目次 Ⅰ. 序論 1 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 用語の定義 4. 限界 Ⅱ. 実験 実験 1 1) 方法 2) 結果 3) 考察 2. 実験 2 1) 方法 2) 結果 3) 考察 Ⅲ. まとめ 30 文献 謝辞

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目次 Ⅰ. 序論 1 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 用語の定義 4. 限界 Ⅱ. 実験 13 1. 実験 1 1) 方法 2) 結果 3) 考察 2. 実験 2 1) 方法 2) 結果 3) 考察 Ⅲ. まとめ 30 文献 謝辞

Ⅰ. 序論 1. 研究背景 ( 1) ゲーム分析の位置づけ日本サッカー協会 ( 以下 JFA と略記 ) の指導教本 ( JFA 技術委員会, 2007) では, 試合の中から問題を抽出し, その克服のためにトレーニングを行い, また試合に臨むという方法を紹介している. このようなコーチングの方法を M-T-M(match-training-match) という.M-T-M に限らず, 指導者は設定した目標と現状とのギャップを把握し, 目標を達成するための方策を明確にする. 個人技術の評価はテストパフォーマンス (Strand & Wilson, 1993) を用いて行われるが, チームの戦術の評価には試合 ( ゲーム ) におけるパフォーマンスを用いる. シュテーラー コンツァク デブラー ( 1993) は戦術的知識, 能力を検査するため, あるいは競技力を規定する戦術行動を客観的に観察するための方法としてゲームパフォーマンス分析を挙げている. ( 2) ゲームパフォーマンス分析研究についてゲームパフォーマンス分析には測定 ( measurement ) の観点と評価 ( evaluation) の観点がある. 測定とはある目的に従ってデータを収集することである. 評価とは収集されたデータに意味を与えることである ( 鈴木, 2010). 現場で行われるゲームパフォーマンスの分析は測定については客観的に行われるが, 評価の点に関しては指導者の主観により行われる. 一方, 研究としてのゲームパフォーマンスの分析では, 測定, 評価の双方の観点について客観性が求められる. 鈴木 西嶋 ( 2002) はゲームパフォーマンス分析をゲーム分析 ( game analysis) とゲーム統計 ( game statistics) とに大別した. ゲーム分析 1

では専門家の視認的方法により個々の選手の技術や, チームの戦術などが質的に評価され, 記述される. 現場で指導者が行う試合分析やテクニカルレポート ( JFA, 2010) がそれに当たる. 長所としてゲームを専門的に総合評価できることが挙げられるが, 分析者の主観性および恣意性を排除することはできないという短所もある. 一方, ゲーム統計ではゲームパフォーマンス分析手法を用いて得点数, 失点数, シュート数などの主として計数データを扱う. ゲーム分析と比較すると主観性 恣意性を排除することができる. しかし,Hughes(2003) は, 卖純な分析は卖純な解釈を招くことや, 分析結果は定義するパフォーマンス指標に依存することを指摘している. また, 山中 ( 1999) はゲームパフォーマンス分析を行う際には, 卖なる数値の解釈にとどまらせず, フィールドの場所や敵 味方のポジションなどの試合状況の情報を加味したチームとしての総合力を反映する観点を盛り込むことの必要性を述べている. つまり, 研究としてゲームパフォーマンス分析を行う際には, ゲーム分析での専門家による質的な評価に対して, ゲーム統計での量的なデータを用いた客観的なデータ解析による裏付けを行うことが求められる. サッカーにおけるゲームパフォーマンス分析手法は主に記述手法と追跡手法が用いられてきた. 記述手法は Hughes(2003) を中心に行われてきた.Reep and Benjamin(1968),Reilly and Thomas(1976),Harris and Reilly(1988) は手作業で現象の記述を行う Hand notation systems を用いた研究を行った. しかし, Sanderson and Way(1977) がスカッシュ競技 1 試合の分析を行い, 選手へのフィードバックまで 40 時間を要したことを報告していることからもわかるように, 手作業での記述分析は非常に時間がかかった. そこで, コンピューターにて現象を 2

記述する手法である Computerized notation systems を用いた研究が行われるようになった (Mayhew and Wenger, 1985; Franks and Goodman, 1986; Hughes, Robertson and Nicholson, 1988). また, 追跡手法ではキルビメーターを用いて移動距離を測定する方法がほとんどであった ( 鈴木, 2005). 大橋 ( 1979) は三角測量の手法を応用した方法により, 移動距離と同時に移動速度を測定した. しかし, 大橋の方法では複数の選手を同時に記録することは困難であった ( 鈴木, 2005). そこで, バイオメカニクス研究の動作解析に用いられていた Direct Linear Transformation Method( 以下 DLT 法と略記 ) が用いられるようになった.DLT 法は, ビデオカメラに撮影した映像をコンピューターに取り込み, 選手の位置情報を算出する. この手法を用いることによりフィールドの全選手の位置を記録することが可能となった. さらに, 競技場縮図に移動軌跡を書き込む方法よりもデータの正確性が高くなった. 以上のように両手法ともコンピューター技術の発達に伴い進化を遂げてきた. ( 3) 本研究の立場現場で活用されることを考えた場合, ゲーム分析は情報を即時にフィードバックすることを前提として行われる. そして, その手法の改善や開発を目的とするゲームパフォーマンス分析研究が, コンピューター技術の向上とともに, 推し進められてきた. 本研究はチームへの分析情報のフィードバックという視点で考えると時間がかかり過ぎている. したがって, 現場において即座に役に立つ研究ではない. しかしながら, ゲームパフォーマンス分析研究を行うことで, 指導者の主観的な評価観点を定量化し, 門外漢には見えない専門家の視点を可視化することも求め 3

