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2 はじめに 戦略的鉱物資源確保事業は 高い鉱物資源ポテンシャルが指摘されているにもかかわらず 鉱業制度の安定性 環境問題 先住民 地域住民問題等の政治的社会的リスクが顕在化しているため 現状では探鉱開発投資が停滞している国 / 地域において その投資阻害要因を特定し 実際に投資を行う際の留意点等を調査し とりまとめを行う事業である 本報告書は 資源機構シドニー事務所が現地コンサルタント (MineXchange Ltd.) の協力を得て オーストラリアの鉱業に関する実用的ガイドとしてまとめたものである オーストラリアの鉱山産業の構造 現在の投資環境 投資に関する法律や規制に関する情報を掲載し 同国鉱業の概要を説明している また 本書を通して関係法 規制への参照 ホームページ さらに詳細な情報へのリンク先を示した 本報告書が 関係各位の参考になれば幸甚である 平成 18 年 12 月 独立行政法人石油天然ガス 金属鉱物資源機構金属資源開発調査企画グループ おことわり : 本報告書の内容は 必ずしも独立行政法人石油天然ガス 金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません 正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っておりますが 本報告書の内容に誤りのある可能性もあります 本報告書に基づきとられた行動の帰結につき 独立行政法人石油天然ガス 金属鉱物資源機構及び執筆者は何ら責任を負いかねます

3 目次 Table of Contents 序文 Introduction 第 1 部オーストラリアの一般事情 Introduction to Australia 一般情報 General オーストラリア鉱業の概要 Mining in Australia オーストラリア概要 Country Information 国土と人口 公用語 Official Language 通貨 Currency 政治及び政府 Politics and Administration 歴史的背景 Historical Background 政府の役割と責任 Roles & Responsibility of Government 立法制度 Legal System 連邦政府の立法権 Commonwealth Legislative Powers 州政府の立法権 States Legislative Powers 連邦及び州における権限の関係 The Relationship between Commonwealth and States 法律 Legislature 立法の仕組み Legislative Process 司法制度 The Court System 連邦裁判所 Commonwealth Courts 州 準州の裁判所 State and Territory Courts 経済情勢 Economy 概要 General 投資環境 Investment Climate 輸出動向 Trade Situation 鉱業セクターの位置付け Minerals and Trade 鉱業界収益動向 Profitability of the Mining Industy 第 2 部鉱業投資ガイド Investment Guide for Exploration and Mining 金属市場動向 Minerals Market Trend 鉱種別生産及び輸出動向 Mineral Production Overview i -

4 1.1.1 鉱種別生産動向 Production Trends by Commodity 鉱物資源 ( 既知及びポテンシャル ) Minerals Resources (Known and Potential) 続く大型鉱床発見 Continued Discoveries 鉱床発見のポテンシャル Mineral Discovery Potential 鉱業インフラストラクチャー Mining Infrastructure 鉱物資源探査及び鉱業界 The Exploration and Mining Industry 鉱業界の企業構成 Industry Structure 鉱業業界の働き How the industry works 探鉱 採鉱の監督管理 Administration of Exploration and Mining 鉱業に関係する組織 Mining Bodies 連邦政府関係官庁 Commonwealth Government Agencies 共同研究センター (Co-operative Research Centres:CRC) 業界団体および機関 Industry Groups and Organisations 鉱業法と政策 規制及び鉱区管理 Policy, Regulation and Tenement Management 鉱物資源探査アクションアジェンダ Mineral Exploration Action Agenda 鉱業法 Mining Law 鉱業権の種類 Exploration and Mining Licence Types 初期探鉱権のライセンス Initial Exploration License 評価リース / 保持ライセンス Assessment Lease / Retention License 採掘リース Mining Lease 鉱業活動許可のためのプロセス Mining Approval Process 最低支出条件 Minimum Expenditure Conditions 労働衛生安全法 Occupational Health and Safety Law(OH&S) 鉱業分野における労働衛生安全 Health and Safety in the Mining Industry 労働法及び労使関係 Labour Law and Industrial Relations オーストラリア職場協約 Australian Workplace Agreements 最低賃金のアワード Awards & Minimum Wages コントラクトアウト Contracting Out 強制保険 Compulsory Insurance 環境保護 Environmental Protection 評価と許可 Notice of Intention, Proposal or Initial Advice Statement ii -

5 2.7.2 政府の査定 Government Assessment 環境影響評価 Environmental Impact Assessment (EIA) 公共環境報告書 Public Environmental Report(PER) 環境影響ステートメント Environmental Impact Statement(EIS) 調査委員会 Commission of Inquiry 政府の認可 Government Approvals 先住民土地アクセス 先住権 土地保有権 Indigenous Land Access and Native Title 背景 Background 先住民族の土地所有 Indigenous Freehold 先住民土地における鉱業活動 Mining on Indigenous Freehold Land 先住権 Native Title 先住権が存在可能な土地 Land Where Native Title May Exist 先住権が消滅している土地 Land Where Native Title Has Been Extinguished 連邦先住権制度 Commonwealth Native Title Scheme 先住土地使用合意 Indigenous Land Use Agreement:ILUA 先住権の確定 申請 ILUA の設定 先住民団体的所有権等の現状 Determination of Native Title, ILUAs, Aboriginal Freehold ウラン政策 Uranium Policy はじめに Introduction 鉱山政策 の影響 The Legacy of the Three Mines Policy NT 州のウラン開発への連邦政府の権限 Commonwealth Authority over NT Uranium Mine Development 最近の政策動向 Recent Developments 鉱区料及びロイヤルティ Mining Fees and Royalties 各種料金 Fees ロイヤルティ Royalties 補償 Security Deposits 鉱区の大きさ Area Size 許可期間 Time Period 税制 Taxation 企業税制 Company Taxation Arrangements 連結納税 Group Tax 減価償却 Deductions iii -

6 減価償却残高調整 Balancing adjustments サイト開発 採掘 処理施設及び輸送施設の建設に係わる鉱山業の資本的支出 Certain Minesite Outlays プロジェクトの残存年数鉱山業の資本的支出 Expenditure over Remaining Mine Life 特別控除 Special deductions 資本的支出の優遇措置 Capital Expenditure Special Measures 探鉱費 Exploration Expenses 原状復旧費用 Site Rehabilitation Costs 環境影響調査費用 Environmental Protection Activities 研究開発費 Tax Concession for Research and Development 鉱業権等の譲渡 Depreciation 減価償却残高調整 - 鉱山業及びエネルギー産業の規程 Depreciation Adjustments for Minerals and Energy Industries 資産価値増加税 Capital Gains Tax その他の租税公課及び税額控除等 Other taxes 土地税 Land Tax 印紙税 Stamp duty 付加価値税 Goods and Services Tax (GST) 給与税 Payroll Tax フリンジベネフィット税 Fringe Benefit Tax (FBT) 配当源泉税 Dividend Withholding Tax 鉱山企業に関する税制 Taxation for Mining Companies ブラックホール経費 Black hole expenditures 遠隔地住居の FBT 適用除外 Remote Area Exemption for FBT 外国の特集な税問題 Foreign Taxation Issues 配当源泉徴収税の免税 Dividend Withholding Tax Exemption 二重課税の防止と国際税額控除に関する協定 Double Taxation Treaty and Foreign Tax Credits 移転価格 Transfer Pricing 過小資本規制 Thin Capitalisation 関税 Tariffs and Custom Duties 関税 Tariffs 物品税及び使用料 Custom Duty / Excise Duty 関税及び通関料金の割引 Tariffs and Custom Duty Concessions iv -

7 エンハンスド プロジェクト スキーム The Enhanced Project By-Law Scheme (EPBLS) 関税割引制度 Tariff Concession System トレーデックス制度 Tradex Scheme ディーゼル燃料割戻し制度 Diesel Fuel Rebate Scheme 鉱山産業への投資 Investment in the mining industry 外国投資法及び規制 Foreign Investment Law and Regulation 海外企業の登録 Foreign Company Registration Requirements 会社の設立 Setting up a Business 法人格を持たない共同事業 Unincorporated Joint Venture パートナーシップ Partnership リミティッドパートナーシップ Limited Partnership 会社形態 Limited Liability Company 探査に対する投資 Investment in Exploration 鉱山開発に対する投資 Investment in Development ビザ Visa Requirements 短期滞在 Short Business Trips to Australia ビジネス一時入国 ( 長期滞在 ) Longer Business Trips to Australia プロジェクト形成 Project Facilitation 会計報告とその他の報告の要件 Reporting and Accounting 鉱業会計基準 Mining Industry Accounting Standards 会計監査 Auditing 財務報告 Financial Reporting 会計以外の報告要件 Reporting Requirements Other than Financial 操業報告および技術報告 Operational and Technical Reporting 埋蔵および資源報告 Reserve and Resource Reporting 環境報告 Environmental reporting 環境監査 Environmental Audits 鉱山検査 Mine Inspection 地域社会及び環境問題 Community and Environmental Issues 産業コード及びベストプラクティス Industry Codes and Best Practice 大洋州鉱石埋蔵量委員会規程 (JORC 規程 ) The Australasian Joint Ore Reserves Commission Code (JORC Code) v -

8 6.1.2 VALMIN 規程 Valmin Code 環境管理規程 Code for Environmental Management EPA シリーズ EPA Series その他のトピック Other Topics 開発中のプロジェクト Projects Under Development 主要金属鉱山の生産量状況 Recent Production from Main Metal Mines 金 銅鉱山 Gold and Copper Mines ニッケル鉱山 Nickel Mines 鉛亜鉛鉱山 Lead-Zinc Mines ウラン鉱山 Uranium Mines オーストラリアでのウラン資源探査 地質概況 Geology オーストラリアの主要地質ユニット Main Geological Units 地球科学関連情報 Geoscientific Information 全国地球科学協定 National Geoscience Agreement(NGA) データベース Databases 付録 1-NOI 作成準備に関する目次 ( 予定 ) 付録 2-ILUA 事例 付録 3-NSW 州の鉱物分類 付録 4- 探鉱認可申請書に付随して提出すべきもの 付録 5-VIC 州の年間支出条件の計算方法 付録 6- 本レポートで使用される略語 vi -

9 図 表のリスト List of Diagrams and Tables 図のリスト Diagrams 図 1 各州 準州鉱業生産割合 (ACT は鉱業がない )... 3 図 2 オーストラリア全土... 5 図 3 オーストラリアと日本の比較... 6 図 4 オーストラリアの主要貿易品 2004/2005 年度 図 5 オーストラリアの主要貿易相手国 2004/2005 年度 図 5 鉄道網 図 6 鉱業エネルギー分野の CRC プロジェクト 図 7 探鉱申請の手続き 図 8 採掘申請の手続き 図 9 環境保護及び生物多様性法 (EPBC) による基本的評価 許可プロセス 図 10 オーストラリア先住権関係図 図 11 先住権申請が登録されている土地 図 12 先住権の存在が確定している土地 図 13 LUA が設定されている土地 図 14 鉱業環境監査活動の概要 図 15 オーストラリアの主要鉱物開発中のエネルギー資源プロジェクト (2005) 図 16 オーストラリアのウラン鉱山 鉱床 図 17 オーストラリアの時代別主要造山帯 図 18 オーストラリアの主要地質ユニット ( データソース :Geological Provinces Database(AGPD) 図 19 地質概略図 ( データソース :Geological Provinces Database(AGPD)) vii -

10 表のリスト Tables 表 1 鉱業の歴史... 2 表 2 オーストラリアの主要輸出鉱物... 4 表 3 国土面積比較... 6 表 4 各州 準州の概要 (2004)... 7 表 5 最近の経済指標 表 6 主要国との経済指標比較 (2005) 表 7 産業別外資許可 ( 年度 ) 表 8 鉱物資源分野における外資認可件数及び投資総額 ( 年度 ) 表 9 主要鉱物資源のオーストラリア ランキング ( 年度 ) 表 10 オーストラリアの鉱物別生産量 表 11 主要鉱物産品資源量 (2005 年度 ) 表 12 1 週間の平均給与 産業別 表 13 各州 準州鉱業協会 表 14(1) 探鉱権 / 採掘権の概要 (NSW 州 ) 表 14(2) 探鉱権 / 採掘権の概要 (WA 州 ) 表 14(3) 探鉱権 / 採掘権の概要 (SA 州 ) 表 14(4) 探鉱権 / 採掘権の概要 (NT 準州 ) 表 14(5) 探鉱権 / 採掘権の概要 (QLD 州 ) 表 14(6) 探鉱権 / 採掘権の概要 (VIC 州 ) 表 14(7) 探鉱権 / 採掘権の概要 (TAS 州 ) 表 15 各州 準州の労働衛生安全の法制度 表 16 各州 準州で使われている専門用語 表 17 各州 準州の先住権関係法規 表 年 12 月時点で登録されている州別 ILUA 件数 表 19 各州 準州の先住権関係官庁 表 20 各州 準州における先住権関係プロセス 表 21 土地所有 使用形態と交渉プロセス 表 22 QLD 州特定鉱物別ロイヤルティ 表 23 TAS 州特定鉱物別ロイヤルティ 表 24 SA 州のロイヤルティ定率表 表 25 WA 州のロイヤルティ定率表 表 26 NSW 州のロイヤルティ定率表 表 27 各州 準州の給与税 ( ) 表 28 現在開発中のプロジェクト viii -

11 表 29 オーストラリアのウラン鉱山からの最近の生産量 (2004 年 7 月から 2005 年 6 月までの会計年の生産量 ) 表 30 オーストラリアのその他の場所に存在するウラン資源主要鉱床と有望鉱山 ( 酸化ウラン精鉱 ) 表 31 オーストラリアの主要金属鉱床分類 ix -

12 序文 Introduction 本書は 鉱業に関するすべての法律および政策の調査結果を鉱業に実用的な形式で要約したものである オーストラリアの鉱業法は複雑である オーストラリアは 6 つの州 (WA SA NSW VIC TAS および QLD) と 2 つの準州 (NT と ACT) で構成され 各州 準州それぞれに鉱業法が存在する 鉱業に関連した法律が全体で 100 を超えて存在し 同様に多数の規則が存在する 鉱業活動を単一で規制する 鉱業法 は存在しない 鉱業を統制する法律とは 連邦法 州法 規程 省庁ガイドラインに含まれる政策 過去の判決を合わせたものである オーストラリアは連邦であり 連邦議会と州議会に立法権が分かれている オーストラリア連邦憲法の下では 連邦政府のオーストラリア全土に対する立法権限は国家として重要な分野に関してのみに限定されている 鉱業分野を含めその他すべての分野は州 準州政府が立法権を持つ 各州 準州政府は管轄州 準州内の探鉱および採鉱を規制する このため 各州 準州にはそれぞれ独自に鉱業を規制する法律が存在する それらは中心となる鉱業法と特定の鉱業活動に関連した従属法 そして鉱業活動に影響を与える環境および労働衛生安全法などである 連邦政府は排他的経済水域の資源に関して規制権限を有する また 環境および労働衛生安全分野においても規制権限を有するが これらは特別に鉱業を対象としたものではない 連邦先住権法 (Commonwealth Native Title Act) は先住民の土地に関してオーストラリア全土に適用されるが 各州 準州は独自の先住権および先住民土地所有に関する法律を有す 法律に加えて 各州法および連邦法には実用的な規則が存在する 規程は鉱業法に含まれる法律の詳細 申請手順および様式 料金 費用などを定めている 規則は州 連邦の鉱業政策に合わせて法律よりも頻繁に ( 州により違いはあるが通常半年に一度 ) 改定される 法律 規則の適用は 各州 準州の鉱業省が発行するガイドラインに説明されている このガイドラインは鉱業活動での実際の条件を提供し また 各鉱業法をさらに詳しくしている しかし オーストラリアでは法的責任は法律に基づくだけではないので オーストラリアの鉱業法を理解するには法律だけでは不十分である オーストラリアはコモンローの国であり 法律は法廷の解釈が重要である 判例制度が適用され 法律の解釈と適用は以前の法廷判決を基準とする 判例は法律の範囲を定義するため 関連判例法の理解なしには法律は不十分となる また JORC 規程 (JORC Code) Valmin 規程 (Valmin Code) 環境管理規程(Code for Environmental Management) など 鉱業の商業活動に適用される業界規範がある これらは

13 業界のベストプラクティスを規定し オーストラリアの鉱業基準を設定している 本報告書は鉱業に適用される関連鉱業法 規則 政策および裁判所の判例を整理したものである 第 1 部はオーストラリアとオーストラリア鉱業の紹介である オーストラリアの鉱業法を理解するためにオーストラリアの政治および立法制度を取り上げている また投資環境 最近のオーストラリア鉱業動向を含め オーストラリアの現在の経済状況の詳細を含んでいる 第 2 部はオーストラリアにおける鉱業投資ガイドである ここでは国内の関係政府省庁や鉱業団体を紹介することで 鉱物資源と鉱業産業構造 また鉱業界の管理体制を説明している 第 2 部 -2 では 探鉱 採鉱の監督管理を説明している 鉱業における重要なプロセスを最初の申請段階から採鉱まで フローチャートにして要約した また 鉱業活動に伴う労働衛生安全 労働法 先住権 環境規制などの問題についてもまとめた 第 2 部 -3 は鉱業活動に関連した鉱区料について説明するとともに各州のロイヤルティ制度を要約し また 鉱業に掛かる税金の詳細情報を提供している 第 2 部 -4 は鉱業への投資 第 2 部 -5 では オーストラリアで操業する企業の会計 報告の必要条件を説明した 第 2 部 -6 では地域社会及び環境問題を説明した ここではオーストラリア鉱業の基準を構成する鉱業界諸規程の概要を説明した これらの規程はオーストラリアの鉱業慣行のガイドとして重要なものである 第 2 部 -7 は現在のオーストラリアにおける主要鉱山の概要及び地質概況である オーストラリア鉱業に関心がある投資家向けに情報源として地球科学情報も含まれている 本書の中の通貨の記述は特別な記載がない限り豪ドルである ( 注 ) 本レポートでは オーストラリアの州 準州名を下記のとおりの略称で示す ACT は鉱業が存在し ないので本文での記述は州 準州のみで ACT は含まない 首都特別地域 ( キャンベラ ) -- ACT ニューサウスウエルズ州北部準州クイーンズランド州南オーストラリア州タスマニア州ビクトリア州西オーストラリア州 -- NSW -- NT -- QLD -- SA -- TAS -- VIC -- WA

14 第 1 部オーストラリアの一般事情 Introduction to Australia 1 一般情報 General 1.1 オーストラリア鉱業の概要 Mining in Australia オーストラリアの鉱業は 1796 年にシドニー北部のニューカッスルで石炭が発見されて以来 重要な産業として成長を続けてきた 1840 年代までにはアデレードで銅が採掘され オーストラリアで初めての鉄がシドニーの西のミッタゴンで製錬された しかし鉱業が注目されるようになったのは 1850 年代に VIC 州や NSW 州でゴールドラッシュが始まってからである VIC 州のゴールドラッシュは特に著しく 同州の人口が 10 年間で 10 万人から 50 万人に増加した VIC 州でのゴールドラッシュは 1890 年代のカルグーリーへと続いた オーストラリアが連邦になった 1901 年ごろにはオーストラリアはすでに世界第一の金生産国としての座を獲得していた しかし それまでには銅 鉛 銀 (NSW 州の西にある Broken Hill からがほとんど ) も重要な鉱物となっていた しかし 第一次世界大戦が終わるころには金属価格が下落しており 多くの鉱山が閉鎖された 1930 年代には QLD 州の Mt Isa 鉱山が稼動し始めた 同鉱山では当初銀 鉛 亜鉛を産出していたが 後に銅も産出した 石炭の生産は 1930 年代にはひどく落ち込んだ これは大恐慌 石油との競争 石炭業界の長引く産業不安に起因している その頃オーストラリアには鉱物資源があまり豊富ではないとの見方が広がった 事実 1938 年から 1960 年の間は埋蔵量が外国人に売るには少なすぎるとの理由から鉄鉱石の輸出が禁止された しかし 1950 年代に新しい鉱床が発見されるや鉱物は再度重要視され始めた 特に 1960 年代に主要鉄鉱石鉱床とニッケル鉱床が WA 州で発見されてから世界的な鉱物資源生産国として国際舞台に進出した 1980 年代以降 鉄鉱石 石炭等の鉱種において飛躍的な生産量の増大が始まり 現在では世界有数の鉱物資源生産国となっている オーストラリア鉱業の発展の歴史の概要は表 1 のとおりである - 1 -

15 年 経緯 表 1 鉱業の歴史 1851 NSW 州 Bathurst 近郊で経済性のある金鉱石を発見 1870 年代後半 年代オーストラリアが錫の世界的生産国となる 1883 Broken Hill で有望鉱床を発見 ( 多くの産業の起点となる ) 1890 年代 Kalgoorlie で金の漂砂鉱床を発見 第一次大戦終結 金属価格の崩壊 鉱物資源輸出の低下 1923 Mount Isa 鉛 - 亜鉛 - 銀 - 銅鉱床を発見 1960 年代後半オーストラリアが石炭 ボーキサイト 鉄鉱石 ニッケル マグネシウム チタン 酸化ジルコニウムの主要生産国となる 1965 探鉱投資金額 2200 万豪ドルとなる 1975 Olympic Dam(SA 州 ) 銅 - 金 - ウラン鉱床を発見 探鉱投資金額 5 億 7600 万豪ドルに増加 1992 マボ判決 最高裁判所は先住権の存在を認める 探鉱投資金額 12 億豪ドルに増加 探鉱投資金額 21 億 2 2 千万豪ドルに増加 現在オーストラリアの鉱業は成熟期に達し 一般的には鉱業生産は経済の成長率と同様な割合で成長しているとみられる 鉱業は資本 労働 新技術の集約的な産業である 2004/05 年度では 鉱業の輸出収入は 674 億豪ドルであり 全輸出収入 1575 億豪ドルの約 42.8% を占めている 3 これは 前年比 29.8% の増加である またオーストラリア全体の探鉱投資は 年度で 21 億 2 千万豪ドル 4 で 世界全体の探鉱投資の約 22% 程度を占めている 資源産業はオーストラリアの輸出における最大セクターであり 約 50 万人の直接及び間接雇用を生み出している 過去 10 年間 GNP への直接的寄与率は約 9% である 資源分野は輸出収入を生み出すとともに オーストラリア国内の消費材 発電 産業用 家庭用エネルギーの原料も供給している 5 オーストラリアは外資の進出に対し開放的で 外資による投資を奨励かつ支援する傾向が続いている 外国からの投資を評価するメカニズムが存在し 独占禁止法があるが 世界的大手企業による鉱山投資以外は一般に影響されない 最近の傾向として 外国企業によるオーストラリア企業の合併吸収が増加している この結果 オーストラリア鉱業界の主流を占 australian commodities, vol 12, no2 june 2005, abare. から利用可能

16 める下記の外国企業及びデュアルリスト企業 5 社の売上げは 鉱物の生産量の大半を占める BHP Billiton 社 Rio Tinto Plc- Rio Tinto 社 Xstrata Queensland 社 Alumina 社 Newmont Australia 社 鉱業生産は オーストラリア全体に平均的に行われているのではなく 特に大陸の西側の三分の一を占めレゴリス ( 風化残留層 ) が高度に発達した古期楯状地が 鉄鉱石 金 ニッケル等の良好な鉱物資源賦存の環境を形成している これに対して 石炭はそのほとんどが主に大陸東部の沿岸域に賦存している また銅 鉛亜鉛のようなベースメタルは 大陸東部で比較的多く産出している 各州 準州の鉱業生産の割合を図 1 に示す TAS (1) SA (4) NT (7) NSW (12) VIC (12) QLD (21) WA (43) * figures above in % 図 1 各州 準州鉱業生産割合 (ACT は鉱業がない ) オーストラリアの鉱物輸出量は 1980 年代の半ば以降年間 5% の率で拡大してきた ただ しこの増加率はすべての鉱物に対して一定ではない ある鉱物は輸出量が著しく増えた一方 で 他の鉱物は輸出量が縮小した - 3 -

17 鉱物の種類 表 2 オーストラリアの主要輸出鉱物 の生産量の変化 の生産量の変化 の生産量の変化 % 生産量の内訳 Metal and metalliferous ores Coal products Petroleum Gas Gold (non-monetary) Other minerals and crude fertilisers Total ABARE の 鉱物輸出データをもとに計算 期間の生産量の % 変化 は生産量の内訳 資源産業の輸出総額の増加率は輸出量の増加率よりも大きい 年度と 2005 年 7 月から現在までの鉱物価格上昇の結果 探鉱とプロジェクトへの投資が大きく拡大した 現在のところ資源の生産量とオーストラリア経済にとっての資源の重要さは拡大が続くと思われる - 4 -

18 1.2 オーストラリア概要 Country Information 図 2 オーストラリア全土 国士と人口 Area and Population 面積 765 万 9,861 km 2 人口 約 2,011 万人 (2004 年国勢調査 ) 首都 キャンベラ ( 人口約 32 万人 ) 人種 地勢等 アングロサクシン系等欧州系人, 中心日本の約 20 倍の国士 ( 図 3) を持つオーストラリアは 南回帰線の南に横たわる一つの大陸である オーストラリアは世界で 6 番目に大きな大陸で 一つの大陸全体を占める唯一の国である - 5 -

19 図 3 オーストラリアと日本の比較 表 3 国土面積比較 6 国面積 (km 2 ) 耕地割 (%) 耕地 (km 2 ) 人口 カナダ 9,976, ,807 35,507,874 アメリカ 9,629, ,829, ,027,571 オーストラリア 7,686, ,211 20,387,900 日本 377, , ,333,002 ドイツ 357, ,817 82,424,609 イギリス 244, ,205 60,270,708 南半球にあるオーストラリアは 日本とは季節が逆になる 9 月に春が始まり 12 月には夏が訪れ 3 月に秋が始まり 6 月には冬に入る 年間を通して日差しが強いので日よけ対策が重要 オーストラリアの排他的経済水域 (EEZ) は 世界第 3 位の広さを持ち 太平洋 南インド洋 南洋の 3 つの大洋に広がり 1,200 万平方 km 2 である オーストラリアは行政的には 6 州と 1 つの準州と首都特別区から成り立っており その概要は表 4 のとおりである

20 表 4 各州 準州の概要 (2004) 7 州人口 ( 千人 ) 人口比率 (%) 土地面積 (km 2 ) 面積比率 (%) 州都 州都人口 ACT ,430 >1 キャンベラ 324,786 NSW 6, , シドニー 4,254,894 NT ,335, ダーウイン 111,300 QLD 3, ,723, ブリスベン 1,810,943 SA 1, , アデレード 1,129,269 TAS , ホーバート 203,650 VIC 5, , メルボルン 3,634,233 WA 2, ,526, パース 1,477,815 オーストラリア全体 20, ,659, 合計 12,955, 公用語 Official Language 公用語は英語であるが, 大規模な移民による多種多様な民族構成によって約 150 の言語 が使われている 主なものに イタリア語 広東語 アラビア語 ベトナム語等がある 通貨 Currency 基本通貨は オーストラリア豪ドルとセントである 2006 年 2 月現在 1 豪ドルは約 85.6 円で取引されている 豪ドルが 20 年前に初めて変動相場制となって以来 主要な他国通貨に対して一貫して下降傾向にあり 1950 年以降 日本円は豪ドルに対し概して大きく上昇している しかし 資源ブームの間には豪ドルは他国通貨に対して上昇する傾向にあり この傾向は 2005 年以降現在に及んでいる 豪ドルは 一次産品 9 の需要に直接関連して変動するため 一次産品通貨とも呼ばれている (doc No.3218)

21 2 政治及び政府 Politics and Administration オーストラリアの政体は立憲民主制で エリザベス 2 世女王 ( 英国女王 ) を元首としている 2.1 歴史的背景 Historical Background オーストラリア大陸には 約 6 万年以上前からアボリジニが先住民として居住していた 先住民の人口は イギリス入植当時に 万人程度と推定されているが その後人口は減り 2001 年の国勢調査では約 46 万人とされている 英国は アメリカの独立戦争の後に失った領地の代替地を求め新しい流刑地を探していた 1788 年 1 月 11 艘からなる最初の英国艦隊がシドニーのボタニー湾に入港し シドニーは この時送られた 750 人の囚人と 750 人の開拓移民によって誕生した オーストラリアへの英国囚人の流刑が 1868 年に終わるまでの 80 年間に 約 16 万人の囚人がオーストラリアに送られた 1850 年代には 植民地が自治領化されるとともに ゴールドラッシュが始まり入植者と移民が大幅に増加した オーストラリアの広大な大陸と雇用需要の増加が相まって オーストラリアへの移住が魅力的となった 1901 年 オーストラリアの 6 つの英国植民地 (NSW 州 VIC 州 QLD 州 SA 州 WA 州及び TAS 州 ) が連邦を形成してオーストラリア連邦が誕生した カナダと同様 英国の女王 エリザベスⅡ 世を元首とする立憲君主制を採用し現在に至っている しかし女王の役割と行政上の執行権は象徴的なものにすぎず 現在では強い共和主義運動も見られている 1901 年の連邦制への移行時には新首都は未定で 当時の 2 大都市であるシドニーとメルボルンが新首都となるべく激しく争った この結果 1908 年に新首都を設置することが決定され 1911 年に首都の場所が決定され 1913 年にこの新首都がキャンベラと命名された キャンベラとは地元の先住民の言葉で 人が集う場所 の意である 新首都建設のための都市計画の基本設計のための国際コンクールが行われた この結果 東京の帝国ホテルを設計した有名なシカゴの建築家フランク ロイド ライトの愛弟子で アメリカ人のウォルター バーリー グリフィンが選ばれた 1978 年 北部準州 (NT) は連邦議会の法律により自治権を与えられたが 他の州と異なり 準州政府の権限は限られ 一部の政府機能は連邦政府によって管理されている この状況は 1988 年に独立行政権を与えられた首都特別地域 ( キャンベラ ACT) と同様である オーストラリアの連邦制度は自由 民主主義のモデルに基づいており 英国とアメリカのモデルと同様な制度と慣例が多く残っている しかし 女王の権限はオーストラリアでの代理人である連邦総督を任命することだけに限られている 連邦総督は 制度上は幅広い権限を有しているが 実際には連邦政府諸大臣のアドバイスに従って行動している オーストラリアの政治は建国以来安定しており 高度な法制度と官僚制度によってそのソベリンリスクはきわめて低い オーストラリア経済は過去 10 年以上安定した状態が続き 経済成長率は年平均 4-5% 11 で 失業率も低下傾向を示している

22 2.2 政府の役割と責任 Roles & Responsibility of Government オーストラリアの政治制度は 連邦政府 州政府 (6 州 1 準州及び首都特別区 ) 地方政府の 3 層構造から成り立っている オーストラリア憲法の下では 鉱物資源は個人ではなく国家に帰属すると定められているが 政府自体は商業的な探査や開発に関与しない 連邦政府 州政府 地方政府のそれぞれの主な役割は以下のとおりである 連邦政府国家的な政策の決定 - 防衛 外交 国庫歳入 財政, 税制外国投資のガイドライン移民競争政策貿易と税関企業法先住民の土地所有権州 準州政府鉱物資源開発権の管理と分配基本的土地管理政策操業規制 - 環境衛生及び労働安全 鉱物生産税 ( ロイヤルティー ) の徴収地方政府地方開発計画の立案及び地域社会政策 2.3 立法制度 Legal System オーストラリアはアメリカ合衆国と同様な連邦制度であり オーストラリアの各州は大きな独立性を有しており 日本における中央政府の下にある地方自治体の限られた自治権とは大きく異なっている 逆に 連邦政府と NT 州及び首都特別区の関係は 日本の中央政府と県の関係に類似している 連邦政府の立法権 Commonwealth Legislative Powers オーストラリア連邦憲法の下では 連邦議会には行政全般にわたる法律の立法権が与えられていない 連邦議会の立法権限は 税制 防衛 外交 各州間及び対外貿易 貿易及び金融 婚姻 離婚 移民 企業倒産 各州間の労使調停等に限定されている 連邦議会には 教育 環境問題 刑法 道路行政等重要な分野に関する特別の権限が与えられていないが これはこれらの分野が連邦政府の権限外ということを意味するのではない たとえば 環境問題に関しては連邦議会は特定の権限はないものの 州政府によるダム建設が環境問題に関する国際条約等に影響するものである場合 連邦政府はこうした問題に関与することとなる - 9 -

23 実際のところ 連邦政府は税金を課す権限と分配する権限を有しているため州 準州の政 策策定に対して大きな影響力を持っている ( 下記参照 ) 州政府の立法権 States Legislative Powers 歴史的には憲法で制定された連邦制度のもとで 6 つの全植民地がオーストラリアの 6 つの州となった 連邦制移行以前には 6 つの植民地にはそれぞれ憲法があり 各自で立法 行政及び司法を司っていた オーストラリア憲法は 各州憲法の存続を保障しているが 各州はオーストラリア憲法によって規定されているので 各州の憲法は連邦憲法に従属するものとして解釈しなければならない 各州の憲法の下では 州議会はその州に関する立法権を与えられている 一部の例外を除いて 連邦憲法は 各州の立法範囲を制限していないが 重要な例外事例として 州政府による関税及び物品税課税権 防衛権がある したがって州議会は連邦議会に比べて より広い範囲の立法を行うことができる また 教育 刑法 道路行政 鉱業法等の分野は 連邦法でなく各州の法律によって規定される 連邦及び州における権限の関係 The Relationship between Commonwealth and States 一般的には連邦制度において連邦議会がより強い権限を持つ議会と位置付けられているが その下において州議会も広い分野に関する法律を制定することができる 連邦憲法は 州法と連邦法との間に不一致がある場合 連邦法が優先すると定めている 同様に 連邦政府は憲法に定められる範囲内で州法と重複する規定を覆すこともできる その結果 連邦の権限下にある分野の多くは連邦法のみで規定されている こうした例として 企業倒産 婚姻 離婚 移民分野等がある 州政府は伝統的に 州の行政の全機能を行使するための十分な歳入を確保できなかった これは第 2 次大戦中 連邦政府の法制度は 各州から所得税課税権を取り上げ それ以降 あらゆる政治的及び経済的な理由から 所得税課税権は連邦政府に委ねられているからである 同様に 州政府は関税及び物品税の課税権を有しない その結果 州政府は連邦政府から財政の補助として地方交付金を受け取る 地方交付金の多くは無条件だが 憲法第 96 条は連邦政府がいかなる目的でも条件付きの地方交付金の支払いを行うことを認めている 地方交付金の使途に条件をつけることで 連邦政府は法律を制定する権限のない分野において 州政府の政策に影響力を行使することができる たとえば 連邦政府は教育に関する権限を有しないが 大学管理に関する大きな影響力を与えている

24 2.4 法律 Legislature オーストラリアの法律は 下記のように分類される 連邦法 : 連邦議会で可決され 憲法の下にある権限範囲内で効果のある法律 法律の下に制定された付属法も含む 州議会及び NT 州 ACT ノーフォーク島等議会で条例法(Ordinances Acts) によってそれぞれの司法圏内に関して定められた条例 (Ordinance) ならびに条例の下に定められた付属条例 英国に伝わる判例 ( コモン ロー ) オーストラリアの裁判所での判例 12 ( コモン ロー ) 立法の仕組み Legislative Process 法律は 法案として連邦議会に提出 可決され 議会を通過した後 発効のために女王 ( または国王 ) の裁可 (Royal Assent) を受ける 国王は各州においてそれぞれの総督が代表しており 各総督が女王の代理人として国王の裁可を行使する 連邦法は 両院を通過した後 裁可のために連邦総督に提出される 連邦総督は連邦行政評議会 (Federal Executive Council - FEC) の助言に基づいて法的権能 また憲法で認められた多くの権能を行使する 連邦行政評議会は 連邦大臣及び副大臣全員で構成され その代表的な任務には以下のものがある 13 法律布告及び規則の制定一部の委員会 審議会 調停機関等の設置国際条約加盟の認可軍の士官の任命政府機関の設立 廃止法律は 議会での審議を経ずに連邦総督によって制定される規則のような付属法規 (Subordinate legislation) も定めている 鉱業付属法規はこの例である しかし 議会はこの連邦総督による付属条例に対する拒否権を有している 各州には付属法規を制定する同様のプロセスがある 各州議会は 公安 秩序 管理のための立法の総体的権限を有する 一部の州においては この総体的権限の意味が多少異なる これらの議会の持つ立法権限の範囲は 連邦及び州の憲法に定義されている 各州の総督は 連邦総督と連邦政府の関係と同様な任務 / 責務を有している 2.5 司法制度 The Court System 連邦及び各州の制度は 立法 行政 司法の三権から構成されているが 連邦最高裁判所 が 司法の最高機関である

25 司法の独立及び立法 行政からの分離は 非常に重要な要素であり 法律を解釈し適用する際 裁判官は政府から独立して行動しなければならない 連邦裁判官の場合 その職務は憲法で保護されている また 州 準州の裁判官のその職務は それぞれの州 準州の法規で保護されている 連邦裁判所 Commonwealth Courts オーストラリア最高裁判所 High Court of Australia 連邦憲法は オーストラリア連邦の司法権は 最高裁判所 (High Court) と呼ばれる連邦最高裁判所 (Federal Supreme Court) にあるとしている 憲法では 首席裁判官及び二人以上の最高裁判所裁判官を必要としており 現在は首席裁判官の外 六人の裁判官で構成されている オーストラリア連邦裁判所 Federal Court of Australia オーストラリア連邦裁判所は 1976 年に発令された連邦裁判所法 (Federal Court of Australia ACT(1976)) のもとに設置され 1977 年 2 月 1 日から機能を開始した 連邦裁判所は 連邦議会が制定した法律によって授けられた裁判権を持ち 対象となる司法分野は 連邦公務員に対する執行命令 禁止令 企業倒産 企業 労使関係 税制 商取引慣行等である 連邦裁判所は 同裁判所での単独裁判官による判決 首都特別区の高等裁判所の判決及び一部の連邦法執行にかかる州高等裁判所の判決に関する上訴機関となっている 連邦裁判機関 Federal Tribunals 連邦裁判機関の下に幾つかの調停所が設けられている このうち連邦先住権調停機関 (NNTT) は 鉱業活動との関係が重要であるが その権限は 1998 年に連邦裁判所に委譲された 14 連邦先住権調停機関 National Native Title Tribunal 連邦先住権調停機関 (NNTT) は 連邦政府によって連邦先住権法 (1993 年 )(Native Title Act (1993)) の下に設立された NNTT の役割には 先住権に関して一般市民への公告 関係者間の交渉支援の他 必要に応じて先住権申請の仲裁による解決 先住民土地利用合意 (Indigenous Land Use Agreements:ILUA) の仲裁等がある NNTT は 協議の仲裁または審判の役割を果たし 先住権関係プロセスの関係者間の見解や懸案事項を検討する

26 連邦の下級裁判所 Federal Court Service 連邦微罪裁判所 (Federal Magistrates Court) は 連邦微罪法 1999 年 (Federal Magistrates 1999) によって 1999 年末に設置された連邦憲法の下に置かれる連邦裁判所の一つである 同裁判所の裁判権は 家庭法 児童扶養法 行政法 倒産法 消費者保護法等が対象となっている この裁判権は 家庭裁判所や連邦裁判所ならびに一部の分野で州裁判所と共有されている 州 準州の裁判所 State and Territory Courts オーストラリアの州 準州の裁判所は 州 準州の法律に基づく審理 あるいは連邦議会から与えられた裁判権の範囲で連邦法の下に生じるあらゆる分野に関わる第一審を担当する 刑事事件のほとんどは 連邦法 州法 準州法のいずれに関係するかに関わらず 州 準州の裁判所によって審理が行われる 各州 準州及び居住者の居る領地 (Territory) は オーストラリアの南極領地と Jervis Bay 領地を除き 独自の高等裁判所 (Supreme Court) 中間裁判所( 一般的に District または County 裁判所と呼ばれる ) 及び簡易裁判所からなる独立した裁判所制度を有する 一部の州は 特定問題のみを扱う専門的な裁判所もある 例えば NSW 州の国土環境裁判所 (Land and Environment Court) 賠償裁判所(Compensaion Court) や QLD 州の地方政府裁判所 (Local Government Court) などがある この 2 州の高等裁判所は これらの専門裁判所に関連する上訴裁判所となることや 監督的な役割を果たすことがある 州 準州の高等裁判所 State and Territory Supreme Courts 州 準州における最高裁判所は最も重要な民事訴訟 刑事事件を取り扱う さらに 州の 下級裁判所からの上訴裁判権を有する 州 準州の中間裁判所 State and Territory Intermediate Courts 中間裁判所は単独裁判官が審理を行い陪審員が事実を評決する必要があるとされる重犯罪の大部分を扱う また ある上限額を超えない民事訴訟も取り扱う これらの裁判所の名称は州によってさまざまであるが 例えば VIC 州では County Court NSW 州では District Court と呼ばれる 州 準州の簡易裁判所 State and Territory Courts of Summary Jurisdiction 簡易裁判所は単独の微罪裁判官 (Magistrate) が 交通違反 軽犯罪等を審理する これらの裁判所はほとんどの管轄区で 負債に関する民事訴訟 個人間の民事訴訟 または企業相手の軽度の損害賠償 その他連邦家庭法 (Commonwealth Family Law Act) によって定められた裁判権の下で扶助料 親権 資産問題等も取り扱う 簡易民事裁判所 Small Claims Courts

27 簡易裁判所及び調停所 (tribunals) は 比較的経度の紛争をより迅速に 経済的にあるいは非公式に解決することができるように 全州 準州に設立された 一部の制度では弁護士による代理が許可されているが 通常は双方の関係者の合意のある場合のみ 代理が許可されている 監督裁判所 Warden s Court 州 準州の鉱業法に基づいて設置され 通例 Warden's Court として 法令によって設立されている 鉱業裁判官 (Mining Warden) の役割は 各州 準州間で多少異なるが 主な役割は以下のとおりである 鉱業法の下で生ずる問題を仲裁及び解決する 紛争に関わる意見を所管大臣に提出する 鉱業裁判官は 所管大臣 次官から委託されるあらゆる事項に関して 調査 報告をする権限を有する 州 準州によっては 鉱業活動に起因する傷害 死亡事故の調査等労働衛生安全に係わる事項が含まれる

28 3 経済情勢 Economy 3.1 概要 General オーストラリア経済は過去 10 年間安定して穏やかな成長をしてきた GDP 及び一人当たりの GDP は安定成長し インフレーションと失業率は過去 3 年間では特に低い しかし これらのポジティブな傾向の一方で この数年の資源ブームにもかかわらず経常赤字が続いている これは生活水準の向上で 輸入需要が増えたこと 鉱物産業と関連インフラ プロジェクトによる主要機器の輸入の増加などが原因となっている 鉱物の輸出は生産にかかる長いリードタイムのため すぐには増加しない もう一つの要因は資源ブームによる豪ドル為替の上昇で 他の輸出産業の競争率が低下したことである 表 5 最近の経済指標 (b) GDP (US$ billion): 一人当たりのGDP (US$): 19,598 18,286 20,285 25,557 30,480 33,629 GDP 実質成長 (% change YOY): 経常収支 (US$m): - -15,301-8, , , , ,934 経常収支 (% GDP): 商品 サービス輸出 (% GDP): インフレーション (% change YOY): 失業率 (%): 出典 : 外務貿易省 (DFAT) Market Information and Analysis Section, Fact Sheet (b)figures subject to revision. オーストラリア経済は日本経済の約 13% で 米国経済の 5% ほどである 比較的カナダの 経済に近く (62%) 経済における鉱物産業の位置もカナダに似ている 表 6 主要国との経済指標比較 (2005) オーストラリア ニュージーランド カナダ 英国 米国 日本 GDP (10 億 US$) ,047 2,275 12,770 4,955 一人当たり GDP(US$) 32,000 24,100 32,800 30,900 41,800 30,400 GDP 成長率 (%) 消費者物価指数 ( 平均値 ;%) 経常収支 (10 億 US$) 商品輸出 (10 億 US$) 商品輸入 (10 億 US$) 出典 CIA World Fact Book 15 注 : 表 5 との GDP の数字が異なるのは計算時の US ドルの為替のため

