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1/ 13 ページ PrestoBlue Cell Viability Reagent カタログ番号 A13261 A13262 製品名 サイズ 濃度 保存 安定性 PrestoBlue Cell Viability Reagent 25 ml(a13261) 100 ml(a13262) 10 倍 ready-to-use 溶液 2~8 遮光 本キットが指示通りに保存されれば製品に記載されている有効期限まで安定です アッセイ数 : A13261(25 ml) 2,500 回分 * (96 ウェルプレート 26 枚分 ) または 6,250 回分 * (384 ウェルプレート 16 枚分 ) A13262(100 ml) 10,000 回分 * (96 ウェルプレート 104 枚分 ) または 25,000 回分 * (384 ウェルプレート 65 枚分 ) * 96 ウェルプレートと 384 ウェルプレートの各ウェルの最終容量をそれぞれ 100 μl および 40 μl と仮定して算出しています 各ウェルの最終容量が上記以外である場合は 試薬を十分に使用できるアッセイ数が変化します おおよその最大励起 / 最大蛍光波長 :535~560/590~615 nm 吸収極大 :570 nm( 参照波長として 600 nm をモニター ) I II III IV V 製品概要 a PrestoBlue Cell Viability Reagent の原理は? b とその他の細胞生存率検出試薬の違いは? c 発光ベースのアッセイに対する PrestoBlue Cell Viability Reagent の利点は? d PrestoBlue Cell Viability Reagent の感度は? e は生細胞アッセイですか? それともエンドポイントアッセイですか? f アッセイのセットアップを開始する前に知っておくべきことは何ですか? a. コントロール プレーティング密度 インキュベート時間 保存および取り扱い a を再調製する必要はありますか? b PrestoBlue Cell Viability Reagent の光感受性はどの程度ですか? c のストックを誤って室温で一晩放置してしまったのですが 問題はありませんか? d 誤って冷凍してしまった のストックを使用することは可能ですか? 細胞のタイプ a を浮遊細胞に使用できますか? b を初代細胞に使用できますか? c を細菌などの非哺乳動物細胞に使用できますか? d に細胞毒性はありますか? 方法の最適化 a 最適なインキュベート時間は? 細胞を と共にオーバーナイトインキュベートすることは可能ですか? b の最適なインキュベート温度は? c 蛍光の読み取りに適した機器を持っていない場合はどうすればよいですか? d 細胞をダウンストリームアッセイに使用できるとのことですが その例を教えてください 蛍光値の最適化 a PrestoBlue アッセイでバックグラウンド蛍光値が高かったのですが 原因は何ですか? b どうすれば PrestoBlue アッセイの蛍光強度を増大させることができますか? c 使用する機器の直線性が保たれる範囲を越える高い蛍光値はどのようにすれば補正できますか? d 機器のセットアップがうまくいきません! 1

2/ 13 ページ I の製品概要 PrestoBlue Cell Viability Reagent の原理は? 生細胞では細胞質ゾル内の還元環境が維持されています PrestoBlue Cell Viability Reagent はこの還元能を利用して細胞増殖を定量的に測定することから 多くの異なるタイプの細胞間でさまざまな試薬の相対生存率を調べるために使用できます は 生細胞の還元力を利用して細胞生存率を定量的に測定することにより細胞生存率の指示薬として機能するレサズリンベースの溶液です は 青色で蛍光を発しない細胞透過性の化合物を含んでいます を細胞に添加すると生細胞中の還元環境によって修飾されて赤色に変化し 強い蛍光を発します この変化を蛍光または吸光度の測定によって検出することができます ( 図 1) 蛍光 波長 (nm) 波長 (nm) 図 1. の還元 が生細胞中に入ると 固有の蛍光を発しない青色の化合物であるレサズリンから赤色で強い蛍光を発するレゾルフィンに還元されます この変化は代謝的にアクティブな細胞の数に比例するため 定量的な測定が可能です 蛍光値を測定するにはレゾルフィンの励起ピークと発光ピークを利用します (A) 吸光度の測定にはレサズリンおよびレゾルフィンの吸収スペクトルを利用します (B) とその他の細胞生存率検出試薬の違いは? インキュベート時間 10 分では PrestoBlue Cell Viability Reagent は市販されている他のすべてのレサズリンベースのアッセイよりも優れており ( 図 2) MTT( 図 3) および CellTiter-Glo ( 図 4) によって得られた値と相関します CHO-K1 細胞インキュベート時間 10 分 図 2. と他のレサズリンベースのアッセイとの比較 CHO-K1 細胞を 2 倍ずつ連続希釈した液を 384 ウェルプレート内で調製し 37 /5% CO 2 で終夜培養しました alamarblue および CellTiter-Blue 試薬をプレートの異なるウェルに 4 反復でそれぞれ添加し 細胞を 37 /5% CO 2 で 10 分間インキュベート後に蛍光を測定しました 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 2

