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1 愛知県稲 麦 大豆生産振興計画 2020 平成 28 年 3 月 愛知県

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3 目 次 Ⅰ はじめに 1 1 策定の趣旨 2 目標年度 Ⅱ 本県水田農業の姿 2 1 水稲 麦類 大豆の生産状況 2 (1) 主食用米 2 ア生産状況イ検査等級の推移ウ生産コストの推移エ品種の動向 (2) 新規需要米 4 ア生産状況イ多収品種の取組状況 (3) 麦類 5 ア生産状況イ検査等級の推移ウ生産コストの推移エ作付品種の動向オ品質向上 (4) 大豆 9 ア生産状況イ検査等級の推移ウ生産コストの推移エ品種の動向 2 経営所得安定対策等への加入状況 11 3 過剰作付の状況 12 Ⅲ 政策の展開方向 13 1 需要量に応じた生産の推進 2 需要に応え優位販売につなげるブランド化の推進 3 資材費の削減 経営の合理化 4 地域別展開方向 Ⅳ 目標と推進事項 15 1 水稲 麦類 大豆の目標設定 15

4 (1) 主食用米 (2) 新規需要米 (3) 麦類 (4) 大豆 (5) 経営所得安定対策等 2 推進事項 17 (1) 主食用米 17 ア適切な生産数量の確保イ品種ウ栽培技術エ共同利用施設整備などオブランド化の推進 消費拡大対策カ あいちのお米振興戦略( 仮称 ) の策定 (2) 新規需要米 18 ア品種構成及び種子生産イ栽培技術ウ共同利用施設整備などエ耕畜連携 (3) 麦類 19 ア品種構成イ栽培技術ウ共同利用施設整備などエ消費拡大対策 (4) 大豆 21 ア品種イ作付面積ウ栽培技術 (5) 経営所得安定対策等への加入促進 21

5 Ⅰ はじめに 1 策定の趣旨本県の稲 麦 大豆の生産は 昭和 44 年から約 50 年にわたって実施されてきた米の生産調整に関する施策に対応するとともに 恵まれた自然条件や立地条件 ほ場整備等のインフラ整備の充実 農地の利用集積による経営の大規模化などにより発展してきた しかしながら 水田農業を取り巻く状況は大きく変化してきており 国は平成 30 年産を目途に米の生産調整の根拠数値となる 生産数量目標 の配分に頼らずに生産者等が中心となり需要に応じた生産が行えるように取組を進めることとしている さらに 平成 27 年 10 月にTPPが大筋合意され 米 麦の国別枠の新たな設定や小麦のマークアップの削減が段階的に行われることになり 米価や麦価への影響が懸念されている 一方 米の需要量は毎年 8 万トンずつ減少する傾向にあり 米価も長期的に見れば低下していることから 国は 需要に応じた生産を推進するため 飼料用米などの戦略作物の生産拡大を推進することとしている ( 図 1) このような中で 食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりをめざして 県として あるいは県が市町村 生産者及び生産者団体並びに県民との連携を図りながら協力して取り組む基本的な方針である 食と緑の基本計画 の個別計画として 愛知県稲 麦 大豆生産振興計画( 以下 振興計画 という ) を策定し 本県の稲 麦 大豆の生産振興に関する目標と目標達成のための推進事項を具体的に示す 950 全国の需要量 ( 万 t) 図 1 全国の米需要量の推移 ( 年 ) 2 目標年度 食と緑の基本計画 2020 の目標年度と同じ平成 32 年度 (2020 年度 ) とする -1-

6 Ⅱ 本県水田農業の姿 1 水稲 麦類 大豆の生産状況 (1) 主食用米ア生産状況水稲の作付面積は 26 年産で 29,300ha うち主食用が 28,400ha となっている 水田面積の減少や米の生産調整により 水稲作付面積は漸減傾向であるものの 国が示す生産数量目標に対して過剰作付状態となっている 10a 当たり収量は 直近 5 年間では 497~519kg の間で変動し 全国に比較して低い 産出額は 全国的に米価が高騰した平成 24 年の 356 億円をピークに 250~326 億の間で変動している なお 全国に占める本県のシェアは約 1.7% である ( 表 1) なお 米価は長期的には低下傾向となっている 表 1 愛知県産水稲の生産状況の推移 愛知県 全国 項目 作付面積うち主食用 10aあたり収量収穫量 うち主食用平年収量産出額 作付面積うち主食用 10aあたり収量収穫量 うち主食用平年収量産出額 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 (ha) 31,000 30,300 30,100 30,300 29,300 (ha) 30,600 30,000 29,600 29,500 28,400 (kg) (t) 154, , , , ,700 (t) 152, , , , ,100 (kg/10a) ( 億円 ) ( 千 ha) 1,625 1,574 1,579 1,597 1,573 ( 千 ha) 1,580 1,526 1,524 1,522 1,474 (kg) ( 千 t) 8,478 8,397 8,519 8,603 8,435 ( 千 t) 8,239 8,133 8,210 8,182 7,882 (kg/10a) ( 億円 ) 15,722 18,536 20,351 17,864 14,370 出典 : 作物統計 生産農業所得統計 イ検査等級の推移県産米の一等米比率は 全国に比較していずれの年も低い 特に 著しい高温年だった 22 年産では 一等米比率が全国平均に比較して約 50 ポイント低くなっている ( 表 2) -2-

