要点は, アンサンブル予報が提供する予報のばらつき ( 標本 ) から予報誤差共分散 ( 母集団 ) を求めて, 近似的にカルマンフィルタを適用することであり, 誤差の空間相関を陽に扱うことが可能である. そこで本研究では, 最新のデータ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いたドップラーレ

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1 水工学論文集, 第 巻,008 年 月 アンサンブルカルマンフィルタを用いたドップラーレーダー情報の 4 次元同化設計 A DESIGN OF FOUR DIMENSIONAL DAA ASSIMILAION OF DOPPLER RADAR DAA USING AN ENSEMBLE KALMAN FILER 山口弘誠 中北英一 Kose YAMAGUCHI and Ech NAKAKIA 学生会員工修京都大学大学院工学研究科 ( 6-8 京都府京都市西京区京都大学桂 ) 正会員工博京都大学教授防災研究所 ( 6-00 京都府宇治市五ヶ庄 ) A Doppler radar data assmlaton system based on an ensemble Kalman lter (EnKF) method s developed. he system employs a meso-scale hydrostatc model, whch ncludes the conceptual model o the ecency o the water vapor converson. A case o the ranall occurred n Knk regon n 003 s chosen as an applcaton. Radal velocty and relectvty observed by Myama Doppler radar and Jogamor conventonal radar are assmlated. he ranall predcted by our developed system s compared wth the predcton results o the our dmensonal varatonal method (4D-VAR) and those o the condtonal Kalman lter method. It s demonstrated that our system has equal accuracy to the 4D-VAR method. Also by the comparson o the EnKF method and the condtonal Kalman lter method, t s made clear that the spatal correlaton n error cannot be gnored. Key Words : ranall predcton, Doppler radar, data assmlaton, ensemble Kalman lter. 緒言 豪雨や台風等のメソスケールの異常気象は, 地球上での気流や流水による災害 ( 流体災害 ) を引き起こす自然外力であり, 流域 海域の環境に大きなインパクトを与える. 生活圏に災害をもたらす気象現象の大半は, 水平スケールで km から 000 km, 時間スケールで数十分から数時間ないし数日程度のメソスケールの現象である. わずか 時間先程度の予測であれば, 気象レーダーによる雨域の連続観測から推定した移動速度を時間的に外挿する運動学的手法によって比較的高い精度の予測が可能である. しかしながら, 水工学の分野においては, 防災の観点からダム操作や河川 下水道の排水処理などの実務に求められるリードタイムは数時間先から半日先であり, 力学, 物理学に基づく数値気象モデルによる予測が必要不可欠である. 近年, モデルの開発に関する研究の主流は, 計算機資源の向上によって非静力学モデルへの移行や高分解能化となっている一方で, 気象学の分野においては, 気象レーダーや衛星などの観測情報のデータ同化に関心がおかれている. データ同化とは, 時間的 空間的に限られたデータ ( 観測情報 ) から, モデル ( 理論 ) を満足する初期条件, 境界条件, あるいはモデルに含まれる係数, を求めるこ とである. その目的の一つは, データ同化によって推定された真の状態と考えられる値 ( 解析値 ) をモデルの初期値として将来予測をすることであり, 予測精度を上げるためにも効果的なデータ同化が期待されている. さて, データ同化の設計においては,(ⅰ) 同化手法, (ⅱ) 同化する観測情報,(ⅲ) 同化されるモデル変数, の選択が重要となる. 降雨予測に関連する同化研究として, Nakakta et al. ) は,(ⅰ)4 次元変分法を用いて (ⅱ) ドップラー風速を (ⅲ) 風速場 気圧場 温位場へ同化し, さらに (ⅰ) カルマンフィルタを用いて (ⅱ) レーダー反射因子を (ⅲ) 雨水混合比 大気の不安定場パラメータへ同化し, 3 時間先の降雨予測精度を向上させた. ただし, カルマンフィルタを用いた際に, 降雨場の誤差の空間相関を無視する という非現実的な条件を仮定していた. さらに,4 次元変分法を構成するアジョイントモデルの構築には多大な労力を必要とするために, 実用化の面で困難であった. 一方で海外へ視点を向けると, カルマンフィルタを大気力学系のような多次元系へ適用するといった目的から,Evensen ) によってアンサンブルカルマンフィルタ手法が提唱され, さらに Whtaker and Hamll 3) によって, 解析誤差共分散を求める手法を改良した逐次アンサンブル平方根フィルタ (Seral Ensebmle Square Root Flter) が開発された. アンサンブルカルマンフィルタの

