タイ子会社管理の基礎知識 第5回 タイの会計基準が大きく変わる~日系タイ子会社のTFRS for SMEs対応~

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1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

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第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

2. 減損損失の計上過程 [1] 資産のグルーピング 減損会計は 企業が投資をした固定資産 ( 有形固定資産のほか のれん等の無形固定資産なども含む ) を適用対象としますが 通常 固定資産は他の固定資産と相互に関連して収益やキャッシュ フロー ( 以下 CF) を生み出すものと考えられます こうし

ソフトバンク株式会社

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KPMG Insight KPMG Newsletter Vol.25 July 2017 海外トピック 1 タイ子会社管理の基礎知識第 5 回タイの会計基準が大きく変わる ~ 日系タイ子会社の TFRS for SMEs 対応 ~ kpmg.com/ jp

タイ子会社管理の基礎知識 第 5 回タイの会計基準が大きく変わる ~ 日系タイ子会社の TFRS for SMEs 対応 ~ 有限責任あずさ監査法人 ASEAN 事業室タイデスクパートナー井戸志生 タイ会計士連盟 (Federation of Accounting Professions 以下 FAP という ) がこの度新たに導入しようとしている会計基準は 特に複雑な項目について大きな変更を要求するもので 殆どの日系タイ子会社に関係する変更です 場合によっては 現在のタイ経理担当者では対応する事が難しい可能性もあり 早めの対処が必要になるかもしれません なお 本文中の意見に関する部分については 筆者の私見であることをあらかじめお断りいたします 井戸 いど しせい 志生 ( 2017 年 7 月 27 日追記 ) FAP は 2017 年 7 月 5 日に 本稿記載の TFRS for SMEs の適用案は取り下げ 適用要件や 中身を再考する旨を発表しました 従いまして 新たな発表がない限りは 従来どお り日系タイ子会社は TFRS for NPAEs を継続適用することとなります 今後は TFRS for SMEs について 強制適用ではなく任意適用とすべきか また 適用会社の要件の見直し等が行われることが予想されます ミャンマー チェンマイ ラオス ベトナム ポイント タイ 2018 年 1 月 1 日以降開始事業年度から 従来のTFRS for NPAEsに代わって 新たにTFRS for SMEsが導入される予定である アユタヤバンコクチョンブリ カンボジア TFRS for SMEs の元では主に 今まで必要のなかった以下の項目について 会計的対応が必要となる 連結財務諸表/ 包括利益計算書 / キャッシュ フロー計算書 / 税効果会 ベトナム 計 / 従業員給付 / デリバティブ / 機能通貨 上記項目に対応が可能な人的リソースや会計システムが タイ子会社に 整備されているかどうか 確認が必要となる マレーシア ウェブサイトからも PDF ファイルをダウンロードいただけます QR コードをご利用ください 1 KPMG Insight Vol. 25 Jul. 2017

Ⅰ. 従来のタイ会計基準 1. PAEsとNPAEs 従来 タイにおいては FAPが設定主体となり 公的説明責任を負うか否かによって区分された以下の2つの会計基準が設定され 企業は その要件に照らしていずれかを適用しています Thai Financial Reporting Standards for Publicly Accountable Entities (TFRS for PAEs) 上場会社等 Publicly Accountable Entities( 以下 P A E s という ) と呼ばれる公的説明責任を負う会社に対して適用され ほぼ主要な IFRS 基準をコンバージェンスした会計基準 Thai Financial Reporting Standards for Non-Publicly Accountable Entities(TFRS for NPAEs 以下 NPAE 基準 という ) PAEs に該当しない Non-Publicly Accountable Entities( 以下 NPAEs という ) と呼ばれる公的説明責任を負わない会社について適用される会計基準 Ⅱ. 新しいタイ会計基準 ~TFRE for SMEs~ 1. TFRS for SMEs とは FAPは IFRSから大きくかけ離れたNPAE 基準に代えて IFRS for SMEsをコンバージェンスした TFRS for SMEs( 以下 SME 基準 という ) の導入を決定しました IFRS for SMEsとは International Financial Reporting Standards for Small and Medium-sized Entities の略称であり 2009 年 7 月に国際財務報告基準 (IFRS) と同じ国際会計基準審議会 (IASB) により公表され 中小企業 (SMEs) のニーズと能力に合わせて作られた約 2 3 0ページの独立した基準で 日本では中小企業向け IFRSと呼ばれています 2. 多くの日系タイ子会社は適用対象 FAP によれば SME 基準の適用対象となる企業は NPAEs 2. 殆どの日系タイ子会社は NPAEs のうち Complex NPAEs であるとされています ここで 公的説明責任を負うとされる PAEsとは 以下の要件のいずれかを満たす企業とされています 負債証券 又は株式が公開市場 ( 国内または海外の証券取引所 国内又は地域市場を含む店頭取引市場 ) において取引されている もしくは 公開市場においてなんらかの金融商品を発行する目的で財務諸表を証券委員会又は その他の規制機関に登記している または 登記準備中である法人 金融機関 保険会社 信託 投資信託等 特定の法令に従い公的資産に関する事業を行っている法人 公開企業法に規定された公開企業である法人 その他通知された法人 Complex NPAEs の判定基準 : グループを構成する会社 ( 親会社 子会社 関係会社 ジョイントベンチャー ) に該当する場合は Complex NPAEsとされ SME 基準が適用される 多くの日系タイ子会社はこのComplex NPAEsに該当すると思われますので SME 基準が適用されることになります なおNon-complex NPAEsには SME 基準のうち一部の複雑な項目が免除される方向で検討がなされています 3. 新基準概要と導入スケジュール案 したがって 公開会社ではない殆どの日系タイ子会社はこれに該当せず 公的説明責任を負わない NPAEs に区分されています 3. NPAE 基準の特徴 FAPにより作成された NPAE 基準は 全 21 章 計 390 項からなる タイ独自の会計基準です 継続企業の前提および発生主義会計をベースにしながら 中小企業の実務的負担を配慮して 税効果会計 従業員給付やデリバティブ等の複雑な項目には言及していません ( 図表 1 参照 ) FAPによれば SME 基準は 2018 年 1 月 1 日以降開始事業年度から導入される予定ですが Complex NPAEsのNPAE 基準からSME 基準への移行にかかる実務上の負担を軽減するために 段階的に導入される方向で検討が行われています ( 図表 1 参照 ) FAP 公表の案では 特に複雑性が高く 対応に時間がかかる項目については 1 年から 5 年の猶予が与えられています Ⅲ. おわりに NPAE 基準は 2011 年に導入されてから 6 年が経過しますが IFRSからコンバージョンされた TFRS for PAEsを適用する必要のない あるいは適用できないタイの中小企業のための実務 KPMG Insight Vol. 25 Jul. 2017 2

