生命倫理88_資料6

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遺伝子治療用ベクターの定義と適用範囲

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中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

資料2_ヒト幹同等性

がんのウイルス療法とは がんのウイルス療法とは がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です ウイルス療法では 遺伝子工学技術を用いてウイルスゲノムを 設計 して がん細胞ではよく増えても正常細胞では全く増えないウイルスを人工的に造って臨床に応用しま

Microsoft PowerPoint - 01 法案説明.pptx

九州大学病院の遺伝子治療臨床研究実施計画(慢性重症虚血肢(閉塞

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密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

手順書03

1. はじめに近畿ブロック ( 福井県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 ) で指定を受けた小児がん拠点病院 ( 以下 拠点病院 ) は 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院 立こども病院 大阪市立総合医療センター 立母子保健総合医療センターの 5 施設 ( 順不同 ) であり 全国 7

7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

資料1:「生命倫理に関する研究機関における検討について」(赤林先生資料)

CROCO について

検討課題の整理 1 第 1 回合同会議での意見及びその後委員から提出された意見を 第 1 回合同会議の 検討の進め方 ( 下記参照 ) に沿って分類 第 1 回合同会議資料 合同会議における検討の進め方 の抜粋 合同会議においては 以下の順で検討を進める (1) ゲノム指針と医学系指針との条文の整合

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

( 平成 22 年 12 月 17 日ヒト ES 委員会説明資料 ) 幹細胞から臓器を作成する 動物性集合胚作成の必要性について 中内啓光 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO 型研究研究プロジェクト名 : 中内幹細胞制御プロジェクト 1

再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院

01事務局頭紙(千葉大) 千葉大確認後 修正

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には


PowerPoint プレゼンテーション

各医療機関が専門とするがんに対する診療機能 1. 肺がん 治療の実施 (: 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 当該疾患を専門としている 開胸 胸腔鏡下 定位 小線源治療 1 呼吸器内科 8 2 呼吸器外科 3 3 腫瘍内科 放射線治療科 1 グループ指定を受ける施設との連携 昨年

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

01 再生医療新法関係参考資料(法正局後)

(3) 倫理学 法律学の専門家等 本法人に所属しない人文 社会科学の有識者若干名 (4) 一般の立場から意見を述べることができる者若干名 (5) 分子生物学 細胞生物学 遺伝学 臨床薬理学 病理学等の専門家若しくは遺伝子治療等臨床研究の対象となる疾患に係る臨床医として 日本医科大学長が推薦した者若干

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

遺伝 治療の課題と 策 平成 30 年 3 月 1 日 経済産業省商務 サービスグループ生物化学産業課 0

臨床研究に関する研修会1

Microsoft PowerPoint - 資料3-8_(B理研・古関)拠点B理研古関120613

ポイント 急性リンパ性白血病の免疫療法が更に進展! -CAR-T 細胞療法の安全性評価のための新システム開発と名大発の CAR-T 細胞療法の安全性評価 - 〇 CAR-T 細胞の安全性を評価する新たな方法として これまでの方法よりも短時間で正確に解 析ができる tagmentation-assis

PowerPoint プレゼンテーション

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

移植治療による効果と危険性について説明し 書面にて移植の同意を得なければならない 意識のない患者においては代諾者の同意を得るものとする 6 レシピエントが未成年者の場合には 親権者からインフォームド コンセントを得る ただし 可能なかぎり未成年者のレシピエント本人にも分かりやすい説明を行い 可能であ

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

標準業務手順 目次

報道発表資料 2007 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 ヒト白血病の再発は ゆっくり分裂する白血病幹細胞が原因 - 抗がん剤に抵抗性を示す白血病の新しい治療戦略にむけた第一歩 - ポイント 患者の急性骨髄性白血病を再現する 白血病ヒト化マウス を開発 白血病幹細胞の抗がん剤抵抗性が

図表 1 1,000 万円以上高額レセプト上位 100 位 ( 平成 28 年度 ) 注 : 主傷病名欄の ( ) は調剤レセプト ( 単位 : 円 ) 順位月額医療費 主傷病名 順位月額医療費 主傷病名 順位月額医療費 主傷病名 順位月額医療費 主傷病名 1 106,941,690 フォンウィルブ

平成10年度高額レセプト上位の概要

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

Microsoft Word - all_ jp.docx

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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倫理委員会審査手順書

