地震安全性

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1 長野県の地震と建物の耐震 長野県の地震被害と断層 阪神淡路大震災の教訓 地震被害と耐震規定の変遷 耐震設計の考え方 免震構造とはなにか 信州大学工学部建築学科田守伸一郎

2 長野県の地震 2008 年 4 月の活動度 M1~3クラス 糸魚川 - 静岡断層帯 伊那谷断層帯 信濃川断層帯 県西部 東京大学地震研究所 HP より

3 長野県内の断層と地震被害 信濃川断層帯 善光寺地震 (1847,M7.4) 糸魚川 - 静岡構造線断層帯 美濃 飛騨 信濃 (762,M 不明 ) 伊那谷断層帯 阿寺断層帯 天正地震 (1586,M7.8)

4 その他の被害地震 県内が震源 大町地震 (1918,M6.1) 長沼地震 (1941,M6.1) 野尻湖付近 (1943,M5.9) 上田市周辺 (1912,M5.1, 1986,M4.9) 松代群発地震 (1965~,M5.4) 長野県西部地震 (1984,M6.8) 大町市の北 (1986,M5.9) 県外が震源 濃尾地震 (1891,M8.0) 新潟地震 (1964,M7.5) 安政東海地震 (1854,M8.4) 関東地震 (1923,M7.9) 東南海地震 (1944,M7.9) 南海地震 (1946,M8.0) M6 クラスの地震はどこにも起こりえる

5 長野県による地震動予測 想定断層 糸魚川 - 静岡構造線 ( 北部 ) M8.0, 断層長さ 80km 糸魚川 - 静岡構造線 ( 中部 ) M8.0, 断層長さ 80km 信濃川断層帯 M7.4, 断層長さ 43km 伊那谷断層帯 M7.9, 断層長さ 68km 阿寺断層帯 M7.9, 断層長さ 62km

6 糸魚川 - 静岡断層帯 (M8.0) 長野県地震対策基礎調査報告書 ( 平成 14 年 ) より

7 震度階と被害 震度階木造建物鉄筋コンクリート造建物 6 弱耐震性低い : 倒壊するものがある 耐震性高い : 壁や柱が破損するものがある 6 強耐震性低い : 倒壊するものが多い 耐震性高い : 壁や柱がかなり破損するものがある 7 耐震性高い : 傾いたり 大きく破壊するものがある 耐震性低い : 壁や柱が破壊するものがある 耐震性高い : 壁 梁 ( はり ) 柱などに大きな亀裂が生じるものがある 耐震性低い : 倒壊するものがある 耐震性高い : 壁 柱が破壊するものがかなりある 耐震性高 : 傾いたり 大きく破壊するものがある

8 阪神 淡路大震災で得られた最も大きな教訓 1981 年以前に建設された建築物の耐震診断と耐震補強の必要性 100% 建築年と被害のレベル 80% 60% 40% 20% 小破以下中破大破倒壊 0% 1971 年以前 1972 年 ~1981 年 1982 年以降 合計 平成 7 年阪神 淡路大震災建築震災調査委員会中間報告より

9 地震被害と耐震規定の変遷 年 : 関東地震 1924 年 : 市街地建築物法改正 市街地の限られた建築物 震度 0.1 以上による耐震設計 1950 年 : 建築基準法 施行令に耐震規定 すべての建築物に耐震設計 1964 年 : 新潟地震 1968 年 : 十勝沖地震 1971 年 : 建築基準法 施行令改正 鉄筋コンクリートの柱のフープ間隔の見直し 1977 年 : 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準 耐震改修指針 静岡県, 関東地方の公共建築物に適用 長野県 : 対象建物の 3% のみ耐震診断が済んでいる 1981 年 : 新耐震設計法 終局強度とじん性

10 地震被害と耐震規定の変遷 年建築基準法改訂 性能設計 地震時の層間変形を制限する 工学的基盤で設計用加速度応答スペクトルを定める 表層地盤での増幅 地盤と建物の相互作用効果

11 阪神 淡路大震災で得られた教訓 1 地盤変状にともなう杭被害大 杭の被害件数 年以前 杭の被害 1974 年 ~1984 年 1985 年以降 施工開始時期 不明被害なし被害あり 不明 被害の割合 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 側方流動液状化 地滑り擁壁の倒壊杭頭接合不良地震力過大 地盤水平変位 被害要因 地盤沈下不明 不明 L>20 15<L 20 10<L 15 5<L 10 L 5 日本建築学会近畿支部基礎構造部会, 兵庫県南部地震建築基礎被害調査委員会 : 兵庫県南部地震による建築基礎の被害調査事例報告書,1996 より

