が繰り返し生じる可能性がある 2011 年東北地方太平洋沖地震では 東北 関東地方のみならず震源から 700km ほど離れた大阪でも長周期地震動により超高層建築物などに長時間の揺れが観測された 建設地点による振幅の大小はあるものの 免震構造においても免震層の応答変位ならびに上部構造の絶対応答加速度が

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1 第 1 章はじめに 1-1 背景我が国において 積層ゴムを使用した本格的な免震構造は 1980 年代前半から始まる 当初は 日本建築センターにおいて事前に 免震システムに対する研究委員会の審査を受けることが求められた そののち 高さ 60m を超える超高層建築物と同様に 建築物ごとに時刻歴応答解析による耐震安全性の検証を伴う免震評定を受けた後 大臣認定を取得していた 従って 1980 年代の免震建築物は 限られた設計事務所と施工会社により設計され 施工会社が技術開発のために設計した自社使用の集合住宅や研究施設が約半数を占めていた 1990 年代に入ると 設計や施工ができる設計事務所や施工会社も増え 銀行や生命保険会社の電算センターなど高い耐震性能を要求される建築物に免震構造が採用される場合が多くなった 1995 年阪神淡路大震災において 震源に比較的近い地域にあった2 件の免震建築物の地震観測結果により その免震性能が実証され それまでの約 10 年間で 80 棟余りの実施例であった免震建築物が その後は急激に増加した 特に 病院 消防署 防災拠点など 大地震時にも機能を維持しなければならない公共建築や分譲マンションなどの集合住宅に急速に広がり 高い耐震性能を持つ新しい構造形式として認知され普及し始めた 免震建築物の普及拡大を背景に 2000 年の建築基準法改正の際には 免震構造は限界耐力計算と同等以上の安全性を確かめられる計算法として平成 12 年建設省 ( 現 国土交通省 ) 告示第 2009 号 免震建築物の構造方法に関する安全上重要な技術的基準を定める等の件 ( 以下 告示 2009 号 ) により規定され 一般の建築物と同様の確認申請により建設できるようになった 同時に 平成 12 年建設省 ( 現 国土交通省 ) 告示第 1446 号 ( 以下 告示 1446 号 ) により 免震材料の備えるべき性能や品質 それを検証する試験法が規定され 免震構造の設計に際して 積層ゴムやダンパーなどはこの免震材料認定を取得したものを使用することが義務づけられた 2000 年以降は 大臣認定を取得した免震建築物と告示 2009 号による免震建築物が共存するようになり この告示 2009 号で規定されるレベルを基準にして 時刻歴応答解析により大きな余裕度を確保した高耐震性能のものまで 様々な耐震レベルの免震構造が存在するようになった これまでアスペクト比の小さい RC 造の建築物に限られていた免震構造も 鉄骨構造やプレストレス構造などの構造種別や 60m を超える超高層住宅等にも適用されることとなった また 積層ゴム すべり支承 転がり支承 履歴減衰型ダンパー 粘性減衰型ダンパーも様々な仕様の免震部材が開発または改良され 一つの建築物で多種類の免震部材を採用するケースも多く見られるようになり すべり支承や転がり支承を採用した戸建て免震住宅も多く建設されるようになった 2003 年十勝沖地震の苫小牧でのスロッシング振動による巨大な石油タンク火災を契機として 長周期成分が多く含まれ震源から遠いところでも長周期構造物が長時間揺れる地震動が注目されるようになった 東海 東南海 南海地震などの海溝型巨大地震が発生すると 東京 大阪 名古屋などの大都市では 数秒から十秒程度までの長周期のゆれが数分から十分間程度も続く長周期地震動が発生することが指摘されている 長周期地震動により 免震建築物にはこれまでの想定を超える大きなゆれ 1-1