29 オーストラリアの経済活動は 人口の大半が集まる東部沿岸部の NSW 州 VIC 州及び QLD 州の 3 州に集中している これらの 3 州の国内総生産 16 (GDP) の比率は それぞれ 35% 26% 17% で これら 3 州で全体の 78% を占める 17 WA 州は これら 3 州に次ぐ経済活動圏であるが その GDP は鉱業が主となっており オーストラリア最大の鉱業州となっている 鉱業は 2004/2005 年度 18 オーストラリア国内総生産の 4.1%(331 億豪ドル ) を占め 同年の鉱物輸出は 商品輸出合計の約半分を占めている ABARE によると 2004/05 年度の鉱産物輸出額は豪ドル高のために 674 億豪ドルと前年度比 29% の増加となった これは 2004/05 年度の豪州の全輸出額 ( サービスも含む )1,575 億豪ドルの 42.8% を占めている 過去 5 年間の全輸出額中の鉱産物輸出額のシェアはほぼ横這いである 主要鉱産物の輸出量及び金額は表 3 4 のとおりである 3.2 投資環境 Investment Climate オーストラリアは投資を奨励する国であり ソブリンリスクも非常に低い 外国からの投資を積極的に促進しており 外国企業や外国人の投資に対して障害となるものはほとんどない 2005 年 6 月時点での外国からの投資額は約 11,071 億豪ドルであった 税制はこの 10 年間で大きな改革がなされ 法人税は 30% で ほとんどの貿易相手国に匹敵するレベルとなった 教育を受けた労働人口が多く 特に鉱物産業分野では専門知識を持つ者が多い オーストラリアは鉱物産業分野の専門家を世界に最も多く供給している国である 鉱物業界には過去 25 年間は深刻なあるいは長引く産業闘争もあまり起こらず 業界の環境は安定している 同業界内ではコントラクト契約での雇用が浸透しており ストライキも稀である 連邦政府の海外投資促進庁 (Invest Australia) 19 は 対オーストラリアの外資促進の役割を担っている官庁である オーストラリアへの外国投資は外国投資監督機関 (Foreign Investment Review Board) の許可が必要であるが ほとんどのケースは許可を取得する必要が無い CFTOKEN=

30 表 7 産業別外資許可 ( 年度 ) 単位 : 十億豪ドル 20 産業分野 認可件数 取得金額 申請開発投資額 申請投資額 農林水産 金融 保険 製造 鉱物資源探査 開発 サービス ( 観光以外 ) 観光 不動産 3, 合計 4, 表 8 鉱物資源分野における外資認可件数及び投資総額 ( 年度 ) 産業別 買収 認可件数 取得額 ( 単位 :1 億豪ドル ) 金 石油及びガス 石炭 その他金属鉱物 その他 合計 投資関係法 税制 雇用関係法は本書の第 2 部で詳しく説明する 3.3 輸出動向 Trade Situation 2004/05 年度のオーストラリアの最も大きな輸出品目は石炭で 輸入品目は車であった 商品貿易で最大の輸出先は日本で 全体の 19.7% を占めていた また 商品輸入は米国からが最も多く 全体の 14.2% を占めた 21 サービス分野ではオーストラリアは 04/05 年度に 億豪ドルを輸出し 4, 億豪ドルを輸入した 商品分野でもサービス分野でも オーストラリアは貿易赤字となっている 外務貿易省 (DFAT Market Information and Analysis Section, Fact Sheet 22 同上

31 図 4 オーストラリアの主要貿易品 2004/2005 年度 オーストラリアの主要輸入品 04/05 オーストラリアの主要輸出品 04/05 A$ Billion Cars Crude Petroleum Computers Pharmaceuticals 品目 Telecom Equip 輸入額 A$ Billion Coal Iron Ore Crude Petroleum Non monetary gold 品目 beef 輸出額 図 5 オーストラリアの主要貿易相手国 2004/2005 年度 主要輸入国 主要輸出相手国 % USA China Japan Germany Singapore 総輸入額の % % Japan China ROK USA NZ 輸出総額の % 国 注 ; オーストラリア外務貿易省 2005 年 Market information and Analysis Section のレポートを参照に作成

32 3.3.1 鉱業セクターの位置付け Minerals and Trade 鉱業はオーストラリアの輸出収入において大きな割合を占めており 2004/2005 年度には 製品輸出の 42% 製品及びサービス輸出の 36% を生み出している また鉱物資源及び石油資源産業は オーストラリアの GDP の約 5% を生み出している オーストラリアの鉱物資源分野は 創業的 創造的であり大きな成功をおさめている 鉱業がグローバル化する中で 国際的メジャー企業がオーストラリアの鉱業界に参入するとともに オーストラリアの企業が海外に活動を展開している 中小企業も 探鉱及び採掘の両面で活発であり それらの多くは大規模なグローバル鉱業企業と共同で事業を展開している オーストラリアの探鉱 採鉱事業の成功は 質の高い地球科学データベース 情報システム ならびに強力な法律体制 鉱区管理システム及び投資環境等で支えられており 探鉱や事業開発を推進している こうした支援システムの価値は オーストラリアが常にカナダのフレーザー研究所等による国際投資調査で高く評価されている事実や 世界の探鉱に一定の割合 ( 約 16%) を占めている事実に反映している オーストラリアの資源産業は 環境対策 透明性 公的報告に関する先進的な規程の策定及び導入により 産業活動が環境にやさしい方法で確実になされていることになる オーストラリアは多くの鉱物資源の主要生産国であり 主要輸出国でもある 鉱物に関しての世界におけるオーストラリアの位置は鉱種により過去には変動しているが 1970 年代の鉱物ブーム以降全般に生産と輸出の上位を占めている 主要鉱物の詳しい説明は下記を参照 表 9 主要鉱物資源のオーストラリア ランキング (2004/2005 年度 ) 輸出国として 生産国として 埋蔵量 金 鉄鉱石 ボーキサイト Na 1 1 石炭 ウラン ニッケル 出典 : ABARE

33 3.3.2 鉱業界収益動向 Profitability of the Mining Industy 鉱山会社の収益状況について MCA(Minerals Council of Australia; 豪州鉱業協会 ) が加盟会社を対象として行っている調査結果によると 2002/03 年度の豪州鉱山会社の経営動向は 収益率の低下により 過去 10 年間の平均レベルにとどまった 2002/03 年度の経常利益に対する平均資本利益率は 13.0% で 2000/01 年度の 21.7% 2001/02 年度の 19.5% を大幅に下回った 探鉱部門の収益性に変化はなかったが 製精錬部門の収益性は 米ドルベースの売上の減少の影響を受けて低下している 純利益に対する平均資本利益率についても 2001/02 年度の 12.9% を下回る 7.3% に低下し 過去 10 年間の平均である 7.4% とほぼ同水準となった 各部門毎の利益率をみると 探鉱 採掘部門では 2000/01 年度の 4.1% 2001/02 年度 2002/03 年度の 2.2% と低下した 製錬 精製部門においては 2000/01 年度の 2.6% 2001/02 年度の 0.3% 2002/03 年度の 0.5% と低下した ( 注 : ここでの試算は調査対象全社の合計値であり 鉱種や会社により損益に大きなばらつきがある点に留意する必要がある ) しかしここ数年の資源ブームで鉱業界は好調である 鉱山会社の総資産利益率 (ROA) は 2003/2004 年には 2.7% であったのが 2004/2005 年には 5.2% に上昇し 10 年間平均の 3.3% を大きく上回った 2004/2005 年の資本利益率 (ROC) は 29.5% であった 鉱山分野の純利益に対する株主資本利益率は 2003/2004 年の 7.4% から 2004/2005 年には 14.0% に上昇した MCA の調査による鉱山生産量は 2004/2005 年には前年の 4% から % と減少した 鉱山生産指数は過去 10 年間で 34% 増加した また 2004/2005 年の鉱山業界の純利益は 6,033 百万豪ドルで 前年の 2,818 百万豪ドルに比べて 114% の大きな増加となった 営業利益は 7,810 百万豪ドルに達し 前年の 3,288 百万豪ドルを 2 倍以上上回った MCA 鉱物産業レポート 2005 年

34 第 2 部鉱業投資ガイド Investment Guide for Exploration and Mining 1 金属市場動向 Minerals Market Trend 1.1 鉱種別生産及び輸出動向 Mineral Production Overview 過去 100 年において オーストラリアは世界を代表する鉱業国の一つとなり 広範囲な鉱物資源の主要供給国となった オーストラリアの鉱物及びエネルギー資源の主要な輸出市場はアジアであり 年には 特に日本 韓国 中国が全輸出高の 48% を買い占めた 年 オーストラリアの鉱物輸出は 380 億豪ドルであった 25 オーストラリアにおいてボーキサイト 石炭 鉄鉱石 金 銅 鉛 亜鉛 ミネラルサンド ウラニウム等は経済的実証資源量 (Economic Demonstrated Resources:EDR) に関して 1975 年以来概して増加または持続的レベルを維持している これは 新鉱床の発見や既知鉱床周辺に対する探鉱活動の成功及び高い資源ポテンシャルを持つ自然条件を反映するものである 旺盛な生産活動の結果懸念される埋蔵鉱量の減少は 技術革新によって引き起こされる準経済的資源のアップグレードによってオフセットされている 下記の表は過去 5 年間の鉱物生産量である 表 10 オーストラリアの鉱物別生産量 Unit 2000/ / / / /05 Bauxite Mt Coal Mt Copper in mine products s kt Diamonds 000 ct 22,475 30,676 32,006 24,310 32,446 Gold in mine products s t Iron ore and concentrate Mt Lead in mine products s kt Manganese ore and concentrate s kt 1,948 1,850 2,472 3,062 3,554 Nickel in mine products s kt Petroleum Crude oil and condensate ML 38,705 36,100 33,321 27,876 25,368 LPG (naturally occurring) ML 4,558 4,647 4,681 4,639 4,625 Natural gas and ethane GL Salt s kt 9,492 9,233 10,438 10,705 12,416 Silver in mine products s t 2,021 2,106 1,905 2,056 2,330 Tin in mine products s t 10,016 8,173 6,222 1,533 2,095 Titanium minerals Ilmenite kt 2,092 1,843 2,069 1,910 2,006 Rutile kt Synthetic rutile s kt Titanium dioxide pigment s kt Uranium t 9,549 7,823 9,172 9,569 10,964 Zinc in mine products s kt 1,483 1,490 1,529 1,355 1,352 Zircon concentrate kt ABARE オーストラリア鉱物統計 2005 年 6 月四半期

35 1.1.1 鉱種別生産動向 Production Trends by Commodity 銅 2004/05 年度の銅の生産量は 精鉱 ( 金属含有量 ) が前年度比ほぼ横這いの 91.1 万 t 地金が 47.8 万 t(4% 増 ) となった オーストラリアの銅の生産は チリ 米国 インドネシアに次いで世界第 4 位である 輸出は精鉱 70.2 万 t( 前年度比 11% 増 ) であった 主な輸出先として 精鉱は中国及び日本がその半分以上を占め 地金は台湾 タイ及びドイツである 2004/05 年度の輸出金額は精鉱が 1,718 百万豪ドルとほぼ横這い 地金は 1,324 百万豪ドル (40.1% 増 ) となった 世界の銅価格 需要は 特に中国での需要増加に伴い回復に向かった 豪州の鉱山生産は今後も増加傾向にあるが 2003 年に Port Kembla 製錬所 (NSW) が閉鎖されたため 金属銅生産量は減少した 亜鉛 2004/05 年度の亜鉛の生産は 精鉱 ( 金属含有量 ) が前年度比 0.1% 減の 万 t 地金が 46.4 万 t( 微減 ) となった 豪州の生産量は米国に次いで世界第 2 位である 輸出については精鉱 万 t(4.7% 増 ) 地金 42.8 万 t( 微増 ) であった 主な輸出先は 精鉱は韓国 日本及びオランダ 地金は米国 香港及び台湾である 輸出金額は精鉱 地金それぞれ 10% 増の 614 百万豪ドル 25.7% 増の 851 百万豪ドルであった 亜鉛は価格低迷の状態から脱し 2003 年後半から 900 米ドル /t を超える水準まで上昇している また 近年の価格低迷によって生産能力が絞られていること 中国国内の需要増で中国の輸出が減少していることから 今後亜鉛の需給関係はタイトになると見られる 旧 Pasminco 社は Zenifex として 2004 年 3 に再上場した 同社は 亜鉛 鉛の採掘 製錬を主要事業とし 中国を中心とするアジア市場に向けて事業を行っている 同社の Ernest Henry 鉱山 (50%) Broken Hill 鉱山 Elura 鉱山はすでに売却され Cockle Creek 製錬所が 2003 年 9 月に閉鎖された 鉛 2004/05 年度の鉛の生産は 精鉱 ( 金属含有量 ) が前年度比 4.7% 増の 70.9 万 t となり 地金 ブリオンがそれぞれ 15.3 万 t(6.9% 増 ) 23.4 万 t(5.3% 減 ) となった 輸出数量については精鉱 78.1 万 t( 前年度比 13.5% 増 ) であった 主な輸出先は 精鉱は韓国 EU で半分を占めこれに日本が続く ブリオンは全量が英国 地金は主として台湾 韓国及びインドである 輸出金額は 精鉱 490 百万豪ドル (26.6% 増 ) 地金 305 百万豪ドル (53.2% 増 ) ブリオン 246 百万豪ドル (73.2% 減 ) であった 主要鉱山ごとの生産量は亜鉛を参照 金 金の用途は 装飾用はもとより もっとも電導率の高い金属であることから 電気製品

36 電子材料としても消費されている 2004/05 年度の金の生産は 一次生産が 265t( 前年度比微減 ) 豪州鉱山産の地金生産は 345t(13% 減 ) であった 輸入鉱石からの金地金生産量は 309t( 前年度比 1.9% 増 ) であった 豪州は 南ア 米国に次いで世界第 3 位の生産量である 輸出量 ( 金属含有量 ) は 2,462t( 前年とほぼ同量 ) であった 主な輸出先は 英国 シンガポール 韓国及び台湾となっている 輸出金額は 3,462 百万豪ドル 3.4% 減であった ウラン 2004/05 年度の生産は 鉱石 (U3O8) は 10,964t( 前年比 13.5% 増 ) であった 主要鉱山として Ranger(NT) 及び Olympic Dam(SA) がある 輸出数量 金額は それぞれ 11,249t( 前年度比 23.6% 増 ) 475 百豪ドル (30.5% 増 ) となった 豪州のウランは全量輸出されている 豪州では ウラン鉱山の開発は 3 鉱山以内に限定するという いわゆる ウラン 3 鉱山政策 が当時の連邦政府 ( 労働党政権 ) によってとられたが 現政権により同政策が廃止となったことにより 南豪州の Honeymoon Beverly 等の鉱山で生産が始まっている マンガンマンガンは主に製鋼時の還元剤として消費される また 高い粘性を持つため 鉄鋼 特殊鋼 アルミ合金等の添加剤として使用される 消費の 90% が鉄鋼用であり この他電池原料として利用されている 2004/05 年度の生産は 鉱石は 万 t( 前年度比 16.1% 増 ) 鉱石輸出量 ( 鉱石べース ) は 万 t(51.4% 増 ) 輸出金額は 472 百万豪ドル (27.2% 増 ) となった 豪州のマンガン鉱石のほとんどが NT 州の Groote Eylandt で生産されている 本鉱山は世界屈指のマンガン鉱山で 世界のマンガン鉱石生産量の約 10% を占めている この他 Woddie Woddie 鉱山 (WA) でも生産が行われている マンガン鉱石 マンガン系合金鉄は 主に日本 ノルウェー 韓国 米国等の鉄鋼メーカーに輸出されている 今後の中国向け需要の増加を見越し増産する計画がある ミネラルサンドイルメナイト リューコシン ルチルは チタン酸化物の原料となり チタン酸化物は主に顔料として消費される また その耐食性の高さから航空分野向け金属材料としても重要で 近年加工技術の進歩によりスポーツ用品 時計 眼鏡フレーム等 生活用品にもその需要の幅を広げている またジルコンは セラミックや電子材料 耐火煉瓦やジルカロイ等特殊金属の原料となる 2004/05 年度の豪州のミネラルサンド生産は イルメナイト精鉱 万 t( 前年度比 10.5% 増 ) リューコシン精鉱 4.6 万 t(13.3% 減 ) ルチル精鉱 17.4 万 t(12.9% 増 ) 人工ルチル 75.1 万 t(7.9% 増 ) 酸化チタン 20.3 万 t(3.6% 増 ) ジルコン精鉱 43.2 万 t( ほぼ同量 ) となった 豪州のジルコンの生産量は世界最大である 輸出量は イルメナイト精鉱 63.3 万 t(19.2% 減 ) リューコシン精鉱 9.3 万 t(25.6% 減 ) ルチル精鉱 15.8 万 t(8.2% 増 ) 人工ルチル 520 万 t(10.6% 増 ) ジルコン精鉱 17.5 万 t(6.1% 増 ) となった 輸出金額は

37 イルメナイト精鉱 63 百万豪ドル (23.2% 減 ) リューコシン精鉱 25 百万豪ドル (24.4% 減 ) ルチル精鉱 114 百万豪ドル (21.2% 増 ) 人工ルチル 308 百万豪ドル (21.7% 増 % 減 ) ジルコン精鉱 319 百万豪ドル (27.6% 増 ) となった 2001 年のチタン需給は供給過多となり 価格が軟化 生産調整に入ったことが減少の要因の一つである 豪州のミネラルサンド生産量は世界 1 位で主に WA 州の鉱山 製錬所で生産されているが 近年鉱床の品位低下などにより生産量が減少し続けている 一方 NSW VIC SA の 3 州にまたがる Murray Basin 地域において多くの新規開発プロジェクトが進展中である ニッケル 2004/05 年度の生産は 精鉱 ( 金属含有量 ) は 19.8 万 t 前年度比 7.0% 増 地金 ( 純度 99% 以上 ) は 11.8 万 t(5.3% 減 ) となった 精鉱 地金等の輸出量 ( 金属含有量 ) は 21.6 万 t 前年とほぼ同量 輸出金額については 106 百万豪ドル 6% 増となっている 豪州の生産量は ロシアに次いで世界第 2 位である 中国は旺盛なステンレススチールの需要に対応するために 国内外でニッケル原料の確保を強力に進めており 豪州企業とも原料輸入契約交渉を積極的に進めている 近年製錬技術の進歩によりラテライトニッケル開発が世界的に行われており 豪州でパイオニア的なプロジェクトが実施されているが 技術的な課題が多い また 硫化鉱も BHP Billiton 社を中心として活発な探鉱が続けられている 錫錫は主に真鍮等の合金用原料として利用されている 2004/05 年度の生産は 精鉱 ( 金属含有量 ) が 5,2095t 前年度比 36.6% 増 地金生産は 445t 年度比 19.6% 減となった 輸出量は 1,531t 7.1% 増 輸出金額は 8 百万豪ドル 14.2% 増となった 生産 輸出とも 2002/03 年度からほぼ半減している 鉱石生産は TAS 州の Renison-Bell 鉱山でその多くが生産されており 同鉱山は 世界最大の錫の坑内採掘鉱山であったが 2003 年に採掘が中断されている この他 WA 州でも Greenbushes 鉱山でタンタルの副生産物として 錫の生産が行われており ペグマタイト鉱床としては世界的規模のものになっている アルミニウム 2004/05 年度のボーキサイトの生産は 57.7 百万 t で前年度比 2.5% 増であった アルミナの生産は 1,715.5 万 t で前年度比 2.7% 増 アルミ地金は 万 t で前年度比 1.7% 増であった オーストラリアのボーキサイトの生産量は世界最大である 輸出量は アルミナが 1,407.2 万 t で 3.6% 増 アルミ地金は 万 t で 2.2% 減であった 地金の主な輸出先は 日本 韓国及び台湾である 輸出金額は アルミナは 15.8% 増の 4,381 百万豪ドル アルミ地金は 7.8% 増の 3,712 百万豪ドルとなった アルミ地金にボーキサイト (123 百万豪ドル ) アルミナを含めたアルミニウム関連輸出額は 7,716 百万豪ドルとなり 全鉱産物中石炭に次ぐ第 2 位の輸出金額となっている

38 タンタル豪州は世界最大のタンタル生産国であり 主に WA にある Greenbushes 鉱山及び Wodgina 鉱山で生産されている また Bald Hill 鉱山が 2001 年から生産を開始した なお Greenbushes 鉱山は 世界有数のペグマタイト鉱床であり タンタルの他 錫 リチウムが副生産物として生産されており 特にリチウムは豪州産の全量 世界のリチウム供給量の約 20% を占めている 白金族金属 (PGM) PGM は宝飾用として利用される他 自動車触媒の原料となる また偏在性の著しい鉱種であり その生産は南アフリカとロシアの 2 か国で 90% 以上が占められている オーストラリアでは需要の増加に伴い探鉱活動が活発化している 主要プロジェクトとして Platinum Australia 社の Panton プロジェクト Helix Resources 社の Munni Munni プロジェクトがあげられ いずれのプロジェクトも Lonmin 社 ( 南ア ) の支援を受けている バナジウムバナジウムは特殊鋼用原料となり 鋼に強靭性や抗張力性を与え 構造用鋼 高張力鋼等に利用される また その資源の大半が南アフリカ ロシアに賦存 生産もこの 2 国に占められ偏在性の著しい鉱種である オーストラリアでは WA の Windimurra 鉱山にて 2000 年初頭より五酸化バナジウム及びフェロバナジウム生産が開始されたが 2005 年に Xstrata 社が買収し その直後閉山となった 現在では当初のオーナーに採掘権が戻り 開発に進展がない 同鉱山は世界有数規模のプライマリーバナジウム鉱山である タングステン オーストラリアでは Kara 鉱山 (TAS) が唯一の鉱山で 年間数 10t が生産されている ま た King Island 鉱山 (TAS) の再開が計画されている クロムオーストラリアでは唯一のクロム鉱山である WA の Coobina 鉱山 (WA) が Consolidated Minerals 社により 2002 年から生産が再開された 同社では今後の中国向け需要の増加を見越し増産する計画がある 希土類元素 (Rare Earth Element) オーストラリアでは Lynas Corporation 社が Mt. Weld(WA) プロジェクトを進めている 同社は 2001 年 10 月 J/V 相手である Anaconda 社分の全ての権益を買い取り 本プロジェクトの全権益を獲得した このプロジェクトの特徴は Lynas 社が中国側の生産者と組み 精鉱を中国へ輸出し中国でレアアース酸化物を生産することである このために 豪州側で鉱

39 山開発 中国側で精製プロセスの計画が進められている 中国は日本にとって重要なレアア ースの供給国となっており 今後の動向が注目される 鉱物資源 ( 既知及びポテンシャル ) Minerals Resources (Known and Potential) オーストラリアには 現在の状態で有益に開発できる主要な鉱物の鉱床で既知のものがかなりある ボーキサイト ニッケル イルメナイト ルチル ジルコン タンタル ウラニウム 鉛 亜鉛の EDR は世界で最大のものに入る そして 褐炭 銅 ダイアモンド 金 リチウムの EDR は世界の上位 4 国に入り 石炭 鉄鉱石 マンガン 銀においては上位 6 国に入る 大量の生産水準にも関わらずオーストラリアの他の主要鉱物産品の EDR は維持されている または過去 20 年間になされた新しい発見で増加している ニッケル 金 ルチルの EDR は過去 10 年の探鉱の成功によって かなり伸びている このような好ましい状態への寄与事実として下記のものが挙げられる 豊富な鉱物資源埋蔵高度に開発された鉱物産業鉱業に関連した製品およびサービス産業の発達包括的で高品質の地質科学知識基盤先進的な地質学的概念と技術高度に開発された科学的サービス 表 11 主要鉱物産品資源量 (2005 年度 ) Commodity ユニット EDR 生産年 Exports Export Value (A$ million) Bauxite Alumina Mt 5, ,092 Tantalum t 53, Diamonds Mct Lead (refined) Mt Mineral Sands Rutile Zircon Ilmenite Mt Mt Mt Zinc (refined) Mt 出典 : Geoscience Australia Australia s identified mineral resources 2005 年

40 1.1.3 続く大型鉱床発見 Continued Discoveries これまで国際的な規模を持つ鉱床が 既知鉱床周辺及びグリーンフィールドにおいて発見され オーストラリアの資源産業の将来性の豊かさを証明している 1990 年代の主要な鉱床発見例として下記のものが挙げられる Century ( 亜鉛 ) Cannington( 鉛 亜鉛 銀 ) Carpentaria-Mount Isa base metal province の Ernest Henry( 銅, 金 ) NSW 州中西部の Cadia Ridgeway ( 金, 銅 ) Sunrise Dam( 金 ) WA 州 Eastern Goldfield の Wallaby( 金 ) SA 州 Gawler Craton の Prominent Hill( 銅, 金 ) これらの他に 2000 年に入り ニッケル硫化鉱床も発見されているが そのうちの一部の鉱床では鉱物資源量がまだ発表されていない 大規模なものとしてオーストラリア中央部の西マスグレーブ地域 (Musgrave Range) の Nebo Babel 鉱床がある オーストラリアの探鉱ハイライトは Geoscience Australia 27 が毎年概要を取りまとめ Identified Minerals Resources 28 に発表している これによると オーストラリア全体で広範囲わたる鉱種の鉱床発見が続いている 鉱床発見のポテンシャル Mineral Discovery Potential 現在または過去において鉱物資源の採掘が行われたことのある場所をブラウンフィールド (brownfield area) という 現在採掘が行われていない場所 過去において探査が行われていない場所 または確認済みの鉱物資源のない地域は グリーンフィールド (greenfield area) という 1980 年代初期以降 ブラウンフィールドでの探鉱に力が注がれた このような現象の原因として 土地アクセスの難しさの増加が考えられ 主に環境問題 (1980 年代 ~1990 年代 ) 及び先住権問題 (1990 年代 ) に関係している オーストラリアは その長い探査の歴史や鉱物生産国としての卓越した存在にもかかわらず まだ探査が十分になされているとはいえない 長い探査の歴史を持つ開発の進んだ鉱物資源の生産地域においても 常に新発見が続いており その他の多くの地域においても 今後 探査が益々進むものと考えられる オーストラリアの 2005 年 11 月末現在の主要な鉱物資源及びエネルギー資源の開発段階にあるプロジェクトは 229 件 (7.1 を参照 ) ある これらの開発プロジェクトに投入された資本は 億豪ドルに上る

41 1.2 鉱業インフラストラクチャー Mining Infrastructure オーストラリアではハードインフラもソフトインフラも一般によく発達しており近代的である 情報通信や運送網などのハードインフラは 人口密度が高い地域では十分発達しているが 都市から離れた地域では都市部ほど発達していない たとえば 情報通信分野においては 市場は過去において独占公社であった Telstra 社 Optus 社 その他携帯電話提供の諸企業によってサービス提供がなされている オーストラリア大陸が大きく 人口密度が低いことから 遠隔地ではサービスが乏しいが 辺鄙な内陸地域に位置する鉱山では電話通信は衛星に頼っている 道路 鉄道 港などの設備は都市部では近代的で発達しているが 人口密度が少ない地域 特に極北では インフラは最低限である ほとんどの場所に道路で到達することができるが 辺鄙な内陸地域へ行くときには 特に夏場には気温が 50 度まで上昇することがあるので 注意が必要である 通常 そのような場所へ出発する前には地元の警察に計画を届け出る 旅行期間用の大量の水と十分な食べ物 ガソリンを持参することが必要である 鉄道網が大陸の東から西 北から南を走っており 既存の鉱山地域にも主な鉄道ネットワークが存在する その他の地域の輸送にはトラックが使用される 港設備は現在の必要性には対応しているが 鉱物輸出ブームのためのキャパシティに余裕はない WA 州の北部のような遠隔地の大規模なプロジェクトでは 鉄道と港湾設備の両方を建設する必要がある 既存プロジェクトのインフラに連結することはキャパシティに余裕がないことから今のところは難しい キャパシティは商業的鉄道網からリースすることが可能である 商業的鉄道網は一部民間所有であるが 一部政府の公社が所有している 下記の地図はオーストラリア鉄道 トラック公社 (Australian Rail Track Corporation) のものである 同社がシェアを持つ鉄道を明るい色で示しており その他の鉄道網は赤色で示している

42 図 5 鉄道網 鉱業分野を専門とした 教育や訓練 コンサルティングサービス コンピュータソフト 法律 ファイナンス 会計サービスなどのソフトインフラはよく発達している 現在はこれらの専門的分野での求人需要が高いため人員を確保することは困難である 鉱業のプロフィールが高いオーストラリアでは 10 億豪ドル以上のプロジェクト資金を除いては一般的に株式市場で探鉱資金を集めやすい オーストラリア政府はウランを除いては鉱業を支援している ( 詳細については第 7 章参照 ) オーストラリアではほとんどの住民が鉱業に積極的な関心を持っている 特に伝統的な農業分野が衰退した地方部では鉱業は雇用機会を提供する オーストラリア人は適切な給与水準が保障され 金銭的誘因があれば 遠隔地の鉱山でも働く意欲がある 鉱業分野での給与水準は一般に他の産業分野に比べてかなり高くなっている 表 12 はオーストラリア統計局による 2004 年 5 月の非管理職の週単位の豪ドル給料を産業別に示したもので 鉱業分野の給与水準がかなり高いことがわかる

43 表 12 1 週間の平均給与 産業別 出典 :ABS Employee Earnings and Hours, Australia, May2004 より 2 年ごとの 5 月に集計される 鉱物資源探査及び鉱業界 The Exploration and Mining Industry 鉱物資源探査及び資源開発産業は 19 世紀のゴールドラッシュブームから始まった長い歴史があり しかもオーストラリアの国家経済にとって重要であることから 比較的明確な産業構造及びプロジェクト開発形態を有している 個人実業家 小規模探鉱企業 ( ジュニア ) 及び大規模鉱業企業等が 共存し 時にお互いライバルとなりながらウエブ状の関係で結ばれている 近年 経済のグローバル化や国内経済の大きな変化がもたらされ 企業の吸収合併 (M&A) が増加し 資本獲得の困難性が増してきた 鉱物資源の探査は特に 資本獲得に依存したリスクの高い事業であるが それにもかかわらず オーストラリアには将来の大きな富に対して 高いリスクを負う投資家が存在している 鉱業界の企業構成 Industry Structure 他の産業と同様 鉱物資源探査 鉱山開発企業も産業の特性に合わせて発展してきたが 各フェーズに適した企業グループが存在するといえる こうしたグループ分けは 複雑な現実の構造をまとめたものであり固定的なものではないが 下記のように分類することができる イニシエーター ( 案件発起者 ) ジュニア ( 小規模探査企業 ) 小規模の鉱山生産 探査企業

44 中規模の鉱山生産 探査企業 大手企業 イニシエータ Initiators 初期の探査プロジェクトを創生するプロモーターで 前述のように大規模鉱業企業は探査事業を独自で行うこともあるが 多くの場合 特に金の分野では 企業外のプロモーターが活躍する場合が多い 個人またはシンジケートの構成員 ジュニア企業の幹部はこうしたプロモーターとして 有望探査鉱区を取得し 事業化の可能性に関する初期評価を行う ジュニア探査企業 Junior Explorer ジュニア探査企業は 典型的にオーストラリア証券取引所 (ASX) に上場し おおよそ 5 百万豪ドル程度の資本金を調達して オーストラリア内外の複数の探査鉱区を所有している 所有鉱区の一部は アフリカ アジア等オーストラリア国外である可能性もある これらの企業は JV パートナーや投資家からの資金を集める前に 簡単な現地調査等により初期探査を実施している ジュニアの中には 独自で鉱業企業へと成長する長期的目標を持つものと プロジェクト発起者として探査事業フェーズを継続するものがある ジュニアの戦略の第一目標は 優良プロジェクトを発掘し これらの事業家 企業に探査鉱区を売却し 利益を得ることである またこの過程で ジュニアが保有する鉱区で より大きな企業が JV により探査を実施する場合もある こうしたジュニアの役割は 探鉱事業の請負者の役割に似ている要素もあるが ジュニアの場合は 事業成功へのインセンティブ プロジェクト権益をもつ点が異なる ジュニアとその JV パートナーの関係にはさまざまなパターンがあるが その詳細は本章の後半で述べる ジュニアは安定した恒常的なキャッシュフローがないので 常に探査資金の調達を行わなければならない ジュニアの事業展開は 技術開発ベンチャーにも似ており 事業活動中は実質的な収益がないからである ジュニアの場合 大企業に売却できるような見込みのある案件を開発して初めて利益が生まれる このようにジュニアの事業内容は 通常の企業活動とは異なるが 無駄な投資ではないことを理解する必要がある 大企業や投資家は ジュニアの評価を行う場合に 投資案件の内容を見ると同時に 経営陣の質も評価する 信頼できる経営陣や経営戦略を持ったジュニアとは 長期間にわたり経営が継続され 時々追加資本を求めて証券市場で資金調達を行っている企業である 小規模の鉱山生産 探査企業 Junior Miners 探査事業を行うジュニアと似ているが 操業鉱山を所有し 操業から得られる資金を探査事業に投入している こうした企業のめざすものは 将来のコア事業となる大規模鉱床の発見を行うことである この主の企業は 少数のプロジェクトを操業していることから コモディティー価格リスク 為替リスク等にさらされており その社運は様々である 論理的に

45 は 経営に行き詰まった場合 操業をやめるか 操業鉱山を売却して 探査専門のジュニアに戻ることも可能であるが 一般的には鉱山業からのキャッシュフローが途絶えるとすぐ 管財人の管理下に入るか 吸収合併の対象となっている しかしながら 成功した探査成果を持つジュニアの場合 10 年または 20 年ほどは 売却資産に付随しているロイヤルティ収入等が得られる場合もある 中規模の鉱山生産 探査企業 Mid-sized Miners 基本的には経営のコアとなる生産鉱山を持つ企業であるが ここ数年 オーストラリアではこのカテゴリーに入る企業数は減っている これは 長期にわたる資源業界の下降局面 2003 年までの歴史的な豪ドル安と 世界中で M&A 活動が活発な時期が重なり 外国企業によるオーストラリアの中規模企業の買収がしやすい状況が起きたからである Pasminco の例に見られるように 中規模企業の為替ヘッジの失敗にも起因している 中規模企業の消滅が業界に及ぼした影響は明確ではないが 外国の鉱業企業はますますグローバルな戦略を実施するので ローカル ( つまりオーストラリア ) での探査に対する投資が減少する可能性のあることを示唆している 大手企業 Majors BHP Billiton Rio Tinto Anglo American 等を含む少数の国際的企業である これらの企業もグローバルな投資家 ファンド マネージャーの投資対象として より魅力的になれるように事業規模の拡大に努力している 2001 年の BHP と南アフリカの Billiton の合併は ヨーロッパ ロンドン証券取引所からの資本参入の要望に起因する こうした大手企業は 幅広いコモディティー分野で グローバルな資産を持つ非常に多様化した鉱業企業である BHP はオーストラリアで誕生した企業であるが 現在はグローバルなオペレーターである 経営拠点を複数の国に分散し 高収益な事業を展開し この利益を探査と買収に投入して継続的に成長を行っている こうして大手企業は社内に探鉱を行う能力を有しているが 現在ではほとんどの場合 探査事業を単独では行わない BHP Billiton では 多くの信頼性のある優良なジュニアと組み 探査リスクを低減化し 効率的な探鉱投資を行っている 鉱業業界の働き How the industry works 情報 Information 情報は探査事業における最重要要素である 国内の多くの地質調査機関によって 競争前地球科学情報が整備され この中には過去の探査事業で得られた膨大な蓄積データが含まれている こうして良質の情報が低料金コストまたは無償で入手可能である このような情報の多くはインターネットでも入手できる ( 情報の詳細については第 7 章参照 ) 地球科学情報とともに特にビジネスチャンスに関する産業情報や経営情報も重要である 情報収集の最良の方法は 個人的ネットワークや業界の会議 イベントで情報交換をして入

46 手できる また 一般情報から特殊な情報までを掲載した政府 民間の様々な出版物もある Mining News のようなインターネット上の一般的な情報誌もよく読まれている Minmet ( のように商業的なデータベースもあり 企業動向 開発権 生産動向情報等の過去から現在にいたる情報を得ることができる 資源開発産業では 情報をいかに早く入手できるか そしてそれに基づく意思決定のスピードが成功への大きな鍵である したがって 企業が成功するには 情報源に対する理解を高め ネットワークを広げ 情報に基づく意思決定を迅速に実行できるような内部体制を構築する必要がある これは オーストラリアの鉱業環境で操業する日本企業が挑む必要のある最大の課題であるとかんがえられる 探査鉱区 Mineral Tenements オーストラリアでは 探査鉱区は容易に取得することができる 多額の資本も必要なく 比較的簡単な条件で 誰でも探査事業を始めることができる また 探査鉱区は一定の条件のもとで自由に売買できる 各州 準州の鉱業所管省は 鉱山開発の初期段階での探査事業者の役割を理解しており 事業者が事業に真の関心を持ち これを実現させていく限り 関係者間での探査鉱区取引きを妨げることはない 先住民所有地における一部の例外を除き 探査鉱区及び採掘鉱区は譲渡可能である このような開発権の自由な取引環境は 円滑な事業推進を可能とし 投資家や企業は技術的 専門的な分野に専念し事業を推進することができる プロジェクトフェーズ Project phases 探査事業のプロセスは幾つかの段階に分けることができるが 情報に基づいた案件発掘段階から資本に依存した生産段階まで 下記のような一連のフェーズがある 案件発掘 ( 情報収集 ) 初期探鉱 Pre-FS FS 調査 建設 操業生産大規模鉱業企業では こうした探査フェーズ全体を企業内で実行できるが 最近では探査事業をアウトソーシングする傾向が強くなっている Rio Tinto や Anglo American 等のグローバル企業は 案件発掘から 探査 開発 生産への過程を企業内で独自で行う傾向にあるが BHP Billiton のような企業では 独自で探査を実行するより 小規模探査企業 ( ジュニア ) 等を活用して探査事業を進めている このような企業アプローチに定型の進め方はなく 常にフレキシブルに状況に対応しながら事業を推進することが大切である 案件発掘段階は 特に知識 情報 迅速性に依存するところから しばしば個人またはジュニアがこのフェーズで活躍している 重要なことは 獲得可能な探査プロジェクトに関す

47 る知識 そのプロジェクトの有望性の評価能力 ならびに試すい調査調査ターゲットを抽出する能力等である 多くの場合 こうした案件発掘にかかわる小規模な探査事業者は 試すい調査まで実施することはない この段階での作業の多くは 机上の詳細なデータ分析である また この段階では 岩石試料採取 化学分析 トレンチ (costeaning) 等に限られている場合もある また この様な初期段階で土地アクセス問題を解決することも重要である 初期探鉱 Initial Exploration 基礎的なデータ分析を基に対象地域が絞りこまれ 予備的な調査が実施された後 対象地域の全域または部分的に探鉱を進めるか または事業計画を断念するかの意思決定がなされる 一部の有望性のある部分についてのみその後の探査を進める場合 鉱区の一部を放棄するか第三者に売却する 探査は その都度 探査結果を検討して少しずつ進められる それぞれの段階に要するコストは 企業規模 鉱床の有望性よって異なる 一例としては 一般的に 1 シーズン 25 万豪ドル程度が 広域的な試すい調査 試料分析にかかる この段階で 事業をそれ以上推進する価値があるかどうか決められる 開発可能性 Feasibility 開発可能性の検討は 探査プロジェクトの実施中において継続して行われる 探査がやや進んだ段階で 試すい調査 地質調査の評価と簡単な市場調査を含めた Pre-FS 調査が実施されることがある さらに最終的な融資審査のためにバンカブル FS 調査 (Bunkkable Feasibility Study : BFS) によって 開発可能性が評価される こうしたプロジェクトの評価をどのように行うかは事業者によって異なるが 探査フェーズでのリスクの高さから 一般的にはプロジェクトの進捗を詳しくモニターし 探査目標 手法等の見直しを行い ファイナンシャルリスクを最低に抑える努力を行う JORC 規程 (p37 参照 ) に沿った鉱物資源量 鉱石埋蔵量の報告を可能とする十分な量の試すい作業を行った時点で BFS が実施され 開発まで進むかどうかの判断が行われる こうした最終段階の評価作業では 鉱山開発に必要な資本金は金融機関から融資されるところから Bankable という表現が使われる この段階になると 一般投資家や株主も投資意思決定に必要な正確な情報を必要としている ファイナンス及びディールメーク Financing & Deal Making 探鉱及び鉱山開発事業は高いリスクを伴い 継続的に発生する探鉱資金の調達は常に大きな課題である しかしながら オーストラリアにおいては すでに発達した鉱業活動を背景に 市場の状況にもよるが探鉱資金が調達できる確立した環境が整っている 探鉱資金を十分に持たない小規模の企業は 探鉱の各段階及び対象となる鉱区の有望性に応じてファイナンスの調達が可能である 探鉱が始まったばかりの時期において しばしば個人の実業家ま

48 たは個人を集めた小さなグループが融資を行っている 多くの場合 鉱区権はこのような人々がわずかなコストで取得し 元手 (seed money) は 既存データや現場での基礎的な調査から得られたデータを検討するために使われる こうした探鉱活動のすべての例に当てはまる決まったビジネスモデルはなく 関係者次第によってビジネスアレンジメントは異なるが 基本的には対象鉱床の価値に対して合意を形成することである 一般的には対象鉱床の有望性に見込みがあると判断された時点で 共同事業者を捜し その共同事業者が鉱区の探査をさらに進めるか または権益と引き換えに更なる探鉱資金の投資を行う 合意された探鉱プログラムが終了した後 成功の見込みが依然継続している場合 最初の事業所有者はさらに自身の権益シェアを減らし スポンサーとなる共同事業者が追加投資を行う場合もある また他の方法としては 鉱区権を他の企業に売却し その代わりにその企業の株を取得したり その鉱区から開発された生産物の製錬ロイヤルティ ( 開発された金属の価値に対する一定の割合 ) に関する権利を取得したりする このような戦略は 買収企業が開発のさまざまな段階にあるいろいろな鉱区を有することが多いので 最初の事業所有者の探鉱リスクを減らす 同様に 事業者または鉱区権所有者が 複数の鉱区をパッケージとしてまとめて 証券取引所での新規株式公開 (Initial Public Offering:IPO) によって資金調達を行うこともある こうした場合 一般的には こうした事業の発起者は プールファンドやベンチャー投資者のような 有力な投資家を一人ないし二人持っており 彼らが上場に必要な株数を準備し 小規模の投資家による信頼性を向上する IPO が成功すると 新しく上場された会社は上場ジュニア探鉱企業となる こうして集めた資金が使われると ジュニア企業の役員は証券取引所において 追加投資を新株発行または新株引受権発行等の方法で求める しばしばジュニア企業は 他のジュニア企業または主要鉱山企業と戦略関係を強め リスクをさらに低くするよう努める このような理由から ジュニア企業の大半がジョイントベンチャーの対象となるポートファリオのみならず 他の企業がジョイントベンチャーとして参入できる鉱区を持っている 前述のように 探鉱産業では意思決定のスピードが非常に重要である 通常は初期探鉱段階の交渉は公式の場では行われない 個人的な交友関係や業界での評判が重要であり そこから生まれる高度な信頼関係に基づく暗黙のビジネスルールが基本となる 高いプロジェクトリスク及びリスクシェアリングの必要性が認識される場合 一回の会議で決断がなされる場合もある これに対し 鉱物資源量の姿が明らかとなり プロジェクトが確実な価値を持つこととなった場合 開発プロセスはより公式なものとなる 銀行あるいは特殊な投資企業は 探鉱初期段階では 個々のプロジェクトに対する高額な融資を行うことはないが バランスの取れた投資ポートフォリオを維持するため 通常は 複数の探鉱企業の資本シェアを所有している しかしながら 事業が進む過程で金融機関の役割が重要となってくる プロジェクトの有