られている ( 鈴木, 2010). 本研究はそのような立場において, 現場に 有意義な情報を提供することのできる研究であると思われる. ( 4) 攻守の切り替えについて競技レベルに関わらず指導者が試合や練習中に頻繁に口にする言葉の 1つに 攻守の切り替え がある. 直近の国際サッカー連盟 ( Fédération Internationale de Football Association; 以下 FIFAと略記 ) が主催する世界的なサッカー大会である 2010 FIFA ワールドカップ单アフリカ大会についてのテクニカルレポート ( JFA, 2010) では, ゲームにおける攻守の切り替えの重要性が明記されており, 攻撃と守備の一体化 という言葉によって強調されている. また, 瀧井 ( 1995) は 攻撃の厚み = 守備の厚み や 攻守の連続性 という表現を用いて現代サッカーにおける攻守の切り替えの重要性について触れている. そして, 崔 ( 2000) は攻守の切り替えは古くから重要視されており, 現代サッカーではその傾向が顕著になっていると述べている. このように, 現代サッカーにおいて競技レベルに関わらず攻守の切り替えの重要性は認知されている. しかし, これまでのゲームパフォーマンス分析研究では個人, もしくはチームを対象に, 攻撃や守備の過程を分析することにより, それぞれの戦術の特徴について論じた研究 ( 佐藤 酒本 坪田 堀野, 2001; 安岡 鈴木 井福 成田 堀野,2001; 菅 沖原 塩川 大塚 崔,1999) や, 攻撃や守備のパフォーマンスを客観的に評価する方法の開発を目的とする研究 ( 大江 磨井 沖原 塩川 菅 梶山 黒川, 2007; 山田 鈴木 大迫 高橋 西嶋,2000; 鈴木 山田 大迫 高橋 西嶋,2000) が多い. それから, 鈴木 西嶋 ( 2002), 鈴木 ( 2005),Suzuki and Nishijima(2007) は攻撃と守備のパフォーマンス尺度の構成に加え, そ 4

の因果構造を明らかにした. このように, 多くの研究において実際に分析の対象となるのは攻守の切り替えより後のパフォーマンスについてであり, 攻守の切り替えは, 攻撃や守備のパフォーマンスに焦点を当てた研究の一部として取り扱われている. また, 先行研究 ( 塩川 沖原 菅 野地, 1998; 崔,2000: 松本 原田 関, 1997; 沖原 塩川 菅 柳原 大場 森河 松本, 2001) において攻守の切り替えという言葉の定義が明確にはなされておらず, 曖昧にされている. 攻守の切り替えを卖独で取り扱った研究があまりみられない理由として, 攻守の切り替えを攻撃や守備と切り離した卖独の局面として同定することが非常に困難であることが考えられる. ( 5) 攻守の切り替えに関する研究について攻守の切り替えに関する研究として, 松本ら ( 1997) はサッカーで相手に勝つための基本課題をボール保持として, ボールの獲得状況に着目し, その方法の分類を行った. また, 塩川ら ( 1998), 崔 ( 2000) はフットサルを対象として切り替えについての研究を行った. まず, チームとしてのコンパクト度を表す指標としてキーパー以外の選手で形成される 4 角形ないし 3 角形をチームエリアと定義した. そして, チームの平均的な位置を表す指標としてキーパー以外の 4 人のフィールド選手の位置座標を平均した座標点であるチーム重心位置を算出し, それぞれの経時的変化を分析した. その結果, 相手チームの動きに合わせて 開いたら閉じる や 押されたら引く という戦術的視点を客観的データから示した. サッカーへの応用に当たっての課題として, 攻撃や守備にキーパーを除く 4 人が常に参加しているフットサルに対し, サッカーでは関与している選手を特定する必要があり, それが困難であることを挙げて 5

いる. しかし, シュテーラーら ( 1993) はサッカーのゲームの特徴として 攻撃行為と守備行為とがたえず切り替わり, それにチームのすべてのプレーヤーが関わりを持っていることを挙げている. さらに, テクニカルレポート (JFA, 2010) には次の攻撃を考えた守備や, 次の守備を考えた攻撃が見られたとの報告がされている. 例えばチームとして守備に回った場合に, 積極的にボールを奪いに行く選手がいる一方で, ボール奪取には積極的に関わることなく攻撃の準備をする役割を担う選手もいるのである. つまり, 塩川ら ( 1998) が意味する 関与 はボール保持やボール奪取に関わる狭義の意味でのプレーへの 関与 であると考えられる. 一方, 広義の意味での 関与 について考えると, ボール保持やボール奪取だけでなく, 次の攻撃あるいは守備を考えたポジショニングをも含めたプレーへの 関与 であるといえる. 本研究では, サッカーにおいてもフットサルと同様にフィールド選手全員が常にプレーに関与している広義の意味での 関与 があるとした. なぜなら, それはテクニカルレポート ( JFA, 2010) やシュテーラーら ( 1993) の立場とも一致しており, この立場での研究から得られた知見は現場の指導者の視点を考慮しても有意義なものであると思われるからである. したがって, フィールド選手全員の位置情報を取得する必要があり, そのためには DLT 法を用いることが有効であると考えられる. 管 沖 原 塩川 出口 須佐 ( 2001), 沖原 管 塩川 松本 崔 野地 ( 2000) はサッカーの試合を対象に DLT 法を用いてコンパクト度に関する研究 を行った. ゴールキーパーを除いた 10 人の選手の最大距離 ( 縦幅と横 幅 ) をコンパクト度を表す指標として用い, その 1 試合における平均値 6

