2 基本方向 前頁の基本理念を実現するための施策の方向として 次の 4 つの基本方向を掲げます 基本方向 1 健康づくりを支える環境整備 ~ みんなでつくる健康なまち ~ 基本方向 2 生活習慣病の発症予防と重症化予防 ~ 健康をつくる生活習慣 ~ 基本方向 3 分野別の健康づくりの推進 ~ 人生を

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第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

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調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

泉大津

健康くるめ21概要

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

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茨城県食育推進計画―第三次―

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

Microsoft Word - (セット案とれ)【閣議後会見用】取組ペーパー


1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

特定健診の受診率は毎年上昇しており 平成 28 年度は県平均よりも 7% 高い状況 となっていますが 国が示す目標値 60% を達成するには更なる工夫や PR が必要とな っています 長与町国保の医療費は平成 25 年度から上昇していましたが 平成 28 年度は前年度より約 3 億円減少し 1 人当

第 1 編総論第 1 章計画の基本的な考え方 1 計画改定の背景と趣旨 国や県においては 健康寿命 1 の延伸や生活の質 2 の向上 さらには 健康格差の縮 小を目的とした 健康日本 21 や 富山県健康増進計画 が策定され さまざまな関係機関の 連携により社会全体で個人の主体的な健康づくりを支援す

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1


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基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

食育って, ご存知ですか? 食育とは 生きる上での基本であって, 知育, 徳育及び体育の基礎となるべきもの 様々な経験を通じて 食 に関する知識と 食 を選択する力を習得し, 食育の推進に取り組んでいます! 28 年 ( 平成 2 年 )3 月に 福山市食育推進計画,213 年 ( 平成 25 年

歯科中間報告(案)概要

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要因 2 全国的に 死亡原因の 6 割が生活習慣病であり 大阪市においては 特に死亡者数の最 も多い悪性新生物 ( がん ) の死亡率が高くなっている なお 心疾患および脳血管疾患 については 全国との差が年々縮まり 現在はほぼ同じ水準となっている 国 大阪府 大阪市の死亡率 H22 年 人口 10

平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

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北見市総合計画.indd

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刈谷市食育推進計画

第2節 茨木市の現況

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平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

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八街市教育振興基本計画(平成26年~平成35年)

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

(2) 望ましい食習慣や知識の習得 ( 関連目標 ) 子どもたちが 食習慣や知識を習得することは 生涯にわたって健全な食生活を実践していくために重要です そこで 学校では家庭科や学校行事等における調理実習等の体験を通して 児童生徒が食に関する正しい知識や技能を習得できるようにするとともに 家庭での実

Microsoft Word 施策の推進方策(Ⅰ-1-2健康寿命の延伸_

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

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このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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第2次「健康くるめ21」計画

次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

生活福祉研レポートの雛形

計画の今後の方向性

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

京都市における平均寿命

はじめに 本県では全国を上回るペースで少子高齢化が進む中 ふるさと秋田の活力の維持と向上を図っていくため 全ての県民が生涯にわたって心豊かに生活できる 健康長寿あきた を実現することが重要です そのため生涯を通じた健康づくりのための施策について その方向性等を明らかにすることを目的として 平成 25

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

個人の状況第 2 部各論 ライフスタイル健康観の形成に対する影響が大きい主な要因健康課題 今までの家庭 学校を中心とした環境から自立していく時期 家族よりも友人達と過ごす時間が増えていき, 交流関係が広がっていく時期 学生 ( 自宅 単身 ), 就業者 ( 自宅 単身 ) 等で分かれる時期 家庭 学

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

第1章評価にあたって

②肥満 やせの状況 3 歳児における肥満児の割合は減少していました 成人男性の肥満は横ばいで 代女性の肥満は増加傾向がみられました 一方 20 代女性のやせは倍増しており 肥満だけでなく 子どもを産み育てる世代への支援が必要となります 20代 60代の肥満 BMI 25以上 の割合 肥満