49 望性が明らかとなってくると 探鉱企業は プロジェクトの実行可能性を証明するためにバンカブル FS 調査 (Bankable feasibility study:bfs) を実施する BFS は プロジェクト開発に対する資金融資の基礎となるもので 厳格な審査に耐える必要がある これに対し銀行及び投資企業は 独自のデューディリジェンス (Due Dilligence) 調査を行い FS におけるデータと仮定条件の全てを検査し検証する こうした審査に合格して初めて 事業の開発に青信号が発信される可能性が強くなる 事業規模によっては 単独の投資機関または企業が事業に資金提供を行うこともある 大規模な事業になると 一般的に金融機関と鉱山企業がコンソーシアム ( 共同企業体 ) を組んでリスクシェアを行う

50 2 探鉱 採鉱の監督管理 Administration of Exploration and Mining 2.1 鉱業に関係する組織 Mining Bodies 連邦政府関係官庁 Commonwealth Government Agencies 連邦政府には 鉱業活動に直接関連した機能を有する官庁 または間接的に支援する官庁がある 多くの場合 これらの官庁が 海外投資者の最初のコンタクト窓口となる オーストラリア政府のホームページには充実した情報が整備されており 容易にアクセスし情報収集が可能である オーストラリア政府のエントリー ポイントとなるホームページは URL: である オーストラリアは連邦制であるために 連邦政府機関はビザの取得 外資投資申請の許可 遺産保護 環境 ( 国際条約関係 先住権等 ) 等国家レベルの政策を所管しており 事業活動に直接関係する協議 許認可手続き 監督業務等は各州 準州政府関係機関が所管している 産業観光資源省 Department of Industry, Tourism and Resources : (DITR) 産業観光資源省 (DITR) の所管事項は オーストラリア政府が掲げる経済成長の 3 つの主要ドライバーである革新 投資 国際的競争力をを構築するための各種産業政策やビジネス援助プログラムを開発し実行することである このような政策やプログラムは オーストラリアの製造部門 資源部門 サービス部門における国際競争力 革新的技術技能やインフラの開発 海外投資の促進を目標としている 外務貿易省 Department of Foreign Affairs and Trade: (DFAT) 外務貿易省 (DFAT) は連邦政府政策に沿った貿易政策 外務政策を所管し オーストラリアの国益を国際的に高めることを目的としている 外務貿易省の役割は下記のようなものが挙げられる オーストラリアの安全保障強化 オーストラリア経済 雇用の成長及び生活水準向上への寄与 オーストラリアの国益を高めるグローバルな協力関係強化 海外のオーストラリア人居住者 旅行者への支援 オーストラリアの外務貿易政策に対する国民への啓蒙 国際的宣伝

51 多文化移民先住民関係省 Department of Multicultural, Immigration and Indigenous affairs:(dimia) 多文化移民先住民関係省 (DIMIA) の所管事項は 他文化 出入国 先住民関係に関する以下の分野を含む 外国人の出入国 滞在 国境移民管理 移民人道的入国者の定住に関するアレンジメント ( 移民者の子弟教育を除く ) 市民権 民族関係 多文化関係 先住民及び和解問題 DIMIA は 合法的入国や滞在を通じてオーストラリアの社会及び経済の発展に寄与し オーストラリアの市民権や文化的多様性を監視し 移民者が公平に参加できる社会を構築する 環境遺産省 Department of Environment and Heritage(DEH) 環境遺産省 (DEH) は 自然環境 文化的遺産を含む環境保護及び保全に関する事項を所管している また環境遺産省は 業界団体 企業 地域社会 州 準州政府と協力して 大気保全 産業界の環境パフォーマンスの改善を推進している 自然及び文化的遺産の保全 評価のために 環境保護及び生物多様性保全法 1999(Environment Protection and Biodiversity Conservation Act 1999) を含む環境関連法規の管理 実行を所管している また オーストラリアが加盟している国際環境条約に関することも所管している 外国投資規制委員会 Foreign Investment Review Board(FIRB) 財務省 (Treasury) の外局外国投資規制委員会 (FIRB) は 外国企業によるオーストラリアへの直接投資申請 ( オーストラリア企業の吸収合併を含む ) 受け オーストラリアの国益に適っているかを審査する FIRB は審査及び助言を行い 最終決定権限は財務大臣が持つ

52 オーストラリア統計局 Australian Bureau of Statistics: (ABS) 財務省 (Treasury) の外局オーストラリア統計局 (ABS) は オーストラリアの公的統計機関である ABS は 種々の経済指標 統計 産業動向に関する調査 調査データの編集 統計作成ならびに解析を行う ABS は 良質 客観的 迅速な国家統計情報の提供を行い 連邦政府 地方自治体等における政策立案 意思決定等に資する ABS 発行の諸情報には鉱業セクターにおける州別総生産寄与度 雇用動向 生産性 投資動向 経済パフォーマンス 金属輸出寄与度 探査投資動向等 30 がある 連邦海外投資促進庁 Invest Australia 産業観光資源省 (Department of Industry,Tourism & Resources:DITR) の外庁 Invest Australia はオーストラリアの事業プログラム ビジネスに対する海外の投資を奨励し支援する目的で設定された Invest Australia は外国投資者を適切な産業 政府関係者に紹介するとともに 政府の規則 条件に関する情報を外国投資者に提供する 2003 年 7 月 Invest Australia は Axiss Australia と統合された Axiss は 1999 年に オーストラリアをアジア地域でのグローバル金融サービスの中心として位置づけるために連邦政府によって設立された組織である オーストラリア地球科学研究所 Geoscience Australia:( 旧 AGSO) 産業観光資源省 (DITR) の外局 Geoscience Australia(GA) の前身は Australia Geological Survey Organisation (AGSO) で オーストラリアの地球科学 地下資源 自然災害等を研究する専門機関である 質の高い地球科学情報提供によりオーストラリアの経済 社会 環境等の発展に貢献することを目的としている GA は連邦政府機関として 陸域及び沿岸海域 ( 各州所管沿岸域外の経済水域 ) における地球科学情報を所管する 北西大陸棚等オーストラリア経済水域での石油 天然ガス開発事業の管理も GA の所管事項に含まれる

53 オーストラリア農業資源経済局 Australian Bureau of Agricultural and Resources Economics(ABARE) オーストラリア農業資源経済局 (ABARE) は 連邦政府機関であると同時に 独立した中立的な調査分析機関としての機能も有している ABARE は 農業 資源 エネルギー分野の大規模なデータベースを保有し こうした産業分野における経済分析 経済予測を行っている 連邦科学産業研究機構 Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation:(CSIRO) 連邦科学産業研究機構 (CSIRO) は 教育科学訓練省 (Department of Education, Science & Training; DEST) に所属する世界最大級の総合的科学研究機関である CSIRO の所管範囲は 鉱物資源探査開発 加工 生産分野の他 生物 環境 エレクトロニクス等と広く これらの分野で革新的な技術開発を行っている この他 科学出版物の発行 委託調査の受注 メディア発表に加えて 各産業界での作業部会 セミナー 専門家による出版物等を介して情報やノウハウを提供している CSIRO は 連邦共同研究センター (CRC) プログラム 31 に参加している単一機関としては最大の機関である 共同研究センター (Co-operative Research Centres:CRC) 共同研究センター (CRC) プログラムは 90 年に オーストラリアの研究開発を効率的に推進するために開始された 連邦 州 純州政府機関 CSIRO オーストラリア地球科学研究所等の研究機関 大学 民間企業等による強力な研究協力体制の構築と促進を図るものである 海外の諸機関 企業も CRC に参加できる CRC は産業界の技術開発ニーズから発生するテーマについて研究を行い その成果となる知識や技術を産業界にフィードバックする 一般的には一つの CRC プロジェクトは 年間予算 7 百万豪ドルで 通常 7 年間にわたって実施されるが 更新は可能である CRC は 2 年毎に行われる競争性の高い選択サイクルを基盤に設立される CRC のコンセプトはオーストラリア特有のもので 大きな成果を納めている 現在 様々な分野で 71 プロジェクトが実施されている 新規の CRC プロジェクトは 下記のクライテリアによって採用される 1. 産業界からのニーズ及び戦略的目標 2. 持続可能な経済及び社会開発への貢献 3. 研究の質 - 目的との関連性 4. 研究の商業化及び利用性

54 5. 教育及び訓練 6. 研究協力体制の構築及び連携 7. 経営資源及び資金調達 8. プロジェクト管理及び体制 9. パフォーマンス評価 CRC プログラムは 大きくは 6 つの産業分野で実施されているが 鉱業エネルギー分野では 現在 9 プロジェクトが実施されている 32 これらの CRC プロジェクトは 探査 採掘 加工 廃棄物処理 環境 化石燃料利用 地球温暖化等の広い産業分野をカバーしている 鉱業エネルギー分野のプログラムは以下のとおりである 湿式冶金技術 CRC(AJ Parker CRC for Hydrometallurgy:AJ Parker CRC) 温室効果ガス技術 CRC(CRC for Greenhouse Gas Technologies) 地形環境資源探査 CRC (CRC for Landscape Environments and Mineral Exploration - CRC LEME) 予測的鉱物発見 CRC (Predictive Mineral Discovery:pmd*CRC) 褐炭クリーンパワー CRC (CRC for Clean Power from Lignite) 持続可能石炭 CRC (CRC for Coal in Sustainable Development) 持続可能資源加工 CRC (CRC for Sustainable Resource Processing) 採掘技術 CRC (CRC for Mining) 炭酸ガス CRC (CO2CRC) 32 Heading=Information%20about%20CRCs

55 出典 : 図 6 鉱業エネルギー分野の CRC プロジェクト 湿式冶金技術 CRC(AJ Parker CRC for Hydrometallurgy) AJ Parker CRC は 2002 年よりパースで開始され 世界の先端を行く湿式冶金に関する研究を行っている 鉱物から金属を抽出する方法には湿式冶金技術と乾式冶金技術があるが AJ Parker CRC では アルミナ 金 亜鉛 ニッケル 銅 ニ酸化マンガン ニ酸化チタニウム等含む金属及び化合物の湿式冶金技術による回収技術を研究する オーストラリアの資源開発産業において 湿式冶金技術の重要性は今後益々増加するとみられる 湿式冶金プロセスは 一般的に資本集約的であるが 寿命が長い特徴を有する AJ Parker CRC では産業界と協力して 新規プロセスを開発するのではなく既存プラントを利用し 処

56 理コストの低減 生産性向上 プロセスコストの低減に焦点をおいている 地形環境資源探査 CRC CRC for Landscape Environments and Mineral Exploration (CRC LEME) CRC LEME は CSIRO オーストラリア地球科学研究所(Geoscience Australia) カーテン工科大学 オーストラリア鉱業協会 (MCA) NSW 州鉱物資源省 ( 現一次産業省 ) SA 州一次産業資源省 オーストラリア国立大学 (ANU) アデレード大学等が参加する共同研究プログラムであり 当初 1995 年に第 1 フェーズが開始され 2001 年 7 月からは第 2 フェーズが開始された レゴリス (Regolith) の研究を通して 鉱物資源管理や探査に関連する技術課題に取り組むものである レゴリスは 自然の風化 削剥 運搬作用よって生じた岩石 堆積物 土壌 生物遺骸等の表層風化残留物のことで 主要テーマとして 空中物理探査手法による被覆層 (>100m) 下の鉱物資源探査技術 レゴリスの環境的研究による乾燥地域での塩害問題等がある 予測的鉱物発見 CRC CRC Predictive Mineral Discovery (pmd*crc) pmdcrc.com.au 予測的鉱物発見 CRC(pmd*CRC) は 2001 年 7 月に設立された 鉱床生成プロセスの総合的な理解と鉱床生成場所での地質変遷の 4 次元的な解析によって 実践的かつコスト効果の高い革新的な探査手法の開発を目的としている オーストラリアでは探鉱段階が成熟段階に入っており 高品位 大規模鉱床を発見することは非常に困難になってきている 過去 30 年間 世界的な新規鉱床の発見率は横ばいであるが 探鉱投資は 3 倍に増えており 探鉱事業において新鉱床発見の投資効率は確実に下がっている こうした現状をふまえて pmd*crc は探査手法の革新をめざして産業界と研究機関が協力して実行している 持続的資源加工技術 CRC CRC for Sustainable Resource Processing(CSRP) 持続的資源加工技術 CRC(CSRP) は 鉱物資源の採掘 製造サイクルにおける廃棄物 排出削減 エネルギー 用水消費の節約 ビジネスパフォーマンス 社会期待度向上を目的として 2003 年に設立された CSRP の目的は以下のとおりである 資源加工産業が直面する持続可能な開発に関する課題に向けて 効率的 創造的 世界的な技術的方策を結集する

57 生態系に与える影響が小さい持続可能な鉱物資源処理 金属生産技術の現実的な展望を創生し その目標へ向けた分析フレームワークを開発する 既存の鉱物資源処理 金属製造産業における総合的エコ効率を推進する 鉱物資源処理及び金属生産分野が重要な位置を占める鉱物資源産業集約地域及び複雑なサプライチェーンのエコ効率を高める 鉱物資源処理及び金属生産分野における廃棄物 排気ガスのゼロエミッションを達成できるようなブレークスルー技術を開発する 持続可能性に対する理解と優良技術を持ち将来の管理者 技術者として活躍できる優秀な学卒者 産業専門家を育成する 学際的な産学官を結び 共通目標に対し協力するネットワークを構築する 採掘技術 CRC CRC for Mining 採掘技術 CRC は 革新的な採掘システムを開発 導入して オーストラリアがこの分野での世界的リーダーになれるように研究 開発を推進する目的で 1991 年に設定された 技術開発上の留意点は下記の 3 点である ( ア ) 経営リスク ( イ ) 安全性 ( ウ ) 採掘作業の経済的パフォーマンス採掘技術 CRC の目標は 採掘作業に大きな改善をもたらす新技術 プロセスの開発 開発規模, 特徴に即した現実的かつ最短期間での改善を実行することである 採掘技術 CRC には下記のような 3 つの研究プログラムがある 1 Smart Mining Machines: 岩石特性及び機器パラメーターに関するデータ収集用ハードウエアを機械レベルで新規に開発する 2 Smart Mining Systems: アプリケーション用データから 重要な情報を取り出す機械及びシステムレベルでのソフトツールを開発する 3 Step-Change Mining Systems: 採掘システムを画期的に改善することを念頭に 新しい技術の可能性を見直し 新しい装置を開発する 業界団体および機関 Industry Groups and Organisations 鉱物資源産業の利害関係者を代表する業界団体があり 所管官庁へのロビイング 業界共通ガイドライン 規則 倫理規程の策定等を行う 業界団体への加盟は義務付けられていないが 加盟企業の地位 評価の向上には業界団体への加盟が必要である こうした業界団体に加盟していない ガイドライン 規則遵守を行っていない場合 プロフェッショナル精神が欠如した企業とみなされることもある 主要な業界団体には下記のようなものがある

58 オーストラリア鉱業協会 (MCA) The Minerals Council of Australia オーストラリア鉱業協会 (MCA) は オーストラリアにおける鉱物資源の探鉱 採掘 処理を行う企業を代表する全国組織である MCA 会員企業は オーストラリアの鉱物生産量の約 85% を占めている 持続可能な発展に資するために MCA は環境管理規程の策定及び管理を行っている また最近では 永続的価値 (Enduring Value the Australian Minerals Industry Framework for Sustainable Development) に関する小冊子を発行した 永続的価値は 国際採鉱冶金協会 (ICMM) の持続的発展のための枠組み原則及びその実際的な応用に関するグローバルな産業イニシアチブ及びガイダンスである 小冊子のオンライン版のアドレス : 各州 準州鉱業協会 State Chambers and Councils 各州 準州には 鉱物資源及びエネルギー開発産業を発展 保護 代表する鉱業協会があり 業界の重要事項の決定 実行のための中心的な組織として 関係官庁 地域社会等と連携を保ちながら業務を行っている 鉱業協会の設立主旨は 鉱物エネルギー資源産業が 国際競争性と地域社会期待を保ちながら 次世代のための資源を確保しつつ 安全で収益性のある環境責任を維持するための支援及び理解を確保することである 各州 準州鉱業協会の一覧は表 9 のとおりである State Qld 州 WA 州 NSW 州 SA 州 Tas 州 NT 州 Vic 州 表 13 各州 準州鉱業協会 33 Minerals and Energy Chamber/Council クイーンズランド資源協会 (Queensland Resources Council) 西オーストラリア州鉱物 エネルギー協会 (Chamber of Minerals and Energy WA) ニューサウスウエールズ鉱物協会 (NSW Minerals Council) 南オーストラリア州鉱物 エネルギー協会 (South Australian Chamber of Mines and Energy) タズマニア鉱物協会 (Tasmanian Minerals Council) 北部準州鉱物協会 (Northern Territory Minerals Council) ビクトリア州 ( 鉱物 エネルギー協会 )Victorian Minerals and Energy Council DEA0026F81E-F0ACA7A393E3D7B94A2567A5002F521C?open オーストラリア首都特別区には存在しない

59 オーストラリア地球科学者協会 (AIG) The Australian Institute of Geoscientists オーストラリア地球科学者協会 (AIG) は オーストラリア全国の地球科学分野に従事する技術者の技能 資格 公的理解を促進することを目的とした非営利団体である AIG は 資源開発をベースとする伝統的な地球科学産業の内外における 専門性開発 雇用機会促進に関する技術移転と認識のために 広い分野をカバーしている AIG 会員は AIG 倫理規程及び公開報告に関する JORC 規程に拘束される 大洋州鉱業冶金協会 (AusIMM) The Australasian Institute of Mining and Metallurgy 大洋州鉱業冶金協会 (AusIMM) は 鉱物資源の探鉱 採鉱 処理等の産業に関係する専門技術者の利害を代表する全国組織である 職業的専門性の向上 (Enhancing Professional Excellence) に焦点を絞り 大洋州地域全域ならびに増加傾向にあるその他世界各地の会員のネットワークに所属する 7 万 5 千人以上の会員に対し 貢献度 関連性の高い継続プログラムの作成に取り組んでいる AusIMM 会員は VALMIN 規程 JORC 規程等の管理規程に拘束される 鉱業探鉱企業協会 (AMEC) Association of Mining and Exploration Companies 鉱業探鉱企業協会 (AMEC) は 主に探鉱分野における諸問題に対処するために探鉱企業を代表する全国組織の一つである AMEC は 会計 管理 会員サービス及び各委員会等を通して 会員企業に アドバイス及び専門情報を提供するとともに 業界を代表して政府の政策への提言等も行う AMEC は 会員企業の事業環境に影響する先住民 環境 技術 税制等の外部問題に焦点をあわせている オーストラリア金評議会 The Australian Gold Council オーストラリア金評議会は 1998 年に オーストラリアの金生産産業の国内及び海外でのプロフィールを高め 投資環境開発 能力を最大化する目的で設定された

60 オーストラリア石炭協会 (ACA) The Australian Coal Association オーストラリア石炭協会 (ACA) は オーストラリアの石炭の 98% を産出する NSW 州および QLD 州の生産者を代表する業界団体である オーストラリア鉱業研究協会 (AMIRA) Australian Mineral Industry Research Association オーストラリア鉱業研究会 (AMIRA) は 鉱業関係企業が必要とする産業技術の共同研究開発を管理する組織である 会員企業は AMIRA が管理するテーマ毎に設置されている研究開発プログラムに対し共同研究者として参加する 参加企業のメリットは開発された先端技術へのアクセス 使用権を容易に得ることができ それぞれの企業競争力を高めることができることである オーストラリアアルミニウム評議会 Australian Aluminium Council オーストラリアアルミニウム評議会は オーストラリアのアルミニウム生産者を代表する業界団体である 下記の産業分野で事業を行っている企業がカウンシルの会員となっている ボーキサイト採鉱 アルミナ精製 アルミニウム金属生産 アルミニウムの中間加工生産及び流通 オーストラリアステンレス鋼開発協会 (ASSDA) Australian Stainless Steel Development Association オーストラリアステンレス鋼開発協会 (ASSDA) は オーストラリアにおけるステンレス鋼の消費促進のための業界団体である 1992 に設立され 海外の精製錬事業者 保管 流通 技術コンサルタント ユーザー サービス提供者等約 200 社の会員企業を代表する

61 2.2 鉱業法と政策 規制及び鉱区管理 Policy, Regulation and Tenement Management 鉱物資源及び石油資源の開発のための基本的な支援政策の内容は, 鉱物石油資源閣僚評議会 (Ministerial Council on Mineral and Petroleum Resources :MCMPR) によって定められる MCMPR の支援政策の目的は 鉱物資源及び石油資源の持続的発展を促進し 国益を増進することである MCMPR は 2001 年 6 月に前身の豪州ニュージーランド鉱物石油資源評議会 (Australian and New Zealand Mineral and Energy Council:ANZMEC) 34 の鉱物資源及び石油資源開発 ( 上流部門 ) を引き継ぐために オーストラリア政府評議会 (Council of Australian Governments :CoAG) によって設置された MCMPR は 連邦産業観光資源大臣及び各州 準州の鉱物石油担当大臣で構成される 鉱物資源探査アクションアジェンダ Mineral Exploration Action Agenda アクションアジェンダは 豪州政府の産業戦略の中核となるものであり 産業界のリーダーシップを育成すること 産業界が成長戦略を発展 優先事項についての合意 産業界の変革を約束することを手助けすることを目的としている このアクションアジェンダによって オーストラリア産業界の経済成長 生産活動 競争力を向上させることを目的とした政策や計画を強化する アクションアジェンダのひとつである鉱物資源探査アクションアジェンダは MCMPR の新しい所管事項であり 連邦下院工業資源委員会が実施した探鉱阻害要因調査 (Resources Exploration Impediments : 通称 The Prosser Report) 35 に続いて 2004 年 7 月に開始された 鉱物資源探査アクションアジェンダは 豪州における鉱物資源及び石油資源の探鉱活動を阻害する要因について調査を行ったもので 以下の内容を含んでいる 36 1 土地アクセス戦略 Land Access Strategy 先住権 文化遺産 自然遺産及び持続可能な発展に関し 利害関係者と効果的な関係を維持し 産業 地域社会 政府に効率性と確実性を提供する 2 財政戦略 Finance Strategy 探鉱資金の調達に影響を与えている最近のグローバルな経済情勢及び鉱業界の構造的変化についての検討 探鉱投資資金 特にグリーンフィールド向け探鉱投資資金を豪州内外で調達するための企業の効率的競争に対する阻害要因を検討する 3 競争前地球科学情報戦略 Pre-competitive Geoscience Strategy 全国的なプロトコル 標準 システムによる競争前地球科学情報の改善を通じて 望ましい探鉱投資及びコスト効率による鉱物資源発見を促進する CFTOKEN=

62 4 人材育成及び知的資本戦略 Human and Intellectual Capital Strategy 探査分野の継続的技術革新を支援するための 政府及び民間による研究開発体制を維持する 5 実行戦略 Implementation Strategy アクションアジェンダ実施のための業界団体を設立する 鉱業法 Mining Law オーストラリアの鉱物資源の所有権は 国民の代理としての連邦政府及び州 準州政府に帰属する 探鉱権及び採掘リース権は 一般地域社会の代理人として州 準州政府によって 事業者に許可される それぞれの各々の政府の使用するプロセスや用語は多少異なっているが オーストラリア全国を通じて 環境保護 保全及び開発目的等の必要要件に対する要求レベルに大差は無い 鉱物資源の管理 開発権リース等は各州 準州政府機関の所管事項である 各州 準州政府は 各州の鉱業法及び行政システムの概要をまとめたガイドブックを発行している 各州にはそれぞれの鉱業法が制定され 探査権の許可 採掘権リースの許可 その他土地所有者の権利を保護する内容を含んでいる また各州 準州はその他の関連法規 ( 先住権法 環境法等 ) を制定しており 探査 開発事業を始める前にこうした法体制を検討する必要がある 2.3 鉱業権の種類 Exploration and Mining Licence Types 初期探鉱権のライセンス Initial Exploration License 多くの州 準州は 探鉱ライセンスまたは探鉱許可の申請の対象となる探鉱方法や予算の詳細を記載した作業計画書の提出が必要である 作業計画書は 所管大臣が 申請者が探鉱計画を実行するだけの十分な資金及び技術力を有すると認定できるものでなければならない 所管大臣は特別な条件または制限を課する権限を有している 一般市民の参加 公告及び補償 Public Involvement, Notification and Compensation QLD 州を除いて 探鉱権申請があったことを一般市民へ公告することとなっており 一般には州政府の官報または地元紙に公告を掲載する QLD 州では 申請前に 土地所有者への通告及び所有者の許可に関する規定がある また同様に NSW 州でも事業者は探鉱事業を開始する前に土地所有者と土地アクセスに関する同意 ( 必要であれば鉱業監理人 (Warden) による調停 アクセスアレンジメントが必要 ) を得る必要がある

63 アクセスアレンジメントとは? アクセスアレンジメントとは 探鉱権申請者が探鉱作業を行う際の条件を規定した同意書のことで土地所有者との間で締結される 調停者 (Arbitrator) によって決定されることもある アクセスアレンジメントは下記の事項に関しての規定を定める 土地アクセスの許可期間 探査作業実施場所とその土地へのアクセス方法 探査作業の内容 探査実施にかかる作業条件 土地アクセス及び探鉱作業実施時の環境保護に関する遵守事項 探査作業に伴う補償金の内容 疑義が生じた場合の解決方法 アクセスアレンジメントの変更方法 その他アクセスアレンジメントに含める事項 すべての州 準州において 申請者は土地所有者に対して 地表へのダメージ 土地へのアクセス権利の制限 土地へのアクセス妨害 土地内の構造物その他の資産のダメージに対する補償金を支払う必要がある 補償金の金額は鉱物資源の価値に関係するものではない 州によっては Security Deposit または私有資産ボンド (Private Property Bond) を徴収し 土地使用によるダメージに対する補償金の確実な支払いを確保している WA 州 VIC 州 S A 及び NSW 州では 土地使用の制限 収入の損失及び社会的影響等に対する補償も必要である すべての州 準州において 土地所有者は諸権利の許可に対して異議を申し立てることができる 鉱区の大きさ Area Size 多くの州 準州政府は 探鉱許可対象地域を経緯線網単位 (graticular unit : 経度 1 分 x 緯度 1 分 ) を基準としている 経緯線網単位の 1 ブロックは 経度 5 分 x 緯度 5 分 つまり 25 ユニットとなる 探鉱権許可の対象となる最大規模は申請者によって 1 から 100 ブロックとさまざまである すべての州 準州で 所管大臣が申請書が有効であると判断した場合は より大きな面積の許可が可能である ユニットは サブブロック とも呼ばれる 許可期間 Time Period 探鉱権許可期間は 一般的には 2 年ないし 6 年で 更新時に面積を減じ (Relinquishments) なければならない 所管大臣は特別な場合 この条件を変更することができる 一般的に 更新時の減区面積は 当該探鉱権許可面積の 1/2 である 探鉱権申請のための申請料金は

64 州 準州によってさまざまである 詳細は表 14 に記載されている 評価リース / 保持ライセンス Assessment Lease / Retention License この種の権利には 評価リース (Assessment Lease) 保持ライセンス(Retention License) 探鉱保持ライセンス (Exploration Retention License) つなぎ権利(Bridging Title) 鉱物開発リース (Mineral Development Lease) 等がある これらの権利によって 探鉱権者は実際の採掘作業を開始しなくても権利を保持することができる 探鉱権保有者は 探鉱調査の大半が終了しているが 鉱床開発を行うことが十分に経済的ではないと考える場合 評価リースを申請することができる これは 一般的な経済情勢 鉱物資源価格の低迷 マーケット条件の悪化 抽出技術改善の必要性等の原因に起因する場合もある 評価リースによって 企業または個人が前述のような問題に対する調査 検討 FS 調査を行う間 その鉱区に対する権利を保持できる この間 鉱山計画 レイアウトの開発 環境影響評価の検討を実施できる 採掘リース Mining Lease ほとんどの州 準州で 誰でも採掘リースの申請をすることができるが 許可済みの探鉱権または保持リース権の保有者が優先される 申請者は 鉱山開発計画プロポーザルの概要を提出しなければならない 州によっては 申請者は Miner's Right を保有している必要がある 採掘リース権利の取得料金はさまざまであり 許可期間は 一定または無期限である Miner's Right とは何か? Miner's Right とは アマチュア採掘事業者 (Fossicker) や一般市民が 政府所有地で 標本採集または趣味の目的で小規模な探査を行うことを許下するものである 州によっては この権利は それに続く許可 / リースに先立って対象鉱区へのアクセスを許可する権利となる QLD 州では プロスペクティング許可 (Prospecting Permit: PP)) と呼ばれる PP には 1 区画の 州 料金 ($) 期間 SA 年 NT 100 生涯 Vic 年 WA 25 生涯 Qld DPP: PPP: ヶ月 土地のみに適用される区画プロスペクティング許可 Parcel Prospecting Permit(PPP)) またはある地域全般 (District) での探査が許可される地域プロスペクティング許可 (District Prospecting Permit(DPP) がある

65 TAS 州を除く全州で 採掘開始申請のための公告が必要であり 一般に政府官報または当該地域の地方紙に掲載される TAS 州では 申請者は採掘計画対象鉱区の区画に公式な申請標識を設置しなければならない 採掘申請書を提出する際 申請者は土地所有者や使用者を含め 一般社会に公告する必要がある すべての州 準州において 採掘リースの認可に対し異議申し立てを行う規定が制定されており 場所によっては地域コミュニティーでの公聴会に関する規定もある TAS 州で異議申し立てができるのは 対象となる土地の利害関係者か私有地所有者である ほとんどの州で 採掘作業が私有地にある居住地またはその他の利用地の周辺 100m~ 200m の範囲 (SAでは 400m の範囲 ) で行われる場合 事前に私有地の所有者または使用者の同意が必要となる 一般的に 採掘作業のための補償金の金額は 探鉱ライセンス申請の場合と同様な基準で支払われる 各州 準州での採掘権許可制度の詳細を表 14(1)-14(7) に示す

66 表 14(1) 探鉱権 / 採掘権の概要 (NSW 州 ) Exploration License (EL) 探鉱ライセンス 目的石炭以外の鉱物探査及び探鉱を許可するための権利 NSW Department of Primary Industries Minerals Minister: Kerry Hickey Legislation: Mining Act 1992 Assessment Lease (AL) 評価リース詳細な探査 さらなる調査 評価等を行うための権利の保持に関する権利 必要条件 探鉱ライセンスに基づき 鉱床の発見 が前提 面積 最小 1 ユニット 制限はないが 申請サイズが大きい場 最大 100 ユニット 合その説明が必要 最小 / 最大面積の条件はない Mining Lease (ML) 採掘リース権利保有者が特定のリース区域で採掘を行うことを許可する権利 経済的に採掘できる鉱物鉱床の存在の証明が必要 評価リース (AL) と同じ 2Ha 以下の場合 MC が適切 最小 / 最大面積の条件はない Mineral Claim (MC) 鉱物権 ( 小規模 ) 権利保有者が小区域の政府所有地 ( 居住目的のリースにある土地を除いた土地 ) において探鉱及び採掘を認める権利 2Ha 特定探鉱区域で可能な小規模面積 期間最長 5 年 ( 通常 2 年 ) 最長 5 年最長 21 年最長 5 年 費用 - 申請費 - デポジット $720 + $25 / ユニット石炭 $600+ $600/ km 2 1 ユニット :$ ユニット :$10, ユニット超 :$20,000 $1,800 石炭 $600+$1200/ km 2 石炭以外の鉱物 :$2,700 石炭 :$600+$6,000/km 2 必要 土地修復に要する費用による 調査方法地質 物理探査 地質調査 サンプリング 試すい トレンチング等立坑 坑道の掘削等 ; 地表での露天採掘 大臣がセキュリティーデポジットの金額を決定する Mineral Claim District (MCA) 内 : 別に定める 補償土地所有者は土地のダメージ 土地使用による消耗に対する補償金を受け取る権利がある 支出義務 1 ユニット :$5000/ 年 2-6 ユニット :$2000+$3000 ユニット / 年 6 ユニット超 :$20, / ユニット / 年 更新 - 期間 2 年間 - 費用 $120+$25/unit 石炭 $600/ km 2 条件更新毎に既存のライセンス面積の 1/2 を放 棄する 土地に立ち入る前のアクセス手配 リース / 権利の条件に従う 通常この条件は 公的 私的権利の保護 土地修復 支出及びその報告の義務 セキュリティーデポジットの支払い等を規定 更新有り 期間指定なし $600 更新有り 期間指定なし $1200 石炭 3600/km 2 石炭 1200/km 2 報告書提出の義務あり 申請後 21 日以内に土地所有者に書面に て通知 農業地の場合 土地所有者による反対の可能性がある 土地修復が必要 5 年以内 Mineral Claim District (MCA) 以外 :$150 (MCA) 内 : 別に定める 通知が必要 石炭以外の全ての鉱物が認可される 探鉱ライセンスに申請された鉱種による この表はグループ 1 鉱物に適応する 10 のグループがある

67 表 14(2) 探鉱権 / 採掘権の概要 (WA 州 ) WA Department of Industry and Resources Minister: Clive Brown Legislation: Mining Act 1978 Exploration License (EL) Retention License (RL) 探鉱ライセンス 保持ライセンス 目的 石炭以外の鉱物探査及び探鉱を許可するための 詳細な探査 さらなる調査 評価等を 権利 行うための土地保持に関する権利 必要条件 探鉱ライセンスに基づき 鉱床の発見 が前提 面積最大 70 ブロック州が特別に指定した面積を除く 最大 200 ブロック Mining Lease (ML) 採掘リース権利保有者が特定のリース区域で採掘を行うことを許可する権利 経済的に採掘できる鉱物鉱床の存在の証明が必要 Prospecting License (PL) 探鉱ライセンス ( 小規模 ) 小規模の職業的探査活動を促進するための権利 採掘者権利 該当なし 1,000Ha 200Ha 10Ha( 金の場合の最大面積 ) 期間 5 年 5 年まで 21 年 4 年まで 費用 - 申請費 - レント $950(1 ブロックの場合 $220) $101.42/ ブロック (1 ブロックの場合 $ ) $5000/ ブロック $540 $5.83/Ha $320 $13.42/Ha - デポジット 必要 - 事業内容による 必要 - 事業内容による 調査方法 地質 物理探査 地質調査 サンプリング 試すい トレンチング等 立坑 坑道の掘削等 ; 地表での露天採掘 $215 $1.87/Ha( 最低 18.70) 金 $18.70 $500/ ブロック 補償土地所有者は土地のダメージ 土地使用による消耗に対する補償金を受け取る権利がある 支出義務 $900/ ブロックであるが最低額は : 1 ブロック :$10,000 2 ブロック :$15,000 2 ブロック超 :$20,000 更新 6-7 年毎 :$50,000/ 年その後 $100,000/ 年 更新 - 期間 - 費用 条件 Conditions 5 年間ライセンスの更新が 1 回 2 年間ライセンスの更新が 2 回 その後 1 年毎に更新が必要 3,4 年目に対象面積の 50% を放棄する 更新済みのライセンスの場合 40% の面積を放棄する 掘削 開削量 1000t までとする 土地を掘削する道具の使用は探鉱ライセンスの申請書に記載のこと 確認済み資源の採掘が実行不可能な場合 EL の保留状態の認可が下りる 大臣が決定した認可済みプログラムによる $100/Ha 5Ha 以下の場合最低 $5 000 それ以上は $10,000 $40/Ha 最低 $2000 (PL に保持権がある場合 最低支出額は定められていない ) 更新あり 更新あり 4 年間ライセンスの更新が 1 回 ( 又 は 保留状態の PL に対して 4 年間ラ 年次報告書の提出義務 年次報告書の提出義務 土地を掘削する道具の使用は採掘ライセンスの提案書に含むこと イセンスの更新が 2 回 ) 掘削 開削量 500t まで 鉄鉱石の探査には大臣許可が必要 大臣の特別承認がない限り 土地を掘削する道具の使用は不可 確認済み資源の採掘が実行不可能な場合 EL の保留状態の認可が下りる

68 Exploration License (EL) 探鉱ライセンス 目的権利保有者が鉱物の探査活動を行うための許可必要条件既存 EL 保有者の同意がない場合に重複して申請はできない 面積最低 74 km 2 最高 2500 km 2 表 14(3) 探鉱権 / 採掘権の概要 (SA 州 ) Primary Industries and Resources SA Minister: David Blight Legislation: Mining Act 1971 Retention License (RL) 保持ライセンス EL 後に権利保有者がさらなる調査を行うための権利 Mining Lease (ML) Mineral Claim (MC) 採掘リース鉱物権 ( 小規模 ) 排他的採掘を行うための権利 クレーム区域内の探査 / 採掘の権利を与えるための所有権採掘業者権利 既存権利の対象土地であること 登録鉱物クレーム ; 過去にクレームがないことを鉱物登録支店で確認する EL と同じ 250Ha 250Ha 期間 1 年間 5 年まで 21 年まで 1 年 費用 - 申請 - 手続き - デポジット - レント $217 補償費用相当分必要 $4.40/ sq km( 最低レント $324) $481 $74.50 $74.50 $16.10/Ha ( 最低 $82.50) - 公告調査方法土地に損傷がある場合 その修復を含むライセンス条件 認可済み作業計画に従った方法 $74.50 $74.50 $31.75/Ha ( 最低 $82.50) 適切 / 必要性に応じた規律があり 技術的な方法 $28.50( 登録費 ) 機械類 爆発物の使用は不可 補償経済的損失 損傷 困難 不都合が生じた場合土地所有者に支払う 支出義務年間 $30,000 + $97 per km 2 更新 - 期間 - 費用条件 Conditions $5000 相当まで四捨五入する 5 年まで ( その後 再申請が必要 ) $74.50 $74.50 統括報告書の提出 ( 年 1 回 ) 要約報告書の提出 ( 年 2 回 ) 要求に応じ報告書とサンプル提出の義務 土地放棄の必要性はないが 契約に反している場合 土地放棄を実施する リース / 権利の条件に従う 通常この条件は 公私利益の保護 土地修復 支出義務及びその報告の条件 security deposit の提出等を規定する 21 年までとする $74.50 除外地 : 所有者による 除外 の同意があ る場合を除き 家屋から 400m 以内又は水源地から 150m 以内にあるフィールド 保護林 土地 権利及びリースについて最低作業時間が 100 時間 / 月に達しない場合 権利は失効する 更新不可 禁止事項 : 採取された鉱物を商業 / 産業目的で使用すること ;1t 以上の物質の採取 ; 採取物質の販売 / 廃棄

69 Mineral Claim (MC) 鉱物権 目的鉱物採取の探鉱 採掘 探査又は観光目的での採取を行うための権利 表 14(4) 探鉱権 / 採掘権の概要 (NT 準州 ) NT Department of Business, Industry and Resource Development (Mines & Energy) Minister: Kon Vatskalis Legislation: Mining Act (Northern Territory) 1990; Aboriginal Land Rights Act (Cth) 1976 Exploration License (EL) 探鉱ライセンス Exploration Retention License (ERL), Bridging Title 探鉱保持ライセンス ブリッジングタイトル 鉱物探査のための権利 経済的に実行可能になるまで区域権利 を保持する権利 FS 調査を実施する権利 Mineral Lease (ML) 採掘リース 採掘実施及び / 又はインフラストラクチャーの建設 必要条件事業者の権利観光目的の採取は土地所有者の合意が必要 最大面積 40 ヘクタール 500 ブロック 1 ブロック = 約 3.22 km 2 採掘者権利事業者の権利 EL の保有鉱床の証明 / 異常帯の捕捉 4,000HA 4,000HA 事業者の権利 EL 又は ERL の保有鉱床存在の証拠土地が利用可能先住民所有地の場合 EL の保有が義務 期間 10 年まで 6 年まで 5 年 25 年まで 費用 - 申請 - レント $50 $11/Ha - デポジット 必要の可能性あり - 公告 $280(+ $150 先住権対象土地の場合 ) 調査方法 鉱物資源の開発又は観光目的の採取事業 を設立するために必要な活動 $200 1 年目 2 年目は $11/ ブロック その後毎年レントは倍額となる 必要の可能性あり $280(+$150 先住権対象土地の場合 ) $100 $11/Ha 必要の可能性あり $280(+$150 先住権対象土地の場合 ) 地質 / 物理 / 地化学探査を行う 冶金試験 FS 調査 環境調査 市場調査 エンジニアリング & 設計 $250 $11/Ha 必要の可能性あり $280(+$150 先住権対象土地の場合 ) リース条件において採掘を行うために必要 / 適当と見なされる全ての行為 補償土地所有者に支払われる 又は先住権に指定されている土地の場合 アボリジニに対し土地の使用剥奪 損傷を支払う 支出義務ライセンス / リース条件による 作業条件 : 権利の失効を避けるために その土地での作業を継続的に行うこと 更新 - 期間 - 費用 - レント 10 年間の延長可能 $25 $10/Ha 2 年間の期間を 2 回 $25 $320/ ブロック 5 年間の延長可能 $25 $10/Ha 25 年間の延長可能 $25 $10/Ha 条件アボリジニ土地の場合 EL 又は ERL の保有が義務 2 年後に 50% の面積を放棄し その後も毎年同様に放棄する 不合格者の費用を保留にする 経済的に継続できる開発計画が必要環境保護 / 修復のためのメカニズムが必要

70 Prospecting Permit (PP) 探鉱権 ( 小規模 ) 目的鉱物を手道具で試掘又は小規模採掘を行うためのペグ打ちを行う権利区分探鉱権 (PPP) 又は鉱業地域探鉱権 (DPP) 表 14(5) 探鉱権 / 採掘権の概要 (QLD 州 ) 所管官庁 :QLD 州天然資源鉱山エネルギー省 (QLD Government Natural Resources, Mines & Energy) ウエブサイト : 大臣名 : Stephen Robertson 鉱業法 : Mineral Resources Act 1989 Exploration Permit (EP) 探鉱権 Mining Lease (ML) 採掘リース Mineral Development Lease (MDL) 鉱物開発リース ( 保持権 ) Mining Claim (MC) 採掘権 ( 小規模 ) 初期の広域的探査を行う権利 開発及び採掘を行う権利 探鉱精査及び試験のためのリース保持権利 PP 保有者が小規模事業を行 うことを許可するための権 利 必要条件 該当なし EP,MDL 又は PP のいずれか を保有していること 最大面積 許可の種類による 約 300km 2 につき 100 ユニット 制限はないが 必要サイズ / 形状に対し理由が必要 期間 PPP 3 カ月 DPP 1-12 カ月 費用 - 申請費 - レント - デポジット $19.20/mth $68.40 EP 又はその他の MDL を保有していること PP を保有していること 5 年まで制限期間なし 5 年まで 10 年まで $113.90/ ユニット 面積による $ $43.95/ha $97.55 初年度 $3.32/ha 第 2 年度 $6.75/ha 第 3 年度 $10.15/ha 第 4 年度 $17.40/ha その後 $20.80/ha /y 最初の 1000 ha -100% 次の 1000 ha 40% 次の 3000 ha 25 次の 1 万 ha -5% それ以上 1% 1 ha $38.70 $28.25 調査方法 N/A 探査 地質調査 サンプリング コスティーニング及び試すい ( 水域での試すいを除く ) リース許可条件のとおり環境保護条件を満たすこと 詳細評価 : トレンチング 小間隔の試すい バルクサンプリング 冶金試験 FS 補助機械及び手道具に限る 補償 N/A 政府又は土地所有者は補償金を受け取る権利がある 採掘権の承認前に補償問題 が解決していると 支出義務 N/A 作業計画及び財務計画 更新 - 期間 N/A 5 年間 $ 費用 条件 N/A 2 年後に 50% その後毎年 50% づつ放棄する 制限なし $ 年間 $45.25 未指定 $19.20 石炭の探鉱は不可 同時に 2 クレームは不可

