( 第 5 回 ) 鹿間信介摂南大学理工学部電気電子工学科 後半部 (4~5 章 ) のまとめ 4. 導体 4.3 誘電体 5. 磁性体 5. 電気抵抗 演習 導体表面の電界強度 () 外部電界があっても導体内部の電界は ( ゼロ ) になる () 導体の電位は一定 () 導体表面は等電位面 (3) 導体表面の電界は導体に垂直 導体表面と平行な成分があると, 導体表面の電子が移動 導体表面の電界は不連続 導体表面の電気力線 導体表面の電界強度 () 静電容量 導体表面にまたがる微小円筒にガウスの法則を適用 導体内部の電界 円筒側面の法線ベクトルは電界と直交 ( 面積分への寄与なし ) 円筒のふたの部分の面積 : Δ [ 導体表面の電荷面密度 : ガウスの法則 : σδ Δ ε d ˆ ε σ [/ σ [/ ε 誘導電荷面密度がわかれば Δ [F: 静電容量 ( キャパシタンス ) 電荷 と電位差 は比例 : 電荷のためやすさを示す量 F の定義 : の電圧で の電荷をためられる静電容量 静電容量の大きさ 導体表面積が大きい方が大 導体間距離が小さいほど大 電界強度 が計算できる
枚の平行平板による静電容量 d d ε ε 静電容量 : d (4.3) (4.4) 導体の面積 に比例 導体間距離 d に反比例 枚の平面板による電界 d [ 電荷, 面積 電荷 -, 面積 4..5 コンデンサの静電エネルギー dq 微小電荷を導体 BからAに移動 最後に導体 A, Bが [,- [ になるまでの仕事を計算 v q / q q U dq (4.5) du vdq dq U (4.4) U (4.3) 導体 A du 静電エネルギー dq v U 導体 B 4..6 コンデンサの接続 -- 直列 コンデンサの接続 -- 並列 コンデンサ と が接続され外から電圧 を印加するとき の電荷 ± [ の電荷 ± [ 結合部 (P 点 ) は外部から電荷を供給できないので, 全体的に中性,, (4.9) 合成静電容量を とすると, / より (4.) 実効的に極板距 (4.) 離が増し,, より小! 個直列接続 : P コンデンサ と に同じ電圧 が印加されるので, 並列接続されたコンデンサの全体に蓄えられる電荷 は, (4.5), 合成静電容量をとすると, より (4.6) (4.7) 実効的に極板面積が増し,, よりも容量増加! 個並列接続 :
電気双極子モーメント 電気双極子 : 正電荷と負電荷 ( 点電荷 ) が微小距離 l 離れて存在する状態 電気双極子モーメント : ql [ (4.9) 電気力とバネの束縛力の釣り合い条件により 電気双極子モーメント は印加電界 に比例 ( 平行ベクトル ) q / k [ l q / k q (4.3) 電気双極子 モーメント (4.8) q 4.3. 電気分極と電気感受率 誘電体 : 誘電体内の電界 に比例した双極子モーメントをもつ電気双極子の集合体 分極 : 内部電荷が特定の方向に分離した状態電気双極子モーメント : [ 電気分極 P は, 直方体 ( d [ 3 ) 中の双極子数 : 電気分極 ( 誘電分極 ) ( 単位体積中の双極子モーメント ): N P [/ (4.3) d N q q N d k kd (4.3) 内部電界 に比例 P ε χ (4.33) e N P 電界方向に分極した誘電体 分極電荷 常誘電体に外部電界 を印加したときに誘電体内部に生じる電界 を求める 誘電体内部 : ずれた正電荷と負電荷は打ち消しあう ( 平均電荷量 ) 誘電体の左右端にl [ ずれて現れた電荷 : ± [ P qn ( l / d) (4.36) / d P (4.37) N / [/ P N / d 電気分極 P は誘電体表面に現れた単位面積あたりの分極電荷量に等しい 分極電荷 分極電界 と内部電界 常誘電体の分極電荷 : 分極電界 は外部電界 と逆向き ± 電荷 ± による分極電界 : ε o χ o χe / ε χe e (4.4) セルフコンシステントな電界 o /( e) χ (4.4) / ε P / ε (4.39) 誘電体内部電界 比誘電率 ε χ (4.4) e 誘電体内部では外部電界 よりも電界が弱くなる 誘電体中の電荷 による電界 : /4πε ε (4.43) (4.49) 分極電荷, 分極電界 誘電率 ε εε
