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H22-No.1 - 第 1 分野光材料 デバイス OFC/NFOEC2010 速報 [ 光材料 デバイス ] 高畑清人 (NTTフォトニクス研究所) 会議名 :Optical Fiber Communication Conference and Exposition (OFC) and National Fiber Optic Engineers Conference (NFOEC). (OFC/NFOEC2010) 開催期間 :2010 年 3 月 21 日 -25 日開催場所 :San Diego Convention Center (San Diego 米国) ****** 要約 ********************************** 光デバイス分野のメイントピックは Postdeadline Papersで集積型コヒーレントレシーバの発表が4 件連続したことに表れているように 昨年のOFC ECOCに引き続き集積化技術であった DP-QPSK 等の複雑な変調フォーマットに対応するために送受信器の部品点数は増え 構成も複雑になっており このような送受信器を小型 低コスト 低消費電力で実現するための集積化技術への関心は非常に高いことが会議を通して感じられた 光源デバイスでは 併設の展示会に出展されるような実用に近いデバイスの報告が目立った シリコンフォトニクスの分野はアクティビティの高さが感じられ 変調器を中心として幅広い技術が報告された ******************************************* 1. はじめに OFC/NFOEC は光通信関連では ECOC と並び最大の国際会議であり OFC/NFOEC においても光デバイス関連 ( ファイバ関連を除く ) に限っても 13 以上のセッションが設けられていた 光デバイス分野のメイントピックは集積化であった これに伴って複合機能デバイスの発表が中心となり 従来のパッシブ / アクティブという分類は意味をなさなくなりつつある 応用分野としては Postdeadline Papers の採択結果 ( 後述 ) に表れているようにコヒーレント伝送がホットな領域である 光デバイスを作製する材料としては InP 系 Si 系 LiNbO3 系 石英系等多岐に渡るものが報告された その中でもシリコンフォトニクスの研究は活発であり パッシブ導波路デバイスに限ればシリコン系デバイスの報告が全体 (26 件 ) の半数を占めていた 本稿では 光デバイスに関するいくつかのトピックについて報告する 2.InP 系光集積回路 (InP-PIC) Postdeadline のコヒーレントのセッションで InP-PIC をベースとしたコヒーレントレシーバの報告が1~4 番を占めたことに顕著であるように PIC への関心 期待が高いことが会議の随所で感じられた Postdeadline で Alcatel-Lucent(Bell Labs.) からは新しい構成の 4ch モノリシック集積型コヒーレントレシーバが報告された (PDPB1) AWG の導波路アレイに 4 本周期で-3π/4 0 π/4 0 の位相差を与える設計により 1 つの AWG で 4ch の波長分波 偏波分離 90 ハイブリッドを実 1

現するという斬新なアイデアが示された 32 個の PD(Photo Diode) も集積したデバイスのサイズは 6.0 3.3 mm 2 であり 実験による 4ch の 43Gbit/s PDM-QPSK 信号の復調動作が報告された Infinera からは 10ch 45.6Gb/s PM-DQPSK レーシーバ PIC が報告された (PDPB2) InP 基板上に偏波分離器 偏光子 偏波回転器 AWG 分波器 遅延回路 90 ハイブリッド PD をモノリシックに集積した大規模 PIC と ASIC の電気信号処理回路をセラミックパッケージに実装し 10ch(200GHz 間隔 ) 45.6Gbit/s PM-DQPSK 信号の復調動作を確認している u 2 t からは 2 つの 90 ハイブリッド回路と 8 個の導波路型 pin-pd をモノリシック集積したデバイスと 4 つの差動 TIA を小型表面実装型パッケージに実装した 100Gb/s コヒーレントレシーバが報告された (PDPB3) C 帯の 56Gbit/s(28Gbaud)NRZ-QPSK 信号に対して 符号誤り率 10-3 における OSNR 感度 :11dB SMF150km 伝送後の OSNR ペナルティ :1dB 以下という特性が示された OWD: Photonic Integrated Circuits のセッションでは UCSB の Coldren 教授が MOTOR (Momolithic Tunable Optical Router) チップ SGDBR(Sample Grating Distributed Bragg Reflector) レーザ+X のモノリシック集積デバイスを中心に InP-PIC 技術について Tutorial 講演をされた 同セッションでは NTT(OWD2) Infinera(OWD3) からも招待講演で InP-PIC 技術のレビューがった また 別セッションでの Alcatel-Lucent からの InP 系モノリシックコヒーレントレシーバについての招待講演 (OWU5) も多くの聴衆を集めていた 3. 