71 Exploration License EL 探鉱ライセンス 目的石炭を含む全鉱物の探査 (Exploration & Prospecting) を許可するための権利必要条件対象鉱区の既存の EL が存在しないこと 又は過去 28 日いないに EL/EL 申請が行われていること 表 14(6) 探鉱権 / 採掘権の概要 (VIC 州 ) VIC Department of Primary Industries Minerals & Petroleum Minister: Theo Theopanous Legislation: Mineral Resources Development Act 1992 Mining License ML 採掘ライセンス鉱石の処理を含む商業目的の鉱物採取を許可するための権利 適任者 先住権問題 実績のある財政状態 最大面積 形状制限有り 複数分散鉱区ではなくシングルブロックであること 260Ha( 申請者がこの土地に対し EL を保有又は EL 保有者からの免除がある場合は それ以上も可能 ) 期間 5 年 20 年まで 費用 - 申請 - レント - デポジット - 公告 $944.10/500 sq km 必要 土地修復ボンド 5Ha 以下 - $ Ha 超 $1,416.10/260 Ha $15.70/Ha 土地修復ボンドが必要 地元の新聞に掲載が必要 調査方法作業計画 試すい サンプリング等に示されている通り 鉱物採取に必要とされる全手段 補償土地所有者の承諾が必要 損傷又は使用剥奪に対する土地所有者の補償契約が必要 支出義務最低支出金額 = (a b) + c 計算方法 / レートは付録 5 を参照 ( この計算方法は対象鉱種によって異なる ) ライセンスに規定されている条件に従う デパートメントの最低条件は付録 5 を参照 更新 - 期間 - 費用 可能 5 年まで $944.10/500 sq km 可能 期間は示されていない 5Ha 以下 - $ Ha 超 $891.60/260 Ha 条件 2 年目に 25% 4 年目に 35% の面積を放棄する義務がある 労働安全衛生 環境条件を含む 州の開発計画の承認 補償 修復ボンドの支払いによって Work Authority が許可される 作業計画の承認は経費に関する条件を決定する

72 表 14(7) 探鉱権 / 採掘権の概要 (TAS 州 ) Department of Infrastructure, Energy & Resources - Mineral Resources Tasmania Minister: Brian Green Legislation: Mineral Resources Development Act (Tasmania) 1995 Exploration License EL Retention License RL Mining Lease ML 探鉱ライセンス 保持ライセンス 採掘リース 目的 経済的に開発可能な鉱物資源の探査を行うための権 様々な理由による土地権利を保持するための権利 鉱物資源の採掘及びこのためのインフラストラク 利 チャーの建設 必要条件 探査ライセンス又は採掘リースのための資源 修復ボンドの前払いの義務 ; 十分な鉱物資源量 ; 採掘の意図 ; 十分な経済的及び技術的能力 最大面積鉱物資源 :250 km 2 石炭 :500 km km 2 採掘事業のための最小面積が必要 期間 5 年 5 年 5 年 大規模な事業は 21 年まで可能 費用 - 申請 - レント $702 最初の 2 年は $19.31 次年度から $38.61 修復相当額が必要 必要 ( 申請費に含まれる ) 鉱物は $234/sq km; 石炭は $58.50/ sq 鉱物は $128.70/sq km: 石炭は $64.35/ sq km $128.70/sq km 鉱物 - デポジット 修復費相当額が必要 - 公告 必要 ( 申請費に含まれる ) 調査方法 空中探査 サンプリング マッピング 試すい 地質 物理 地化学探査計画 ; 採掘 FS 調査 ; 冶金試験等 $468 $19.30 ( 最低 $386.10) 修復費用相当額が必要 不必要必要に応じた方法 補償 Compensation なし Private Property Security のボンドが必要となる場合がある 土地保有者との補償契約が必要 支出義務最低支出額 = $5000 pa 1 年目 - $200 km2 / 年 2 年目 - $500 km2 / 年 3 年目 - $1000 km2 / 年 4 年目 - $2000 km2 / 年 5 年目 - $5000 km2 / 年 更新 - 期間 不可 EL の最終年に鉱床を発見する等の特別な状況がある場合を除く $351 - 費用条件土地所有者の許可を得ない場合に全ての水源 ( 天然 / 人造を問わず ) 又は構造物から 100m 以内において探鉱を実施することはできない 報告 支出義務等大臣が要求するその他の条件 通常 3-5 年 通常なし 特別な状況下では必要な場合がある リース保持者はリース $351 土地所有者の許可を得ない場合に全ての水源 ( 天然 / 人造を問わず ) 又は構造物から 100m 以内において探鉱を実施することはできない 報告 支出義務等大臣が要求するその他の条件 必要に応じて 通常 5-10 年 $351 土地所有者の許可を得ない場合に全ての水源 ( 天然 / 人造を問わず ) 又は構造物から 100m 以内において探鉱を実施することはできない 報告 支出義務等大臣が要求するその他の条件

73 2.4 鉱業活動許可のためのプロセス Mining Approval Process 鉱業開発には 下記のような 3 つの基本的な段階がある 初期探鉱 精密探査 / 評価 ( 通常保持権の下に実施 ) 実際の鉱山開発及び操業探査のための土地アクセスについては 各州 準州政府に直接問い合わせる必要がある 各州 準州には 環境問題 都市開発計画 先住民所有地等により探査事業が制限される場合があるが 通常は 事業者が関連する法規の必要条件を遵守すれば探鉱権は認可される ( 図 7 図 8 参照 ) ライセンス申請作業プログラムを含む付録参照 Native Title 先住権 先住権アセスメント Native Title (NT) Assessment 公告 先住権消滅 NT extinguished 先住権未消滅 NT not extinguished 土地アクセス契約 先住権 ( 右図参照 ) 土地所所有者の私有地 (NSW QLD) 先住民グループの私有地 申請プロセ ス継続可 探鉱に異議なし先住民土地使用合意 (ILUA) 利害関係者への 29 条通告 適切であれば 簡略プロセス ( ファーストトラッキング ) 不適切 ( 何時でも ) 政府の査定 合意 交渉権 (RTN) プロセス 探鉱ライセンス認可 NNTT 認可 合意なし NNTT による正式仲裁 不認可 ライセンス 図 7 探鉱申請の手続き

74 ライセンス申請 プロジェクト開発計画の提出 採鉱計画の提出 公告 (NOI) 付録参照 環境的影響評価 (EIA) 開発が環境に重大な影響を及ぼす可能性がある場合 土地所有者許可 私有地 先住権合意は通常探鉱段階で合意 探鉱権が許可されると採鉱アクセスは拒否できない 必要に応じて公開環境報告書 (PER) 環境影響ステートメント (EIS) アセスメント 必要に応じて (EIA) 開発認可条件 採掘ライセンス認可 図 8 採掘申請の手続き

75 2.4.1 最低支出条件 Minimum Expenditure Conditions 各州 準州は探査ライセンス 探鉱ライセンス 採掘リースの保有者が鉱区に関して年間で指定最低支出額を費やすことを条件としている ( 表 14 を参照 ) この条件は鉱物開発に割り当てられた土地が積極的に開発されることを目的としている 州の鉱業省は最低支出条件が守られているかどうか監視する 鉱区で実際に費やした費用は年次活動報告書で権利保有者が報告する 鉱業省は報告された支出額をチェックし それが最低必要支出額を下回る場合は 権利保有者に通告をする 権利保有者が最低支出条件を特別な事情により満たすことができない場合に限り 同条件が免除されることがある 州の鉱業法は権利保有者が同条件の免除を申請することを認めている 免除申請は 当該鉱業登録機関に所定用紙を使用する 免除申請書は最初の異議申し立て期間 ( 約 35 日 ) は各州 準州の鉱業登録機関が保持する 異議のある申請 ( 申請の約 5 分の 1) は監督裁判所 (Warden s Court) に直接送検されて審問が行われ 意見書が管轄州 準州鉱業省に送られる 免除申請は鉱業法に規定される免除カテゴリーに従い 申請がやむをえない事情の場合に限り許可するという方針に則り認可すべきか否か決定される (Mining Act (WA) s102 (2) 鉱業法 (WA) 第 102 条 (2)) 支出条件免除の理由 a) 鉱山権が異議申し立ての対象となっている場合 b) 作業評価 / 今後の探鉱または採鉱計画 / 資本調達するのに時間がかかる場合 c) プラントおよび機械の購入 組み立てに時間が必要な場合 d) 土地が作業できる状態ではない場合 e) 鉱床が経済的でない場合 f) 将来稼動する鉱床の場合 g) 政治的または環境的問題により採鉱が阻害あるいは制限された場合 h) 1 プロジェクトの中の多数の鉱区を対象にした一括費用の場合 免除の大半は作業結果の評価に時間が必要であるとの理由 または大臣が決定する理由により認められる 37 WA 州鉱業石油資源省の 2002 年報告書によると 年間約 7 千件の最低費用条件免除申請のうち 97% が許可されている これは WA 州で最低支出条件を満たす必要のある鉱区の半分が実際には免除を許可されていることになる しかし多くの権利保有者は最低条件を大幅に上回る金額を支出している

76 2.5 労働衛生安全法 Occupational Health and Safety Law(OH&S) オーストラリアの労働衛生安全法 (OH&S) は 管理義務 (Duty of Care) というコモン ローの概念が基本となっている 管理義務は連邦及び州 準州両方の法規や規則によって定義されている 管理義務の基本的な考え方は 労働衛生安全は 第一義的に責任的立場にある雇用者みならず非雇用者も 高度なレベルの安全性を確保する責任があるとするもので 雇用者は可能な限り労働衛生安全を確実に実行する必要がある 雇用者が安全基準の遵守を怠った場合 または監督義務を証明できない場合 厳しい処罰が課せられる 死亡事故が起きた場合 州によっては労働故殺法 (Indutrial Manslaughter Law) による刑事訴訟手続きの条項が含まれている オーストラリアでは 雇用者が労働安全の重要性を認識することは非常に重要なことである 他の法規と異なり 労働衛生安全に関しては 連邦法は州 準州の法規以上の権限を持たず またそれを代替するものではない 38 労働衛生安全に関しては 連邦政府は労働衛生安全法 (1991)(Occupational Health & Safety (Commonwealth Employment) Act 1991) を制定している この法律は連邦政府の労働衛生安全を対象としているが 他の状況にも適用されることがある しかしながら 一般に連邦政府のこの分野での役割は勧告的なもので 労働衛生安全に関する調整 一定水準維持を図るものである 連邦の労働衛生安全法が 2004 年に改正されたことを受けて 2004 年労働衛生安全修正廃止法 (WA 州 )(Occupational Health and Safety Amendment and Repeal Act 2004 (WA)) や 2004 年鉱山保安検査修正法 (WA 州 )(Mines Safety and Inspection Amendment Act 2004 (WA)) など 各州の関連法が改善された 鉱業分野における労働衛生安全 Health and Safety in the Mining Industry 企業 管理者 請負業者 請負業者の管理者 労働者の労働衛生安全に関する法的責任は 州 準州ごとに異なるが 法的責任に関して 以下の 2 点を考慮する必要がある 法律を遵守する コモンローの管理義務の考え方に従い 雇用者は労働者の安全に関する適切な管理を行う 法的な規則は 議会が制定する法規に基づくものである コモンローは 裁判所の裁判官によって判断された判例に基づくものである 連邦及び州 準州の労働衛生安全に関する法規は 基本的には同じもので 鉱業及び採石業に関する法律や規則から成り立っている 一部には 石炭採掘や石油開発に関する特別な法律が制定されている TAS 州 NT 州および VIC 州では 鉱業に関する特別な法律は無く 一般的な労働衛生安全法が鉱業に適用される 一般的には どの法体制においても それぞれの法律や規則に基づく 労働衛生安全に関する一般化された義務事項が含まれている

77 表 15 各州 準州の労働衛生安全の法制度 労働衛生安全法 一般的な労働衛生安全法が鉱業に 適用される TAS 州 NT 州 VIC 州 州 準州 鉱業固有の労働衛生安全法がある NSW 州 SA 州 WA 州 QLD 州 鉱業法に含まれる職場安全法 全域 2005 年 5 月に NSW 州政府第一次産業省 (NSW Department of Primary Industries) は OES コンサルテーション アレンジメント (OES Consultation Arrangements) OHS コンサルテーション トレーニング (OHS Consultation Training) OHS 委員会 (OHS Committees) サイトチェック検査官 (Site Check Inspectors) リスク管理コンサルテーション (Consultation on Risk Management) (Consultation during Incident Investigations) 管理者による OHS サポート (Management Support for OHS) を含めて 鉱業に関連する職場義務の労働衛生安全監査チェックリストを公表した チェックリストは下記のホームページから入手可能 data/page/1795/iga-07_audit_checklist_for_ohs_ consultation_for_nsw_mines_updated_ pdf 労働衛生安全及び 管理義務 (Duty of care) の法的概念に関する情報は 連邦政府労働衛生安全委員会のウエブサイト で得られる 2.6 労働法及び労使関係 Labour Law and Industrial Relations オーストラリア職場協約 Australian Workplace Agreements 過去 10 年から 15 年の間 オーストラリアでは労使関係や慣行に大きな改革が起きている この改革は現在のハワード政権で拍車がかかり オーストラリア職場協約 (Autstralia Workplace Agreement:AWAs) として知られている この改革は 雇用者が労働契約を基に 個々の労働者をより簡便に雇用できる点に重点が置かれている 関連法規は 連邦職場関係法 (Workplace Relations Act) である 最低賃金のアワード Awards & Minimum Wages 連邦アワード (Commonwealth Awards) は それぞれの雇用分類に当てはまる労働者全員に適用される最低賃金や労働条件を設定する法律と一貫した詳細な取決めである アワードによる 安全ネット 上での賃金や労働条件及び付加的事項は 雇用者と被雇用者 ( または代理人 ) 間で 企業レベルまたは職場レベルで合意することができる 1990 年代以降 オーストラリアの鉱山業界では アワードを基本とした労使関係制度

78 (award-based industrial relations system) から 雇用者と被雇用者間の直接的 協力的 相互的な報奨協定システム (cooperative and mutually rewarding arrangements) に移行した 経済界全域に渡って最低賃金保障や不当解雇に関する規定等がある一方 オーストラリア職場協約 (AustralianWorkplaceAgreements:AWA) においては 生産性との結びつきが強く 労働時間や職務内容の定義付けには大きな柔軟性が見られる 労働者は 所属する州または連邦のアワードを選ぶこともできるが 実際には AWA 制度の方が収入が多くなるため 一般に AWA を選んでいる コントラクトアウト Contracting Out 現在の労働法では 外部への請負発注 ( コントラクトアウト ) には制限も条件も全く無い 過去 2-3 年は 直接雇用に替わって 外部への請負発注の傾向が強くなっている 請負業者は 作業 表土の運び出し 鉱石破砕 切端インフラ整備等の単一または複数の作業を請負う オーストラリア鉱業協会 (The Minerals Council of Australia:MCA) は 年にかけて 鉱業界では前年比 9% 減少の 16,069 人の常勤者数換算の請負者が使用されたと推定している 現在鉱業界では 請負者数は常勤者数の約 24% を占めていると推定されている 最近の請負者数の割合は 1989/99 年度が 22% 1999/2000 年度が 25% であった (Minerals Industry Survey Report, 2001 Minerals Council of Australia) こうした変化は より効率的で生産性の高い事業実施を可能にした 1996 年以降 鉱山業界では 他産業と比較して 継続的な争議によるロスタイムが減少している 労働組合は 当然 集団的協議から離れることに反対しているが 実際には AWA への移行と請負契約率の増加は 鉱山労働者の実収入の増加に結びついている このために労働者組合は 鉱山労働者からの組合支持を失いつつある 1993/94 年度以降 鉱業界では 労働者一人当たりの総付加価値指数及び労働時間当たり総生産性指数は 経済発展を上回って上昇を示している 実際 1990 年代の鉱業界の労働時間当たり総生産性指数の年間平均増加率は 5.1% で 他産業全体の平均 2.4% を 2 倍以上上回っている 強制保険 Compulsory Insurance オーストラリアで従業員を雇用するすべての企業に対し すべての従業員 ( 常勤 パートタイム 臨時雇用 ) を労働者災害補償保険に加入させることを法律で義務付けている これにより 従業員が作業場で事故または負傷した場合に 医療費および喪失所得の支払いを受けられる 各州および地域には個別の強制労働者災害補償法 ( たとえば 1987 年 NSW 労働者災害補償法 (Workers Compensation Act 1987 (NSW 州 ) など ) がある したがって 保険制度は州によって異なる 労働者災害補償保険は民間保険会社 (TAS 州 NT 州 WA 州 ) または政府基

79 金の代理保険会社 (NSW 州 VIC 州 SA 州 ) が提供する QLD 州では 州政府が同制度を完 全に管理している 2.7 環境保護 Environmental Protection 連邦政府が環境保護に関する一部の法律を所管しているが 州 準州政府が それぞれのの地域において鉱業活動に関する環境管理を主体的に行っている 州 準州及び連邦の双方の法律が重複する場合 または両法律の間に不一致があった場合 連邦法が州法より優先されることとなっている 39 しかし 個人及び企業はたとえ自分達が管理している土地が連邦政府の所有であっても 州 準州の開発計画法と環境法に拘束されている オーストラリアにおける環境管理は 資源開発計画 (Resources Planning) 及び開発のすべての段階 ( 評価 建設 操業 閉山 復旧 ) の統合的な管理に基づいている 各州 準州間でそのプロセスは多少異なるが 幾つかの共通する特徴もある 評価と許可 Notice of Intention, Proposal or Initial Advice Statement 鉱山事業には 政府による評価と許可が必要である 評価の程度は その事業が環境へ与える潜在的な影響力と重要性を示している 政府の正式な評価と許可のプロセスの第一段階は 開発計画である 開発計画が必要とされるのは 以下の場合である 1. 新規鉱山活動の開始前 2. 既存鉱山操業の変更前 3. 旧廃止鉱山の再開前開発計画はしばしば正式な書類として提出されるが 同時に政府許可審査の開始 または地域社会へのそのプロジェクトの公告を行うために使用される 開発計画の内容に関する説明を付属資料に示す 開発計画は Notice of Intention(NOI) と呼ばれるが 州によっては IAS Proposal とも呼ばれる 表 16 各州 準州で使われている専門用語 文書の題名 Notice of Intention(NOI) 州及び準州 NT 州 WA 州 SA 州 NSW 州 Initial Advice Statement(IAS) Proposal QLD 州 VIC 州 ACT TAS 州

80 2.7.2 政府の査定 Government Assessment 通常 いくつかの政府機関が計画の評価に関わっている 関係官庁として 環境への影響を評価に関し責任を有する環境保護所管省 鉱区の認可や管理を行う鉱業所管省あるいは資源所管省 ならびにその地域開発計画を認可し公益サービスを提供する地方自治体政府が含まれる 所管官庁は 下記の項目に関して開発計画 (Notice of Intention:NOI) を審査する : 環境への大きな影響の可能性 特に規模 期間 頻度及び影響の範囲 ; 周囲の生物 物理的環境の重要性 計画事業にともなうインプット アウトプット またはオンサイト オフサイトの環境影響 法定義務計画案 遺産 公衆衛生 用水 水質及び資源管理などの諸問題開発計画の検討を行うことによって そのプロジェクトが環境上重大なもので そのために環境的影響評価 (Environmental Impact Assessment:EIA) が必要か否かが決定される 環境影響評価 Environmental Impact Assessment (EIA) EIA は計画されている事業または開発が 環境に対してリスクあるいは悪影響を及ぼす可能性を評価する正式なプロセスである また EIA の審査プロセスは その許可 不許可が地域社会に最も有益な結果をもたらすかどうかを評価するための情報収集のプロセスである 審査の基準には 生態系 社会 経済 先住民の利害 ならびにその場所の現在及び将来的な利用 ( 環境持続的可能性 ) 等が含まれる 連邦の EIA に関する法律は 環境保護及び生物多様性保全法 (EPBC 法 )(Environmental Protection and Biodiversity Conservation Act 1999 (EPBC Act)) である EPBC 法は 国家レベルで環境に影響を及ぼす可能性がある問題が十分に検討され 連邦政府のプロセスの中で確実に検討されることを目的としている この法律は現在 国家レベルの環境の重要性に関する 7 項目を含んでいる 世界遺産 国家的遺産 国際的に重要なラムサール条約対象湿地 (Ramsar wetlands) 絶滅危機指定種及び生態系 指定された移動種 連邦政府管理海域 原子力関連事業 ( ウラン採掘を含む ) EIA は環境問題を基礎的なレベルで検討するが 提案されているプロジェクトの環境的な 重要性と複雑性によって数段階の異なるレベルの検討が必要とされる場合がある 事業者が NOI の中で 環境配慮を十分に考慮し焦点を絞り 適切な環境管理を実行するということを

81 明確に示している場合 それ以上のレベルの検討は必要とされない 通常の探鉱あるいは試料採取を行う場合はほとんどがこの事例にあたる 更なる検討が必要と考えられる場合 政府機関は 地域社会との対話を通じて 環境上の課題及び優先順位を検討する それ以上の検討は 公開環境報告書 (Public Environmental Report:PER) または 環境影響ステートメント (Environmental Impact Statement :EIS) の作成が必要である これらの 2 つのオプションは全く異なるもので PER は EIS の前段階のものではなく どちらの検討が適切かの決定は NOI を再検討した後でなされなければならない これらの詳細な検討に掛かった諸経費は そのプロジェクトを提案した事業者に支払い責任がある 公開環境報告書 Public Environmental Report(PER) 公開環境報告書 (PER) は 環境への影響が大きいが範囲は限られている場合に作成される これは地方または特定地域の利害関係のみに関わるような計画で さらに関係する諸問題が限定的で 容易に管理できる場合に適用される PER 作成の必要性の典型的な基準は以下のとおりである 単一あるいは限られた数の環境問題 限定的な規模 期間 頻度及び影響の範囲 NOI の重要な部分に限られている 環境影響ステートメント Environmental Impact Statement(EIS) 環境への影響を査定する時に使われる 広範囲で詳細な環境影響の評価を行う文書である VIC 州では Environmental Effects Statement (EES) と呼ばれる EIS では 以下のような事業実施場所の個別の課題を検討する 用地特有の問題 周辺の問題 保護問題 事業計画の特徴これらの問題は基本的に重大な影響を及ぼす可能性を持っているため 詳細な検討 地域社会からの個別アドバイス 検討が必要である EIS が適切か否かの典型的な基準は以下のとおりである 生物の多様性に影響がある 詳細情報とそれを支持する証拠書類が必要である しばしば追加情報が必要である 影響の規模 期間 頻度及び広範性が著しい 生息地 植物相及び動物相の保護に関する国際条約 国内 州 準州法制度の規制対象となっている

82 計画が公衆安全に多大なリスク及び危害をもたらす 計画が多大な公害を引き起こす可能性がある 調査委員会 Commission of Inquiry 特に複雑あるいは議論の余地のあるプロジェクトについて 調査委員会が召集される これには公聴会及び事業実施に対する支持者及び反対者からの意見書提出を伴う公の調査過程が含まれる 調査委員会は 公共の場での情報コミュニケーションの手段として利用することも可能である 調査委員会は新しい技術 開発事業あるいは大規模な土地利用が行われる場合 あるいは幾つかの意見が分かれる場合に重要である 調査委員会は 数人の独立した委員の中から一人 ( 時には二人 ) の委員が議長を務める 関係省庁 ( 例えば National Parks and Wildlife Service) 環境保護局(EnvironmentalProtection Authority:EPA) 一般市民は 調査委員会において 事業についての自らの意見を述べる権利がある NSW 州では 反対意見を持つ者は 事業計画に対して特定事業ステートメント (Preferred Activity Statement:PAS) を発表することができる こうした過程の最後において 調査委員会はすべての意見を集約し 大臣にその計画が認可されるべきか否かについて答申報告書を提出する 事業認可を認める場合 計画された開発事業の環境影響を緩和するための条件を述べなければならない 大臣は この計画が許可するべきか否か さらに許可する場合その条件を決定しなけらばならない 政府の認可 Government Approvals 答申に対する慎重な検討を経て 政府の所管官庁 あるいは所管大臣は その事業に対し て環境許可を行うか あるいは不許可とする

83 図 9 環境保護及び生物多様性保全法 (EPBC) による基本的評価 許可プロセス

84 2.8 先住民土地アクセス 先住権 土地保有権 Indigenous Land Access and Native Title 先住民の旗 Torres 海峡島民の旗 背景 Background 鉱業に関係する先住民の土地に関する権利は 大きくは 先住権 Native Title と先住民土地所有権 Indigenous Freehold Title の二つに分けられる オーストラリア大陸を流刑地とした移住が始まった当時 英国の法律の下では オーストラリア先住民の権利は認められなかった 1901 年に独立国となってからも 先住民は選挙権も認められず 全国人口調査にも含まれない状態が永らく続き 1967 年まで完全な市民権も与えられなかった 連邦選挙で先住民の選挙権がすべての州で認められたのは 1962 年になってからである これに先立って先住民を保護する目的で様々な法律の制定や先住民保護区域指定などの施策もとられたが それらの法律や施策は最低限のものでしかなく しかも明らかに押し付け的なものであった 保護区域に住む先住民は 一般人の目から隔離され みじめな環境で生活していた 先住権の存在豪州では 1992 年の Mabo 判決によって 先住民であるアボリジニが伝統的な土地とのつながりを持つとする先住権の存在が初めて認められ これに基づいて 1993 年に先住権法が制定された 先住権法では 先住権は未利用の政府所有地及び放牧リース地内にある土地や水域等に存在できるとされている 私的保有されている耕作用の農業用地や住宅用地 ならびにインフラ用地 公共機関用地等では先住権は消滅しているとされている 1996 年の画期的な Wik 判決において 放牧リース地に先住権が存在することが確認された 先住権の存在は土地所有権の存在とは異なる 先住権が存在するということはその土地での特定の慣習的権利が存在し その権利の保有者にその権利の行使を認めるということであるが 先住権とは 土地所有 土地所有 ( 放牧リース等 ) 等の他の権利より劣る権利とされている 先住権は他の特定の土地利用の権利 たとえば農場としての借地権 ( 放牧リース地 ) と同時に存在することが可能である

85 先住民族土地所有権 ( 先住民の集団としての土地所有 ) 先住民族集団所有地では 法的には先住権は消滅しているが その代りに先住民による 先住権より強い先住民土地所有権が認められている 私的保有地と同様の排他的先住民族土地所有権は 先住権が法的に認められる前に SA 州では 1966 年に NT 準州では 1976 年に制定された法律に基づいて設定されている その面積は SA 州で約 26 万 km 2 NT 準州で約 59 万 km 2 合計で約 85 万 km 2 という広大な土地である 以上のようにオーストラリアにおいては 探鉱開発権の許可を得る場合 先住権が存在する土地と 先住民族土地所有権法が存在する土地において 先住民の権利及び手続きが異なる 先住民族土地所有地権においては 先住民に拒否権があることが重要なポイントとなっている 先住民族の土地所有 Indigenous Freehold 上記にように 1960 年代になって 一部の州において先住民に対する土地所有権が認められるようになった 1966 年の SA 州の先住民土地信託法 Aboriginal Lands Trust Act (South Australia) は オーストラリア国内で 初めて先住民の土地所有権を政府が認めた象徴的な法律である また同法の下では 権利の維持や先住民保護区域の管理を先住民を代表して行うトラストが設立された 1970 年代からは 連邦政府は先住民族の利益のために内陸部を中心として土地取得を始めると同時に さまざまな法律を制定して 一部の連邦領土を先住民族に返還し あるいは先住民が返還要求の申し立てをすることを可能にしてきた 連邦政府が NT 州 ( 当時はまだ連邦政府管轄下であった ) を対象に制定した先住民土地所有法 Aboriginal Land Rights (Northern Territory) Act 1976 は 先住民が NT 州の 40% 以上の広い地域を所有する結果になった SA 州では 1981 年 3 月 19 日に ピチャンチャチャラ (Pitjantjatjara) 族の土地所有権を さらに 1984 年にはマラリンガチャルチャ (Maralinga Tjarutja) 族の土地所有権を認める法案が可決された SA 州は全土の 19% 40 が先住民土地所有権の対象となっており この中には州北西部に位置するアナング-ピチャンチャチャラ (Anangu-Pitjantjatjara ) 族が所有権を持つ 鉱物資源の豊富な地域も含まれている 連邦政府は先住民団体による土地の取得 管理を支援する先住民及びトレス海峡島民土地基金 Aboriginal and Torres Strait Islander Land Fund :the Land Fund ( 以下 土地基金 ) と先住民土地コーポレーション Indigenous Land Corporation (ILC) に予算供与を行っていたが 2004 年 6 月でこれを停止した その時点で基金の総残高は約 13 億豪ドルであった ILC はこの残高による利子を利用してそれ以降の土地取得を行う必要があり 2006 年 2 月末時点では国内に 199 の土地を所有している 土地基金は 約 13 億豪ドルの資本金を持ち 先住民の土地の取得と管理に関する支援を行っている 同基金によって取得された土地は先住民所有地としてよりも 先住民放牧リー

86 ス地 (pastoral leasehold) として取得される傾向がある これは WA 州に多く見られるように 所有できる土地に限りがあるからである 先住民放牧リース地として取得された土地は 引き続き放牧リース地として分類されるので 先住権法 Native Title Act ( 下記の先住権参照 ) の対象となる 連邦政府の関係法改正により NT 州における先住民土地所有 41 権の許可は 1997 年以降一例もない 表 17 各州 準州の先住権関係法規 州 NT 州 VIC 州 WA 州 QLD 州 Indigenous Land Legislation 先住民所有に関する法律 Aboriginal Land Rights (Northern Territory) Act 1976 (Cth) Aboriginal Land Act 1978 (NT) Cobourg Peninsula Aboriginal Land, Sanctuary and Marine Park Act 1981 (NT) Nitmiluk (Katherine Gorge) National Park Act 1989 (NT) Aboriginal Lands Act 1970 (Vic) (Framlingham, Western Victoria and Lake Tyers, Gippsland); Aboriginal Lands (Aborigines' Advancement League) (Watt Street, Northcote) Act 1983 (Vic) (Northcote, metropolitan Melbourne); Aboriginal Land (Northcote Land) Act 1989 (Vic); Aboriginal Lands Act 1991 (Vic) - (various Aboriginal burial grounds in former mission cemeteries at Corranderrk, Ebenezer, and Ranatiyuck); Aboriginal Land (Manatunga Land) Act 1992 (Vic) (Robinvale, Murray Valley). Aboriginal Affairs Planning Authority Act 1972 (WA) Aboriginal Communities Act 1979 (WA) Aboriginal Land Act 1991 (Qld) Torres Strait Islander Land Act 1991 (Qld) Community Services (Aborigines) Act 1984 (Qld) Community Services (Torres Strait) Act 1984 (Qld) Land Act 1994 (Qld) Aborigines and Torres Strait Islanders (Land Holding) Act 1985 (Qld) Local Government (Aboriginal Lands) Act 1978 (Qld) Nature Conservation Act 1992 (Qld) NSW 州 Aboriginal Land Rights Act 1983 SA 州 TAS 州 Pitjantjatjara Land Rights Act 1981 (SA) Maralinga Tjaruta Land Rights Act 1984 (SA) Aboriginal Lands Trust Act 1966 (SA) Aboriginal Lands Parliamentary Standing Committee Act 2003 (SA) Aboriginal Lands Act 1995 (Tas) and Nature Conservation Act 2002 (Tas)

87 ここで大切なことは 先住民が所有する土地に対しては 先住権が適用されないことである 連邦最高裁判所 (The High Court) によると 政府が私的保有者等 ( 先住民の土地所有者も含むと理解されている ) に土地の所有権を移転した場合 先住権が消滅すると判断している つまり 先住権とは 土地所有権より劣る権利であり 対象となる土地のリース権保持者の権利を大きく侵害することがない範囲で 先住民に限られた伝統的活動のみを許容する権利であるということもできる 一般的な土地所有の場合 その所有者は法が許す範囲で様々な行為の自由が認められているが 先住民所有土地の自由な売買は制限されており その他の一般的な土地所有権とは性質が異なる しかし その土地を所有する先住民の同意を条件に 土地所有権を持つ先住民土地新信託 (Aboriginal Land Trust) を通じ 当該土地を先住民関係団体あるいは一般事業者に対してリースすることは可能である 土地所有権を持つ先住民グループは 先住権法の対象にならないので 先住権申請を行う必要はないし 申請自体も連邦先住権調停機関 National Native Title Tribunal:NNTT) の仲裁対象とはならない 先住民土地における鉱業活動 Mining on Indigenous Freehold Land NT 州と SA 州において鉱業活動を行う際に 先住民土地所有権に留意する必要がある 探鉱開発権の申請方法及び認可プロセスは どちらの州 準州でも同様であるが 対象となる土地を所有する先住民の土地信託 Aboriginal land trust による場合のみが許諾 同意に関する決定力を持っている 先住民所有地における探鉱 開発を行う場合 その州 準州の一般的な鉱業法と先住民土地権法の二つの法律に従うことになる NT 準州では鉱業法 Mining Act(NT) と先住民土地権法 ( Aboriginal Land Rights Act (ALRA) 42 が SA 州では鉱業法 (SA) Mining Act (SA) と先住民土地ピチャンチャチャラ / マラリンガ土地法 Aboriginal Land Pitjantjatjara/Maralinga Lands Act が適用される 探鉱権が許可されるためには 対象となる土地を所有している先住民が所属する先住民土地管理協会及び州の所管大臣の同意が必要である 先住民所有土地において探鉱事業を実施する場合 これに先立って探鉱権を申請する必要があるが 先住民所有土地における探鉱許可を得るための 3 つのステップは以下のとおりである ステップ 1: 鉱業法 Mining Act に従って申請を行う これに対して州の所管大臣は事業者が鉱業法に従って交渉を行うことに対して同意する ステップ 2: 該当する州の先住民土地法 Aboriginal Land Act に従い 探鉱権申請者は対象となる土地を所有する先住民が所属する先住民土地管理協会 Land Council と交渉を行う 先住土地所有者は当該土地の一部 あるいは全体に対し 探鉱権申請を拒否することができる 先住民による拒否権が行使された場合 その後 5 年間は猶予期間 (Moratorium

88 Period) となり 探鉱開発に関する交渉を再開することは出来ない 但し 交渉が決裂してから 2 年後に 所管大臣の同意の下 先住民土地管理協会は交渉を再開することができる 交渉が決裂して 5 年経てば探鉱権申請者は 先住民土地管理協会と交渉再開ができるが この場合 申請者は 30 日以内に新たな申請書を先住民土地管理協会に提出する必要がある 申請者は探鉱権の許可を得た後 さらに採掘権リースの申請を希望する場合は 先住民土地権法による土地管理協会からの同意を得る必要はないが 同法 46 条に従い先住民土地管理協会と鉱業協定 (mining agreement) を結ばなければならない ステップ 3: 鉱業法に従って探鉱権の許可または不許可を決定する 探鉱権許可の条件が満たされているか否かによって所管大臣が決定する 先住権 Native Title 1960 年代と 1970 年代に行われた制度改革で先住民グループによる土地の取得が進められたにも関わらず 1992 年の連邦最高裁におけるマボ判決まで 先住民が伝統的に係わってきた土地における権利は法的には認められなかった 連邦最高裁は マボ判決によって先住民の伝統的な権利は オーストラリア大陸が植民地化された時点では消滅せず 現在でも存在している場合があるとの判断を下した 植民地化された後の行為によって 先住民の権利が消滅した場合を除き 先住民の権利は土地保有権と共に共存している場合があるとした 先住民の権利と利害関係は英国統治以前から存在してきた先住民の掟 (laws) や慣習 (customs) に基づくとしている 連邦最高裁の判決に応えて オーストラリア連邦政府は 1993 年に先住権法 Native Title Act(NTA) を制定した 同法により オーストラリアの先住民は 土地に対して先住権利の申請 認可を受けるプロセスを初めて得たことになる さらに 1993 年以降の先住権法改正と連邦最高裁の判決で 先住権の意味が明確化された 連邦最高裁によると 先住民は 伝統的な掟や慣習の内容によって グループまたは個人として先住権を保有することが出来るが 先住権の売買はできず 連邦政府に対して放棄する以外に譲渡はできないとされた また先住権は アクセス 使用権利から独占保持権利に至る様々な形を取る権利と位置付けられている 先住権は 土地に対して法律または特別な行為によって設定されている他の権利と調和的である限り 土地と水域に存在することが可能である 連邦最高裁は 先住権に関する連邦政府 州 準州政府それぞれの行政権の役割に関しても明確化した それによると先住権問題は連邦政府の管轄下にあり 州 準州の法規は連邦の法規に準拠しなければならないとした 当初 WA 州等一部の州は 連邦政府が設定した先住権システムに強く反発し 各州で代替規程を策定した しかし WA 州と NT 州の代替規程は連邦上院 (the Senate) で却下され QLD 州の代替規程も大きな変更後に承認された 先住権法は 先住権の存在場所を確定する手続き 先住権に影響を与える活動を実施するための手続き そして先住権が侵害あるいは消滅した場合の賠償の手続きを確立した 先住権法により 先住権保有者 あるいは先住権申請者は その土地に対する事業活動 ( たとえ

89 ば探鉱活動 ) の申請に対して 協議権 (right to be consulted) または意思決定に参加する権利を与えられている 先住民は 先住権法によって 雇用や伝統保護等の機会を含めて 自らのコミュニティーの利益に関する交渉を行うことが出来るようになった 先住権法はまた 先住権申請者及び先住権保有者の代表組織の承認 運営のための枠組みも確立した 連邦政府は 先住権法に従って 先住権問題を解決するため資金的支援を行っている こうした資金的支援を受けている例として 先住権代表組織 連邦先住権調停機関 (National Native Title Tribunal:NNTT) オーストラリア連邦裁判所などがある 先住権が存在可能な土地 Land Where Native Title May Exist 連邦法先住権法 1993 年 Native Title Act 1993(NTA) では 先住権は以下の場合に存在するとしている 1. 先住民やトレス海峡島嶼民によって 伝統的な掟や習慣の下で 権利 利害関係が継続的に認識 守られている場合 2. 当該先住民やトレス海峡島嶼民が 伝統的な掟や習慣に基づき土地や水域との関係を継続している場合 3. 先住民の権利及び利害関係がオーストラリアのコモンローで認められている場合 先住権は以下の土地に存在する可能性がある 未利用 ( 未分配 ) の国有地 ; 森林及び海岸 ; 国立公園及び公的保護地 ; 一部の放牧リース地 ; 政府機関所有地 ; 先住民の所有地 ; その他の公用地及び国有地 ; 外洋 沿岸海域 砂洲 湖沼 河川 入江 湿地 その他私的保有されていない水域 先住権が消滅している土地 Land Where Native Title Has Been Extinguished 連邦最高裁は個人所有の土地 また ほとんどのリース地において先住権が完全に消滅していると判断している また連邦最高裁は 先住権は 非常に限定された場合にのみ存続することができるとの判断も行っている 先住権の申し立てができない土地は下記のとおりである 私的保有地 ( 一般家屋 個人所有の農業用地を含む ) 先住民が保有する土地 居住用 商業用及びその他のリース地 政府が所有する公的道路 学校及び公共施設がある地域

90 先住権が消滅していない土地では 先住権保有者または先住権申請登録を完了している先住民は 探鉱権 採掘権の認可等を含む事業活動に関して 事業実施者と 交渉する権利 (Risht to Negociate) を保有している つまり 事業者は先住権申請者あるいは保有者の同意を得るための交渉をしなければならない 先住権法では先住権申請者は 交渉権を行使するに先立って 先住権申請によるメリットを証明しなければならない 先住権法は 先住権保有者が開発事業を拒否する権限を認めていない 先住権法は 既存の鉱業ライセンスの対象区域 期間 権利に変更がない場合 ライセンスの更新を 交渉権 なしで許可する 先住権法は 事業者が 探鉱あるいは開発段階のどちらかで 先住権関係者と交渉を行えばよいとする一回交渉プロセスを採用している 一般的な先住権申請プロセスは以下に詳述するが また付録の一覧表で要約してある 交渉権とは先住権法による交渉権とは 先住権の保護を目的とした法的権利である 交渉権は 政府が第三者に対し 探鉱権や採掘検等の土地に関する権利の許可を行おうとする時に 先住権に影響あるいは害を与える可能性がある場合に行使される権利である 交渉権は拒否権ではない 前述のように 連邦政府は鉱業権及び開発法規を所管する全国的な権限をもたず こうした権限は それぞれの州 準州政府が所管している これに対して先住権法は 州 準州が連邦の交渉権手続きに代わる独自の 代替手続き を制定することを認めている したがって州 準州政府は 鉱業権や鉱物生産における法的権限を保有しているが 先住権については 独自の代替規程を連邦先住権法に従って策定することとなった 当初は土地へのアクセス許可の申請手続きがなかなか進展せず不安定な状態が続いたが 数年前から そのような場合には 資源開発事業者とそれぞれの州政府が 現在の法的枠組みの中で建設的に協力して 関係グループすべてが利益を得られるように 土地へのアクセス問題や先住権保有者の代表組織や先住権申請者グループとの問題解決をするよう努めることとなっている 特に今日では先住権保有者あるいは先住権申請者と当該土地へのアクセスを望んでいる者との間で交渉による取り決め つまり先住民土地使用協定 (Indigenous Land Use Agreement:ILUA) を締結することが焦点になっている ILUA は 先住権法のメ

91 カニズムを補い 先住権対象土地へのアクセス申請を許可するために利用されることが一般 的になっている 連邦先住権制度 Commonwealth Native Title Scheme 先住権プロセスは 鉱業に関連した探鉱開発権の申請等の行為によって引き起こされるが 常に先住権に関するプロセスが必要となるわけではない 先住権に関するプロセスは 先住権保有者が 特定の地域に対し彼らの先住権の主張を行うことを決定した結果によって発生するものである しかし現在開発プロジェクトが行われている多くの場所では 先住権に関するプロセスが必要となることが多い ここでは まず 先住権確定のプロセスについて概説し 次に探鉱開発権等の特別なケースがどのように扱われるかについて述べる ほとんどの州 準州では 連邦先住権体系とほぼ同一の先住権体系を適用しているが 例外として VIC 州 NSW 州及び TAS 州においては 簡略手続き (expedited process) が適用されていない 先住権確定のためのプロセス 先住権申請審査 Native Title Determination Process Registration Test ファイリング (Filing): 先住権申請のファイリングは 先住権申請団体の存在する州の州都にある豪州連邦裁判所 (Federal Court) にて行われなければならない 43 SA 州では 高等裁判所 (Supreme Court) も先住権申請のファイリングを行っている ファイリングが行われると 裁判所は まず申請内容が適切かつ正確であるかどうかの確認を行う 申請 (Registration):NNTT が申請の審査 (registration test) を行うが 審査に合格したということは当該地域において先住権が存在するということではなく 裁判所が 先住権法が適用される可能性があるため検討期間を要すると判断していることを意味する 審査に合格した申請は 先住権申請登録 (the Register of Native Title Claims) が行われ 先住権申請者は 交渉権 (Right to Negotiate) を含む交渉過程における権利を付与される 審査に合格しなかった申請は 先住権申請権は保持できるが 交渉権はないことになる もし NNTT が先住権申請を受け付けなかった場合 申請者は 豪州連邦裁判所に NNTT の決断が正しいかどうかについての再審理を要求できる 第 29 条公告 (Notification):NNTT は 先住権法第 29 条に基づき 先住権申請がされたことを公告する この公告は第 29 条公告 (Section29) と呼ばれる 公告の中で 先住権の確定によって利害関係に影響があると推定される全ての個人 法人 各州 準州政府に対し 調停 (mediation) への参加者となる届出を裁判所に対して行うことを呼びかける この届出は公告から 3 月以内に行う必要がある 裁判所は 調停への参加届出人からの申請を受理し 届出人が参加者となることができる