2 要点は, アンサンブル予報が提供する予報のばらつき ( 標本 ) から予報誤差共分散 ( 母集団 ) を求めて, 近似的にカルマンフィルタを適用することであり, 誤差の空間相関を陽に扱うことが可能である. そこで本研究では, 最新のデータ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを用いたドップラーレーダー情報の同化手法の開発を第一の目的とする. さらに, Nakakta et al. ) の条件付きのカルマンフィルタと比較し, 降雨場の誤差の空間相関の影響を調べる. また, 実用的に広く利用されている 4 次元変分法と比較し, アンサンブルカルマンフィルタの課題と将来性について検討する.. 様々な同化手法 サンブルカルマンフィルタの一種として扱う. 解析誤差 a 共分散 E は, 次式のように線形変換として与えられる. ( ) E = I K H E (4) a ここで, K は次式で与えられる. K = + R K HP H + R ()-() 式で表されるプロセスにより解析値のアンサンブルが推定され, 次の同化時刻までのアンサンブル予報がなされ, 再び解析値のアンサンブルが推定され, を繰り返していくことで, 最適な予報値と観測値の重み K を探索していく. 詳細については, 三好 6),ppett ) などを参照していただきたい. () () アンサンブルカルマンフィルタ (EnKF) アンサンブル予報とカルマンフィルタを融合させた同化手法である. カルマンフィルタは誤差の時間発展を予報するデータ同化手法であり, そこにアンサンブル予報が提供する予報のばらつきの情報を利用することが最大の特徴である. 最適解 ( 解析値 ) x a は, アンサンブル o 予報の平均値 x と観測値 y の重みつき平均 ( 重み K ) で与えられる. x = x + K y Hx () a o ここで, 添字 は時間のタイムステップ, 添字 a,, o はそれぞれ, 解析, 予報, 観測を表す. また, H はモデル予報変数から観測値に相当する量に変換する観測演算子である. 予報値と観測値の最適な重み K を求めることがアンサンブルカルマンフィルタの解析プロセスであり, 次式によって求まる. K = E HE HE HE + R () ここで, E は予報誤差共分散の平方根, R は観測誤差共分散であり, 添字 は転置を表す. また, 予報誤差共分散 P の予報式は次式で表される. ( ) ( ) a a = + P M E M E Q (3) ここで, E a は解析誤差共分散,Q はモデルと真の時間発展の誤差であるランダム誤差 ( ガウス分布を仮定 ) の a 共分散, M は予報モデルである. つまり, M( E ) はアンサンブル予報を意味している. 次に, 解析誤差共分散を作り出すプロセスであるアンサンブルアップデートについて述べる. その手法は, 摂動観測法 ( 例えば,Evensen ) やHoutekamer and Mtchell 4) など ) と平方根フィルタ法 ( 例えば,ppett ) など ) の 種に分類され, 本研究ではWhtaker and Hamll 3) が開発した逐次アンサンブル平方根フィルタを用いた. 平方根フィルタ法を用いた場合, 厳密にはアンサンブルカルマンフィルタとは呼ばないが, ここでは広義の意味でアン () 誤差の空間相関を無視したカルマンフィルタ (KF) カルマンフィルタを直接, 多次元の大気力学系に適用することはできない. それは予報誤差共分散の次元が大きくなり, 少なく見積もっても 0 GB 程度のメモリが必要となり, 計算機資源の観点から不可能であるからである. そこで,Nakakta et al. ) は誤差の空間相関を無視すると仮定し, 誤差共分散行列の対角成分のみを取り扱うことでメモリの問題を回避した. ただし, 現実的には相関関係は存在するため, 本研究ではアンサンブルカルマンフィルタを導入する. 誤差の空間相関が予測にどの程度影響するのかについては 章で検討する. (3) 4 次元変分法 (4D-VAR) 4 次元変分法は, 第一推定値の確率密度関数と, 任意の観測値を数値モデルによって時間発展させた確率密度関数の両方から導かれる推定値の確率密度関数を最大にする最尤推定値から解析値を得る手法である. 気象学の分野では, 980 年代から適用され始め ( 例えば, Lewes and Derber 7) など ), 現在では実用的に最も利用されている手法の一つである. Nakakta et al. ) を例にとると,(6) 式で表される評価関数 J を (7) 式の制約条件のもとで最小化することで最適解が求まる. α b w b J( x) = ( x0 x0) B ( x0 x0) N (6) o o + ( H( xτ ) yτ ) R ( H( xτ ) yτ ) τ = 0 x = x + τ+ τ M x τ t (7) ここで, x はモデルの予報変数, y は観測値, B は背景誤差共分散, R は観測誤差共分散, M は予報モデル, H は観測演算子, 添字 b,o はそれぞれ第一推定値, 観測を, 添字 0,, N τ = は同化期間内のタイムステップを表す. また, w α は観測情報に対する事前情報の重みであり, 赤池ベイジアン情報量基準で求める.

