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発症 2 年以内の早期 RA に対する生物学的製剤の効果は大変良好で BeST 試験 (1) では約 40% が ACR70% 達成し寛解に至っており INF 有効中止後もコントロール良好例が1/3 以上となっている ETN も COMET 試験 (2) では MTX 併用で 50% が寛解している その他早期 RA では ACR50~20% 達成率で見ると INF( 年 ASPIRE 試験 (3)) ETN( 年 TEMPO 試験 (4)) ADA(2006 年 PREMIR 試験 (5)) で 約 60~80% となっている 他方 MTX 無効例の進行 RA にする試験では INF(ATTRACT 試験 ) ADA(DEO19 試験 ) ETN(ETA+MTX 試験 ) の ACR50 と 20 達成率は 30~60% 位かなり低くなってくる すなわち MTX 治療抵抗性の RA 患者では生物学的製剤の効果が劣るため 他の生物学製剤への変更が必要となってくる 図 1 進行 RA 3. 生物学的製剤の継続率前述の種々の臨床試験のごとく 生物学的製剤の臨床効果は症例により異なり これに副作用が加わり長期投与における生物学製剤の継続率は低下する 米国で TNF 阻害剤治療を行った 3,791 例の報告では 50% までの継続率は平均 20 ヶ月と短い この中でも 他の TNF 阻害剤からの変更例 (67%) では 50% 継続率は 17.6 ヶ月とさらに短いが TNF 阻害剤未使用例 (33%) は 26.8 ヶ月とより長くなっている TNF 阻害未使用例への初回投与例が継続率は良い結果となっている (7) 2

図 2 TNF 阻害剤の継続率 ( 米国 3,791 例 ) 月 30 25 20 15 10 全例 TNF 使用例未使用例 5 0 75% 継続 50% 継続 Kishimoto M,Arthrits Rheum.2005:52 S347 他に海外では ETN 3 年間の継続率は 60%(8) INF 4 年間の継続率が 61.8%(9) の報告がある 我が国では RECONFIRM 試験 (10) で INF410 例の 1 年間の継続率は 75.6% と比較的良い また 亀田らの報告 (11) では 1 年間の継続率で INF 70.8% ETN 86.7% とこれも良好な結果となっている 当クリニックでは約 1.2 年間の継続率で INF 65% ETN 87.5% となっている このように我が国では ETN の継続率がやや高くなっている この理由としては 海外では INF が増量可能で効果を持続させやすいが 我が国では3mg/kg までとなっている 他方 ETN は我が国でも海外と同用量が使用可能なことなどが考えられる 3

( 図 3) 図 4 Infliximab の 4 年の継続率 オランダ ベルギー 対象 :511 名の RA 患者方法 :Infliximab 3mg/kg を 8 週間隔で 4 年間投与し 511 名中 479 名が評価可能であった 患者の希望効果不十分安全性全体 継続率 : 1 年目 :90.9% 2 年目 :80.7% 3 年目 :69.6% 4 年目 :61.6% 効果不十分による中止率 : 1 年目 :1.8% 2 年目 :6.4% 3 年目 :11.2% 4 年目 :13.6% Cruyssen BV et al. Arthritis Research & Therapy 2006, 8, No.4:R112 4

図 5 Infliximab の 4 年の継続率と中止理由 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 継続 効果不十分 患者の希望 安全性 16.9 7.9 13.6 90.9 80.7 69.6 61.6 1 年目 2 年目 3 年目 4 年目 Cruyssen BV et al. Arthritis Research & Therapy 2006, 8, No.4:R112 図 6 埼玉医大での TNF 阻害剤の投与 1 年後継続率 レミケード (235 名 ) エンブレル (173 名 ) 寛解中止 7.7% 副作用中止 6.0% その他 2.7% 無効中止 5.2% 副作用中止 その他 1.7% 6.4% 無効中止 12.8% 継続 70.8% 継続 86.7% 亀田ら 臨床リウマチ 20:250~253,2008 5

4. 初回 TNF 阻害剤無効 効果減弱例に対する次の生物学的製剤の効果初回の TNF 阻害剤無効および効果減弱した症例に対して投与した 2 番目の TNF 阻害剤は 初回投与した TNF 阻害剤とほぼ同等の効果が得られるとの報告が多いが 一定した見解はない (12) なお 1 剤目 TNF 阻害剤の効果減弱例より 何らかの副作用で 1 剤目 TNF 阻害剤を中止した症例の方が 2 剤目の TNF 阻害剤の効果が良いとする報告がある (13) このことは 1 剤の TNF 阻害剤で効果減弱した症例は 2 剤目の生物学製剤に対しても抗体産生能力が高いため効果が弱い可能性が示唆される 表 2 生物学的製剤スイッチング状況 著者 発表年 患者数 変更した 生物学的製剤 変更理由 結果 Brocq 2002 8 6 さまざま 半数で有効 Ang & Helfqott Sanmarti 2003 29 12 さまざま 効果減弱 期待されたほどの有効性はない 最初の INF 並みに有効 Hansen 20 効果なし 有効 Yazici 21 さまざま 前薬ほど有効でない Favelli 14 さまざま 部分的に有効 Van Vollenhoven 2003 18 13 効果なし 副作用 変更薬でより有効少なくとも同等 Wick 17 6 INF ADA ETA ADA 効果減弱 有効 Van Vollenhoven RF et al. Clin Exp Rheumatol ; Suppl. 35: S115-S121. 改変 我が国で新しく使えるようになった ADA については ReACT 試験で MTX 併用下にて ETN,INF 使用例にも 57% の ACR20% 達成率を示している (14) また TOC も RADIATE 試験で TNF 阻害剤無効例に対して約 50% は ACR20% 達成率を示している (15) 6

