平成 23 年度 JCOAL 事業成果報告会 独立行政法人石油天然ガス 金属鉱物資源機構 (JOGMEC) 委託 4. インドネシアCBM 調査 ( 一財 ) 石炭エネルギーセンター資源開発部平澤博昭 平成 24 年 7 月 26 日 ( 木 )
実施期間と調査内容 実施期間 H24.3 月 ~6 月 調査内容 1.CBM に関する法規制 2.CBM 資源量の見直し 3.CBM 探査 開発の現状 4. ケーススタディー 1CBM 開発 事業化に関わるビジネスモデルの検討 2 事業モデルの経済性 法規 リスクを含めた問題点の抽出と検討 3 日本企業の事業実施に際し本邦政府に求める協力内容の検討 4CBM 開発による日本のエネルギー安定供給への貢献度の検証 2
炭層内のメタン存在状況 But Cleat:Face Cleat に直行し 連続性に乏しい亀裂 2 次亀裂 : クリート以外の亀裂 石炭は亀裂の多い岩石 原位置状態では 一般に石炭亀裂は水で飽和亀裂内の自由ガス量は僅か ( 数 %) ガス包蔵量 (B Bcf) 石炭ガス砂岩 吸着ガス Face Cleat: 連続性のある亀裂 圧縮ガス ガス孔隙 = 30% ガス孔隙 = 20% ガス孔隙 = 10% 大部分 (95% 以上 ) のメタンは亀裂間の微小孔隙体 ( マトリックス ) 内の表面に吸着 石炭は亀裂とマトリックス孔隙の2 重孔空隙構造 天然ガスは貯留岩内の空隙に圧縮されて包蔵 CBMは石炭マトリックス内に吸着ガスとして包蔵 (CBMの包蔵量は多い所で30m 3 /t) 在来型ガス貯留層と石炭層のガス包蔵量比較 ( 条件 : Area = 160 ac Net Pay = 10 ft)
炭鉱 ( 炭層 ) から排出されるメタンガス CAG Coal Associated Gas CH 4 :CO 2 の 21 倍の温室効果 CBM Coal Bed Methane 炭層メタン 石炭採掘と無関係に未採掘炭層からボーリングで回収 ( 高濃度 ) CMG Coal Mine Gas AMM Abandoned Mine Methane e 廃鉱メタン CMM Coal Mine Methane e 炭鉱メタン VAM Ventilation ato Air Methane e 通気メタン 休廃止炭鉱の放流塔や地表石炭採掘においてガス抜炭鉱の坑内通気により放の亀裂から放出 ( 高濃度 ) きボーリング 採掘跡な出 ( 低濃度 ) どから回収 ( 低 ~ 高濃度 ) 4
炭鉱 ( 炭層 ) から排出されるメタンガス CBM/ECBM CMM( 炭鉱メタン ) AMM ( 廃鉱メタン ) CMM ( 石炭採掘に伴う ) CBM ECBM ボイラ / 発電機 VAM ( 通気メタン ) ガスタンク 地表ガス抜き 通気立坑 CH 4 CO CH 4 2 CH 4 坑内ガス抜き 採掘炭層 CH 4 作業場のガス濃度 1.0-1.5% 以下にコントロール 閉山炭鉱 非採掘炭層 ECBM:Enhanced Coal Bed Methane Recovery(CBM 増進回収 ) 5
炭鉱メタンガスの利用 CMM 濃度範囲 ( 先進国 ) VAM ~1% CBM/ AMM 0% 酸化熱回収 CMM 濃度範囲 ( 中国 ) 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 5~15% 爆発限界 中国製低濃度ガスエンジン発電 ガスエンジン発電 ( オイル点火 ) 暖房ボイラ燃料石炭混焼発電燃料 ガスエンジン発電 ( 電気火花 ) 都市ガス ガスタービン発電 自動車燃料 化学原料 (DME メタノール等 ) LNG フ ロハ ン添加工業燃料 天然カ スハ イフ ライン 先進国では安全上の理由により濃度 25~30% のCMMは回収 利用不可 ( 濃度 70% 以上で大半を回収 ) 中国では回収 CMMの濃度が10~30% の炭鉱が多く 低濃度のまま利用している 安全性に問題 6
世界の CBM 資源量単位 : 兆 m 3 技術的回収可能量在来型天然ガス 404.4 兆 m 3 非在来型天然ガス 230.3 兆 m 3 出所 :JOGMEC News 7
CBM 鉱区の分布 ( 2011 年 8 月時点 39 PSC 鉱区 ) クタイ 炭田 ブロック数 南スマトラ 14 中央スマトラ 2 オンビリン 1 バリト / アサム アサム 12 クタイ 10 総計 39 中部スマトラ 南スマトラ バリト / アサム アサム
