 2 回 第 3 回期間中の値が比較的高かった d) T-N( 総窒素 ) 各期間とも平均値は 1.2mg/L を超え 大江川は恒常的にT-Nが水中に高濃度存在する富栄養状態であった また アオコの発生した第 2 回以降 特に第 3 回期間中の値が高かった e) ph( 水素イオン濃度 ) 各期間の平均値は7 前後であり 全期間を通して一般的にアオコ発生に至る環境である 6~9 程度に該当する値を恒常的に記録していた また アオコの発生した第 2 回期間中の値が比較的高かった 以上のことから 導水社会実験期間中の大江川では 水の流れが穏やか 栄養塩類 ( リン 窒素 ) が水中に高濃度存在し富栄養状態 phが概ね6~9 程度 ( 中性から弱アルカリ性 ) という一般的なアオコ発生の条件が予め満たされている環境にあり このような環境において 水温が概ね30 を超える日が続いたことで アオコの発生に至ったものと考察される 2

(2) 気象条件気象条件に起因するものについて 海津市の近年 ( 過去 5 年分 ) の気象データを基に考察した 海津市における過去 5 年間 ( 平成 20 年 ~24 年 ) の7 月 ~9 月の平均気温 降水量 風向は以下の表 -2~4のとおりである 表 -2 海津市の過去 5 年間の 7 月 ~9 月における平均気温 7 月の平均気温 ( / 日 ) 年度 7/1 7/2 7/3 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11 7/12 7/13 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18 7/19 7/20 7/21 7/22 7/23 7/24 7/25 7/26 7/27 7/28 7/29 7/30 7/31 平均 平成 20 年 24.1 25.0 22.3 27.0 27.9 27.4 27.4 24.9 24.9 25.2 26.3 28.1 28.8 29.6 29.8 29.0 29.0 28.2 29.5 29.3 29.0 29.5 30.4 30.8 31.4 31.7 29.4 24.9 27.7 28.9 27.6 27.9 平成 21 年 25.0 24.0 23.7 24.8 24.6 23.6 26.0 25.2 26.4 26.3 25.7 25.9 27.8 29.2 29.4 26.7 24.6 26.4 27.5 26.6 25.2 25.9 26.9 27.2 27.3 26.3 24.6 24.4 26.0 27.5 25.9 26.0 平成 22 年 27.5 25.8 24.0 26.1 27.6 27.1 26.1 26.2 23.2 25.1 24.6 25.9 24.5 24.4 24.9 26.7 28.2 27.0 29.0 29.9 30.7 31.1 30.7 30.5 30.6 30.2 30.3 29.0 25.8 26.8 27.8 27.3 平成 23 年 26.7 28.2 28.4 27.9 27.1 26.1 23.7 27.0 29.4 29.2 29.0 28.1 28.7 28.8 29.4 29.4 28.8 29.1 26.0 26.2 27.0 23.1 26.3 25.9 24.2 26.0 26.0 27.7 27.8 28.6 27.1 27.3 平成 24 年 22.2 25.9 21.6 26.3 25.3 22.7 23.7 25.0 25.3 25.9 25.3 25.6 26.3 26.6 27.8 28.0 29.3 29.9 29.8 25.2 22.3 23.7 25.8 28.0 28.6 29.5 30.0 30.7 30.0 30.1 29.1 26.6 8 月の平均気温 ( / 日 ) 年度 8/1 8/2 8/3 8/4 8/5 8/6 8/7 8/8 8/9 8/10 8/11 8/12 8/13 8/14 8/15 8/16 8/17 8/18 8/19 8/20 8/21 8/22 8/23 8/24 8/25 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 平均 平成 20 年 29.1 30.0 30.3 30.4 30.2 28.1 28.9 28.7 28.4 28.4 29.6 30.0 29.6 29.1 30.1 29.0 27.7 27.1 28.1 26.4 25.2 24.5 21.8 24.6 22.7 25.0 26.5 26.1 23.1 22.5 25.8 27.3 平成 21 年 24.3 23.8 27.3 28.6 27.5 27.3 27.9 29.1 27.0 25.7 28.7 28.6 28.5 28.3 