について攻撃時と守備時との比較を行った. そして, ゲームにおけるコンパクト度の原則が 攻撃は広く, 守備は狭く 保つことであるということを客観的指標から確認した. そのデータに対して, 沖原ら ( 2001) はチームのコンパクト度に関する指導者の印象との比較を行った. 攻守の切り替えとチームのコンパクト度との関係について, 指導者は試合の出来とチームをコンパクトに保つことが出来たかどうかということを関連付けて考えているものの, 客観的事実として, 1 試合を通してコンパクトに保つということが, 必ずしもゲームの原則に沿っているわけではないということを示した. これまでに挙げたコンパクト度を扱った研究は, いずれもその経時的変化や 1 試合の平均値を分析したものであり, 場面の特定を行っていない. したがって, 実際のゲームの中で, いつ, どのような状態の時にチームをコンパクトに保つのかということについては明らかにされていない. 2. 研究目的このような研究動向からわかるように, サッカーにおける攻守の切り替えについては, その重要性が認識されているにもかかわらず, 攻撃や守備のパフォーマンスの分析の一部として取り扱われており, 十分な研究がなされていない. また, 沖原ら ( 2001) は攻守の切り替えにおいてチームをコンパクトに保つことの重要性について明言した. しかし, チームがどのような状況の時にコンパクト度が攻守の切り替えに対して, より影響を与えるのかについて説明するまでには及んでいない. また, 山中 森岡 松本 萩原 増田 ( 1993) は, サッカーにおいてフィールドのどこでボール保持に失敗し, どこで相手ボールを獲得しているかは 次に続く守備や攻撃に影響すると述べている. 以上のことから, 攻守の 7

切り替えにおけるチームの状態を表す指標として, ボール奪取位置とコンパクト度を使用することとした. 以上のような先行研究にみられた課題を解決するために, 本研究では, チームのコンパクト度を定量的に表す指標を用いて, ボール奪取時におけるコンパクト度と次に続く攻撃, 及び守備との関係を分析した. そして, 攻守の切り替えに関する定性的な評価である 攻守の連続性 ( 瀧井, 1995) や 攻撃と守備の一体化 ( JFA, 2010) の重要性を明らかにすることを目的とした. 3. 用語の定義 ( 1) 有効攻撃サッカーにおいて攻撃の目的は得点を入れることであるから, 得点につながる可能性の高い攻撃が有効であると考えられる. しかし, 有効な攻撃を定義することは困難である. ただ, これまでに定性的に有効攻撃を定義する試みがなされてきた. 吉村 野川 久保田 末永 ( 2002) はボールを取り返した後, 一連のプレーの結果が, 得点, シュート, センタリングに結びついた場合, 及びもうワンプレーが成功すれば, 得点, シュート, センタリングに結びつく結果が予想される場合を有効な攻撃とした. 吉村 ( 2003) は攻撃において最大の目標である得点を奪うこと, およびゴールを狙うシュートに至った攻撃を有効攻撃と定義した 樋口 ( 2010) はシュートが放たれた攻撃, ラストパスが出された攻撃, そして, 攻撃側チームが相手ペナルティエリア内でボールを保持した攻撃を有効攻撃と定めた. 以上の先行研究を参考に, 本研究ではボール奪取チームのボール奪取後の攻撃結果の評価指標として, シュートを放った攻撃, ペナルティエリアに侵入した攻撃, センタリングの上がった攻撃を 8

有効攻撃と定義した. ( 2) 攻守の切り替えシュテーラーら ( 1993) はサッカーにおいては フィールドのあらゆる地域において攻撃行動から守備行動へ またはその逆へと 素早い反応で転換すること ( プレイの切り換え ) が求められるとした ( 図 1). また, 松本 ( 1997) が ボール保持が攻撃チームと守備チームを決定する と述べていることから, 攻撃行動の成立条件をボール所有権の獲得とした. ボール所有権の獲得に関してはボール奪取をした選手が自ら再びボールに触れた場合と, 味方へのパスをつないだ場合をボール所有権の獲得とした. そして, その成立時点および地点はボールを奪取した選手が最初にボールに触れた時点および地点とした. また, 守備行動の成立は攻撃行動の成立に伴うとした. 本研究では, 攻撃行動および守備行動の成立をもって攻守の切り替えが生じたことを同定した. 図 1 サッカーの典型的なゲーム局面 ( シュテーラーら, 1993, p.245) 鈴木 (2005) により加筆修正 9

( 3) チームエリア柳原 塩川 吉田 菅 沖原 ( 1999) はフットサルを対象として, チームエリアの経時的変化を分析した. そして, チームエリアが戦術研究の 1 つとして利用可能なものであることを示した. サッカーにおいては大江ら ( 2007) がチームのコンパクト度を表す指標としてチームエリアを用いた. 本研究では, 大江らに倣い図 2 のように, ゴールキーパーを 除くフィールド選手 10 人の最前線と最後尾, および最左端と最右端に 位置する選手の内接する四角形をチームエリアとした. そして, チームのコンパクト度を表す指標として用いた. なお, チームエリアのタッチラインと平行な辺の長さをチームエリアの縦幅とし, ゴールラインと平行な辺の長さをチームエリアの横幅とした. 図 2 チームエリア及びチームエリアの縦幅と横幅の模式図 ( 4) ボール奪取サードボールを奪取した地点を分類するために, リーズ ミア ( 2007) に倣い図 3 のようにフィールドを縦方向に 3 つの地域に等分割した. ボール奪取チームの攻撃方向にしたがい, 低い位置から順にディフェンディングサード ( DT), ミドルサード ( MT), アタッキングサード ( AT) と 10