3/ 13 ページ 10 分間 MTT 20 時間 試薬濃度 (μm) 試薬濃度 (μm) エトポシドドキソルビシンケトミンスタウロスポリン EC 50 (μm) 図 3:と MTT の比較 (A) と MTT(B) では類似した測定結果が得られました 1 ウェルあたりの細胞数が 2,000 個となるように U-2OS 細胞を 384 ウェルプレートに播種後 さまざまな濃度のエトポシド ドキソルビシン ケトミンまたはスタウロスポリンで 72 時間処理しました その後 細胞を と共に 10 分間インキュベート後に測定または MTT と共に 4 時間インキュベートおよび 16 時間にわたる可溶化ステップの後で測定を実施しました 各化合物に関して類似した EC 50 値が得られました (C) 3

4/ 13 ページ 発光ベースのアッセイに対する PrestoBlue Cell Viability Reagent の利点は? 図 3 に示すように と CellTiter-Glo 試薬により類似した EC 50 値が得られました ただし は生細胞アッセイであるため処理後の細胞をさらに培養することができるのに対して CellTiter-Glo アッセイは細胞溶解を必要とします ( 図 4) CellTiter-Glo 試薬濃度 (μm) 試薬濃度 (μm) エトポシドドキソルビシンケトミンスタウロスポリン EC 50 (μm) CellTiter-Glo EC 50 (μm) 図 4:と CellTiter-Glo 試薬の比較 (A) と CellTiter-Glo 試薬 (B) では 10 分で類似した測定結果が得られました 1 ウェルあたりの細胞数が 2,000 個となるように U-2OS 細胞を 384 ウェルプレートに播種後 さまざまな濃度のエトポシド ドキソルビシン ケトミンまたはスタウロスポリンで 72 時間処理しました その後 細胞を または CellTiter-Glo 試薬と共に 10 分間インキュベート後に測定を実施しました 各化合物に関して類似した EC 50 値が得られました (C) 4

5/ 13 ページ PrestoBlue Cell Viability Reagent の感度は? PrestoBlue Cell Viability Reagent の感度は高く 384 ウェルプレート内の 1 ウェル中に含まれる 10 個の哺乳動物細胞を検出することができます ( 図 5) Jurkat 細胞インキュベート時間 10 分 Jurkat 細胞インキュベート時間 16 時間 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 1 ウェルあたりの細胞数 図 5. アッセイのインキュベート時間がシグナルの生成に及ぼす影響 Jurkat 細胞を 2 倍ずつ連続希釈した液 (Jurkat 細胞 0~100,000 個 ) を と共に 37 /5% CO 2 で 10 分または 16 時間インキュベートしました インキュベート時間 10 分では 細胞 98 個からのシグナルが無細胞コントロール ±3 SD( 標準偏差 ) を上回りました (A) インキュベート時間 16 時間では 細胞 12 個からのシグナルが無細胞コントロール ±3 SD を上回りました (B) は生細胞アッセイですか? それともエンドポイントアッセイですか? は生細胞アッセイにもエンドポイントアッセイにもなります は細胞の代謝と生存をリアルタイムでモニタリングする生細胞アッセイの実施を可能にします ( 図 6) 生細胞アッセイではいかなる有害な溶媒も使用せず シンチレーションカクテルおよび放射性廃棄物の処分は不要です (1) アッセイ後の細胞は回収でき さらなる培養やその後のアッセイでの利用が可能です あるいは アッセイプレートやチューブをホイルに包んで 4 で保存後 1~3 日以内に測定することもでき 蛍光値や吸光度への影響はありません エンドポイントアッセイが好ましい場合には 3% SDS の添加 ( 元の培養液 100 μl に対して SDS 50 μl で十分です ) により反応を停止および安定化することができます プレートの内容物を遮光およびカバーにより蒸発を防止すれば プレートは室温で 48 時間まで保存でき その後でデータを記録可能です このステップの後は 細胞をさらに培養することはできません 標準化 RFU ヒト皮膚繊維芽細胞標準化 RFU 図 6. SDS を使用して の反応を停止および安定化するヒト皮膚繊維芽細胞を用いた アッセイにおいて 終濃度 1% となるように SDS を添加した直後および 24 時間後に蛍光測定を実施しました ほぼ同一の値が得られました 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 5