2 が繰り返し生じる可能性がある 2011 年東北地方太平洋沖地震では 東北 関東地方のみならず震源から 700km ほど離れた大阪でも長周期地震動により超高層建築物などに長時間の揺れが観測された 建設地点による振幅の大小はあるものの 免震構造においても免震層の応答変位ならびに上部構造の絶対応答加速度が観測され 免震構造の地震時挙動が明らかとなった 告示 2009 号に示された免震建築物の地震時応答を評価する方法には 加速度応答スペクトルに基づいた方法が用いられている 加速度応答スペクトルを利用するために 免震層を含めた上部構造を 1 自由度系に置換し 等価質量 等価水平剛性 等価粘性減衰定数を用いて 地震時における免震層の応答値等が算定される 免震建築物の場合は 特に上部構造を剛体と仮定し 免震層より上部の全質量を等価質量とし 免震層に用いられた免震部材 ( 告示 1446 号では 免震材料と呼ぶ ) の力学特性に基づき 等価水平剛性 等価粘性減衰定数を算定している このため 上部構造 ( 免震層より上部の部分 ) はモデル化されないため 地震時における上部構造の設計用地震層せん断力係数の算定式が提案されている 2000 年に施行された告示 2009 号の検討の際 免震部材は天然ゴム系積層ゴム 鉛プラグ入り積層ゴム 高減衰積層ゴムが主に使われており またダンパーとしては 鋼材 鉛およびオイルダンパー等が使われていた また上部構造の剛性を比較的大きくする設計が行われていたことから 1 次モードが卓越する振動モードを想定した免震建築物を対象に 上部構造の設計用地震層せん断力係数の算定式は作成された 近年 比較的剛性の小さな上部構造が設計される場合が多くなるとともに 地震時の上部構造の加速度応答の低減を図るために 免震建築物の免震周期を長くする設計 ( 免震層の2 次剛性を小さくする ) が行われるようになり 免震建築物の上部構造の応答に1 次モードに加え 2 次モードの影響を検討することが必要となった このような状況に鑑み 免震層と上部構造の幅広い力学特性に対する免震建築物の上部構造の応答性状を確認し 層せん断力の高さ方向の分布係数の検討を行うことが必要となった 1-2 目的本検討では 告示 2009 号第 6 の規定に基づく免震建築物の上部構造の設計用地震層せん断力係数評価方法について 建築物の地震時応答性状を踏まえ 高次の振動モードの影響を考慮したより適切な評価方法による算定法を提案することとした 層せん断力係数に関しては まず免震建築物の設計と免震材料に関する実情を調査した上で 適切な各種パラメータ値を用いた免震建築物モデルの地震応答解析を行う この結果の分析を通して免震建築物の合理的な層せん断力係数の評価を試みる 1-2

3 1-3 検討体制本研究は 平成 20 年および平成 21 年度建築基準整備促進事業に基づく調査事項に係る共同研究として 同事業の事業主体 3 者と共同で実施したものであり その体制は 図 に示すとおりである 建築研究所は 調査研究の計画策定 研究の成果のとりまとめにおいて 主たる役割を果たしたほか その他の項目について 各事業主体とともに研究を行った 共同研究の検討体制は 建築基準整備促進事業 12 免震建築物の基準の整備に資する検討本委員会 を設け 平成 20 年度では 本委員会の下に 3 つの検討課題 (SC1 SC2 SC3) に対して計 5つの WG を設置し 事業を推進した 平成 21 年度においても本委員会の下に 3 つの検討課題に対してそれぞれ WG( 免震せん断力 WG WG1 WG2) を設置した また WG1 WG2 については さらに検討課題を分類整理し 計 5 つの SWG を設け 検討を推進した 共同研究の組織図を図 および図 に 研究体制を表 および表 にそれぞれ示す 本資料は 図 に示す SC1: 免震建築物の設計用せん断力に関する調査 ( 平成 20 年度 ) 図 に示す免震せん断力 WG( 平成 21 年度 ) における検討結果 ならびに平成 24 年に実施した追加検討をとりまとめたものである 建築基準整備促進補助金事業の事業主体 建築研究所 共同研究 清水建設株式会社 株式会社小堀鐸二研究所 一般社団法人日本免震構造協会 図 共同研究の実施体制 SC1 免震建築物の設計用せん断力に関する調査 SC1WG1 免震建築実情調査主査田村和夫 SC1WG2 せん断力分布解析 評価主査田村和夫 建築基準整備促進事業 12 免震建築物の基準の整備に資する検討本委員会委員長北村春幸 SC2 免震材料の特性評価法に関する調査 SC2WG1 免震材料減衰特性把握主査高山峯夫 SC2WG2 免震材料技術基準提案主査高山峯夫 SC3 四号建築物用免震材料の技術基準の検討等 SC3WG1 小規模建築物技術基準等の提案主査可児長英 図 平成 20 年建築基準整備促進事業 (12 免震建築物の基準の整備に資する検討 ) 研究体制組織図 1-3