した. 図 3 フィールドの 3 分割 4. 限界 1) 定義による限界 3. において, 本研究を通じて使用する用語の定義を明確にしたが, こ の定義の範囲内で考察がなされ, 結論が示されるものである. 2) 標本による限界本研究では, サッカーの試合中におけるボール奪取時のチームの状態について検討した. 結論の一般化のためにはサッカーを行っている全集団 ( 母集団 ) を代表している必要がある ( 鈴木, 2005). しかし, 本研究において扱われる標本は, その母集団から無作為に抽出されたものではない. したがって, このような特徴を持つ標本から得られたボール奪取時のチームの状態は, 用いられた標本における試合についてのみ一般化が可能である. 11

3) データの統計処理による限界 本研究では, ボール奪取時のチームの状態を検討するために, 測定し た項目について任意に定めた群に分類した上で, 各群間において χ 2 検 定, 分散分析, 卖純主効果の検定及び多重比較検定を用いた. これらの統計解析手法を用いる上での前提として, 標本の独立性が要求される. 標本の独立性とは, 各標本の測定値が観測される確率が他の標本の測定値と無関係に決定することである ( 鈴木, 2005). 同一試合のパフォーマンスは試合開始から終了までに不連続ではあるが, 時系列的に抽出されるため, 標本の独立性を完全に保証するものではない. 4) 設定した指標による限界本研究では, コンパクト度を表す客観的指標としてチームエリアについて分析を試みたが, 他にもコンパクト度を表現できる客観的な指標は存在すると考えられる. ただし, どの指標がコンパクト度をより正確に表すことができるかを検証することは不可能である. なぜなら, 考えうる全ての客観的な指標を評価する基準がこの研究領域には存在していないからである. したがって, 本研究では研究対象として用いた指標から導き出された結果について考察を加えていくことまでが可能である. 12

Ⅱ. 実験 1. 実験 1 1) 方法 ( 1) 実験対象本研究では 2009 年,2010 年に行われた関東大学サッカー 1 部リーグに所属する 2 校間における対抗戦の計 2 試合における, ボール奪取シーンを取り上げた. 試合中の全てのボール奪取シーンから, リスタート ( ゴールキック, フリーキック, コーナーキック, スローイン ) になったことによるボール奪取シーン, ゴールキーパーによるボール奪取シーン, ボール奪取後の攻撃においてゴールキーパーが関与した場合のボール奪取シーンを除く, 368 シーンを対象とした. そのうち, 有効攻撃は 69 シーン, 非有効攻撃は 299 シーンであった. ( 2) 撮影方法 本研究ではフィールド選手全員の位置情報を取得するために DLT 法 を用いた.DLT 法を行うにあたっては, フィールド全体を撮影する必要がある. しかし, サッカーのフィールドは非常に広いため, 1 台のカメラでフィールド全体を撮影することは困難である. さらに, 遠方から 1 台のカメラで撮影した場合, ハイビジョンカメラを使用したとしても画像の解像度が不十分であり, 選手の位置情報を検出することが難しくなる. そこで, 図 4 のように 2 台の固定カメラを用い, グラウンドの半面ずつを撮影した. 撮影には SONY 社製の HDV カメラを使用した. ビデオカメラはメインスタンドの最上階に設置し, それぞれのカメラでハーフコートのコーナー部分とハーフウェイラインが映るように配置した. 図 5 は左右それぞれの撮影画像を示したものである. 13

図 4 ビデオカメラの配置と撮影方法 左ビデオ画像 右ビデオ画像 図 5 撮影画像 ( 3) 測定方法 1 映像編集撮影した映像は, 映像編集ソフト EDIUS NEO 2( トムソン カノープス社 ) を用い, パソコンへの取り込み作業を行った. ビデオを撮影する際にビデオカメラの同期処理を行わなかったため, 2 つの映像には時間のズレが生じている. そのため, 取り込んだ 2 つの映像中の選手やボールの動きから視認的に時間のズレをフレーム卖位で調整し, 同期の取れた 2 つのビデオ映像を作成した. 各ビデオ映像は, その後のデジタイズ処理のために, ファイル形式を AVI 形式に変換し, 1 試合分の撮影映像から 3 分間隔で切り出した映像を以降の処理で用いた. 14

2 キャリブレーションボール奪取場面の画像選択作業, 画像上の座標値 ( ビデオ座標 ) から実像の座標値 ( フィールド座標 ) への変換作業, 及び選手位置のデジタイズ作業には MATLAB R2007b( マスワークスジャパン ) にて作成したプログラムを用いた. ボール奪取場面は, 3 分間隔で切り出した映像を MATLAB 上にて 30fps( 1 秒間に 30 フレーム ) で再生し, 目視で確認しながらフレーム卖位で選択した. ボール奪取場面はボール奪取を行った選手がボールに触れた瞬間とした. 本研究では, サッカーのプレー動作を 2 次元動作とみなし, 選手の高さ方向については考えないこととした.DLT 法ではビデオ座標をフィールド座標値に変換する. その処理を行うためにキャリブレーションを行った. 図 6 に示すように左右それぞれの映像ごとに, 4 点のコントロールポイントを選択し, 左右それぞれの映像のキャリブレーションを行い DLT パラメータを決定した. 図 6 左ビデオ画像におけるコントロールポイントの設定本研究では 2 次元での位置に限定しているため, 2 次元位置フィールド座標とビデオ座標の関係は次の式で表すことができる. フィールド座標を ( X, Y), ビデオ座標を ( U, V) とすると, 15