発光デバイス 40/100GbE 用光源の分野では IEEE 802.3bg において標準化プロジェクトがスタートした 40GbE の 40Gbit/s シリアル伝送に向けた小型 低コストな光源として FPC(Flexible Printed Circuits) インターフェースの 40Gbit/s TOSA(Transmitter Optical SubAssembly) の報告があった 三菱からは 1.3 μm 帯 40Gbit/s 電界吸収型変調器集積 DFB レーザ (EML)TOSA が報告された (OThC2) 従来の 10Gbit/s EML TOSA をベースにして FPC の設計に工夫を加えて FPC と TOSAパッケージの接続部分の反射を低減することにより 40Gbit/s 動作を達成している また 富士通からは FPC と PCB(Printed Circuits Board) の接続部に high-speed lead-pin という新構造を FPC と TOSA パッケージのフィードスルーの接続部に 2 層構造を適用することで 40Gbit/s 動作を可能としたドライバ IC 内蔵の EML TOSA が報告され (OThC3) 展示会場では動作デモも行われていた 日立からは 100Gb/E 用第 2 世代トランシーバの課題である低消費電力化 低コスト化 小型化に向けた光デバイス 及び電気回路技術の報告があった (OThS4, Invited) OFC2009, ECOC2009 でも報告されていた LD PD チップにレンズを集積することでチップとファイバの低損失直接結合を可能とする技術が示された さらに将来に向けた技術としては Kista Photonic Research Centre KTH Syntune と u 2 t からは進行波型 EA 変調器を用いた 100Gbit/s 級シリアル送信 / 受信モジュールの報告があった (OWN4) DFB レーザと進行波型 EA 変調器をモノリシック集積したチップ (DFB-TWEAM) を実装した小型モジュールを送信器として 及び EA 部分を受光素子として用いた受信器として 100Gbit/s で評価した結果が報告された 波長可変レーザの分野では 変調機能を集積した送信モジュールがいくつか報告された 2

Emcore からは外部共振器型の波長可変レーザと InP-MZM (Mach-Zender Modulator) をコンパクトに実装した Tunable TOSA とそれを用いた Tunable XFP が報告された (OThC5) ゲインチップと光アイソレータの端面を用いた反射鏡で外部共振型レーザを構成し さらに両者の間のスペースに Si エタロン板 3 枚で構成した波長可変フィルタを挿入するという工夫によってハイブリッド集積でありながら小型 TOSA を実現している Tunable XFP としては 10.7Gbit/s 信号の 80km 伝送において LiNbO3 光変調器を用いた 300pin トランスポンダと同等の性能であるデータが示された Finisar からは ECOC2009 で報告された波長可変 MGY(modulated grating Y-branch) レーザを用いた CML(chirp managed laser) の改良について報告があった (OThE5) FM-AM 変換に従来のバンドパスフィルタに代えて遅延干渉型フィルタを適用することで特性改善を実現し C 帯の 11.1Gbit/s RZ 信号について ±800ps/nm の範囲で分散ペナルティ 2dB 以下という性能が報告された NTT からは DFB-LD アレイタイプの波長可変レーザと InP n-p-i-n MZM を小型バタフライパッケージにハイブリッド実装した 40Gbit/s 波長可変 DPSK 送信モジュールが報告された (OWU4) 新たに動作点制御電極を設けた構造を用いることで C 帯全域において変調振幅一定 (3Vpp) ゼロチャープ動作 エラーフリー動作を実現している 波長可変レーザ単体では Nanyang 工大からは MEMS グレーティングを利用した超小型な注入同期レーザ (ILL) で C 帯をカバーする 43nm のロッキングレンジが得られた結果が報告された (OWU1) NTT からは TDA (Tunable Distributed Amplification)-DFB レーザアレイについて サーマルドリフトを抑制する波長スイッチング方法が報告された (OWU6) 住友電工からは