電束密度 誘電体で満たした平行平板コンデンサによる電界 ) 外部電界 χ ε をかけて 移行して e 分極電界 / ε ε P/ ε ( 単位面積を貫く電束量 ( 電束密度 ) 電磁気学電気分極 Ⅱ P と同じ単位 P ε P) D ( ε P) (4.5) D / [/ (4.53) ε 導体板上の電荷 ( 真電荷 ) は電束本数に等しい 4.3.5 誘電体中のエネルギー () 平行平板コンデンサに誘電体を挿入した場合 静電エネルギーはどうなる? 負電荷板から正電荷板に少しずつ電荷を移動して ± とする d U e / ε d ε d ε ε 単位体積の誘電体に蓄えられた静電エネルギー密度 : u e 電界 電位 静電容量 ε /ε 倍 /ε 倍 ε 倍 (4.63 ) 誘電体中のエネルギー () 誘電体に蓄えられた静電エネルギー密度 u e ε 電界エネルギー密度 (4.63 ) u ε (4.64 ) では, ue と u の差は? ( ) ue u ε ε ε ( ε ) εχe 電界エネルギーは真空中も誘電体中も同じ! ( 電界は空間状態 ) 電気分極 ( 電気双極子 ) 起源の束縛エネルギー (4.65) 磁気双極子モーメント 磁荷 ± [Wb による磁気双極子モーメント : 磁気双極子と等価なリング電流 : l μ I [Wb ( ; リング電流面積 [,I ; 電流 [A) < 近くで見ると電気双極子との違いあり> 双極子間の電界 : P と逆向き リング電流円内 : P の向き 誘電体 : 外部電界より内部電界が弱い 磁性体 : 外部磁界より内部磁界が強い [ - 遠方の磁束密度変化が ± 磁荷のモデルと一致 ( 付録 )
5.. 磁気分極と分極電流 磁性体を利用したコイル 磁性体 : 磁気双極子の集合体 磁気分極 : 単位体積あたりの磁気双極子モーメントの合計 P N [Wb/ (5.) 3 [ ; 磁性体の体積 N ; 磁気双極子 の個数 磁束密度と同じ単位 ( T) コイル内部が真空 (.7 節 ): B μ NI / l (5.8) コイル内部が磁性体 (μ B μ B ): 磁性体を挿入すると, 磁束密度がμ 倍になる 自己インダクタンスは? 鎖交磁束 : Φ 自己インダクタンス : L BN ( μni/ l) N μ μ N I / l L ΦL / I μ μ N / l B μ μni/ l μni/ l (5.9) 磁性体を挿入すると, 自己インダクタンスもμ 倍になる (3.4 節, (3.34 式 ) 参照 ) 摩擦, 粘性と抵抗 () 摩擦, 粘性と抵抗 (4) 電荷の受ける粘性 電流 : 電荷 ( 自由電子 ) の流れ 導体中を動くときに, 金属原子から粘性力をうける ( 電気抵抗の原因 ) 導体と抵抗 I qv [ A (5.46) 自由電荷 個の電荷 : q[ 電荷担体密度 : 電荷の移動速度 : 導体断面積 : -3 [ v[/s [ 定常電流 : 電界による力と粘性力が釣り合う q av (5.47) 電気抵抗 a l R [ Ω q l R ρ RI 局所的なオームの法則 電流密度 : [Ω l 抵抗は材料の長さに比例, 断面積に反比例 I ρ ρ ρ (5.55) σ I / [A/ 抵抗率 ( 導体材料で決まる ) a ρ [ Ω (5.5) q 電気伝導率 σ / ρ [ /( Ω) [/ 自由電荷 個の電荷 : q[ 電荷担体密度 : 電荷の移動速度 : 断面積 : [ [ -3 v[/s
直列接続 R 3 4 オームの法則より, RI 電流 I R R 3 R 4 R I R I R 各抵抗に流れる電流 I は共通 印加電圧 Σ( 電圧降下 ) 合成抵抗 R Σ( 各抵抗 R ) R 並列接続 オームの法則より, I R R R R 3 R 4 I I I 3 I 4 R 電流 I I R R R 各抵抗による電圧降下は一定 ( ) 全電流 IΣ(I ) より, 合成抵抗 R が求まる 参考 : 個,3 個並列の場合 R R R R R R R R R RR3 R R R R 3 3 電気抵抗によるエネルギー消費 電荷にはたらく粘性力 電荷を動かし続けるには仕事を与える必要あり 電荷に与える仕事 : w ql [J 抵抗を通過する時間 : l / v [ s w qv [J/s l / v 秒間の抵抗の消費電力 : P qvn qvl ( l) ( qv) P RI [W P I [ l[ 抵抗率 ρ 電荷が受け取る仕事率 : 電荷は加速しないので, ジュール熱として消費! 抵抗内の全電荷数 : P / sl qv ( qv) ρ ρ av N L (: 電荷担体密度 [ -3 ) ρ [W/ 3 電位差 q 電流 I ( 単位体積あたりの消費電力, 抵抗中の局所的消費電力 )