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- 新製品紹介 - シート状光硬化型粘接着剤の開発 UVP シリーズ 高分子材料研究所谷やち内健太郎 1 はじめに 2 光硬化型粘接着剤とは 近年急速に市場が拡大している液晶ディスプレイ (LCD) を始めとするフラットパネルディスプレイ (FPD) は 様々な部材の組み合わせから成っている FPD 用光学フィルムは 光学機能を付与したフィルムの積層体であることが多く これらに用いられる粘着剤や接着剤への要求が年々高度化している 従来 光学フィルム同士の接着には 歩留まりが高く使用が容易という特徴から シート状粘着剤 ( 以下 PSAシート ) が多く使用されている( 表 1) しかしながら 粘着剤は室温でのが低くゴム状態であるため 薄膜化した場合の接着力不足 耐熱環境下の変形による位置ズレの発生 裁断時の刃への粘着剤付着等の根本的な問題がある 一方 接着剤は高温でのが粘着剤よりも高いため耐熱性が高く 液状接着剤 が薄膜化に用いられるが 液のはみ出しによる汚染や気泡の混入等の問題がある ( 表 1) 今回 PSAシートのように光学フィルム同士の貼合が簡便で 紫外線 ( 以下 UV) を照射する事で架橋 硬化し 接着力及び耐熱性が向上する シート状光硬化型粘接着剤 ( 以下 PCAシート ) を新規に開発した( 表 1) 粘接着剤の概念は古くから存在する 1) 代表的な定義としては 硬化前は粘着性を有して室温で貼合可能であり 熱や光などの方法により架橋 硬化し 接着強度が向上する接着剤 である 粘接着剤は 架橋 硬化させるための反応機構の違いによって 熱硬化型 ( 常温硬化含む ) と光硬化型に大別できる 熱硬化型は 湿気硬化型 2) の粘接着剤が実用化されており 光硬化型は 光ラジカル硬化型 3) や光カチオン硬化型 4) の粘接着剤が開発されている 図 1に示すように 光硬化型粘接着剤とは 光照射前は半固体で粘着性を有し 光照射により架橋 硬化して及び接着強度が向上するものである 表 1 各種接着剤の特徴の比較 図 1 光硬化型粘接着剤の概念 3 シート状光硬化型粘接着剤 UVP シリーズの特性 UVPシリーズは PSAシートの使い易さと 液状光硬化型接着剤の耐熱性などを併せ持った新しい接着剤であり 当社独自技術による感光性アクリルポリマーをベースにしたシート状光硬化型粘接着剤である 以下 各特性について述べる 本稿では PCAシート UVPシリーズ の特性を紹介するとともに 薄膜のPCAシートを偏光板と位相差フィルムの接着に適用して広帯域円偏光板の薄型化を検討した事例について報告する 3.1 動的粘弾性 UVPシリーズは その動的粘弾性の特徴 ( 表 2) から 以下の性能を有する 1 UV 照射前のは PSAシートよりも低く軟らかい このため 被着体表面に段差 ( 印刷パターン 配線 空隙など ) が存在する場合 それらを埋めて平滑化する能力に優れている 2 UV 照射後のは PSAシートよりも高く硬い接着層を形成できる このため 耐熱性や裁断性が向上 東亞合成グループ研究年報 11 TREND 2011 第 14 号

する 3 UV 照射後のtanδmax 温度 ( ガラス転移点の目安 ) が室温付近になるよう設計されている このため 剥離強度と耐熱性を高いレベルで両立できる UVPシリーズのグレード分けは 硬化前後の粘接着層のの違いにより行っているため 用途に応じて選択が可能である ( 表 2) 標準グレードであるUVP-1003に対して UVP-2001 及びUVP-3002は硬化後のがより高く耐熱性を重視したグレードであり UVP-4000は同程度のであるが剥離強度を重視したグレードである 表 4 光学特性 表 2 動的粘弾性 動的粘弾性 (*1) 光硬化前 (*2) (MPa) tanδ max 光硬化後 (*3) (MPa) 25 温度 ( ) tanδ 25 85 UVP-1003 0.22 15.7 1.16 12.6 4.4 UVP-2001 0.17 30.3 0.77 73.6 6.0 UVP-3002 0.13 28.5 0.48 165.7 12.7 UVP-4000 0.07 26.2 1.04 26.8 3.2 光学フィルム用市販粘着剤 0.54-8.4 1.26 0.54 0.15 (*1) 温度分散測定 周波数 10Hz 昇温速度 2 / 分 (*2) UVP 粘着剤ともにずりモードG' (*3) UV 硬化 : 高圧水銀灯 2,000mJ/cm 2 (200mW/cm 2, 365nm) UVP: 引張モードE' 粘着剤: ずりモードG' E'=3G'( ポアソン比 =0.5の場合 ) 3.4 保存安定性 