目次 後見制度支援信託の概要 Q1 後見制度支援信託とはどのような信託ですか 1 後見制度支援信託を利用する事案 Q2 どのような事案で後見制度支援信託を利用するのですか 3 Q3 後見制度支援信託の利点は何ですか 4 後見制度支援信託を利用する場合の手続の流れ Q4 後見制度支援信託を利用する場合

Similar documents
16 【書式9】死後事務許可申立書(1・2枚目)

したがって 成年後見制度を利用することになっても 本人の障害の程度によって 自分でできる部分はなるべく自分で行えるように制度としてサポートするよう努める ようになっています 成年後見制度を利用したいのですが どのような流れになりますか? 一 申立て 1 申立て 申立てできる人支援を受ける御本人 配偶

「成年後見制度」について

< F31312D332D AC944E8CE38CA990A CC >

1 改訂 周知文書案

あおぞらダイレクト定期預金規定

Q1 後見人養成講座を受けると 後見人の資格が得られるのですか? A1 この講座は 受講することによって何らかの 資格 が得られるとか 行政が後見人として お墨つき を与える などという性格のものではありません もともと 後見人となるための特別な資格はありません 次の欠格事由に該当する人以外で 本人

第 9 回権利擁護部会成年後見制度について 資料 2 < 成年後見制度 > 認知症があったり, 知的障害や精神障害があったりするため, ものごとの判断能力に欠けたり不足する方が, 契約行為や財産の管理などをするときに不利益が生じることがないように, ご本人を保護し, 支援する人を設ける制度です 法定

一部解約可能型定期預金(複利型)規定

1. 相続手続の流れ お客さま (1) ジャパンネット銀行へのご連絡 口座名義人の方 ( 被相続人様 ) がお亡くなりになりましたら 被相続人様のキャッシュカードをお手元にご用意のうえ カスタマーセンターにご連絡ください その際 以下の項目について確認させていただきます ご確認項目 1 被相続人様の

01_郵便物等の回送嘱託申立書書式

成年後見関係事件の概況

成年後見人保佐人補助人 Q&A 静岡家庭裁判所 平成 27 年 10 月改訂版 平成 28 年 4 月補訂版

5 提出された書類等の閲覧 謄写 ( コピー ) 申立人の提出した申立書については, 法律の定めにより相手方に送付されます それ以外に調停手続中に一方の当事者が提出した書類等については, 他方の当事者は, 閲覧 謄写の申請をすることができます この申請に対しては, 裁判官が, 円滑な話合いを妨げない

平成 27 年 5 月 ( 電子版 ) 未成年後見人 Q & A 東京家庭裁判所 東京家庭裁判所立川支部 i

成年後見用財産目録

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

1. 海外投資保険の投資形態 海外投資保険とは 本邦企業等が海外に有する株式や不動産等の権利について 非常リスク ( 外国政府による収用 権利侵害 戦争 天災 送金不能 ) による損失をカバーする保険 特徴 : 投資形態に応じて 以下 2 種類の約款で引受 投資形態 保険種 1 出資に対する保険株式

楽天証券ポイント利用規約

< 後見係について> Q1. 後見係はどこにありますか Q2. 後見係の窓口業務取扱時間は? Q3. 後見係の電話番号は? Q4. 後見係のファクシミリ番号は? Q5. 後見に関する手続案内はどこに行けばいいですか Q6. 本人を連れて行きたいのですが, 車椅子でも大丈夫ですか Q7. 手続案内は裁

保証契約とは しゅさいむしゃ が 保証契約 とは, 借金の返済や代金の支払などの債務を負う 主債務者 その債務の支払をしない場合に, 主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約をいいます なお, 連帯保証契約 とは, 保証契約の一種ですが, 主債務者に財産があるかどうかにかかわらず,

種類期間適用金利 年 2.1% 税引後年 1.68% 年 2.1% 税引後年 1.68% 新たに年金振込をご指定いただく場合は 裁定請求書 または 年金受給権者住所 支払機関変更届 等をご提示ください 現在 年金お受取口座を他金融機関でご指定の場合 当行指定替えの所定の手続き等が必要となります 詳し

10. 中途解約時の取扱 原則 信託期間中の解約はできません やむを得ない事由等により に定められた期間前にお申出がある場合には応じることがございます 11. 以下の事由によりは終了します (1) 契約期間が満了したとき (2) 信託財産となっている株式の発行会社について 次の各号いずれかに該当した

140214ゆうせん君3(追)_百五銀行02

<4D F736F F D208D488E9690BF95898C5F96F182C98C5782E991E3979D8EF397CC82C98AD682B782E98EE688B CC>

手続には 主たる債務者と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか 手続には 保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか A. 利害関係のない中立かつ公正な第三者 とは 中小企業再生支援協議会 事業再生 ADRにおける手続実施者 特定調停における調停委員会

Microsoft Word - パイオニア 株式取扱規則H doc

財形年金支払定期預金約款

次の3つの方法があります 1 後見センターの窓口でお渡ししています 2 郵送をご希望の場合は, 角形 2 号サイズの返信用封筒 ( 返送先を記入し, 郵便切手を205 円分貼ってください ) とメモ ( 成年後見申立書類一式送付希望 と書いた上, 連絡先のお名前, 電話番号も必ず書いてください )

○ 問合せ先専用フリーダイヤル

Microsoft Word - 13.業者用解説書.doc

平成23年度6月期福岡家庭裁判所委員会議事録


魅力あるコミュニティ助成事業実施要綱第 1 条趣旨この要綱は 公益財団法人群馬県市町村振興協会 ( 以下 協会 という ) が 市町村振興宝くじ ( 通称サマージャンボ宝くじ 以下 宝くじ という ) の交付金等を財源として 自治会 町内会 その他これに準ずる地域住民が組織する団体 ( 以下 コミュ