U L1 X L2Y L3 L X L Y 1 7 8 V L4 X L5Y L6 L X L Y 1 7 8 となる. ここでの L 1 から L 8 が DLT パラメータである. 上式は DLT パラメータ を変数とする連立方程式になっている. X L Y L L UXL UYL U 1 1 1 2 3 7 8 X L Y L L VXL VYL V 1 4 1 5 6 7 8 これで L 1 から L 8 の変数を決定する. L 1 から L 8 を決定するには 4 点以上のコントロールポイントを必要とする. L 1 から L 8 を解くには次の 8 次元連立方程式を解くことで決定する. X1 Y1 1 0 0 0 U 1X1 U 1Y1 L1 U1 0 0 0 X1 Y1 1 V1 X1 V1 Y1 L2 V1 X 2 Y2 1 0 0 0 U 2 X 2 U 2Y2 L 3 U 2 0 0 0 X 2 Y2 1 V2 X 2 V 2Y2 L4 V2 X 3 Y3 1 0 0 0 U 3X 3 U 3Y3 L 5 U 3 0 0 0 X 3 Y3 1 V3 X 3 V 3Y3 L6 V3 X Y 1 0 0 0 U X U Y L U 4 V 4 2 2 2 2 2 2 7 0 0 0 X 2 Y2 1 V2 X 2 V2Y L 8 上式で求めた L 1 から L 8 を用いて, ビデオ座標 ( U, V ) からフィールド座標 ( X, Y ) への変換を行う.1 台のカメラのビデオ座標値と 2 次元物理座標値の関係は, L1 UL7 L2 UL8 X U L3 L VL L VL Y V L 4 7 5 8 6 となり, これを計算すると, 16

( L1 UL7 ) X ( L2 UL8 ) Y U L3 ( L4 VL7 ) X ( L5 VL8 ) Y V L6 という 2 次元連立方程式となる. これを解くことでビデオ座標 ( U, V ) が決まり, フィールド座標 ( X, Y ) も決めることができるので, ビデオ 座標からフィールド座標への変換が可能になる. 3 デジタイズ選定したボール奪取場面の画像において選手位置とボール奪取位置のデジタイズ作業を行った. 作業には MATLAB にて作成したプログラムを用いた. 2 次元のフィールド座標を取得するため, 図 7 に示すように選手の足元の位置をデジタイズした. 赤色の十字点が被ボール奪取チームの選手の位置であり, 白色の十字点がボール奪取チームの選手の位置である. そして, 画面全体に上下 左右に広がる灰色の線が交わる位置がボール奪取位置である. 図 7 選手位置およびボール奪取位置のデジタイズ画面図 8 は上記の手順でデジタイズしたデータを 2 次元のフィールド画像に出力したものである. 赤色の線で示された四角形が被ボール奪取チームのチームエリアであり, 白色の線で示された四角形がボール奪取チームのチームエリアである. そして, 黄色の丸で示されたものがボール奪 17

取位置である. 図 8 2 次元フィールド画像 ( 4) 統計処理 奪取位置によって有効攻撃へのつながり易さが異なることが先行文献や先行研究で明らかにされている. 本研究でも, 同様の傾向がみられるかを明らかにするために, 各奪取サード ( AT MT DT) における有効攻撃と非有効攻撃の頻度の差を比較した. 各頻度の差の検定にはχ 2 検定を用いた. 有意差が見られた場合には, 下位検定として残差分析を行った. 全ての統計処理には, SPSS 12.0J for Windows ( SPSS Japan Inc.) を使用した. 2) 結果 表 1 には, 各奪取サードにおける有効攻撃と非有効攻撃の頻度を示した.χ 2 検定の結果 有意差が認められた ( χ 2 =27.866,df=2,p<.001). 次に, 残差分析による下位検定を行った. 有効攻撃の頻度は AT において非有効攻撃の割合よりも有意に高く ( p<.01), 非有効攻撃の頻度は 18

DT において有効攻撃よりも有意に高い ( p<0.01) 傾向が見られた. 表 1 χ 2 検定の結果 有効攻撃 非有効攻撃 合計 有意差 AT 24 31 55 5.1-5.1 ** MT 31 155 186-1 1 ns DT 14 113 127-2.8 2.8 ** 合計 69 299 368 上段 : 頻度, 下段 : 調整済み残差 *p <.05, **p <.01, ***p <.001 3) 考察表 1 より, 有効攻撃の頻度は AT において有意に高く, 非有効攻撃の割合は DT において有意に高かった. したがって, ボール奪取位置により有効攻撃へのつながり易さが異なることが示された. 竹内 吉村 古賀 大嶽 石崎 末永 小圷 長谷川 渡辺 藤村 石川 ( 2001) はボールを失う場所と失点との間の関係を否定した. しかし, 本研究の標本に関する分析の結果は, ヒューズ ( 1996) の得点につながった攻撃の多くが攻撃ゾーン, すなわち相手の守備ゾーンでのボール奪取から始まっていたという記述と一致がみられた. このことから, 有効攻撃の場合と非有効攻撃の場合とのチームのコンパクト度の違いを検討する際には, どこでボール奪取が行われたかという情報を考慮する必要があると考えられる. したがって, チームエリアの比較では奪取サードごとに, 有効攻撃に至った攻撃と非有効攻撃との比較を行った. 19