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Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

2019年3月期第1四半期 開発品の進捗状況

+ 東海大学医学部付属病院では 造血幹細胞移植 推進拠点病院の事業の一環として 研修生の受 け入れやセミナー開催等の人材育成に取り組ん でおります 2016年6月11日に 関東甲信越ブロックの 造血細胞移植に携わる医師 歯科医師 看護師 管理栄養士を対象に 管理栄養士が同種移植患 者に関わる上での有

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

STAP現象の検証の実施について

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

1 BNCT の内容 特長 Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在している悪

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

1 BNCT の内容 特長 QA Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在して

平成29年度 第1回 臨床研究に関する研修会

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

に治療抵抗性を示す活動性関節リウマチ患者を対象とした CNTO136 の国際共同第 Ⅲ 相試験 ( 管理番号 :24-7) 議題 5. シンバイオ製薬株式会社の依頼による慢性リンパ性白血病を対象とした SyB L-0501 による第 Ⅱ 相臨床試験 ( 多施設共同オープン試験 )( 管理番号 24-

●アレルギー疾患対策基本法案

平成 27 年度再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業 ( 再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発 ) 事業報告書 事業名研究開発課題名研究開発担当者所属役職氏名 再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業 ( 再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発 ) B 細胞性急性リンパ性白血病

(地Ⅲ  )

2. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : 診療を実施していないがん ( 診療科ま 医師数 専門として 1 整形外科 2 2 状 績 なし例 : 脊髄腫瘍脊髄腫瘍 治療の実施状況 (: 実施可 /: 実施不可 ) / 昨年の実績 ( あり / なし ) 化学療法体外定位照射 IMRT 小線源治療 あり

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基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

Microsoft PowerPoint - 分子生物学-6 [互換モード]

埼玉医科大学倫理委員会

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

301128_課_薬生薬審発1128第1号_ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドラインの一部改正について

がん登録実務について

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

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白血病治療の最前線

B型肝炎ウイルスのキャリアで免疫抑制・化学療法を受ける患者さんへ

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

【報道関係各位】

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

06 49〜53江藤・永井.ec9

議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした QTI

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

プレスリース v2クリーン

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

Transcription:

厚 科学審議会90 の提供制限期間( 参考 ) 再生医療等安全性確保法 に基づく提供計画に係る提出の流れ 第 1 種再 医療等 ヒトに未実施など リスク (ES 細胞 ips 細胞等 ) 医療機関での提供計画の作成 第 2 種再 医療等 現在実施中など中リスク ( 体性幹細胞等 ) 医療機関での提供計画の作成 第 3 種再 医療等 リスクの低いもの ( 体細胞を加 等 ) 医療機関での提供計画の作成 特定認定再 医療等委員会 1 での審査 特定認定再 医療等委員会 1 での審査 認定再 医療等委員会 1 での審査 厚 労働 への提供計画の提出 2 計画の変更命令 提供開始 厚 労働 意 厚 労働 への提供計画の提出 2 提供開始 厚 労働 への提供計画の提出 2 提供開始 ( 注 1) 認定再 医療等委員会 とは 再 医療等技術や法律の専 家等の有識者からなる合議制の委員会で 定の 続により厚 労働 の認定を受けたものをいい 特定認定再 医療等委員会 は 認定再 医療等委員会のうち 特に 度な審査能 第三者性を有するもの ( 注 2) 厚 労働 への提供計画の提出の 続を義務付ける 提供計画を提出せずに再 医療等を提供した場合は 罰則が適 される 5