12 杭の耐震規定の変遷 1974 年以前 : 地震時の杭の応力計算はしない 1974 年 : 基礎構造設計基準改訂 規模が大きい建物, 重要な建物 杭の水平抵抗計算法の明示 杭頭ピン 応力過小評価 1984 年 : 地震力に対する建築物の基礎の設計指針 1 次設計レベルの耐震設計 原則杭頭固定 杭頭慣性力のみ考慮 杭地中部での応力を過小評価 2001 年 : 建築基礎設計指針改訂 限界状態の設定 ( 性能設計 ) 地盤変状による杭への荷重を考慮

13 上部構造慣性力 曲げモーメント地震時の杭応力 地盤変形 曲げモーメント中間層が液状化する地盤 地盤変形による杭応力が無視できないケース 杭長が 20m を越える 地盤の中間に軟弱層 ( 液状化層 ) がある 地盤のせん断歪数 %

14 阪神 淡路大震災で得られた教訓 2 ねばり強い建物 変形が大きい 建築士のための指定講習会 OHP 集より

15 阪神 淡路大震災で得られた教訓 3 余力を持った設計の必要性 建築士のための指定講習会 OHP 集より

16 余力の必要性 地震動の振幅は予期しがたい 応答速度 (cm/s) 速度応答スペクトル (h=5%) 限界耐力計算法 BCJ-L2 JMA_KOBE N000E 告示 (JMA 神戸 ) 固有周期 (sec)

17 地盤と地震被害 地震被害と地盤の関係 共振 : 建物の固有周期 地盤の固有周期 軟弱地盤による地震被害 埋め立て地, 盛土, 旧河川 土地条件図や古地図で確認できる 被害の要因 地震動の増幅 地盤の液状化, 塑性化による地盤の大変形

18 地震被害と地盤の関係 1923 関東地震での被害分布 Structure 87.4 no.22 より

19 地震被害と地盤の関係 地盤の模式断面図 Structure 87.4 no.22 より

20 古地図から旧河川を読む ( 中津川,M42 年改修 ) Structure 87.4 no.22 より

21 構造設計者に欠けているとところ 耐震設計法の理解と応用 手順のみの理解 理論的背景と適用条件 余裕を持った設計 なぜ最低限の地震荷重しか想定しないのか? 費用削減 工期短縮できる工法の選択» 例 : フーチング マットスラブ 地震動 地盤震動に対する理解 ( 地震動の地盤増幅 ) ユーザーに対する説明責任 どの程度の安全性が担保されているのか 耐震等級 ( 設計地震荷重の何倍で倒壊するか ) 倒壊する? しない? 地震後の使用性能

22 免震構造 免震構造とはなにか なぜ 震 動が 免 ぜられるか 実大戸建て住宅での振動台実験 免震構造の歴史 免震材料の特徴 設計例 ( 戸建て住宅 )

23 免震構造とはなにか 地震荷重 = 質量 加速度 ( 速度の時間あたりの変化率 ) 一般構造物応答加速度 免震構造物応答加速度 地動加速度 免震材料

24 一般建物の被害例 ( 兵庫県南部地震 ) 新井組技術研究報告集第 8 号,1995 より

25 一般建物の被害例 ( 兵庫県南部地震 ) 新井組技術研究報告集第 8 号,1995 より

26 一般建物の被害例 ( 兵庫県南部地震 ) 新井組技術研究報告集第 8 号,1995 より

27 構造設計目標の違い 一般構造物 倒壊を防ぐ 損傷を受けることが前提 床応答加速度の規定はない 免震構造物 上部構造 基礎は無損傷 免震装置は原則無損傷 ( 一部取り替え ) 概ね無損傷をめざす 床応答加速度はほとんどのものは転倒しないレベ 250cm/s/s 程度以下 高さ / 幅が 4:1 以上のものが転倒

28 なぜ震動が免ぜられるか (1) 固有周期を長くする 応答加速度が小さい 一般構造物 地震荷重が小さい 地1.0 震荷重 ~0.5( 秒 ) 3~4( 秒 ) 免震構造物 固有周期 ( 秒 )

29 地震荷重0.3~0.5( 秒 ) 3~4( 秒 ) なぜ震動が免ぜられるか (2) 減衰性能 ( 地震エネルギー吸収機構 ) の付加 一般構造物 減衰大 減衰小 免震構造物 固有周期 ( 秒 )

