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ゆきにかどり
5 years ago
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JBVP 東北地区大会 ( 仙台 ) 2013.3.3 犬猫の気管支鏡検査相模が丘動物病院呼吸器科城下幸仁ナニコレ?

粘膜肺実質 ) 3 気管支肺胞洗浄 (BAL) 検査の意義気道病変の直視と部位同定病原体の検出 BAL

患者固有気道病変の発見病態理解と治療方針決定気管支鏡検査で確定できる疾患 1. 喉頭疾患 2. 細菌性肺炎 3.

1 JBVP 東北地区大会 ( 仙台 ) 犬猫の気管支鏡検査相模が丘動物病院呼吸器科城下幸仁ナニコレ? 細菌感染? 真菌? 結核? 悪性腫瘍? 誤嚥? それとも自分の知らない病気? 今後どうなるのだろう??? そうだ! 調べよう!! 気管支鏡検査とは? 気管支鏡検査の基礎知識喉頭から気道肺疾患への直接的なアプローチ法 - 画像から病理診断へ 1 気道内観察 2 生検 ( 粘膜肺実質 ) 3 気管支肺胞洗浄 (BAL) 検査の意義気道病変の直視と部位同定病原体の検出 BAL 液や病理標本の採取感染性疾患? 炎症性疾患? アレルギー性疾患? 免疫介在性疾患? 腫瘍性疾患? 患者固有気道病変の発見病態理解と治療方針決定気管支鏡検査で確定できる疾患 1. 喉頭疾患 2. 細菌性肺炎 3. 真菌性原虫性肺炎 4. 猫喘息 5. 好酸球性肺炎 6. 気管虚脱 7. 気道内異物 8. 気道内の寄生虫 9. 肺および気管腫瘍胸部異常陰影慢性発咳 (>2 ヵ月 ) 喀血喘鳴など呼吸異常適応気道内異物マスが疑われる場合 1

2 合併症禁忌肺拡張不全不整脈の悪化出血気胸嘔吐 - 絶対禁忌全身状態不良重度の心肥大 - 相対禁忌気管気管支軟化症 Pao 2 < 60 mmhg 血液凝固能低下体重 2.5kg 未満気管支鏡的分岐命名法胸部 X 線所見との関連 Amis (1986) 仰臥位城下 (2005) 同定鉗子挿入可能な葉区域気管支 20 本城下 (2005) よりリンパ節気管支気管の組織構造外膜周囲の神経叢動静脈リンパ管輪走する平滑筋固有層内血管縦走する弾性線維気管支鏡所見 4 気管支の基本構造上皮層粘膜固有層平滑筋層筋外層軟骨層外弾性線維膜周囲結合組織気管の組織構造膜性壁膜性壁には固有層と気管筋の間に粘膜下組織がある

3 異常所見異常所見粘膜の変化粘膜の変化壁構造の変化管内要因管外要因気管分岐部の充血 RB2 からの出血凹凸不整隆起気管の充血異常所見 - 壁構造の変化異常所見 - 管内要因気管虚脱左主気管支の拡張性変化左主気管支から喉頭内 mass 分泌物が湧出 ( 喉頭小嚢外反 ) ( 下気道感染症 ) 空洞病変気管支の虚脱粘液貯留 ( 慢性気管支炎 ) 粘液栓の小片 ( 猫喘息 ) 異常所見 - 管外要因正常範囲所見? 気管分岐部開大 RB1 狭窄 ( 肺門リンパ腫 ) ( 肺門リンパ腫 ) 喉頭小嚢浮腫 ( 小型犬で多い ) 左主気管支狭窄 ( 体位無関係 ) LB1 の狭窄 ( 左肺前葉腫瘍 ) 左主気管支圧迫 (MR+ 左房拡大 ) 主気管支内側支ネコ気道内粘液 3

4 気管支ファイバースコープ気管支鏡についてファイバースコープとビデオスコープファイバースコープとビデオスコープ気管支鏡検査の基本手技 3C30(3.6mm) MP60(4.0mm) VQ-6292A(6.0mm) ファイバースコープビデオスコープ 4

