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1 米国の失業保険制度 2009 年 6 月 12 日 連邦 州失業保険制度 (Federal-State Unemployment Insurance Program) その他 連邦 州失業保険制度 (Federal-State Unemployment Insurance Program) 根拠法 社会保障法 (1935 年 ) 連邦失業税法 (1939 年 ) 被保険者 労働者を雇用する雇用主は 州失業税と連邦失業税の両方を支払わなければならない 州失業税の適用条件は 約半数の州で連邦法と異なる 連邦失業税の適用条件は下記のとおり 1) 暦年のいずれの四半期にも賃金支払総額が 1,500 ドルを超えるまたは 2)1 人以上の従業員を暦年で 20 週 ( 連続していなくても可 ) 雇用していた ただし 家庭内労働者または農業従事者の雇用主は 一般の雇用主と適用条件が異なる 家庭内労働者の雇用主暦年のいずれの四半期にも家庭内労働者に現金で支払った賃金総額が 1,000 ドル以上の雇用主 家庭内労働者とは 個人の家 地元の大学のクラブ 大学の男子または女子学生社交クラブの支部で働く労働者を含む 例 ) ベビーシッター ヘルパー 清掃労働者 運転手 乳母 庭師 付き添い看護師 ( プライベートナース ) など 農業従事者の雇用主 1) 暦年のいずれの四半期にも 農業従事者に現金で支払った賃金総額が 2 万ドル以上 または 2) 週あたり 1 日以上 合計 20 週 ( 連続していなくても可 ) 農業従事者を 10 人以上雇用していた雇用主 給付対象者 失業税を支払う事業主の下で働いた経験を持ち 一定の基準を満たす被雇用者 ただし 連邦政府職員 鉄道職員 軍人は 別に失業保険制度が存在するため 通常の失業保険制度の適用外となる 受給要件 州によって多少異なるが 基本は以下の通り 離職前の 基準期間 に 州法で定められた一定額以上の所得 および / または一定の雇用期間があること 例 ) ニューヨーク州で基準とされる所得額および雇用期間

2 基準期間において 少なくとも 2 クオーター (6 カ月間 ) 就労し 給与を得ていたこと かつ 基準期間に含まれる 1 クオーターの賃金が 1,600 ドル以上であること かつ 基準期間に支払われた賃金の合計が 賃金が最も多かったクオーターの 1.5 倍以上であること 就労し得る能力または可能性があり 積極的に求職活動を行っていることほとんどの州では 失業給付の申請と職安への求職登録によって 就労し得る能力があるとみなされる また州によっては 4 週間に 1 度以上 職安を訪問することが法律により義務付けられている 就労し得る可能性とは 就職する準備が整い かつ就職しようとする意思があることを意味する 職安所から紹介された適職を正当な理由なく断ったり 求職者が就く能力 または意思のある適職の種類や条件に大幅な制限がある場合は 就労する意欲や能力がないとみなされる場合がある 積極的に求職活動を行っていることを証明するため すべての活動を記録し 書面を職安に提出しなければならない 例えばニューヨーク州では 失業手当受給者は求人の問い合わせを行った事業主名 ( 住所と電話番号 ) 日付 問い合わせ方法 ( 電話 直接 履歴書 ) 応募した職種 問い合わせの結果を記録することが求められる 例 ) ニューヨーク州における 適職 の定義 適職とは 訓練経験または / および就労経験を持ち 適度な適性があると思われる仕事のことを表す 失業給付を受給するためには 第一専門分野では仕事が見つかる見込みがない場合 最近就いていたすべての職種に該当する仕事を探さなければならない 受給開始から 14 週目以降は 未経験または訓練を受けたことがない仕事を紹介されても その賃金が地域の当該職種で支払われている一般賃金と同等で なおかつ基準期間の最も所得が多かったクオーターの賃金の 80% 以上に相当し 遂行能力があるとみなされた場合 失業者はこの仕事を受けなければならない 拒否した場合 失業給付の受給資格を喪失することがある 自宅から多少離れた勤務先でも適度な距離であれば 拒否することは認められない 自家用車の場合は通勤時間が 1 時間 公共交通機関の場合は 1.5 時間が適度な通勤距離とみなされる 自己都合以外の正当な理由により離職したこと 正当な理由とは 多くの州では 仕事に関連し かつ 雇用主にすべて または一部原因がある場合に限定される 限定がなされていない州では 法解釈により自己都合も正当な理由とみなされる場合がある 法律 規制 または法解釈により 一部の州で認められている正当な理由 : ( ただし州によっては条件を定めている ) 転職 ( ただし パートタイム雇用からフルタイム雇用に切り替えるため または 雇用条件が前職よりも優れている場合のみ ) セクハラおよびその他ハラスメント ストーカー被害 家庭内暴力 本人の病気 入隊 結婚 ( ただし 一定期間 または一定の所得を得るまで 受給資格を喪失する ) 配偶者 ( 独立していない未成年の場合は保護者 ) とともに通勤圏外に転居 配偶者 親 子供としての義務を果たすため ( 育児 看護 介護など ただし 離職以外に解決方法が見つからなかった場合 ) フルタイムの労働時間が短縮された 給与が減額された 早期希望退職者の募集に応募した 労使交渉 給付対象外とみなされる理由 ( 一部 ) 仕事に関連する不正行為などにより解雇された 働くことができない または仕事を受けられない 適職への就職を拒否する 給付を受給するため 故意に虚偽の申し立てを行った場合 自己都合で仕事を辞めた

3 公認職業訓練を受講する場合連邦失業税法では 州当局公認の職業訓練の受講期間中における失業給付支給の継続を州に義務付けている 連邦法では職業訓練の公認基準は定めていない 多くの州法では 訓練の種類に関して規定はないが 一般的には職業訓練 または基礎教育訓練に限定されている また一部の州では 訓練の受講期間中に失業給付の受給期間が満了する場合 受給期間が延長されることもある 例 ) ニューヨーク州における職業訓練の公認基準訓練の必要性 訓練の種類 受講期間など 下記の基準に該当するものは訓練の参加が認められる 受講期間中の就職活動は免除される また 受講期間中に失業給付の受給期間が満了した場合 受給期間が最長 26 週間延長されることがある 週あたりの受講時間が 12 時間以上であること 24 カ月以内に講習が終了すること 州または地域の労働市場において長期雇用に就く確率が高まること パートタイム労働者多くの州ではフルタイム労働に就く能力や意思があることが失業給付の受給要件となっている しかし 一部の州 (National Employment Project によると 51 州 地区中 19 州 ) では 基準期間中の労働形態の大半がパートタイムだった またはパートタイムでしか働けない正当な理由があるといった 一定の基準に該当すれば パートタイム労働のみの希望者も失業給付の受給が認められることがある また 失業期間中にパートタイム労働に就いたとしても 収入が一定額内であれば ワイオミング州など一部の州では失業給付が一部支給される 例 ) ニューヨーク州の場合 1 週間あたりの所定労働日数が 4 日未満で なおかつ賃金総額が 405 ドル以下であれば パートタイム労働しながら給付を受けられる 給付額は労働日数 1 日あたり 4 分の 1 に減額されるが 受給期間は給付あたりの給付額上限に達するまで または給付年の終了まで延長される 賃金が 405 ドルを超えた場合 労働日数に関係なく その週の給付は停止される 例 ) 週あたりの労働日数が 3 日 週当たりの賃金が 405 ドル以下で 元々の給付額が 100 ドルの場合 給付額は 25 ドル ($100- $100 1/4 3) に減額される 給付水準 州ごとに異なる 給付額の全米平均は 2007 年現在で ドル 給付額の上限の最高額は 2008 年 10 月現在で マサチューセッツ州の 768 ドル 給付年 (benefit year) と呼ばれる給付申請した週の翌週から 1 年間 (52 週間 ) に支払われる最高給付額 (Maximum Benefit Amount または Maximum Benefit Payable) も州によって異なる 給付額の算出方法も州によって異なる 約半数の州では 基準期間 (base period) の中から収入が最も多かった四半期を選び その四半期の所得の合計に一定の利率 ( 通常 26 分の 1) をかけて 週当たりの給付額が算出される 例 ) ニューヨーク州の場合基準期間の中で最も収入が多かったクオーターの所得の 26 分の 1 が 週あたりの給付額となる ただし 最も所得が多かったクオーターの所得が 3,575 ドル以下の場合 週当たりの給付額はその 25 分の 1 となる 同州における現在の週あたり給付額の上限は 405 ドル 下限は 64 ドルである 給付期間 給付年あたりの給付期間はほとんどの州で最長 26 週 ( マサチューセッツ州では 30 週 ) となっている 財源