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

第2次帯広市食育推進計画(名古屋市パクリ)


つくば市地域福祉計画 骨子案

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

資料 4-2 平成 26 年度における県の主な取組 野菜で健康大作戦事業 子ども健康促進事業について さあ始めよう! あおもり 健活 推進事業

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

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地域総合支援協議会

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

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3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

■● 糖尿病

名古屋市食育推進計画 ( 第 2 次 ) 案 に対する市民意見の内容及び市の考え方 名古屋市食育推進計画( 第 2 次 ) 案 に対し 貴重なご意見をお寄せいただき ありがとうございました 結果の概要とともに いただきましたご意見とそれに対する市の考え方を公表いたします なお ご意見のうち 趣旨の類

県民が がんに関する正しい知識を持ち生活習慣の改善を図るとともに 定期的 にがん検診を受ける習慣を持ち 自覚症状がある場合は早期に医療機関を受診する 等 県民が主体的にがん予防に取り組むための環境の整備を進めます 小 中学生や高校生のうちから 食生活 飲酒 喫煙等の生活習慣ががんに及ぼ す影響や が

Transcription:

1 基本理念 甲賀市の総合計画では 人自然輝きつづけるあい甲賀 を将来像として掲げています 本計画は そのなかで市民一人ひとりが地域とともに自主的に健康づくりや食育に取り組むための環境づくりの指針となるものです 現行の計画では 市民みんなが生活習慣を見直し 自ら健康づくりに主体的に取り組み 健康でいきいきと暮らしていけるようなまちを目指し 基本理念を 見直そう生活習慣みんなでつくろう健康でいきいきと暮らせるまち として みんなが力をあわせ 健康づくりの実践の場や機会 健康に関する知識や情報提供 健康づくりをサポートする人材づくり等に取り組んできました 第 2 次計画となる本計画においても このような考え方を引き継ぎ 誰もが自立した生活を生涯おくれるよう健康寿命の延伸を目指しながら 健康日本 21( 第 2 次 ) にうたわれている 病気や障がいがあっても一病息災で生きられるアプローチ あるいは 個人の健康設計における こうすべき型 から こうありたい型 への転換 等を理念に取り入れ 支え合いや生きがいを大切にする視点から 次の基本理念を掲げます 地域で共に支え合い 生きがいをもって 健康長寿で幸せに暮らせるまち甲賀 19

2 基本方向 前頁の基本理念を実現するための施策の方向として 次の 4 つの基本方向を掲げます 基本方向 1 健康づくりを支える環境整備 ~ みんなでつくる健康なまち ~ 基本方向 2 生活習慣病の発症予防と重症化予防 ~ 健康をつくる生活習慣 ~ 基本方向 3 分野別の健康づくりの推進 ~ 人生を楽しむ健康なくらし ~ からだからだ 基本方向 4 健康な心と身を育む食の推進 ~ 心と身を育むふるさとの食文化 ~ 地域で共に支え合い生きがいをもって健康長寿で幸せに暮らせるまち甲賀 健康寿命の延伸 分野別の健康づくりの推進 ~ 人生を楽しむ健康なくらし ~ 生活習慣病の発症予防と重症化予防 ~ 健康をつくる生活習慣 ~ からだ健康な心と身を育む食の推進からだ ~ 心と身を育むふるさとの食文化 ~ 健康づくりを支える環境整備 ~ みんなでつくる健康なまち ~ 20