我が国で実施されている遺伝子治療臨床研究一覧 (1) 番号実施施設名対象疾患導入遺伝子の種類導入方法 ( ベクター ) 申請書提出大臣回答状態 1 北海道大学医学部附属病院 2 東京大学医科学研究所附属病院腎細胞がん アデノシンデアミナーゼ (ADA) 欠損症 ADA 遺伝子 3 岡山大学医学部附属病院肺がん ( 非小細胞肺がん ) p53 遺伝子 4 財団法人癌研究会附属病院及び化学療法センター 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 (GM-CSF) 遺伝子 乳がん多剤耐性遺伝子 (MDR1 遺伝子 ) 5 千葉大学医学部附属病院食道がん ( 進行食道がん ) p53 遺伝子 6 名古屋大学医学部附属病院悪性グリオーマ β 型インターフェロン遺伝子 7 東京慈恵会医科大学附属病院肺がん ( 非小細胞肺がん ) p53 遺伝子 8 東北大学加齢医学研究所附属病院 ( 組織統合 医学部附属病院で継続 #12) 肺がん ( 非小細胞肺がん ) p53 遺伝子 9 岡山大学医学部附属病院前立腺がん 10 東京医科大学肺がん ( 非小細胞肺がん ) p53 遺伝子 11 大阪大学医学部附属病院 閉塞性動脈硬化症 バージャー病 12 東北大学医学部附属病院肺がん ( 非小細胞肺がん ) p53 遺伝子 13 筑波大学附属病院再発性白血病 14 東京大学医科学研究所附属病院神経芽腫 15 神戸大学医学部附属病院前立腺がん HSV-TK 遺伝子 16 北海道大学医学部附属病院 ADA 欠損症 ADA 遺伝子 17 東北大学医学部附属病院 X 連鎖重症複合免疫不全症 (X-SCID) ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ (HSV-TK) 遺伝子 肝細胞増殖因子 (HGF) 遺伝子 HSV-TK 遺伝子 細胞内領域欠損ヒト低親和性神経成長因子受容体遺伝子 インターロイキン -2 遺伝子 リンフォタクチン遺伝子 γc 鎖遺伝子 18 信州大学医学部附属病院進行期悪性黒色腫 β 型インターフェロン遺伝子 19 九州大学病院 閉塞性動脈硬化症 バージャー病 20 自治医科大学附属病院進行期パーキンソン病 21 北里大学病院前立腺がん HSV-TK 遺伝子 塩基性繊維芽細胞増殖因子 (FGF- 2) 遺伝子 芳香族 L アミノ酸脱炭酸酵素 (AADC) 遺伝子 23 岡山大学医学部 歯学部附属病院前立腺がんインターロイキン -12 遺伝子 24 東京大学医学部附属病院進行性膠芽腫増殖型遺伝子組換え HSV-1 の G47Δ 25 国立がん研究センター ( 申請時 : 国立がんセンター中央病院 ) 造血器悪性腫瘍 HSV-TK 遺伝子 細胞内領域欠損ヒト低親和性神経成長因子受容体遺伝子 モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者のT 細胞に導入し投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の腎がん細胞に導入し投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与ハーベイマウス肉腫ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の造血幹細胞に導入し投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与正電荷リポソーム 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与プラスミドDNA 大腿部筋肉内注射アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与 モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター ドナーの T リンパ球に導入し投与 アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の造血幹細胞に導入し投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の造血幹細胞に導入し投与正電荷リポソーム 癌組織内に局所投与 センダイウイルスベクター 下肢部筋肉内注射 アデノ随伴ウイルスベクター 定位脳手術により被殻へ直接注入アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与アデノウイルスベクター 癌組織内に局所投与 ( 前立腺局所又は転移巣 ) 増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI 型 G47Δ 脳腫瘍内投与 モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター ドナーの T リンパ球に導入し投与 1994/8/31 1995/2/13 1996/12/2 1998/8/10 ( 変更届了承 2006/6/9) 1996/12/2 1998/10/23 2003/3/31 2008/3/31 2003/10/23 1998/7/14 2002/2/24 ( 変更届了承 2004/1/20 2007/10/11 2010/5/17) 継続 1998/7/14 2000/5/30 2004/10/20 1999/4/21 2000/1/17 ( 変更届了承 2006/2/1) 1999/4/21 2000/1/17 1999/5/14 2000/1/17 1999/9/16 2000/6/29 1999/9/17 2000/1/17 1999/11/10 2001/5/9 ( 変更届了承 2002/7/19) 2000/9/21 2000/9/29 2001/9/17 2002/3/14 ( 変更届了承 2003/10/2 2007/12/27 2009/12/25 2012/1/25) 2001/10/16 2002/3/14 2002/2/15 2002/2/18 2003/2/5 ( 変更届了承 2006/2/1) 2002/6/17 ( 変更届了承 2003/10/2) 2002/2/28 2002/6/17 2002/8/30 2003/7/1 2002/10/28 2006/1/25 2006/1/19 2006/1/31 ( 変更届了承 2006/7/27 2007/12/27 2009/12/25 2010/10/13) 2006/10/31 ( 変更届了承 2008/3/13 2008/7/7) 2007/3/26 ( 変更届了承 2012/7/13) 2010/7/1 2003/5/1 施設変更 #12 2006/1/12 2003/7/9 2005/5/9 2005/6/24 継続 ( 条件付き ) 2003/3/13 2006/9/27 継続 ( 条件付き ) 中止 2011/8/31 2006/6/30 2011/1/31 2009/6/21 2013/5/31 2006/7/18 2008/2/6 継続 2007/10/23 2009/5/11 継続 2008/6/9 平成 27 年 4 月 1 日現在 2009/5/11 ( 変更届了承 2009/12/25 2012/1/25 2012/5/16) 継続 6