% 図 7 ReACT 試験 従来 TNF 阻害剤無効例 688 名での ACR20 達成率 (2005 年 ) 68 57 52 63 42 TNF 阻害剤 TNF 阻害剤 治療歴なし 治療歴あり (3553 名 ) (688 名 ) ETN IFX ETN IFX 60 図 8 ACR20 改善率 (RADIATE 試験 ) 50 % of patients 40 30 20 10 0 0 4 8 12 16 20 24 Weeks Placebo+MTX 4mg/kgTCZ+MTX 8mg/kgTCZ+MTX Ann Rheum Dis published online 14 Jul 2008; 7

5. 生物学的製剤 4 剤の使い分け 1) 初回投与時まずは 市販後前例調査が終了し安全性が確立している INF と ETN を選択するのが一般的である MTX 併用不可となれば ETN が第 1 選択剤となってくる なお 現在市販後調査中の ADA も MTX 併用義務はないが MTX 非併用下では効果減弱が危惧される しかし ADA は 2 週間ごとの市販後調査を行っており 加えてヒト型抗体で皮下注射剤であることから 比較的リスク管理しやすい 以上 3 剤の TNF 阻害剤の中から 投与方法 投与間隔 効果の即効性 効果の持続性等をよく患者に説明して 患者の意向を組み入れて初回投与の TNF 阻害剤を決める 製剤から見ると 即効性を求めれば TNF 安全性を重視すれば ETN 簡便投与を好めば ADA となる IL-6 阻害剤である TOC は一般的には TNF 阻害剤無効例に2 次的に選択されることが多いと考えられるが 若年性特発性関節炎例や リスク管理が容易な非高齢者 合併症の無い疾患活動性の高い RA 患者には 第 1 選択剤になりうる 実際 現在進行中の市販後調査では ADA は約 50% に TOC は約 30% に初回生物学製剤として投与されている 著者が考える 4 剤の特徴とその使い分けを表 3と図 9に示す 表 3 生物学的製 4 剤の特徴 レミケードエンブレルヒュミラアクテムラ TNF 阻害薬キメラ型抗体 TNF 阻害薬ヒト型融合蛋白 TNF 阻害薬ヒト型抗体 IL-6 阻害薬ヒト化型抗体 用法 2 時間点滴 8 週に 1 回 皮下注頻回週 2 回 皮下注 2 週に 1 回 1 時間点滴 4 週に1 回 効果 速効性維持投与で減弱例がある 効果あるが休止で効果消失しやすい MTX なしではやや効果が弱い 効果が強い効果減弱が少ないやや遅効性 リスク管理 投与時反応あり全例調査で安全性確立 投与時反応まれ全例調査で安全性確立 投与時反応 投与時反応少ない まれ 感染症の発見困難 全例調査のエビデンスなし 全例調査のエビデンスなし 8

図 9 生物学的製剤 4 剤の使い分け MTX 無効 投与不可例 若年者で RA 活動性が高い MTX 併用可 MTX 併用不可 8 週毎の点滴キメラ型製剤 自己注射ヒト型製剤 2 回 / 毎週注射 1 回 /2 週注射 レミケード速効性 2 ヶ月毎の治療 エンブレル効果がやや強い 1 回 / 週は安価 ヒュミラ効果がやや弱いリスク管理が容易か TNF 阻害剤 IL-6 阻害剤 アクテムラ効果が強い 4 週毎の点滴感染症リスク管理が難しい 6. 参考文献 1)van der Bijl AE et al:arthritis Rheum.56:2129-2134,2007 2)Emery P et al:acr abstract,l 17,2007 3)St Clair E W et al:arthritis Rheum.50:3432-3443, 4)Klareskog I et al:lancet 363:675-681, 5)Breedveld F C et al:arthritis Rheum.54:26-32,2006 6)Smolen J S et al:lancet 370:1861-1874,2007 7)Kishimoto M et al:arthritis Rheum.52:S 347,2005 8)van del Heijde D et al:arthritis Rheum.56:3928-3937,2007 9)Cruyssen B V et al:arthritis Research & Therapy 8:112,2006 10)Tanaka Y et al:mod.rheumatol.18:146-152,2008 11) 亀田ら 臨床リウマチ.20:250-253,2008 12)van Vollenhogen RF et al:clin.exp.rheumatol.suppl35:115-121, 13)Bartelds G et al:eular 2008 Topics & News,7,2008 14)Bombardieri S et al:rheumatology 46:1191-1199,2007 15)Emery P et al:ann.rheum.dis.67:1516-1523,2008 9