26.5 28.0 27.3 27.4 26.9 26.8 26.8 26.8 26.0 25.0 23.7 24.4 25.6 24.8 26.6 27.5 26.3 26.7 平成 22 年 29.7 30.7 29.5 29.5 29.0 29.6 28.5 28.2 26.3 25.8 28.2 26.9 28.2 27.6 28.2 29.6 30.1 30.3 30.4 28.7 29.8 30.4 30.2 30.7 29.8 29.1 29.4 29.5 29.4 29.8 30.8 29.2 平成 23 年 27.1 24.5 27.4 28.7 27.3 28.9 30.0 30.3 30.2 31.1 30.1 30.1 31.2 29.7 28.6 27.3 28.6 29.6 27.7 24.3 22.9 25.4 26.3 27.6 26.5 27.1 27.2 27.2 27.6 28.7 28.5 28.0 平成 24 年 28.9 29.8 29.7 30.0 29.9 27.7 28.6 27.0 27.6 27.4 26.3 28.0 27.8 25.6 27.6 28.9 29.1 26.3 26.9 27.0 28.2 28.3 28.2 28.5 28.4 28.3 28.6 28.1 25.6 28.4 28.7 28.0 9 月の平均気温 ( / 日 ) 年度 9/1 9/2 9/3 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24 9/25 9/26 9/27 9/28 9/29 9/30 平均 平成 20 年 27.2 25.6 24.8 25.5 25.0 27.0 26.8 25.9 23.9 24.7 25.1 25.8 25.3 26.1 22.6 22.9 24.2 22.8 22.9 25.9 22.6 23.8 23.4 23.2 19.4 20.5 17.2 16.5 15.3 17.1 23.3 平成 21 年 26.7 26.3 25.7 25.7 26.9 26.5 26.3 26.1 22.7 22.1 22.5 19.9 22.3 21.5 20.0 21.6 21.2 21.6 22.5 21.9 21.9 21.7 22.3 24.0 24.3 24.6 23.8 22.5 22.7 20.8 23.3 平成 22 年 30.4 29.1 29.5 30.8 29.7 29.7 29.0 27.2 27.4 26.8 27.8 30.0 27.8 26.6 23.5 22.0 23.6 24.4 25.3 25.0 25.7 26.3 21.6 19.2 20.7 18.8 20.9 21.5 20.7 17.8 25.3 平成 23 年 28.1 26.8 27.9 24.6 24.1 23.4 22.2 23.9 25.6 27.5 27.3 27.3 27.3 27.5 27.4 26.8 26.7 27.3 25.5 23.0 24.5 22.0 19.6 18.5 20.8 18.9 20.1 21.0 21.6 20.9 24.3 平成 24 年 28.0 27.1 26.3 27.0 27.9 27.5 27.3 25.3 25.2 25.4 25.0 25.3 25.9 25.8 25.5 26.9 26.9 25.0 25.1 24.8 23.6 23.0 20.4 23.0 22.6 22.1 22.1 22.8 22.0 21.1 24.9 気象データは海津市消防署地点 ( 海津市海津町福岡 馬目橋より西へ約 1 km ) において測定されたもの 以下同 1 日を通して晴れた日 気温 25.0 以上の夏日 気温 30.0 以上の真夏日 アオコの発生が確認された期間 表 -3 海津市の過去 5 年間の 7 月 ~9 月における降水量 7 月の降水量 mm/ 日 ) 年度 7/1 7/2 7/3 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11 7/12 7/13 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18 7/19 7/20 7/21 7/22 7/23 7/24 7/25 7/26 7/27 7/28 7/29 7/30 7/31 合計平成 20 年 0.0 0.0 20.0 2.5 0.0 5.0 0.0 15.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 13.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.5 12.5 0.5 0.0 0.0 71.0 平成 21 年 14.5 1.0 4.5 0.0 0.0 18.5 26.5 7.