我が国で実施されている遺伝子治療臨床研究一覧 (2) 番号実施施設名対象疾患導入遺伝子の種類導入方法 ( ベクター ) 申請書提出大臣回答状態 26 三重大学医学部附属病院食道がん MAGE-A4 抗原特異的 T 細胞受容体遺伝子 27 京都府立医科大学附属病院腎細胞がん β 型インターフェロン遺伝子 28 岡山大学病院前立腺がん REIC/Dkk-3 遺伝子 29 千葉大学医学部附属病院家族性 LCAT 欠損症 hlcat 遺伝子 30 九州大学病院網膜色素変性 神経栄養因子 ( ヒト色素上皮由来因子 :hpedf) 遺伝子搭 33 東京大学医学部附属病院前立腺がん増殖型遺伝子組換え HSV-1 の G47Δ 34 国立成育医療研究センター慢性肉芽腫症 35 千葉大学医学部附属病院悪性胸膜中皮腫 NK4 遺伝子 36 岡山大学病院頭頸部 胸部悪性腫瘍 37 ~ 40 多施設共同研究三重大学医学部附属病院愛媛大学医学部附属病院藤田保健衛生大学病院名古屋大学医学部附属病院 急性骨髄性白血病 骨髄異形成症候群 ヒトチトクローム b245 ベクターポリペプチド (CYBB) 遺伝子 腫瘍選択的融解ウイルス Telomelysin(OBP-301) TCRα 鎖及び β 鎖遺伝子 41 三重大学医学部附属病院食道がん MAGE-A4 抗原特異的 T 細胞受容体遺伝子 42 東京大学医科学研究所附属病院進行性膠芽腫増殖型遺伝子組換え HSV-1 の G47Δ 43 東京大学医科学研究所附属病院進行性嗅神経芽細胞腫増殖型遺伝子組換え HSV-1 の G47Δ 44 自治医科大学附属病院難治性 B 細胞性悪性リンパ腫 CD19 特異的キメラ抗原受容体遺伝子 45 岡山大学病院悪性胸膜中皮腫 REIC/Dkk-3 遺伝子 モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の T リンパ球に導入し投与 正電荷リポソーム 転移腫瘍病巣内に投与アデノウイルスベクター 腫瘍病巣内に投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の前脂肪細胞に導入し皮下脂肪組織内に注入移植アフリカミドリザル由来サル免疫不全ウイルス (SIV) ベクター 網膜下に注入増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI 型 G47Δ 前立腺内へ投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者の造血幹細胞に導入し投与アデノウイルスベクター 患者の胸腔内に注入腫瘍選択的融解ウイルスTelomelysin(OBP-301) 腫瘍内に局所投与 レトロウイルスベクタ - MS3-WT1-siTCR 患者の自己 T リンパ球に導入し投与 モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者のTリンパ球に導入し投与増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI 型 G47Δ 脳腫瘍内投与増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI 型 G47Δ 嗅神経芽細胞腫へ投与モロニーマウス白血病ウイルス由来レトロウイルスベクター 患者のTリンパ球に導入し投与アデノウイルスベクター 腫瘍病巣内又は胸腔内に投与 2008/6/9 2008/7/30 2009/8/27 2009/7/17 ( 変更届了承 2009/11/2 2010/10/13 2012/2/29 2012/5/16 2012/8/20) 2009/11/5 ( 変更届了承 2010/7/8 2012/1/25) 2011/1/6 ( 変更届了承 2011/11/9 2012/8/20) 2014/5/13 継続 継続 2010/4/9 2013/5/13 継続 2010/9/29 2012/8/23 ( 変更届承認 2013/7/12) 継続 2011/9/22 2012/8/7 継続 2011/9/29 2012/6/14 継続 2011/10/27 2013/8/22 継続 2011/11/14 2012/7/23 2013/1/25 2012/8/23 ( 変更届承認 2013/4/18) 継続 2013/3/22 ( 変更届了承 2013/6/13 2013/7/9 8/21) 継続 2013/2/26 ( 変更届承認 2013/7/12) 継続 2013/2/20 2013/3/22 継続 2013/6/7 2013/6/28 継続 2013/7/3 2014/3/4 継続 2013/8/8 2014/3/4 継続 46 大阪大学医学部附属病院 慢性動脈閉塞症肝細胞増殖因子 (HGF) 遺伝子 ( 閉塞性動脈硬化症バージャー病 ) プラスミド DNA 虚血部筋肉内注射 2014/4/7 2014/5/14 継続 47 自治医科大学附属病院 AADC 欠損症 芳香族 L アミノ酸脱炭酸酵素 (AADC) 遺伝子 アデノ随伴ウイルスベクター 定位脳手術により被殻へ直接注入 2014/7/23 2015/3/27 継続 48 自治医科大学附属病院進行期パーキンソン病 芳香族 L アミノ酸脱炭酸酵素 (AADC) 遺伝子 アデノ随伴ウイルスベクター 定位脳手術により被殻へ直接注入 2014/7/23 2015/3/27 継続 49,5 0 神戸大学医学部附属病院佐賀大学医学部附属病院 慢性動脈閉塞症肝細胞増殖因子 (HGF) 遺伝子 ( 閉塞性動脈硬化症バージャー病 ) プラスミド DNA 虚血部筋肉内注射 2014/2/26 2015/3/27 継続 欠番 : 申請取下げ :1 件 (22) 実施の見合わせ :2 件 (31 32) 7

