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ふみなたもん
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1 糖尿病の血縁者がいる肥満である食事が不規則またはドカ食いをしてしまうよく間食する肉の脂身は残さず食べる甘いものが好き野菜や海藻はあまり好きでないジュース類や甘い缶コーヒーをよく飲む運動不足である晩酌は欠かせないまたは大量に飲むストレスが多いと感じている 40 歳以上である 20 代より体重が 10% 以上増えている知っておきたい糖尿病糖尿病健康診断糖尿病リスクチェックの目的リスト 3 5 個 : 糖尿病予備軍の可能性があります 6 個以上 : 糖尿病の検査が必要です糖尿病にありがちな症状異常にのどが渇く尿の回数量が多い身体がだるい疲れやすいエルエル (Vol.43 No.3 第 167 号 ) 平成 24 年 10 月 1 日発行発行所 : 一般社団法人日本薬局協励会東京都渋谷区代々木 TEL 発行者 : 馬場正雄編集責任者 : 佐野智編集委員長 : 代田麻衣子編集委員 : 小川きよみ秋本常久熊谷裕幸定価 200 円 [ 不許複製 ] 印刷 ( 株 ) 祥文社知っておきたい糖尿病第 167 号

2 糖尿病知っておきたい糖尿病

3 糖尿病糖尿病は元気に過ごせる病気です! 最近糖尿病や血糖が高めの方が増えています私たちの身体は飢えに耐えるための節約遺伝子を持っていますがこの豊かな時代あだとなっています糖尿病はその知識を深め早めに治療することで合併症なく元気に過ごすことができますから検診を受けて異常があったら医療機関に相談しましょうなお血糖値が高いと老化が早まるといわれていますアンチエイジングのためにも血糖値をなるべく正常に保つようにしましょう監修北原診療所所長松元明子先生 CONTENTS 糖尿病とは 3 糖尿病の種類 4 増える 2 型糖尿病の原因 5 放っておくとどうなる? 合併症 6-7 糖尿病にならないための食事療法 8-9 運動療法薬物療法 12 低血糖 13 Q&A 糖尿病リスクチェック表 16 2 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

知っておきたい糖尿病糖尿病とは血液中のブドウ糖の量血糖値が高くなる病気ですブドウ糖は脳や筋肉が活動するために必要なエネルギー源です食事を摂ると一時的に血糖値は上がりますがすい臓から分泌されるインスリンの働きにより血糖値は下がりますこのインスリンの分泌や働きが正常であれば血糖値も一定の範囲で保たれますところが糖尿病になると血糖値の高い状態が続くようになり

4 知っておきたい糖尿病糖尿病とは血液中のブドウ糖の量血糖値が高くなる病気ですブドウ糖は脳や筋肉が活動するために必要なエネルギー源です食事を摂ると一時的に血糖値は上がりますがすい臓から分泌されるインスリンの働きにより血糖値は下がりますこのインスリンの分泌や働きが正常であれば血糖値も一定の範囲で保たれますところが糖尿病になると血糖値の高い状態が続くようになりだんだんと血管が傷つけられて神経目腎臓などの機能が低下してきますブドウ糖インスリン過剰なブドウ糖インスリンの分泌と作用不足 1 インスリンの分泌低下インスリンの量が減っている 2 インスリン抵抗性の発現インスリンがあるのに筋肉などへのドアが開きにくくなっている状態かかりつけ薬局にご相談くださいインスリン量の不足すい臓から放出されるインスリンが血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる働きをしますが食べ過ぎることでインスリンの量が追いつかなくなり血液中のブドウ糖の量が高くなってしまいます LL VOL.43 No.3 通巻第167号 3

1 型糖尿病何らかの原因でインスリンがほとんど出なくなることで起こる糖尿病インスリン療法 ( 注射でインスリンを補う ) で治療します子どもや若い人に多く見られます知っておきたい糖尿病糖尿病の種類 2 型糖尿病食べ過ぎ飲み過ぎストレスなどの生活習慣が原因でインスリンの働きが悪くなり分泌が少なくなることで起こる糖尿病です治療法は食事療法運動療法が基本です

5 1 型糖尿病何らかの原因でインスリンがほとんど出なくなることで起こる糖尿病インスリン療法 ( 注射でインスリンを補う ) で治療します子どもや若い人に多く見られます知っておきたい糖尿病糖尿病の種類 2 型糖尿病食べ過ぎ飲み過ぎストレスなどの生活習慣が原因でインスリンの働きが悪くなり分泌が少なくなることで起こる糖尿病です治療法は食事療法運動療法が基本です病状によって飲み薬やインスリン注射を併用します糖尿病患者の 90% 以上は 2 型糖尿病です妊娠糖尿病妊娠によるホルモンバランスの崩れが原因で起こる糖尿病出産後には自然に治ることが多いですその他の糖尿病遺伝子の異常免疫の異常肝臓やすい臓の病気などで起こる糖尿病原因を治療すれば糖尿病も改善してきます 1 型糖尿病 2 型糖尿病妊娠糖尿病その他の糖尿病 4 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