SOA をモノリシック集積した CSG-DR-LD (Chirped Sampled Grating Distributed Reflector Laser Diode) について C 帯全域におけるファイバ出力 >60mW サイドモード抑圧比 >45dB 及びファイバ出力 16dBm では線幅 170kHz 以下に対応する位相雑音であることが報告された (OWU7) 量子ドットデバイスの分野では 東大 富士通 及び QD レーザからは 1.3μm 帯の量子ドット DFB レーザのアンクール 10Gbit/s 動作が報告された (OThK2) 高密度の量子ドット層を 8 層積層した構造によって室温で 42cm -1 という高いモード利得が得られ その結果 80においても閾値 8.4mA 光出力 >10mW@70mA の特性であった 10GbE マスクによる評価結果として-40 ~80においてマスクマージンが 30% 以上であることが報告された Karlsruhe 工科大からは 位相変調信号に対する量子ドット SOA の入力ダイナミックレンジについて報告があった (OThK3) 利得 飽和出力 雑音特性がほぼ同じである 1.5μm 帯のバルク SOA と量子ドット SOA の特性を 28Gbaud NRZ-DQPSK 信号を用いて比較評価し 量子ドット SOA は α パラメータが小さいために位相誤差が小さく バルク SOA よりも入力ダイナミックレンジが 10dB 以上広いことを示している 富士通からは 1.5μm 帯コラムナ量子ドット SOA の高温動作が報告された (OThK4) SOA 特性の温度依存性を 25~60で測定した結果 コラムナ量子ドット構造によって利得 飽和利得 雑音指数の温度依存性が低いことが確認され 測定温度範囲での利得は 18~ 16dB であった 50において 40Gbit/s-NRZ 信号入力時に SOA 出力が約 12dBm までペナルティフリーで動作することが報告された 4. 変調 光信号処理デバイス 3

パッシブ系導波路デバイスについてはターゲットとする応用の主流が従来のスイッチや分散補償からトランシーバに移行しており 光信号処理用の新しいデバイスの報告は全体としては減少している印象である 波長変換の分野では 伝送における変調方式の多様化に対応するためにフォーマットフリーの波長変換技術が重要になってきている Eindhoven 工科大からは SOA の4 光波混合を用いた 2 波長の同時波長変換が報告された (OMP2) 10Gbit/s ASK + 10Gbit/s PSK 及び 10Gbit/s ASK + 20Gbit/s ASK の組合わせで偏波依存性の小さい波長変換動作が確認されている NICT と東北大からは周期分極反転 LiNbO3(PPLN) を用いた 160Gbit/s RZ-DPSK 信号の波長変換が報告された (OMP3) Columbia 大と Cornell 大からは Si 細線導波路の4 光波混合による 160Gbit/s RZ 信号の波長変換が報告された (OMP5) この他にもファイバベースの波長変換がいくつか報告された 多波長の WDM 信号に対して波長毎に独立制御で信号処理を行うことを目的として AWG と空間光学系を組合わせた光信号処理技術が Hevrew 大 及び Alcatel-Lucent(OMP5) と NTT (OMT7) から各々報告された 双方とも 次数が大きく高角分散の AWG と 低角分散のバルクグレーティングを直交するように配置して 2 次元的に分光する構成で 分光面に 2 次元空間位相変調器 (LCOS: liquid-crystal on silicon) を置いて高い波長分解能 ( 数 GHz) かつ広い波長範囲 ( 数 THz) の波長別位相変調器を構成している OMP5 では VOA (Variable Optical Attenuator) 機能も含む位相変調機能が示され OMT7 では 100GHz 間隔の 50 波長に対して分散補償機能が示された IBM からは 石英系 PLC で過去に報告されている波長無依存スイッチの回路構成を用い SOI 基板上に作製した 50 400μm 2 の小型広帯域 2x2 MZ 型光スイッチが報告された (OMP2) TE モードのみでの動作確認であるが 1480-1590nm の波長範囲でスイッチング消光比 18dB 以上が得られている pin ダイオードの位相シフタの on 電力は 3.1mW スイッチング速度は 4ns 以下であることが示された 5. 