ご参考アルツハイマー病モデルアルツハイマー病は認知機能低下を主な症状とする進行性の神経変性疾患で その特徴的な脳内病理変化として アミロイド β (Aβ) の不溶性凝集体の蓄積である老人斑の形成 タウタンパク質の不溶性凝集体の蓄積である神経原線維変化 (neurofibrillary tangle

Similar documents
「飢餓により誘導されるオートファジーに伴う“細胞内”アミロイドの増加を発見」【岡澤均 教授】

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

統合失調症モデルマウスを用いた解析で新たな統合失調症病態シグナルを同定-統合失調症における新たな予防法・治療法開発への手がかり-

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

Untitled

( 図 ) 自閉症患者に見られた異常な CADPS2 の局所的 BDNF 分泌への影響

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

PowerPoint Presentation

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異の同定と病態メカニズムの解明 ポイント 統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異 (CNV) が 患者全体の約 9% で同定され 難病として医療費助成の対象になっている疾患も含まれることが分かった 発症に関連した CNV を持つ患者では その 40%

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

別紙 自閉症の発症メカニズムを解明 - 治療への応用を期待 < 研究の背景と経緯 > 近年 自閉症や注意欠陥 多動性障害 学習障害等の精神疾患である 発達障害 が大きな社会問題となっています 自閉症は他人の気持ちが理解できない等といった社会的相互作用 ( コミュニケーション ) の障害や 決まった手

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待-

汎発性膿庖性乾癬の解明

Microsoft Word - 3.No._別紙.docx

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

untitled

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

脂肪滴周囲蛋白Perilipin 1の機能解析 [全文の要約]

概要 名古屋大学環境医学研究所の渡邊征爾助教 山中宏二教授 医学系研究科の玉田宏美研究員 木山博資教授らの国際共同研究グループは 神経細胞の維持に重要な役割を担う小胞体とミトコンドリアの接触部 (MAM) が崩壊することが神経難病 ALS( 筋萎縮性側索硬化症 ) の発症に重要であることを発見しまし

PowerPoint プレゼンテーション

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

第6号-2/8)最前線(大矢)

研究成果の概要ビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウス (SMP30/GNL 遺伝子破壊マウス ) に1 水素 (H2) ガスを飽和状態 (0.6 mm) まで溶かした水素水 ( 高濃度水素溶解精製水 ) を与えた群 2 充分なビタミンCを与えた群 3 水のみを与えた群の 3 群に分け 1 ヶ

るマウスを解析したところ XCR1 陽性樹状細胞欠失マウスと同様に 腸管 T 細胞の減少が認められました さらに XCL1 の発現が 脾臓やリンパ節の T 細胞に比較して 腸管組織の T 細胞において高いこと そして 腸管内で T 細胞と XCR1 陽性樹状細胞が密に相互作用していることも明らかにな

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

Microsoft Word - プレスリリース(EBioMed)180612_final.docx

博士の学位論文審査結果の要旨

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

ごあいさつ バイオシミラーの課題 バイオ医薬品は 20 世紀後半に開発されて以来 癌や血液疾患 自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し また一般にベネフィット リスク評価が高いと言われています しかしその一方で しばしば高額となる薬剤費用が 患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がる

Transcription:

各位 2017 年 8 月 1 日 会社名株式会社トランスジェニック代表者名代表取締役社長福永健司 ( コード番号 2342 東証マザーズ ) 問合せ先取締役船橋泰 ( 電話番号 03-6693-9571) 遺伝子改変モデルマウスを用いた中枢神経系非臨床試験受託サービス開始のお知らせ 当社グループは 遺伝子改変モデルマウスを用いた中枢神経系非臨床試験受託サービスを開始いたしますのでお知らせいたします 概要 当社は創業以来 遺伝子改変マウス作製を基幹事業とし それに関わるマウス作製 系統保存 増産のサービス 各種モデルマウス販売のサービスを提供してきました また グループ会社の新薬リサーチセンターは豊富な経験とノウハウを活かし GLP 適合施設での非臨床試験及び GCP に対応した生物学的同等試験等の食品臨床試験受託サービスを提供しています このような両社の特色を活かして協業で アルツハイマー病 認知症 精神 神経疾患について それぞれ特色をもつ病態モデルマウスを用いた各種行動試験により 中枢神経系の薬効を評価いたします < モデルマウス > 系統名 Mutation Construct Promoter アルツハイマー病 APPosk-Tg Human APP E693Δ Mouse prion promoter 認知症 SJLB Human N279K TAU Mouse prion promoter 精神 神経疾患 probdnf-ki Mutant probdnf (endogenous) 組織学的 生化学的解析も可能です 試験内容はご相談ください 以上

