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1 IPAX 2008 松下電器産業におけるプロセス改善実践事例 2008 年 5 月 28 日 松下電器産業株式会社本社 R&D 部門システムエンジニアリングセンター梶本一夫

2 我々を取り巻く環境 2

3 現状認識 開発 供給の脅威 ソフトウエアの開発規模が爆発 ソフトウエアが支える機能の増加 (UI ネットワーク..) 知財コストが激増 新規参入の脅威 安価な労働力で価格を破壊する中国メーカモジュール等水平分業から参入する台湾メーカ デジタル家電業界消耗戦 コモディティ化の進展 参入多数の過当競争 商品ライフサイクルの短命化 多機種展開による市場確保 急激な価格低下 代替品の脅威 PC の家電化など IT 機器と家電の融合加速が顕著 家電と同質のサービスをコンテンツ含め提供 顧客からの脅威 強力な量販店の販売 インターネットでつながる消費者 流通が価格と消費者を支配 求められる高い信頼性 / 安全性 ソフト規模はこれからも増大 消耗戦に勝ち残る高効率 高品質のソフトウェア開発が求められている 3

4 急激な価格低下 デジタル家電の急速な普及とともにグローバル競争が激化 急激な価格低下が進行し メーカー間の消耗戦に突入 デジタル家電の価格推移 テレビ ビデオ DVD [ 指数 ] 製品単価100 CRT テレビ PDP テレビ [ 指数 ] 100 VHS ビデオ DVD フ レーヤ DVD レコータ 半額になる時間 半減期 :13 年 4 年 年 4 年 2 年 年度 製品単価 年度 4

5 システム LSI/ ソフトウェアの規模爆発 System LSI Number of Transistors DVR DVR/DTV 130Mtr 250Mtr Msteps Software (DVD and BD) 12Msteps Network Expansion DTV(SD) 10Mtr Cell Phone 30Mtr DVD 24Mtr DTV(HD) 35Mtr 66Mtr EPG Network BD Digital 2ch Recording HDD 0.25μm 0.15μm 110nm 45nm ソフトウェア開発の負荷は DVD/BD 同様 DTV や携帯電話でも急速に拡大 5

6 松下電器におけるソフトウェアプロセス改善活動 6

7 全社プロセス改善活動の経緯 全社ソフト開発投資 開発費増加抑制に成功 ソフトウェア開発本部設立 CMM ワンランクアップ活動 SEC 設立 MEI モデルでのレベル 2 3 組織の全社拡大 アセスメント活動のドメイン自分化 全社メトリクス収集開始 MEI モデル確立 : 社内アセスメント開始 グローバルSPI 活動定量的プロセス改善への転換 7

8 システムエンジニアリングセンターのミッション システムエンジニアリングセンターは 本社 R&D としてソフトウェアの開発プロセス 開発手法の両面から全社のソフトウェア開発力 (QCD) を強化 CMM 定量的改善ク ローハ ルエンシ ニアリンク ソフトウェア開発プロセス革新 全社重要 共通課題抽出施策立案と実施支援 エンジニアリング 必須コア技術の確立 SPI 育成 見える化 定量化 メトリクス開発標準 検証効率化 高信頼性設計手法 再利用 ソフトウェア開発手法革新 8

9 3 層からなるプロセス改善の推進体制 アセスメントノウハウ アセスメントツール テンプレート 研修教材 支援 開発現場 内部アセスドメインセルフアセス ドメイン SEPG 支援 現場 SPI 推進担当者 SPI 委員会 SQA 委員会 改善支援 ドメイン SPI 推進担当者 アセスメントを通じた SPI スキル強化 BP 共有 MEI モデルアセスメント SPI コミティ 施策実施 ト メイン活動状況報告 開発 コーポレート SEPG システムエンシ ニアリンク センター 施策発信全社状況報告 維持 管理 ソフトウェア開発力強化委員 ( 各ドメイン ) 9