6/ 13 ページ アッセイのセットアップを開始する前に知っておくべきことは何ですか? コントロール 必ず適切なアッセイコントロールを含めてください 以下を推奨します : 無細胞コントロール 培地のみを含むウェル バックグラウンド蛍光を決定し 実験ウェルから差し引くために使用します コントロールとして使用する培地は同一の血清濃度とすることを推奨しています フェノールレッドはアッセイに影響を及ぼしません 未処理細胞コントロール 細胞を化合物で処理する場合には 内部標準として役に立つ未処理の細胞を含むウェルを作ることが推奨されます プレーティング密度 特定の細胞のタイプに関しては アッセイを行う際に直線性が保たれる範囲内にアッセイのアウトプットがあることを確認するため プレーティング密度の決定が必要となる場合があります たとえばインキュベート時間 10 分の場合 Jurkat 細胞は 1 ウェルあたりの細胞数 100~100,000 個の範囲で直線的な相関を示しますが U-2OS 細胞は 100~20,000 個の範囲で直線性を示します 16 時間時点では Jurkat 細胞は 10~10,000 個の範囲で直線性を示します ( 図 7) 図 7 に示すように 1 ウェルあたりの細胞数が多くなると蛍光値のプラトー効果が生じると考えられます これは 溶液中のレサズリンが還元されてレゾルフィンとなり このレゾルフィンがさらなる還元を受けて蛍光を発しない無色の化合物であるハイドロレゾルフィンとなることによるものです (1) Jurkat 細胞 Jurkat 細胞 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 1 ウェルあたりの細胞数 図 7. アッセイのインキュベート時間がシグナルの生成に及ぼす影響 Jurkat 細胞を 2 倍ずつ連続希釈した液 (Jurkat 細胞 0~100,000 個 ) を と共に 37 /5% CO 2 で 10 分または 16 時間インキュベートしました インキュベート時間 10 分では 細胞数 0~100,000 個の範囲で蛍光と細胞数の間に直線的な相関 (r 2 = 0.99) が見られます (A) インキュベート時間 16 時間ではアッセイ感度が増大しますが 1 ウェルあたりの細胞数 10,000 個以上で直線性が失われます インキュベート時間 10 分では 細胞 98 個からのシグナルが細胞 0 個からのシグナル ±3 SD を上回りました 16 時間後には細胞 12 個からのシグナルが細胞 0 個からのシグナル ±3 SD を上回りました (B) インキュベート時間 長時間 ( オーバーナイト ) インキュベートする必要がある場合は細菌による汚染を避けるため 試薬の添加およびインキュベート中に必ず無菌条件を維持してください は細菌由来の汚染物質によっても還元されるため 培養液が汚染されると正しい結果が得られなくなります 6

7/ 13 ページ 試験物質に遅効性の細胞毒性がある ( すなわち 毒性の徴候が現れるまで数時間または数日間かかる ) 場合には 予定された暴露時間が終わりにさしかかり 細胞の処理が完了してから を添加することを推奨しています を実験開始時に添加すると 試験する化合物が作用する前に生細胞がレサズリンを還元するため 最終的に得られる結果は疑わしいものとなります シングルチャンネルピペットを使用して 96 または 384 ウェルプレートの複数のウェルに分注する場合には 同一条件のすべてのウェルに を添加してから次の条件のウェルに移るようにすれば 最も一貫性の高い結果を得ることができます 試薬をプレートの最後のウェルへ添加してから時間の計測を開始してください II 保存および取り扱い を再調製する必要はありますか? いいえ を再調製する必要はありません PrestoBlue Cell Viability Reagent は 10 倍の ready-to-use 溶液として提供されており 培地中の細胞に直接使用することができます サンプル 90 μl に対して試薬 10 μl を添加してください PrestoBlue Cell Viability Reagent の光感受性はどの程度ですか? レサズリン色素と産物であるレゾルフィンの両方が光感受性です が長期 (1 か月以上 ) にわたって光に曝されるとバックグラウンド蛍光が増加およびアッセイ感度が低下するため 付属のホイル袋に入れて保存することが推奨されます バックグラウンド蛍光は無細胞コントロールのウェルを含めることによって補正可能ですが アッセイウィンドウは減少します ( 図 7) のストックを誤って室温で一晩放置してしまったのですが 問題はありませんか? を室温で一晩放置しても全く問題はありません は遮光して保存されれば室温 (~22 ) で 12 か月まで安定です ( 図 8) 吸光度 室温 露光室温 暗所 図 8. 露光と室温が に及ぼす影響検討した各保管月数について 600 nm における平均吸光度を示しています 露光は約 100 ルーメンのレベルで連続的に行いました 保管月数 誤って冷凍してしまった のストックを使用することは可能ですか? を冷凍後も はまだ使用可能です のアッセイ性能は 5 回の凍結 / 融解サイクル後でも変化しないことが試験により示されています 必ず試薬を完全に解凍し 溶液が均一になるように十分混合してから使用してください 7