2. 実験 2 1) 方法 ( 1) 実験対象対象は実験 1 に用いたものと同様であった. ( 2) 撮影方法 実験 1 に示された撮影方法に準拠した. ( 3) 測定方法 実験 1 に示された測定方法に準拠した. ( 4) 統計処理奪取サードごとに, ボール所有権移行時のコンパクト度が次に続くボール奪取チームの攻撃結果に与える影響と, 互いのチームのコンパクト度がどのような影響を与えるのかを明らかにするために, 奪取サード ( AT MT DT) と攻撃結果 ( 有効攻撃 非有効攻撃 ) とチーム ( 奪取チーム 被奪取チーム ) を独立変数, チームエリアの平均値, およびその縦幅の平均値と横幅の平均値を従属変数とした 3 元配置の分散分析を行った. 主効果が有意であった場合は Tukey の HSD 検定を用いて多重比較検定を行った. また, 各奪取サードにおけるチームと攻撃結果による違いを明らかにするために, 交互作用が有意でなかった場合も Sidak の t 検定を用いて卖純主効果の検定を行った. すべての統計処理には, SPSS 12.0J for Windows( SPSS Japan Inc.) を使用した. 2) 結果表 2 は, 奪取サード ( AT MT DT) と攻撃結果 ( 有効攻撃 非有効攻撃 ) とチーム ( 奪取チーム 被奪取チーム ) を要因とした 3 元配置の 20

分散分析の結果である. 3 元配置の分散分析の結果, チームエリア, チームの縦幅, チームの横幅について奪取サードの主効果 ( それぞれ F(2,724)=7.06, p<.01; F(2,724)=35.64, p<.001; F(2,724)=23.42, p<.001 ), チームエリアの横幅について攻撃結果の主効果 ( F(1,724)=4.34, p<.05) が有意であった. また, チームエリア, チームエリアの縦幅, チームエリアの横幅についてチーム 奪取サードの交 互作用 ( それぞれ F(2,274)=33.55, p<.001; F(2,274)=9.17, p<.001; F(2,274)=15.29, p<.001), チームエリアの縦幅について攻撃結果 奪取サードの交互作用 ( F(2,274)=3.91, p<.05) が有意であった. 奪取サードの主効果に関して多重比較検定の結果, チームエリアについて DT は AT より有意に大きく ( p<.01),mt よりも有意に大きかった ( p<.01). 攻撃結果の主効果に関してはチームエリアの横幅について有効攻撃の場合の方が非有効攻撃の場合よりも有意に大きかった. 表 2 分散分析の結果 ( F 値 ) df チームエリア df チームエリアの縦幅 df チームエリアの横幅 チーム 1 1.20 1 0.54 1 2.63 攻撃結果 1 3.49 1 0.18 1 4.34* 奪取サード 2 7.06** 2 35.64*** 2 23.42*** チーム 奪取サード 2 33.55*** 2 9.17*** 2 15.29*** 攻撃結果 奪取サード 2 0.71 2 3.91* 2 0.80 チーム 攻撃結果 奪取サード 3 1.08 3 0.11 3 0.58 *p <.05, **p <.01, ***p <.001 図 9-1, 9-3 に示すように, チーム 奪取サードに関する卖純主効果の検定の結果, チームエリアとチームエリアの横幅については AT において奪取チームの方が被奪取チームよりも有意に大きく ( それぞれ p<.001; p<.01),mt において被奪取チームの方が奪取チームよりも有意に大きく ( それぞれ p<.01; p<.001),dt においても MT と同様に被 21

チームエリアの横幅 (m) チームエリアの縦幅 (m) チームエリア ( m2 ) 奪取チームの方が奪取チームよりも有意に大きかった ( それぞれ p<.001; p<.01). 2,000 p<.001 p<.01 p<.001 1,600 1,200 800 奪取 被奪取 400 AT MT DT 図 9-1 奪取サードにおけるチーム間のチームエリア 50.00 45.00 40.00 35.00 奪取 被奪取 30.00 25.00 AT MT DT 図 9-2 奪取サードにおけるチーム間のチームエリアの縦幅 50.00 45.00 p<.01 p<.001 p<.01 40.00 35.00 奪取 被奪取 30.00 25.00 AT MT DT 図 9-3 奪取サードにおけるチーム間のチームエリアの横幅 22

チームエリアの縦幅 (m) チームエリア ( m2 ) 図 10-1,10-2,10-3 に示すように, 攻撃結果 奪取サードにおける卖純主効果の検定の結果, チームエリアについては MT において有効攻撃に至った場合の方が非有効攻撃の場合よりも有意に大きく (p<.05), チームの縦幅については AT において有効攻撃の場合の方が非有効攻撃の場合よりも有意に長く ( p<.05), チームの横幅については MT において有効攻撃の場合の方が非有効攻撃の場合よりも有意に長くなっていた (p<.05). 2,000 p<.05 1,600 1,200 800 有効 非有効 400 AT MT DT 図 10-1 奪取サードにおける攻撃結果間のチームエリア 50.00 p<.05 45.00 40.00 35.00 有効 非有効 30.00 25.00 AT MT DT 図 10-2 奪取サードにおける攻撃結果間のチームエリアの縦幅 23

