顧客感動に繋げる商品開発を目指したイノベーティブ集団への変革～仕組み構築～

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ひろじそや
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1 QFD-TRIZ を活用した社内イノベーション推進活動 ( 続編 ) ~ 驚きのタイヤ商品開発革新的な技術開発力の基盤構築へ向けて ~ 第 13 回日本 TRIZ シンポジウム /09/22( 金 ) J09(A 会場 14:00~14:25) 東洋ゴム工業株式会社技術第一本部タイヤ先行技術開発部設計研究技術企画グループ柏原直人榊原一泰

2 発表概要 ( 目次 ) 1. 会社紹介 2. タイヤ技術紹介 3. 社内イノベーション推進 4. 着目ポイント 5. 工夫点 1( 課題設定 ) 6. 工夫点 2( 原因分析 ) 7. 結語 1

3 1.1 会社紹介: 概要商号英文表示設立資本金株式総数従業員数本東洋ゴム工業株式会社 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. 1945年昭和20年 8月1日 30,484,627,991円 127,179,073株連結 11,684名事業別売上高比率 2016年12月期ダイバーテック 77,503百万円社兵庫県伊丹市藤ノ木2丁目2番13号ダイバーテック事業 20.3 タイヤ事業 79.7 タイヤ 303,878百万円タイヤと自動車用部品を中心として国内の技術拠点からグローバル展開 2

4 1.2 会社紹介 : タイヤ事業について 3つのブランド戦略商品ラインナップ例ミニバン専用スポーティー低燃費技術コンセプトピックアップトラックスタッドレストラックバスそのタイヤに驚きはあるか CS( 顧客満足 ) CD( 顧客感動 ) ユニークな発想力でイノベーションビジネス形態市販品タイヤ BtoC 新車向けタイヤ BtoB 顧客に驚きを提供するには従来と異なるアプローチ ( イノベーション ) が必要 3

5 2.1 タイヤ技術紹介 : 設計基盤技術タイヤ設計基盤技術の紹介 Nano Balance Technology コンピューターシミュレーション技術計測評価技術転がり抵抗低減と背反性能の両立をさらに高い次元にナノ分析 ( 放射光イメージング技術による路面追従度観察 ) 開発スピード加速とコスト低減技術革新への予測精度向上タイヤ & 車両シミュレーション挙動の緻密な見える化性能向上への技術課題解決制動時の接地挙動観察評価ナノ解析 ( タンデルタ定量化 ) 空力シミュレーション基盤技術の強化により背反ブレークスルーする要素技術を開発し商品へ適用 4

6 2.2 タイヤ技術紹介 : 矛盾克服設計低燃費タイヤ ( 例 ) 信頼性能環境性能開発品基準品転がって欲しい物理的矛盾転がって欲しくない安全性能運動性能 NVH 性能技術的矛盾矛盾だらけのタイヤ技術開発は効果的効率的な課題解決が必要 TRIZ 有効 5

7 3.1 社内イノベーション推進 : 活動経緯 TRIZ 着目 TRIZ 社外コンサル #1 QFD TRIZ 社外コンサル #2 推進見直し TRIZ シンポジウム第 12 回現在第 13 回 TRIZ 社内コンサル展開 ( 商品開発に直結させたい ) < 使える> < 特許出願増 > ( 技術開発で考える時間を増やしたい ) イノベーション推進の仕組み構築社外コンサル #3 仕組み運用年試行期拡大期定着準備期定着期 QFD/TRIZ を活用した社内イノベーションを自ら実践試行錯誤しながら展開 6

8 3.2 社内イノベーション推進 : 体系図課題解決シーンに応じた仕組み体系課題解決シーン適用一覧テーマ設定課題設定仕組み ( ソリューションツール ) 原因分析アイデア発想本年度アイデアまとめ昨年度ソフトウェア有効活用 ( 考える時間増加 ) 知識検索 GF 特許分析 BC ニーズ探索商品企画 (QFD) (QFD) 動向調査 - - 技術企画基礎研究 ( 長期 ) 先行開発 ( 中期 ) 商品開発 ( 短期 ) 特許出願品質改善 VE 中期的な先行技術開発では問題本質化 (TRIZ 前工程 ) が重要と再認識 7