ご参考アルツハイマー病モデルアルツハイマー病は認知機能低下を主な症状とする進行性の神経変性疾患で その特徴的な脳内病理変化として アミロイド β (Aβ) の不溶性凝集体の蓄積である老人斑の形成 タウタンパク質の不溶性凝集体の蓄積である神経原線維変化 (neurofibrillary tangle NFT) の形成 脳萎縮が知られています アルツハイマー病の発症機序を説明するものとして 下記のようなアミロイド仮説が知られています 1. Aβ が自己凝集によって可溶性凝集体 (Aβ オリゴマー ) や不溶性凝集体 (Aβ フィブリル ) を形成する 2. Aβ 凝集体がタウタンパク質の過剰なリン酸化と自己凝集を誘導し 異常な凝集タウである NFT を形成する 3. NFT が神経細胞死を誘導する 4. 脳萎縮が進行し 認知障害が生じ アルツハイマー病を呈する 初期のアミロイド仮説においては老人斑中の不溶性凝集体である Aβ フィブリルによる神経細胞死によって認知機能低下が引き起こされていると考えられていました その後 細胞死誘導に必要な Aβ 濃度が生体内の条件に比べて高すぎること アルツハイマー病患者の疾患重篤度が脳内の Aβ フィブリルの量とは相関していないことから Aβ フィブリル以外のものが毒性を持っている可能性が示唆されました そして 生理的な濃度でシナプス機能の障害を引き起こす Aβ オリゴマーが病態の発症に重要ではないかと考える オリゴマー仮説 が提唱されました しかし アルツハイマー病患者の脳内には Aβ オリゴマーと同様に Aβ フィブリルも存在することから どちらがアルツハイマー病発症に寄与しているのかを検証するかは難しい問題でした 大阪市立大学の富山貴美先生 森啓先生らのグループは 2008 年に家族性アルツハイマー病の新しい遺伝子変異を報告しました (1) Osaka 変異と名付けられたこの遺伝子変異は アミロイド前駆体タンパク質 (amyloid precursor protein; APP) における1アミノ酸の欠失型変異でした (APP OSK ; E693Δ) APP OSK から産生される Aβ は 1 アミノ酸を欠失した変異型 Aβ(E22Δ) となり Aβ フィブリルを形成せず Aβ オリゴマーを非常に多く形成するという特徴を有していました Osaka 変異を持つアルツハイマー病患者の脳には老人斑が検出されず この発見によって Aβ オリゴマーのみでアルツハイマー病が発症することが初めて証明されました

逃避潜時 (sec) APP OSK 変異タンパク質をマウス脳内で発現するトランスジェニックマウスが APP OSK -Tg マウスです (2) APP OSK -Tg マウスでは 加齢に伴って脳内に Aβ オリゴマーの蓄積が検出されますが 24 ヵ月齢においても老人斑は全く見られません しかしこのマウスでは シナプス消失 タウの異常リン酸化 グリア細胞の活性化 神経細胞死といった多くのアルツハイマー病の病理が見られます このことから APP OSK -Tg マウスは Aβ オリゴマーがアルツハイマー病理を引き起こすオリゴマー仮説を支持するモデルであるとともに Aβ オリゴマーによるアルツハイマー発症の病態とそれをターゲットとする治療法 創薬の研究に役立つものと考えられます (3) APPosk Tg マウス APP OSK マウスの記憶評価及び Aβオリゴマー免疫染色 < 水迷路試験 > ( 当社取得データ ) 使用動物 : C57BL/6 マウス (n = 6) 10 か月齢 APP OSK マウス (n = 8) 9~10 か月齢 60 50 ** ** * 40 30 20 10 1 2 3 4 5 測定期間 (day) A: C57BL/6 B: APPosk 平均値 ± 標準誤差を表す * p<0.0 ** p<0.01 C57BL/6 群と比較して t 検定で有意差あり

<β-amyloid oligomer 染色 (NU-1 抗体を用いた免疫染色 )> Non-Transgenic マウス APPosk トランスジェニックマウス < 文献 > (1) Tomiyama T., Nagata T., Shimada H., Teraoka R., Fukushima A., Kanemitsu H., Takuma H., Kuwano R., Imagawa M., Ataka S., Wada Y., Yoshioka E., Nishizaki T., Watanabe Y., Mori H. A new amyloid β variant favoring oligomerization in Alzheimer's-type dementia. Ann. Neurol. 63, 377-387 (2008). (2) Tomiyama, T., Matsuyama, S., Iso, H., Umeda, T., Takuma, H., Ohnishi, K., Ishibashi, K., Teraoka, R., Sakama, N., Yamashita, T., Nishitsuji, K., Ito, K., Shimada, H., Lambert, M.P., Klein, W.L. and Mori, H. A mouse model of amyloid β oligomers: Their contribution to synaptic alteration, abnormal Tau phosphorylation, glial activation, and neuronal loss in vivo. J. Neurosci. 30, 4845-4856 (2010). (3) Umeda T., Ono K., Sakai A., Yamashita M., Mizuguchi M, Klein W.L., Yamada M., Mori H., Tomiyama T. Rifampicin is a candidate preventive medicine against amyloid β and tau oligomers. Brain 139, 1568-1586 (2016). < 特許 > 特許第 4776544 号 変異型アミロイドタンパク質