成年後見関係事件の概況 - 平成 28 年 1 月 ~12 月 - 最高裁判所事務総局家庭局

Microsoft Word - 受益者_Q&A.doc

untitled

遺言執行者は相続人の代理人( 民法第 1015 条 ) 最判昭和 遺言執行者の就任 辞任 解任とその効果遺留分を侵害された相続人等から その遺言内容と執行に不満がでて強烈な遺産争いに巻き込まれることもある 事前に就任を辞退するのも 1 つの選択肢 一旦就任したら 正当事由があり 家裁

外貨定期預金規定(通帳口)

5. ゴールドマン サックス MMF- ゴールドマン サックス 米ドル MMF 累積投資約款 1. 約款の趣旨この約款は お客さま ( 以下 申込者 といいます ) とみずほ信託銀行 ( 以下 当行 といいます ) との間のゴールドマン サックス マネジメント ( アイルランド ) リミテッドの発行

平成17年度財団法人東京都体育協会に対する補助金交付要綱

年度予算の範囲内で受付先着順となります 注意! 住宅耐震改修補助を受けようとする場合は 別途書類が必要です 2 補助金の 交付決定 書類審査後 補助金の交付が決定したら 市から連絡します 都市建築課窓口で 補助金交付決定通知書 をお渡しします 注意! 交付決定があるまで 工事に着手することができませ

4 不動産 ( 土地 ) B 流動資産以外 初回報告の方 この用紙は使用しません 以下の財産については, 別紙を利用して, その内容お書きください 2 回目以降の報告の方 以下の財産について, 必ずいずれかの にチェックしてください 前回報告から変動があった場合は, 次の財産に変動がありました にチ

上場有価証券等書面

( 実印でなくても差し支えありません ) なお 取消申請等の際には 利用申込書と同一の印章が必要となります 紛失等された場合は 実印を押印のうえ印鑑登録証明書を添付していただくことになりますので あらかじめご了承ください Q5 利用申込書に印字されている文字について教えてください A 電子証明書に使

株券電子化に伴う振替実務の基本的考え方に関する説明会について(Q&A)

特例法による年金記録修正における想定問

公開買付け応募手続きの手順について

福祉の窓 障害のある本人の生活に関わる福祉情報をお伝えしています 今月は 障害のある子に残す財産と その安全な活用について最近注目されている 信託 の方法と 相続 についての勉強会 また我孫子で行われた講演会の内容を抜粋してお伝えします 私たちはいずれは 子どもを誰かに託していかなくてはなりません

基本事件番号平成年 ( 家 ) 第号 未成年者 ( 本人 ) 氏名 : 財産目録 ( 平成年月日現在 ) 平成年月日作成者氏名印 1 預貯金 現金 本人の財産の内容は以下のとおりです 金融機関の名称 支店名 口座種別 口座番号 残高 ( 円 ) 管理者 現 金 合 計 前回との差額 ( 増 減 )

名称未設定-1

出産育児一時金制度の見直しに関する Q&A 平成 23 年 3 月

保有個人情報開示請求書 年月日 出入国在留管理庁長官又は 長殿 ( ふりがな ) 氏名 住所又は居所 ( ) 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 58 号 ) 第 13 条第 1 項の規定に基づき, 下記のとおり保有個人情報の開示を請求します 記 1 開示を請求す

法定代理人の本人確認書類は 下記から1 点を同封してください 種類 注意事項 1. 運転免許証または運転経歴証明書 裏面に記載がある場合は両面コピー 2. パスポート 写真掲載のページ及び住所記載のページをコピー 3. 写真付住民基本台帳カード 裏面に記載がある場合は両面コピー 4. マイナンバーカ

規程番号

防犯灯 防犯カメラと併せて設置し 次の1~3すべてに該当する防犯灯が補助対象となります 1 防犯カメラの視認性を向上させる照度 ( 防犯カメラから4メートル先の歩行者の行動などが認識できる明るさがあること 0.24ルクス以上 ) を確保できるもの 2 防犯カメラと同一の支柱に設置 3 光源を防犯カメ

<4D F736F F D E882BB82C C F C834E B4B92E B A2E646F63>

黒田塾 ( 25 期生 ) 講座案内 塾長黒田広史 1, ごあいさつ 1 相続業務 31 年 実務指導 19 年 2 家庭裁判所調停委員 6 年 ( 相続 離婚 ) 2, 黒田塾の特色 (1) 実務に即した実践的な講座です 学問的な話は一切ありません 全て相続実務を行なうための実践的な内容です 事務

特別勘定運用レポートをご覧いただくにあたって 当資料をご覧いただく際にご留意いただきたい事項 当資料はご契約者さま等に対し 三井住友海上プライマリー生命のえがお ひろがる 積立金自動移転特約付通貨選択一般勘定移行型変額終身保険 の特別勘定および特別勘定が主たる投資対象とする投資信託の運用状況を開示す

株式取扱規則

30年度_JLPT事業概要(日本語版)

( 法テラス記入 ) 援助番号 : 氏名 : 免除に関する確認票 ( 世帯用平成 29 年 8 月版 ) 以下の項目について 該当するものにはチェック欄への と必要事項を記載の上 各書類をご用意ください A 収入要件について次の1~3の項目に記入し それに関する資料を提出してください 1-1. 同居

本稿で取り扱う 家族信託や福祉信託に代表される民事信託は 委託者が健康な間に自分の意思で自分の老後の生活 介護等に必要な資金の管理および給付などのために また 遺言代用信託として残された家族への財産の分配のために その保有する不動産 預貯金等を信託するものです 受益者の利益を保護し 受託者の信託事務