4 免震せん断力 WG: 免震建築物の層せん断力係数分布の評価主査田村和夫 建築基準整備促進事業 12 免震建築物の基準の整備に資する検討本委員会委員長北村春幸 WG1: 小規模建築物も含めた免震材料の品質および小規模免震建築物などの構造計算に関する技術的な検討委員長可児長英 SWG1: 免震材料の技術基準の検討主査嶺脇重雄 SWG2: 四号免震建築物 小規模免震建築物用地表面スペクトルの検討主査藤森智 SWG3: 四号免震建築物 小規模免震建築物用構造計算ルートと規定の技術的検討主査中澤昭伸 WG2: 長周期地震動や強風に対する免震材料の消費エネルギーなどの性状把握 保有エネルギーを確認する評価法 試験方法の試案のまとめ委員長高山峯夫 SWG1: 長周期地震動に対する免震材料の保有エネルギー評価法 試験方法の検討主査荻野伸行 SWG2: 強風に対する免震材料の保有エネルギー評価法 試験方法の検討主査竹中康雄 図 平成 21 年建築基準整備促進事業 (12 免震建築物の基準の整備に資する検討 ) 研究体制組織図 1-4

5 表 平成 20 年度検討体制 ( 所属 肩書は平成 21 年 3 月末現在のものである ) 建築基準整備促進事業 12 免震建築物の基準の整備に資する検討本委員会 委員長 北村春幸 東京理科大学 委員 井上範夫 東北大学 委員 川口健一 東京大学 委員 菊地優 北海道大学 委員 小林正人 明治大学 委員 髙山峯夫 福岡大学 委員 北村佳久 清水建設 委員 竹中康雄 鹿島建設 委員 中澤昭伸 織本構造設計 委員 長谷川豊 オイレス工業 委員 速水浩 日本建築センター 委員 藤森智 松田平田設計 委員 吉江慶祐 日建設計 委員 田村和夫 清水建設 委員 可児長英 日本免震構造協会 共同研究委員 斉藤大樹 建築研究所 共同研究委員 大川出 建築研究所 協力委員 井上波彦 国土交通省国土技術政策総合研究所 協力委員 小豆畑達哉 国土交通省国土技術政策総合研究所 SC1: 免震建築物の設計用せん断力に関する調査 SC1WG1:- 免震建築実情調査 - 主査 田村和夫 清水建設 委員 可児長英 日本免震構造協会 委員 北村佳久 清水建設 委員 西村拓也 清水建設 委員 森川和彦 清水建設 SC1WG2:-せん断力分布解析 評価 - 主査 田村和夫 清水建設 委員 可児長英 日本免震構造協会 委員 北村春幸 東京理科大学 1-5

6 委員 北村佳久 清水建設 委員 小林正人 明治大学 委員 高濱亮太 清水建設 委員 竹中康雄 鹿島建設 委員 西村拓也 清水建設 委員 森川和彦 清水建設 1-6

7 表 平成 21 年度検討体制 ( 所属 肩書は平成 22 年 3 月末現在のものである ) 建築基準整備促進事業 12 免震建築物の基準の整備に資する検討本委員会 委員長 北村春幸 東京理科大学 委員 井上範夫 東北大学 委員 大熊武司 神奈川大学 委員 荻野伸行 熊谷組 委員 可児長英 日本免震構造協会 委員 菊地優 北海道大学 委員 北村佳久 清水建設 委員 小林正人 明治大学 委員 髙山峯夫 福岡大学 委員 竹中康雄 小堀鐸二研究所 委員 田村和夫 清水建設 委員 中澤昭伸 織本構造設計 委員 長谷川豊 オイレス工業 委員 速水浩 日本建築センター 委員 藤森智 松田平田設計 委員 吉江慶祐 日建設計 共同研究委員 大川出 建築研究所 共同研究委員 斉藤大樹 建築研究所 協力委員 小豆畑達哉 国土技術政策総合研究所 協力委員 石原直 国土技術政策総合研究所 協力委員 井上波彦 国土技術政策総合研究所 免震せん断力 WG: 免震建築物の層せん断力係数分布の評価 主査 田村和夫 清水建設 委員 北村佳久 清水建設 委員 西村拓也 清水建設 委員 森川和彦 清水建設 協力委員 石原直 国土技術政策総合研究所 1-7

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