8/ 13 ページ III 細胞のタイプ を浮遊細胞に使用できますか? はい 本文書の随所に記載しているように は哺乳動物の接着細胞および浮遊細胞に使用できます 図 1~12 をご覧ください を初代細胞に使用できますか? はいくつかの初代細胞株を用いて試験されており 成功しています ( 図 9) 初代正常ヒト大動脈血管平滑筋細胞インキュベート時間 10 分 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 図 9. HASMC を用いた の測定結果初代正常ヒト大動脈血管平滑筋細胞 (HASMC) を 2 倍ずつ連続希釈した液を 36 μl/ ウェルとなるように 384 ウェルプレート内で調製し 37 /5% CO 2 で終夜培養しました (A) PrestoBlue Cell Viability Reagent を添加 (4 μl/ ウェル ) し 細胞を 37 /5% CO 2 で 10 分間インキュベート後に蛍光を測定しました HASMC 細胞を未処理のままで 24 時間放置 (B) または PrestoBlue 試薬で 24 時間処理 (C) しても 有害な影響は見られませんでした 処理なし (24 時間インキュベート ) (24 時間インキュベート ) 8

9/ 13 ページ を細菌などの非哺乳動物細胞に使用できますか? PrestoBlue Cell Viability Reagent は昆虫および細菌細胞 ( 図 10) だけでなく 植物および魚類細胞にも使用できることが示されています (2~5) SF9 昆虫細胞インキュベート時間 10 分 大腸菌インキュベート時間 10 分 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) OD600 図 10. 非哺乳動物細胞を用いた の測定結果 SF9 昆虫細胞 (A) および大腸菌細胞 (B) を 2 倍ずつ連続希釈した液を 100 μl/ ウェルとなるように 96 ウェルプレート内で調製しました を直ちに添加 (10 μl/ ウェル ) し 細胞を室温 (A) または 37 (B) で 10 分間インキュベート後に蛍光を測定しました に細胞毒性はありますか? 文献では の活性成分であるレサズリンを含む溶液に細胞毒性はないとする報告が大部分ですが (6 7) レサズリンの暴露時間および濃度によって細胞生存率が影響を受けることを明確に示した報告もあります (8 9) 我々の経験では 推奨されるインキュベート時間内 ( すなわち 10 分から 2 時間 ) のアッセイ条件であれば への暴露によって細胞が有害な影響を受ける可能性は低いと考えられます 細胞は 存在下で 24 時間までインキュベートでき その後さらに培養することも可能です 操作は簡単で 細胞から試薬を除去して 増殖培地中に移すだけです IV 方法 最適なインキュベート時間は? 細胞を と共にオーバーナイトインキュベートすることは可能ですか? 細胞を と共に 10 分から 2 時間インキュベートすることを推奨しています より高感度で検出する場合や アッセイに含まれる細胞数が少ない場合には インキュベート時間を 24 時間まで延長することができます 細胞密度が高いサンプルから得られるシグナルは 飽和 する可能性があること ( これは 試薬の直線性がプラトーに達していた可能性があることを意味します ) に注意してください その場合には インキュベート時間を短縮してください ( 図 7 をご覧ください ) 9

10/ 13 ページ の最適なインキュベート温度は? 細胞は と共に 37 /5% CO 2 または室温でインキュベートできます 37 では はより速やかに転換され アッセイの感度が向上します 4 時間以上インキュベートする場合には 37 /5% CO 2 でインキュベートすることが推奨されます ( 図 11) U-2 OS 細胞インキュベート時間 10 分 CHO-K1 細胞インキュベート時間 10 分 1 ウェルあたりの細胞数 1 ウェルあたりの細胞数 図 11. 37 および 25 における の性能 U-2 OS 細胞 (A) および CHO-K1 細胞 (B) を 2 倍ずつ連続希釈した液を 37 /5% CO 2 または室温で 10 分間インキュベートしました 蛍光の読み取りに適した機器を持っていない場合はどうすればよいですか? の吸光度は細胞生存率と増殖によっても変化します そのため 600 nm を参照波長として 570 nm で試薬の吸光度をモニターしてください ( 図 12) 初代ヒト皮膚繊維芽細胞インキュベート時間 30 分 標準化後の吸光度 図 12: ヒト皮膚繊維芽細胞の吸光度測定結果 HDF 細胞を 2 倍ずつ連続希釈した液を 37 /5% CO 2 で終夜インキュベート後 を添加して 30 分間インキュベートしました 570 nm における吸光度を測定し 600 nm における吸光度に対して標準化しました 標準化後の吸光度を細胞数に対してプロットしました 1 ウェルあたりの細胞数 ( 10 3 ) 10