3 [mm/h] 0 0: 0: 03: 04: 図 - 計算領域とレーダー探知範囲. 図 - 高度 3.km における観測降雨強度. (4) アンサンブルカルマンフィルタと 4 次元変分法の関係両手法とも解を得る方法こそ異なるが, 同化のタイムウィンドウを長くとると, 求まる解は同等である. ただし,4 次元変分法は統計的に求めた背景誤差共分散を用いるのに対し, アンサンブルカルマンフィルタはモデルの時間発展式を通し, 流れに依存した予報誤差共分散を用いる点が異なる. この意味するところは, もしもモデルが不完全である場合, 不完全な予報誤差の情報ではなく統計的な誤差の情報を用いる 4 次元変分法が有利であるが, 逆にモデルが完全もしくは完全に近い場合, アンサンブルカルマンフィルタが有利であると言われている ( 例えば,Yang et al. 8) な Caya et al. 9) など ). 計算機資源の観点から見ると,4 次元変分法は同化期間内の繰り返し収束計算が必要であり, 一方, アンサンブルカルマンフィルタはアンサンブルメンバーの数だけの複数ランが必要であり, 計算機コストは共に大きい. ただし, 仮に予報モデルを変更したときに, アジョイントモデルの再構築を必要とする 4 次元変分法に対して, アンサンブルカルマンフィルタはフォワードモデルのみを用いるので, 扱いやすさの点で大きく優れている. 3. 予測モデルと解析事例 () 降雨の概念モデルと用いた降雨予測手法予報モデルとして,Nakakta et al. ) の開発した降雨の概念モデルを用いた降雨予測手法を採用した. 運動量保存式, 連続式, 熱エネルギー保存式, 水蒸気質量保存式, 雨水質量保存式, および水蒸気から雨水への相変化量を予測する 降雨の概念モデル から構成される. このモデルの特色である降雨の概念モデルでは, 雨域は降雨の生成しやすい状態にあると考え, そこには 不安定場 という一種の気象擾乱の場が存在し, この擾乱は雨域の移動に合わせて伝播 ( 移流 ) すると考える. 不安定場はレーダー情報と総観場のスケール間のギャップとして, 次式で定義される. ここで,α は不安定場パラメータ ( x, yzt,, の関数 ), Q は水蒸気相変化量, ρ 0 は大気の密度, m s は飽和混合比をそれぞれ表す. Q < 0 の場合は, 水蒸気から雨水への変換は起こらないものとする. 予報モデルで考慮する力学は鉛直方向に静水圧平衡を仮定した静力学モデルであり, 鉛直方向風速の加速度を考慮しないため上昇速度の表現には限界がある. ただし, 上述した降雨の概念モデルと併用する手法は, 実用面での有利性が示されており ( 例えば,sugmoto et al. ) など ), 同化の効果を検証するための基礎としてこの予測手法を用いた. () 解析事例近畿地方で前線に伴う降雨のあった 003 年 8 月 4 日 0:00( 世界標準時 (UC)) から 0: の 分間を同化期間, そして同化終了時刻である 0: を予測初期時刻として 04: までの 3 時間先予測を実施した. 図 - に計算領域, および同化する観測情報として用いた深山レーダーと城ヶ森レーダーの最大探知範囲 ( 半径 9 km の円 ) を示す. 計算領域は, 東西に 34 km, 南北に 3 km, 水平格子間隔は 9 km, 鉛直方向には大気下層を比較的密に設定し, 計 0 層とした. 観測情報として, 深山レーダーで観測されたレーダー反射因子 (Z) とドップラー風速 (dpv), 城ヶ森レーダーで観測されたレーダー反射因子 (Z) のそれぞれ 3 次元観測情報を用いた.Z に関して, 両レーダーとも観測値が得られる領域では算術平均した値を用いた. また, 実際には仰角ごとに観測時間が若干異なるが, 同化の際には 7. 分ごとに一度に観測したものとして使用した. 図 - にレーダーで観測された高度 3. km における降雨分布を示す.0: に兵庫県南部で強い降水域が存在し, その降水システムは徐々に弱まりながら 03: にかけて京都府北部へ北東進し,04: にはほぼ消滅している. また,03: 頃に兵庫県南部で別の降水システムが発生し,04: には強い降水システムに発達している. d dt Q =, Q 0 (8) ρ (( α ) ms ) 0 4. 同化の設計