平成28年度子どものための教育・保育給付災害臨時特例補助金交付要綱

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

相続の手続きが完了するまでのお取引について 相続手続きが完了するまで 預金等のお引出し ご入金については お取り 扱いができなくなります (1) 口座振替のご契約がある場合 口座振替も停止となります 口座振替を行っている諸代金については 別途お支払いいただくようお願いします (2) 振込での入金につ

Microsoft PowerPoint 寄附金控除制度概要.ppt

株式取扱規則

請内容記号 番号申保険者名事業主証明欄健康保険 ( 申請者 ) 事業主記入用 氏名 家族 ( 被扶養者 ) が死亡したための申請であるとき ご家族の氏名 死亡年月日 生年月日 亡くなられた家族は 退職等により健康保険の資格喪失後に被扶養者の認定を受けた方で 今回の請求は次に該当することによる請求です

自己決定権の尊重等の観点から 申立て段階から 類型の選択 代理権付与の範囲を含め 本人の意思を尊重した運用への転換 ( 櫻田 池田 川口 土肥 ) 後見人等のみならず支援者も含めたグループでの本人の意思決定の支援の在り方の検討 本人と後見人との意思に不一致があった場合の利害調整の仕組み等が必要 (

なお, 会議の席上で理事長が就任を承諾し, その旨の記載が選出書にある場合には, 申 請書に, 別途, 就任承諾書を添付する必要はありません この場合, 就任承諾書は, 設立時理事長選出書の記載を援用する と記載してください 資産の総額を証する書面 ( 注 ) 財産目録がこれに該当します 認可書 (

項目 でんさいの譲渡 ( 手形の裏書に相当 ) でんさいを譲渡する場合は 当該でんさいを保証していただく取扱いになります ( 手形の裏書に相当 ) すなわち 債務者が支払えなかった場合には ( 支払不能 *4) でんさいを譲渡したお客様は 債権者に対して 支払義務を負うことになります 債権者利用限定

(組合)事務連絡案(国内在住者扶養認定QA)

別記様式 ( 市長 区長 町長 村長 ) 殿 ( 申請日 ) 平成年月日 住民票のある市区町村名を記入してください 通知カードの送付先に係る居所情報登録申請書 通知カードの送付先に係る居所 ( 現に居住する住民票の住所地以外の地 ) について 下記のとお り登録申請します 記 1 居所情報登録を行う

BAM ワールド・ボンド&カレンシー・ファンド

ご本人の場合 1. 来店による請求の場合窓口において直接的に本人であることを証明できる運転免許証 健康保険の被保険者証 写真付住民基本台帳カード 旅券 ( パスポート ) 年金手帳 実印及び印鑑証明書 ( 交付日より6ヶ月以内のもの ) または在留カード 特別永住者証明書の提示をお願いします 2.

基準該当短期入所小規模多機能センターさくらテラス 利用契約書 ( 以下 利用者 という ) と社会福祉法人慈徳会 ( 以下 事業者 という ) は 基準該当短期入所小規模多機能センターさくらテラス ( 以下 当施設 という ) が利用者に対して提供する基準該当短期入所サービスについて 次のとおり契約


(協会)300829事務連絡(国内在住者扶養認定QA)

個人情報の利用目的について 当社は 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年 5 月 30 日法律第 57 号 ) に基づき お客さまの 個人情報を 下記業務ならびに利用目的の達成に必要な範囲内で利用いたします (1) 当社の業務 1 金銭信託 金銭信託以外の金銭の信託 年金信託 団体信託 財

注意 本様式は参考としてお示しするものです 引用する場合は各法人 事業所にて十分精査した上でご利用ください 介護予防 日常生活支援総合事業第一号事業契約書 様 ( 以下 利用者 という ) と ( 例 : 株式会社 社会福祉法人 会等 )( 以下 事業者 という ) は 事業者が提供するサービスの利

Ⅰ. 名簿登録申請書 ( 更新 ) 及び成年後見 ( 監督 ) 活動報告書 ( 様式 3) の記入について 1. 名簿登録申請書 ( 更新申請書 ) 名簿登録を更新される方は 本欄に記入してください 電話番号は日中連絡とれる携帯等を記入 ぱあとなあ千葉名簿登録規程 ( 規程第 22 号 ) をよく確

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

投資信託のとは 投資信託のは 当期に獲得した収益等を決算日に投資家に還元する仕組みで す ただし 過去に獲得した収益を積み立てたもの等からも支払うことができます 投資信託でが支払われるイメージ 投 資信 託のは 投 資信 託 投資信託のとは P3 の純資産の中から支払われます はどのように支払われる

株式取扱規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社の株式および新株予約権に関する取扱い ( 株主の権利行使に際しての手続等を含む ) および手数料については 定款第 10 条の規定に基づき 本規程の定めるところによるほか 振替機関である株式会社証券保管振替機構 ( 以下 機構 という )

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

<4D F736F F D F18D908E9696B1837D836A B2E646F63>

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

就業規則

成年後見人のためのQ&A

アクセル株式取扱規則

成年後見関係事件の概況 平成 29 年 1 月 ~12 月 - 最高裁判所事務総局家庭局

(2) この預金の継続後の利率は 継続日における当金庫所定の利率とし 前記 (1) と同様の方法で計算します ただし この預金の継続後の利率について別の定めをしたときは その定めによるものとします (3) この預金の満期日以後の利息は 満期日から解約日または書替継続日の前日までの日数について 解約日