10 定量化レベルL2 L3 改善活動のアプローチ 事業目標に応じた定量的なプロセスなプロセス改善 QL3 QL2 QL1 測定に基づいた定量的なプロセス改善しくみを重視した場当たり的プロセス改善 L1 改善活動有効性の評価 ( 組織成熟度 + 定量化レベル ) 転換 改善活動の実施 (MEI モデル ) 組織成熟度 10

11 MEI モデルアセスメント SEC SPI SQA 要員の数 アセスメントチーム MEI モデルアセスメント 支援 SQA SPI SPIMEI SQA アセッサ 事業部 プロセス 自主改善 開発 社内アセッサの数 リードアセッサアセッサアセッサ補 リードアセッサ : 64 名 (+ 2 名 ) アセッサ :204 名 (+ 11 名 ) 815 アセッサ補 :815 名 (+136 名 ) 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 2007 年度 11

12 SPI 育成 ( 教育 ) 教育訓練計画 プロセス改善基礎 ソフトウェア品質管理 プロセス改善手法 アセスメント基礎 PSP(Personal Software Process) ピアレビュー など SEC メンバーにより SPI/SQA のスキル向上のための教育開発と実践 12

13 海外におけるプロセス改善活動始動 (2007~) PSDCD SDPC/PRDCC (Software Development Promotion Center) PRDCV (Panasonic R&D Center Vietnam) Hong Kong Beijing Shanghai Dalian Taipei DLMSE (Dalian MSE) SEC (Software Engineering Center) SHDC (Shanghai Design Center, Semiconductor) PHAMOS (Panasonic HA Microwave Oven (Shanghai)) PTL (Panasonic Taiwan Laboratories) HKDC (Hong Kong Design Center, Semiconductor) Malaysia Singapore PRDCM (Panasonic R&D Center Malaysia) KLDC (Kuala Lumpur Design Center (Semiconductor)) PSL (Panasonic Singapore Laboratories) PSDA (Panasonic Semiconductor Development Center of Asia) PEDSG ST ((Software Technology Centre, Panasonic Devices) 13

14 SPEAK-IPA アセスメント 実証実験 14

15 目的 実証実験実施の目的 プロセス改善ナビゲーションガイド及びアセスメントモデル (SPEAK-IPA 版 ) がソフトウェア開発の現場において 有効に活用できるものであるかを評価することが目的 実証実験受診の目的 CMMI とは異なる視点からのアセスメントを通じ開発標準の有効性を確認すると共に 課題を抽出して今後の改善に活かすこと グローバルな今後のビジネス展開をにらみ 国際標準 (ISO15504) に適合した SPEAK-IPA モデルの視点でのアセスメントを経験 プロセス改善基盤の強化のために 社内のプロセスモデルである MEI モデルに SPEAK-IPA モデルの強みを融合できないかの検証 15

16 受診組織の紹介 製品開発部門 : ソフトウェア開発センター 受診プロジェクトの特徴 : 電子部品製造の組込みソフトウェア開発( 少人数 ) 多様な使用環境 物理的環境下での高品質達成が必須 組織の改善取り組みの状況 2002 年より5 年以上にわたる継続的改善活動を実施 ~CMM 公式アセスメントL2 達成 (2003 年 ) ~CMMI 公式アセスメントL2 達成 (2007 年 ) 16

17 実施スケジュール 2007 年 11 月 12 月 1 月 2 月 事前打合せ依頼者ヒアリング アセスメント実施計画作成 アセッサ教育 アセスメント実施 アセスメント報告会 実施期間 : のべ 3 ヶ月 17

18 アセスメント体制 アセスメント依頼者 受診部門センター所長 コーディネータ 本社 SEPG:1 名 アセスメントチームリーダ : コンピータ社メンバ : コンピータ社 :1 名 IPA/SEC 研究員 :1 名受診部門 SEPG:2 名本社 SEPG:1 名 オブザーバ IPA/SEC 研究員 :1 名研究部会委員 :3 名 アセスメント参加者 受診部門 SPL:1 名 18