9 4.1 着目ポイント : 開発ターム毎の問題短期テーマ (~1 年 ) < 商品開発 > 中期テーマ (~4 年 ) < 先行技術開発 > 長期テーマ (~10 年 ) < 研究 > 商品へ適用要素技術の開発基礎研究基盤技術昨年シンポジウムで紹介 QFD 顧客ニーズ品質特性最適設計見積もり ( 既存の技術の最適化 ) 不足性能が課題原因分析本年度紹介適切な課題設定が重要! 広すぎても, 狭すぎても, NG! 正しい現状認識的確なゴール設定ニーズ探索ベンチマークメカニズム研究課題が定められない... ( 自由度高い ) 開発ターム毎で正しい現状認識と的確なゴール設定による課題設定が重要 8

10 4.2 着目ポイント : 問題に対する工夫課題解決アプローチ工程ものづくり例タイヤ ( パン ) の製造工程材料準備調整配合成型焼き上げ仕上げ前工程本工程後工程課題設定機能分析原因分析工夫点 1 工夫点 2 アイデア発想 ( 最重要 ) アイデアまとめ TRIZ 適用例課題解決のアプローチ工程中期的な先行技術開発における課題設定と原因分析での工夫点を紹介 9

11 5.1 工夫点 1( 課題設定 ): 設定方法中期技術開発テーマの課題設定あるべき姿 ( ゴール ) 的確なゴール設定課題根拠のない理想論イノベーション ( 心理的惰性の打破 ) Customer 市場顧客 Competitor 競合 3C 分析現状最終結果のみで判断正しい現状認識 Company 自社適切な課題設定のためには 3C 分析を活用した現状認識とゴール設定が有効 10

12 5.2 工夫点 1( 課題設定 ): 具体例紹介一般的な概論を語っても伝わらない ( 面白くない ) しかし実践的な適用事例は機密につき語れないそこで靴を題材にして具体的に紹介 ( オリンパス社資料のポット事例のような ) Fact: 靴底の一部が極端に減ると寿命が縮まる ( 顧客の期待値を下回るとクレーム ) 靴底はなぜ不均一に減っていくのか? なぜそうなるのか= 現状観察 (why so?) 靴底靴? 実践的な適用事例ではなく題材靴にて具体的に分かりやすく紹介する 11

13 5.3 工夫点 1( 課題設定 ): ゴール設定課題 A 理想解 A A 均一に減る早く減らせば均一化靴底の交換サービス高価な長寿命より安価な短寿命驚きになるか? ゴール設定どの程度均一に減らし靴を長持ちさせるか? 現状 ( 現状最終形 ) 不均一に減る理想解 A B 減らない部分的な靴底減りで靴の機能が低下他はまだ使えるのに新しい靴の購入 ( 寿命が縮める ) 減りにくい靴底材質鉄板 ( 履心地がネガ ) パラメータ変更商品性は? 課題 B 理想解を安直なゴールに設定した場合必ずしも適切な課題設定とならない 12

14 5.4 工夫点 1( 課題設定 ) : 現状認識間変命空化寿新品初期成長期加速期モード 1 モード 2 短きっかけがきっかけが成長が発生成長加速点で減る面で減る立体的に減る時間変化最終形だけで現状認識するのでなく時間と空間に分けて正しく観察分析する 13

15 5.5 工夫点 1( 課題設定 ): 適切な課題減り不均一度モード 1 履替えボーダーヒントモード 2 自社の弱み他社 C 自社他社 B 他社 A 課題ゴール設定自社の強み理想解歩行距離 ( 使用時間 ) 時間と空間変化に伴う自社の強みと弱みを分析し弱みに着目した課題設定 14

6.1 工夫点 2( 原因分析 ): 従来法現状認識課題靴底の減り方が途中から加速的に成長するメカニズム N 摩擦力 μn 剪断力 F > μn で摩擦エネルギー発生 Div.1 Div.2 Div.3 0.7 摩擦エネルギー分布が不均一で部分的に大 0.3 初期段差に伴う体重分布変化で重過多部が発生 0.6 蹴出し時の滑りが大 0.4 歩行方向の剪断力が大 0.