チームエリアの横幅 (m) 50.00 p<.05 45.00 40.00 35.00 有効 非有効 30.00 25.00 AT MT DT 図 10-3 奪取サードにおける攻撃結果間のチームエリアの横幅チーム 攻撃結果 奪取サードに関して卖純主効果の検定を行った. 図 11-1, 11-2, 11-3 は奪取サードごとの各攻撃結果におけるボール奪取チームと被ボール奪取チームとの比較を示したグラフである. チームエリアについては, AT において攻撃結果に関わらず奪取チームの方が被奪取チームよりも有意に大きく ( それぞれ p<.001; p<.001),mt では攻撃結果に関わらず被奪取チームの方が奪取チームよりも有意に大きく ( それぞれ p<.05; p<.05),dt においても攻撃結果に関わらず被奪取チームの方が奪取チームよりも有意に大きかった ( それぞれ p<.01; p<.001). チームエリアの縦幅について, AT において攻撃結果に関わらず奪取チームの方が被ボール奪取チームよりも有意に長く ( それぞれ p<.01; p<.01),dt においては非有効攻撃群で被奪取チームの方が奪取チームよりも有意に長かった ( p<.01). チームエリアの横幅について, AT において有効攻撃群で奪取チームの方が被奪取チームよりも有意に大きく ( p<.01),mt において攻撃結果に関わらず被奪取チームの方が奪取チームよりも有意に大きく ( それぞれ p<.05; p<.001),dt において非有効攻撃群で被奪取チームの方が奪取チームよりも大きかった ( p<.001). 24

チームエリアの横幅 (m) チームエリアの縦幅 (m) チームエリア ( m2 ) 2,000 1,600 p<.001 p<.001 p<.05 p<.05 p<.01 p<.001 1,200 800 奪取 被奪取 400 有効非有効有効非有効有効非有効 AT MT DT 図 11-1 奪取サードの攻撃結果によるチーム間のチームエリア 50.00 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 p<.01 p<.01 p<.01 有効 非有効 有効 非有効 有効 非有効 AT MT DT 奪取 被奪取 図 11-2 奪取サードの攻撃結果によるチーム間のチームエリアの縦幅 50.00 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 p<.01 p<.05 p<.001 p<.001 有効 非有効 有効 非有効 有効 非有効 AT MT DT 奪取 被奪取 図 11-3 奪取サードの攻撃結果によるチーム間のチームエリアの横幅 また, 図 12-1,12-2,12-3 は奪取サードごとの各チームにおける有 効攻撃の場合と非有効攻撃の場合との比較をグラフにしたものである. チームエリアについて, MT において被奪取チームで有効攻撃の場合の 25

チームエリアの横幅 (m) チームエリアの縦幅 (m) チームエリア ( m2 ) 方が非有効攻撃の場合よりも有意に大きかった ( p<.01). チームエリ アの横幅についても MT において被奪取チームで有効攻撃の場合の方が 非有効攻撃の場合よりも有意に長かった ( p<.05). 2,000 p<.01 1,600 1,200 800 有効 非有効 400 奪取被奪取奪取被奪取奪取被奪取 AT MT DT 図 12-1 奪取サードのチームによる攻撃結果間のチームエリア 50.00 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 奪取被奪取奪取被奪取奪取被奪取 AT MT DT 有効 非有効 図 12-2 奪取サードのチームによる攻撃結果間のチームエリアの縦幅 50.00 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 p<.05 奪取被奪取奪取被奪取奪取被奪取 AT MT DT 有効 非有効 図 12-3 奪取サードのチームによる攻撃結果間のチームエリアの横幅 26

3) 考察 チームエリア, チームエリアの縦幅, チームエリアの横幅について 3 元配置の分散分析, および卖純主効果の検定を行った. 図 9-1, 図 9-3 に示すとおり, AT では奪取チームの方が被奪取チームよりもチームエリアが大きく, その横幅が長かった. さらに, 図 11-1, 図 11-2 より, 有効攻撃の場合と非有効攻撃の場合に関わりなく, 奪取チームの方が被奪取チームよりもチームエリアが大きく, その縦幅が長いことがわかった. ただし, 図 11-3 より, 横幅については有効攻撃の場合にのみ奪取チームの方が被奪取チームよりも長かった. つまり, AT では奪取チームが攻撃を仕掛け, コンパクトでない状態でボールを失い, 守備をすることとなった状況が推測される. そして, 有効攻撃になった場合は, 横幅がチームのコンパクト度により影響を与えていることが示唆された. また, 図 11-1, 図 11-2, 図 11-3 より MT では攻撃の結果に関わりなく, 被奪取チームの方が奪取チームよりチームエリアが大きく, その横幅が長いことがわかった. つまり, MT ではチームエリアの縦幅よりも横幅の方がチームのコンパクト度に影響を与えていたことが示唆された. そして, 図 11-1, 図 11-2, 図 11-3 より DT では攻撃の結果に関わらず, 被奪取チームの方が奪取チームよりチームエリアが大きかった. なお, 非有効攻撃の場合にのみ被奪取チームの方が奪取チームよりも縦幅と横幅が長かった. 以上のことから, DT では奪取チームはボール奪取以前に自陣ゴール近くで守備を行っており, 強固な守備ブロックを形成するためにチームエリアをコンパクトにしていたことが推測される. そして, 非有効攻撃の場合の方が有効攻撃の場合よりもその傾向が顕著であったと考えられる. 27