92 かどうかの決定を行う このプロセスは 通常 先住権申請者とその他の利害関係者 ( 並びにその法的代理人 ) による指示公聴会 (directions hearing) によって行われる 指示公聴会では 裁判官は 参加者リストを作成し 必要に応じて申請書内容について NNTT に通知する NNTT による調停が成功した場合 合意事項は裁判所に通知される これに基づき裁判所は 先住権の合意事項に沿って先住権の確定を行う 調停に失敗した場合 NNTT はその内容を裁判所に報告する これに基づき裁判所は さらなる調停を行うか 裁判で審理するか 先住権を確定するかの判断を行う 探鉱開発権の申請 Mining/Exploration Application 公告 : 州 準州の所管官庁は 計画されている開発事業の権利を許可する予定があるとことを公告する 州 準州によっては 鉱区権申請者が申請内容を 官報 (Government Gazette) やアボリジニの新聞等に掲載することを義務付けている場合もある ( 各州の各コスト及び必須事項について列挙した表参照 ) 公告において 所管官庁は 該当事業に対して簡略プロセス (Fast-tracking) を適用する予定であるか否かについても言及する必要がある 先住民が対象地域において先住権を保有していない場合 彼らは連邦裁判所に対して 3 月間以内に先住権申請を行う必要がある 申請は 前述の先住権申請に対する審査に合格しなければならない ファストトラッキング : 後述の簡略プロセス ( ファーストトラッキングプロセス ) 手続き参照 正式交渉 (Formal Negotiation): 簡略プロセスが適用されない場合 関係者は州 準州による交渉過程に参加しなければならない 関係者は NNTT または中立的であると合意された組織に調停を行うよう要求することができる SA 州では 中立的組織として環境資源開発裁判所 (ERD) が仲裁を行う 参加者が許可に必要な合意書を作成することができる場合 合意事項を遵守することを条件に探鉱権は許可される 公告日から 6 月以内に合意に達しない場合 すべての参加者は NNTT 又は中立組織が仲裁に入ることを要求することができる 仲裁 (Arbitration): 仲裁機関は 仲裁の開始日から 6 ヶ月以内に 探鉱開発権を許可する 条件付で許可する あるいは許可しないかのいずれかの判断を行わなければならない 連邦大臣は判断決定プロセスに対する干渉または異議申し立てを 2 ヶ月以内に行うことができる 先住土地使用合意 (Indigenous Land Use Agreement:ILUA) 先住権法において 先住権保有者及び採掘申請者が合意すれば 時間とコストを節約できる先住土地使用合意 (ILUA) のプロセスに従って問題解決を図ることができる ILUA プロセスについては後述する

93 簡略プロセス ( ファーストラッキングプロセス ) Expedited Fast-tracking Process 申請対象事業が小規模で土地に対するダメージが最小限に保たれる場合 州 準州政府は簡略プロセスを採用することができる 通常簡略プロセスは探査及びプロスペクティング ( 小規模探査 ) にのみ適用される 簡略プロセスの適用に対して異義申し立てがない場合 探査権は許可される 先住権関係パーティーから簡略プロセスに対して異義申し立てがされた場合 これを受けて予備的交渉 (Preliminary) が始まる NNTT は これらの交渉を支援することができる 交渉後 先住権申請者が簡略プロセスを適用することに合意した場合 異義申し立ての取下げができ 探査権は許可される もし関係者が簡略プロセスを適用しないことに合意した場合 正式な交渉プロセス (Formal Negotiations) に入る 適切な期間内に合意に達しなかった場合 異義申し立ての判定は NNTT で審理される 検討後 NNTT は以下のいずれかの裁定を行う 1. 簡略プロセスが探査権に適用される : 異議申立ては却下され探査権は許可される 2. 簡略プロセスが探査権に適用されない : この場合 関係者は正式交渉へ入る 先住土地使用合意 Indigenous Land Use Agreement:ILUA ILUA は 先住権関係団体及びその他の関係者間の土地及び水域の使用 管理に関する自主的な合意である 先住権の存在に対する確定の判断がされる前の段階においても ILUA を適用することができる ILUA は その他の利害関係者が保持している権利 土地へのアクセス権 先住権の消滅及び補償等と共存しながら設定することができる 先住権法 (1993) によると ILUA の一部として補償又は支払いを受け取る権利がある先住権保有者は ILUA によって定められている額を超える補償を 後に政府に対して申請することができない ILUA は本来は先住権保有者との合意として作られたものだが 先住民集団土地所有での合意にも使われることがある 先住権法の下では 下記の 3 類の ILUA がある 1. 法人合意 (Body Corporate Agreements) 合意領域の全体において 確定済み先住権が存在する場合 2. 領域合意 (Area Agreements) - 合意領域の全体において 確定済み先住権が存在しない場合 3. 代替手続合意 (Alternative Procedure Agreements)- 対象地域が 一つまたは複数の確定済み先住権地域によって部分的にカバーされている場合 ILUA の種類は関連する地域及び合意の内容によって異なる 合意の登録を確実に行うために 関係者は固有の状況に適した ILUA の種類を選択することが重要である ILUA は最も実用的であり 関係者相互にとって有利な先住権問題の解決方法である 2005 年 12 月現在 オーストラリアには 238 件の ILUA 登録されている ( 図 13)

94 表 年 12 月時点で登録されている州別 ILUA 件数 State No. of registered ILUA NSW 州 5 NT 州 78 QLD 州 125 SA 州 7 VIC 州 18 WA 州 5 Total - Area agreements - Body corporate agreements ILUA および特定の訴訟に関する詳細は付録 2 を参照 先住権の確定 申請 ILUA の設定 先住民団体的所有権等の現状 Determination of Native Title, ILUAs, Aboriginal Freehold オーストラリアにおける 先住権の存在 申請登録 ILUA の設定 そして先住民グループが団体として土地を所有している等の状況は下記のとおりである (1) オーストラリア先住権関係図 ( 図 10) 先住権の存在が確定した地域 先住権申請が登録された地域 ILUA 設定地 先住民所有土地 (SA 州及び NT 準州 ) アボリジナルリザーブ(WA 州 ) 等を総合的に示す (2) 先住権申請が登録されている土地 ( 図 11) 2005 年 12 月時点における 先住権申請が登録され 連邦裁判所が先住権存在の有無を審理している土地 オーストラリア全土で 460 か所ある (3) 先住権の存在が確定している土地 ( 図 12) 2005 年 12 月時点における 先住権が確定した土地を示したものであるが その数はオーストラリア全土で 56 か所である また 先住権の確定の申請が行われたが その存在が否定された土地が 25 か所ある (4) ILUA が設定されている土地 ( 図 13) 2005 年 12 月時点における ILUA が設定されている土地

95 図 10 オーストラリア先住権関係図

96 図 11 先住権申請が登録されている土地

97 図 12 先住権の存在が確定している土地

98 図 13 ILUA が設定されている土地

99 表 19 各州 準州の先住権関係官庁州 準州官庁名 NT 州先住民所有土地に立ち入ろうとする非先住民は 入域許可を取得する必要がある NT では 4 カウンシルが地域ごとに所管している Indigenous Business & Industry Services 4th Floor Centrepoint Building Smith Street Mall DARWIN NT 0801 Phone: (08) Fax: (08) Northern Land Council entral Land Council PO Box O Box 3321 Casuarina NT 0811 lice Springs NT 0871 Tel (08) elephone: (08) Fax (08) ax: (08) QLD 州 Native Title & Indigenous Land Services Department of Natural Resources and Mines Level 4, Landcentre Cnr Vulture St and Main Rd Wolloongabba Qld 4102 Anindilyakwa Angurugu Land Council PO Box 72 Alyangula NT 0885 Tel (08) Fax (08) Tiwi Land Council PO Box Winnellie NT 0821 Telephone: (08) (postal address) Locked Bag 40 Coorparoo DC Qld 4151 Telephone: (07) Fax: (07) VIC 州 Native Title Services Victoria (NTSV) Chetwynd Street PO Box 431 North Melbourne Vic 3051 Telephone: (03) Fax: (03) WA 州 Tenure and Native Title, Mineral Services Group Mineral House 100 Plain Street East Perth WA 6004 Phone: Fax: SA 州 Laura Johnston Principal Advisor Legislation Office of Minerals and Energy Resources Ph. (08) Fax (08) NSW 州 John Leeks Manager Titles (minerals) Phone (02) Fax (02) leeksj@minerals.nsw.gov.au Heritage Services Branch, Aboriginal Affairs Victoria (AAV) Level 9, 1 Spring Street Melbourne 3000 Telephone: (03) Fax: (03)

100 州 準州簡略プロセス Expedited Process QLD Native Title Act (Queensland) 1993 SA 先住民は 2 ヶ月以内に環境資源開 発裁判所 (ERD) に対し異議申し立 てができる NT Validation (Native Title) Act 1994 (NT) NSW Native Title (NSW) Act 1994 が 適用されるが 簡略プロセスは適 用されない 表 20 各州 準州における先住権関係プロセス 先住権関係プロセス先住民所有土地関係備考 先住民土地使用合意 ILUA QLD 州代替規程を適用 Native Title (Queensland) Act 1993, Aboriginal Land Act 1991 (QLD) Torres Strait Islander Land Act 1991 (QLD) SA 代替規程を適用 Native Title (South Australia) Act 1994 Validation (Native Title) Act 1994 (NT) Native Title (NSW) Act 1994 (NSW) 交渉権プロセス RTN 州法のもとで 交渉権プロセスを適用 < 州法 > Mineral Resources Act 1989 (QLD) (03 年 3 月 1 日以前と以降で内容異なる ) Native Title Act 1993(CTH) ( 石油資源 ) Opal Mining Act 1995 (QLD) ( オパール採掘 ) Negotiation procedures, similar to Cwealth RTN, 州法のもとで 連邦交渉権プロセスを適用 EED が裁定を行う < 適用州法 > Land Acquisition Act 1969 (SA) Mining Act 1971 (SA) ERD Court rather than NNTT arbitrates 州法のもとで 連邦交渉権プロセスを適用 < 適用州法 > Validation (Native Title) Act 1994 (NT) 低インパクト事業 Mining Act 1992 (NSW) Petroleum (Onshore) Act 1991 (NSW), その他 ; NTA under Native Title (NSW) Act 1994 (NSW) その他 ( アボリジニ所有地等 ) < アボリジニ所有地 > Aboriginal Land Act 1992(QLD) Torres Islander Land Act 1991(QLD) < アボリジニリース地 > Aboriginal and Torres Straight Islanders (Land Holding) Act 1985 (QLD) < アボリジニ所有地 > Aboriginal Lands Trust Act 1966 (SA) itjantjatjara Land Rights Act 1981(SA) Maralinga Tjarutja Land Rights Act 1984(SA) < アボリジニ所有地 > Aboriginal Land Rights (Northern Territory) Act 1976 (Cth) Aboriginal Land Act 1978 (NT) アボリジニ所有地 Aboriginal Land Rights Act 1983 (NSW) アボリジニリザーブ Western Lands Act 1901 (NSW) 申請対象地域の 90% 以上において先住権が消滅している場合 先住権プロセスは必要ない ( 探鉱権等は先住権が存在する土地を除いてグラントされる ) 探鉱権は先住民との交渉終了前にグラントされるが フィールド調査は交渉成立後でないと開始できない 合意プロセスは厳密なものではなく 登録合意は義務的ではないが望ましい 非公式合意も可能

101 州 準州簡略プロセス Expedited Process WA 簡略手続きを開始するために Regional Standard Heritage Agreement (RSHA) を締結する必要 あり この中で 先住民側が簡略 プロセスの適用に合意する必要あ り VIC Land Titles Validation Act 1994 が適用されるが 簡略プロセスは 適用されない TAS Generally does not use expedited procedures 先住民土地使用合意 ILUA ILUA の代わりに Alternative Heritage Agreement (AHA) を適用 するが 内容は ILUA と類似 < 適用州法 > Aboriginal Heritage Act 1972 (WA) Aboriginal and Torres Straight Islander Agreement Act 1979 (WA) 交渉権プロセス RTN 州法のもとで 連邦交渉権プロセ スを適用 < 適用州法 > Native Title (Effects of Past Acts) Act 1995 (WA) Native Title Act 1993 (CTH) 州法のもとで 連邦交渉権プロセ Native Title (Tasmania) Act 1994 (Tas) スを適用 < 適用州法 > Land Titles Validation Act 1994 (Vic) Native Title (Tasmania) Act 1994 (Tas) RTN procedure of the NTA 州 準州簡略プロセス アボリジニリース土地 Aboriginal Affairs Planning Authority Act 1979 (WA) アボリジニリザーブ Aboriginal Communities Act 1979 (WA) アボリジニ所有地 Aboriginal Lands Act 1970 (Vic), Aboriginal Lands Act 1983 (Vic) Aboriginal Lands (Northcote Land) Act 1989 (Vic) Aboriginal Lands Act 1991 (Vic) Aboriginal Lands (Manatunga Land) Act 1992 (Vic) アボリジニ所有地 Aboriginal Lands Act 1995 (Tas) Expedited Process Where Heritage Agreement と ILUA は 一般的には競合しないが も し競合する場合 ILUA が優先する 申請より政府所有地を除外する か 政府所有地へのアクセス制限 条件付の許可となる アボリジニ土地では探鉱開発は認 められない アボリジニリザーブ Nature Conservation Act 2002 (Tas) ACT Native Title Act 1993 (CTH) Native Title Act 1993 (CTH) Native Title Act 1993 (CTH) アボリジニ所有地 Aboriginal Land Grant (Jervis Bay Territory) Act 1986 (Cth) 先住権は Jervis Bay Territory の一部に限定されている TAS におけるアボリジニ土地 ACT におけるアボリジニ所有地等は 実際には極わずかな存在であり 事実上ほとんど影響を与えるものではな いが 本表ではすべての制度を網羅している

102 表 21 土地所有 使用形態と交渉プロセス土地所有形態内容州適用される交渉プロセス注記 Crown land 政府所有地 ( クラウンランド ) Crown land - Pastoral lease 政府所有地 - 放牧リース地フリーホールド ランド Freehold Land 公共用地以外の政府所有地 豪全州及び地区 簡略手続き ILUA( 又はその州で同等のもの ) RTN( 又はその州で同等のもの ) 放牧目的でリースされている政府所有地 豪州全土の 44% を占める 一部地域では 排他的所有権を与え先住権が消滅しているが 一般的には先住権法が適用される 私的所有地 先住権は消滅している 伝統的な土地の権利に対する問題はない 全土 WA 州, SA 州 NT 州においては排他的所有権はない NSW 州における大半の土地所有形態 先住権は消滅している 簡略手続き ILUA( 又はその州で同等のもの ) RTN( 又はその州で同等のもの ) ただし豪州の他の法律による排他的所有権の授与により 先住権が消滅していないこと 先住権手続きは政府所有地の種類による 放牧リース地及び自然保護区には特例が適用される 放牧リース権保有者は鉱区申請及び手続きを差し止めることはできない しかし放牧リース地に関する活動及び放牧事業者牧畜家とのやりとりに関する州政府ガイドラインがある 原則として私有地に賦存する鉱物資源は 政府が所有しており 探鉱開発権は 土地所有者の同意によってのみ許可される < 参考 > 放牧リース地 (Pastoral Lease) とは 様々な目的のために政府によりリースされている政府所有土地のことである 本来は 放牧事業のためにリースされた土地のことをさしたが 現在では 居住 ビジネス スポーツ コミュニティー活動 アボリジナルリザーブ 農業用地などの多様な目的のためにリースされている土地を含んでいる 放牧リース地は先住権申請の対象になるが それはリースの種類によって異なる 居住用地 商業用地 アボリジナルリザーブランドにおいては 先住権申請はできない

103 先住権土地区分内容州交渉注記 Indigenous Freehold Land 先住民所有土地 先住民に対する土地所有権が供与されており 先住権が消滅している 主に NT 州 SA 州 QLD 州 VIC 州 TAS 州 NSW 州の一部を除く WA 州にはない 先住権は消滅しており 先住権法 (1993) は適用されない 交渉権プロセスも適用されない ILUA 設定のための交渉は可能 通常 12 ヶ月の交渉期間を与える大臣の交渉に関する承諾を要する 交渉方法は 土地権利を与える法律によって規定され 州によって異なる 先住民は拒否権 (Veto) を有し これに反して交渉を継続するプロセスは無い 州によっては交渉過程についてのありかたを定めた州の特別法がある場合もある NT 州では協定が成立しなかった場合 5 年間にわたり交渉を再開することは出来ない ただし 権利保有者 ( 先住民団体 ) のみ 2 年後に交渉再開を求めることが出来る Aboriginal reserves アボリジナルリザーヴ 先住民のためのリザーブ及び先住民コミュニティー用にリザーブされた土地 先住権は消滅している WA 州 NSW 州 TAS 州 先住権が消滅しており ILUA による交渉が行われなければならない TAS 州では 鉱業 探鉱はいずれも認められない 該当地へのアクセスが ILUA に限られている 探鉱事業者には ILUA 以外に先住民と交渉を行う方法はない 先住民は 法律的には アボリジニフリーホールドランドと同等の権利が授与されている 関係者間の交に関して時間的な制限はない Aboriginal Leasehold Land アボリ二 リースホールド ランド 政府所有地のうちアボリジニによる放牧目的のための放牧リース地 土地法により通常 排他的所有権が認められるため 先住権は消滅している WA 州 QLD 州 NSW 州 通常 州法は排他的所有権をアボリジニに与えており 先住権は消滅している ILUA の設定のための交渉は可能である (TAS 州を除く ) リースホールドには 99 年スペシャルリース ( 99 years special leases) と 50 年特別リース ( 50 years special leases) がある 土地所有形態はアボリジニ所有地と異なるが 各州のアボリジニ保護区法 ( 正式な法律名 ) は 拒否権 (Veto) を含んだアボリジニ所有地と同等の権利を認めている

104 < 参考 > NSW 州の極限られた地域では フリーホールドランド所有者は 該当地に存在する金 銀 石炭 石油以外の鉱物資源の私有権を持つ場合がある WA 州南部において フリーホールドランドの所有者は 該当農業用地開発の可能性を根拠に 鉱業活動に対する拒否権 (Veto) を有する場合がある ILUA はどのような土地の所有 使用形態においても交渉を行い設定することが可能である ILUA は 一度登録されたら それ以後その地域で行われる事業活動に影響を及ぼす 例えば ILUA がアボリジニ所有地又はアボリジニ保護区において設定された場合 ILUA の対象となる Indigenous 地域及び Indigenous [people] の拒否権は ILUA の取り決めの元では無効となる しかし ILUA の規定の範囲を超えるいかなる将来的行為 (future acts) も 適切な先住権の取り決めの元では無効となる フリーホールドランド ( 個人所有土地 ) または排他的占有権が認められた土地 居住用リース地 コミュニティー活動用リース地 ( アボリジナルリザーブを含む ) においては 先住権は永久に消滅する

105 2.9 ウラン政策 Uranium Policy はじめに Introduction オーストラリアのウラン輸出政策は ウランが他の鉱物資源及びエネルギー資源と基本的に相違するという前提にたっている オーストラリアからの輸出ウラン及びそれから製造される派生物質が核兵器の開発に使用されたり その他の軍事目的に使用されることがないようなセイフガードとなっている これはオーストラリア原産のウラン (Australian-Obligated Nuclear Material:AONM) が 核燃料サイクルの中を進む際 その量を正確に測定することによって実行される このために 現在 イエローケーキのみの輸出が可能である オーストラリアのウラン資源埋蔵量は世界最大で約 40% を占めている オーストラリアの最近の酸化ウランの生産量と輸出量は平均 10,000t/ 年である オーストラリア産ウランは原子力発電用のみに使用されている ウラン輸出は 北朝鮮等の国への輸出や 核兵器に使用されることがないよう 確実な契約のもとに供給されている 2003/04 年度までの 5 年間でオーストラリアは 20 億 A$ を超える 44,330t の酸化ウラン精鉱 (37,591tU) を世界 11 か国に輸出した オーストラリアは 2005/06 年度には 10,964t の酸化ウラン精鉱 (9,297tU) を輸出した これは輸出額にして 百万 A$ であった オーストラリアでは ウランはエネルギー源として使用されておらず 少量のウランが医療及びその他の目的に使用されている 鉱山政策 の影響 The Legacy of the Three Mines Policy オーストラリア憲法では 鉱業に関する立法など諸権限は州政府にあり 連邦政府は州政府の協力がなくしてはその政策を進めることはできない状況にあるが 外国との貿易 通商に関しては権限を有しており 44 ウラン資源の輸出を規制する立法及び検疫 通関などを通じて 実質的にウラン資源の輸出をコントロール下に置くことが可能である また オーストラリア国内には原子力発電はなく ウラン資源の市場が自国内には存在しないことから ウラン資源の輸出をコントロールすることは 即ちウラン資源開発をコントロールすることになる 3 鉱山政策 は ウラン資源の輸出を制限することで間接的かつ実質的にウラン資源開発を制限していた 3 鉱山政策 とは 1984 年に当時連邦政府の政権の座にあった労働党が Ranger 鉱山 (NT 州 ) Nabarlek 鉱山 (QLD 州 ) Olympic Dam 鉱山 (SA 州 ) の 3 鉱山に限りウラン資源の輸出を認めたことを言う その後 1996 年に自由党と国民党の連立政権に代わると 3 鉱山政策 に当初より反対していた両党は 3 鉱山政策 の廃止を決め 近年はウラン資源生産を拡張するとの方針を示しているが 鉱業に関する立法などの諸権限は州政府にあり かつ州 準州政府の全てが労働 44 オーストラリア憲法には連邦政府の権限が列挙されているが その中では鉱業に関する事項は挙げられていない ( 第 51 条など ) また 同条 1 項 34 項は貿易に関する連邦政府の権限を規定

106 党政権であるために連邦政府はその拡張を進めることができず これまでオーストラリア国内のウラン資源開発は進んでいない 地球温暖化対策 最近のウラン需要拡大見込みや価格の上昇など ウラン資源開発を取巻く環境は大きく変化している オーストラリアの労働党はウラン鉱山の増加には反対の立場を正式には保っている 州レベルでは 一部の労働党政治家はウラン鉱山開発の阻止を企てている しかし ウラン価格の高騰と明白な資源のポテンシャルから ウラン資源が最も豊富な SA 州労働党政府は ウラン鉱業に対する立場を変えつつある しかし 2005 年 10 月に開催された SA 州労働党の大会では 党中央の意向に沿って反ウラン鉱山の方針を再確認し 周囲を驚かしている この背景にもかかわらず Quasar の Arkaroola 鉱区 (Alliance Resources 社 ) Challenger West プロジェクト (Hindmarsh Resources 社 /Southern Gold 社 ) Mount Yerila(Red Metal Ltd 社 ) などの新しい会社が探査活動を行っており SA 州内のウラン探鉱 45 は大幅に増加している 更に 他州については WA 州は環境への影響の観点から QLD 州は州内の石炭産業を圧迫するとの観点から新しいウラン資源開発を禁止する方針を示しているほか NSW 州に至ってはウラン資源探査をも禁止しているなど 州政府レベルでの反ウラン鉱山の方針は依然維持されている NT 州のウラン開発への連邦政府の権限 Commonwealth Authority over NT Uranium Mine Development NT 州政府はウラン鉱業に反対の立場をとっている しかし 他州の鉱業に対する権限とは異なり NT 州は実質上ウランに対して権限を持たない NT 州は法律上 ( 特に憲法上 ) 州とは異なる扱いをうける 46 鉱物(mineral) に関しては NT 州にある鉱物に関する連邦の全ての権利 (interest) は (Atomic Energy Act 1953 及びその Act のもとで定められた規則... に規定された物質 (substances) 以外 ) は本条により その日 ( 施行日 ) をもって帰属する (Northern Territory (Self-Government) Act 1978 第 69 条 (4)) と規定されていることから ウランに関する権限は NT 州には帰属しないことになる また 連邦政府が準州に対して立法措置を行うことができることから 47 ウラン開発に関する立法も可能と考えられ 労働党 NT 州政府の反ウラン鉱山の方針が示されたにも関わらず ウラン資源の輸出を増やしたい連邦政府は ウラン資源に限って準州内のウラン鉱業ライセンスの付与に関する権限を有するとしたのである 参照 46 北部準州は Northern Territory (Self-Government) Act 1978 によって設立 権限が規定されている 47 憲法第 122 条に基づいて 連邦政府が準州自治のために立法することがあるが 準州の独立性を認めず 準州と連邦の政策が異なる場合に連邦政府が準州の法律を無効とする場合が多いと言われる 1995 年に北部準州が安楽死を許可する法律を制定したが 1996 年に連邦政府 ( 連立政権 ) はそれに反対し 同法を無効とする立法措置 (Northern Territory Act 第 50 条 A の追加 ) を行ったなど 年 8 月 4 日の連邦政府の発表

107 2.9.4 最近の政策動向 Recent Developments 2005 年 8 月 連邦政府は ウラン産業の枠組み 3 年計画 ( Three years Uranium Industry Framework 49 ) を発表した この計画の目的は (1) ウラン資源輸出の障害をなくすこと (2) 全国的に一貫性があり効果的な規則を制定すること (3) 国民にウラン資源利用について啓蒙することなどであある また 州 準州 企業 先住民グループなどと協議し 政策の実現に向けた特別委員会を設置するなどの施策を講じるとしている 当面の政府の目標は 5 年以内に NT 州に第 2 のウラン鉱山を開発すること 2010 年までにオーストラリアのウラン資源輸出量を年間 10,000t から 30,000t に引き上げること 輸出金額を現在の 2 倍の年間 10 億豪ドルにすることとしている 年 8 月 11 日の連邦衆議院議員 Ian Macfarlane 氏による オーストラリアのウラン輸出産業の将来 年 8 月 11 日付け The Australian 紙, Nuclear power play より

108 3 鉱区料及びロイヤルティ Mining Fees and Royalties 3.1 各種料金 Fees 各州の鉱業規程には鉱物申請費や鉱区登録費 ロイヤルティが規定されてる 鉱区借地料は各鉱区に対して毎年前払いで支払われる その金額は鉱業規程に規定されてる ロイヤルティ以外の各種料金は上記の申請手続きに関する 2 節に詳しく説明されている これらの金額は毎年変更される傾向にある 3.2 ロイヤルティ Royalties ロイヤルティとは州 準州政府が所管する鉱物資源を 使用 ( 開発 ) する権利に対して支払われるものである 鉱業界においてはロイヤルティは 鉱物資源 石油 天然ガスの生産者が その土地及び鉱物権の所有者である国に対して支払うものである 土地所有者は ロイヤルティ又はその一部を受け取る権利を有していない 一般的にロイヤルティは生産鉱物資源が売却された時 処分された時あるいは使用された時に支払われる ロイヤルティには以下の 3 タイプがある 従量制ロイヤルティ (Quantum Royalty): 生産量に応じてロイヤルティ金額が発生する 回収鉱物資源量に定率が適用される 従価制ロイヤルティ (Ad Valorem Royalty): 実際に回収された鉱物資源の価値に一定の割合を乗じて算出する 鉱物資源の市場価値が反映されるメリットがある 利益ベースロイヤルティ (Profit-based Royalty): 鉱山生産量または生産物の価値ではなく 鉱山生産物の純価値を基準としてロイヤルティを算出する この方法は 鉱業における資産価値の変動を考慮しない生産物の価値 量を基準とするロイヤルティ算出方法に比べてより公平性の高い方法となっている さらに その他の方法では遠隔地での高コスト操業鉱山 低品位鉱山 採掘の難易度が反映されない 各州のロイヤルティ State Royalties QLD 州 ( 混合制度 ) QLD Mixed System 表 22 QLD 州特定鉱物別ロイヤルティ 鉱種石灰岩粘土 / 泥板岩金 / 銀 Royalty 30 セント /1 トン 25 セント /1 トン地価の % の間

109 TAS 州 ( 混合制度 ) TAS Mixed System 表 23 TAS 州特定鉱物別ロイヤルティ 鉱種石灰岩粘土 / 泥板岩金 / 銀 Royalty $1.20/1 トン $1.20/1 トン地価の % の間 VIC 州 ( 従価制度 ) 純市場価格の 2.75%( すべての鉱種 ) ただし 金はロイヤルティの支払いの必要はない SA 州 ( 従価制度 ) 評価価値の 2.5% 算出方法は下記のとおり ロイヤルティ = 生産量 / 販売量 ( トン ) x 査定価値 x 2.5% 表 24 SA 州のロイヤルティ定率表 鉱種 グレード 査定価値 ($/t) Royalty 定率 (2.5%) ($/t) 農業用石灰石 重晶石 粘土 ドロマイト 長石 金 ($/gm) 花崗岩及びそ花崗岩質岩 (m 3 ) 花崗岩及びそ花崗岩質岩 (t) (3t/m 3 ) 鉛 ケースバイケース基準 査定価格の 2.5% 石灰石 ( 大理石を含む ) マグネサイト 珪砂 / 珪石 亜鉛 ケースバイケース基準 査定価格の 2.5%

110 NT 準州 ( 利益ベース制度 ) 鉱物資源ロイヤルティ法 (Mineral Royalty Act) では 生産場所から販売あるいは出荷された鉱産物の純価値の 18% のロイヤルティを徴収することとなっている この比率は 鉱種あるいは鉱山の所在が政府所有地 フリーホールド リースホールド アボリジニ所有地であっても一定である ロイヤルティの算出方法は下記のとおりである 純価値 (Net Value)= GR -(OC +CRD+EEE+AD) GR : 生産ユニット当たりの総生産量 (Gross Realisation) 51 OC : ロイヤルティ会計年度当たりの操業コスト (Operation Cost) CRD : 固定資産支出控除 (Capital Recognition Deduction) EEE : 探鉱支出控除 (Eligible Exploration Expenditure) AD : 所管大臣認定の追加控除 (Additional Deduction) 生産ユニット (Production Unit) とは 操業ユニット全体のうちの 1 採掘鉱区もしくは 2 又はそれ以上の採掘鉱区によって構成される さらに販売用の鉱産物を生産するために必要なその他の施設 ( 採掘鉱区に隣接していても離れていても可 ) も含む ロイヤルティの純価値は 販売鉱物資源又は非販売出荷の価値に資本調整分を加算したものである 資本調整分は以下のとおりである : 販売可能な鉱物資源の生産に直接寄与するすべての操業コスト ( 流通コスト 管理コストの一部を含むが 所得税 ロイヤルティ及びロイヤルティに準じた支出を除く ) Capital Recognition Deduction(CRD) は減価償却と同様のものであるが CRD 償却期間 3 年 5 年あるいは 10 年にわたる利率要素を含んでいる (Australia Federal Securities 長期債権レート+2%) CRD 償却期間は法人税対象期間に基づく 探鉱支出控除 (Eligible Exploration Expenditure) は 生産ユニットの一部となっている採掘鉱区 (NT の内外を問わない ) において実施された探鉱のために支出された経費が対象 最高でロイヤルティの 25% を控除することが可能 探鉱保持リース (Exploration Retention Lease) において支出した探鉱費も対象 52 資源ロイヤルティ法 (4CA) に規定される追加控除 さらに純価値で最初の 5 万豪ドルまではロイヤルティの対象とならず 多くの小規模事業者がロイヤルティの支払いを免除されている WA 州 ( 混合制度 ) WA では前述の 3 種類のロイヤルティが適用されるが 利益ベースロイヤルティ 51 生産設備 production unit とは統合操業の一部として運営されている単独の鉱区あるいは二つ以上の鉱区である 売るのに適した形の鉱産物を生産するのに必要なその他の施設 ( 鉱区に隣接していようがいまいが ) もその一部である 52 超過 EEE は繰り越し 次年度以降のロイヤルティを削減することができる さらに 最初のネットバリュー 5 万豪ドルはロイヤルティを支払う必要がない これにより大部分の小規模鉱山のロイヤルティ支払いを完全に免除することになる

111 (Profit-based Royalty) はダイヤモンドにのみ適用される 従量性ロイヤルティ (Quantum Royalty) は 一般的に低価値の建設用原料及びその他の鉱種 ( 石灰石 砂利 粘土 珪砂 砕石 ) に適用される これらの鉱種に対するロイヤルティは以下のとおりである 34 セント /t( 建設用 ) 56 セント /t( 冶金的含有量 ) Ad Valorem Royalty は その他すべての鉱種に対して適用される 算出方法は以下のとおりである : ロイヤルティ = ロイヤルティ価値 x ロイヤルティ率 (%) 適用される割合は鉱種の形態による : バルク原料 ( 限定的な処理をされるものに限定 ) - ロイヤルティ価値の 7.5% 精鉱 -ロイヤルティ価値の 5.0% 金属 -ロイヤルティ価値の 2.5% ロイヤルティ価値は以下のように算出される : ロイヤルティ価値 = ( 鉱物資源のグロス請求価格 - 許容される控除 ) 許容される控除 53 対象は 鉱物資源の輸送費 ( 出荷時と同一形態のものに対するものに限 る ) もしくは 鉱物資源がオーストラリアから輸出されない場合は 最初の出荷時と同一 の形態における輸送用梱包材コストに対して支払われる価格 表 25 WA 州のロイヤルティ定率表鉱種ロイヤルティ (%) ボーキサイト 7.5 銅 - 精鉱 金属 2.5 鉄鉱石 - 塊状鉱 粉鉱 Beneficiated 鉱石 5.00 金 ($/ gm) 2.5 注 : 最初の 2,500oz まではロイヤルティ免除鉛 - 精鉱 金属 許容される控除の価値はオーストラリア貨幣でなければならない

112 NSW 州 ( 混合制度 ) NSW では WA と同様に 鉱種によって 3 種類のロイヤルティのうちの一つが適用される 利益ベースロイヤルティ (Profit-based Royalty) は Broken hill 鉱山の line of lode 鉱山にのみ適用される Ad Valorem Royalty は 鉱物資源価値から控除分を減じこれに通常は 4% を乗じる 鉱種 表 26 NSW 州のロイヤルティ定率表 ロイヤルティ率 農業用石灰 35 セント /1t ボーキサイト 35 セント /1t 粘土 / 頁岩 35 セント /1t 石炭 7%( 露天採掘 ) 6%( 坑内採掘 ) 5%( 深部坑内採掘 ) 銅 4%( 出荷価値 ) 金 4%( 鉱山出荷価値 ) 黒鉛 4%( 鉱山出荷価値 ) イルメナイト 4%( 鉱山出荷価値 ) 鉄鉱物 4%( 鉱山出荷価値 ) 鉛 4%( 鉱山出荷価値 ) 石灰岩 40 セント /1t リチウム 4%( 鉱山出荷価値 ) ニッケル 4%( 鉱山出荷価値 ) ルチル 4%( 鉱山出荷価値 ) 銀 4%( 鉱山出荷価値 ) 亜鉛 4%( 鉱山出荷価値 ) ジルコン 4%( 鉱山出荷価値 ) 各州のロイヤルティ詳細の問い合わせ先は下記の通り Western Australia: Department of Minerals and Energy 100 Plain St, East Perth, WA, 6004 Ph: (08) Fax: (08) New South Wales: Department of Mineral Resources Christie St, St Leonards, NSW, 2065 Ph: (02) Fax: (02)

113 Queensland: Department of Minerals and Energy 61 Mary St, Brisbane, QLD, 4000 Ph: (07) Fax: (07) South Australia: Department of Primary Industries and Resources PO Box 151, Eastwood, SA, 5063 Ph: (08) Fax: (08) Northern Territory: Department of Mines and Energy The Mall, Darwin, NT, 0800 Ph: (08) Fax: (08) Tasmania: Development and Resources 30 Gordons Hill Rd, Rosny Park, Tas, 7018 Ph: (03) Fax: (03) Victoria: Department of Natural Resources & Environment 250 Victoria Parade PO Box 500 East Melbourne Victoria 3002 Ph: (03) Fax: (03)

114 3.3 補償 Security Deposits すべての州 準州において 申請者は土地所有者に対して 地表へのダメージ 土地へのアクセス権利の制限 土地へのアクセス妨害 土地内の構造物その他の資産のダメージに対する補償金を支払う必要がある 補償金の金額は鉱物資源の価値に関係するものではない 州によっては Security Deposit または私有資産ボンド (Private Property Bond) を徴収し 土地使用によるダメージに対する補償金の確実な支払いを確保している WA 州 VIC 州 SA 及び NSW 州では 土地使用の制限 収入の損失及び社会的影響等に対する補償も必要である すべての州 準州において 土地所有者は諸権利の許可に対して異議を申し立てることができる 鉱区の大きさ Area Size 多くの州 準州政府は 探鉱許可対象地域を経緯線網単位 (graticular unit : 経度 1 分 x 緯度 1 分 ) を基準としている 経緯線網単位の 1 ブロックは 経度 5 分 x 緯度 5 分 つまり 25 ユニットとなる 探鉱権許可の対象となる最大規模は申請者によって 1 から 100 ブロックとさまざまである すべての州 準州で 所管大臣が申請書が有効であると判断した場合は より大きな面積の許可が可能である ユニットは サブブロック とも呼ばれる 許可期間 Time Period 探鉱権許可期間は 一般的には 2 年ないし 6 年で 更新時に面積を減じ (Relinquishments) なければならない 所管大臣は特別な場合 この条件を変更することができる 一般的に 更新時の減区面積は 当該探鉱権許可面積の 1/2 である 探鉱権申請のための申請料金は州 準州によってさまざまである 詳細は 2.3 及び 2.4 に参照 3.4 税制 Taxation オーストラリアでは 憲法上 連邦政府だけが所得に課税する権限を有している 所得税に関する主たる法律は 所得税法 1997 年 (the Income Tax Assessment Act 1997) であり 財務省の下で国税庁 (the Australian Tax Office) が執行している 所得税法により 納税者は課税年度に取得した課税所得に対し納税義務がある 課税所得とは 基本的に 益金から損金を控除した額である 企業税制 Company Taxation Arrangements オーストラリアでは 2000/01 会計年度に大幅な税制改革が行われ 資源業界はこの改革の大きな恩恵を受けた 主な改革内容は 国際競争力のある法人税率の適用 キャピタルゲイン税率の引き下げ 物品税 (Wholesale Sales Tax) の廃止 燃料税割戻し率の引き上げなどの変更が含まれていた オーストラリアの法人税率は 30% で 日本の法人税率に匹敵すると同時に アジア太平

115 洋地域では比較的低い税率である 企業は 収入と経費 損失の控除を詳細に明記した年次税務申告を提出しなければならない 課税所得は所得から認められる控除額を差し引いた金額となる 納税額は課税所得の一定割合 (30%) となる また 企業はオーストラリア証券投資委員会 (Australian Securities and Investments Commission) に年次報告書を提出しなければならない 連結納税 Group Tax 歴史的には 所有関係が 100% 共通の居住グループ会社の間では 一定の税法上の要件を満たす場合 税務欠損金を会社間で移転することが可能であった しかし 2002 年 7 月 1 日に連結納税制度が導入されたことを受け 欠損金移転規程は廃止された 連結納税制度の下では オーストラリアの持株会社や親会社は連結納税を選択することができ この場合オーストラリアの 100% 子会社全てを含むグループが単一の納税単位となる この制度の下では 各子会社の繰越欠損金は 連結納税グループ構成時に親会社へ移転することができ ( 一定の制限の下 ) グループの課税所得と相殺される 連結納税グループ内のメンバー同士間の取引は税務上は通常無視され 資産を税務上の影響なしでメンバー間で移転することも可能である 連結納税グループへの参加の際には ある程度の作業が必要となり得る 何故ならば 参加時に資産の税務上原価を再設定 (reset) することが可能な場合があるからである 税務上原価の再設定は 例えば鉱業権のような資産の税務上原価を増加させることができた場合 多大な税務上の便益を生むことになる しかし このような影響度は会社 グループによって差があるため 個別に詳細な専門的アドバイスを求めることが望ましい 減価償却 Deductions 減価償却による控除は 機械装置や備品等の減価償却資産に対して認められる 減価償却資産とは 有限の耐用年数があり また使用の継続に伴いその価値が減少することが合理的に予想されるような資産と定義される 土地 棚卸資産 及び多くの無形固定資産は減価償却資産から除かれる しかし 採鉱 採石 及び試掘に関する権利及び情報は 無形固定資産でありながら 減価償却資産に含まれる 一般的に 減価償却は定率法で計算されるか または納税者の選択により定額法で計算される 少額の減価償却資産 (1,000 豪ドル未満 ) についても規定があり 資産をプールし プールされた額を基に減価償却を計算する 探鉱のために初めて使用される減価償却資産は 初年度に全額を控除できる 減価償却残高調整 Balancing adjustments 減価償却資産が売却 廃却 破壊 紛失または譲渡された場合 過年度減価償却費につい

116 て修正が必要である 固定資産の売却等による対価が減価償却後の固定資産の簿価を下回る 場合には 差額は売却等を行った年度の損金に算入することができる 逆に 売却額が簿価 を超過する場合には 超過額を益金に算入しなければならない サイト開発 採掘 処理施設及び輸送施設の建設に係わる鉱山業の資本的支出 Certain Minesite Outlays 資本的支出の中で上述の減価償却資産に該当しないものには プロジェクトプール規程に基づく控除が適用される そのような資産に関しては 下記の式のようにプロジェクトの残存年数に基づいた定率法により控除が認められる プールされた資産額 X 150% プロジェクトの残存年数 プロジェクトの残存年数鉱山業の資本的支出 Expenditure over Remaining Mine Life プロジェクトプールに含むことができる鉱山業の資本的支出には以下の項目がある ( ただし通常の減価償却による控除に該当するものを除く ) 鉱業活動において発生した下記費用 - 鉱業活動のためのサイト整備 - 鉱業活動上必要な建物 改良工事 - 鉱山で使用する水道 電気 通行 通信施設への拠出金または負担金 - 従業員用の鉱山に隣接する社宅及び福利厚生施設 鉱業活動により得られる鉱物の輸送のために主に使用される輸送施設 ( 鉄道 道路 パイプライン 港湾施設等 ) 特別控除 Special Deductions 特別控除可能な資本的支出が発生した納税者は その支出の対象であった資産が譲渡 紛失 破壊等により消滅した後には控除は認められない しかし 未控除の資本的支出額については 資産の処分時に調整計算が認められる ( 下記 参照 ) 資本的支出の優遇措置 Capital Expenditure Special Measures オーストラリアにおける鉱業の資本的支出が優遇措置の適用を受けるか否かの判定に際しては 一般に 当該支出が以下のどのカテゴリーに該当するかを判定する必要がある 探鉱及び試掘 機械装置 備品等の減価償却資産 その他の特別控除可能な資本的支出