医療法人への移行の案内.indd

認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例について < 制度の概要 > 通常 登記名義の変更手続きは 登記権利者 ( 新たな名義人 ) と登記義務者 ( 現在の名義人 死亡している場合にはその相続人 ) 双方の共同で行う必要があります そのため 登記簿に表示された所有者や相続人の所在が分からない場

<4D F736F F D2095D98CEC8E6D95F18F568B4B92E F A2E646F63>

Microsoft Word - Target用株式取扱規程(22.1.6改正).doc

株式取扱規程

個人情報の取扱いに関する規則 平成 12 年 9 月 29 日 奈良県規則第 2 2 号 改正 平成 13 年 3 月 30 日 規則第 68 号 改正 平成 17 年 3 月 29 日 規則第 30 号 改正 平成 18 年 3 月 31 日 規則第 38 号 改正 平成 27 年 9 月 25

認知症になったら財産管理は? 判断能力が低下したときの財産管理の方 成年後見制度とは 成年後見制度でできないこと 予め準備しておけば 成年後見制度でできないことが可能に 2

Transcription:

後見制度支援信託 Q&A 富山家庭裁判所 (H27.4.)

目次 後見制度支援信託の概要 Q1 後見制度支援信託とはどのような信託ですか 1 後見制度支援信託を利用する事案 Q2 どのような事案で後見制度支援信託を利用するのですか 3 Q3 後見制度支援信託の利点は何ですか 4 後見制度支援信託を利用する場合の手続の流れ Q4 後見制度支援信託を利用する場合の手続の流れはどのようになりますか 5 Q5 専門職後見人が関与するのはなぜですか 専門職後見人は何をするのですか 7 信託契約締結後の親族後見人による後見事務 ( 一時金交付 ) Q6 本人に多額の出費を要する事情が生じ, 親族後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合はどうすればよいですか 9 ( 定期交付金額の変更 ) Q7 本人の施設入所先変更等により日常的な収支状況に変動があり, 定期交付金額を変更したい場合はどうすればよいですか 10 ( 追加信託 ) Q8 本人に臨時的収入があったり, 黒字分が貯まったりして, 親族後見人の手元で管理する金銭が多額になった場合はどうすればよいですか 11 ( 信託契約の解約 ) Q9 本人を自宅で介護することになり, 信託財産の全てをリフォーム代金に充てる必要が生じたので, 信託を解約したいのですが, どうすればよいですか 12 ( 家庭裁判所による後見監督 ) Q10 後見制度支援信託を利用した場合, 家庭裁判所の後見監督はどうなりますか 13 ( 本人が死亡した場合 ) Q11 本人が死亡したときは, 後見制度支援信託について, どのような手続をする必要がありますか 14

後見制度支援信託の概要 Q1 後見制度支援信託とはどのような信託ですか A 後見制度支援信託 ( ) は, ご本人の財産のうち, 日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として親族の後見人 ( 以下 親族後見人 といいます ) が管理し, 通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことです 後見制度支援信託を利用すると, 信託財産を払い戻したり, 信託契約を解約したりするには, あらかじめ家庭裁判所が発行する指示書が必要になります このように後見制度支援信託は, ご本人の財産を適切に管理 利用するための方法の一つです 本信託に係る契約は, 元本補てん付きの指定金銭信託の約款に後見制度支援信託特有の約定 ( 特約 ) が付されたものです 後見制度支援信託の仕組み( イメージ ) ( 信託契約前 ) ( 信託契約 ) ( 信託契約後 ) 専門職後見人が担当 信託銀行等が管理 ご本人の財産 通常使用しない金銭 信託財産 以下の手続には家庭裁判所が発行する指示書が必要 一時金交付 ( 信託財産の払戻し ) 定期交付金額の変更 追加信託 信託契約の解約 追加信託 ( 臨時的収入があった場合など ) 日常的な支払をするのに必要十分な金銭 親族後見人が管理 預貯金 定期交付 ( 収支が赤字の場合 ) 1 後見制度支援信託を利用できる類型成年後見と未成年後見において後見制度支援信託を利用することができます ( このQ& Aでは成年後見を前提に説明します ) 保佐, 補助及び任意後見では利用できません 2 後見制度支援信託の対象財産後見制度支援信託において信託することができる財産は金銭のみです 不動産等の取扱い不動産 ( 土地 家屋 ) や動産 ( 車等 ) はそのまま信託することはできませんし, 後見制度支援信託を利用することを目的として売却することは想定されていません 1

株式等の金融商品の取扱い株式, 投資信託, 国債等の金融商品については, 売却 換金した場合は信託の対象財産とすることができますが, ご本人の財産の現状を大きく変更することになるため, 個別の事案ごとに売却 換金するかどうかを検討します 3 信託財産の管理後見制度支援信託の特徴後見制度支援信託は, ご本人の財産を保護して生活の安定を図ることを目的とする信託です 信託銀行等に信託した財産は, 信託銀行等が元々持っている財産とは区別して扱われます ( 信託財産の独立性 ) そのため, 万が一信託銀行等が倒産しても, 信託財産が信託銀行等の借金を返すために使われることはありません また, 信託銀行等は, 金融機関に通常期待される注意義務を尽くした上で信託財産を管理しなければならないとされています さらに, 後見制度支援信託では, 信託財産の運用によって元本割れが生じた場合には, 信託銀行等は, 元本を補てんしなければなりません もっとも, 運用により元本割れが生じた状態で, 信託銀行等が倒産した場合, 信託銀行等が元本を補てんすることができないときがあります この場合でも, 預金保険制度により元本 1000 万円までは保護されることになっています 信託にかかる費用信託銀行等には, ご本人の信託財産から報酬が支払われます 報酬の仕組みや金額は, 信託銀行等によって異なりますので, 詳しい内容については, 別紙金融機関一覧をご参照の上, 各信託銀行等にお問い合わせください なお, 後見制度支援信託を利用して信託した財産は, 元本補てん契約の付された指定金銭信託で安定的に運用され, 予定配当率に基づいて配当が行われます 投資を前提とした信託のように高い配当が見込めるものではありません 4 利用可能な信託銀行等後見制度支援信託は, 別紙金融機関一覧の信託銀行等により提供されています これらの信託銀行においては, 電話による問い合わせや, 郵送による申込み, 信託財産の振込による送金といった対応が可能とされているため, お近くに信託銀行等がなくても, 後見制度支援信託を利用できます 2