図表 1 NPAE 基準と SME 基準の主な差異と導入スケジュール ( 案 ) 主な差異項目 NPAE 基準 SME 基準 内容導入予定 ( 案 ) 包括利益計算書 規定なし ( 第 5 章 ) キャッシュ フロー計算書 規定なしただし TAS* 第 7 号の任意適用が可能 ( 第 7 章 ) 連結財務諸表 規定なしただし TAS* 第 27 号の任意適用が可能 ( 第 9 章 ) 関連当事者についての開示 規定なしただし TAS* 第 24 号の任意適用が可能 ( 第 33 章 ) 従業員給付 ( 退職給付引当金 ) 最善の見積りに基づき計上が必要 ( 第 28 章 ) 原則として割引率 制度資産に係る期待収益率 昇給率 離職率及び死亡率等の基礎率を用いる予測単位積増方式に基づき認識される 税効果会計 規定なしただし TAS* 第 12 号の任意適用が可能 ( 第 29 章 ) 税効果会計を適用し 繰延税金資産及び繰延税金負債の計上が必要 デリバティブ取引 規定なし ( 第 1 1 1 2 章 ) 原則として期末日における公正価値により測定し 公正価値の変動を純損益として認識するヘッジ目的で行われるデリバティブ取引のうち 一定の要件を満たす場合においては ヘッジ会計を適用する 機能通貨 規定なし ( 第 30 章 ) 機能通貨を識別のうえ 外貨建取引については 機能通貨による計上が必要 2022 年度 2022 年度 *:Thai Accounting Standards(TFRS for PAEs を構成する基準の 1 つ ) 上の要請に応じた 簡易的な会計基準としての色が強いものでした これに対して SME 基準も中小企業の会計能力に配慮されているとはいえ タイ経理担当者にとっては 図表 1に掲げた項目のような相当程度複雑な 新たな要求が盛り込まれていると言えます この事から タイ経理担当者の SME 基準への対応力について確認し 必要に応じてコンサルタントの導入や新たな経理担当者の採用 新たな会計システム導入などを検討する必要があります また SME 基準の導入に関しては導入時期も含め未確定な部分も多いため 特に項目ごとの導入スケジュールや 会計 監査実務上の対応面では 今後の継続的な情報収集や 現地監査人との密なコミュニケーションが重要です 関連トピック タイ子会社管理の基礎知識 第 1 回 ~ 第 4 回までのバックナンバーはウェブリンクより閲覧 ダウンロードが可能です https://home.kpmg.com/jp/ja/home/insights/2017/05/ thailand-knowledge-20170515.html 本稿に関するご質問等は 以下の担当者までお願いいたします 有限責任あずさ監査法人 ASEAN 事業室タイデスクパートナー井戸志生 TEL:03-3548-5803 shisei.ido@jp.kpmg.com 3 KPMG Insight Vol. 25 Jul. 2017

KPMG ジャパン marketing@jp.kpmg.com www.kpmg.com/jp FSC マークをこちらに入れてください 本書の全部または一部の複写 複製 転訳載および磁気または光記録媒体への入力等を禁じます ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり 特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません 私たちは 的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが 情報を受け取られた時点及びそれ以降においての正確さは保証の限りではありま せん 何らかの行動を取られる場合は ここにある情報のみを根拠とせず プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する 適切なアドバイスをもとにご判断ください 2017 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. 2017 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ( KPMG International ), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. The KPMG name and logo are registered trademarks or trademarks of KPMG International.