2. 遺伝子治療等臨床研究に 関する指針改正案の概要 8

遺伝子治療臨床研究に関する指針改正の経緯 遺伝子治療臨床研究に関する指針 ( 平成 6 年厚生省告示第 23 号 ) 遺伝子治療臨床研究に関する指針 ( 現行指針 ) - 平成 14 年 4 月 1 日施行 ( 平成 14 年 3 月 27 日告示 ) - 平成 17 年 4 月 1 日全部改正施行 ( 平成 16 年 12 月 28 日告示 ) いわゆる個人情報保護関連 3 法 ( 個人情報の保護に関する法律 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律 ) 施行に伴う改正 - 平成 20 年 12 月 1 日一部改正 - 平成 26 年 11 月 25 日一部改正 遺伝子治療等臨床研究に関する指針 ( 新指針 ) 他の研究指針との整合性 諸外国の動向などの近年の遺伝子治療臨床研究を巡る状況の変化を踏まえつつ 必要な見直しを行う 9

目的 遺伝子治療臨床研究に関する指針 ( 改正前 ) 遺伝子治療臨床研究の医療上の有用性及び倫理性を確保し 適正な実施を推進 遺伝子治療の定義疾病の治療を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること 対象疾患等次の全ての要件に適合するものに限る 生命を脅かす疾患又は身体の機能を著しく損なう疾患であること 治療効果が現在可能な他の方法よりも優れていることが十分に予測されるものであること 被験者にとって得られる利益が不利益を上回ることが十分予測されるものであること 主な事項研究者が守るべき基本原則 研究計画書の作成 倫理審査委員会及び厚生労働大臣による審査 個人情報の保護 インフォームド コンセント等 10

指針の主な改正点 1. 遺伝子治療の定義及び適用範囲に関する事項 2. 対象疾患に関する事項 3. 多施設共同研究に関する事項 4. 記録の保存に関する事項 5. その他の事項 11

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 1 遺伝子治療の定義及び適用範囲に関する事項 (1) 改正の趣旨 現行指針において 遺伝子治療 とは 疾病の治療を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与することと定義されている 一方で 海外では DNA ワクチンによる予防に係る臨床研究も遺伝子導入用医薬品指針に含めている国も存在する また 予防のためのベクターであっても 治療用のベクターと構造的に大きな違いがあるわけではない 以上を踏まえ 新指針では 遺伝子治療の適用範囲に対し 疾病の治療だけでなく予防も加えることとする (2) 改正事項 新指針における 遺伝子治療等 の定義を 疾病の治療や予防を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること とし 疾病の治療に加えて 予防を目的とした行為を含めることとする また これに伴い 新指針では 遺伝子治療 ではなく 遺伝子治療等 と表記することとする 12

