自動細胞分取解析システム 要求仕様書 平成 25 年 8 月 公益財団法人京都高度技術研究所
目次 I. 仕様書概要説明 1 調達の背景 2 調達物品名 数量 設置場所 概要及び構成内訳 3 技術的要件の概要 Ⅱ. 調達物品に備えるべき技術的要件 性能 機能に関する要件 1 自動細胞分取解析システム 2 その他の要件 性能 機能以外の要件 1 設置条件等 2 保守体制 3 教育 支援体制
要求仕様書 Ⅰ. 仕様書概要説明 1 調達の背景京都市成長産業創造センターでは 地場産業の強みでもある醸造発酵技術から分子生物学的手法まで幅の広いバイオ技術と有機化学の融合により創薬シーズ探索 高機能性食品 抗アレルギー化粧品などにつながる新素材開発を目指し 生命の恒常性の基礎となる細胞の機能調節に注目し レドックス制御の研究を推進するほか 京都地域に数多く集積する大学等と連携し 最先端の研究プロジェクトを順次実施する 付加価値の高い高機能性化学品の創出に向けて 抗原抗体反応を応用した細胞機能の分析 FISH 法や発現蛋白からターゲット遺伝子の捕捉 転写調節に関わる遺伝子の捕捉などの目的で使用するため 本装置の調達を行う 2 調達物品名 数量 設置場所 概要及び構成内訳 2-1 物品名 : 自動細胞分取解析システム 2-2 数量 : 一式 2-3 設置場所 : 京都市成長産業創造センター ( 現在建設中 ) 京都市伏見区治部町 104 105 及び106 2-4 概要 : 本装置は細胞が含まれる試料溶液を送液するパートとレーザーによる光学検出を行うパート 細胞のソーティングを行うパートから成り立つ 細胞懸濁液 ( 試料 ) をノズルから高速で噴出させ その際超音波振動により液滴に形成されるよう試料溶液の流速と周波数を制御し 液滴に細胞が一つ含まれるよう流路系の圧力他を調整する ノズルの直前に設けられたフローセル内を通過する細胞にレーザー光が照射され 蛍光マーカーで標識または蛍光蛋白を発現させた細胞から励起された蛍光を光電子増倍管等検出器により蛍光量 波長 光散乱などの信号成分を解析し 細胞の種類 性質を特定する 検出された信号により目的の細胞か否かを判定し 対象の細胞が含まれる液滴は直前に帯電され その液滴を電圧偏向板に静電気的にひきよせ目的の細胞を回収する機構の装置である ドロップレット方式で 解析精度 ソーティング精度 分離速度 操作性の点で性能バランスに秀でたセルソーターが必要である また ソーティング後の細胞が高生存率である点など優れた性能が必要である ソーティング精度に関わる液滴形成の最適化の際の遅延時間補正などすべて自動で行われ キャリブレーションに要する時間と手間を省き 標準粒子などの節約にも寄与する また フローセルとノズルが一体型で形成され 細胞の詰まりの除去など洗浄操作が必要な際 脱着操作が容易で光軸調整の必要がなく 専任のオペレータを配置する
ことなく操作でき 特別な作業を伴わずに維持管理ができるため 常に安定した性能を保持できることも可能となる 光源であるレーザーは半導体または固体レーザーを搭載し 蛍光励起に必要となる十分な出力が得られかつ長寿命である レーザーは 488nm 638nm 375nmm の 3 本と 8 個の蛍光用検出器を搭載しているため マルチカラー解析や 多くの蛍光蛋白 (GFP) に対応することができる フローセルのサンプル流路に対する光源からの入射位置は各波長が異軸で配置されており フローセルの脱着を行っても常にアライメントが最適化される構造を採る このため試料に対する蛍光励起の効率が高く またマルチカラー解析の際の蛍光補正も容易になる 光学系の解析イベント数は 60,000 イベント / 秒 ソーティング速度は 20,000cell/ 秒で必要十分なソーティング速度を有することも重要である 2-5 構成内訳 : 数量 (1-1) 自動細胞分取装置本体 1 台 (1-2) ワークステーション 一式 (1-3) ポンプユニット 1 台 (1-4) タンクユニット 1 台 3 技術的要件の概要 3-1 本調達物品にかかわる性能 機能及び技術等 ( 以下 性能等 という ) の要求要件 ( 以下 技術的要件 という ) は Ⅱ. 調達物品に備えるべき技術的要件 に示すとおりである 3-2 技術的要件は すべて必須の要求要件である 3-3 必須の要求要件は 公益財団法人京都高度技術研究所が必要とする最低条件を示しており 入札機器の性能等がこれらを満たしていないとの判断がなされた場合には不合格となり 落札決定の対象から除外する 3-4 入札機器の性能等が技術的要件を満たしているか否かの判断は 公益財団法人京都高度技術研究所の技術審査により 入札機器にかかる提出資料の内容を審査して行う 4-1 技術的仕様等に関する留意事項提案する機器は 入札時点で原則として製品化されていること 入札時点で製品化されていない機器により応札する場合には 技術的要件を満たすこと及び納入期限までに製品化され納入できることを証明できる書類を添付すること なお これらの成否は技術審査による 4-2 導入に関する留意事項