19 アセスメント範囲 目標とするプロセス能力 / プロセス属性 ID プロセス名称 1. 実施 2. 管理 3. 確立 4. 予測可能 5. 最適化 PA 1.1 PA.2.1 PA.2.2 PA 3.1 PA 3.2 PA 4.1 PA 4.2 PA 5.1 PA 5.2 P.3.1 要求事項抽出 F F F L L P.3.4 ソフトウェア要求分析 F F F L L P.3.5 ソフトウェア設計 F F F L L S.4 検証 F F F L L 診断目標として上流工程の実施プロセスの改善の機会を抽出することを設定したため 上記 4 プロセスをアセスメント対象と決定 19

20 アセッサ教育 SPEAK アセッサに求められる能力 アセスメント実施能力だけではなく ISO/IEC15504 に適合する独自改善モデルの構築能力まで求められるよって モデルの理解 実践についての高い能力が必要 SPEAK-IPA 版実践プロセスアセスメント教育 ( アセスメントの基礎知識について 2 日間座学教育 ) ISO/IEC15504 解説概要 要求事項 アセスメントモデル SPEAK-IPA 版アセスメントモデル SPEAK の体系 アセスメント手順 アセッサの役割 20

21 受診結果 アセスメントの目的は達成できた - 従来とは別の視点で開発標準の有効性を確認し課題を抽出できた - グルーバルな事業展開のために国際標準に適合した SPEAK モデルの視点での診断を経験できた アセスメントゴールはほぼ達成できた - 上流工程で実施するプロセスの改善の機会を特定できた -SPEAK-IPA モデルの視点から改善課題を特定できた -SPEAK-IPA モデルの内容 手法を概念として理解することはできたが モデルの全容検証においては より広い範囲でプロセス診断の経験の機会が求められる SPEAK-IPA(ISO/IEC15504) では アセスメント計画時に依頼者が要求した アセスメントの目的とゴール の達成をアセスメント終了時に確実に確認することを重視している 21

22 SPEAK モデルの強み 弱み モデル構造が理解しやすい エンジニアリング領域は開発現場の実態と合い 改善課題が特定しやすい アセスメントがしやすい ISO/IEC12207 の分類に沿って 具体的な開発作業の方法をアセスメントできるので CMMI に比べてアセスメントしやすい 目標を選択できる 事業目標に沿ったアセスメントの対象プロセスと能力水準を選択することで 自主的な改善に集中できる 半面 改善初期の組織では自分たちで対象プロセスを選択することが難しくなる 22

23 SPEAK アセスメント手法の強み 弱み インタビューがしやすい インタビュー手法は弊社の CMM ベースの従来手法に類似しており 取り組みやすい プラクティスが判断しやすい プラクティスが具体的で判断しやすい ただ判定が Yes/No の 2 値のためにさらに適切な判断基準が必要になる アセスメントが長くなる インタビューとコンソリデーションの時間に 1 プロセスで 2~3 時間掛かる ツール活用などの工夫で時間短縮を図る必要あり 23

24 今後の展望 24

25 Panasonic プロセス改善モデル ビジネス毎に求められるプロセスの多様化 顧客からの取得の要請 公式 CMMI 自組織のフ ロセス改善活動 MEI モテ ル 顧客からの監査対応 ISO15504 CMMI V1.2 SPICE システム ソリューション関係 PASSPORT V1.0 PASSPORT : PAnasonic Sysytem & Software PrOcess improvement 車載 医療関係 Panasonic 組込み向け改善モデルの進化 PMM SW-CMM Measurement & Analysis CMMI 参照 2002 MEI モデル V MEI モデル V MEI モデル V MEI モデル V ISO12207 ISO15504 Automotive SPICE SPEAK-IPA 25

26 IPA/SEC 殿への期待 SPEAK-IPA アセスメントの普及 促進 国内での標準的なアセスメントモデルとして SPEAK-IPA 版モデルを普及されることを期待 普及加速のために モデル解説書及びアセスメントツールなどの提供 アセスメントの国際的な相互認証の推進 SPEAK-IPA 版モデルによるアセスメントを欧米諸国のアセスメント制度と相互認証できる可能性検討 ISO15504 準拠の他モデル相互認証の枠組みづくり 26

27 ご清聴ありがとうございました