受光デバイス受光デバイス単体としての報告は少数であった National Central University からはファイバ無線システム等での応用に向けた高速 高出力受光デバイスとして NBUTC-PD(Near-Ballistic Uni-Traveling-Carrier Photodiode) をカスケード接続したデバイスが報告された (PDPA6) カスケード接続構造にすることによって容量が低下し その結果 50Ω 負荷における帯域として単体 NBUTC-PD の 3.4 倍である 91GHz が得られている 飽和光電流は 75mA 以上と報告された Virginia 大からは Modified UTC-PD で高い線形性が得られることが報告された (OWN1) InGaAs 光吸収層に最大 8 10 19 cm -3 まで C が傾斜ドープされた MUTC-PD の線形性を出力 3 次インターセプトポイント (OIP3) で評価し バイアス条件 -10V において 1GHz 以下の低周波領域では OIP3 が 55dBm 20GHz においても OIP3 は従来報告例よりも 8.5dB 高い 47.5dBm であることが報告された 4

6. シリコンフォトニクスシリコンフォトニクスの分野では変調器が数多く報告された ORACLE からは Si 微小リング共振型変調器を CMOS ドライバ回路にフリップチップボンディングした構成の 1.55μm 帯の送信器が報告された (OMI2) 変調器の 3dB 低下帯域は 10GHz であり ドライバ回路からの 5Gb/s 2Vpp 信号での変調において動的消光比 7dB 以上が得られ 温調 バイアス制御なしで 2 時間以上のエラーフリー動作が報告された ドライバの消費電力も含めて 320fJ/bit という低消費電力動作が実現されている Columbia 大からは Si 微小リング共振型変調器の BER 特性を 5~ 12.5Gbit/s において市販の LiNbO3 変調器と比較した結果が報告された (OMI1) NEC からは projection MOS 接合構造によって応答特性と変調効率を向上させた Si-MZ 変調器の 25Gbit/s 動作が報告された (OMI3) Sandia National Labs からは Si マイクロディスク共振型変調器による波長 1572nm における 10Gbit/s, 70km 伝送の実験と解析についての報告があった (OMI7) 受光関係では Ge 受光素子について 2 件の報告があった Institute of Microelectronics (Singapore) からは 1 32 Si-AWG と 32 個の Ge-on-Si 導波路型 pin-pd とをモノリシック集積した L 帯の DWDM レシーバ (200GHz 間隔 ) が報告された (OMI4) Si-AWG を用いることでデバイスサイズは 1.0 1.5 mm 2 と小型になっており pin-pd は導波路型構造の採用によって Ge の光吸収効率が低下する長波側 (1620nm) においても 0.33A/W の受光感度を有している 10Gbit/s における全 32ch の受信感度として-16~-19dBm (@BER=10-11 ) が報告された Kotura と Sun Microsystems からは SOI 基板上に水平方向 pin 接合構造 Ge 導波路型受光素子と断面積の大きな SOI リッジ型導波路とを突合せ結合構造でモノリシック集積したデバイスが報告された (OWN2) この構造によって Ge 受光素子は小型 (10 0.8 0.65μm3) であるが 1550nm の入射光に対して 1.1A/W( 結合損 導波損を除く ) の高い受光感度が得られ バイアス電圧 -1V で 3dB 低下帯域 32GHz 以上の高速性を有している 波長 1260~1560nm の入射光に対してほぼ偏波無依存であることも報告された 東大からは受発光が可能なⅢ-Ⅴと高機能 CMOS 回路を組み合わせることを目指し 小型化が図れる InGaAsP の AWG をシリコン基板上に形成する試みが報告された (OThS5) 後工程 (CMOS 工程 ) でのコンタミや処理温度を考慮して InGaAsP を SiO2/Si にダイレクトボンディング法で貼り付けている InGaAsP 細線導波路の強い光閉じ込めによって 147 92 μm 2 の超小型 1 4 AWG (600GHz 間隔 ) を実現している 7. おわりに OFC/NFOEC2010 の発表の中から, 光デバイス関連技術についてのトピックを紹介した 光源 変調器の分野では 近年の傾向に変わりはなく 半導体チップの性能向上の報告よりも実装方法も含めたモジュールとしての報告が主流であった コヒーレントレシーバ 波長可変光源 高速変調光源等は各社が研究 開発を行っていると思われるが 会議での発表は多くない 開発と製品化が並列進行しているためか 会議での発表件数には各社のアクティビティが必ずしも反映されていないという印象を受けた ここ何年かの傾向ではあるが 本会議においてもデバイス 5

単体で新規性 インパクトのあるものは少なく 集積化により高機能を実現する方向が主流であった 集積化の重要性には疑問はないが Los Angels で開催される OFC/NFOEC2011 では単体でも十分にインパクトを与える革新的な光デバイスの報告があることを期待したい 6