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 42.0 0.0 15.0 0.0 3.5 9.0 0.0 0.0 7.0 28.0 28.5 53.0 20.5 0.5 5.5 285.0 平成 22 年 0.0 0.5 61.5 5.0 0.0 0.0 0.0 0.0 11.5 0.0 7.5 2.5 12.5 31.0 37.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 11.0 31.5 4.0 215.5 平成 23 年 27.0 0.0 0.0 0.0 2.5 4.5 30.0 2.5 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.0 97.0 58.0 0.0 0.0 0.0 0.0 40.5 2.5 6.0 0.0 0.0 0.0 0.0 274.0 平成 24 年 43.0 0.5 76.0 0.0 6.0 46.0 11.5 0.0 0.0 0.0 3.5 10.0 3.0 1.5 5.0 0.0 0.0 0.0 0.0 20.5 20.5 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 247.5 8 月の降水量 (mm/ 日 ) 年度 8/1 8/2 8/3 8/4 8/5 8/6 8/7 8/8 8/9 8/10 8/11 8/12 8/13 8/14 8/15 8/16 8/17 8/18 8/19 8/20 8/21 8/22 8/23 8/24 8/25 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 合計平成 20 年 0.0 0.0 0.0 0.0 7.0 3.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.5 0.0 2.0 0.0 0.5 0.0 47.0 13.5 0.0 0.5 0.0 79.5 71.5 24.5 0.0 252.0 平成 21 年 27.5 82.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 15.5 76.0 0.0 0.0 3.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 211.0 平成 22 年 0.0 0.0 4.0 2.5 0.5 0.0 0.0 0.0 35.0 52.5 0.0 41.0 0.0 6.0 2.5 0.0 0.0 0.0 0.0 25.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 169.5 平成 23 年 0.0 0.0 0.0 0.0 4.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 18.5 1.5 0.0 0.0 8.0 12.5 26.0 81.5 24.5 1.0 0.5 9.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 187.5 平成 24 年 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 39.5 0.0 0.0 0.0 0.0 10.5 0.5 17.5 35.0 0.0 0.0 0.0 2.0 3.5 0.0 0.0 0.0 3.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 12.0 0.0 0.0 124.0 9 月の降水量 (mm/ 日 ) 年度 9/1 9/2 9/3 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24 9/25 9/26 9/27 9/28 9/29 9/30 合計平成 20 年 0.0 16.0 21.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.0 4.5 0.0 82.2 17.0 6.0 159.5 1.0 0.0 0.0 0.0 8.0 0.0 1.0 21.0 6.5 349.2 平成 21 年 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 35.0 0.0 0.0 15.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 18.