4 () 初期アンサンブル摂動の作成アンサンブルカルマンフィルタでは, アンサンブル予報が提供する予報のばらつき ( 標本 ) から予報誤差共分散 ( 母集団 ) を求めるため, 初期の誤差摂動の作成が重要となる. ここでは, 時間ずらし法を用いて 個のアンサンブルメンバーを作成した. 同化開始時刻である 0:00 の 時間前から 時間ごとに予測開始時刻をずらして 0:00 まで予測した 個の結果を集めてアンサンブル予報の初期摂動とした. アンサンブルメンバーのサンプル数がいくつ必要なのかについて理論的な解は存在しないが,caya et al. 9) によると, 本研究よりもモデル格子数が約 倍多い事例についてのサンプル数について検討しており, 個では分散の大きいサンプルに影響されるが,0 個にするとサンプリングエラーの影響は少ないとしている. 本研究では, 格子数が少ないことを考慮し 個と 4 個の 種類で同化したが, ほぼ同様の結果が得られたため, 章で述べる全てのケースにおいてサンプル数を 個とした. ただし, 時間ずらし法で作成したアンサンブルメンバーはサンプル同士の相関が高くなる場合があり今後検討が必要である. () 局所化数時間の気象シミュレーションが対象のとき, 遠く離れた地点には誤差の空間相関がないと考えて良く, 離れた点でのサンプリングエラーを小さくするために局所化を行う. ここでは, ガウス関数を 次で近似した関数をサンプル値に掛けることで, 離れた点の相関を小さくした. 相関長さに関して, 水平方向には km 離れた点で誤差相関がもとの % となるように, 鉛直方向には σ 座標で 3 格子離れた点で誤差相関がもとの % となるようにそれぞれ設定した. (3) 共分散膨張大気力学のような非線形系にカルマンフィルタを適用すると, 誤差共分散が小さくなりすぎて観測情報の重みを過小評価してしまう. 原因は, 線形理論を非線形系に適用したことやサンプリングエラーによる予報誤差共分散の見積り誤差などであり, それらを (3) 式におけるモデルのランダム誤差共分散 Q として扱い, ここではQ の各共分散値を (3) 式右辺第 項の 7 % と設定した. (4) 同化の設計どの観測値からどの予報変数を修正すべきか, といった同化の設計も一つの研究対象であり, 本研究では, その第一歩として, ドップラー風速を同化する場合, 風速場はその支配方程式である運動量保存式から温位および気圧の関数であるため, 同化される予報変数を風速, 温位, 気圧とした. これの意味するところは, 温位や気圧の拘束条件のもと風速を修正するということである. 同様に, レーダー反射因子を同化する場合も, 雨水の質量 保存式の制約条件から雨水混合比と不定場パラメータ α を同化される予報変数とした.. 同化の検証と降雨強度の予測結果 () アンサンブルカルマンフィルタを用いた予測アンサンブルカルマンフィルタによる同化の効果を検証するため, 同化しない場合と比較する. 図 -3 にアンサンブルカルマンフィルタ ( 以降,EnKF) によって同化した場合, 図 -4 に同化しない場合のそれぞれの予測降雨強度と風速を示す. 同化の効果があることを確認できるが, 必要以上に観測値により近く修正されている可能性がある. その原因の一つとして, レーダー反射因子を同化する際に, 本研究では線形の観測演算子を用いたことによると考えた. つまり, 本来は雨水混合比とレーダー反射因子は非線形の関係にあり, そこに観測の不確実性が含まれるからである. ただし, この事例ではモデルの予報誤差が観測誤差よりかなり大きく, もともと観測値に重みがおかれる事例であることも確かである. さて,, 時間先予測を見ると, 観測では京都府北部まで北東進していた降水システムに対して, 同化なしの場合は日本海まで移動しているのに対し,EnKF は観測に近い移動である. 同化終了時刻の風速を見てもその差異は明確に現れており,EnKF では南西風が抑制されている. 同様に強度に関して, 同化なしの場合は過大に予測されていたのに比べて,EnKF では比較的降雨の発達が抑制された. ただし, それでも観測値と比較すると過大であり, これは用いたモデルの予測限界であると考えられる. 用いた降雨の概念モデルでは降水過程だけでなく変動する風速場の効果も表現するため, モデルの風速場と二重の効果となってしまったためである. 加えて, ドップラー速度とレーダー反射因子を別々に同化したことによる二重の効果も考えられ, 検討が必要である. () アンサンブルカルマンフィルタと 4 次元変分法の比較 章 3 節で述べた 4 次元変分法を基本とした Nakakta et al. ) によって開発された同化手法と比較する. ただし, Nakakta et al. ) は同化の効果を簡単に検証するため, 雨水混合比は観測値から既知であるとし, ドップラー風速のみを同化しており, ここでは EnKF も同様の条件とした.EnKF と 4 次元変分法の同化終了時刻および 時間先予測の結果をそれぞれ図 -, 図 -6 に示す. 同化終了時刻においての風速を比較すると, 計算領域南西部の風速に差があるものの, 図 -4 の同化なしの場合と比較すると大きな差にあらず, 同様の同化効果が得られている. ドップラー風速のみを同化したにもかかわらず, 同化終了時刻の降雨強度に相違が見られる. これは, 4 次元変分法の逆解析モデルに降雨の概念モデルを加えなかったためであり, 風の収束場が変化し降雨強度に変

