1 世界 日本 東京の観光動向 (1) 世界の観光動向国連世界観光機関 (UNWTO) 1 によると 平成 28(2016) 年の世界全体の国際観光客到着数は前年より 4,600 万人増の 12 億 3,500 万人 ( 対前年比 3.9% 増 ) を記録しました 平成 32(2020) 年に約 14 億人 平成 42(2030) 年には約 18 億人になると予測されており 地域別で見ると 北東アジア 東南アジアの高い伸びが予測されています また 世界旅行ツーリズム協議会 (WTTC) 2 によると 平成 28(2016) 年の世界経済における観光産業の規模は 7.6 兆ドル 世界のGDPの 10.2% を占めており 平成 39(2027) 年には 11.5 兆ドル ( 対 GDP 比 11.4%) に達する見込みです こうしたことから 国際観光は 社会経済の発展を牽引する重要な役割を果たしているといえます 図表 1:UNWTO2030 長期予測 :1950-2030 年の実績と見通し 出典 : UNWTO Tourism Highlights 2016 Edition 日本語版 ( 国連世界観光機関 ) (2) 日本の観光動向日本政府観光局 (JNTO) によると 平成 28(2016) 年の訪日外国人旅行者数は 2,404 万人 ( 対前年比 21.8% 増 ) となり 4 年連続で過去最高を更新しました また 観光庁によると 旅行消費額全体は 25.8 兆円で うち訪日外国人旅行消費額は 3.7 兆円 ( 全体の 14.5%) となっています 平成 29 (2017) 年の訪日外国人旅行者数 ( 推計値 ) は 2,869 万人 ( 対前年比 19.3% 増 ) 訪日外国人旅行消費額 ( 速報 ) は 4.4 兆円 ( 対前年比 17.8% 増 ) と堅調に推移し 5 年連続で過去最高を記録する見込みです 世界旅行ツーリズム協議会 (WTTC) によると 平成 28(2016) 年の日本経済における観光産業の規模は 37.3 兆円 日本のGDPの 7.4% を占めており 平成 39(2027) 年には 43.8 兆円 ( 対 GD P 比 8.2%) に達する見込みです こうしたことから 政府は 明日の日本を支える観光ビジョン において 平成 42(2030) 年の訪日外国人旅行者数を 6,000 万人 訪日外国人旅行消費額を 15 兆円とする目標を設定し 世界が訪れたくなる観光先進国 の実現を目指しています 1 World Tourism Organization の略 誰もが参加できる 持続可能な責任ある観光の促進を使命とする国際機関 156 の加盟国及び 6 地域 500 以上の賛助加盟員で構成されている 2 World Travel & Tourism Council の略 世界規模で活動する観光関連企業の団体 世界のホテルや航空会社 運輸機関 旅行会社等ツーリズム産業関連企業で構成されている 2
図表 2: 明日の日本本を支える観観光ビジョンンの概要 観光先進進国への 3 つの視点 視点 1: : 観光資源の魅力を極め 地方創生生の礎に視点 2: : 観光産業を革新し 国国際競争力を高め 我が国の基幹産産業に視点 3: : すべての旅旅行者が ストレスなく快適に観光光を満喫できる環境に 目標値訪日外国国人旅行者数平成 28 年 :2,404 万人 平成 32 年 :4,0000 万人 平平成 42 年 :6,000 万人訪日外国国人旅行消費費額平成 28 年 :3.7 兆円 平成 32 年 :8 兆円 平成 422 年 :15 兆円日本人国国内旅行消費費額平成 28 年 :21 兆円 平成 32 年 :21 兆円 平成 42 年 :22 兆円 出典 : 明日の日本本を支える観光ビジョン ( 観光光庁 ) を基に作成 図表 3: 訪日 訪都外国人人旅行者数及及び訪都国内内旅行者数の推推移 ( 千人 ) ( 千人 ) 35,000 600,000 505,827 516,695 514,300 28,690 457,173 469,258 28,000 409,326 424,468 436,127 425,200 