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 10.0 79.0 平成 22 年 0.0 2.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 34.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 19.0 29.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.5 25.5 0.0 0.0 0.0 38.0 40.5 0.0 3.5 199.5 平成 23 年 0.5 16.5 4.5 176.5 22.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 7.0 79.0 0.0 17.5 114.0 72.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 511.0 平成 24 年 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 1.0 17.0 22.0 2.0 0.0 0.0 31.0 18.0 0.0 0.0 11.0 117.5 4.5 0.5 0.0 11.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 200.0 436.5 降水量 0.5mm~10mm 未満の日 降水量 10mm 以上の日 アオコの発生が確認された期間 3

表 -4 海津市の過去 5 年間の 7 月 ~9 月における風向 7 月の風向年度 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 平成 20 年 SSE SSE NW NW NW SSE SSE SSE SSE SSE NW WNW SSE WNW SSE SSE SSE NW NW SSE SSE SSE SSE SSE S SSE NW NW WNW NNW SSE 平成 21 年 NW WSW S WNW SSE SSE SSE SSE NW NNW NW NNW WNW S SSE NW NW NW NW SSE SSE SSE S SSE SSE SSE SSE SSE SSE WSW SSE 平成 22 年 SSW NNW 静穏静穏 S 静穏 S S 静穏静穏 S SSE 静穏静穏静穏 S S S S S S 静穏 NNW N NNW S S S S 静穏静穏 平成 23 年静穏 WSW SSE SSW NW SSE SE S S SSE SE SSE SSE SSE SSE SSE SSE SE ESE ESE SSE SSE NNW SSE SE SSE 静穏 NNW NW NW SSE 平成 24 年静穏 NW NW NNW WSW NNW NW NNW SSE SSE SE SSE SSE 静穏 SSE SSE SSE SSE WNW SSE SE SSE 静穏 NW NW 静穏 S SSE SSE SSE S 8 月の風向年度 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 平成 20 年 S S S NW S WNW S N SSE SSE SSE SSE SSE NW SSE NNW WNW SSE SE NW NW SSE NW WNW NNW SSE SSE SSW WNW ENE SSE 平成 21 年 S NW SSE SSE S SSE SSE SSE WNW WNW NW SSE S NW SSE SSE SSE S SSE SSE NW NNW NNW NW S SSE SSE NW NW NNW NNW 平成 22 年 NNE S S S S SSE S S S 静穏 S S NW 静穏静穏 N N S S 静穏 SSE 静穏 S 静穏静穏 S 静穏静穏静穏静穏静穏 平成 23 年 S 静穏 SSE 静穏 SSE 静穏 SSE SE SSE S NW NW SSE NNW NW NW NW SSE NNW SSE NW SSE SSE SSE SSE 静穏 SSE SSE SSE SSE SE 平成 24 年 SSE SSE SSE S SSE NW NW WSW SSE SSE WNW SSE SSE 静穏 SSE S WNW NW SSE SSE SSE SSE SSE SSE SSE SSE SSE SSE NW NW SSE 9 月の風向年度 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 平成 20 年 SSE SSE WNW SSE NW NW NW NW NNW SSE WSW WNW NW WSW