糖尿病になりやすい体質になるといわれています具体的には以下のような原因が考えられます運動不足身体を動かさなくなると血液中のブドウ糖が溜まりやすくなりますまた肥満の原因にもなります食べ過ぎ

6 日本人の 13 人に 1 人は糖尿病といわれていますなぜこんなに増えてしまったのでしょうか糖尿病の原因としては以下のものが挙げられます体質親兄弟に糖尿病の人がいると糖尿病になる可能性が高いとされています生活環境の変化知っておきたい糖尿病増える 2 型糖尿病の原因生活が便利になったことにより糖尿病になりやすい体質になるといわれています具体的には以下のような原因が考えられます運動不足身体を動かさなくなると血液中のブドウ糖が溜まりやすくなりますまた肥満の原因にもなります食べ過ぎインスリンをつくるすい臓を過剰に働かせ疲れさせてしまうことでインスリンが十分に分泌されなくなりますストレス生活習慣が乱れがちになり血糖値を上げてしまいます加齢加齢とともにブドウ糖の利用やインスリンを分泌する能力が落ちてきます LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 5

7 知っておきたい糖尿病放っておくとどうなる? 合併症糖尿病は自覚症状がないことが多く気がつかないうちに進行していきます治療をしないで放っておくと数年後にはさまざまな合併症を引き起こす可能性がありますブドウ糖が血液中に増えすぎたために血管や神経に悪影響を与えることで合併症が起こりますそのなかでも恐ろしいのは三大合併症です 1 糖尿病性神経障害高血糖が続くと血流が悪くなり神経細胞に十分な栄養が行き渡らず末梢神経の伝達機能に異常が起きてしまいます主な症状は手足のしびれ痛み筋力低下発汗異常立ちくらみめまいなどですえそ知覚神経の障害が進むとやけどやケガに気づかず炎症や壊疽が起こりやすくなります 2 糖尿病性網膜症目の網膜に障害が起こる病気で初期の段階では自覚症状はありませんしかし症状が進むと視力低下ものがブレて見える黒いものがちらつくなどの症状が現れ網膜はく離が起き最終的には失明することもあります血糖コントロールレーザー治療等で進行を抑えることができますので定期的に眼底検査を受けましょう 6 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

8 3 糖尿病性腎症腎臓は血液から余分な老廃物や塩分をろ過して取り除き尿として排出する機能がありますしかし高血糖が続くとろ過機能が正常に働かなくなり疲れやすい足がむくむなどの症状が出てきますさらに進行してしまうと腎臓の機能が低下し人工透析治療が必要になることがありますワンポイントその他の合併症では心筋梗塞脳卒中脳梗塞なども起こりやすくなります合併症にならないためにも定期的な検査普段からの血糖コントロール早めの治療が必要です LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 7

9 知っておきたい糖尿病糖尿病にならないための食事療法糖尿病や肥満を防ぐためにはカロリーを控え栄養バランスの取れた食事適度な運動が大切です朝抜き昼粗食 ( 栄養の偏った食事 ) 夜のまとめ喰いはもっとも良くないパターンですまた食べるのが早いのもいけません脳に満腹感が伝わるまでに分かかるため食欲のブレーキがかかる前に食べ過ぎてしまうのです間食飲み過ぎも気をつけましょう 8 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

10 一日にとりたい食品の種類と目安 (1,600kcal の例 ) 目安 : 植物油なら大さじ 1 砂糖なら小さじ 2 目安 : g 目安 :350g 以上目安 :450g 以上外食時の注意点単品よりもセットメニュー ( 定食 ) を選びましょう野菜のおひたしや酢のものを上手にプラスしましょうめんの汁など味の濃いものは残しましょうテイクアウトするときなども同じように気をつけましょう LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 9

知っておきたい糖尿病運動療法食事療法と並び欠かすことができないのが運動療法です適切な運動やエクササイズは肥満を解消しインスリンの働きを高めて効率よく血糖を下げるほかに血圧や血中脂質の改善ストレスの解消体力の増強にも役立ちますまずは生活のなかで歩くことを意識しましょう毎日少しずつ 1 割増程度に歩数を増やしていけばそれほど難しくなく 1 日 1

11 知っておきたい糖尿病運動療法食事療法と並び欠かすことができないのが運動療法です適切な運動やエクササイズは肥満を解消しインスリンの働きを高めて効率よく血糖を下げるほかに血圧や血中脂質の改善ストレスの解消体力の増強にも役立ちますまずは生活のなかで歩くことを意識しましょう毎日少しずつ 1 割増程度に歩数を増やしていけばそれほど難しくなく 1 日 1 万歩程度歩くことは誰でも実行できます 1 万歩は歩行距離にすると男子が 7 8km 女子が 6 7km ですこれによるエネルギーの消費は kcal です 1 万歩を歩く時間のない方は朝と夕の 20 分の速足歩き (1 分間 80m の速さ ) でこれに代えてください速歩きのときは途中で止まらず続けて 20 分歩くようにしましょうただし体調が優れないときや持病のある方は医師に相談しましょう 10 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