4 1. 連邦失業税雇用主が負担し 被雇用者には課せられない 税率は 連邦失業税法に基づき 課税対象となる賃金支払額の 6.2% 課税対象となる賃金ベースは 暦年に従業員 1 人あたりに支払われた賃金 7,000 ドル 州失業税を期限前に支払っている雇用主は 最高 5.4% 控除される 従って 連邦失業税の純税率は 0.8%(6.2%-5.4%) となり 雇用主の負担は従業員 1 人あたり年間 56 ドル (7,000 ドル 0.8%) となる ただし 景気減速などの影響で失業基金が枯渇し 連邦政府から融資を得ている州は 2 年以内に返済できない場合 控除率がさらに引き下げられる 2. 州失業税税率は 2007 年現在 全米平均で 2.42% 税率および課税対象となる賃金額は州によって異なり 例えばニュージャージー州では賃金の 0.425% である また税率は各雇用主に与えられた失業税口座の残高で決まるため 同じ州でも雇用主によって異なる なお アラスカ ニュージャージー ペンシルバニアの 3 州のみ 被雇用者からも州失業税が徴収される 例 ) ニューヨーク州の場合ニューヨーク州における州失業税の初年度の税率は 2009 年現在 4.1% 2 年目以降は各雇用主の失業税口座の残高に応じて翌年の税率が決められる 2009 年現在 上限は 9.7% 下限は 1.3% 課税対象となる賃金は従業員 1 人あたり 8,500 ドルである 管理運営機構 連邦法のガイドラインに基づき 各州政府が運営 受給要件 受給額 給付期間は 失業保険の申請が提出された州の失業保険法によって定められている ただし 申請した州と所得を得た州が異なる場合は 基本的には賃金が支払われた州の法律が適用される その他 備考 延長給付 (Unemployment Insurance Extended Benefits) 制度 州の失業率が急激に上昇した際に 正規の失業給付の受給期間が満了した失業者を対象に 受給期間が最長 13 週間延長される 財源は州政府が負担 緊急失業給付 (Emergency Unemployment Compensation) 制度 州政府から支給される通常の失業給付の受給期間が満了した失業者に対し 連邦政府から最高 20 週間延長給付がなされる 失業率が急上昇した州では 給付期間がさらに 13 週間 ( 合計 33 週間 ) 延長される 財源は 100% 連邦政府が負担 災害失業援助 (Disaster Unemployment Assistance) 大規模災害で被災し 失職した ( 職場や機材が破壊された 障害を負った等 )UI 対象外の被用者または個人事業主 または家族が死亡 / 障害を負い 代わりに世帯主となった者が対象 UI と同額の給付が最長 26 週支給される 貿易調整支援 (Trade Adjustment Assistance) 外国からの輸入増加や生産拠点の国外移転により失業または労働時間が短縮された労働者を対象とする TAA の対象者に認定された場合 UI の受給期間満了後は 貿易再調整給付 (TRA) という所得補助を受けられる ただしフルタイム訓練を受講中又は修了することが条件 まず基本 TRA が最長 26 週支給される (UI と同額 ) それでもまだ職を見つけられない者には TAA 公認訓練の受講を継続していることを条件に 追加 TRA が最長 78 週支給される 個人事業主支援 (Self Employment Assistance) 制度 就職前に受給期間が満了する確率が高いとみなされた受給者が対象 ( デラウェア メイン メリーランド ニュージャージー ニュ

5 ーヨーク オレゴン ペンシルバニアの 7 州 ) 該当者は起業準備に専念しつつ 失業手当と同額の起業手当 訓練 事業計画やフィジビリティスタディに関するカウンセリングおよび専門支援を含む起業支援を受けられる 失業保険の受給率 (2008 年第 4 四半期現在 ) 四半期 過去 1 年間 失業率 : 6.6% 5.8% 失業者数 : 1016 万 1,000 人 892 万 4,000 人 受給申請者数 : 通常の失業手当制度 392 万 1,000 人 334 万 3,000 人 すべての制度 506 万 6,000 人 389 万 2,000 人 受給率 ( 失業者に占める受給者の割合 ): 通常の制度 ( 州失業保険 UCFE UCX を含む ) 39% 37% すべての制度 50% 44% 適用者数 : 労働人口 : 1 億 3,441 万 5,000 人 1 億 3,388 万 7,000 人 1 億 5,466 万 2,000 人 1 億 5,428 万 7,000 人 適用雇用主 : 749 万人 763 万 8,000 人 UCFE= 連邦機関に勤めていた民間職員向け失業給付 UCX= 退役軍人向け失業給付 ( 出所 : 連邦労働省 Unemployment Insurance Data Summary)