5 [mm/h] 同化終了時刻 時間先 時間先 3 時間先同化終了時刻図 -3 アンサンブルカルマンフィルタによって同化した場合の予測降雨強度 ( 左図 ) および同化終了時刻の風速 ( 右図 ). 0 [mm/h] 同化終了時刻 時間先 時間先 3 時間先同化終了時刻図 -4 同化しない場合の予測降雨強度 ( 左図 ) および同化終了時刻の風速 ( 右図 ). 0 [mm/h] 0 同化終了時刻 時間先同化終了時刻 [mm/hr] 図 - EnKF でドップラー風速のみを同化した場合の予測降雨強度 ( 左図 ) および風速 ( 右図 ). 同化終了時刻 時間先図 -7 同化期間を 時間とした場合の予測降雨強度 EnKF は 4 次元変分法とほぼ等しい効果が得られた. ただし,EnKF では初期アンサンブル摂動の作成法,4 次元変分法では背景誤差共分散の作成法によって結果が大きく変わるため, 優劣をつけるわけではない. 同化終了時刻 時間先同化終了時刻 [mm/hr] 図 -6 4 次元変分法でドップラー風速のみを同化した場合の予測降雨強度 ( 左図 ) および風速 ( 右図 ). 化が起こったと考えられる. 時間先の降雨強度予測において, 強度に若干の差はあるものの降雨域はほぼ同じであり, 本事例において, (3) 同化期間の影響本研究では, ここまで同化期間を 分間とし, レーダー観測値が得られる 7. 分間ごとに計 4 回の同化サイクルを実施した. ここに図示しないが,7. 分ごとにその結果を見ると, 時間を追うごとに第一予報値から徐々に観測値に近づいていることがわかった. そこで, 同化開始時刻を 分間早めて同化期間を 時間に設定し, 比較した. 同化期間を 時間とした予測結果を図 -7 に示す. 分間の同化期間であった図 -3 と比較しながら同化終了時刻の降雨強度を見ると, 時間同化した方がわずかではあるがさらに観測値に近づいていることがわかる. 観測降雨が無かった兵庫県北部においてよ

6 タを決定した. (ⅲ)EnKF では初期アンサンブル摂動の作成法,4 次元変分法では背景誤差共分散の作成法が重要であり, それらによって予測結果が変わるので一概に言えないが, 本事例では両者とも同程度の予測結果が得られた. (ⅳ) 誤差の空間相関の影響は無視できない. 図 -8 同化終了時刻における EnKF と KF の降雨強度の差.EnKF-KF. 謝辞 : 本研究で使用した深山, 城ヶ森レーダー情報は, 国土交通省近畿地方整備局淀川ダム統合管理事務所より研究用としてご提供頂きました. 感謝申し上げます. く修正されていることがわかるが, それでも最も強い降雨域である兵庫県南部域では差は見られない. 時間先の予測結果を見ると, 日本海域で予測されていた降雨が無くなっているものの, 最も強い降雨域である兵庫県中央部においては, 時間同化した場合の方がやや強く予測されている. これらを総合的にみて, 時間の同化した方がパフォーマンスが良いものの, 分という同化期間でフィルタリングに必要な予報誤差共分散をある程度求めることができた事例であったと考える. (4) 誤差の空間相関の影響 4 章 節で述べた, 誤差の空間相関の影響がどの程度であるかを検討する. 誤差の空間相関を無視した 4 章 節の KF と無視しない 4 章 節の EnKF を比較する. また, 簡単のためここではレーダー反射因子のみを同化した. 同化終了時刻における降雨強度を図 -8 に示すと, ほとんど違いが無いように見えるが, 最大で 3.mm/h の差があり, ドップラー風速のみを同化せずにこの相違が得られたことは大きいと考える. 誤差の空間相関を無視する手法が現象を大きくはずしているわけではないが, 予測リードタイムが長くなると誤差の空間相関を適切に評価した予測, すなわち EnKF が必要である. 6. まとめ 短時間降雨予測において, 従来の同化手法であった 4 次元変分法との比較, および誤差の空間相関を無視した問題を解決するといった観点から, 最新のデータ同化手法であるアンサンブルカルマンフィルタを適用し, 将来性を検討した. 