NW 静穏 SSE NW WNW SSE NW WNW NW NW NW NW NNW NNW WNW 静穏 平成 21 年 NNW S SSE SSE SSE SSE NW NNW NW NW NNW NW WNW S NW NW SSE NNW NW NW SSE NW WNW NW SSE WSW S SSE 静穏 NW 平成 22 年静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏 NNW NNW 静穏静穏静穏 NNW NW 静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏静穏 NNW 静穏静穏 平成 23 年 SSE SE SE SE NNW NW NW SE NW SSE SSE S SSE SSE SSE SSE SSE SE N NW SE NW NW NW S NW NW NW NNW NW 平成 24 年 SSE SSE S NW NW NNW SSE SSE NW SSE NNW NNW NNW SSE NW SSE SE SE 静穏 N WNW SSE NW NW NW NW NNW 静穏静穏 SW S 南 SSE 南南東 SES 東南東 SSW 南南西 WSW 西南西の風 アオコの発生が確認された期間 以上のデータを基に アオコが大量発生した平成 22 年度以降の大江川の状況について 年度ごとに考察した 1 平成 22 年 アオコの発生状況 8 月 23 日 ~9 月 13 日にかけて支川の馬目橋付近においてアオコが大量発生して腐敗し 近隣住民からも悪臭の苦情が寄せられた アオコはレベル5に達しており 集積して水面を覆い バキュームによる除去作業も行われた アオコ発生時の気象状況 8 月 17 日 ~9 月 1 日の間 概ね晴れる日が続き 気温が30 を超える真夏日も何日かみられ 日照時間も長かったと考えられる 8 月の平均気温は29.2 と過去 5 年間で最も高い値を記録した 降水量は比較的少なく 8 月は過去 5 年間で2 番目に少なかった 特に8 月 21 日 ~9 月 7 日の間の降水量は 3mm に留まっていた 8 月 27 日 ~9 月 7 日の間はほぼ無風状態が続いていた 2 平成 23 年 アオコの発生状況 7 月 13~15 日にかけて支川の馬目橋付近においてアオコの発生が確認された アオコの発生レベルは3 程度で腐敗臭はなく 台風の接近による降雨により鎮静化した 4

アオコ発生時の気象状況 7 月 9~17 日の間は概ね降雨がなく晴れが続き 気温も30 近い状況が続いた そのため日照時間も長かったと考えられる 7 月 19~20 日にかけては 台風の接近によりまとまった降雨が観測された 8 月下旬から降雨の観測される日が他の年度と比較して多い状況が続き 特に9 月の降水量は 511mm と 過去 5 年間で最も高い値を記録した 7 月 12~17 日にかけては 毎日南南東の風が記録されていた 3 平成 24 年 アオコの発生状況 7 月 30 日 ~8 月 6 日にかけて支川の馬目橋付近においてアオコの発生が確認された 発生レベルは4まで達し 支川の平原排水路の水門付近では悪臭も感じられた 8 月 20 日 ~31 日にかけても再びアオコの発生が確認され 発生レベルは2~4であった アオコ発生時の気象状況 7 月 23 日 ~8 月 5 日にかけては降雨がなく晴れの日が続いた また 気温が30 近い日が続き 日照時間も長かったと考えられる 特に 7 月 27 日 ~30 日は真夏日が4 日間続いた ( 大江川の水温は第 2 回導水期間の7 月 30 日 ~8 月 7 日において 継続して 30 以上 ( 地点 4~10) を記録した ) 8 月の平均気温は平成 23 年度と同様 28.0 と 過去 5 年間で2 番目に高い値を記録した 8 月の降雨量は 124mm と過去 5 年間で最も少なく 特に7 月 23 日 ~8 月 5 日の間は降雨のない状況が続いた また 8 月 6 日にはまとまった降雨が観測されている 7 月 27 日 ~8 月 5 日の間は 毎日南方からの風が記録されていた 8 月 20~31 日の間は 概ね南方の風が記録されていた 以上のことから 平成 22~24 年において大江川でアオコが発生している時の気象状況をみると 降雨がなく晴れた日が概ね1 週間継続すると アオコの発生レベルが上昇していることが分かる また その際は気温も30 近くに達する日もあり 日照時間も十分で 大江川の水温についても同様に上昇しているものと考えられる 風向については アオコ発生時には無風もしくは南方の風となっており 大江川支川においてアオコの浮遊物の集積がみられる要因として 大江川本川に発生したものも 風により支川へと吹き流されていると考えられる 一方で 降雨による影響として まとまった降雨によりアオコの発生が鎮静化することが確認されている 5