( ) 基本方向 1 健康づくりを支える環境整備 ~ みんなでつくる健康なまち ~ 地域で共に支え合い 生きがいをもって健康で幸せに暮らせる社会を築くためには 住民一人ひとりの生活の質の向上と それを取り巻く地域の社会環境の質の向上が求められます 個人の健康は 家庭や地域社会 学校 職場等の社会環境に影響を受けることから 健康づくりを推進していくためには 健康づくりに取り組もうとする個人はもとより 健康づくりに関心のない市民等も 社会全体として総合的に支援していくことが重要となります このため 健康づくり活動に関わる地域資源を活用 整備するとともに 地域のつながりを強め 多様な活動主体による自発的取組を推進します 地域での人と人のつながりの強化 ( ソーシャルキャピタル の水準を上げること ) や よいコミュニティ づくりによって 健康度が向上するといわれており 個人が健康づくりに取り組む際には 主体的に地域の活動等に関わっていけるように環境整備を進めていきます 地域の人と人とのつながりの強化による健康なまちづくりの推進 地縁 地域で一人にならないつながりをもつ 区 自治会 自治振興会 民生委員 児童委員 子ども会 ゆうゆう甲賀クラブ等 企業 職域団体 専門性を活かしたつながりをもつ 甲賀湖南医師会 甲賀湖南歯科医師会甲賀湖南薬剤師会 甲賀市社会福祉協議会甲賀市商工会等 住民一人ひとり 家庭 志縁 知識や経験を活かしたつながりをもつ 健康推進員 総合型スポーツ連絡協議会 NPO 法人等 幼稚園 保育園 認定こども園 学校 活動や交流によりつながりをもつ PTA 学校保健委員会等 地域協働を推進するための施策 国 県保健所 市 ソーシャルキャピタルの核となる人材の発掘 育成 学校保健委員会等の学校を取り巻く協議の場への参画 企業 職域における取組を促進させる環境整備 地域へのわかりやすい情報提供 各種保健施策のほか医療 介護福祉施策との連携 自殺対策を中心としたセーフコミュニティ の取組の推進 今後の地域保健対策の体制整備 ソーシャルキャピタルの活用に向けた体制の充実 各種保健施策や医療 介護 福祉施策の連携のための庁内体制の強化 国 県 保健所 市による分野横断的 重層的な連携体制の構築 ソーシャルキャピタル : 人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考え方のもとで 社会の信頼関係 規範 ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念 志縁 : 志に基づく縁 価値観や経験を共有し 健康課題の解決に強い動機を持つネットワーク セーフコミュニティ : 事故やけがに着目し 事故やけがは 偶然の結果ではなく 原因を究明し 対策を講じることで予防できる という考えにもとづき 市民 地域 関係機関 行政等が協働してみんなで取り組む安心安全なまちづくりのこと 21

基本方向 2 生活習慣病の発症予防と重症化予防 ~ 健康をつくる生活習慣 ~ 甲賀市の主要な死因は がんや心疾患 肺炎 脳血管疾患が多くなっています 市民が健康で幸せに暮らすためには これら主要な死因のほか 重大な合併症を引き起こす恐れのある糖尿病 死亡原因として増加しつつある慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 等の生活習慣病の発症及び重症化を予防することが重要です 生活習慣病の大きな特徴は 食生活 運動 喫煙 飲酒等の生活習慣や歯の健康が病気の発症 進行に関与し 初期段階には自覚症状がほとんどなく 症状が出てくる時期にはかなり病気が進行している場合が多いことがあげられます 生活習慣病の発症を予防するためには 望ましい生活習慣が必要であり 個人のみならず家族や友人 職場や地域においても 積極的に正しい知識の普及啓発を行い 健康づくりに容易に取り組める環境を整備します 生活習慣病の初期段階には 自覚症状が乏しいことが多いことから 重症化を予防するために生活習慣病の早期発見や早期治療につながる健診及び各種がん検診等を受診しやすい環境の整備に取り組みます また 生活習慣の改善につながるものとして 保健指導体制の充実 医療機関や専門団体との連携を進める等 地域社会全体で重症化の予防に取り組みます がん 循環器疾患 生活習慣病の発症予防と重症化予防 糖尿病 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 22