506,248 480,000 24,039 365,978 415,881 420,100 21,000 19,737 360,000 14,000 7,000 6,138 4,180 6,728 4,489 7,334 4,808 8,347 5,330 8,351 5,336 6,790 4,760 8,611 5,942 6,219 4,098 10,364 8,358 5,562 6,812 13,413 13,102 11,894 8,874 240,000 120,000 0 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 0 訪日外国人旅行者数訪都外国人旅行者数訪都国内旅行者数出典 : 訪日日 訪都外国人旅旅行者数及び訪訪都国内旅行者数数の推移 ( 東京京都 ) を基に作成 (3) 東京のの観光動向東京都によると 平成 28(2016) 年の訪訪都外国人旅旅行者数は 1,310 万人 ( 対前年比 10.2% 増 ) と5 年連続続で過去最高高を更新する一一方 訪都国国内旅行者数数は 5 億 1,430 万人 ( 対前年比 0.5% 減 ) とほぼ横ばいの傾向にあります こうしたことから 都都は PRIME 観光都市市 東京 ~ 東京都観光産産業振興実行行プラン 2017~ において 平成 32(2020) 年の訪都都外国人旅行行者数を 2,500 万人 訪訪都外国人消消費額 2 兆 7,000 億円とする目標を設定し 東東京の観光を有力産業に成長 発展展させていくことで PRIME 観光都都市 東京 の実現を目指指しています 図表 4: 東京都観観光産業振興興プラン 観光産業業振興に向けた 5 つの戦戦略 戦略 1: : 外国人旅行行者誘致の新たな展開戦略 2: :MICE 誘致の推進戦略 3: : 魅力を高める観光資源の開発戦略 4: : 受入環境の充実戦略 5: : 人材の育成成 活用 目標値 訪都外国国人旅行者数平成 23 年 :410 万人人 平成 29 年 :1,000 万人 訪都国内内旅行者数平成 23 年 :4.2 億人 平成 29 年 :5.1 億人 図表 5: :PRIME 観光光都市 東京 総合目標 訪訪都外国人旅旅行者数平成 28 年 :1,310 万人 平成 32 年 :2,500 万人人 平成 36 年 :3,000 万人人 外外国人リピーーター数平成 32 年 :1,500 万人 平成 36 年 :1,800 万人人 訪訪都外国人消消費額平成 28 年 :1.9 兆円 平平成 32 年 :2.7 兆円 訪訪都国内旅行行者数平成 28 年 :5.1 億人 平平成 32 年 :6 億人 訪訪都国内旅行行者消費額平成 28 年 :4.6 兆円 平平成 32 年 :6 兆円 出典 : 東京都都観光産業振興興プラン 及び PRIME 観光都都市 東京 ~ 東京京都観光産業振興興実行プラン 2017~ ( 東京京都 ) を基に作成 3
2 港区を取り巻く社会的変化 (1) 東京 2020 オリンピック パラリンピック競技大会開催 ( 平成 32(2020) 年 ) 平成 32(2020) 年に開催される東京 2020 オリンピック パラリンピック競技大会 ( 以下 東京 2020 大会 という ) では お台場海浜公園において オリンピック競技の 水泳 ( マラソンスイミング ) 及び トライアスロン パラリンピック競技の トライアスロン が実施される予定です また オリンピック競技及びパラリンピック競技の マラソン で 港区内を通るコースが検討されています 図表 6: 東京 2020 大会の競技会場 図表 7: お台場海浜公園 出典 : お台場海浜公園における水質 水温調査結果について ( 公益財団法人東京オリンピック パラリンピック競技大会組織委員会 ) (2) 山手線新駅開業 ( 平成 32(2020) 年 ) 東日本旅客鉄道株式会社は JR 品川車両基地跡地 ( 田町駅から約 1.3km 品川駅から約 0.9km 付近 ) に 品川新駅 ( 仮称 ) の整備を進めています 平成 32(2020) 年春の暫定開業 平成 36(2024) 年頃の街びらき時の本開業が予定されています 図表 8: 品川新駅 ( 仮称 ) の鳥瞰イメージ図 出典 : 品川開発プロジェクトにおける品川新駅 ( 仮称 ) の概要について ( 東日本旅客鉄道株式会社 ) 4