12 室内では筋肉を引き締めるストレッチを中心に行うと良いでしょう自分の持てる力の 6 7 割の力で 6 10 秒間持続させこれを反復するだけで十分な効果が期待できます太ももの前側と股関節のストレッチ片側のひざを曲げ足の甲を同じ側の手で支えた状態で曲げたひざを床の方向に引き上げる ( 左右で 1 回 ) 背中のストレッチ左右の手を組んで腕を水平に伸ばしいすの背もたれに背中を押しつけるようにしながら背中と首の後ろを伸ばす ( へそを覗くようにすると首や腰がよく伸びる ) 脚の後ろのストレッチ片側の脚を後ろに伸ばしかかとを床につけるそのままかかとを床に押しつける ( 左右で 1 回アキレス腱もよく伸びる肩に力が入りやすいため大きく息を吸って吐きながら行うと力が抜ける ) ワンポイント激しすぎる運動は場合によってかえって身体に良くない影響が出ることもあるので注意しましょう LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 11

13 知っておきたい糖尿病糖尿病と診断されてしまった場合医師との相談の上薬物療法が必要になることもあります薬物療法 1 型糖尿病 : インスリン依存型糖尿病インスリンの注射等による補充が必須のほか食事運動療法も重要です経口薬では良くなりません 2 型糖尿病 : インスリン非依存型糖尿病食事運動療法で十分血糖が下がらないときに薬を使います経口血糖降下薬 ( 飲み薬 ) とインスリン注射があります経口血糖降下剤の種類と作用インスリンを増やす薬 ( インスリン分泌促進剤 ) スルホニル尿素薬 (SU 薬 ) 速効型インスリン分泌促進薬 DPP-4 阻害薬インスリンの効き目を上げる薬 ( インスリン抵抗性改善薬 ) ビグアナイド薬 (BG 薬 ) チアゾリジン薬食後の糖質の吸収を遅らせる薬 ( 糖吸収遅延薬 ) α-グルコシダーゼ阻害薬異なる作用の薬を併用することもあります 12 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

知っておきたい糖尿病経口血糖降下薬を飲んでいると低血糖が起こることがあります薬の作用が強く出すぎたり食事の時間が遅れたときなどに起こりがちです食事運動療法だけの方には起こりません震え動悸冷や汗脱力感眠気頭痛目がかすむなどが主な症状です低血糖 60 50 40 30 20 あくび空腹感イライラ吐き気冷や汗手の震え動悸けいれん低血糖昏睡意識がもうろうとする

14 知っておきたい糖尿病経口血糖降下薬を飲んでいると低血糖が起こることがあります薬の作用が強く出すぎたり食事の時間が遅れたときなどに起こりがちです食事運動療法だけの方には起こりません震え動悸冷や汗脱力感眠気頭痛目がかすむなどが主な症状です低血糖あくび空腹感イライラ吐き気冷や汗手の震え動悸けいれん低血糖昏睡意識がもうろうとする低血糖が起こったら低血糖を起こしやすい薬剤 ( インスリンの量が増えるもの ) 低血糖を起こしにくい薬剤 ( インスリンを増やさないもの ) すぐにブドウ糖や砂糖を含む清涼飲料水などを摂る α- グルコシダーゼ阻害薬を飲んでいる場合は必ずブドウ糖を摂るインスリン注射 SU 薬速効型インスリン分泌促進薬 α- グルコシダーゼ阻害薬ビグアナイド薬チアゾリジン薬ワンポイント薬物療法を始めたら常にブドウ糖や砂糖を持ち歩くようにしましょうまた家族や友人に対処法を知ってもらうことも必要です LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 13

15 知っておきたい糖尿病 Q&A Q. 日本人は糖尿病になりやすいってホント? A 日本人は欧米人に比べインスリンの分泌が少ない人が多いので余分に食べた分は血中に糖として残り結果として糖尿病になりやすいといわれています Q. 糖尿病は遺伝しますか? A 2 型糖尿病はかなり遺伝的体質が関わるのでお父さんやお母さんおじいさんやおばあさんが糖尿病の人は要注意です Q. インスリン注射は痛くないですか? A 最近の注射は扱いやすく注射針も細いので痛みは少ないでしょう注射の打ち方も医師から説明があり医療機関で練習してから開始するので心配ありません 14 LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号

16 Q. 栄養剤やドリンク剤を服用できますか? A 不足しがちなビタミンや総合ビタミン剤を服用されることは特に問題ないでしょうただしカロリーや糖分が高いものもあるので医師または薬剤師に相談しましょう Q. 家庭でも尿糖の測定はできますか? A 薬局薬店で一般用の尿糖の試験紙などを取り扱っています LL VOL.43 No.3 通巻第 167 号 15

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc ２糖尿病の症状がはっきりしている人尿糖が出ると多尿となり身体から水分が失われ口渇多飲などが現れますブドウ糖が利用されないため自分自身の身体(筋肉や脂肪)を少しずつ使い始めるので疲れやすくなり食べているのにやせてきます３昏睡状態で緊急入院する人著しい高血糖を伴う脱水症や血液が酸性になること(ケトアシドーシス)により頭痛吐き気腹痛などが出現しすみやかに治療しなければ数日のうちに昏睡状態に陥ります