(3) 総合的考察 大江川におけるアオコ発生のメカニズムについては 水質等の条件 気象条件の各条件か らの考察により 以下のとおりであると考えられる 大江川は 一般的にアオコの発生に至る条件として考えられている水質等の条件を 全て満たしている環境にある これまでのアオコ発生時の状況から 上記の環境にある大江川では 気象条件として降雨がなく晴天で 気温の高い状態が続き そのため水温も30 近い状態が一週間程度続くと アオコが発生する可能性が高くなるものと考えられる また 発生したアオコは 南方からの風により吹き流され 支川の馬目橋付近やワンド等の特に流れのない箇所に集積しやすいものと考えられる 降雨がなく晴天である条件がさらに継続すると 平成 22 年にみられたように 発生したアオコが徐々に集積して水面を覆って腐敗し 悪臭を発生させるものと考えられる 一方で 降雨による影響として まとまった降雨があるとアオコの発生が鎮静化することが確認された (4) アオコの発生メカニズムの考察を踏まえた導水社会実験の効果大江川におけるアオコ発生のメカニズムについては これまでの考察により 予め恒常的に富栄養状態 ( リン 窒素が水中に高濃度存在 ) 等にある環境において 水温が30 近くまで上昇する状態が続くことで発生することが確認されたことから 今後の対策としては 富栄養状態を解消する対策及び水温上昇を抑制する対策を検討していく必要がある 今回の導水社会実験において 水温及びリン 窒素の値は 導水時において地点 1~3( 導水地点から約 1.5kmまでの間 ) の上流部では顕著に低下する現象が見られ また それより下流部においても 顕著ではないものの低下傾向が見られ 導水による水質等の改善効果が一定程度認められた しかし 表 -1の結果にも見られるように 大江川におけるリン 窒素の濃度は 導水を実施した上でも非常に高い水準にあることから 発生源についての対策を中心に中長期的な対策により取り組んでいくことを検討すべきと考えられ 導水に関しては 当面の間の対策として検討していくべきと考えられる 6

2. 今後の対策 ( 案 ) について 導水社会実験及び船による撹拌による調査の分析結果や それらを踏まえて考察した大江川におけるアオコの発生メカニズムの解析結果から 今後実施すべきアオコの発生を抑制する対策については 水質対策として 水中の栄養塩類の濃度を抑制していくための中長期的対策と それらが効果を発現するまでの間 当面の対策として 水温上昇の抑制や水質浄化 あるいは発生したアオコの集積の抑制に向けた対策を 並行して実施していくべきものと考えられる このため 中長期的対策及び当面の対策として 今後 以下の対策等を検討していく 図 -1 今後の対策のイメージ図 (1) 中長期的対策大江川におけるアオコ発生の根本的な要因である富栄養状態を解消していくには その発生源と考えられる流域からの栄養塩類等の流入を抑制するための 中長期的な対策が必要であるものと考えられる 1 農地等からの栄養塩類の流入状況等の分析と削減対策 a) 農地の状況 大江川流域には多数の農家があるが 排水路の整備状況から農業排水が大江川へ流入することが考えられる区域は図 -2のとおり 大江川流域及びその周辺の農業生産の状況をみると 主に水稲 大豆 トマトが生産されているが 両品目の施肥の状況については いずれも化学肥料等の使用量を削減する ぎふクリーン農業 の取り組みが進んでいる ( 参考 ) ぎふクリーン農業 化学肥料 化学合成農薬の適正で効率的な使用とそれらに代わる各種代替技術の利用により 化学肥料 ( 窒素成分 ) 及び化学合成農薬の使用量を従来の栽培と比べていずれも30% 以上削減した栽培を行う取り組み 7

図 -2 大江川への流入が考えられる農地の範囲 8

大江川周辺 ( 海津市旧平田町 海津町 ) ぎふクリーン農業の実施状況 ( 平成 23 年度末現在 ) ア ) 水稲 海津市における水稲作付面積 ( 平成 23 年産 ) 1,910ha( 農林水産省作物統計 ) 海津市内で生産されている水稲は ほぼ全て ぎふクリーン農業生産登録基準 で生産されている ぎふクリーン農業生産登録基準 ( 水稲 ) 生産登録基準 : 窒素成分 ( 化成 ) 6kg/10a 以下 ( 慣行栽培 8.8kg/10a( 平成 6 年基準 ) より窒素成分を 30% 以上削減 ) 栽培に使用されている化学肥料は 徐々に肥料成分が溶出する環境保全型肥料 ( 被覆肥料 : 有機セラコート 有機エムコート等 ) を使用 栽培暦の窒素成分 ( 化成 ) は 4.1~5.5kg/10a で ぎふクリーン農業生産登録基準も下回る イ ) 大豆 