117 探鉱費 Exploration Expenses 規定の鉱業活動に基づく産出可能な鉱物 ( 石油を含む ) 調査のために発生した探鉱または試掘費用は その費用が発生した年度に全額損金算入が認められる ただしそのためには 納税者が鉱業を行っているか 実行する計画を有しているか あるいは規定の鉱業活動に基づく産出可能な鉱物の探鉱または試掘を含む事業を行う上での費用が発生していなければならない 鉱業活動 とは 広義で 鉱物を天然のサイトから生産するために行う鉱山での活動のことを指す 探鉱または試掘とは 以下の項目を含む 地質学的測量 地球物理学的調査 鉱物や採石物を含有する地域の組織的調査 及び地域内のドリリングまたは他の方法による鉱物の調査 ドライブ シャフト クロスカット ウインズ ライズ ドリリングによる鉱石または鉱脈の近辺の調査 鉱物や採石物が発見された場合の経済的効果を評価するためのフィージビリティ調査 及び 鉱物や採石物を含有する地域の探索及び評価に関連する 採鉱 採石 及び試掘に関する情報収集 原状復旧費用 Site Rehabilitation Costs 鉱業 石油鉱業 採石業のサイトの原状復旧のために発生した費用は資本的支出であり 一般的な経費としては損金算入ができない そのような費用が鉱業活動終了後に発生する場合もある しかしながら 鉱業 石油鉱業 採石業のサイトの原状復旧のための費用は 収益的支出であるか資本的支出であるかを問わず 支出を行った年度に全額特別控除が認められる 特別控除が認められる条件は 特別控除を受けるものが 鉱業 探鉱または試掘 または付随的な鉱山業活動をそのサイトにおいて既に行っていることである 原状復旧工事は 全く採掘前の状態 または合理的に考えて採掘前と類似する状態にまで復旧されなければならない 環境影響調査費用 Environmental Protection Activities 環境影響調査費用は 該当プロジェクトの存続年数に亘って損金算入することが認められ 前述のプロジェクトプール資産と同様に定率法で計算される プロジェクトがある年度に中止された場合 その年度に支出した環境影響調査費用は全額その年度に損金に算入できる 調査に使用された設備の原価は 税法の通常の減価償却規定に基づき償却される

118 3.4.4 研究開発費 Tax Concession for Research and Development 研究開発活動を行う企業には税務上多くの優遇措置が適用される 一般的に言えば 研究開発活動とは革新と高度な技術リスクを伴う組織的 研究的 実験的活動であり 以下の目的のために遂行されねばならない (i) 新知識の取得 (ii) 新規の材料 製品 意匠 製法 サービスの創造または改良優遇措置に基づく控除は研究開発支出の 175% までであるが 大部分の支出については 125% までである しかし 研究開発支出の税優遇措置は非常に限られている 経費は会社がオーストラリアで設立され ( オーストラリア企業 ) 産業研究開発委員会(Industry, Research and Development Board) に登録している場合のみ控除できる 鉱物のプロスペクティング 探鉱 掘削に基づく研究開発も控除対象外である 鉱業権等の譲渡 Depreciation 鉱業用資産を譲渡した場合 ある金額を 益金または損金に算入する結果となる これは所得税法におけるキャピタルゲイン税 (3.4.6 参照 ) の規定 減価償却残高調整規程 または資本的支出特別控除残高調整規程の適用による 2001 年 7 月 1 日以降に取得した資産に関する鉱業用情報のゲインまたはロスは 減価償却残高調整規程の下の減価償却資産に関するゲインまたはロスと同様に益金または損金となる 減価償却残高調整 - 鉱山業及びエネルギー産業の規程 Depreciation Adjustments for Minerals and Energy Industries 鉱山業関連の活動に使用されていた資産を紛失 破壊または譲渡した場合 納税者の課税所得の計算において残高調整を行う必要がある 一般に 資産が専ら課税所得を得るために使用されていた資産へ支払われた対価がその減価償却後の価値を超過した場合 残高調整規程により この超過額は益金に加算される 逆に 対価が減価償却後の価値を下回る場合は 差額は損金算入できる 資産価値増加税 Capital Gains Tax キャピタルゲイン ( 資産価値増加 ) に対する特別な課税率はなく 企業は法人税率と同率 (30%) で課税される キャピタルゲイン税は純キャピタルゲイン額に課され 法人税と共に納税される 一般的に 資産の譲渡価格が資産の取得価格を上回る場合にキャピタルゲインが発生する キャピタルロスはこれと逆の場合に生じる 通常 1985 年 9 月 19 日以前 ( キャピタルゲイン

119 税導入前 ) に取得した資産から生じたキャピタルゲイン ( またはロス ) は除外される オーストラリア居住者の場合 海外資産に発生したキャピタルゲイン ( 又はロス ) もキャピタルゲイン税の対象となる 非居住者の場合 オーストラリアと関係のある資産に係るキャピタルゲイン ( 又はロス ) が対象となる その他の租税公課及び税額控除等 Other taxes 土地税 Land Tax 土地税はすべての州と ACT で課税されるが NT 州では課税されない 土地税は改善されない土地の価値 (Unimproved land value) に対して年度毎に土地所有者に対して課税される ACT では土地はすべて政府所有地賃借 (Crown lease) であるので 賃借人に課税される 土地税率は累進式であり州によって異なる 納税者の主たる住居は通常免除され ほとんどの州で農耕地や林業に使用される土地には一定の免除があるが 鉱業は免除されない 印紙税 Stamp duty 印紙税は 取引価格に対し 固定税率または従価税率により課される 州または特別地域の税金である 歴史的には 印紙税は特定の取引を証拠付けるために作成される文書に課された しかし 現在では一般的に 文書が作成されるか否かに係らず 特定の取引に印紙税が課される 印紙税が課される取引としては 土地譲渡 非公開会社の株式譲渡 またはジョイントベンチャーの権益等の事業譲渡がある 付加価値税 Goods and Services Tax (GST) 2000 年 7 月より 全ての物品 サービス及び課税輸入品に課される 10% の GST( 付加価値税 ) が導入された GST の導入により 以前にオーストラリアで課されていた卸売上税は廃止された GST は多段階課税であり 登録事業者が納税義務を負う 年間売上高が 50,000 豪ドル以上の事業を行っている企業は GST 事業者登録が義務付けられているため ほとんどの事業が GST 登録事業者である GST 登録事業者は 一般的に購入に課された GST を仕入税額控除することができる GST 登録事業者は GST を仕入税額控除するためにタックスインボイスを保管しなければならない GST ゼロレート (GST-free) になるケースは多々あるが 輸出もその一つである ゼロレート供給を行う GST 登録事業者は やはり一般的に購入に課された GST を仕入税額控除することができる 一般的に輸入品は GST の課税対象であるが GST 登録事業者はその GST を仕入税額控除することができる 給与税 Payroll Tax 給与税は 雇用者が被雇用者に給与として支払う金額に基づいて計算される州税である

120 給与税対象の最低給与金額は州 準州によって異なるが 一般的に年間 50 万豪ドル以上が 課税対象となる 表 27 各州 準州の給与税 ( ) NSW VIC QLD WA SA TAS NT ACT 基本税率 6.00% 5.25% 4.75% 6.00% 5.5% 6.10% 6.20% 6.85% 免税限度額 -A$ 600, , , , ,000 1,010, ,000 1,250,000 参考税額 (A $ ) 給与 100 万豪ドル 24,000 23,625 9,500 15,000 27, ,400 0 給与 500 万豪ドル 264, , , , , , , ,875 給与 1000 万豪ドル 564, , , , , , , ,375 すべての州及び準州において 給与基本金額には雇用者負担分の年金負担金が含まれている フリンジベネフィット税 Fringe Benefit Tax (FBT) フリンジベネフィット税 ( または付加厚生給付税 :FBT) は 雇用者から被雇用者あるいはその関係者に支払われる給与外転嫁ベネフィットに課せられる連邦税である フリンジベネフィットの対象は 権利 ( 所有権など ) 特典 サービスあるいは便宜( 社用車の支給 住宅及び通勤費補助 接待費 ) 及びその他のベネフィットである 税率は 2004 年に 48.5% 配当源泉税 Dividend Withholding Tax オーストラリアではオーストラリア企業の利益に対する二重課税を防ぐため 配当転嫁制度を採用している オーストラリア居住者がオーストラリア居住企業から法人税支払い後の配当金を受け取った場合 既課税分を自分の税額から減じることができる 配当転嫁は 配当免除 (franked dividend) または転嫁クレジット (franking credits または imputation credits) と呼ばれる 具体的な内容は以下のとおりである 株主の場合 : 配当金収入に掛かる税金がすでに全額あるいは一部支払われている 企業の場合 : 配当金に含まれ株主に支払われた支払済税金金額 (credits) を証明するための記録を保管しなければならない 企業は配当金を配当免除 (franked dividend) にするかどうか またその場合はその金額と credits の割合をフランキング勘定の残高範囲内で自由に決めることが出来る 非居住者がオーストラリア居住企業から受け取ったfranked dividendsに対して税金を支払う義務はない ただし franked されていない配当金に対しては源泉徴収税 (Withholding Tax) が課税される 源泉徴収税率は その配当金がどの国に支払われるか また当該国間との間で定められている二重課税協定 (Double Taxation Agreement) に基づいて 10% から 30% の間で課

121 税される オーストラリアと日本の間で定められている税率は 15% である 鉱山企業に関する税制 Taxation for Mining Companies ブラックホール経費 Black hole expenditures 鉱業企業に対して 輸出市場開発費 先住権対策費 閉山対策等の費用は 資産価値の増加につながらない限り 直ちに損金扱いとなる 鉱業企業においてその他の事業経費の取り扱いは 一般的には他の産業界の企業の場合と同様である 資本支出に相当しない日常的な操業コストなどは 通常 発生と同時に損金扱いできる 鉱産物ロイヤルティの支払いも 法人税制上損金扱いとなる 遠隔地住居の FBT 適用除外 Remote Area Exemption for FBT 2000 年 4 月から 鉱業企業から被雇用者に支給されている遠隔地住居手当ては フリンジベネフィット税 ( 付加厚生給付税 FBT) の対象外となった この制度の適用条件は以下のとおりである 人口 14,000 人またはそれ以上の都市から 40km 以上離れていること 人口 130,000 人またはそれ以上の都市から 100km 以上離れていること 外国の特種な税問題 Foreign Taxation Issues 配当源泉徴収税の免税 Dividend Withholding Tax Exemption 1994 年から オーストラリア居住企業が非居住者に対して支払った 税引き前の配当金は 外国配当金勘定 (Foreign Dividend Account:FDA) 申告金額の範囲内であれば 配当源泉徴収税は免税となる FDA 申告金額は オーストラリア企業が受け取った外国配当金を 非居住株主に支払う際の申告を可能にする この金額はオーストラリアの所得税課税対象から除外されている この免税措置は 海外居住の親会社を持つオーストラリア子会社が オーストラリア国外の子会社に投資する場合 親会社の税金面の負担を軽減している 二重課税の防止と国際税額控除に関する協定 Double Taxation Treaty and Foreign Tax Credits オーストラリアは多くの国と二重課税の防止を目的とした包括的な協定を締結してきた 協定は課税する権利をいずれか一国に独占的に与えるか あるいは協定国間で分配するとするルールを定めている オーストラリアは日本と二重課税協定を締結している 居住国 ( または会社設立国 ) および収入源となる国 ( オーストラリア ) の両方に課税権がある場合 協定は居住国での収入源国で支払われた税額の控除を認めている このように オーストラリアの鉱業所得に対する税は日本の税額控除で相殺される

122 また 協定は日本の居住者に対する オーストラリアの配当税 ( 通常 15% まで ) 金利お よびロイヤルティー税 ( 通常 10% まで ) の課税を制限している 移転価格 Transfer Pricing 二重課税を防止する以外に 二重課税協定は国際的な税処理による脱税を防止する 1936 年所得税法 13 部門は 関連会社間の移転価格メカニズムを通して利益をオーストラリアから移転することを規制する特別の条項である 移転価格 とは 関連者間で 財またはサービスを国境を超えて移転させる場合の財またはサービスの価格のことである この語義は 必ずしも利益の移転を意味するものではない この条項は 下記の取引に関して独立企業間 (Arm's Length) 基準を課している 国際間契約に基づく財またはサービスの供給または取得 国際的組織の内部取引 過小資本規制 Thin Capitalisation オーストラリアの過小資本規制は 外国資本が支配するオーストラリア企業及び外国資本の恒久的施設等に適用され 一定の負債資本比率を満足しない場合に利息等控除 (debt deduction) を制限するように機能する この規制はオーストラリアに投資する外国事業体と海外に投資するオーストラリア企業の両方に適用され 多国籍企業がオーストラリア事業に不釣合いな額の債務を割り当てることを防止することを目的とする 外国資本に支配されているかどうかの判断基準は 5 人以下による 50% 以上の支配があることである 借入額が控除限度借入額以下であれば 利息等は全額控除できる 超過借入がある場合は その超過割合に応じて利息等控除が否認される 控除限度借入額は 概ね 一般の会社について負債資本比率 3 対 1( 調整後資産の 75%) または特定の金融機関について 20 対 1 である ここで云う借入金とは全ての借入金のことであり 国外関係者からの借入金に限定されない 商業的な借入 (arm's length debt test) であることを満足すれば さらに多額の借入金について利子等控除が認められる 過小資本規制の適用に際し 税法上の新しい借入 / 資本ルールが適用される 借入か資本かに区別する際に 形式よりも実体を優先するアプローチを採用している 3.5 関税 Tariffs and Custom Duties 関税 Tariffs オーストラリアに輸入される貨物は全て 輸入時点から貨物が所謂 国内消費 (Home consumption) に引き渡されるまでオーストラリア関税局の管理下にある 国内消費とは 貨物が税関の管理を経てしかるべき輸入手続を完了したことを意味する 鉱山用機材は 輸

123 入に際して税関の管理を受け オーストラリア関税率表に明記してある税率で関税が課される 鉱山用機材の輸入関税は 一般的に 5% を超えない 関税は通常 関税評価額に税率を掛けて課税される 関税評価額は 基本的に輸入業者と海外輸出業者との契約条件に従って支払われる FOB 価格に基づいて決定される 物品税及び使用料 Custom Duty / Excise Duty オーストラリアの鉱山業の特長の一つとして 数多くの物品税 使用料 その他の連邦税 州税が課されることが挙げられる 以下は その例である 特定の原油及び液化天然ガスに課税する連邦物品税 オンショア及びオフショアの石油生産に課税する連邦 州 特別地域の使用料 石炭 金 卑金属等の鉱業生産に課税する州及び特別地域の使用料 許可料 ライセンス料 登録料等の連邦 州 特別地域政府によるその他の課税使用料の取り決めは 州や生産物によって差異がある 関税及び通関料金の割引 Tariffs and Custom Duty Concessions 連邦政府は 企業が免税品または割引品の輸入許可のためのさまざまな制度を有している エンハンスド プロジェクト スキーム The Enhanced Project By-Law Scheme (EPBLS) Enhanced Project By-Law Scheme(EPBLS) は 2002 年 7 月 1 日に施行され 鉱業 農業 資源加工 食品加工 食品梱包 製造業及びガス供給産業部門の大規模プロジェクトに係る設備投資の関税割引を認めるものである EPBLS は従来の Project By-Law (PBL) Scheme の代わりとして導入されたもので 設備投資額が 1000 万豪ドル以上のプロジェクトを対象としている この制度はオーストラリアで製造されていない重要設備機材あるいはオーストラリアで製造されているものより技術的に優れているものを免税で輸入することを認めている 新制度は プロジェクト実施者がプロジェクトのすべての面で豪州国内企業に参加機会を与えることを求めている EPBL は下記の二段階のプロセスから構成されている 第一段階 :EPBLS 制度に基づくプロジェクトの申請 この段階で事業実施者はオーストラリア産業参加計画 (Australian Industry Involvement Plan:AIIP) を提出する必要がある 事業実施者はオーストラリア産業界に対し物品 サービス提供のための完全 公平かつ適切な機会をどのように与える意図があるかを示さなければならない

124 第二段階 : オーストラリア国内の参入の可能性のあるメーカー及びサービス提供者を探し プロジェクトに参入する機会を知らせ プロジェクトに関わる契約に応札する機会を与え る為に 申請者がいかに AIIP を実行したかを示さなければならない 関税割引制度 Tariff Concession System 関税割引制度は オーストラリア国内産業を支援するために 一部の輸入製品に対する通関割引のために導入された この制度の下では オーストラリア国内で代替可能な製品が生産されていない場合 あるいは税関に関税割引申請を提出した時点で その製品が国内で入手不可能な場合に関税割引指示 (Tarrif Concession Order:TCO) が与えられる 代替可能な製品とは オーストラリア国内産で輸入製品に相当する用途がある物を示す TCO は下記の場合に与えられる 国際収支統計に使われる基準で消耗品と認定された物品の免税通関 その他の該当物品に対して 3% の関税 トレーデックス制度 Tradex Scheme トレーデックス制度は 2000 年 6 月に Tariff Export Concession (TEXCO) の代わりに導入された トレーデックス制度は 最終的に輸出される物品の生産過程で使用 消耗あるいは消費される輸入物品にかかる関税及び消費税を事前に控除する制度である この制度は控除額相当の価値が供給チェーンの全体を流れながら増していくので キャッシュフローの重要な利点となる Tradex 制度の適用条件は以下のとおりである 輸入される物品は最終的に輸出されるか あるいは輸出されるための物品を生産する過程で使用されなければならない 輸入された物品の輸出は 一年以内あるいは Aus Industry で定められている期間内で実行されなければならない 輸入及び輸出されたすべての物品の記録を補完しなければならない 輸入された物品がオーストラリア国内で売却された場合 あるいは豪州国内で販売された製品の製造過程で使用または消耗された場合 トレーデックス税 (Tradex Duty) を支払わなければならない ディーゼル燃料割戻し制度 Diesel Fuel Rebate Scheme ディーゼル燃料割戻し制度 (DFRS) は 特定業務のために一般道路以外の場所で消費されるディーゼル燃料 ( 及びディーゼル系燃料 ) に課税される物品税及び関税に対する全額割戻し制度である 2000 年 7 月 1 日から下記の業務で使用されるディーゼル燃料が一部の例外を除いて割戻し対象となった

125 鉱山操業 ( 公道で走るものを除く ) 一次生産産業 ( 公道で走るものを除く ) 鉄道輸送事業 ( 公道で走るものを除く ) 海上運送事業 ( 公道で走るものを除く ) 病院 看護施設 あるいは医療や介護ケアを提供しているその他の施設 あるいは老人ホームに於いて 食事 飲料 照明 暖房 冷房 給湯などの供給 その他の設備の発電に使用される場合 現在のディーゼル燃料の割戻し率は 1 リットルにつき セントで ディーゼル系燃料は セントである

126 4 鉱山産業への投資 Investment in the mining industry 4.1 外国投資法及び規制 Foreign Investment Law and Regulation 連邦政府の長期的政策では オーストラリアの国益に影響を与えない限り 外国からの直接投資を奨励している 連邦政府は 外国投資買収法 (Foreign Acquisitions and Takeovers Act 1975) によって 国益に反する M&A 計画に対する提案 要求を差し止める権限を持っている 同時に連邦政府は 外国からの投資が オーストラリア経済に望ましい成果をもたらし有益であることも認識している 輸出振興型の国際的競争力のある産業開発及び雇用機会創設は 特に重要な政策要素である こうした外国からの投資案件の許可については 連邦外国投資規制委員会 (Foreign Investment Review Board:FIRB) が審査し その結果を財務大臣に勧告し 最終的に財務大臣が決定を行う 下記に示すような場合は FIRB への報告が必要とされている オーストラリア企業の株式シェアの 15% を超える買収を行う場合で その投資金額が 5000 万豪ドルまたはそれ以上の価値に相当する場合 外国企業の持つオーストラリア企業の資産を 他の海外企業が買収する場合で その資産価値が 5000 万豪ドルまたはそれ以上の場合外国投資規制委員会の意見に基づき 大臣がオーストラリアの外資投資政策に従って外資による買収に異議なしと示さない限り 買収を進めることはできない 買収計画が詳細に審査される場合もあるが ウランを除いて 鉱業セクターでは現在まで外資投資政策が問題になっていない FIRB は外資が鉱業分野の開発には不可欠であることを認識していることから外国企業による買収計画には助長的態度を取ってきた 最も有名な例外は 国益を理由に 2000 年の Shell 社による Woodside 社買収計画であった オーストラリアでは外資による 100% の投資も許可されている 4.2 海外企業の登録 Foreign Company Registration Requirements 2001 年連邦会社法 (Corporations Act 2001 (Cth) ) に基づき 外国企業はオーストラリアで事業をするには登録しなければならない 56 事業とは オーストラリアにおいて社債の提供 株式または資産の売買取引 またはオーストラリアに常設事務所を持つことを含む 外国企業はオーストラリアで投資をするか あるいは資産を保有する場合にはオーストラリアで登録している必要はないが ほとんどの州鉱業省では探鉱権を申請する企業に登録を要している 57 これらの条件は州鉱業法に規定されるか 州鉱区機関が単に実施していることがある 例えば 1989 年鉱物資源法 (QLD) では 適格者 はだれでも探鉱許可を保有することがで 58 きる この場合 適格者 は成人 地方自治体 外国登録企業を含む企業を意味し 登録 年会社法 (Corporation Act 2001) 第 5B.2 部 2 57 例えば 1989 年鉱物資源法 (Qld) で 適格者 は探鉱許可を保有できる 適格者 は成人 地方自治体または企 業である 年鉱物資源法 (Qld) 付則の辞書に定義

127 条件を課している 一方 WA 州では登録条件は法律には規定されないが 2001 年連邦会社法を適用することにより 必要性を暗示している 登録するには 外国企業はオーストラリア居住者またはオーストラリア企業である現地代理人を最低一人持ち しかもオーストラリア国内に事務所を持つ必要がある 登録申請は 会社証明証 (Certificate of Incorporation) の正式なコピー 企業行動憲章 取締役の詳細 オーストラリア居住者取締役の権限 オーストラリア資産の株式明細 および登録事務所の所在地に関する詳細を添付して オーストラリア証券投資委員会 (Austarlian Securities and Investment Commission:ASIC) に提出しなければならない 登録外国企業は年次会計報告を ASIC にする必要がある オーストラリアで外国企業が事業を行う代わりに オーストラリアで設立された株式非公開企業または株式公開企業である子会社を通して事業をすることができる 子会社は新しい会社として設立するか シェルフカンパニー ( 設立されたが営業していない会社 ) などのオーストラリア企業を取得して設立することができる 4.3 会社の設立 Setting up a Business オーストラリアにおいて 一般鉱業及び石油鉱業遂行のために最も一般的で且つ望ましい事業形態は Unincorporated Joint Venture( 法人格を持たない共同事業 ) である その他の形態としては ジェネラルパートナーシップ リミティッドパートナーシップ ユニットトラスト 有限責任会社がある ここでは 最も頻繁に利用される事業形態 即ち Unincorporated Joint Venture の主要な特徴を述べると共に 鉱業には比較的利用されないジェネラルパートナーシップ リミティッドパートナーシップ 有限責任会社会社 ( 法人格を持つ共同事業 ) についても言及する 法人格を持たない共同事業 Unincorporated Joint Venture Unincorporated Joint Venture について論じる時には 事業または収益の分配が共同参加で行われているかどうかを考慮する必要がある なぜなら オーストラリア税務当局は そのような共同参加が行われている場合 その事業形態を所得税法 1997 年の適用上税務上のパートナーシップと見なす虞があるからである オーストラリアの一般鉱業及びエネルギー産業に於ける典型的な Unincorporated JointVenture では 事業参加者は 探鉱 採鉱 油井または油田の開発及び生産のコストを各自の権益割合に応じて個別に分担する 更に 事業参加者間ではジョイントベンチャーにおける権益割合に応じて生産物を引き取る契約を結んでいる ジョイントベンチャーの参加者は 各々に分配された生産物の販売を 各自で取り決めなければならない 共同販売契約を結ぶことは勧められず またそれを避けるのが通常である しかし 各参加者が一つの販売会社と個々に代理店契約を結んだり 各参加者が各々の取分の生産物を一つの販売会社に売却することもある この販売会社は ジョイントベンチャーの生産物のマーケティング

128 を行う ジョイントベンチャーの各参加者は 各々の持分について共有 (Tenant in Common) として各自の権利を持っている 各参加者は 資本的支出に関する税法上の様々な特別控除の優遇措置や選択の特典を 各々独自に利用することができる Unincorporated Joint Venture の参加者についてジョイントベンチャーに係る諸控除により税務上の欠損金がでた場合 その参加者が行っている他の事業のオーストラリア所得と相殺するように処理することができる ジョイントベンチャーの契約では マネジャーまたはオペレーターを選任して 事業の管理 並びに事業参加者からの拠出金 (Cash Calls) の徴収及びジョイントベンチャー事業運営に要する全ての支出を監督させるのが通常である 多くの事例で 共同運営に関する標準契約書が用いられている Unincorporated Joint Venture を論じる場合 事業への共同参加であるのか収益の共有であるのかを検討することが重要であり Unincorporated Joint Venture は一般法上パートナーシップでなくても 税務当局はこのことで事業形態が税務上パートナーシップに該当するかどうかを判断する パートナーシップ Partnership パートナーシップは 鉱業を営むための事業形態としては一般的でない これには以下の数々の理由がある 即ち パートナーシップ参加者は連帯且つ単独で責任を負うこと 各パートナーはパートナーシップを終結しない限り各自の持分を処分できないこと パートナーシップが行った決定に全てのパートナーが拘束されること そして最大の理由は パートナーシップが共同で取得した全所得を基に各パートナーが課税されることである パートナーシップ は 税法上 パートナーとして事業を行う あるいは共同で収益を受け取ることを目的とする人的組織 但し 会社を除く と定義されており 一般法による定義である パートナーシップは 利益を目的として共同で事業を営む人々の関係が存在するところに存在する 但し 法人格を持つ会社は含まない という規定と比較してその範囲が広い 従って ジョイントベンチャーは 一般法の下ではパートナーシップに該当しなくても 税法の定義の下ではパートナーシップとして捕捉されることがある 従って オーストラリアの一般鉱業及びエネルギー産業では 税務上パートナーシップと見なされないようにジョイントベンチャー形態を組成することが より一般的である リミティッドパートナーシップ Limited Partnership 有限責任のパートナーシップの設立を認める法律が多くの州で施行されている このパートナーシップは若干の追加的特徴を持つだけで 普通のパートナーシップと同様である このパートナーシップは 最低一名の無限責任社員 (General Partner) と 任意数の有限責任社員 (Limited Partners) で構成される 無限責任社員は パートナーシップの債務と義務に対して無限の責任を負い 且つパートナーシップ経営について独占的権利を持つ 有限責任社員が持つパートナーシップの債務と義務に対する責任は 各々が出資した金銭または資産

129 の額を限度とする この事業形態は鉱山業界では一般的ではない 会社形態 Limited Liability Company 会社形態は 一般的には 鉱山が単一所有者の場合に使用される 所有者が複数の場合に は 会社は当該共同事業の参加者であるか またはノーライアビリティ会社である 探査に対する投資 Investment in Exploration 探査権許可を得た企業に対する認可に付随する付帯条件はほとんど無いといえる 外国人投資者が 鉱物資源または石油資源の探査を行う場合 オーストラリア人 ( 企業 ) を含める必要は無い また 新たに探査権を取得し または既存の探査権を取得した外国人投資者は 外国投資買収法による審査を免除されるので 連邦外国投資規制委員会 (Foreign Investment Review Board:FIRB) への報告や許可申請の必要はない 鉱山開発に対する投資 Investment in Development 一般的に鉱業権リースによって 土地の買収を含む採掘権鉱区の買収を行う場合 外国投資買収法 (26A 条 ) により FIRB に報告する必要がある 外国企業が関与した鉱物資源または石油の探査活動の結果 開発事業への全投資額が 1000 万豪ドル以上になる場合 FIRB が審査を行い 財務大臣にその結果を報告する 4.4 ビザ Visa Requirements オーストラリアに入国する海外のビジネス旅行者用に 下記のような入国ビザがある 短期ビジネス旅行 ( 最高滞在期間最高 3 ヶ月 ) ビジネス一時入国 ( 最高滞在期間 4 年 ) 長期滞在 短期滞在 Short Business Trips to Australia ビザ関連サイト : 短期滞在ビザ短期滞在ビザは 外国人旅行者がオーストラリアを自由に入出国するためのビザである 同伴家族もビザ申請に加えることができる 一般的に 一回の滞在は最高 3 ヶ月までで 複数回の入出国ができる ビザの有効期間は 12 ヶ月である 電子ビジネス旅行許可 (ETA) ETA はオーストラリアへの入出国のための電子ビザ申請システムで 旅行代理店 航空会 社の予約システムを通じて申請できる他 インターネット上の申請も可能である ETA シス

130 テムはアメリカ 日本 欧州 アジア諸国等多くの国から申請できる APEC ビジネス旅行カード APEC ビジネス旅行カード (ABTC) は オーストラリアが APEC に提案して 99 年に創設された画期的な事前入国許可手続きで 加盟国のビジネス旅行者が加盟国間の商用旅行をする際の手続きを一本化したものである カード保持者は 短期の入国を複数回行うことができる また カード保持者が加盟国の主要国際空港で 出入国のアレンジメントをする際の手続きを一本化する 現在 15 の加盟国 ( オーストラリア ブルネイ チリ 中国 香港 インドネシア 日本 韓国 マレーシア ニュージーランド パプアニューギニア ペルー フィリピン シンガポール 台湾 タイ ) が ABTC 制度に参加している ビジネス一時入国 ( 長期滞在 ) Longer Business Trips to Australia ビジネス一時入国は 海外からのビジネス目的の旅行者が正当なビジネスを運営し オーストラリアの経済発展 雇用促進に貢献することを条件として最高 4 年間の滞在を許可するものである ビジネス一時入国ビザは以下のような場合に許可される : オーストラリアの現地法人関係者 ( 役員 管理職 専門家等 ); オーストラリアにおいて現地事務所 支店を設立する 共同事業パートナーを探す 契約履行を行うための海外企業関係者 ; 連邦投資庁の支援技能協定 (Invest Australia Supported Skills) または労働者協定の下に入国する者 長期滞在ビジネス移住ビジネス経営者 会社役員 投資家としての経歴を持つ者のオーストラリアへの定住を奨励する目的で ビジネス技能ビザ (Business Skills Visa) が提供される このビザには 2 段階の申請過程がある まず 申請者はビジネス ( 暫定 ) 技能ビザを 4 年間取得する ある一定レベルのビジネスの実績またはある一定の投資額が維持された場合 ビジネス技能 ( 居住 ) ビザを申請することができる ビジネス移民プログラムは 新しいビジネスを設立することでオーストラリアにもたらす経済的利益を最大限にするために設定されている 4.5 プロジェクト形成 Project Facilitation 連邦海外投資促進庁 (Invest Australia) は 連邦産業観光資源省 (DITR) 所管機関で プロジェクト形成プログラム (Major Project Facilitation:MPF) を実施している このプログラムは以下の 3 基準を満たしているプロジェクトに適用される

131 1. そのプロジェクトがオーストラリアにとって戦略上重要である : オーストラリア産業革新を大きく推進する; あるいは オーストラリアの地方部に多大な経済的恩恵を与える; あるいは 推定投資額が 5 千万豪ドルを超え 経済発展 雇用及びインフラストラクチャーに対して多大な貢献をする ; 及び 2. 実行には政府の認可が必要である ; 及び 3. 政府許可審査プロセス及び商業的実行可能性を証明するための十分な資金力を有する このプログラムは 既定の必要事項に妥協することなく 連邦政府がプロジェクトの許可を迅速に処理することを保証している MPF サービスを通じて Invest Australia は投資家に情報 アドバイス及びサポートを提供し 政府の許認可を取るための支援を行う MPF サービスは Invest Australia のノウハウ及び行政手続に関する経験を活かしながら 個々のプロジェクトの個別事情に即したサービスを提供することである すべての州 準州政府は 主要プロジェクト促進に関して責任のある機関あるいは事務所を有している 通常これらの機関は 州 準州政府及び連邦政府機関と協力して必要な許可を得るための支援を行う

132 5. 会計報告とその他の報告の要件 Reporting and Accounting 5.1 鉱業会計基準 Mining Industry Accounting Standards オーストラリアではオーストラリア会計審議会 (Australian Accounting Standards Board:AASB) が民間機関 公共機関 及び非利益団体の会計基準を定めている AASB は 2005 年 1 月以降 国際会計基準審議会 (International Accounting Standards Board) の新しい国際財務報告基準 (International Financial Reporting Standards :IFRS) を基礎にしてオーストラリア特有の分野を組み入れた AASB 基準の採用を定めている オーストラリア鉱業に関しては AASB 基準の AASB6 鉱物資源の探鉱及び評価 が設けられている 59 その他の鉱業に関係する基準項目は AASB116 有形固有資産 (Property, Plant and Equipment) AASB 138 無形資産 (Intangible Assets) AASB102 棚卸資産 (Inventory) AASB137 準備金 偶発債務と偶発資産 (Provisions, Contingent Liabilities and Contingent Assets) が該当する 問い合わせ先会計基準に関する詳細は以下に問い合わせのこと Australian Accounting Standards Board Level Collins St Melbourne VIC 3000 電話 :(03) Web 会計監査 Auditing 会社法に基づき設立された会社は独立監査人を任命しなければならない 監査人は設立後 1 ヶ月以内に任命する 大部分の会社は会計士を監査人として任命し 税制その他財務問題を含めその他サービスをしばしば利用している 監査人は 監査人の見解として 会計報告が会社法 豪会計基準および適用認可会計基準に準拠して適切に作成されたかどうかを株主に報告しなければならない その他の企業は監査人を任命する必要はない しかし 5% 以上の株主が求める場合または豪証券投資委員会が求める場合は 会計報告の監査を受ける必要がある 5.3 財務報告 Financial Reporting 会社法に基づきオーストラリアで設立または登録された会社は財務報告を作成するにお いて関係法規に従う必要がある 59 添付資料参照

133 設立事業体は適切な会計記録を維持する必要がある 会計記録はいつの時点もその時点での企業の財務状況を正確に反映する情報 しかも管理者が法的義務に従って会計表を作成するために必要な情報を含まなければならない 会計記録は 7 年間 その他の記録は 5 年間保存する必要がる 会計記録は下記のものである 収入および支出に関するすべての記録 資産と負債に関するすべての記録会計記録は会社の登録事務所または取締役が適切であると判断するその他の場所で維持する必要がある 会計記録がオーストラリア国内で維持されない場合 会社は会社の財務状況を表し しかも貸借対照表と損益計算書勘定を作成するために十分な詳細を含んだオーストラリアの会計記録を維持しなければならない これらの記録は最低 6 ヶ月毎に更新しなければならない 会社取締役は財務会計を作成し 会計年度終了時点より 5 ヶ月以内に年次株主総会で株主に公表しなければならない 取締役はさらに 1 ヶ月以内に年次報告書を財務会計報告書とともに豪証券投資委員会 (Australian Securities Commission) に提出しなければならない 非上場企業 (Proprietary companies) は年次株主総会を開催する必要はない 非上場企業の年次報告書は翌年 1 月 31 日までに豪証券投資委員会に提出する必要がある 小規模な非上場企業は財務会計報告を提出する必要はない しかし 外国企業が所有する小規模非上場企業は豪証券投資委員会に連結会計報告が提出されない場合は 報告書を提出しなければならない 会社の会計年度は一般には 7 月 1 日から翌年の 6 月 30 日までの期間である 外国企業のオーストラリア子会社は会計年度を親会社の会計年度に合わせて変更することが認められている 財務会計報告は以下で構成される 会計年度の損益計算書 当該会計年度末時点の貸借対照表 補足情報 計算書類の注記 取締役会のステートメント 取締役会報告書 監査報告書 キャッシュフロー報告書会計報告書は会社の概況を真実かつ公正に反映し 認められた会計基準に基づき作成しなければならない

134 5.4 会計以外の報告要件 Reporting Requirements Other than Financial 鉱山業者は州と鉱山業界規範が定める様々な報告書を提出する必要がある これらの報告書はそれぞれの関係基準に従って作成しなければならない 州は鉱区の開発が積極的に進展することを目的として 鉱区保有者に年次の活動とテクニカル報告書の提出を義務付けている 鉱石の埋蔵量と資源量は鉱山業界の基準に従う必要がある 州は業界基準に従った環境に関する報告書の提出も義務付けている 企業の財務報告書は法的条件を遵守する必要がある 報告書やその他の条件が必要な基準を遵守しているか否かは管轄州の関係省および業界の自主規制によって監視される 操業報告および技術報告 Operational and Technical Reporting 各州 準州はそれぞれ報告義務を課すことにより鉱区保有条件が守られることを確実にしている 内容 範囲 頻度は鉱区の種類によって異なる 報告義務は各州の鉱業法が また手順要件を鉱業規程が規定している 一般に 探鉱および鉱区の保有者は年次報告書と最終報告書 ( 放棄または鉱区期間の満了 ) を管轄州 準州の登録機関に提出する必要がある 州によっては半年毎の報告を必要とするものもある 報告書には取得したすべての地質 地球科学および地球化学データを記入し 支出報告の詳細を含まなければならない 報告日付は鉱山権証明書に指定される 採鉱権の場合 通常会計年度の最終日である 6 月 30 日となる その他のライセンスの報告日付 ( 探鉱権など ) は通常四半期会計の最後 つまり 3 月 31 日 6 月 30 日 9 月 30 日 12 月 31 日となる しかし 州 準州のなかには鉱山権の認可日に合わせて日付を設定するものもある 報告書はプリントアウトまたはデジタル文書形式で提出できる デジタルデータ提出に関してはオーストラリア国内基準に従う 鉱業権保有者は 技術報告書の製本されたコピーとともに 技術報告書および支出報告書のテキストの電子コピーをディスク CD または電子メールで PDF ファイルとして別に提出することを求められる このデジタルデータは電子的に鉱物石油リファレンス センター (Minerals & Petroleum Reference Centre) に転送され 法に基づいて後に出版される 年次報告書に加えて 鉱区保有者が特定の活動をしている場合 あるいは特定の場所で活動している場合には鉱業安全環境法の下で追加報告義務が課される 埋蔵量および資源量報告 Reserve and Resource Reporting 鉱業界は最低報告基準とガイドラインに関する行動規範を策定した (6.1.1 参照 ) Australasian Joint Ore Reserves Committee が作成した JORC 規程は投資家や株主が鉱山企業の業績と展望を理解するために必要な情報すべてを企業が確実に報告するためのものである Australasian Code for Reporting of Exploration Results, Mineral Resources and Ore

135 Reserves (JORC 規程 ) の改訂版が 2004 年 12 月 17 日に発行された 改訂前は オーストラリア証券取引所 (Australian Stock Exchange:ASX) の上場基準は JORC 規程に加えて探鉱結果報告を義務化していた しかし この報告義務は現在では JORC 規程に含まれている 鉱業企業は JORC 規程に準拠した報告書を四半期毎に ASX に提出する必要がある 鉱業生産企業は 以下を含む四半期報告書を提出しなければならない 企業あるいはグループの鉱山の生産と開発活動についての詳細 および関連事業に関する詳細と これらによって発生した費用の概要の提出 もし生産しなかった場合 あるいは開発が行われなかった場合は その事実を記載すること 企業あるいはグループの探鉱活動 ( 地球物理学的調査を含む ) の概要とその活動によって発生した費用の概要 探鉱が行われなかった場合は その事実を記載すること 探鉱企業は 以下を含む四半期報告書を提出しなければならない 企業の探鉱活動の詳細とその活動によって発生した費用の概要 探鉱が行われなかった場合は その事実を記載すること 企業の鉱業生産および開発活動の詳細とその活動によって発生した費用の概要 環境報告 Environmental reporting WA 州の産業資源省 (Department of Industry and Resources) などのような州の鉱業省は特定の鉱区 (2 年以上の鉱山寿命と予測される鉱区など ) の年次環境報告書の提出を要求する 60 報告条件は州により異なるが報告書は環境問題に対応し 必要に応じて サイト計画 要約データ表 選鉱屑データシート その他の監視結果を添付する必要がある 州の鉱業省は報告日から数ヶ月以内に鉱区の視察を行い 報告内容を確認し 操業の環境パフォーマンス評価を実施する 連邦政府は オーストラリアの鉱山操業に一貫した環境基準を定めるために環境報告と会計の全国ガイドラインを作成中である また オーストラリア鉱業界は自主的な環境報告手段を実施している 豪州鉱業協会 (Minerals Council of Australia) はオーストラリア鉱業環境管理規程 (Australian Minerals Industry Code for Environmental Management) を調整 管理している このコードは加盟企業に一般公開用の年次環境報告書を規程に従って作成することを要求する鉱業界の自主的な取り組みである (6.1.3 参照 ) 環境報告には国際基準が存在する 国際報告イニシアチブ (Global Reporting Initiative :GRI) ガイドラインは 組織レベルの活動が経済 環境 社会に及ぼす影響について 自主的報告する際の共通な枠組みを作成するための国際的な利害関係者による取り組みである 2005 年 2 月 GRI と国際鉱業金属評議会 (International Council for Mining and Metals:ICMM) は 鉱業企業が GRI ガイドライン従って報告するにおいて具体的に指導 60 以下のサイトから入手可能な Guidelines for the Preparation of an Annual Environment Report を参照

136 する 鉱業金属セクター補足 (Mining and Metals Sector Supplement) の試験版をリリー スした ガイドラインは Pilot1.pdf から入手できる

137 5.5 環境監査 Environmental Audits 環境監査は ISO14001 ISO14004 および ISO19011 基準の必要条件に基づき行われる 61 国際標準化機構 (International Organization for Standardization:ISO) は 種類 規模を問わずすべての企業が適用でき しかも様々な地理的 文化的及び社会的条件に適応する環境マネジメントシステムの規格 ISO14001 と ISO14004 を発行した これらの規格は 社会的ニーズと経済的ニーズとのバランスの中で環境保全及び汚染の予防を継続的に推進することを目的としている 62 ISO 環境マネジメントシステムのモデル 図 14 鉱業環境監査活動の概要 63 環境監査では 環境的リスクを最小限にとどめ 環境法の遵守がなされ 環境管理手順が 向上されることを目的とした勧告が出される 主要な鉱山または施設が監査の対象となった 場合 50 以上の勧告が出されることがある 場合によっては 勧告は多数の施設を扱った連 61 参照 62 ISO14001 は環境管理システムに必要とされる事項を定めており 企業がコントロールできたり 影響を及ぼせる環境分野に適用される ISO14004 は環境管理システムとその原則の開発と実施に関してのガイダンスを与え また 他の管理システムとの調整に関してもガイダンスを与える規格である ISO19011 は環境監査の質のガイドラインを提供した規格で ISO14000 シリーズの関連規格 (ISO14010,11 など ) に取って代わるものである 63 参照

138 結監査報告書で行われる 次回の監査時までにこれらの勧告をできるだけ速やかに実施する ことが 鉱業のベストプラクティス環境管理を実証することになる 5.6 鉱山検査 Mine Inspection 安全 衛生 環境規制が守られているかどうかは鉱山活動の監査および検査によって確認される 各州 準州の鉱山保安に関する法律 または特定の検査について規制では 鉱区の検査を定めている 各州にはそれぞれの法律があるが 鉱物石油資源閣僚協議会 (Ministerial Council of Mining and Petroleum Resources) の主導により 全国的なアプローチが実施されている 当局検査官および鉱山保安官は 労働者の衛生安全が確保されているかどうか調べるために検査および関連試験を実施し また 環境パフォーマンス調査を行う すべての保安スタッフは監査の準備 実施についての教育と認証を受けており 鉱山管理資格を有する 検査官 / 鉱山保安官は法定遵守を重要視するが 安全性や適切な手段が採用されているかを経験と判断に基づいて評価する 鉱山は定期的な鉱区アセスメント ( 最低 1 ヶ月以上前の通知 ) に加えて通知なしの検査も受ける また 検査は事件 事故報告のあとや苦情や地域問題などの結果実施されることがある 検査官の報告書に基づき 鉱業省は単に鉱山への勧告から 会社や個人の起訴など 様々な制裁を行うことができる 検査官および鉱山保安官の通告によって 管理者 従業員 鉱山所有者は健康安全リスクを認識し 潜在的な危険を最小に抑え取除く措置を講じることができる 通告によって是正措置が実施されるまで作業を制限することもある 鉱山作業の制限は 鉱山管理者 従業員代表および鉱業省間の協議プロセスを通じて決定されることが多い 死亡や重大な事故になりかねない安全問題が発覚した場合 当面の安全対策を決定し実施できるよう発覚鉱山管理者に鉱山全体または一部の作業停止通告が行われる