基本方向 3 分野別の健康づくりの推進 ~ 人生を楽しむ健康なくらし ~ 個人の健康づくりを推進するためには 生活習慣の基礎を形成するものとしての 栄養 食生活 食育 身体活動 運動 生活の質の維持向上に関与する 休養 こころの健康 及び生活習慣病の発症及び重症化に大きく影響を与える たばこ アルコール 歯 口腔の健康 子育て 思春期 といった6つの分野に取り組むことが重要です また 健康づくりに関わる生活習慣や健康状態 健康課題等は ライフステージごとに大きく異なるため 健康づくりに効果的継続的に取り組んでいくために 各年代の現状や課題を踏まえながら 具体的な取組等の指標を設定し 市民一人ひとりが望ましい生活習慣を実践できるよう取り組んでいきます からだ基本方向 4 健康な心と身を育む食の推進 からだ ~ 心と身を育むふるさとの食文化 ~ 食は 命の源であり 人が生きていくためには欠かせないものです また 望ましい食生活の もと おいしく楽しく食べることは 人に生きる喜びや楽しみを与え 生涯を通して健康で心豊 かな暮らしの実現に大きく寄与します いしづか明治時代の食育の祖と呼ばれる石塚 さ 左玄 げんしんどは 食事についての考えの中で 身土 ふじ不二 という 考えを提唱しました これは 人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということで その 土地その季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方です 現在は 地域で生産した ものを地域で消費する 地産地消 という活動が全国に広がっています このどちらも 主食 のごはんを中心に その地で採れた多様な副食 等を組み合わせた 栄養バランスに優れた食生 活である 日本型食生活 につながる考え方です 今一度 和食 ( 日本人の伝統的な食文化 ) しんどふじの良さを見直し 甲賀市においても 自然が産み出した新鮮な農産物を中心に 身土不二 と 地 産地消 の取組を推進していきます ふるさとこうかの お米 や お茶 等の特産物や郷土 伝統料理は 豊かで多彩な自然 歴 史 産業 地域資源等で培われた食文化の生産物です 栄養バランスはもとより 地場産物を活 かした郷土 伝統料理やその食べ方 食事の際の作法等 伝統をしっかりと受け継ぎ継承してい けるよう 家庭や地域 教育の場での世代間の交流を通して 次世代に食育を継承していきます そのため 今後 学習や体験の機会づくりを進めるとともに 六次産業化 をはじめとした多 様な産業の活性化も図り 新たな食文化の創造 普及のための環境整備支援への取組も進めます 23

からだ健康な心と身を育む食の推進 分野別の健康づくりの推進 ( 第 3 節 ) 生活習慣病予防のための食育 毎日の朝食摂取の推進 バランスのよい食事摂取の推進等 ふるさとの食の推進 ( 第 4 節 ) 風土を活かした食育 伝統的な料理 食事作法の継承 地場産物の活用等 みんなでつくる食育 様々な食経験の推進 食育月間 食育の日の推進等 身土不二 : 住んでいる地域と同じ地域の食べ物を食べるのが健康によく おいしいということ 体 ( 身 ) と土は一つ ( 不二 ) 人の命と健康は食べ物で支えられ 食べ物は土が育てる 人の命と健康はその土と共にあるという意味 地産地消 : 地元でとれた生産物を地元で消費すること 輸送費用を抑え フードマイレージ削減や 地域の食材 食文化への理解促進 ( 食育 ) 地域経済活性化 食料自給率のアップ等につながるものと期待されている 副食 : 主食に添えて食べるもの おかずのこと 日本型食生活 : 和食の基本形である 一汁三菜 ( 米を炊いた ごはん を主食とし みそ汁やすまし汁等の 汁 主菜一つに副菜二つの 菜 三品を組み合わせた和食の基本となる献立 ) の献立をベースに畜産物や乳製品も取り入れ 主食 主菜 副菜のそろう栄養バランスに優れた食生活のこと 六次産業化 : 農業や水産業等の第一次産業が食品加工 流通販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービス等第二次産業や第三次産業まで業務展開している経営形態を表す 24