後見制度支援信託を利用する事案 Q2 どのような事案で後見制度支援信託を利用するのですか A ご本人の財産が相当額あり, 裁判所が必要と認めた場合です なお, 後見事務に専門的な知識や経験が必要であったり, 親族間に争いがあったりするような事案については, 弁護士, 司法書士, 社会福祉士等の専門職を後見人に選任することから, 後見制度支援信託は利用しません また, 家庭裁判所や専門職の後見人 ( 以下 専門職後見人 といいます ) による検討の結果, 信託できない財産が多い場合, ご本人の身上への配慮 ( 病状, 生活状況等 ) に照らして収支計画を立てることが難しい場合など, 後見制度支援信託の利用に適さない事情がある事案も, 後見制度支援信託は利用しません 後見事件の事案の分類 ( イメージ ) 後見制度支援信託を利用する事案 専門職後見人による継続的な関与が必要な事案 後見事務に専門的な知識 経験が必要 親族間に争いがある など 後見制度支援信託の利用に適さない事情がある事案 財産が少ない 信託できない財産が多い ご本人の身上への配慮に照らし, 収支計画 を立てることが難しい 遺言があるため現状維持が必要 など 3

Q3 後見制度支援信託の利点は何ですか A 後見制度支援信託は, ご本人の財産を適切に管理 利用しつつ, 保護するためのものです また, 後見制度支援信託を利用することで, 財産管理と家庭裁判所への報告が簡便になります 1 後見制度支援信託を利用する目的家庭裁判所は, 後見人がご本人の身上に配慮しながら適正に後見事務を行っているかを監督しますが, それだけではなく, ご本人に一定の財産がある場合や, 多額の金銭を受け取る予定がある場合には, ご本人の権利 利益を守るために, ご本人の財産が適切に管理 利用されるようにする必要があります 後見制度支援信託は, ご本人の財産の適切な管理 利用のための方法の一つです 2 これまでの経緯後見制度支援信託は平成 24 年 2 月に導入され, すでに後見が開始している方については平成 25 年 4 月から信託の利用が可能になりました そして, ご本人に相当額の財産がある方について, 家庭裁判所は, 順次, 後見制度支援信託の利用を検討しています 3 後見制度支援信託を利用する利点ご本人の財産が適切に管理 利用されるという点に加えて, 多くの財産が信託として管理されるため, 後見人が直接管理しなければならない財産が少なくなり, 後見人の負担が減り, 家庭裁判所への報告も簡便になります また, 財産管理について, 他の親族から見た透明性が増します ご本人の財産 信託銀行等 親族後見人 手元で管理する預貯金 信託財産 不動産等 4

後見制度支援信託を利用する場合の手続の流れ Q4 後見制度支援信託を利用する場合の手続の流れはどのようになりますか A 一般的な手続の流れは次のとおりです ( 親族と専門職の複数後見人の場合 ) 家庭裁判所 審 判 家庭裁判所が後見制度支援信託の利用を検討すべきと判断した場合には, 親族後見人候補者とともに弁護士, 司法書士等の専門職を併せて後見人に選任します 専門職後見人 後見制度支援信託の利用の適否についての検討 親族後見人が身上への配慮に関する事務を行う一方, 専門職後見人は, 親族後見人等の協力を得ながら, ご本人の生活状況や財産状況を踏まえて, 後見制度支援信託の利用に適しているか検討します 家裁へ信託契約締結に関する報告書等の提出 信託契約締結 専門職後見人は, 後見制度支援信託の利用に適していると判断した場合には, 利用する信託銀行等, 信託財産額, 定期交付金額などを設定し, 家庭裁判所に信託契約締結に関する報告書等を提出します 一方, 後見制度支援信託の利用に適さないと判断した場合には, その理由を記載した報告書を家庭裁判所に提出します 家庭裁判所は, 報告書の内容を確認し, 後見制度支援信託の利用に適していると判断した場合, 専門職後見人に指示書を発行します その後, 専門職後見人は, 利用する信託銀行等に指示書謄本その他契約の申込みに必要な書類を提出し, 信託契約を締結します 詳細は Q 5 へ 専門職後見人の辞任 親族後見人への財産の引継ぎ 信託契約締結後, 関与の必要がなくなれば, 専門職後見人は辞任します 辞任後, 専門職後見人から, 親族後見人に対し, 専門職後見人が管理していた財産の引継ぎが行われます 5