139 6 地域社会及び環境問題 Community and Environmental Issues 6.1 産業コード及びベストプラクティス Industry Codes and Best Practice ベストプラクティス (Best Practice) の概念は オーストラリアの産業界における規制の中で最も重要であり 鉱業界全体にも適用されている その概念は 自己啓蒙 政府主導の指導 奨励等が 産業界の効率的な自己管理システムを推進することである ベストプラクティスの概念は 伝統的なミニマムスタンダードに基づく記述式 (Prescritive) システムに比べて 技術や環境の変化に対し より効果的 迅速に対応できるとされている 規制基準に拘束されているミニマムスタンダードによるセイフティーネットが依然として適用されているが 規制官庁の視点は 従来からの産業界に対する懲罰を通じた規制政策による影響力行使から 最低条件を上回るパフォーマンスを推奨し より協力的な取り組みに変わってきている 他の産業界の場合と同様に 鉱業に関しても 共同者としての取り組み (partnership approach) という言葉がこの制度を説明するものとしてよく使用される この概念は ビジネスにおいて改善をたゆまなく行うという概念と類似している また最新の技術や考え方を維持しながら 業務の全要素及び安全性に関する段階的な改善を必要としている ベスト プラクティスは事業所ごとに適用されるべきもので 鉱山の現場毎 地域毎に異なるものである ある事業所でベストプラクティスであっても 他の事業所では非効率または不適切な業務慣行であることもあり得る 採鉱企業や規制官庁は 新しい開発マイルストーンを作ることによって ベストプラクティスに取組むことになる 日常的に実行するベストプラクティスのみが 将来のベストプラクティス作りの基盤となる ベストプラクティスとは プロセス重視 情報公開 鉱業に影響を受ける地域コミュニティーの参加のような従来的なアプローチではなく 技術 継続的な改善 環境の質 積極的な企画及び研究 パフォーマンスや成果の独立的評価を行うことである 下記に示すオーストラリアの二つの鉱業管理規程は 事業報告の公正さ 責任 透明性及び誠実性に関する受容可能な水準を守るための実践的ガイドである 上記の必要条件またはそれ以上の条件を満たす代替規程がない場合 これらの規程を遵守する必要がある これらの規程は 定期的に見直しされており 企業の責任として最新のベストプラクティスに追随していなければならない 大洋州鉱石埋蔵量委員会規程 (JORC 規程 ) The Australasian Joint Ore Reserves Commission Code (JORC Code) JORC 規程は オーストラリアにおける探鉱結果 鉱物資源量 鉱石埋蔵量の公開報告に関する基準 手引きを示したものである JORC 規程は 過去の鉱業界で使われていた報告様式の不明確を最小限に抑え 様式を統一する目的で策定された また JORC 規程は 鉱物資源量 鉱石埋蔵量を報告する立場にある資格保有者 (Competent Person) の資格 経験

140 条件も規定している JORC 規程は 大洋州採鉱冶金学会 (Australian Institute of Mining and Metallurgy: AusIMM) オーストラリア地質技師協会(Australian Institute of Geoscientists:AIG) オーストラリア鉱業協会 ( Minerals Council of Australia:MCA) が策定 管理を行っており これらの団体の加盟者すべてを拘束するものである JORC 規程を管理する JORC 委員会は 1971 年に創設され 1989 年に最初の JORC 規程が発表されるまで 鉱物資源量 鉱石埋蔵量等の公開報告や分類様式の取りまとめを行ってきた JOPC 規程は 1989 年版の策定意向 継続的に改定が行われ 最新版は JORC 規程 (2004) である また JORC 規程は オーストラリア証券取引所 (Australian Stock Exchange:ASX) の上場基準にも組み込まれており ASX 上場企業の事業活動を拘束するものである JORC 規程は鉱業金属機関委員会 (CMMI) により公的報告の統一国際標準のベースとして使用されたことから 鉱物資源報告の国際的な基準と手引きにも準拠していることになる VALMIN 規程 Valmin Code VALMIN 規程は 1995 年に AusIMM によって作成 正式導入され その後 1998 年に改訂された後 現在 VALMIN(2005) が使用されている VALMIN 規程は オーストラリアの企業法 ( Australian Corporation Law ) の下に ASX 及びオーストラリア証券投資委員会 (Australian Securities and Investments Commission:ASIC) に対する報告書を含むすべての企業報告書を作成する際に適用される VALMIN 規程は 鉱物資源及び石油資源に関連する資産 証券の査定 評価報告書の作成準備の標準様式を定めるものである VALMIN 規程の適用は 規制機関 (ASX /ASIC) や市場関係者 ( たとえば主要会計事務所等 ) からも正式な支持を受けている また プロジェクトの評価及び査定においても 一般的なベストプラクティスの手引きとして取り入れられている 環境管理規程 Code for Environmental Management 環境管理規程は 1996 年 12 月にオーストラリア鉱業協会 (Mineral Council of Australia:MCA) のイニシアチブとして始まった 環境管理規程の創設は 鉱業界が環境パフォーマンス及び社会への説明義務等を明確化した重要なステップとなった 環境管理規程は 企業が 地域社会の要望 査定 懸案事項等に対し 協議 環境パフォーマンスの実行 継続的改善 公開報告等を通して取り組む際に中心的なガイドとなるものである 環境管理規程への署名企業は 環境管理に積極的に取り組むことを宣言したことになる 最新の環境管理規程 (2000) への署名企業数は 39 社である

141 6.1.4 EPA シリーズ EPA Series 964A-B247-A9E94E25110BDA2E 環境遺産省は オーストラリアの産業界と共に 環境パフォーマンスの向上に資するための政策の実行を行っている 環境保護を単なるコストではなく便益とみている企業の数は増加しつつある 幾つかの産業分野において 資源回収 廃棄物に関し自然環境に対する影響を低減している この様な政府と民間産業界との共同作業の結果として ベストプラクティス シリーズが製作され 資源産業が採用している環境管理慣行を 一般公衆がより良く理解できるよう必要な情報を提供している これまでに 25 冊の小冊子が発行され 中には オーストラリア産業を代表する資源生産企業が使用している環境管理ペストプラクティスの一部を含んでいる これらのガイドは 法的規制で定められている基準を超える 環境保全に対する実用的で費用効果の高い取り組みを強調している

142 7 その他のトピック Other Topics 7.1 開発中のプロジェクト Projects Under Development 図 15 オーストラリアの主要鉱物開発中のエネルギー資源プロジェクト (2005) 64 表 28 にはほとんどの開発中の鉱物プロジェクトが記載されている ただしエネルギープ ロジェクトは記載されていない

143 表 28 現在開発中のプロジェクト プロジェクト名段階操業者 / オーナータイプフィージビリ Golden Cross Resources Ltd Adelong Gold Project ティースタデ坑内 ィー (FS) Jubilee Mines N.L. Alec Mairs Nickel Project 建設坑内 Andranangoo Heavy Mineral Sands Project Angas Zinc Project Ant Hill Manganese Project Armstrong Nickel Project FS FS FS FS Arthur River Tantalite Project FS Augusta Gold/Antimony Project FS Avalon (Bulong) Nickel Laterite Prospect FS Matilda Minerals Limited Terramin Australia Limited HiTec Energy Limited Titan Resources Limited Tantalum Australia NL A.G.D. Mining Limited LionOre Mining International Limited 未定 未定 未定 露天 & 坑内 未定 露天 & 坑内 未定 Avebury Nickel Project 建設 Allegiance Mining N.L. 坑内 Balcooma Polymetallic Mine 建設 Kagara Zinc Ltd 露天 & 坑内 Balla Balla Vanadium Project FS 未定 Balla Balla Vanadium/Titanium/Magnetite FS Raymond Butler and Ashbridge Holdings Pty 未定 Project Limited Bendigo Gold Operation 建設 Bendigo Mining Limited 未定 Bingara Diamond Project FS Cluff Resources Pacific NL 未定 Boddington Gold Project 建設 Newmont Mining Corporation 露天 Bowdens Silver Project FS Silver Standard Resources Inc. 未定 Brightstar Alpha Gold Project FS A1 Minerals Limited 未定 Brightstar Beta Gold Project FS A1 Minerals Limited 未定 Brightstar Gold Project FS A1 Minerals Limited 未定 Brockman Rare Earth Project FS Tantalum Australia NL 未定 Broken Hill Base Metal Project FS CBH Resources Limited 坑内 Bronzewing Gold Project FS View Resources Limited 坑内 Browns Base Metal Project FS Red Metal Limited 未定 Cane River Magnetite Project FS Mineralogy Pty Limited 未定

144 プロジェクト名 段階 操業者 / オーナー タイプ Chichester Range Iron Ore Project FS Fortescue Metals Group Ltd 未定 Cliffs Nickel Project FS BHP Billiton Limited 未定 Coburn Heavy Mineral Sand Project FS Gunson Resources Limited 未定 Comalco (Yarwun) Alumina Rio Tinto Limited 建設 Refinery Refinery/Smelter Copernicus Nickel/Copper Sally Malay Mining Limited FS 未定 Project Copeton Diamond Project 建設 Cluff Resources Pacific NL 露天 Cosmos South (Prospero) Nickel Jubilee Mines N.L. FS Project 坑内 Cowal Gold Operation 建設 Barrick Gold Corporation 露天 Coyote Gold Project FS Tanami Gold NL 露天 & 坑内 Crush Creek Gold Project FS Conquest Mining Limited 未定 Douglas-Murray Basin Heavy Iluka Resources Limited 露天建設 Mineral Sands Operation Dubbo Zirconia Project FS Alkane Exploration Ltd 露天 East Angelas 1 Iron Ore Deposit FS Hancock Prospecting Pty 露天 Limited Einasleigh Copper Mine Project FS Copper Strike Limited 未定 Einasleigh Copper Project FS Copper Strike Limited 未定 Extension Hill Magnetite Project FS Mt Gibson Iron Limited 未定 Flinders (Beltana) Base Metal FS Perilya Limited Project 露天 Flying Fox Nickel Mine FS Western Areas NL 未定 Forrestania Nickel Project 建設 Western Areas NL 露天 & 坑内 Fortnum Gold Project FS Gleneagle Gold Limited 露天 & 坑内 Ginkgo Heavy Mineral Sands BeMaX Resources NL 未定建設 Project Goondicum Industrial Minerals Project FS Monto Minerals Limited 未定 Greenmount Copper Project FS Matrix Metals Limited 露天 Gullewa Gold/Copper Project FS Batavia Mining Limited 露天 & 坑内 Gwindinup Heavy Mineral Sands FS BeMaX Resources NL Project 未定 Hamilton Heavy Mineral Sands Plant 建設 No Data Plant

145 プロジェクト名 段階 操業者 / オーナー タイプ Hampden (Kuridala) Copper FS Matrix Metals Limited Project 露天 Harts Range Garnet Project FS Olympia Resources Limited 未定 Hellyer Metals Project FS Polymetals Mining Services Tailings Pty Ltd Hercules Gold Project FS St Barbara Limited 未定 Higginsville (Trident) Gold FS Avoca Resources Limited Project 露天 & 坑内 Hillgrove Gold/Antimony FS Straits Resources Limited Project 露天 & 坑内 FS LionOre Mining 露天 Honeymoon Well Nickel Project International Limited Hope Downs Iron Ore Project FS Rio Tinto Limited 露天 Horsham Heavy Mineral Sands FS 露天 Astron Limited Project Indee Gold Project FS Range River Gold Ltd 未定 Jaguar Copper/Zinc/Lead Project Kaiser Bill Copper Project Kalgoorlie Nickel Laterite Project Kambalda West Nickel Project Karara Iron Ore Project 建設 FS FS FS FS Kempfield Silver/Barite FS Project Keysbrook Heavy Mineral Sand FS Project Koolan Island Iron Ore Project FS Kunanalling Gold Project Lady Annie Copper Project Lady Ida Gold Project Latrobe Magnesium Project Laverton Gold Project Lethbridge Bay Heavy Mineral Sands Project Lucky Break Nickel Laterite Project 建設 FS FS FS FS FS FS Jabiru Metals Limited Copper Strike Limited Heron Resources Limited Breakaway Resources Limited Gindalbie Metals Ltd Golden Cross Resources Ltd Olympia Resources Limited Aztec Resources Limited Cazaly Resources Limited CopperCo Limited Monarch Resources Limited Latrobe Magnesium Limited Crescent Gold Limited Matilda Minerals Limited Metallica Minerals Limited 坑内 未定 露天 露天 & 坑内 未定 未定 未定 未定 未定 未定 未定 Plant 露天 未定 未定

146 プロジェクト名 段階 操業者 / オーナー タイプ Lucky Draw Gold Project FS Republic Gold Limited 露天 FS LionOre Mining Maggie Hays Nickel Mine International Limited 坑内 Mandilla Gold Project FS Anglo Australian Resources 未定 N.L. Maud Creek Gold Project FS GBS Gold International Inc. 未定 McCabe Copper Project FS Matrix Metals Limited 露天 Melrose Gold Project FS Korab Resources Limited 未定 Mindarie Heavy Mineral Sands Australian Zircon NL 未定建設 Project Molyhil Tungsten/Molybdenum FS 露天 Thor Mining plc Project Mt Bischoff Tin Project FS Bluestone Tin Limited 露天 Mt Cobalt Tailings Project Mt Deans Tantalum Project Mt Gibson Iron Ore Project Mt Ida Gold Project Mt Kelly Copper/Gold Project FS FS FS FS FS Mt Sholl Nickel/Copper Project FS Mt Weld Rare Earths Project Mt Wright Gold Project Newman Orebody 18 Iron Ore Project Nullagine Gold Project Panton Sill PGE Project Phillips River Gold Project Pillara Lead/Zinc Operation Pooncarie Heavy Mineral Sands Operation Potosi Zinc/Lead Project Project Magnet Magnetite Project FS FS FS FS FS FS FS 建設 FS 建設 Nullarbor Holdings Limited Tantalum Australia NL Mt Gibson Iron Limited Cape Lambert Iron Ore Limited CopperCo Limited Fox Resources Limited Lynas Corporation Ltd Resolute Mining Limited BHP Billiton Limited Wedgetail Exploration NL Platinum Australia Limited Tectonic Resources NL Falconbridge Limited BeMaX Resources NL Perilya Limited OneSteel Limited Tailings 未定 露天 坑内 未定 未定 未定 坑内 露天 未定 未定 未定 坑内 露天 未定 露天

147 プロジェクト名 段階 操業者 / オーナー タイプ Prominent Hill Copper/Gold FS 露天 Oxiana Limited Project Puwanapi Heavy Mineral Sands FS Matilda Minerals Limited Project 未定 Ravensthorpe Nickel Laterite BHP Billiton Limited 建設 Operation 露天 Rentails Tin Project FS Bluestone Tin Limited Tailings Roseby Copper/Gold Project FS Universal Resources 露天 Limited Rustlers Roost Gold Project FS Valencia Ventures Inc 露天 Sand King Gold Project FS Monarch Resources Limited 未定 FS Sherlock Bay Nickel Sherlock Bay Nickel Project Corporation Limited 露天 Siberia Gold Project FS Monarch Resources Limited 露天 & 坑内 Snapper Heavy Mineral Sands FS BeMaX Resources NL Project 未定 Southdown-Kemaman Magnetite Project Speewah Fluorite Project Spinifex Ridge Molybdenum Project Sulphur Springs (Panorama) Copper/Zinc Project Syerston Nickel Laterite Project TasMag Magnesite Project Tiwi Islands Heavy Mineral Sands Project FS FS FS FS FS FS FS Grange Resources Limited Mineral Securities Limited Moly Mines Limited CBH Resources Limited Black Range Minerals Limited Australian Ethanol Limited Matilda Minerals Limited 露天 未定 未定 未定 未定 未定 未定 Trilogy Gold/Base Metal Project FS Twin Hills (Texas) Silver Operation Vivien Gold Project Vulcan Copper Project Waroona Heavy Mineral Sands Mine Waterloo (Wildara) Nickel Project Westralian Metalised Iron Project 建設 FS FS 建設 建設 FS Tectonic Resources NL Macmin Silver Ltd Gold Fields Limited Matrix Metals Limited Iluka Resources Limited LionOre Mining International Limited Mt Gibson Iron Limited 未定露天未定露天露天坑内 Plant

148 プロジェクト名 段階 操業者 / オーナー タイプ White Dam Gold Project FS Exco Resources N.L. 未定 White Range Copper/Uranium Project FS Matrix Metals Limited 未定 Whundo Copper Project FS Fox Resources Limited 未定 Windimurra Vanadium Project FS Precious Metals Australia 露天 Limited FS Conglomerate Project Management Pty Ltd, M. K. 露天 Wirralie Gold Project Smith, J. S. Reeve and Hillben Investments Pty Ltd Wolfram Camp FS Queensland Ores Limited Tungsten/Molybdenum Project 坑内 出典 : Minmet Database March

149 7.2 主要金属鉱山の生産量状況 Recent Production from Main Metal Mines 金 銅鉱山 Gold and Copper Mines Granny Smith 鉱山国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Granny Smith 会社名 ( 権益比率 ) : Barrick Gold 社鉱種 : Au 鉱床タイプ : 脈状鉱床地質概要 : 堆積岩及び花崗閃緑岩中の脈状鉱床 脈は炭酸塩鉱物 石英 黄鉄鉱 絹雲母及び金より構成される Shear zoneに産する 鉱化は走向延長 11,400フィート連続する 生産開始年 : 1990 採鉱法 : OP 剥土比 5.7:1 金属回収法 : 破砕 磨鉱 Carbon in pulp, EW 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,465 Plutonic Mine 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Plutonic Mine 会社名 ( 権益比率 ) : Barrick Gold 社 鉱種 : Au 鉱床タイプ : 含金石英脈 地質概要 : 始生代のグリーンストン帯の超塩基性 - 塩基性火山岩 堆積岩中に 胚胎する 生産開始年 : 1990 採鉱法 : OP/UG 金属回収法 : Carbon in pulp 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,

150 St.Ives 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : St. Ives 会社名 ( 権益比率 ) : Gold Fields 社 ( 南ア ) 鉱種 : Au 地質概要 : 始生代のグリーンストン帯南部の断層帯に位置し 塩基性火山岩 堆積岩および貫入岩中に胚胎する 金の鉱化は熱水性石英脈など に認められる 採鉱法 : OP/UG 金属回収法 : ヒープ ダンプリーチング Carbon in pulp 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,896 Sunrise Dam 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Sunrise Dam 会社名 ( 権益比率 ) : Anglo Gold 社 鉱種 : Au 採鉱法 : OP 金属回収法 : 重力選鉱, Carbon in leach 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,

151 Super Pit 鉱山国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Super Pit 会社名 ( 権益比率 ) : Barrick Gold 社, Newmont Mining 社鉱種 : Au 鉱床タイプ : 含金石英脈地質概要 : グリーンストン帯に位置し 超塩基性岩ないし塩基性火山岩 塩基性シル 粗粒玄武岩および花崗岩質岩を母岩とする Super pit (Golden Mile 鉱床全生産量の90%) とMt Percy pitの2 露天掘り鉱山とMt CharlotteおよびFimistonの2 坑内掘り鉱山がある 金は自然金として金 銀テルル化合物として産する 自然金は黄鉄鉱に伴うことが多い 生産開始年 : 1893 年採鉱法 : OP/UG 金属回収法 : 浮遊選鉱 Carbon in pulp, Carbon in leach 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,320 Tanami(NFM) 鉱山 国名 / 地域 : Australia/NT 名前 : Tanami(NFM) 会社名 ( 権益比率 ) : Newmont Mining 社 鉱種 : Au 鉱床タイプ : 含金石英脈 地質概要 : 下部原生代の堆積岩 塩基性火山岩を母岩とする 多くの鉱床に より構成される 採鉱法 : OP 剥土比 9.00 /UG 金属回収法 : Carbon in pulp 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,

152 Vera Nancy (Pajingo) 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Vera, Nancy 会社名 ( 権益比率 ) : Newmont Mining 社 鉱種 : Au 鉱床タイプ : 浅熱水性石英脈 地質概要 : 鉱床は古生代の岩石からなるDrummond 盆地に位置する 鉱床母岩 は砂岩 シルト岩などの堆積岩と混在した火山砕屑岩及び溶岩で ある 金は急傾斜の割れ目に沿った石英脈中に産す 生産開始年 : 1997 採鉱法 : UG 金属回収法 : Carbon in pulp(cyanide leach circuit) 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,000 Jundee Gold Operations 鉱山 国名 / 地域 : Australia/SA 名前 : Jundee (Yandal Operations) 会社名 ( 権益比率 ) : Newmont Mining 社 鉱種 : Au 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , , , ,

153 Cadia Hill 鉱山 国名 / 地域 : Australia/ NSW 名前 : Cadia Hill 会社名 ( 権益比率 ) : Newcrest 社 鉱種 : Cu Au 鉱床タイプ : 含金石英脈 地質概要 : オルドビス紀のモンゾナイト 玄武岩 安山岩中に産する 東側 2.5Km の範囲にCadia Eastと呼ばれるポーフィリー金 銅型の鉱 床が知られている 鉱床の広がりは幅 600mで地下 700~1,500mに 賦存する 東西双方向及び下部に更に延長している 生産開始年 : 1998 採鉱法 : OP W/O; 0.90 金属回収法 : 浮遊選鉱 重力選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (mt) 銅 (mt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) ,879 28, ,305 21, ,879 23, ,843 30, ,739 35, ,214 24,461 Eloise 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Eloise Copper/Gold Mine 会社名 ( 権益比率 ) : Breakaway Resources( 旧 Amalg Resources) 社 鉱種 : Cu Au 採鉱法 : UG 年 埋蔵量 (kt) 品位 (g/t) 生産量 (OZ) , , , , 月 3,

154 Ernest Henry 鉱山 国名 / 地域 : Australia/ QLD 名前 : Ernest Henry 会社名 ( 権益比率 ) : Xstrata 社 鉱種 : Cu Au 地質概要 : 初生硫化物鉱床の上に 厚さ115フィートの二次富化 ( 酸化 ) 帯が 存在する 銅 金の鉱化の広がりは幅 660フィート 厚さ500フィ ート 走向延長 2,000フィート以上 生産開始年 : 1997 採鉱法 : OP 金属回収法 : 精鉱生産 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (mt) 銅 (mt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) , , , , 月 , , ,580 99, , , Osborn 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Osborn (Trough Tank) Copper Gold Mine 会社名 ( 権益比率 ) : Barrick Gold 社 鉱種 : Cu Au 鉱床タイプ : 噴気鉱床 地質概要 : 原生代の磁鉄鉱に富んだBanded Iron Formation 中に胚胎する 3つのレンズ状鉱体があり初生鉱物は黄銅鉱である 鉱化は深さ 700mまで確認されており 更に下部に連続している 生産開始年 : 1995 採鉱法 : UG/(OPは1996 年に終了坑内掘りに移る ) 選鉱法 : 破砕 磨鉱 浮遊選鉱 含金銅精鉱を生産する 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) ,575 47, ,706 49, ,149 46, ,357 42, ,630 39, ,952 5, ,065 39,

155 Mt Windsor 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Mount Windsor Copper Mine (Reward) 会社名 ( 権益比率 ) : Vedante 社 70% Grange Resources 社 30% 鉱種 : Cu Au Pb Zn 生産開始年 : 1998 採鉱法 : OP/UG 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) ,352 16, ,319 47, ,892 16, ,478 25, ,602 15, 月 1,108 1, ,084 Ridgeway 鉱山 国名 / 地域 : Australia/ NSW 名前 : Ridgeway Gold Mine 会社名 ( 権益比率 ) : Newcrest 社 鉱種 : Cu Au 鉱床タイプ : 含金石英脈 地質概要 : オルドビス紀のモンゾナイト 堆積岩を母岩とする Cadia 地域 の鉱床地帯の西端に位置する 現在採掘している位置より300m 下 部までの範囲にRidgeway Deepと呼ばれる鉱体があり 斜坑を延ば し開発が決定された 生産開始年 : 2002 採鉱法 : UG (Sub level caving) 選鉱法 : 浮遊選鉱 重力選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) ,366 3, ,130 7, ,956 33, ,708 48, ,684 44, ,056 61, ,280 42,

156 Northparkes 鉱山 国名 / 地域 : Australia/ NSW 名前 : Northparkes 会社名 ( 権益比率 ) : Rio Tinto 社 80% 住友金属鉱山 13.3% 住友商事 7.7% 鉱種 : Cu 生産開始年 : 1994(1997 公式開山 ) 採鉱法 : 1994 年から露天掘りを開始 1995 年 10 月からブロックケービング による坑内掘りを開始 選鉱法 : 浮遊選鉱 (Jameson Cell を使用 ) 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) ,740 41, ,500 55, ,800 38, ,600 27, ,400 30, ,800 51, ,000 54,000 Olympic Dam 鉱山 国名 / 地域 : Australia/SA 名前 : Olympic Dam 会社名 ( 権益比率 ) : WMC Resources 社鉱種 : Cu U 鉱床タイプ : 堆積鉱染型地質概要 : 多くの不連続な鉱体が地表面積 4~5km 2 深さ 350~1000mの範囲に点在している 本鉱床は次の点で特異であるという指摘もある 第一は鉱床に濃集している元素の組み合わせで 経済的に回収できる銅 ウラン 金 銀の他に 5000ppmにおよぶ希土類元素を含んでいる 第二は鉱床の産状である 鉱床は厚い原生代後期 カンブリア紀の浅海堆積物に覆われているが 母岩は基盤の花崗岩の角礫化した部分である 角礫は花崗岩のほかに堆積岩源 火山岩源のものも含み 赤鉄鉱化を受けている 鉱染状 細脈状を示す鉱化部分は赤鉄鉱化の強い部分に一致し 一部に堆積岩起源を暗示する構造も見られるが 一般にその形態は複雑である 生産開始年 : 1988 採鉱法 : UG (Sublevel open stoping) 金属回収法 : 磨鉱 選鉱 SX-EW(Jun.2004)

157 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (mt) 銅 (mt) 金 (g/t) 銅 (%) 金 (OZ) 銅 (t) , , , , , , , , , , , ,615 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (mt) ウラン (mt) 銀 (g/t) ウラン (kg/t) 銀 (OZ) ウラン (t) ,163 4, ,859 4, ,989 2, ,395 3, ,628 4, ,092 3,

158 CuZnPb-Mt. Isa 鉱山 Mt Isa Copper, Lead, Zinc Operation 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Mt. Isa 会社名 ( 権益比率 ) : Xstrata 社鉱種 : Cu Zn Pb 鉱床タイプ : 砕屑岩類中の層状鉱床 地質概要 : 鉱床は下部原生代最上部の堆積物とみなされているMt. Isa 層群が分布するMt. Isa Troughのほぼ中央に位置している Mt. Isa 層群は主としてドロマイト質の頁岩やシルトストーン ドロマイトおよび黄鉄鉱で特徴付けられた頁岩などから成る 鉱床はそのうちのUrquhart 頁岩 ( 最大厚さ1,050m) 中に産する鉛 亜鉛鉱床とその上盤側にやや離れて位置する銅鉱床からなり 延長 4.5Km, 幅 1Km, 深さ1.6Km( 平均傾斜 65 度 W) にわたって賦存している 生産開始年 : 1931 採鉱法 : UG/OP(2004 年 Black Star 鉱山の露天掘り採掘を決定 ) 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) , , , , ,400 10, , , , , , , 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銅 (kt) 銀 (g/t) 銅 (%) 銀 (OZ) 銅 (t) ,581, ,339, ,400 31, ,356, ,248, , ,854, ,

159 7.2.2 ニッケル鉱山 Nickel Mines Black Swan 鉱山 国名 / 地域 : Australia 名前 : Black Swan Nickel Mine 以前 Silver Swan Nickel Mineと呼ばれていた鉱山を含む 以下カ ッコ内はInfomineによるSilver Swan Nickel Mine 情報 ) 会社名 ( 権益比率 ) : LionOre Mining 社 80% OM Group Inc. USA 社 20% 鉱種 : Ni 地質概要 : 超塩基性火山岩類の風化帯 生産開始年 : 1997 採鉱法 : OP/UG 金属回収法 : Ni 精鉱生産 年 埋蔵量 (kt) 品位 (%) 生産量 (t) , , , , 月 7, , probable 7,744 Cosmos 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Cosmos 会社名 ( 権益比率 ) : Jubilee 社 鉱種 : Ni Co 鉱床タイプ : 塊状硫化ニッケル鉱床 地質概要 : 塊状硫化ニッケル鉱床 生産開始年 : 2000 採鉱法 : OP(2003 年終了 )/UG 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 (kt) 品位 (%) 生産量 (t) , , , , , ,

160 Murrin Murrin 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Murrin Murrin 会社名 ( 権益比率 ) : Minara Resources 社 60% Glencore International 社 40% 鉱種 : Ni 鉱床タイプ : Ni/Co リモナイト ラテライト 生産開始年 : 1999 採鉱法 : OP 金属回収法 : 高圧酸リーチング リーチ オートクレーブ 年 埋蔵量 品位 生産量 ニッケル (mt) コバルト (mt) ニッケル (%) コバルト (%) ニッケル (t) コバルト (t) , ,991 1, ,009 1, ,890 2, ,518 1, ,783 1,

161 Kambalda 鉱山国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Kambalda Nickel Operation 会社名 ( 権益比率 ) : BHP Billiton 社鉱種 : Ni 鉱床タイプ : 蛇紋岩 ( 橄欖岩 ) を母岩とする正岩漿性硫化物鉱床地質概要 : WA 州南部に広がる始生代イルガン (Yilgan) クラトンを構成するグリーンストン- 花崗岩帯に位置する ニッケル鉱床は Kambalda 累層と呼ばれる超塩基性岩 ( 橄欖岩 コマチアイト ) 系中に賦存し Kambaldaドーム構造に支配されて分布する Juan 鉱床をはじめとして 10 鉱床以上が密集している 鉱床はいずれもコマチアイトユニットの下部に位置し 下位から上位に向かって 下部ソレイアイト玄武岩 塊状硫化物鉱 填間状硫化物鉱および鉱染鉱 そしてコマチアイトへと移行している 生産開始年 : 1967 採鉱法 : OP/UG 金属回収法 : 精鉱生産 年 埋蔵量 (kt) 品位 (%) 生産量 (t) , , , , , 月 ,907 Leinster 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Leinster 会社名 ( 権益比率 ) : BHP Billiton 社 鉱種 : Ni Cu 鉱床タイプ : 正岩漿性層状 塊状硫化物鉱床 鉱染状鉱化あり 地質概要 : 珪長質変火山岩および変堆積岩中の超塩基性岩類 ( 蛇紋岩 橄欖 岩 ) を母岩とする正岩漿性層状鉱床 採鉱法 : 坑内掘り 露天掘り 年 埋蔵量 (kt) 品位 (%) 生産量 (t) , , , , , , ,

162 Mount Keith 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Mount Keith 会社名 ( 権益比率 ) : BHP Billiton 社 鉱種 : Ni Cu 鉱床タイプ : 正岩漿性鉱床 層状硫化鉱 低品位大規模鉱染硫化鉱床 地質概要 : グリーンストン帯 ダナイトを母岩とする正岩漿性層状硫化物鉱床 生産開始年 : 1995 採鉱法 : OP Mt Keith 鉱床近くのCliffs 鉱床の坑内掘りも含めた経済評価を 行っている 選鉱法 : 浮遊選鉱 2004 年 10 月からリーチングのパイロットプラント試験 をアメリカで行っている 年 埋蔵量 (kt) 品位 (%) 生産量 (t) , , , , , 月 284, ,

163 7.2.3 鉛亜鉛鉱山 Lead-Zinc Mines Cannington 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Cannington 会社名 ( 権益比率 ) : BHP Billiton 社 鉱種 : Pb Zn Ag 鉱床タイプ : 堆積岩を母岩とする 生産開始年 : 1997 採鉱法 : UG 選鉱法 : 浮遊選鉱 Broken Hill 鉱山 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (mt) 鉛 (mt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) , , , , , , , , , , , ,611 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (mt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) ,251, ,100, ,183, ,398, ,320, ,917,000 国名 / 地域 : Australia/ NSW 名前 : Broken Hill 会社名 ( 権益比率 ) : Perylia 社鉱種 : Zn Pb Ag 鉱床タイプ : 塊状硫化物鉱床 噴気型 砕屑岩類中の層状鉱床 地質概要 : 付近の地質は片麻岩類 結晶片岩類 角閃岩などからなる原生代のWillyama Complexと 低度の変成作用を受けている砕屑岩を主とする原生代後期のTorowangee Groupによって構成されている 当地域には複褶曲や大規模な断層帯などが発達しており 地質構造および鉱体の形態はきわめて複雑になっている 鉱体は流紋石英安山岩の活動が最も盛んであったと考えられているBroken Hill 層群最上位のざくろ石や十字石などを含有する珪線石片岩中に 東西方向約 5Kmにわたって断続して産する 鉱床胚胎層準の厚さは30-60mで主要 5 鉱体を胚胎する 主要鉱石鉱物は含銀方鉛鉱 鉄閃亜鉛鉱 黄銅鉱 硫砒鉄鉱である 地表から深さ約 100mの酸化帯には白鉛鉱などの酸化鉱物を産する 生産開始年 : 1885 採鉱法 : UG 選鉱法 : 浮遊選鉱

164 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,420 93, ,974 75, ,458 46, ,406 61, ,100 53, ,450 10, ,300 71,200 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) ,900, ,339, ,342, ,783, , ,117,000 Endeavour (Elura) 鉱山 国名 / 地域 : Australia/NSW 名前 : Endeavour(Elura) 会社名 ( 権益比率 ) : CBH Resources 社 鉱種 : Zn Pb Ag 鉱床タイプ : 塊状硫化物鉱床 地質概要 : 堆積岩を母岩とする 生産開始年 : 1983(2000 再開 ) 採鉱法 : UG 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,612 39, ,226 45, ,364 45, ,957 44, ,743 38, ,977 10, ,202 28,612 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) , , , , , , ,

165 McArthur River 鉱山 国名 / 地域 : Australia/ NT 名前 : McArthur River 会社名 ( 権益比率 ) : Xstrata 社 100% 撤退鉱種 : Zn Pb Ag 鉱床タイプ : 層準規制鉱床地質概要 : 鉱床はMcArthur 層群のHYC Pyritic Shale の基底部付近に賦存する HYC Pyritic Shaleおよび鉱床の東端部は Cooley Dolomite 層と明瞭な境界をなして指交状に移化していると想定されている 鉱床母岩のHYC Pyritic Shale は最大厚さ500mに達するが下位および上位の地層に比較して連続性に乏しい 鉱床の広がりは約 1.5Km 2 を示し 厚さは約 55mであり Cooley Dolomite 層に向かって130m 前後に肥大している 鉱床はドロマイト質頁岩 角礫帯 低品位鉱などによって 7 鉱層に分かれている また縞状構造 スランプ構造などの堆積構造をよく残している 主要鉱石鉱物は黄鉄鉱 閃亜鉛鉱 方鉛鉱で黄銅鉱 硫砒鉄鉱 白鉄鉱 輝銅鉱 コベリンなどを伴う 黄鉄鉱の多くはフラムボイダル状 ノジュール状で 低温で生成されたことを示している 鉱物は細粒である 生産開始年 : 1995 採鉱法 : UG (Room and pillar) 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,665 39, ,233 38, ,900 39, ,445 39, ,011 28, ,465 26, 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) ,683, ,527, , ,627, ,174, ,077,

166 Rosebery 鉱山 国名 / 地域 : Australia/TAS 名前 : Rosebery 会社名 ( 権益比率 ) : Zinifex 社 鉱種 : Zn Pb Au Cu Ag 鉱床タイプ : 塊状硫化物鉱床 地質概要 : 珪長質火山岩 堆積岩を母岩とする 生産開始年 : 1905 採鉱法 : UG 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (g/t) 鉛 (g/t) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,676 22, ,957 26, ,702 25, ,048 26, ,214 31, ,300 2, ,555 25,145 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (g/t) 金 (OZ) 銅 (t) ,038 1, ,879 1, ,802 1, ,087 1, ,064 2, ,300 2, ,651 1,717 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) ,404, ,808, ,006, ,092, ,762, , ,662,

167 Century 鉱山 国名 / 地域 : Australia/QLD 名前 : Century 会社名 ( 権益比率 ) : Zinifex 社鉱種 : Zn Pb Ag 地質概要 : シルト岩 頁岩を母岩とする 1.4 x 1.2Km の範囲に平に層状に分布する 上部と下部の鉱化帯があり 双方とも10-20mの厚さである 上部は平均 13mの厚さで亜鉛 銀 鉛の鉱化を受けている 下部層はやはり平均 13mの厚さで亜鉛の品位が高く 微量の銀 鉛を伴う 生産開始年 : 1999 採鉱法 : OP 選鉱法 : 浮遊選鉱にて亜鉛精鉱 鉛精鉱を生産 304Km の地下のパイプラインでKarumba 港まで精鉱をスラリー輸送している 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (%) 鉛 (%) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,858 20, ,167 92, ,213 60, ,870 71, ,912 77, ,700 55, ,053 70,914 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) , ,369, ,806, ,951, ,853, , ,023,

168 Scuddles(Golden Grove) 鉱山 国名 / 地域 : Australia/WA 名前 : Scuddles (Golden Globe) Zinc Mine 会社名 ( 権益比率 ) : Oxiana 社 鉱種 : Zn Pb Cu 鉱床タイプ : 火山性塊状硫化物鉱床 地質概要 : 流紋岩質の角礫岩中の塊状硫化物鉱床 鉱石鉱物は黄銅鉱を主と し閃亜鉛鉱を伴う 生産開始年 : 1990 採鉱法 : UG 選鉱法 : 浮遊選鉱 年 埋蔵量 品位 生産量 亜鉛 (kt) 鉛 (kt) 亜鉛 (g/t) 鉛 (g/t) 亜鉛 (t) 鉛 (t) ,586 5, ,569 4, , , , ,055 3, ,606 6,393 年 埋蔵量 品位 生産量 金 (kt) 銅 (kt) 金 (g/t) 銅 (g/t) 金 (OZ) 銅 (t) ,144 3, ,356 22, ,600 27, ,400 26, ,400 16, ,055 6, ,693 21,222 年 埋蔵量 品位 生産量 銀 (kt) 銀 (g/t) 銀 (OZ) , , ,122, ,475, ,093, , ,829,

169 7.2.4 ウラン鉱山 Uranium Mines オーストラリアで 現在稼動中のウラン鉱山は 下記の 3 鉱山である 65 Ranger 鉱山 (NT) Olympic Dam 鉱山 (SA) Beverly 鉱山 (SA) さらに 4 番目の Honeymoon 鉱山 (SA) の開発が許可されている Ranger 鉱山 (NT 州 ) 位置 : Australia/NT 権益 : ERA 社 100%(Energy Resource Australia 社 ; Rio Tinto 社 ) 採掘方法等 : 露天掘概要 : 1969 年にPeko Wallsend Operation Ltd.(Peko 社 ) と The Electrolytic Zinc Company(EZ 社 ) とのJV によって発見 1974 年にPeko EZ 社と Australian Atomic Energy CommissionとのJV 形成後 買収を重ねて2000 年にERA 社が筆頭株主となった 最近の話題 : ERA 社は 2004 年の探鉱 ( 計画 :36 孔 12,640m 129 百万豪ドル ) の結果 12 月末時点で埋蔵量を1,303 tu3o8 増加の5,972 tu3o8とした 一方で 2004 年 3 月 給水系施設において放射線の影響が周囲の環境と従業員 作業員に及ぶ事故が発生 操業を一時停止した その後 2003 年 11 月から2004 年 3 月まで施設における放射線所除去に関してNT 州政府 (NT Department of Business, Industry and Resources) から準州鉱山管理法 (Territory Mining Management ACT) に基づいて捜査されている 同社は28 百万豪ドルを費やして新たな水処理プラントの建設を2005 年 11 月を目処に実施する予定 Olympic Dam 鉱山 (SA 州 ) 位置権益 採掘方法等概要 最近の話題 : Australia/SA : BHP Billiton 社 (2005 年 6 月にWMC Resources 社を買収したことにより取得 ) : 坑内掘 : 地下 350mにある同鉱床は世界最大 ウランのほかに同鉱山は銅 金を産出 ウランは銅鉱石からも回収されている 1975 年に発見 1988 年生産開始 1990 年代に銅 200,000t/ 年 2002~2004 年にかけて銅 235,000t/ 年に拡大 : 生産量 600,000t/ 年 採掘方法は露天掘あるいは坑内掘 ( ブロックケービング ) を内容とする拡張計画のための総額 900 万豪ドルに及ぶF/S 調査が 2006 年初には完了する予定 同社は露天掘が好ましいとしているが 環境等の諸許可が必要となること 環境団体からの抗議が予想されるなどの問題が指摘されている この拡張計画が実現すると世界のウラン生産の38% を占める単独鉱山で世界最大のウラン鉱山となる

170 Beverley 鉱山 (SA 州 ) 位置権益採掘方法等概要 : Australia/SA : Heathgate Resources 社 : 現位置回収方式 (ISL: In situ Leaching) : 1969 年にOTP Group(Olimin NL Transoil NL Petromin NL) によって発見 その後 1985 年ころまで豪州政府の政策変更とウラン市況の低迷などにより計画は中断 1990 年にHeathgate Resources Pty Ltd. が権益を取得 砂岩中に胚胎する同鉱床に対して環境への影響等を考慮し 特に米国で多く採用されている現位置回収法 (ISL :In situ Leaching) を豪州で最初に導入した 表 29 オーストラリアのウラン鉱山からの最近の生産量 (2004 年 7 月から 2005 年 6 月までの会計年の生産量 ) Ranger 鉱山 Olympic Dam 鉱山 Beverley 鉱山 合計 ( 酸化ウラン精鉱 t) 2005 年 12 月までの 1 年間の生産量は Ranger 鉱山が 5910t Olympic Dam 鉱山が 4335t Beverley 鉱山が 977t で 合計 11,222t であった

171 表 30 オーストラリアのその他の場所に存在するウラン資源主要鉱床と有望鉱山 ( 酸化ウラン精鉱 ) 州 品位 U3O8 量 U3O8 category Jabiluka, NT 0.51% t reserves 1.10% measured & indicated resources 0.48% inferred resources Kintyre, WA % t reserves & resources Honeymoon, SA SA 0.84m% t resources Billeroo West SA (Gould Dam), SA 0.12%, 0.33 m% t indicated resources Koongarra, NT NT 0.8% t reserves Yeelirrie WA 0.15% t indicated resources Mulga Rock WA 0.11% t estimated resources Westmoreland QLD up to 0.2% t inferred resources Ben Lomond QLD 0.25% t resources Maureen QLD 0.123% t resources Manyingee WA indic & inferred 0.09% t resources Lake Maitland WA indic & inferred 0.05% t resources Oobagooma WA N.A t resources Valhalla QLD 0.144% t indicated resources t inferred resources Angela NT 0.1% t reserves Lake Way & NT Centipede N.A t resources Curnamona SA N.A N.A Mt Gee SA 0.073% 33,000 t inferred resources Prominent Hill SA 120 ppm t inferred resources Source: Geoscience Australia