海津市における大豆作付面積 ( 平成 23 年産 ) 925ha( 農林水産省作物統計 ) 海津市内で生産されている大豆は ほぼ全て ぎふクリーン農業生産登録基準 で生産されている ぎふクリーン農業生産登録基準 ( 大豆 ) 生産登録基準 : 窒素成分 ( 化成 ) 2kg/10a 以下 ( 慣行栽培 3kg/10a( 平成 6 年基準 ) より窒素成分を 30% 以上削減 ) ウ ) 冬春トマト 海津市における冬春トマト栽培面積 ( 平成 23 年産 ) 23.6ha (JAにしみの海津トマト部会員栽培面積) 海津市内で生産されている冬春トマトは 全て ぎふクリーン農業生産登録基準 で生産されている ぎふクリーン農業生産登録基準 ( 冬春トマト ) 生産登録基準 : 窒素成分 ( 化成 ) 長段 30kg/10a 抑制 + 半促成 35kg/10a 以下 ( 慣行栽培長段 43.2kg/10a 抑制 + 半促成 50kg/10a ( 平成 6 年基準 ) より窒素成分を 30% 以上削減 ) 今後の取り組み 県 ( 農政部 ) では 今後も ぎふクリーン農業 の取り組みの一層の普及に努める 9

b) 畜産の状況 大江川流域には9 戸の畜産農家が存在しているが それら農家の家畜排泄物の処理方法については以下のとおりであり 流域内において 家畜排泄物が大江川へ排水されている実態はないことが確認されている ( 平成 24 年 9 月末現在 ) 種別 酪農家 (5 戸 ) 表 -5 大江川流域の畜産農家の家畜排泄物の処理状況 処理方法 水分吸着資材 ( オガコ等 ) にふん尿の水分を吸着させ発酵処理 肉用牛農家 (1 戸 ) 水分吸着資材 ( オガコ等 ) にふん尿の水分を吸着させ 一定期間経過の後に圃場還元養鶏 ( 採卵 ) 農家 (3 戸 ) 発酵処理 (2 戸 ) 及び乾燥処理 (1 戸 ) 今後の取り組み 県 ( 農政部 ) では 畜産農家における家畜排泄物の処理状況について 今後も各農家の技 術指導等の機会において確認し 適正な処理が継続されるよう指導していく 2 下水道整備 下水道への接続率の向上に向けた取り組み a) 海津市における下水道の状況 海津市における下水道整備の状況及び対策の実施状況については 以下のとおりである 下水道整備の状況 ( 海津市 H24.9.30 現在 人口ベース ) 下水道整備率 約 78% 下水道普及率 約 82% 下水道接続による水洗化率 約 64% 水洗化率向上対策の実施状況 供用開始区域内での未接続者への広報によるPR( 年 2 回 ) 接続率の低い地域の個別家庭訪問による推進活動 工事実施計画区域での工事説明会で下水道の役割等の重要性について説明を行い 公共マスの設置 工事完了後の速やかな接続をお願いしている 今後の取り組み海津市の下水道整備計画は 下水道事業は 美しい自然と快適な生活環境を守るため をスローガンとし 平成 34 年度の完了を目標に 市内全域下水道の方針に基づき順次整備中であり 市の下水道整備計画に合わせて さらなる住民の理解促進を図る取り組みを通じて 今後も下水道接続による水洗化率の向上に努めていく 10

(2) 当面の対策 (1) の中長期的な対策の効果が発現されるまでの間 当面の対策として 水温上昇の抑制や水質浄化 あるいは発生したアオコの集積 腐敗の抑制に向けた対策を講じる必要があるものと考えられる 1 揖斐川からの導水今年度の導水社会実験においても 水温低下 水質改善等の一定の効果が確認されたことから 経済性等の観点から実施方法を検討のうえ 中長期的な対策が効果を発現するまでの当面の間 アオコの発生期において 揖斐川から大江川への導水を継続する ( 考えられる導水方法の例 ) < 案 1> これまでの導水社会実験と同様に 高須輪中土地改良区の農業用水用施設を利用した上で 常設のポンプを設置して実施 実施方法 中江揚水機場より揖斐川の水を取水 ( 夜間 毎秒約 1m3 ) 農業用パイプラインを利用し 土倉揚水機場の貯水池に送水 土倉揚水機場の貯水池から常設のポンプにより大江川に導水 ( 図 -3) 図 -3 土倉揚水機場貯水池からの導水のイメージ図 11

< 案 2> 別途 揖斐川から大江川に導水できる施設の設置を検討 実施方法 中江揚水機場より揖斐川の水を取水 ( 毎秒約 1m3 ) 揚水機場の取り入れ口に常設のポンプを設置 大江川まで導水管 ( 暗渠 ) を引き 大江川に導水 ( 水質測定地点 3 付近 )( 図 4) 図 -4 中江揚水機場貯水池からの導水のイメージ図 なお 今年度までは自流豊水を取水するという条件で導水を実施してきたが 揖斐川の 夏期の流況に関しては 万石地点で正常流量を下回ることが少なくないため 水源の手当 についても検討していく 表 -6 考えられる導水方法の例 導水方法 期待される効果 課題等 < 案 1> これまでの導水社会実験と同様に 農業用水用施設を利用し 常設のポンプを設置して実施 一定の水温 水質等の改善効果が見込まれる 導水量はこれまでの社会実験と同じく 夜間のみ毎秒 1m3 水源の確保 < 案 2> 別途 揖斐川から大江川に導水できる施設の設置を検討 常時導水が可能になれば 案 1 以上の水温 水質等の改善効果が見込まれる 多大な費用と建設期間等が必要 水源の確保 12