主な成果は以下の通りである. (ⅰ) 同化手法にかかわらず, ドップラー風速を同化することで風速場が変化し, 風の収束域や降雨域に影響を与えた. 同様に, レーダー反射因子を同化することで雨水量が変化し, 降雨強度に影響を与えた. その結果, 同化しない場合と比べて, 予測精度が向上した. (ⅱ) 降雨の概念モデルを用いた降雨予測手法において, アンサンブルカルマンフィルタを適用し, 初期誤差摂動の作成, 局所化, 共分散膨張に関する効果的なパラメー 参考文献 ) Nakakta, E., Y. Sato and K. akenouch: 4DDA o radar echo and Doppler velocty by an atmospherc model wth a conceptual precptaton model, Annual Journal o Hydraulc Engneerng, JSCE, Vol., 007. ) Evensen, G.: Sequental data assmlaton wth a nonlnear quasgeostrophc model usng Monte Carlo methods to orecast error statstcs, J. Geophys. Res., Vol.90 (C), pp43-6, ) Whtaker, J. S. and. M. Hamll: Ensemble Data Assmlaton wthout Perturbed Observatons, Mon. Wea. Rev., Vol., pp93-94, 00. 4) Houtekamer, P. L., H. L. Mtchell: Data assmlaton usng an ensemble Kalman lter technque, Mon. Wea. Rev., Vol.6, pp796-8, 998. ) ppett, M. K., J. L. Anderson, C. H. Bshop,. M. Hamll, and J. S. Whtaker: Ensemble square root lters, Mon. Wea. Rev., Vol.3, pp48-490, 003 6) 三好建正 : アンサンブル カルマンフィルタ -データ同化とアンサンブル予報の接点 -, 天気, 第 巻,pp. 93-4, 00. 7) Lews, J. M., and J. C. Derber: he use o adjont equatons to solove a varatonal adjustment problem wth advectve constrants, ellus, Vol.37A, pp.9-3, 98. 8) Yang, S. C., M. Corazza, A. Carrass, E. Kalnay, and. Myosh: Comparson o ensemble-based and varatonal-based data assmlaton schemes n a quas-geostrophc model, Proceedng or the AMS annual meetng 006, 00. 9) Caya. A., J. Sun, and C. Snyder: A comparson between the 4DVAR and the ensemble Kalman lter technques or radar data assmlaton, Mon. Wea. Rev., Vol.33, pp8-94, 00. ) Nakakat, E., S. Ikebuch,. Nakamura, M. Kanmur, M. Okuda, A. Yamaj, and. akasao: Short-term ranall predcton method usng a volume scannng radar and GPV data rom numercal weather predcton, J. Geophys. Res., Vol.(D), pp , 996. ) Sugmoto, S., E. Nakakta, S. Ikebuch: A stochastc approach to short-term ranall predcton usng a physcally based on conceptual ranall predcton, J. Hydrology, Vol. 4, pp.37-, 00. ( 受付 )

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