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 2 対象疾患に関する事項 (1) 改正の趣旨 現行指針における遺伝子治療臨床研究の対象疾患は 重篤な遺伝性疾患 がん 後天性免疫不全症候群その他の生命を脅かす疾患又は身体の機能を著しく損なう疾患に限定されている 遺伝子治療臨床研究の開始から約 20 年が経過し 遺伝子治療に係る一定のエビデンスが集積されてきたことから (2) のとおり 対象疾患の要件の緩和を行う (2) 改正事項 新指針の対象疾患の要件からは 現行指針において規定されていた 重篤な遺伝性疾患 がん 後天性免疫不全症候群その他の生命を脅かす疾患又は身体の機能の著しく損なう疾患 を削除 現行指針の要件 2 で 治療効果が他の方法と比較して優れていること を 治療 予防効果が他の方法と比較して同等以上 へ変更 現行指針の要件 3 で 予防の場合は 利益が不利益を大きく上回ることが十分に予測されるものであること を追加 13

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 3 多施設共同研究に関する事項 (1) 総括責任者について 1 改正の趣旨 現行指針においては 他の研究機関と共同して実施する研究 ( 以下 多施設共同研究 という ) について 多施設共同研究全体に係る業務を総括する者についての規定はない 一方 ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針では 研究全体に係る業務を総括する総括責任者が規定されている 安全性の観点から総括責任者を設置し 情報の周知徹底を行うことは必要と考え 新指針において 多施設共同研究を実施する際は 総括責任者を置くこととし その責務等についても規定する 2 改正事項 新指針において 総括責任者 について 用語の定義及び責務について新たに規定する 14

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 3 多施設共同研究に関する事項 (2) 審査体制について 1 改正の趣旨 現行指針においては 多施設共同研究における審査体制 ( 倫理審査委員会 厚生労働大臣への申請 ) についての規定はない 多施設共同研究における審査体制等の規定について 他の研究指針との整合性を図るため 所要の整備を行う 2 改正事項 多施設共同研究の審査体制等について 以下のとおり規定する 多施設共同研究に係る研究計画書について 一つの倫理審査委員会による一括した審査を求めることができる 多施設共同研究で厚生労働大臣に意見を求める場合は 一括して意見を求めることができる 15

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 4 記録の保存に関する事項 (1) 改正の趣旨 現行指針第七章第一では 記録の保存として 実施施設の長は 遺伝子治療臨床研究に関する記録に関し 保管責任者を定め 適切な状態の下で 研究後少なくとも五年間保存しなければならない と規定している しかしながら 治療後 長期間経過してから発生する有害事象 ( 白血病など ) を想定すると 現行指針で規定されている 5 年は十分な期間であるとは言えず また 記録以外にも 使用したベクターの保存も必要である (2) 改正事項 記録の保存について 以下のとおり規定する 最終産物を一定期間保管しなければならない 当該被験者に最終産物を投与する前後の血清等の試料及び情報等について 総括報告書を研究機関の長及び総括責任者へ提出した日から少なくとも 10 年の必要とされる期間保存するものとする 16

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 の主な改正点 5 その他の事項 (1) 他指針との整合性について 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針との整合性 インフォームド コンセント等に関する規定の整備 ( インフォームド アセントの規定の新設等 ) モニタリング 監査に関する規定の新設 倫理審査委員会の機能強化等 再生医療等の安全性の確保等に関する法律との整合性 研究後の追跡調査に関する規定 (2) 大臣への報告に係る規定の整備について 現行指針は 厚生労働省と文部科学省の共管であり 大学等の場合は研究状況の把握のため厚生労働大臣だけでなく 文部科学大臣へも研究計画書の写し等の提出が重複して求められていた 新指針は厚生労働省の単管とし 各種の報告書類については 文部科学大臣への提出を不要とする 17

改正のスケジュール 平成 25 年 6 月 ~ 平成 26 年 8 月 指針の見直しに関する専門委員会開催 平成 26 年 10 月 指針 ( 草案 ) とりまとめ 平成 26 年 12 月 ~ 平成 27 年 1 月 パブリックコメントの実施 平成 27 年 5 月 告示予定 18