CBM 資源量 (2003 ARI-ADB) ADB) NO 炭田挟炭層 炭層厚 (m) ヒ トリニット反射率 Ro (%) 深度 (m) カ ス包蔵量 (ft3/ton) 灰分 (%) 水分 (%) 面積 (km2) ガス資源量 (Tft3) 1 SOUTH SUMATRA 2 BARITO 3 KUTAI MUARA ENIM ENIM 36 0.47 750 6.0 10 7.5 19,110 183 WARUKIN 27 0.45 900 5.3 10 10 16,450 102 BALIKPAPAN 21 05 0.5 900 53 5.3 10 5 15,860 80.4 4 CENTRAL SUMATRA MUARA ENIM 15 0.4 760 6.0 10 10 13,390 52.5 5 NORTH TARAKAN 6 BERAU 7 OMBILIN 8 PASIR- ASAM2 9 NW JAVA 10 SULAWESI 11 BENGKULU TABUL 14 045 0.45 690 40 4.0 12 6 7,100 17.5 LATIH 24 0.45 660 3.9 10 7.5 2,028 8.4 SAWAH TAMBANG 24 0.8 750 7.2 10 3 122 0.5 WARUKIN 15 0.45 690 4.4 7.5 7.5 1,000 3.0 T. AKAR 6 0.70 150 11.4 15 3 260 0.8 TORAJA 6 0.55 600 6.0 15 4 1,300 2 LEMAU 12 0.4 600 3.0 10 10 2,000 3.6 合計 453.33 ARI: Advanced Resources International (USA)
CBM 開発計画
PSC(Production Sharing Contract) 契約 (1) サインボーナス 100~400 万 US$ 現在 58 件のPSCがあるが52 件が直接提案 6 件が入札 契約期間は探査期間 10 年を含め 合計 30 年間であるが延長が可能である Work Programの提出 探査の過程で鉱区の一部を国に返還する (3 年目 10% 6 年目 10% 以上 ) FTP(First Tranche Petroleum): コスト回収前の生産量の10% を政府が取る DMO(Domestic Market Obligation): 生産量の25% を国内に供給する Equity: 国 20% 前後 コントラクター 80% 前後 課税 :44% 探査コストの10% 以上をPerformance Bondとして供託する
PSC(Production Sharing Contract) 契約 (2) Performance Bond の内容は委員会が評価するが 特定の作業内容 作業量に関する条件はない ( 物探は義務付けられてはいない ) 委員会の構成は ESDM( エネルギー鉱物資源省 ) 事務局長 ( 法律担当 ) 大学 ( 技術担当 ) MIGAS( 財務 技術 法律 ) BPMigasなど39 人 契約内容 地質情報等が説明されている Bidding Bookは $5,000 で MIGASにて購入 詳細な地質情報はPT. Patra Nusa Dataで購入 パッケージ価格は $50,000であるが鉱区全体をカバーするには複数のパッケージが必要 契約書のWork Programを実施しない場合の対応はケースバイケース コントラクターが購入した機器は政府の所有物となる CBM 開発によって得られた全てのデータは政府の所有となる コントラクターはインドネシア人を雇用 訓練しなければならない コントラクターは国産の機器 サービスを優先的に使用しなければならない MIGAS: 石油ガス総局 BPMigas: 石油 ガス上流部門独立監督機関
一般入札 PSCの申請手続き ダイレクトオファー 鉱区の設定 準備 地質評価 一般調査/ 特別調査 投資家評価 石炭鉱区位置評価 企業の提案委員会評価協同調査 評価 (MIGAS+ 企業 ) 鉱区の評価 評価結果 ( 技術と経済性 ) キャンセル キャンセル 鉱区の境界 条件入札書類 CBM 鉱区の決定 CBM 鉱区直接入札 入札参加書類の提出 入札書類の評価 落札者の決定 契約
CBM PSC のスキーム Gross Revenue 100% FTP 10% Cost Recovery 30% 消費者 ガス価格 US$/MMBTU CBM 7.5+ 肥料 4~6.5 発電 4.55~6.07 卸売り 4.2~5.4 輸出 LNG 8.12~13.23 国内 LNG 88 8.8 Equity to Split 60% (100%-10%-30%) Government Share Contractor Share 19.64% 80.36% DMO 25% 国内ガス供給量 課税 44% Government Take Contractor Take 55% 45% 80.36%x44%+19.64% 80.36%x56%=45% Net Govt Take Net Cont. Take 43% 57% 60%x55%=33% 60%x45%=27% 33%+10%=43% 30%+27%=57%
MEDCO Energy Sekayu 鉱区 ( 南スマトラ ) 1 CBM SE 02 チュービンからの随伴ガス 枯渇石油坑井 水温度 42 程度枯渇石油坑井見た目は澄んでいる 15
MEDCO Energy Sekayu 鉱区 ( 南スマトラ ) 2 揚水用 PC ポンプ 縦型セパレータ ( チュービングからの流体 ) 廃水ポンド 16
目的 CO 2 ECBM(CBM 増進回収 ) の 実施 ( 案 ) 低浸透率でCBM 開発が効率的に行えない炭層からのガス回収 インドネシアの石油 ガス生産の多量の随伴 CO 2 の処理 未利用低品位炭のガス化事業には CCS が不可欠 実施内容 JCOAL が国の委託事業として 北海道夕張で実施した ECBM の実証