1 審判 ( 家庭裁判所 ) 家庭裁判所は, 後見制度支援信託の利用を検討すべきと判断した場合には, 原則として, 弁護士, 司法書士等の専門職を後見人に選任します これは, 後見制度支援信託を利用すべきかどうかについて判断したり,1 信託する財産の額 ( 信託財産額 ),2 親族後見人が日常的な支出に充てるための額 ( 定期交付金額 ) などを決めたりするには, 財産の調査 管理や信託契約に関する専門的な知識や経験が必要となるためです 専門職の関与の方法としては主に次のものがあり, 事案に適した方法が選択されます 親族と専門職を後見人に選任する方法後見開始当初から親族と専門職を後見人に選任する方法です 専門職後見人が信託契約を締結した後に辞任して, その後は親族後見人のみで後見事務を行います 一般的には, 親族後見人が身上への配慮に関する事務を, 専門職後見人が財産の管理に関する事務を, それぞれ分担して行います 当初専門職のみを後見人に選任し, 親族が引き継ぐ方法後見開始当初は専門職のみを後見人に選任し, 専門職後見人が信託契約を締結した後に辞任し, 新たに選任される親族後見人が後見事務を引き継ぐ方法です 2 親族後見人が行う後見事務 ( 親族後見人 ) 親族後見人は, ご本人の身上への配慮に関する事務を行います 身上への配慮に関する事務の中には, 費用の支払が必要なものもありますので, ご本人の財産を管理する専門職後見人と相談しながら進めてください 専門職後見人が後見制度支援信託の利用を検討するに当たって必要ですので, 親族後見人は, ご本人の財産をいったん専門職後見人に引き継いでください 専門職後見人が親族後見人に対し, ご本人の生活や財産 収支の状況, 信託契約の内容等についてお聞きすることがありますので, ご協力ください また, ご本人の財産に関する遺言書が存在する場合は, 後見制度支援信託の利用に適さないケースがありますので, 遺言書が存在する可能性も含めて, 専門職後見人に必ず伝えてください 6

Q5 専門職後見人が関与するのはなぜですか 専門職後見人は何を行うのですか A 以下のとおり, 後見制度支援信託の利用に適しているか, 適している場合に手元に残しておく財産をどうするかなどを判断する必要があるため, 弁護士, 司法書士等の専門職が関与します しかし, 信託契約締結後は, 財産管理は親族後見人に引き継がれます 1 後見制度支援信託の利用の適否についての検討 ( 専門職後見人 ) 専門職後見人は, 親族後見人から財産の引継ぎを受け, ご本人の生活状況や財産状況の調査を行い, 財産目録や収支予定表を作成し, 把握した生活状況や財産状況を踏まえて, 後見制度支援信託の利用に適しているかどうかを検討します ご本人の財産に関する遺言書が存在する場合は, 後見制度支援信託の利用に適さないケースがありますので, 遺言書が存在する可能性も含めて, 専門職後見人は, 親族後見人から情報提供を受ける必要があります 専門職後見人は, 後見制度支援信託の利用に適していると判断した場合には, 利用する信託銀行等を選び, 信託財産額や定期交付金額等を検討した上で, 家庭裁判所に信託契約を締結することなどを書いた報告書を提出します ( 詳しくは下記 2をご覧ください ) 一方, 専門職後見人が, 後見制度支援信託の利用に適していないと判断した場合は, 家庭裁判所はその理由を聴いて再検討します 2 家庭裁判所への信託契約締結に関する報告書等の提出 ( 専門職後見人 ) 信託財産額等の設定専門職後見人が以下の事項を検討して報告書を提出し, 家庭裁判所が, その内容を確認し, 後見制度支援信託の利用に適しているかを最終的に判断します ア親族後見人が管理する預貯金額入所施設の毎月の費用や日々の生活費は, 親族後見人が管理する預貯金口座に振り込まれる年金等の収入や定期交付金額で賄えるようにするため, 専門職後見人は, 親族後見人が管理する預貯金口座には, 基本的には後見事務の必要経費 ( 専門職後見人に対する報酬見込み額も含まれます ) やご本人に関する臨時の出費 ( 冠婚葬祭費, 旅費, 交際費, 高額でない医療費など ) にある程度対応できる金額を残すよう検討します なお, 預貯金口座は, 親族後見人が管理しやすいように, 可能な限りまとめることが望ましいと思われます イ信託財産額信託財産額は, 信託することができる財産額から, 親族後見人が手元で管理する預貯金額を除いた額となります ウ定期交付ご本人の収入よりも支出が多くなることが見込まれる場合には, 信託財産から必要な金額が定期的に送金されるようにすることができます 定期交付金額は, 専門職後見人が収支予定表における赤字額を踏まえて検討します 定期交付の間隔 (1 2 3 6か月に1 度 ) は, 専門職後見人が, 親族後見人が手元で管理する預貯金額と毎月の収支の不足額とのバランスや収入の間隔などを踏ま 7

えて検討します エ追加信託することが相当な時期収支予定表において, 収支が黒字になることが見込まれる場合や, ある時期にまとまった収入があることが確実な場合には, 親族後見人が手元で管理する預貯金額が多額になります 預貯金額が多額になる見込みの時期については, 専門職後見人が, 追加信託することが相当な時期として, 家庭裁判所に対して意見を述べることがあります オ信託銀行等の選択専門職後見人が, 各信託銀行等のパンフレットなどを参考に, 必要に応じて親族等の意見も踏まえて, 利用する信託銀行等を選択します 家庭裁判所への信託契約締結に関する報告書等の提出専門職後見人が家庭裁判所に信託契約締結に関する報告書を提出します 専門職後見人が, 後見制度支援信託の利用について検討するのに要する期間は, いろいろな事情によって異なります また, 保険金受領や遺産分割等の課題がある場合には, 課題が解決した後に報告書が提出されます 3 信託契約締結 ( 専門職後見人 ) 家庭裁判所は, 速やかに報告書の内容を確認し, 専門職後見人に指示書を発行します 専門職後見人は, 家庭裁判所による指示の日から3 週間以内に, 利用する信託銀行等に指示書謄本等を提出して信託契約を申し込みます 契約を締結した後は家庭裁判所に速やかに契約書の写し等を提出します 4 専門職後見人の辞任, 親族後見人への財産の引継ぎ ( 専門職後見人 ) 専門職後見人の辞任信託契約締結後, 専門職後見人による関与の必要がなくなれば, 専門職後見人は, 報酬付与の審判を申し立て, 家庭裁判所の許可を得て辞任します 専門職後見人に対する報酬付与専門職後見人に対する報酬付与の審判がされると, ご本人の財産 ( 親族後見人が手元で管理する預貯金 ) から専門職後見人に対する報酬が支払われます 専門職後見人に対する報酬額は, 家庭裁判所が, 専門職後見人の行った仕事の内容やご本人の資産状況等のいろいろな事情を考慮して決めます 親族後見人への管理財産の引継ぎ専門職後見人から, 親族後見人に対し, 専門職後見人が管理していた財産の引継ぎが行われますので, 親族後見人はそれらを引き継いだ旨の後見事務報告書を家庭裁判所に提出してください また, 親族後見人は, 信託銀行等に対して, 後見人の変更手続きを行う必要があります 8