5 装置設備スタッフ BF 気管支鏡医鉗子助手麻酔係ビデオ写真撮影係検体処理係染色係計 6 名 VS Ø3.6 Ø mm mm CBC 血液生化学心電図胸部 X 線動脈血ガス分析凝固時間 (PT, APTT) 目的気管支を予定しておく術前評価麻酔とモニタラリンゲルマスクの利用前処置 : +アトロピン 0.05mg/kg 麻酔維持 : プロポフォール持続投与 mg/kg/min モニタ : Spo 2 心電図血圧カプノグラム ID 5.25mm サクションセーフとラリンゲルマスク #1 ID ID 4.5mm 気管チューブ 5

6 保定とラリンゲルマスク設置検査手技肉眼観察粘膜, 壁, 管内管外要因気管支ブラッシング粘膜病変細胞診微生物学的検査 BAL 末梢気道肺胞領域細胞診微生物学的検査直視下粘膜生検経気管支肺生検 (TBLB) 肉眼観察気管支ブラッシングたたく細胞診 6.0mmのビデオスコープ + Ø2.0mm 用ブラシはさむ細胞診 Gram 染色 3.6mm の気管支鏡 + Ø1.2mm ブラシ切り落とす微生物学的検査 BAL- 注入と回収 BAL 液の処理 6

6% 5% 0-1% 0-1% 猫 20-200 /μl 65-80% 3% 4%

7 BAL の解析微生物学的検査 Gram 染色培養 ( 定量含 ) および感受性試験総細胞数細胞診マクロファージ好中球好酸球リンパ球好塩基球その他 : 腫瘍細胞赤血球 BAL 検体の評価検体の記述注入気管支 1 回注入量回数回収率例 ) RB2, 25ml 3, 回収率 65% 起炎菌の評価扁平上皮細胞 1% 以下定量培養 > CFU/ml Gram 染色油浸強拡大 50 視野に細胞内細菌 3 個以上この診断基準は感度 87% 特異度 97% であった -Peeters, McKiernan et al. J Vet Intern Med, 2000 総細胞数と分画の正常値総細胞数マクロファージリンパ球好中球好酸球好塩基球犬 /μl 89% 6% 5% 0-1% 0-1% 猫 /μl 65-80% 3% 4% 13-25% 0% 検査後管理直後に気管チューブ再設置 IPV にて排痰促進肺機能回復補助少なくとも検査後 24h は酸素室検査後 3 日間は抗生物質投与ポイント安全に短時間に確実に! 検査 < 気道確保リスク理解と術前評価目的をもって臨む解剖理解とトレーニング症例 7

8 症例 1: 喉頭虚脱症例 1: 喉頭虚脱チワワ未避妊メス 8 歳 3ヵ月齢 BW 164k 1.64 kg 主訴 : 喘鳴気管虚脱症状 :4 日前より鳴けなくなった Retchingあり喉頭部にて高音調のstridor 聴取動脈血ガス分析 ph 7.46 Pco2 35 (mm Hg) Po2 87 (mm Hg) [HCO3 - ] 24.6 (mmol/l) B.E. 1.7 (mmol/l) AaDo2 21 (mm Hg) 8

9 症例 2: 喉頭麻痺ミニチュアダックスフンドオス 1 歳 4ヵ月 BW 730k 7.30 kg 主訴 : 興奮時喘鳴症例 2: 喉頭麻痺動脈血ガス分析 ph 7.40 正常犬症例 Pco2 50 (mm Hg) Po2 58 (mm Hg) [HCO3 - ] 30.0 (mmol/l) B.E. 5.0 (mmol/l) AaDo2 34 (mm Hg) 9

10 症例 5: 喉頭内塊病変症例 5: 喉頭内塊病変雑種猫未去勢オス 14 歳 9ヵ月 BW 16k 1.6 kg 主訴 : 咳症状 : 努力性呼吸 10

11 症例 6: 左房拡大による左主気管支の圧迫チワワ未去勢オス 10 歳 9 ヵ月 BW 366k 3.66 kg 主訴 : 持続性乾咳既往歴 : 僧帽弁閉鎖不全症による左房拡大症例 6: 左房拡大による左主気管支圧迫動脈血ガス分析 ph 7.40 Pco2 40 (mm Hg) Po2 69 (mm Hg) [HCO3 - ] 24.3 (mmol/l) B.E. 0.1 (mmol/l) AaDo2 34 (mm Hg) 11