それから, 図 12-1 に示すように,MT において被奪取チームのチームエリアに関して有効攻撃の場合の方が非有効攻撃の場合よりも大きかった. さらに, 図 12-3 に示すとおり, チームエリアの横幅も長くなっていた. このことから, 攻撃と守備の一体化 ( JFA, 2010) を考えると, MT でボールを保持し攻撃を行う場合, チームのバランスを崩さず, 特にチームエリアの横幅をコンパクトに保つことを意識させることで, ボールを奪われた際の失点のリスクを回避することができるということが示唆された. したがって, 図 13 に示すようにボール奪取位置によって両チームのチームエリアの大小関係が異なることが明らかとなった. まず, 自陣ゴール付近において守備チームとなった場合は, チームをコンパクトに保つように意識されていたことが確認された. これは, 瀧井 ( 1995) の言う自陣ゴール前における守備の集結が実行されていたことを表している. そして, ヒューズ ( 1996) の効果的に相手にプレッシャーをかけ, 味方をサポートするためにコンパクトにすることが守備の第一の目標であるという記述とも一致する. 次に, 高い位置で守備チームとなった場合は, チームはコンパクトになっていなかった. これは, 一般的に言われている 攻撃は広く, 守備は狭く という関係 ( 沖原ら, 2000) に従い, 広く攻撃していた攻撃チームが, 狭く守備をしていた守備チームによってボールを奪われたことに起因するものと考えられる. このように, 自陣ゴールに近い地域, 及び相手ゴールに近い地域での両チームのコンパクト度については, 両チームの選手がゴールを意識した状況におけるプレーの原則 ( 瀧井,1995) に従って動いていることが示唆された. 28

DT 小 奪取チームの攻撃方向 奪取チームエリア 大 大 MT 被奪取チームエリア AT 小 図 13 両チームエリアの模式図 一方で, MT においては被奪取チームに関して攻撃結果によりチームエリアに差があった. このことは, 低い位置でボール奪取に成功し攻撃を開始した場合に特に注意が必要であることを示唆している. リーズ ミア ( 2007) や瀧井 ( 1995) によると, ボールを奪うことに成功した場合は広がって攻撃を行う必要がある. また, ヒューズ ( 1996) はボール保持と同時に縦方向及び横方向に迅速に広がり攻撃することが求められるとしている. しかし, 本実験の結果は, 低い位置でボールを奪った直後に, 特に横方向にあまり広がり過ぎると中盤エリアでボールを失った際に失点のリスクが大きくなる可能性を示した. したがって, 中盤エリアから AT へ差し掛かるあたりまでは, ある程度のコンパクト度を保ちつつ攻撃を行うことが求められる. 一般的にコンパクト度は縦幅についてよく用いられる ( 沖原ら, 2000). しかし, 特に MT では横幅のコンパクト度にも注意する必要があることを示した. 以上のように, ボール奪取時の両チームのコンパクト度を定量化し, 瀧井 ( 1995) の 攻守の連続性 やテクニカルレポート ( JFA, 2010) 29

の 攻撃と守備の一体化 の一部について, その重要性を明らかにでき たと考えられる. Ⅲ. まとめ本稿では, サッカー競技の攻守の切り替えに関して, ボール奪取時点の画像を用いて, ボール奪取地点とその時点におけるチームの状態についての実験を行った. ボール奪取地点について, 本研究ではフィールドを縦方向に三等分した. そして, 各奪取サードにおける, 有効攻撃と非有効攻撃の出現頻度を比較した. その結果, 本研究で取り上げた標本においてもヒューズ ( 1996) の報告と同様に, ボール奪取チームは相手ゴールに近い位置でボールを奪取した場合に, その後の攻撃が有効攻撃に繋がる可能性が高くなることがわかった. また, 自陣ゴールに近い位置でボールを奪取した場合は有効攻撃に繋がる可能性が低いことが明らかとなった. このことは, 攻撃を評価する上での前提として, ボールを奪取した位置を分類することの必要性を示唆している. つまり, より得点につながり易い攻守の切り替えを行うために満たす条件は, ボールを奪取した位置によって異なると考えられる. 守備側についても同様のことが言える. そこで, チームエリアについては奪取サードごとに行った. その結果, チームのコンパクト度については, ボール奪取が行われたのがどのエリアであったかによる部分が大きいことがわかった. 特に AT と DT においてはプレーの原則 ( 瀧井, 1995) に従う傾向が顕著に表れることがわかった. しかし, MT においてはボールを持っても卖純に広がるのではなく, AT に差し掛かるまではある程度のコンパクト度を保ちつつ攻撃を行うことの重要性が示唆された. 30

以上のことから, チームのコンパクト度を定量的に表す指標を用いて, 攻守の切り替えについての定性的な評価である 攻守の連続性 ( 瀧井, 1995) や, テクニカルレポート ( JFA, 2010) での 攻撃と守備の一体化 のうち次の守備を考えた攻撃について, その考え方の一部の重要性を表すことができた. 今後の課題として異なる競技レベルのサンプルでの分析を行うことが求められる. また, 本研究ではチームのコンパクト度を表す指標としてチームエリアを用いた. しかし, コンパクト度を表す指標はチームエリアだけでは不十分である. なぜなら, チームエリアは選手の配置を枠としてしかとらえることができず, 枠の内側の状態については考慮することができない. つまり, 選手同士の位置関係を考慮することができない. 実際のゲームにおいてはチームエリアの枠の内側で何が起こっているかということがパフォーマンスに影響を与えることが考えられる. したがって, 今後は, チームのコンパクト度を表す指標として考えられる他の要素を取り込んだより詳細な分析を行う必要がある. 文献 Franks, I. M. and Goodman, D. (1986) A systematic approach to analyzing sports performance. Journal of Sports Sciences., 4, 49-59. Harris, S. and Reilly, T. (1998) Space, team work and attacking success in soccer. In: Reilly, T., Lees, A., Davids, K. and Murphy, W. (Eds.) Science and Football. E & FN Spon, London, pp.322-328. 樋口智洋 ( 2010) 身体的特徴による有効攻撃の差異の検討及び要約統計量を表す尺度 プレー重心 の作成 - UEFA Champions League 2008-09 を用いて -. 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士論文. 31

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