2 撹拌導水の実施により水質等の改善効果は一定程度認められるものの アオコが発生した場合 発生したアオコが集積することを抑制し 発生レベルが上昇することを防ぐ方策についても 併せて実施する必要があるものと考えられる 水質対策船による撹拌の結果において 一定時間はアオコを拡散させる効果が確認されたことから アオコが発生した場合 風の影響等で特にアオコが集積しやすい地点等において 経済性等の観点から実施方法を検討のうえ 必要に応じて水面の撹拌を実施する ( 考えられる撹拌方法の例 ) < 案 1> 水質対策船 ( あめんぼ ) による撹拌 実施方法今年度の撹拌実験において使用した国土交通省所有の船舶を引き続き借用するなどして 発生したアオコが集積することが予測される状況において 撹拌を行う 船の構造から 大江川に架かる橋をいずれも潜ることができず 河川内の移動範囲が限 られることから 運用が非効率的となること等の問題点がある < 案 2> モーターボートによる撹拌 実施方法案 1と同様の状況において撹拌を実施するにあたり 海津市所有の船舶 ( モーターボート ) 等を使用して 撹拌を行う 写真 1 平成 23 年度に実施した船による撹拌実験の状況 13

( 参考 ) 船による撹拌による SS( 浮遊物質量 ) の低下効果 表 -7 昨年度 今年度の撹拌実験結果の比較 実施時期 方法 撹拌前 撹拌後 H24.9.12 10:00~12:00 水質対策船による撹拌 25 19 H23.10.6 10:00~12:00 モーターボートによる撹拌 23 19 いずれも測定地点 7( 馬目橋付近 ) における測定値 (mg/l) < 案 3> 水流発生装置による撹拌 実施方法案 1と同様の状況において撹拌を実施するにあたり 水流を発生させて流動循環を行い アオコの発生抑制及び発生したアオコの集積を抑制する専用の装置を 風の影響等で特にアオコが集積しやすい地点等に設置して 撹拌を行う 茨城県土浦市の霞ヶ浦 ( 西浦 ) のアオコ対策において実績あり 写真 2 茨城県土浦市の新川に設置されたアオコ発生抑制装置 アオコ抑制装置設置の概要 ( 茨城県提供資料より ) 目的 : アオコの発生抑制及び発生したアオコの群体化を抑制 ( 腐敗したアオコによる悪臭の防止 ) 運転期間 : 平成 24 年 7 月から10 月までの4か月間 (24 時間連続無人運転 ) 設置場所 : 新川の土浦税務署前の河川内に固定して設置主な機能 : 水流発生装置 46,000 m3 / 日の水流を発生させて流動循環を行い アオコの群体化を抑制 超音波照射装置 超音波照射によりアオコを死滅 沈降 オゾン発生装置 オゾンエアレーションによりアオコの腐敗臭を抑制費用 :11,235 千円 ( 設置 撤去費 維持管理費 効果把握費込み ) 14

< 案 4> 放水による撹拌 実施方法案 1と同様の状況において撹拌を実施するにあたり 高圧洗浄機 散水車等を用いて水面に放水することにより撹拌を行う 高圧洗浄機は茨城県土浦市の霞ヶ浦 ( 西浦 ) のアオコ対策において実績あり 写真 3 放水による撹拌 ( イメージ ) 表 -8 考えられる撹拌方法の例 撹拌方法 期待される効果 課題等 < 案 1> 水質対策船による撹拌 発生したアオコを拡散させ 集積 腐敗等を抑制 構造的に大江川河川内の移動範囲が限られる < 案 2> モーターボートによる撹拌 発生したアオコを拡散させ 集積等を抑制 < 案 3> アオコの発生抑制及び発生し 多大な費用を要する 水流発生装置による撹拌 たアオコの集積等を抑制 ( 茨城県で実績あり ) < 案 4> 放水による撹拌 発生したアオコを拡散させ 集積等を抑制 ( 茨城県で実績あり ) 15

(3) その他の対策 1 底泥の浚渫浚渫後の水質 底質の経時変化の調査において 浚渫による効果は一時的なものと考えられることから 今後の実施にあたっては 他の対策の実施を踏まえたアオコの発生状況等を検証しながら 慎重に検討していく 2 流域のパトロール 実施方法アオコの発生期における大江川の状況について 発生状況に応じて撹拌等の迅速な対応ができるよう 海津市において定期的に流域を巡回し 確認を行う また 流域の住民団体と連携し アオコの発生状況等についての通報等を受ける体制を整備する ( 実施時期 : 原則として7 月 ~9 月 ) 16