30 戸建て免震住宅の振動台実験 地震動 JMA神戸3方向 一条の免震住宅 ビデオ より

31 免震構造の歴史アイディア 河合浩蔵の 地震ノ際大震動ヲ受ケザル構造 1881 建物の構造体と基礎とを滑石の層によって絶縁,1909( 明治 42)

32 免震構造の歴史免震材料の特許 板ばねによる周期の調整 (1924, 大正 13) ボールベアリングによる周期の調整 (1924, 大正 13)

33 免震構造物の歴史過去の実例 不動産銀行姫路支店 (1934, 昭和 9) ロッキング柱の採用による周期調整 東京理科大学 1 号館 (1981, 昭和 56) 鞘柱 (2 重柱 ) による長周期化鋼棒によるエネルギー吸収

34 免震材料の特徴 周期をのばす 積層ゴム支承 減衰性能を付加する 鉛入り積層ゴム支承 (LRB) オイルダンパー せん断力を遮断する 滑り支承 転がり摩擦系支承 オイレス工業株式会社 HP より

35 積層ゴム支承大規模建物向き 天然ゴム系積層ゴム支承 ( 周期 ) 鉛プラグ入り積層ゴム支承 ( 周期 + 減衰効果 ) 鉛プラグの減衰効果 高減衰積層ゴム支承 ( 周期 + 減衰効果 ) 高減衰ゴムの減衰効果 高減衰積層ゴム支承 鉛プラグ入り積層ゴム支承 織本構造設計研究所 HP より

36 減衰材積層ゴム支承, 滑り支承との併用 粘性体ダンパー 鉛ダンパー 鋼棒ダンパー オイルダンパー 織本構造設計研究所 HP より

37 滑り支承小規模建物, 大規模建物での補助的使用 弾性滑り支承 剛滑り支承 (FPS) オイレス工業株式会社 HP より

38 設計例 在来構法木造住宅 1 階建て 延べ床面積 120m 2

39 免震装置直動転がり支承せん断力の遮断

40 免震装置高減衰積層ゴム支承 周期 + 減衰

41 免震装置配置平面

42 免震装置配置断面

43 地震応答計算結果 El Centro NS Taft EW Hachinohe NS Hachinohe EW BCJ-L2 最大加速度応答 ( レベル 2 地震時 ) 最大変位応答 ( レベル 2 地震時 ) (cm/s/s) (cm/s/s)

44 住宅における免震工法の特徴 長所 床の応答加速度は地表面の 1/3~1/4 程度 室内が安全 上部構造部分の偏心の影響が小さい 設計の自由度が上がる 略算法 ( 限界耐力計算法 ) が開発された 短所 壁倍率だけの計算では不十分 ( 壁剛性の低下 ) 高価である ( 戸建て一式 400 万円 ) メンテナンスが必要 簡素化された バリアフリーが出来にくい (1FL GL+650)

45 免震構造物設計の注意点 固有周期を延ばす+ 減衰効果 で装置を選定する 設計に余裕を持たせる 不静定次数が低い 想定外の余力がない 免震材料の特性が明確 軟弱地盤 ( 第 3 種地盤 ) には向かない 共振する 免震層上下面 ( 基礎 1 階床 ) の設計 水平性, 面内 面外剛性の確保 免震材料の変形による付加応力 残留変形の処理 メンテナンスができるディティール

46 免震レトロフィットの利点耐震補強に比べて 既存建物の基礎または中間階に免震装置を設置 費用免震レトロフィット :100~150 万円 / 建坪 耐震補強 :5~10 万円 / 床面積 ( 坪 ) 室内の安全性が高い 工事中も使用可能 業務の継続性 引っ越し費用不要 外観 内部空間を変えずにすむ 歴史的建造物

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内容 Ⅰ はじめに Ⅱ 特定天井基準の技術的背景 1) 水平震度設定の背景 : 共振 2) 耐えうる地震動レベル 3) 目標と手段 Ⅲ 設計上の要点 1) 斜め部材の配置 2) 2 次部材の設置 3) 外力算定 4) 部材構成 5) 線形応答の前提 6) 層間変形角 7) 軒天風圧 Ⅳ 関連動向 Ⅴ 2015.3.6( 金 ) 建築研究所講演会特定天井基準の技術的背景と設計上の要点 ( 独 ) 建築研究所建築生産研究グループ主任研究員石原直 空港ターミナルビルの天井の被害 (2003 年十勝沖地震 ) 1 非構造部材の耐震 AIJ 非構造部材の耐震設計指針 との関わり 1978 年 1 月伊豆大島近海地震同年 6 月宮城県沖地震同年 6 月大崎順彦 ( 元第 3 研究部長 ) と白山和久 ( 元所長

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