11/ 13 ページ は他のアッセイと同時に使用できますか? はい もう 1 つのアッセイの成分が の蛍光値に干渉しないことをご確認ください たとえば 細胞の代謝活性と DNA 濃度の両方を評価するために を CyQUANT NF(Life C35007) と同時に使用することができます 図 13 に示すように HeLa 細胞を用いてマイトマイシン C の細胞毒性を評価したところ これらの 2 つのアッセイ間でデータの優れた相関が認められています (Cyquant NF と同時に使用した場合 ) ( 単独で使用した場合 ) Cyquant NF (と同時に使用した場合 ) Cyquant NF ( 単独で使用した場合 ) Log[ マイトマイシン C 濃度 ](M) Log[ マイトマイシン C 濃度 ](M) (Cyquant NF と同時に使用した場合 ) Cyquant NF (と同時に使用した場合 ) Log[ マイトマイシン C 濃度 ](M) 図 13:と Cyquant NF を同時に使用した時の測定結果 1 ウェルあたりの細胞数が 3,000 個となるように HeLa 細胞を 384 ウェルプレートに播種後 さまざまな濃度のマイトマイシン C で 48 時間処理しました その後 細胞から培地を除去し HBSS で調製した 1X CyQUANT NF HBSS で調製した 1X またはこれらの HBSS で調製した 1X 試薬の両方を細胞に添加しました 細胞を 37 /5% CO 2 で 60 分間インキュベート後 3 つのアッセイのすべてについて蛍光値を測定しました A. を単独で使用または Cyquant NF と同時に使用した時の性能の比較 B. Cyquant NF を単独で使用または と同時に使用した時の性能の比較 C. と Cyquant NF を同時に使用した時の性能 11

12/ 13 ページ V 蛍光値の最適化 PrestoBlue アッセイでバックグラウンド蛍光値が高かったのですが 原因は何ですか? バックグラウンド蛍光の補正を行うには 無細胞 コントロールのウェルをアッセイプレートに含め これらの蛍光値の平均をアッセイウェルの測定値から差し引きます 高いバックグラウンド蛍光値をもたらす要因がいくつか考えられます 1. 長時間の露光 :の活性成分であるレサズリンは 長時間の露光によって分解されます PrestoBlue Cell Viability Reagent は必ず暗所で保存し 試薬を直射日光に長時間さらさないでください ( 図 5 をご覧ください ) 2. 汚染 : 細菌はレサズリンをレゾルフィンに還元します 汚染された試薬は廃棄して 新しいものと交換してください どうすれば PrestoBlue アッセイの蛍光強度を増大させることができますか? いくつかの要因が蛍光値に影響します 蛍光値を増大させるには 以下の改善策の 1 つを試してみてください : 1. PrestoBlue Cell Viability Reagent を添加した細胞のインキュベート時間を延長してください 2. 1 ウェルあたりの細胞数を増やしてください 3. 機器のフィルタ / 波長設定を確認してください 4. 機器の gain 設定を変更してください 5. 実験デザインにポジティブコントロール ( 生細胞 ) を含めてトラブルシューティングを行ってください 使用する機器の直線性が保たれる範囲を越える高い蛍光値はどのようにすれば補正できますか? 蛍光値を低下させるには 以下の改善策の 1 つを試してみてください : 1. インキュベート時間を短縮してください 2. 1 ウェルあたりの細胞数を減らしてください 3. 機器のフィルタ / 波長設定を確認してください 4. 機器の gain 設定を変更してください 機器のセットアップがうまくいきません! 使用する機器の取扱説明書を確認して モノクロメーターベースの機器かフィルタベースの機器かを調べてください その後 以下の表に従ってください 詳細については テクニカルサポートに電子メール (jptech@lifetech.com) または電話 (0120-477-392) でお問い合わせください フォーマット励起蛍光ミラーまたは二色性 蛍光 ( モノクロメーター ) 蛍光 ( フィルタ ) 吸光度 560 nm バンド幅 10 nm 535 バンド幅 25 nm 570 nm 590 nm バンド幅 10 nm 615 nm バンド幅 10 nm 600 nm ( 標準化のための参照波長 ) 該当なし 50% ミラーまたは二色性 (560 nm) 該当なし 研究目的の使用に限定されており 動物やヒトの治療または診断には使用できません 12

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