信託契約締結後の親族後見人による後見事務 ( 一時金交付 ) Q6 本人に多額の出費を要する事情が生じ, 親族後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合はどうすればよいですか A 報告書 ( 一時金交付用 ) に必要な金額と理由を記載し, その裏付け資料とともに家庭裁判所に提出してください 家庭裁判所は, 報告書の内容を点検し, 一時金交付が必要であると判断すれば指示書を発行しますので, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 一時金の交付を請求してください 一時金交付親族後見人が手元で管理する預貯金の額は, 予定外の支出が生じた場合でも, 直ちに支払に困ることがないよう考慮して決められています しかし, 信託契約の締結後, ご本人について予定外の事情が生じて, 多額の臨時出費が必要になり, 手元で管理する預貯金のみでは賄えない場合は, 親族後見人は, 家庭裁判所に一時金交付に関する報告書及び裏付け資料を提出し, 家庭裁判所から指示書の発行を受け, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 一時金の交付を請求することができます 報告書家庭裁判所が用意する定型書式をお使いください 添付資料ア交付請求額及び交付の理由を裏付ける書類 ( ご本人を自宅で介護するためのリフォームに関する見積書など ) イ信託銀行等から受領した直近の信託財産状況報告書 ( ご利用の信託銀行等から定期的に送付されます ) ウ親族後見人が手元で管理している預貯金通帳の写し指示書ア指示書は, 親族後見人が提出した報告書に, 家庭裁判所が指示することを追加で記載する形になります イ家庭裁判所は, 報告書が提出されたら, できるだけ速やかに処理します 家庭裁判所による指示の日から指示書謄本の提出までの期限請求期限は家庭裁判所による指示の日から3 週間以内となっていますので, それまでに信託銀行等に指示書謄本を提出し, 一時金交付の請求をしてください 指示書謄本の提出から一時金交付までの期間各信託銀行等が速やかに処理するものと思われますが, 期間や手続は信託銀行等によって異なることがありますので, ご利用の信託銀行等にお問い合わせください 解約手数料信託銀行等によっては, 一時金交付の場合に解約手数料がかかります 別紙金融機関一覧をご覧ください 9

( 定期交付金額の変更 ) Q7 本人の施設入所先変更等により日常的な収支状況に変動があり, 定期交付金額を変更したい場合はどうすればよいですか A 報告書 ( 定期交付金額の変更用 ) に変更前及び変更後の金額と理由を記載し, その裏付け資料とともに家庭裁判所に提出してください 家庭裁判所は, 報告書の内容を点検し, 定期交付金額の変更が必要であると判断すれば指示書を発行しますので, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 定期交付金額の変更を申し出てください 定期交付金額 ( 信託財産の交付金額 ) の変更親族後見人は, ご本人の日常的な収支状況に大きな変動があり, 定期交付金額を変更する必要がある場合は, 家庭裁判所に定期交付金額の変更に関する報告書及び裏付け資料を提出し, 家庭裁判所から指示書の発行を受け, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 定期交付金額の変更を申し出ることができます 報告書家庭裁判所が用意する定型書式をお使いください 添付資料ア変更の理由を裏付ける書類 ( 例 : 施設利用料が変更になった場合の施設利用料の領収書, 契約書等 ) イ信託銀行等から受領した直近の信託財産状況の報告書 ( 信託銀行等から定期的に送付されます ) ウ親族後見人が手元で管理している預貯金通帳の写し指示書ア指示書は, 親族後見人が提出した報告書に, 家庭裁判所が指示することを追加で記載する形になります イ家庭裁判所は, 報告書が提出されたら, できるだけ速やかに処理します 家庭裁判所による指示の日から指示書謄本の提出までの期限申出期限は家庭裁判所による指示の日から3 週間以内となっていますので, それまでに信託銀行等に指示書謄本を提出し, 定期交付金額の変更の申出をしてください 指示書謄本の提出から定期交付金額の変更までの期間各信託銀行等が速やかに処理するものと思われますが, 期間や手続は信託銀行等によって異なることがありますので, ご利用の信託銀行等にお問い合わせください 10