(3) 日比谷線新駅開業 ( 平成 32(2020) 年 ) 独立行政法人都市再生機構と東京地下鉄株式会社は 東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅 ( 仮称 ) の整備を進めています ( 都市再生機構が事業主体 東京地下鉄が運営管理を行う予定 ) 平成 32(2020) 年の東京 2020 大会開催前の供用開始 平成 34(2022) 年度の最終完成を目指しています 図表 9: 虎ノ門新駅 ( 仮称 ) 付近供用開始時イメージ図 出典 : 東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅 ( 仮称 ) 整備にかかる工事着手について ( 独立行政法人都市再生機構 東京地下鉄株式会社 ) (4) リニア中央新幹線開業 ( 品川駅 ~ 名古屋駅間 )( 平成 39(2027) 年 ) 東海旅客鉄道株式会社は 港区から大阪市までの約 438km を超電導リニアによって結ぶ新たな新幹線であるリニア中央新幹線の整備を進めています 品川駅 ( 港区 )~ 名古屋駅間については 平成 39 (2027) 年の開業を目指して整備計画が作成され 平成 26(2014) 年 10 月に全国新幹線鉄道整備法に基づく 工事実施計画 の認可を経て 現在 建設段階に移っています 図表 10: リニア中央新幹線のイメージ 出典 : 中央新幹線品川 名古屋間事業説明会 ( 港区 ) 資料 ( 東海旅客鉄道株式会社 ) 5
3 第 3 次港区観光振興ビジョン策定の目的観光の経済効果は 宿泊業 旅行業以外にも 飲食業 小売業など幅広い産業へ波及するため 港区の成長の原動力となることが期待されます また 観光は 経済効果だけではなく 国際交流 文化芸術振興 地域活性化 まちづくり 環境保全など多くの分野と関わりを持っています 港区では 平成 24(2012) 年 3 月に 観光先端都市 MINATO の実現 を目標に掲げ 第 2 次港区観光振興ビジョン ( 前期計画平成 24~26 年度 後期計画平成 27~29 年度 ) を策定し これまで観光振興に取り組んできました 港区は 日本 東京の玄関口として 日本や東京への観光客を最初に受け入れ 歴史 文化 産業 自然 暮らしのいずれにおいても 豊富かつ多彩な資源を有しており かつ 憧れのまちとしての魅力とブランドを有しています また 今後 平成 31(2019) 年のラグビーワールドカップ 2019 日本大会開催 平成 32(2020) 年の東京 2020 大会開催 山手線及び日比谷線新駅開業 平成 39(2027) 年のリニア中央新幹線開業など 観光に関わる様々なイベントや計画が予定されています こうしたことから 今後港区の更なる観光客の誘致や地域の活性化等を推進し 港区に住み 働き 学び 訪れる全ての人々の心を惹きつけ 感動を与える都市観光を実現するため 国や東京都の新しい取組も考慮して 第 3 次港区観光振興ビジョン を策定することとしました 図表 11: 第 3 次港区観光振興ビジョン策定のイメージ 第 次港区観光振興 増え続ける国内外の観光客 観光産業の規模の拡大 MICE 誘致等の民間団体の動きなど 観光先端都市 MINATO の実現 に向けた様々な取組を実施 前期 : 平成 24~26 年度後期 : 平成 27~29 年度 港区シティプロモーション戦略 ( 平成 28 年 5 月 ) ラグビーワールドカップ2019 日本大会 東京 2020 大会 山手線新駅 日比谷線新駅開業 リニア中央新幹線開業など 観光 様取々 巻状 況 変化 観光客誘致 地域活性化 人々を惹きつけ感動を与える 観光客に選ばれ続ける都市へ 第 次港区観光振興 6
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