UVPシリーズは 室温 9ヶ月保管後も 離型性の低下やコールドフロー ( 粘接着剤のはみ出し ) の発生等は見られず 保存安定性は良好である ( 表 5) 表 5 保存安定性 3.2 剥離強度 UVPシリーズは ベースとなるアクリルポリマーに極性基を導入するなどの手法により 各種プラスチックフィルムに対して良好な剥離強度を示す ( 表 3) 表 3 剥離強度 4 応用例 ~ 偏光板と位相差フィルムの接着 ~ 近年 FPD 用光学フィルム積層体の薄型化が求められているが 光学フィルム同士の接着にPSAシートを用いた場合 信頼性の点から粘着剤の薄膜化 (10μm 未満 ) には限界がある そこで PSAシートと液状接着剤の各々の長所を有する 薄膜のPCAシートを用いて 光学フィルム積層体の薄型化を検討した 本項では 偏光板と位相差フィルムの接着にPCAシートを適用して円偏光板を作製し その信頼性 ( 外観 光学特性 ) を評価した 3.3 光学特性 UVPシリーズは 非晶性で低着色なアクリルポリマーをベースにしている そのため 全光線透過率 ヘイズともに PSAシートと同等であり 光学フィルム用途に適している ( 表 4) なお 本検討は 筆者らが 次世代モバイル用表示材料技術研究組合 (Technology Research Association for Advanced Display Materials, 通称 TRADIM) にて実施した内容である 5) 4.1 円偏光板とは携帯電話等のモバイル機器用反射型 半透過型 LCDには 偏光板透過後の直線偏光を円偏光に変換するための円偏光板 東亞合成グループ研究年報 12 TREND 2011 第 14 号

が用いられる(図2)6) このため 1/4波長板と呼ばれる 位相差フィルムが必須となるが その広帯域化のために逆波 長分散特性が重要となる 逆波長分散フィルムには 分散特 性がほぼフラットであるノルボルネン系フィルムを2枚積層 する事で逆波長分散特性を実現したフィルムや 逆波長分散 特性を有する変性ポリカーボネートを用いたフィルムなどが ある 図3 PCAシートを用いた広帯域円偏光板の作製方法 比較実験用として 図4に示すスキームに従い 表6記載 の(5μm)を接着①及び②に適用した広帯域円偏光板 も作製した(UVは未照射) 図2 反射型LCDの原理 4.2 広帯域円偏光板の作製 本実験では トリアセチルセルロース(以下 TAC)系保護 フィルムとポリビニルアルコール(以下 PVA)系偏光子から 図4 PSAシートを用いた広帯域円偏光板の作製方法 成る偏光板 ノルボルネン系シクロオレフィンポリマーから 成る1/2波長板(以下 λ/2板)及び1/4波長板(以下 4.3 信頼性試験後の外観 λ/4板)を特定の角度で積層した広帯域円偏光板7)の薄型化 4.2で得られた円偏光板の信頼性試験(85 500時間 検討を表6記載の(5μm)を用いて行った 表6 60 /90 RH 500時間)を行い その後の外観を観察した その結果 表7に示すように 接着①及び②に(5 本実験で使用した光硬化型粘接着剤及び粘着剤 動的粘弾性(*1) 光硬化型粘接着剤 (*2) 偏光板用粘着剤 μm)を用いた場合には 85 の条件においてわずか24時間 で剥がれが発生したのに対し (5μm)を用いた場合 MPa tanδmax 温度 25 85 29 88 9.9-25 0.16 0.01 には 500時間経過後も 剥がれや発泡がなく良好な外観で あった 本試験結果から 薄膜でのPCAシートの耐熱性を確 認する事ができた なお 60 /90 RHの条件においては いずれも500時間経過後も問題なかった (*1) 温度分散測定 周波数10Hz 昇温速度2 分 粘接着剤 引張モードE' 粘着剤 ずりモードG' 表7 E'=3G' ポアソン比=0.5の場合 信頼性試験後の外観 (*2) UV硬化 高圧水銀灯2,000mJ/cm2 200mW/cm2, 365nm) 具体的には 図3に示すスキームに従い 偏光板-λ/2板 間(接着①)及びλ/2板-λ/4板間(接着②)に(5μm) を適用し λ/4板まで積層した後 λ/4板側からuvを照 射する事で 広帯域円偏光板を得た この際 シクロオレフ ィンポリマーから成るλ/4板側よりUVを照射したのは 偏 光板側からの照射では硬化不足となるためである これを (15μm)を介してガラス基板へ貼り付け 評価を行った 円偏光板のサイズは4インチ(長辺80mm 短 辺60mm)とし 偏光板の吸収軸は長辺方向とした 東亞合成グループ研究年報 13 TREND 2011 第14号