( 追加信託 ) Q8 本人に臨時的収入があったり, 黒字分が貯まったりして, 親族後見人の手元で管理する金銭が多額になった場合はどうすればよいですか A 通常使用しない金銭については, 報告書 ( 追加信託用 ) に追加信託財産額を記載し, 裏付け資料とともに家庭裁判所に提出してください 家庭裁判所は, 報告書の内容を点検し, 追加信託が必要であると判断すれば指示書を発行しますので, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 追加信託を申し出てください 追加信託親族後見人は, 相続や保険等により本人について臨時的な収入を得たり, ご本人の収支の黒字分が貯まったりして, 管理する金額が多額になった場合は, 家庭裁判所に信託財産へ金銭を追加すること ( 追加信託 ) に関する報告書及び裏付け資料を提出し, 家庭裁判所から指示書の発行を受け, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 追加信託を申し出ることができます なお, 後見制度支援信託開始時等に, 親族後見人が管理する金銭の黒字分が貯まって追加信託をすべき時期があらかじめ決まっている場合, その時期に親族後見人は, 自主的に報告書を提出してください 提出がない場合は, 家庭裁判所から追加信託を求めることがあります 報告書家庭裁判所が用意する定型書式をお使いください 添付書類親族後見人が手元で管理している預貯金通帳の写し指示書ア指示書は, 親族後見人が提出した報告書に, 家庭裁判所が指示することを追加で記載する形になります イ家庭裁判所は, 報告書が提出されたら, できるだけ速やかに処理します 家庭裁判所による指示の日から指示書謄本の提出までの期限申出期限は家庭裁判所による指示の日から3 週間以内となっていますので, それまでに信託銀行等に指示書謄本を提出し, 追加信託の申出をしてください 指示書謄本の提出から追加信託までの期間各信託銀行等が速やかに処理するものと思われますが, 期間や手続は信託銀行等によって異なることがありますので, ご利用の信託銀行等にお問い合わせください 11

( 信託契約の解約 ) Q9 本人を自宅で介護することになり, 信託財産の全てをリフォーム代金に充てる必要が生じたので, 信託を解約したいのですが, どうすればよいですか A リフォーム等の契約の前に, 報告書 ( 解約用 ) に解約の理由を記載し, その裏付け資料とともに家庭裁判所に提出してください 家庭裁判所は, 報告書の内容を点検し, 解約が必要であると判断すれば指示書を発行しますので, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 信託契約の解約を申し出てください 信託契約の解約ご本人を自宅で介護するために大規模なリフォームが必要になった場合のように, 信託契約を解約する必要がある場合は, 家庭裁判所に信託契約の解約に関する報告書及び裏付け資料を提出し, 家庭裁判所から指示書の発行を受け, 指示書謄本を信託銀行等に提出し, 信託契約の解約を申し出ることができます 報告書家庭裁判所が用意する定型書式をお使いください 添付資料ア解約の理由を裏付ける書類イ信託銀行等から受領した直近の信託財産状況の報告書 ( 信託銀行等から定期的に送付されます ) ウ親族後見人が手元で管理している預貯金通帳の写し指示書ア指示書は, 親族後見人が提出した報告書に, 家庭裁判所が指示することを追加で記載する形になります イ家庭裁判所は, 報告書が提出されたら, できるだけ速やかに処理します 家庭裁判所による指示の日から指示書謄本の提出までの期限申出期限は家庭裁判所による指示の日から3 週間以内となっていますので, それまでに信託銀行等に指示書謄本を提出し, 信託契約の解約の申出をしてください 指示書謄本の提出から信託契約の解約までの期間各信託銀行等が速やかに処理するものと思われますが, 期間や手続は信託銀行等によって異なることがありますので, ご利用の信託銀行等にお問い合わせください 解約手数料信託銀行等によっては, 信託契約を解約する場合に解約手数料がかかります 別紙金融機関一覧をご覧ください 12

( 家庭裁判所による後見監督 ) Q10 後見制度支援信託を利用した場合, 家庭裁判所の後見監督はどうなりますか A 後見制度支援信託を利用した場合であっても, 家庭裁判所は, 親族後見人が, ご本人の身上に配慮しながら適正に後見事務を行っているかについて, 必要な監督を行います ただし, ご本人の財産の多くは信託財産として管理されますので, 親族後見人は手元にある預貯金や不動産等のみを管理することになり, 後見人の財産管理と家庭裁判所への報告は簡便になります 家庭裁判所の後見監督後見制度支援信託を利用した場合でも, 家庭裁判所は, 事案に応じて必要な後見監督を行います 家庭裁判所からいつ報告を求められても対応できるように, 収支を帳簿につけたり, 領収書や信託銀行等から送付される信託財産状況の報告書を保管したりするとともに, ご本人の心身の状態や生活状況を定期的に記録するようにしておいてください 13

( 本人が死亡した場合 ) Q11, 本人が死亡したときは, 後見制度支援信託について, どのような手続をする必要がありますか A ご本人がお亡くなりになった場合は, 次の手続を行ってください 1 家庭裁判所に対する連絡, ご本人の財産の引渡し等まず, 家庭裁判所に, ご本人の死亡事実が記載された戸籍謄本 ( 除籍謄本 ) 又は死亡診断書のコピーを添付して, ご本人が死亡したことを報告してください そして, 死亡から 2か月以内に管理していた財産の収支を計算し, 親族後見人が管理していたご本人の財産と信託財産に関係する書類を相続人に引き渡し, 家庭裁判所に後見事務終了の報告をしてください 2 信託銀行等に対する連絡, 財産の支払信託銀行等に速やかに連絡してください 信託銀行等は, 親族後見人からの連絡に基づき定期交付を終了し, 信託報酬等を清算した後の信託財産をご本人の相続人に支払うことになります ( 相続人が複数ある場合は, 遺産分割協議書等の提出を求められることがあるなど, 信託銀行等によって必要とされる書類が異なります 詳しくは, 各信託銀行等にお問い合わせください ) 親族後見人が, 信託銀行等への連絡を怠り, 定期交付金を手元の預貯金口座で受領し続けた場合には, 不正行為とみなされる可能性がありますので, 注意してください 信託銀行等によっては, 信託報酬のほかに手数料がかかります 別紙金融機関一覧をご覧ください 3 法務局に対する終了の登記申請 法務局に終了の登記申請をしてください 14