(1) 導入スケジュールは 公益財団法人京都高度技術研究所の担当者と協議し決定すること (2) 導入機器は 平成 25 年 10 月 11 日 ( 金 ) までに搬入 据付 調整 検査を終了し 正常に動作する確認を得ること 4-3 提案に関する留意事項 (1) 記述内容が不明確である場合は 有効な提案書と認めないので 留意すること 特に 審査にあたって 提案の根拠が不明確であったり 説明が不十分であるなどして 技術審査に重大な支障があると判断した場合は 要求要件を満たしていないものとみなす (2) 提案資料に対する照会先を明記すること Ⅱ. 調達物品に備えるべき技術的要件 性能 機能に関する要件 1 自動細胞分取解析システム自動細胞分取解析システムは 以下の要件を満たすこと 1-1 自動細胞分取装置本体 1-1-1 検出部 搭載レーザーは 488nm( 青色 ) 638nm( 赤色 ) 375nm(UV) 405nm(Violet) の波長域で 赤色レーザーの出力は 30mW 以上であること 蛍光検出器を 8 個以上有し 検出システムは 8 カラー /10 パラメータを満たしていること 各レーザーの入射光が異軸で配置される光学系であること サンプル由来の励起光は光ファイバーを介して検出器に導入される光学系を採用すること サンプル解析速度は 最大 60,000 イベント / 秒以上であること 蛍光感度は Spherotech Rainbow Calibration Particle 使用時に 200MESF 以下であること 蛍光分解能は ニワトリ赤血球核を PI 染色した試料を測定時に CV3% 以下であること 1-1-2 ソーティング部 フローセル材質が石英素材であること ソーティング方式はドロップレット ソート方式であること フローセルから吐出されるサンプル流をモニターし 形成される液滴のブレークポイントの遅延補正が自動で行われること シース圧を 30psi に設定できること ソーティングされたサンプル回収は 2 方向以上可能で 同時に 2 種以上の細胞集団の回収が可能であること ドロップ周波数が毎秒 60,000 個以上可能で 毎秒 5,000 細胞から毎秒 20,000 細胞以上
のソーティング速度が可能であること 超音波洗浄が可能なノズル一体型フローセルを備えていること 用途に応じて 96well マイクロプレートを回収容器に選択することが可能であること また 1 ウェルあたりの細胞数が 1 細胞から任意の数値で設定が可能であること 用途に応じてサンプルチューブ及び回収用チューブを冷却する機構の使用選択が可能であること 1-2 ワークステーション 1-2-1 コンピュータシステム CPU は Intel Xeon プロセッサ W3565 3.2GHz 相当以上の性能 機能を有すると判断されること 内蔵メモリーサイズは 512MB 以上であること 内蔵ハードディスクの物理容量は 160GB 以上であること 対角 17 インチ以上の液晶カラーモニターを 2 台装備していること 解像度 4800 1200dpi 以上で A4 サイズが印刷可能なカラーインクジェットプリンターを装備していること 1-2-2 ソフトウェア ソフトウェアの表示言語が英語/ 日本語双方に対応できること マルチユーザーに対応し 測定条件 測定結果のファイルをユーザー個別に管理できること データを FCS 形式で保存する機能を有すること 検出された蛍光 前方散乱光 側方散乱光のシグナルが 10 パラメータ以上であること 検出された蛍光信号を 8 カラー以上のマルチカラー解析する機能を有すること 8 8 のデジタル マトリックス蛍光補正が可能であること 蛍光検出の条件 分取の条件を任意に設定することができること 最大 60,000/ 秒以上のイベントの速度で解析が可能であること 1-3 ポンプユニット 加圧ポンプ及び真空ポンプを各 1 台有すること 1-4 タンクユニット シース液タンクと廃液用容器を有すること 各容器が 10L 容量以下でシース液タンクはオートクレーブが可能であること シース液フィルターを有すること 重量センサーによりシース液残量 廃液量がモニターされること 2 その他の要件調達物品については 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律 ( 平成 12 年法律第 100 号 ) ( グリーン購入法 ) 並びに 労働安全衛生法 に基づく基本方針の判断基準
を満足する機能及び仕様であること なお 調達物品がグリーン購入法に対応する製品がない場合 又は労働安全衛生法の適用対象にならない場合は その旨を明記すること 性能 機能以外の要件 1 設置条件等 (1) 設置場所 : 京都市成長産業創造センター ( 現在建設中 ) 京都市伏見区治部町 104 105 及び106 (2) 搬入 据付 調整 検査について導入機器の設置場所への搬入 据付 調整 検査を行い 機器の動作確認を行うこと ( 調達物品に備えるべき技術的要件の性能を確認できるデータを取得し 性能 機能を満たしていることを示すこと ) 設置にかかる工事 ( 電気 配管等 ) は費用に含むこと 2 保守体制 (1) 納入検収後 1 年以内に納入業者の責任による故障が生じた場合 納入業者の責任において修理又は代品を納入すること (2) 国内にサービス拠点をもち 迅速な対応ができる技術員を有すること 3 教育 支援体制 (1) 利用者に対して 使用方法に関する説明会を納入場所で行うこと (2) 日本国内で技術的相談に速やかに応じられる体制を整えていること (1) 機器の説明 使用方法を記したマニュアルを添付すること 本仕様書に定められた以外の事項で疑義が生じた場合には 公益財団法人京都高度技術研究所 担当者の指示に従うこと 本仕様書の以上 以下という表現は性能の良い方に解釈すること