4.4 光学特性評価 4.2で得られた円偏光板の初期楕円率及び光学特性の信頼性 (85,500 時間 60 /90%RH,500 時間 ) を評価した なお を用いた比較実験では 5μmで剥がれが発生したため 10μmで行った その結果 PCAシートを用いた場合 UV 照射による初期偏光度の低下はなく 表 8に示すように 初期楕円率及び光 偏光板 λ/2 板 λ/4 板 ガラス基板 5μm 5μm 15μm 偏光板 λ/2 板 λ/4 板 ガラス基板 10μm 10μm 15μm 学特性の信頼性は PSA シート並みであった 初期楕円率及び 楕円率の信頼性が PSA シート並みであったのは 粘接着剤の 硬化収縮応力及び偏光子の熱収縮応力による位相差変化がな かったためと考えられる 偏光板吸収軸 偏光板吸収軸 表 8 初期楕円率及び光学特性の信頼性 (*1) 接着 1 膜厚 (μm) 5 10 接着 2 膜厚 (μm) 5 10 477.8nm 94.9% 94.4% 初期楕円率 545.7nm 97.6% 98.6% 628.6nm 96.5% 96.3% 偏光度変化 0.2% 0.2% 耐熱試験 (85 500hrs) 単体透過率変化 2% 2% 楕円率変化 3% 3% 耐湿熱試験 偏光度変化 0.2% 0.2% (60 /90%RH 単体透過率変化 2% 2% 500hrs) 楕円率変化 3% 3% (*1) 高圧水銀灯 2,000mJ/cm 2 (200mW/cm 2, 365nm) 以上のように 膜厚 5μmのPCAシートを用いる事により 膜厚 5μmのPSAシートでは困難であった広帯域円偏光板の信頼性を確保でき 接着層の合計厚みを10μm 薄膜化する事に成功した 4.5 耐熱試験後の円偏光板端部の変形 PCAシートは UV 照射により強固な三次元架橋構造を形成し 粘着剤と比較して高温でのが高いため 延伸フィルムの熱収縮を抑制でき 位置ズレが起きにくい そこで 4.4の評価で用いた円偏光板の耐熱試験後 (85, 24 時間 ) の端部変形を観察した その結果 図 5に示すように 接着 1 及び2にPSAシートを用いた系は第 1~3 粘着層が変形し 各粘着層で偏光板の熱収縮応力を緩和しているのに対し PCAシートを用いた系は偏光板 -λ/2 板 -λ/4 板が光硬化型粘接着剤により一体化され 第 3 層の粘着剤層のみで熱収縮応力を緩和している事が確認された 近年 LCDの大画面化に伴い 偏光板の熱収縮を完全に抑制するための高弾性率粘着剤が開発されている 8) 今回開発したPCAシートは UV 照射後のが高いため 長期信頼性と光漏れ防止性の向上に寄与するものと期待される 図 5 耐熱試験後の円偏光板端部の顕微鏡写真 ( サンプル真上から撮影 ) 5 まとめ当社独自技術により開発されたUVPシリーズは 光照射前は半固体で粘着性を有し 光照射により架橋 硬化して及び接着強度が向上する シート状光硬化型粘接着剤である PSAシートの使い易さと 液状接着剤の耐熱性等を兼ね備えているため FPD 用光学フィルム積層体の作製に有用であると期待される 応用例では 膜厚 5μmのPCAシートを用いて 反射型 半透過型 LCDに用いられる薄型の広帯域円偏光板への適用事例を紹介した 従来のPSAシートを用いた場合には広帯域円偏光板を構成する接着層の合計厚みは35μmであったのに対し PCAシートを用いる事により25μmまで薄膜化する事に成功した UVPシリーズの膜厚は5~50μmまで対応可能であり 偏光板 / 位相差フィルム用途以外にも その他の光学フィルム積層体 LCDと意匠板の接着 タッチパネルと意匠板の接着 LCDとタッチパネルの接着等の様々な用途に適用できると考えており 現在 市場開発を進めている 引用文献 1) 福沢敬司, 接着の技術,9, 2, 1 (1990). 2) セメダイン株式会社. 工業用セメダインスーパー Xシリーズ. http://www.cemedine.co.jp/product/industry/super_x.html, ( 参照 2010-9-29). 3) 関谷昌彦, 接着の技術,25, 1, 31 (2005). 4) 福井弘司, 接着の技術,29, 1, 20 (2009). 5) 谷内健太郎, 大槻重義, 大房一樹, 橘美樹, 第 18 回ポリマー材料フォーラム講演予稿集,p54 (2009). 6) 苗村省平, はじめての液晶ディスプレイ技術, 工業調 東亞合成グループ研究年報 14 TREND 2011 第 14 号

査会 (2004) pp.161~pp.165 7) テクノタイムズ社編, FPDの光学材料, テクノタイムズ社 (2007) pp.77~pp.78 8) 所司悟, 接着と塗装研究会講座 フラットパネルディスプレイをとりまく接着技術 講演要旨集,pp.21~ pp.22 (2008). 東亞合成グループ研究年報 15 TREND 2011 第 14 号