認知症モデルマウス認知症にはアルツハイマー病以外にも様々なものが知られているが そのうち 第 17 染色体遺伝子に連鎖しパーキンソニズムを伴う家族性前頭側頭葉認知症 (Frontotemporal dementia and parkinsonism linked to chromosome 17; FTDP-17) は常染色体優勢で遺伝することが知られる疾患です FTDP-17 は運動障害並びに認知機能障害が通常 40~60 歳で発症し 一定年数の間で深刻な認知症に進展することが知られています FTDP-17 はタウタンパク質の異常によるものであることが知られています タウタンパク質の異常蓄積は神経死に直接関連していると考えられており アルツハイマー病の原因とも考えられています FTDP-17 においてタウタンパク質における遺伝子変異は複数報告されていますが その一つが point mutation でアミノ酸置換が起こる N279K 変異です この N279K 変異を持つタウタンパク質をマウスの脳内で発現させたのが SJLB マウスです このマウスでは空間学習 恐怖の学習能力が低下しており 認知障害のモデル動物として タウをターゲットとした認知症の治療法 創薬の研究に役立つものと考えられます < 文献 > Taniguchi, T., Doe, N., Matsuyama, S., Kitamura, Y., Mori, H., Saito, N. and Tanaka, C. Transgenic mice expressing mutant (N279K) human tau show mutation dependent cognitive deficits without neurofibllary tangle formation. FEBS letters 579, 5704-5712 (2005). < 特許 > JP2011043428A 非ヒトモデル動物を用いたパーキンソン症候群の検査方法

精神 疾患モデルマウス神経栄養因子の一つである脳由来神経栄養因子 (BDNF: brain-derived neurotrophic factor) は うつ病をはじめとした様々な精神 神経疾患に関与するものとして近年注目されています BDNF は脳内における神経回路網の形成や発達 さらにその生存に重要であることまた シナプスの可塑性にも関与し記憶や学習の形成において重要な役割を果たしていることが示されてきています BDNF は前駆体である probdnf からプロテアーゼによって切断され 成熟型の BDNF (mature BDNF) が生成されます maturebdnf はチロシンキナーゼ受容体 (TrkB) に結合し 細胞生存 細胞分化 シナプス形成などを誘導しますが probdnf は p75ntr 受容体へ結合し アポトーシス 神経突起伸長抑制などをもたらします このことから 産業技術総合研究所の小島正巳先生らは probdnf から maturebdnf へのプロセッシング障害および分泌障害が 精神 神経疾患に関与するのではないかと考え probdnf から BDNF へのプロセッシングを抑制する変異を導入したノックインマウスを作製しました その結果 probdnf がプロセッシングされないこのマウスは 足のもつれや歩行中に転倒するなどの特徴的な行動異常 オープンフィールドにおける活動量の増大 テールサスペンジョンテストによる無動時間の長期化などが見られました このことから 本マウスはうつ病をはじめとする精神 神経疾患モデルマウスとして 治療法の開発や創薬に貢献できるものと考えられます

< 文献 > Mizui, T., Ishikawa, Y., Kumonogoh, H. and Kojima, M. Neurobiological actions by three distinct subtypes of brain-derived neurotrophic factor: Multi-ligand model of growth factor signaling. Phamacol. Res. 105, 93-98 (2016 review). Mizui, T., Ishikawa, Y., Kumanogoh, H., Lume, M., Matsumoto, T., Hara, T., Yamawaki, S., Takahashi, M., Shiosaka, S., Itami, C., Uegaki, K., Saarma, M. and Kojima, M. BDNF pro-peptide actions facilitate hippocampal LTD and are altered by the common BDNF polymorphism Val66Met. Pro. Nat. Aca. Sci. 112, E3067-3074 (2015). Koshimizu, H., Hazama, S., Hara, T., Ogura, A. and Kojima, M. Distinct signaling pathways of precursor BDNF and mature BDNF in cultured cerebellar granule neurons. Neurosci. Letters 473, 229-232 (2010). Koshimizu, H., Kiyosue, K., Hara, T., Hazama, S., Suzuki, S., Uegaki, K., Nagappan, G., Zaitsev, E., Hirokawa, T., Tatsu, T., Ogura, A., Lu, B. and Kojima, M. Multiple functions of precursor BDNF to CNS neurons: negative regulation of neurite growth, spine formation and cell survival. Mol. Brain 2, < 特許 > 特許第 5414012 号 変異 BDNF 遺伝子導入ノックインマウス