172 オーストラリアでのウラン資源探査 オーストラリアでの探査を行っているウラン鉱床のうち 最近 話題となったものを以下 に記す Lagoon Creek プロジェクト Valhalla Skal Andersons プロジェクト Northeast Arunata プロジェクト Yanrey プロジェクト Jabiluka プロジェクト Ben Lomond プロジェクト Angela プロジェクト Prominent Hill プロジェクト Mt.Gee プロジェクト Napperby プロジェクト Curunamna プロジェクト Manyingee プロジェクト Westmoreland プロジェクト Maureen プロジェクト Lake Way プロジェクト 図 16 オーストラリアのウラン鉱山 鉱床 66 詳しい情報は下記の JOGMEC ホームページを参照 :

173 7.3 地質概況 Geology オーストラリア大陸が約一億年前に南極大陸から分離して以来 大きな造山活動を経験していないので オーストラリア大陸は地質が比較的古い上に 風化が進んでおり また大陸レベルでの氷河の発達がなかったため 侵食および二次富化鉱床が深く発達している 従ってこの古い大陸の表面は何百万年もの間風化され続け 地表の 70% が Regolith( 堆積物 ) に深く埋っている Rutland,R.W.R.(1990) によるとオーストラリアの地質は 始生代 後期始生代 ~ 中期原生代 タスマン期の大きく 3 つのスーパープロビンスに分けられる 始生代スーパープロビンスは Yilgarn と Pilbara プロビンスを含む 後期始生代 ~ 中期原生代スーパープロビンスは最も広大で 西部 北部 南部オーストラリアに包含される タスマンスーパープロビンスは後期プレカンブリア紀から古生代の東オーストラリア造山帯と中生代から新生代のニューギニア造山帯から成る 本項ではベースメタル鉱床賦存に関し 地質的に重要な鉱床タイプ テクトニックユニットを取り上げ これらの地質的特徴及び潜在的な経済ポテンシャル等をまとめた オーストラリアの時代別主要造山帯を図 17 に示す オーストラリアの主要金属鉱床タイプの分類を表 31(P177~178) に示す また主要ベースメタル鉱床が賦存する主要テクトニックユニットの分布を図 18 に示す

174 図 17 オーストラリアの時代別主要造山帯

175 図 18 オーストラリアの主要地質ユニット データソース :Geological Provinces Database(AGPD)

176 7.3.1 オーストラリアの主要地質ユニット Main Geological Units 1. アデレード地向斜 Adelaide Geosyncline 時代 : 堆積作用ー後期原生代から中期カンブリア紀変形作用 (Delamerian 造山帯 ) 中期カンブリア紀から初期オルドビス紀 ( Ma) 記載 : Gawler Craton の東端に位置し 厚い大陸棚を包含する新原生代から中期カンブリア紀のリフト及び沈降ベーズン 大部分は海成堆積物から成る 鉱化作用 : 主要な探査モデルは以下のとおり : Sediment hosted 銅酸化物の銅 ( 溶脱可能 ) MVT( ミシシッピーバレー ) Pb Zn 酸化亜鉛還元頁岩に胚胎する Pb Zn 脈金 ( テルファーを含む多様なスタイル ) ポーフィリー関連 銅 モリブデン 金砂金 (?) ダイヤモンド出典 : Preiss, W.V, and Robertson, R.S., Adelaide Geosyncline and Stuart Shelf, In: South Australian mineral explorers guide, PIRSA, Chapter 7 2. アルンタ内座層 Arunta Inlier 時代 : 1.88Ga から Ma 記載 : 地殻規模の断層系による Arunta 地域の隆起は 15 億年以上前の複数回にわたる構造的変成イベントにより元々 5-25km の深さにあった岩石が露出したものである 北部 Arunta: 低変成相に変成受けたアルミノケイ酸塩変堆積岩と小規模火山岩 1880Ma と 1570Ma の間に花こう質岩が貫入した 中央 Arunta: 苦鉄質ー珪長質の変火成岩片麻岩類 泥質珪化 および石灰質変堆積岩 グラニュライト相に変成を受けている 南部 Arunta: 珪質及びアルミ質変堆積性によって覆われ 花崗岩とドレライト岩脈によって貫入を受けた石英長石質及び花コウ岩質片麻岩 3 つの地区の中で最も年代が若い 鉱化作用 : 含金 ベースメタル Sn W Ta 非金属(eg 白雲母 バーミキュライト ) は層準規制 ペグマタイト 交代 熱水 マグマ性 二次富化鉱床中に見いだされる Mud Tank バーミ

177 キュライト鉱床が唯一経済的鉱床である 出典 :Wygralak, A.S. and Bajwah, Z.U., (1998), Geology and Mineralisation of the Arunta Inlier, Northern Territory, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), ボーエンベーズン Bowen Basin 時代 : 二畳紀から三畳紀記載 : 堆積物鉱化作用 : Bundarra IOCG が ボーエン Basin の北端にある 浅熱水銅 銀 金が古くから採掘されてきた ボーエン Basin は 石炭層として有名である 出典 : 4. チャーターズタワーズ Charters Towers 時代 : 新原生代からカンブリア紀記載 : ケープリバー変成帯 アルゼンチン変成帯 ランニングリバー変成帯 チャーターズタワーズ変成帯 鉱化作用 : ケープリバー地区 : 鉄層がアルゼンチン変成帯中に存在している 層準規制 Cu-Zn 鉱床が Breecher Creek に可能性がある ほぼ同様の時代 Anakie Inlier が Ukalunda 銀鉱徴地である 出典 : Wallis, D.S., Draper, J.J., Denaro, T.J., 1998, Palaeo- and Mesoproterozoic mineral deposits in Queensland, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3), Draper, J.J., 1998, An overview of post-mesoproterozoic mineralisation in Queensland, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3), カーナモナプロビンス ( ブロークンヒルを含む ) Curnamona Province (includes Broken Hill) 時代 : 後期古原生代 ( Ma) と前期中原生代記載 : 貫入岩を伴う後期 Palaeoproterozoic の変堆積岩と変火成岩地層 (Broken Hill 鉱床胚胎する Willyama Supergroup) は Olarian Orogeny( Ma) の間に変形 変成を受けている 前期 Mesoproterozoic の花崗岩類 (Bimbowrie supersuite) は カーナモナ地区

178 の主要な地殻熱と熱水イベントの結果として 広範囲に Willyama Supergroup に貫入している 鉱化作用 : 堆積物下で IOCG スタイルの銅金鉱床が 最近 Willyama Inliers の中で発見された (: 例えば White Dam Kalkaroo) また Benagerie Ridge は IOCG 鉱床の可能性を示している カーナモナ地区には 層準規制 / 層状 Pb Zn Ag 鉱化作用とオリンピックダムとクロンカリー Belt スタイルの銅金 ( ウラン ) 鉱化作用が期待される 出典 : Burtt, A., Conor, C. and Robertson, S., 2004, Curnamona- an emerging Cu-Au province, MESA Journal, PIRSA, 33, April, 9-17 Robertson, R.S, Preiss, W.V, Crooks, A.F, Hill, P.W, and Sheard, M.J, 1998, Review of the Proterozoic geology and mineral potential of the Curnamona Province in South Australia, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), ゴーラークラトン ( ヨーク半島を含む ) Gawler Craton (includes Yorke Peninsula) 時代 : 始生代から中期原生代結晶質基盤 記載 : いくつかの花崗岩質貫入岩を伴う始生代 (~2.5Ga) の片麻岩 古原生代鉄層とその後のリンカーン Complex の花崗岩質貫入岩 1590Ma 頃の Gawler Range Volcanics に伴う中期原生代の堆積物 鉱化作用 : 優先的に銅 金 鉄鉱化作用が 上に記載されているすべての主要なイベントに関連して産出する これらの鉱化作用は IOCG 層状 Cu Pb Zn BIF スカルン その他を含んでいる また ニッケルは重要な鉱種として存在する 出典 : Daly, S.J., Fanning, C.M., Fairclough, M.C., (1998), Tectonic evolution and exploration potential of the Gawler Craton, South Australia, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3), Reference: Cowley, W., Conor, C., Zang, W., 2003, New and revised Proterozoic stratigraphic units on northern Yorke Peninsula, MESA Journal, 29 (April), 46-58) 7. ジョージタウン内座層 Georgetown Inlier 時代 : 古期から中期原生代記載 : いくつかの構造単位から成る 古期から中期原生代の Eterridge 地区の堆積岩 変成岩 苦鉄質貫入岩と花崗岩 変堆積岩は Ma に堆積し S-タイプ花崗岩が貫入したとき 変成作用 / 変形 (~

179 1550Ma) を受けた 前期古生代の苦鉄質から珪長質の変火成岩とそれに関連する変堆積岩は 年代的にチャーターズタワーズ地域の岩石に類似する 地域東部のシルル紀デボン紀の初期 I-タイプ花崗岩は サブダクションではない地殻の沈み込み作用の結果により貫入している 金の鉱化作用はこれに関連している 鉱化作用 : 古生代の貫入岩による金銀鉱床 Einasleigh Metamorphics の塊状層準規制 Fe Zn Pb Cu Ag 硫化物銅金銀に関連する熱水変成作用 Esmerelda Granite とクロイドン Group 中の原生代の錫鉱化作用堆積物胚胎と Cannington-タイプベースメタル鉱床のポテンシャル出典 : Wallis, D.S., Draper, J.J., Denaro, T.J., 1998, Palaeo- and Mesoproterozoic mineral deposits in Queensland, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3), 花崗岩類 -タナミ内座層 Granites Tanami Inlier 時代 : 古期原生代記載 : 始生代 (2500Ma) の Browns Range Dome Billabong Complex を基盤とする 1860Ma 頃にタナミ Complex は形成された その Complex は 片岩 角岩 グレーワッケ シルト岩 BIF 玄武岩及び泥岩から成り金鉱化作用を伴う 花崗岩貫入岩と変成作用は Barramundi Orogeny の間に発生した ( およそ 1850Ma) タナミ Complex は 酸性の溶岩 貫入した花崗岩 火砕岩および堆積岩から成る (1830Ma?)Mount Winnecke 層に覆われる ポーフィリーはこの層に関連している 花崗岩は再度 ~1720Ma に貫入した Birrindudu Group の堆積物は~ Ma に堆積し ウラン鉱化作用に関連している 鉱化作用 : 知られている鉱床の大部分がタナミ Complex に伴う金で また ウランとベースメタルの 3 つの小規模な産状に関連している 地域の地質は ベースメタルの有望地であるパインクリーク Inlier テナントクリーク Inlier のように他の地域に非常に類似しているが露出に乏しいことと堆積物のために タナミでの探査はこれまで低調であった 出典 : Ferenczi, P.A., Ahmad, M., 1998, Geology and mineral deposits of The Granites-Tanami and Tennant Creek Inliers, Northern Territory, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3),

180 9. ホールズクリーク造山帯 Halls Creek Orogen 時代 : 古期原生代 ( Ga) 記載 : 場所によって Turbiditic 変堆積岩は Ma の間で堆積して 変形 変成された 造山イベント ( 西部のホッパー Orogeny と中央部と東部ゾーンのホールズクリーク Orogeny) は ~1865Ma と~1835Ma の間に起こった 花崗岩と斑糲岩は 層状苦鉄質ー超苦鉄質の形成しながら Ma に貫入した 数回のその後の造山イベントが 追加変形をもたらしながら 発生した (Yampi Orogeny ~1000Ma レオポルド~560Ma Orogeny 王 アリススプリングズ Orogeny~300Ma) 現世の浸食作用 (<300Ma) は初期新生代にラテライトの形成をもたらした 鉱化作用 : 造山性運動と同時のマグマ性ニッケル銅硫化物は ( サリー Malay) 層状苦鉄質ー超苦鉄質に関連し PGE Cr ニッケル Cu Co 金 Ti V 鉱床を伴う Cu Pb Zn VMS 鉱床ポーフィリー / エピサーマル銅金システムのポテンシャルダイヤモンド ( アーガイルダイアモンド鉱山 ) 沖積と鉱脈金鉱床タングステンー蒸発岩起源 REE ウラニウム礫岩スズーペグマタイトと砂鉱床出典 : Hoatson, D.M., Blake, D.H. (Eds.), 2000, Geology and economic potential of the Palaeoproterozoic layered mafic-ultramafic intrusions in the East Kimberley, Western Australia, Canberra, AGSO Bulletin, 246, 496pp. 10. キンバーリークラトン Kimberley Craton 時代 : 1.8Ga 以降記載 : 1.8Ga 前に始生代基盤に累重する浅海底に砂とシルトの沈殿 玄武岩質カーソン火山岩は海洋底で 1.8Ga に形成された 火山岩の熱帯風化作用はボーキサイト鉱床を形成した 北部の砂岩ユニットには 苦鉄質マグマが 1.79Ga. に貫入した 515Ma にはアントリム玄武岩が形成された Ma 西キンバリーはデボン紀のリーフであった ( カニング盆地の MVT 鉱床 ) Ma 二畳紀の氷床は キンバリーを覆い 石灰岩に作用してカルスト地形を形成し

181 た 主要な鉱化作用 : MVT( レナード Shelf カニング盆地) ダイヤモンド( エレンデール ) ボーキサイト ( ミッチェルプラトー ) 出典 : ラクラン褶曲帯 Lachlan Fold Belt 時代 : 前期古生代 ~ 石炭紀記載 : 石炭紀の構造運動後の花崗岩と小規模な珪長質火山岩 4 つの主要な lithotectonic 帯がラチェラン Pre-Cratonic で発達した : 地域 : カンブリア紀のグリーンストーンオルドビス紀 前期シルル紀タービダイトオルドビス紀 shoshonitic 玄武岩と安山岩シルル紀 デボン紀の火山岩と堆積岩シルル紀と前期デボン紀花崗岩類が この褶曲帯の至る所で貫入し また中期 - 後期デボン紀の花崗岩も存在する 活発なプレートマージンのセッティングで発達した いくつかの変形エピソード ( 重要な衝上運動を含んでいる ) が 後期オルドビス紀から初期石炭紀までの期間にわたりながら ラチェラン褶曲帯で確認される 鉱化作用 : 鉱床はしばしば衝上運動に関連している あるものは syntectonic で 他のものは衝上運動前に起こるが それらによって変化している いくつかの例 : オルドビス紀 shoshonitic 岩石中の鉱床 ( 硫黄に不飽和で 強く酸化した銅金鉱床 eg Cadia Goonumbla) 変堆積岩 (Girilambone Group) における鉱床 ( 銅鉱床 eg Girilambone) ずっと多くの例がある 中でも最も重要でなのは ポーフィリー関連する銅金 浅熱水性金 火成岩起源ベースメタル およびコーバー -タイプ金とベースメタル鉱床である MVT 及び sedex 鉱床の可能性出典 : Suppel, D.W., Barnes, R.G> and Scheiber, E., 1998, The Palaeozoic in New South Wales- geology and mineral resources, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3),

182 12. マッカーサーベーズン McArthur Basin 時代 : 古期 ~ 中期原生代記載 : 非変成 非変形堆積物と小規模な火山岩が intracratonic 伸張性ベーズンに存在する それらは不整合で Pine Creek Inlier を覆う 鉱化作用 : 頁岩胚胎層状と層準規制ベースメタル鉱床 (Sedex) ウラン鉱床はマッカーサーベーズンとパインクリーク Inlier の間の不整合に産出する 出典 : Ahmad, M., 1998, Geology and mineral deposits of the Pine Creek Inlier and McArthur Basin, Northern Territory, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), マウントアイサ内座層 Mt Isa Inlier 時代 : 原生代記載 : 大きく 2 つの原生代 tectono-stratiographic サイクルが認められる サイクル前半は Ma,Barramundi Orogeny の間に非常に変形された堆積岩 火成岩 貫入岩の基盤である 伸張性変形の間に堆積し 圧縮性 MaIsan Orogeny によって終了した 3 つの被覆層 ( 主要な火山堆積性パッケージ ) によって 2 番目のサイクルは表される 鉱化作用 : 調和的 ( 層状 / 層準規制 ) 堆積物に胚胎する Pb Zn Ag 鉱床 ( 例えば MtIsa(Ag Pb Zn 鉱体 ) Century) 調和的 ( 層状 ) 縞状鉄鉱層関連 Pb Zn Ag(Cu) 鉱床 ( 例えば Cannington) シアーと関連するあるいは関連しない層準規制銅金鉱床 ( 例えばアーネスト ヘンリー エロイーズ ヤングオーストラリア マウントカスバート ) 変堆積物中の角礫岩胚胎銅鉱床 ( 例えばマウントアイザ (Cu 鉱体 ) Gunpowder Lady Annie) 出典 : Wallis, D.S, Draper, J.J, and Denaro, T.J., 1998, Palaeo- and Mesoproterozoic mineral deposits in Queensland, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), マスグレーブブロック (NT 州 ) Musgrave Block (Northern Teritory) 時代 : 中期原生代記載 : Ma, 中期原生代の片麻岩類 これらは原始時代の貫入岩 火山岩とまれな堆積岩を伴う これらはマスグレーブ Orogeny( Ma) の間にグラニュライトと角閃岩

183 相に変成を受けた マスグレーブ Orogeny に続き そ広範囲の花こう岩質火成活動が Ma の間に起こって Giles Complex 層状苦鉄質ー超苦鉄質岩体が貫入した また 苦鉄質岩脈が 820Ma に貫入した ペーターマン Orogeny( Ma) は ウッドロフ Thrust とマン Fault を含む重要な構造を形成した 鉱化作用 : 銅 ニッケル クロム およびウランの有効な発見が 1953 年と 1981 年の間に他の会社による非常に限られた探査で実施された 1981 年の Pitjantjatjara Lands Right 条例の宣言以来 実際にはその地域の中で探査されなかった (Goldsearch) Goldsearch のマスグレーブブロック探鉱地 ( 東 Bloods Range とペーターマン JV) は NT Musgrave ブロックにあり ベースメタル Ag および金が有望であると考えられる また いくつかの潜在的 IOCG のターゲットもある 出典 : マスグレーブブロック (SA 州 ) Musgrave Block (South Australia) 時代 : 中期原生代記載 : 古期原生代から中部原生代 (1600Ma から 1300Ma) 堆積作用と火成活動 1200Ma 花崗岩貫入岩 (Kulgera Suite) と変形 1070Ma Layered 苦鉄質ー超苦鉄質貫入岩 (Giles 複合体 ) 800Ma 広域ドレライト岩脈群 Ma ブロックマージンと内部地溝周辺での堆積作用 540Ma 地殻短縮を伴うペーターマン Orogeny 380Ma アリススプリングズ Orogeny における緑れん石石英変質作用と断層運動鉱化作用 : 超苦鉄質岩に胚胎するニッケル硫化物と PGE 層状クロム鉄鉱キュームレイト層状含チタン磁鉄鉱キュームレイトラテライトニッケル鉱床メタ火山岩基盤の中の VHMS 変堆積物基盤中における堆積物に胚胎する銅と亜鉛主要構造線に沿うキンバーライトの中のダイヤモンド出典 : Gum, J.C., Conor, C.C.H., 2003, Musgrave Block, In: South Australian Mineral Explorers Guide, PIRSA, section

184 16. マスグレーブブロック (WA 州 ) Musgrave Block (Western Australia) 時代 : 中期原生代記載 : Ma の珪長質及び苦鉄質火成岩類は 高い変成を受けた Mount Aloysius Complex のプロトリスを形成する グラニュライト相変成作用と変形作用 (1200Ma) およそ 1080Ma の Giles complex の層状苦鉄質ー超苦鉄質貫入岩 1000Ma と 800Ma のドレライト岩脈の貫入 550Ma の剪断帯の形成鉱化作用 : ベースメタル 鉄およびウラン 出典 : Glikson, A.Y, et al., 1996, Geology of the western Musgrave Block, central Australia, with particular reference to the mafic-ultramafic Giles Complex, AGSO Bulletin, ニューイングランド造山帯 New England Orogen 時代 : 初期古生代 ~ 三畳紀記載 : いくつかの主要なテクトニックセッティング中で形成されたいくつかの構造的なブロックと tectonostratigraphic テレーンを形成した : 青色片岩を伴い蛇紋岩メランジュを含む島弧関連の前あるいは背弧盆 海洋底 付加複合体 鉱化作用 : 主要なクラトンの ( 第三紀 ) サファイア生成を伴う錫金アンチモン地区いくつかの例 : 火山岩中の浅熱水性 Au(Mount Terrible) 海洋堆積物と玄武岩 ( 別子型塊状硫化鉱床 ) の中で形成された鉱床 (Eg Gulf Creek Cu 鉱床 ) 花崗岩に関連するマグマ性熱水活動に関連した鉱床 (Conrad Pb-Ag Zn Cu Sn 鉱山 ) さらなる発見 特に様々な火山岩に関連した metahydrothermal タイプのポテンシャル Midas Resources' Connors Range 銅金ポーフィリー探鉱地を包含する 出典 : Suppel, D.W., Barnes, R.G> and Scheiber, E., 1998, The Palaeozoic in New South Wales- geology and mineral resources, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3),

185 18. パターソン造山帯 Paterson Orogen 時代 : 原生代記載 : Rudall 複合体 : 古い片麻岩と若い珪岩および片岩 ( 非常に変形変成を受けた ) Yeneena 層群 : Lamil Group-ドロマイトおよび石灰質岩と頁岩 ( テルファー金鉱床を胚胎 ) Throssell Group( ニフティニッケル鉱床を胚胎 ) Tarcunyah 層群 1780Ma Kalkan Supersuite 花崗岩貫入 Ma Rudall Complex への Krackatinny Supersuite 花崗岩貫入 625Ma -O'Callaghans Supersuite 花崗岩貫入 銅金鉱化作用に高い可能性がある ( テルファー ) 鉱化作用 : 鉱化作用の多様性 金 ( テルファー ) ベースメタル ( ニフティ ) U( キンタイア ) 出典 : Durocher, E., Kyser, T.K., Marlatt, J., Hanly, A., 2003, New Ar40/Ar39 ages from the central Paterson Orogen, Western Australia, Australian Journal of Earth Sciences, 50, 19. ピルバラ Pilbara 時代 : 始生代記載 : Ga 花崗岩グリーンストーン岩相 ( クラトン全体のグリーンストーンとクラトン全体でなく 花崗岩岩体のダイアピル貫入による垂直的な構造 ( 様々な地質状況 eg 背弧盆 火山弧 で形成されたいくつかの地質的に異なったドメイン )) 後期始生代 前期原生代の Hamersley Basin( Ma) からの火山性堆積岩によって不整合で累重鉱化作用 : 第三系グリーンストーン風化帯中でのいくつかの発見ニッケルー銅鉱床に伴うコマチアイト ( シャーロック Bay) 層状苦鉄質貫入岩に関連している Ni-Cu-PGE-Cr-Ti-V-Fe 鉱床 (Munni Munni PGE 鉱床 ) 層準規制 VMS(Sulfer Springs Cu-Zn 鉱床 Yandicoogina 重晶石 および Pb リッチ VMS 鉱床 ) エピサーマル Cu(Miralga Creek 鉱床 ) 層状重晶石 (North Pole 鉱床 ) ポーフィリースタイル Cu-モリブデン鉱床 (Coppin Gap 鉱床 )

186 Epigenetic Au 鉱床 (Marble Bar 鉱床 ) Epigenetic 多金属鉱床 (Elizabeth Ag Ni-Cu 鉱床 ) ペグマタイト関連 Sn-Ta 鉱床 (Wodgina 鉱床 ) 浅成富化鉄鉱石鉱床 (Mount Goldsworthy) 出典 : Witt, W.K., Hickman, A.H., Townsend, D. and Preston, W.A., 1998, Mineral potential of the Archaean Pilbara and Yilgarn Cratons, Western Australia, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3), パインクリーク内座層 Pine Creek Inlier 時代 : 古期原生代記載 : 砂質と泥質の堆積岩 凝灰岩 小規模な火山岩及びドレライトシルの互層 Top End Orogeny( Ma) の間に それらは変形変成を受けて 次に I と S 花崗岩によって貫入を受けた これらは 不整合で始生代の花崗岩基盤を覆う 鉱化作用 : I-タイプ花崗岩が卓越するセントラル地域には 金 ベースメタル 含 Sn 脈 層準規制金及び多金属鉱床がある Rum Jungle と Alligator River 地域には U 鉱床がある リッチフィールド Province には S-タイプ花崗岩が卓越し Bynoe 地区には Sn-Ta を含むペグマタイトを胚胎する 超苦鉄質と苦鉄質貫入岩は 潜在的に Goldstream の Bynoe Prospect のような塊状 Ni-Cu 硫化物鉱床を胚胎する 出典 : Ahmad, M., 1998, Geology and mineral deposits of the Pine Creek Inlier and McArthur Basin, Northern Territory, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), 1-17 Northern Territory Geological Survey, Tin, Tantalum and Tungsten deposits of the Northern Territory, 1989, 37pp テナントクリーク内座層 Tennant Creek Inlier 時代 : 古期原生代記載 : テナントクリーク Inlier は離れた 3 つの province で構成される : 北部には アシュバートン Province セントラル Province があり 南部にはダヴェンポート Province がある アシュバートンでは鉱化作用は見られず セントラル Province には いくつかの金 (Cu-Bi) 鉱床を胚胎する ダヴェンポート Province には いくつかの小さい W 金 Cu Ag/Pb および U 鉱床がある

187 およそ 1860Ma に Warramunga Formation( リチウムアレナイト シルト岩 泥岩および鉄質岩石から成る ) は形成された それに伴って 金銅ビスマス鉱化作用が存在している 花崗岩貫入と変成作用は Barramundi Orogeny の間に生じた ( およそ 1850Ma) およそ 1840Ma と 1820Ma の間で貫入した火山岩 それには ダヴェンポート Province で W Cu 金鉱化作用を伴う その後 いくつかの小規模な火山岩とともに堆積物が沈殿があった 花崗岩は再度 1700Ma に貫入した 鉱化作用 : セントラル Province は非常に有望な地域である 多量の金 Cu ビスマス Se および Ag を採掘している 130 の鉱山がある セントラル Province で最も一般的な鉱化作用のタイプは Warramunga Formation の変堆積物中で密接に磁鉄鉱赤鉄鉱岩体に関連する金 (Cu-Bi) の鉱化作用である ダヴェンポート Province は W 金 Cu ビスマス Ag Pb U を含有する多くの既知熱水鉱脈型鉱床を胚胎する ポテンシャルとしては セントラル Province の mesothermal 金 セントラル及びダベンポート Provinces の浅熱水性 Au 火山噴火性の Cu Pb Zn Ag 並びにダヴェンポート Province 中の W-スカルンがあげられる 出典 : Ferenczi, P.A., Ahmad, M., 1998, Geology and mineral deposits of The Granites-Tanami and Tennant Creek Inliers, Northern Territory, AGSO Journal of Australian Geology and Geophysics, 17 (3), イルガルンクラトン Yilgarn Craton 時代 : 始生代記載 : Ga 小規模な古い片麻岩を伴う花崗岩 グリーンストーン類 グリーンストーン帯は 大陸地殻のリフトによって形成された古い ensialic ベーズンのなごりとして あるいは島弧と背弧ベーズンとして形成された monzogranite と花崗岩類閃緑岩から成る広域クラトンの深成作用 ( Ma) 広域クラトンの東西圧縮場 ( Ma) 鉱化作用 : 片麻岩が卓越するテレーンは 経済的な生産に至っていない 南東部のテレーンには 第三系の風化過程に伴う鉱床がある ( ボーキサイト Greenbushes Sn-Ta-Li 鉱床 ミネラル サンド等 ) グリーンストーン沈積に関連している鉱床: コマチアイトを母岩とする ( またはコマチアイトに関連する ) ニッケル- 金鉱床 (Kambalda 鉱床 )

188 層状苦鉄質 - 超苦鉄質貫入岩に伴う PGE Ni-Cu-Cr-Au-Ti-V-Fe 鉱床層準規制 Pb-Cu-Zn-Ag(Golden Grobe 鉱床 ) Cu ポーフィリーと Pb-Zn エピサーマル (Kanowna Belle 鉱床 ) 始生代の漂砂鉱床 ( 金 ) 変形と変成作用に関連する鉱床: 同成後期造山性金鉱床 (Mount Magnet-Hill) テクトニック花崗岩活動と同時期あるいは活動後に関連する鉱床: Sn-Ta 鉱床 Mo-W-ベースメタル鉱床 (Trench 鉱床 ) 始生代後のプロセスに関連している鉱床: 造山性破砕後に関連する鉱床 (Mount Weld 燐酸塩 REE) 始生代岩石の風化と浸食に関連する鉱床 (Boddington Au 鉱床 ) 出典 : Witt, W.K., Hickman, A.H., Townsend, D. and Preston, W.A., 1998, Mineral potential of the Archaean Pilbara and Yilgarn Cratons, Western Australia, AGSO Journal of Geology and Geophysics, 17(3),

189 表 31 オーストラリアの主要金属鉱床分類 鉱床名 鉱床タイプ ポーフィリーカッパー鉱床 浅熱水性金鉱床 Porphyry (and Skarn) Epithermal (Porphyry: Volcanic (High Sulfidation - Type- Panguna, PNG; alunite present, Classic Type- Bajo de la Goldfield, USA; Low Alumbrera, Argentina; Sulfidation - adularia Plutonic Typepresent, Fresnillo, Chuquicamata, Chile. Mexico) Skarn: Ok Tedi, PNG) 層準規制金鉱床 ( カーリンタイプ ) Sediment Hosted Au (Carlin-Style Epithermal) オロジェニック金鉱床 Orogenic Gold (aka Lode Gold or Mesothermal) (Ashanti, Ghana and Mother Lode, USA) 堆積性金鉱床 Placer (Witswatersrand-style) セデックス型鉱床 ( ブロークンヒルタイプ ) 層準規制銅鉱床 ( マウントアイサタイプ ) Sediment Hosted Copper Sedex (Kupferschiefer Type) (Sedimentary Exhalative) and Metamorphic copper (Broken Hill Type) (Mt Isa Type) 火山性塊状硫化鉱床 (VMS) VHMS (Volcanic Hosted Massive IOCG Sulfide, or Volcanic Associated Massive Sulfide) (Cyprus Type, Kuroko Type, Besshi Type) 酸化銅金鉱床 (IOCG) ( オリンピックダムタイプ ) (Iron Oxide Copper Gold) (Olympic Dam Type, Ernest Henry Type) ミシシッピバレー型鉱床 MVT (Mississippi Valley Type) 正岩しょう性ニッケル鉱床 ( コマチアイト型鉱床 ) Komatiite (Kambalda Type) 層状苦鉄質貫入岩型ニッケル鉱床 ( ブッシュベルト型 ) LMI (Layered Mafic Intrusions) (Bushveld Type) 苦鉄質 ~ 超苦鉄質火山岩型ニッケル鉱床 ( ボイジーベイタイプ ) Mafic ultramafic intrusive related (Voisey's Bay Type) 鉱種 Cu, Au, Mo Au Au Au Au, U Pb, Zn, (Cu) Cu Zn, Cu, Pb, Au Cu, Au, Fe ore Pb, Zn Ni PGM, Ni, (Cu) Ni, Cu veins, which show a limited vertical extent, veins with limited variable and laterally 形状 cylindrical strong structural stratabound/stratiform stratabound stratabound brecciated stratabound Lava flow pluton, funnel shape pluton, basal; conduits stockwork or vein vertical extent discontinuous influence on orientation 母岩 生成期間 変質帯 生成温度 年代 同生 / 後生 貫入位置 地質状況 生成モデル 主要鉱山 felsic plutonic usually volcanic host rocks typically calcareous sedimentary metamorphic alluvial sedimentary/metasedimen tary lithified carbonate rich sedimentary rocks, and siliclastic volcanic (mafic to felsic) various carbonate high-magnesium ultramafic komatiite mafic- ultramafic short Long medium medium long long long - medium short medium medium short medium medium 4 concentric alteration halos located around pluton: Potassic, phyllic, argillic, propylitic. Mineralisation occurs on potassic/phyllic boundary. initial fluid temperature is high, ~500 C adularia-sericite-quart z (Low Sulfidation), quartz-alunite-kaolinit e (High Sulfidation) Fluid is C Archean to Phanerozoic. Large deposits are Palaeozoic Phanerozoic (Ordovician) Silicification and some kaolinization Fluid C mainly Tertiary - but can be any age strong lateral zonation present: including carbonate, sulfide and alkali metasomatism. Fe and Mn oxide precipitates common. Most orogenic deposits had ore depositing fluid of 300 ± 50 C, generally within erosional temperatures 100 C of peak metamorphic (very low) temperatures experienced by host rock. Others range from C. Various. Most important is Archaean orogenic deposite, with Phanerozoic and other Precambrian also significant no significant alteration Fluid <150 C Tertiary and Pleistocene (older, except Proterozoic Witswatersrand, are rare various due too poor long-term preservation) epigenetic epigenetic Epigenetic epigenetic epigenetic syngenetic shallow shallow (<2km deep) shallow (2-3km deep) shallow depths in supra-subduction zone settings; rift or tensional settings in island arcs and continental margin arcs. Hydrous felsic pluton rises through crust until pressure decrease (due to depth) causes fluid to expel. Hot metal-rich fluid alters surrounding rocks and forms metal deposits. Skarn deposits occur when the hot fluid enters into carbonate zone and a change in ph, or Eh, causes deposition of minerals. Cadia, Northparkes, NSW (Lachlan Fold Belt) oceanic and continental arcs or back arc back arc crustal thinning extension of continental and extension situations crust Form in association with porphyries. Hydrous felsic pluton rises through crust until pressure decreases (due to depth) and causes fluid to expel. The low density fluid flows up through the host rocks until certain conditions change which cause Au to precipitate out of solution and form ore veins (for example, loss of pressure, change in ph, oxidation, boiling) Ridgeway, NSW (Lachlan Fold Belt); Golden Plateau, QLD (New England Orogen); Pajingo, QLD (Drummand Basin); Peak Hill, NSW (Lachlan Fold Belt) Magmatic fluids mix with meteroric fluids and rise up crustal structures until less permeable cap rocks are met. The fluid then moves laterally into more permeable carbonate rocks. The resultant change in ph causes precipitation of Au. No known Carlin-style deposits in Australia, however the central Ashburton Province is one area with potential medium 2-20km deep (epizonal <6km, mesozonal 6-12km, hypozonal >12km deep) convergent plate margins during compressional to transpressional regimes and in deformed accretionary belts adjacent to continental magmatic arcs During collisional or accretionary orogenic events at convergent plate margins subductionrelated thermal events initiate and drive hydrothermal Au-rich fluid migration over long distances which originated from the hydrated accretionary sequences. The Au is leached from the crustal rocks. into the fluid The ore is deposited when certain conditions, such as pressure, are altered and result in reduced solubility of Au. Ore is deposited in veins which occur concordant with local tectonic structures. Kalgoorlie, WA (Yilgarn Craton); Bendigo, VIC (Lachlan Fold Belt) palaeo-surface Paleochannel placer Au deposits occur in high-energy Cenozoic and Mesozoic accrectionary orogenic belts and volcanic arcs along major faults that may control palaeodrainage patterns. Alluvial depositon of a placer occurs along erosional unconformities overlying resistant sediment or bedrock. Basal sediments contain the highest placer concentrations. Multiple cycles of deposition can occur, resulting in higher tonnage. Placer deposits are buried when base level rises or channel abandonment occurs (due to glaciation, volcanism, stream capture and cutoff or rising sea level). Ballarat, VIC (Lachlan Fold Belt) medium (granulite facies, Broken Hill average >20km deep) subaqueous, marine basin (syn rift and rift sag packages) In marine basins, warm metal bearing fluids are released from the sediment floor and, as a result of change in temperature and chemicals, minerals are deposited from the fluids. The fluids originate from 2 places: ocean water that circulates through the sediments picking up metals as it flows and warming up, and original basinal fluid which is squeezed out as more sediments are deposited on top. Metals are sourced from a large area of sediment and concentrated into a small area. Macarthur River, NT (Macarthur Basin); Broken Hill, NSW (Curnamona Province),Mt.Isa(Pb,Zn) carbonate and siliceous alteration low, ~100 C (sediment hosted copper) and high temperature metamorphism (metamorphic copper) regional sodic chlorite alteration alteration, and/or common around the core of potassic, and often the deposit regional Fe metasomatism. dissolution, thermal erosion, recrystallisation and subsequent hydrothermal brecciation serpentinisation common to host rock no alteration mafic- ultramafic significant no alteration Fluid 350 C various low, < C very high, 1650 C lava High, ~1200 C High, ~1200 C significant various; Ma (Mt Isa), Ma (Nifty), various- 1830Ma (Tennant various, Ma, Proterozoic to Mesozoic. Creek), Olympic Dam various Palaeozoic Archean Ma, and 1980 various Most important are in (1590Ma), Ernest Henry Ma, Early Proterozoic Upper Palaeozoic and (~1590Ma) Upper Proterozoic. epigenetic or syngenetic epigenetic epigenetic syngenetic syngenetic syngenetic syndeformational various- shallow shallow; paleo-surface (Olympic Dam Type) or Lower to mid-crustal Lower to mid-crustal shallow shallow very shallow within compound sheet deeper (Ernest Henry levels (8-23km deep) levels (8-23km deep) flow facies Type) epicontinental shallow-marine basin near paleo-equator where a high evaporation rate occurs and intracontinental rift or passive continental margin. Similar to Sedex. Rifting valley causes circulation of fluids into lithosphere. Fluids heat up due to close proximity of asthenosphere. Oxide Cu fluids in sedimentary copper deposits are reduced. Mineralisation is thought to have been emplaced by high temperature reduced fluids with associated silica alteration during basin inversion (metamorphic copper). Mt Isa (Metamorphic copper); Nifty, Pilbara (Metamorphic copper); Mt Gunson, Gawler Craton; Kanmantoo, Kanmantoo Trough, SA black smokers, island arcs, backarcs, mid-ocean ridges Near-magmatic metal-rich fluids are expelled from the sea floor, and as a result in temperature, chemical and pressure changes minerals are precipitated. Hellyer, TAS; Golden Grove, WA (Yilgarn Craton); Panorama, WA (Pilbara) continental arc and intracratonic settings. Two fluids are involved. A deep hot, reduced fluid ascends and meets a descending cool, saline, surface derived, oxidised fluid. As a result of change in oxidation of the fluids minerals are precipitated from the fluids. Olympic Dam, SA (Gawler Craton); Ernest Henry, QLD (Tennant Creek Inlier) Palaeozoic shield regions Basinal metal-rich fluid is expelled and pushed upwards due to lateral constraints (eg impermeable strata). When fluid reaches a certain depth, (eg carbonate reef), it flows laterally again, and due to change in ph/eh metals are precipitated out. Lennard Shelf, Canning Basin, WA (Kimberley); Sorby Hills, WA (Kimberley) Archaean greenstone belt Rifts or hot spots High temperature, high Mg, low viscosity extrusive lava, from mantle plumes thermally erodes and assimilates with country rock to produce immiscible sulfide melt and dense Ni-sulfides sink and accumulate at bottom of flow unit. Kambalda, WA (Yilgarn Craton) An intrusion from a mantle plume creates a magma chamber in the crust. Minerals fractionate and crystallise at different stages in time and fall to particular levels in the magma chamber due to their density, creating mineral specific layers. Multiple injections of magma can create a cyclic pattern of the layers. Rifts or hot spots An intrusion from a mantle plume saturates in sulfur (by various means) and immiscible sulfide and silicate melts form. The sulfide melt is relatively dense, and so, drops to the bottom of the sill/chamber taking all chalcophile elements with it (Ni, Cu...). Carr Boyd Rocks, WA Andrew Young, NT (Yilgarn Craton); Munni (Arunta); Sally Malay, WA Munni, WA (Pilbara); (Kimberley); Radio Hill, Panton, WA (Halls Creek) WA (Pilbara) - 177~178 -

190 7.3.2 地球科学関連情報 Geoscientific Information 鉱業界と政府のイニシアチブによって 多数の競争前地球科学情報 (pre-competitive geoscience data) をインターネットを通じて自由に入手することが可能である ( その殆どがダウンロード可能な形式 ) 全ての州 準州には 鉱物資源の探査活動を支援するための地球科学データを作成 提供する機関がある Geoscience Australia は 地球科学 地理分野の研究を行う連邦政府の公的機関で 連邦政府産業観光資源に属している Geoscience Australia は 2001 年 10 月 67 にthe Australian Geological Survey Organisation (AGSO) Australia s national mapping agency(auslig) が統合され設立された AGSO の前身である Bureau of Mineral Resources(BMR) は 1940 年代に設立されており Geoscience Australia のデータベースには 1940 年代以降の初期データを含む情報が含まれている Geoscience Australia の主な所管範囲は以下のとおりである オーストラリア大陸周辺海底の有望海盆の確認及び調査ならびに探鉱投資促進全国地球科学マップ データベース 情報システムの構築鉱物資源に関する広域地質調査鉱物資源に関する土地使用計画と管理への助言鉱物資源探査促進 全国地球科学協定 National Geoscience Agreement(NGA) 各州 準州政府は 永年にわたる協力体制を基礎として 2000 年に全国地球科学協定を策定し 鉱物資源の探査のための競争前情報 (pre-competitive information) の収集と提供を行っている NGA は the Ministerial Council for Minerals and Petroleum Resources (MCMPR) の分科会である the Chief Government Geologist Committee (CGGC) が監督している Geoscience Australia (GA) もこれに参加するとともに 一部の州の地質調査所の諮問委員会 (geological survey advisory committee) や役員会のメンバーになっている Geoscience Australia による鉱物資源の研究計画は 探査関係企業 各州 準州の NGA 関係者の広範囲な協議によって策定された 協議は 各企業の探鉱部門担当者 主任技師や 新興探鉱企業関係者によって各企業レベルで行われ 最終的に Geoscience Australia は 地質情報の不足によって探鉱活動が大幅に滞る原因となる重要領域を認識する こうした地質情報の不足は 連邦 州 準州各政府の優先政策と関連付けて検討され 必要なプロジェクトリストが作成される これをもとに 目標設定 成果物 必要資源を特定するために NGA パートナーとの協議が行われる 個々の関係者の協力内容 インプット アウトプットを規定する実行計画が策定され Geoscience Australia と関連州 準州関係者によって正式に署名同意される NGA の下で行われるこれらの作業は 毎年 CGGC によって検討され 承認され その結果は 鉱物資源探鉱に関するフォーラム等の場で 鉱業界 政府 関係コミュニティーの利

191 用のために公開される データベース Databases オーストラリア地質帯データベース (Geological Provinces Database) オーストラリアの Geological Provinces Database(AGPD) は オーストラリア大陸とオフショア全域の地質帯記載とポリゴンを有している その地質帯は 1:100 万スケールで図示される データベースは インタラクティブに質問して その結果はレポート及び地図として得られる 属性は 火成岩 堆積岩 構造特性 時代 境界 起源 構成ユニット 周囲の地質帯 鉱物および石油資源との関係のデータからなる 地質に関するさらに詳細な情報は インターネットで入手可能である 図 19 地質概略図 ( データソース :Geological Provinces Database(AGPD)) 地球科学研究所及び州 準州の関連機関によって構築されたデータベースの大部分はインターネットを通じてアクセスが可能である 近年は NGA の一端として 統合 合理化が進められ 個々の組織が収集した膨大なデータベースへのアクセスが可能になった こうした動きの目的は インターネット上に一つの地球科学ポータルサイト (Geoscience Portal) を創設し これを通じてほとんどの情報を入手できるようにすることである この

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