16 6.1 工夫点 2( 原因分析 ): 従来法現状認識課題靴底の減り方が途中から加速的に成長するメカニズム N 摩擦力 μn 剪断力 F > μn で摩擦エネルギー発生 Div.1 Div.2 Div 摩擦エネルギー分布が不均一で部分的に大 0.3 初期段差に伴う体重分布変化で重過多部が発生 0.6 蹴出し時の滑りが大 0.4 歩行方向の剪断力が大 0.7 踏込み時の圧力が高い 0.3 ** 0.8 滑り止めがない摩擦力が大きい圧力分散悪い AHP で寄与度分析 ( 階層分析重み判定 ) 33.6% 8.4% 16.8% 11.2% 14.7% 6.3% 4.5% 4.5% 寄与度の高そうな根本原因を抽出しアイデア発想 (TRIZ 本工程 ) へ移行 15

17 6.2 工夫点 2( 原因分析 ): 新分析法 < 原因分析 > Div.3 ( 根本原因 ) AHP 寄与度採用優先度< 根本原因毎の対策状況 > 自社他社 A 他社 B 他社 C 最悪良最良悪滑り止めがない 33.6% 課題靴底の減り方が途中から加速的に成長する摩擦力が大きい圧力分散悪い 8.4% 16.8% 11.2% 14.7% 6.3% 4.5% 4.5% : 対策あり : 対策不十分 : 対策なし根本原因に対する自社及び他社の対策状況を整理すると採用優先度が変わる 16

18 6.3 工夫点 2( 原因分析 ): 驚き創出には商品魅力度過去現在将来開発時期将来の商品開発将来差以上の伸び代が必要 ( 先行開発で要素技術開発 ) 自社弱みの克服現在差驚きの商品伸び代他社将来差自社直近の商品開発現在差を埋めて魅力度を高める ( 先行開発する時間的余裕なし ) 現実的な課題解決を優先驚きのある商品提供するには先行開発で自社弱みの克服による伸び代も加味 17

19 7. 結語 QFD/TRIZ を活用したイノベーション活動体系はほぼ完成自ら実践して継続的改善しながら社内展開定着化課題は開発タームに応じて適切な設定が重要正しい現状認識 ( 時間空間分析 ) と的確なゴール設定原因分析時の寄与度精度向上は早期課題解決に有効自社他社の対策状況整理により採用優先度を見極め課題解決アプローチでは前工程の重要性を再認識弊社の新企業理念 ( ミッション ): お客さまの期待や満足を超える感動や驚きを生み出し豊かな社会づくりに貢献します 18

20 謝辞本イノベーション活動を推進するにあたり導入から展開まで常に広い視野からの妥当性をご判断頂きまた新たな気づきや適切なアドバイスをご提供頂いている株式会社アイデアの笠井様に深く感謝を申し上げます 19

21 ご清聴有難うございました

スライド 1

スライド 1 東洋ゴム工業株式会社新中期経営計画中計 17 1. 中計 14の振り返り 2. 中計 17について 3. 事業成長戦略 4. コーポレート基盤強化 1) 売上高営業利益の推移 2) 事業別の状況 1) 経営目標 2) 設備投資 1) タイヤ事業 2) ダイバーテック事業 1) 経営基盤の強化 2) 企業風土の改革本資料に記載されている業績計画事業計画などは現時点における将来の経済環境等の予想に基づき作成したものです

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