症例 7: 中枢気道内腫瘍症例 8: 中枢気道内腫瘍雑種猫避妊済雌 11 歳 11ヵ月 BW 30k

12 症例 7: 中枢気道内腫瘍症例 8: 中枢気道内腫瘍雑種猫避妊済雌 11 歳 11ヵ月 BW 30k 3.0 kg 主訴 : 喘鳴呼吸困難症状 : 2 週間前より呼吸困難が次第に悪化し 5 日前より食欲低下既往症 : 特になし第 1 病日 6.0mm Sagamigaoka Animal Clinic ファミリー動物病院和田先生より画像提供動脈血ガス分析第 1 病日 ph 7.33 Pco2 49 (mm Hg) Po2 91 (mm Hg) [HCO3 - ] 25.1 (mmol/l) B.E. -0.1(mmol/L) AaDo2 2 (mm Hg) Sagamigaoka Animal Clinic 12

第 2 病日 Sagamigaoka Animal Clinic 動脈血ガス分析 ph 7.

小胞巣状の増生巣を形成して浸潤角化巣の形成は不明瞭 Sagamigaoka Animal Clinic

13 第 2 病日 Sagamigaoka Animal Clinic 動脈血ガス分析 ph 7.43 Pco2 35 (mm Hg) Po2 91 (mm Hg) [HCO3 - ] 22.8 (mmol/l) B.E (mmol/l) AaDo2 17 (mm Hg) 低分化型の扁平上皮癌第 33 病日小胞巣状の増生巣を形成して浸潤角化巣の形成は不明瞭 Sagamigaoka Animal Clinic 症例 8: 扁平上皮癌の気道内転移シーズー去勢オス 12 歳 6ヵ月 BW 6.84 kg 主訴 : 持続性咳症状 : 乾咳くしゃみ既往症 : アレルギー性皮膚疾患甲状腺機能低下症毛包虫症乾性角結膜炎 13

14 動脈血ガス分析 ph 7.44 Pco2 37 (mm Hg) Po2 69 (mm Hg) [HCO3 - ] 24.7 (mmol/l) B.E. 1.4 (mmol/l) AaDo2 38 (mm Hg) 症例 9: 下気道感染症雑種猫未避妊メス 3 歳 1ヵ月 BW 2.60 kg 主訴 :2 日前より食欲元気なし症状 : 発熱 (39.5 ) 浅速呼吸(100/ 分 ) 肺音粗励白血球増加(19500/μl) 14

動脈血ガス分析 ph 7.419 Pco2 28.8 (mm Hg) Po2 61.

2 (mmol/l) AaDo2 50 (mm Hg) BAL 総細胞数 5040/μl ( 正常 :140-342) 分画

15 動脈血ガス分析 ph Pco (mm Hg) Po (mm Hg) [HCO3 - ] 18.2 (mmol/l) B.E (mmol/l) AaDo2 50 (mm Hg) BAL 総細胞数 5040/μl ( 正常 : ) 分画 Neu 97% 培養同定 :Pasteurella sp. 定量 :1~ CFU/ml 感受性 :ABPC, AMPC, CEZ, CEX, CFPM, MINO, OFLX, ENX, FOM 15

呼吸困難を呈し、　　　　　　　　　　　　臨床的に閉塞性細気管支炎と　　診断した犬の２例

呼吸困難を呈し、　　　　　　　　　　　　臨床的に閉塞性細気管支炎と　　診断した犬の２例呼吸困難を呈し臨床的に閉塞性細気管支炎と診断した犬の 2 例稲葉健一 1) 城下幸仁 1) 池田浩希 2) 1) 相模が丘動物病院呼吸器科 2) 永井動物病院末梢気道病変気管支内腔模式図気道の分泌物気管支壁の肥厚肺気腫症例 1 ポメラニアン雌 ( 避妊済 ) 3 歳齢主訴 : 呼吸困難異常呼吸音咳症例 1: 来院経緯および問診 1 カ月前から持続性痰産生性咳異常呼吸音あり様々な内科療法を行うも反応せず次第に悪化し呼吸困難になり