7 表 2 愛知県産米の検査等級の推移 項目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 (H27.10 末 ) 総数量 (t) 58,068 59,261 62,497 68,859 68,989 愛 一等 13.0% 69.2% 69.7% 56.0% 59.9% 知 二等 75.9% 29.1% 28.4% 37.7% 33.3% 県 三等 10.1% 1.6% 1.7% 6.0% 6.7% 規格外 0.1% 0.2% 0.2% 0.3% 0.2% 総数量 (t) 4,859,642 4,753,195 5,041,489 5,205,717 5,274,634 全 一等 62.0% 80.8% 78.4% 79.0% 81.4% 二等 32.3% 16.0% 18.1% 17.4% 15.3% 国 三等 3.1% 1.3% 1.6% 1.8% 1.3% 規格外 2.5% 2.0% 1.9% 1.8% 2.0% 出典 : 農産物検査結果 ウ生産コストの推移 22 年産以降 本県の農業経営統計による資本利子 地代全額算入生産額 ( 以下 全算入生産費 という ) は漸減する傾向で 25 年産は 22 年産対比で約 15% 減の 10a 当たり 133,933 円となっている なお 全国 15ha 以上の階層と比較すると 約 40% 高く推移している ( 表 3) 表 3 水稲生産費の推移 ( 愛知県全階層 全国 15ha 以上 ) (10a 当たり ) 区 分 単位 愛知県全国 (15ha 以上 ) 22 年 23 年 24 年 25 年 22 年 23 年 24 年 25 年 物 財 費 円 98,380 97,254 95,072 82,580 54,910 55,793 63,454 62,789 種 苗 費 円 3,900 3,793 5,856 4,765 1,884 1,825 1,830 2,092 肥料費 農業薬剤費 円 15,280 14,694 16,373 15,625 12,786 12,684 16,012 15,496 光 熱 動 力 費 円 3,068 3,289 3,765 4,170 3,523 3,819 4,405 4,775 賃 借 料 料 金 円 18,853 19,462 21,927 14,897 5,779 6,731 5,711 5,644 建 物 費 円 10,780 11,012 4,493 3,644 3,388 3,438 4,150 3,513 自動車 農機具費 円 38,080 35,131 32,862 30,005 19,233 18,785 22,832 23,594 その他 の物 財費 円 8,419 9,873 9,796 9,474 8,317 8,511 8,514 7,675 労 働 費 円 36,919 38,356 38,033 37,642 20,774 20,930 22,923 21,531 費 用 計 円 135, , , ,222 75,684 76,723 86,377 84,320 その他 ( 支払地代等 ) 円 22,738 21,417 16,209 13,711 20,906 20,153 17,018 17,581 全 算 入 生 産 費 投 下 労 働 時 間 60kg 当たり全算入生産費 円 158, , , ,933 96,590 96, , ,901 時間 円 19,412 18,807 17,994 16,040 11,531 11,080 11,444 11,424 出典 : 農業経営統計 エ品種の動向主な作付品種は あいちのかおり SBL ( 以下 あいちのかおり という ) コシヒカリ ミネアサヒ などである 熟期ごとの作付割合は 極早生品種である コシヒカリ が約 25% 中生品種である あいちのかおり が約 40% 早生品種( ゆめまつり あさひの夢 な -3-

8 ど ) が約 5% で推移している ( 表 4) なお 26 年産の種子更新率は 93.4% となっている 表 4 水稲年産別品種別作付比率の推移 品種名 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 あいちのかおり 41% 41% 43% 45% 41% コシヒカリ 24% 26% 25% 26% 25% あさひの夢 7% 5% 4% 2% 2% ゆめまつり 1% 3% 3% 3% ミネアサヒ 6% 5% 5% 5% 6% その他 22% 22% 20% 19% 23% 出典 : 農林統計及び愛知共済連引受面積から推定 課題 需要に応じた適正数量を生産するとともに 一等米比率の向上など 品質向上が必要である 収穫 乾燥調製作業の集中が品質低下を招くことから 現在の極早生及び中生熟期に偏った品種構成を変えることが必要である 物財費及び労働費の低減 単収の向上などにより生産コストを低減させ 農業所得の確保を図る必要がある 産地イメージ向上につながる新品種の育成を行う必要がある (2) 新規需要米ア生産状況新規需要米 ( 飼料用米 米粉用米 WCS 用稲 ) の取組は 26 年産から拡大しており 27 年産の作付面積は 2,015ha( 米粉用米 57ha 飼料用米 1,752ha WCS 用 206ha) となっている 特に飼料用米については 前年産からの新規需要米の増加分 771ha のうち 716ha を占めている これは 水田活用直接支払交付金において飼料用米に数量払いが導入されたことと 26 年産の米価が大幅に下落したため主食用米からの転換が進んだためと考えられる 飼料用米以外は 米粉用米の作付面積が 50ha 前後でほぼ横ばい WC S 用稲の作付面積が 22 年産の 79ha から 27 年産は 206ha と年々増加している ( 表 5) -4-

9 表 5 新規需要米年産別品種別作付比率の推移 (ha) 項目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 27 年産 飼料用米 ,036 1,752 米粉用米 WCS 用稲 合計 , ,244 2,015 出典 : 農林水産省公表資料及び作物統計から推計 イ多収品種の取組状況 26 年度から多収品種の導入について検討を進め 第 1 候補として愛知県農業総合試験場が開発した 愛知 125 号 を選定し 27 年 3 月に品種登録出願するとともに 県の特認品種として国から承認を受けている 課題 愛知県の気候に適した 多収で各種病害抵抗性をもつ専用品種の選定と種子供給体制を整備する必要がある コンタミ ( 異品種混入 ) が心配されることから ほ場での対応策や共同乾燥調製施設での受け入れ体制を整備する必要がある (3) 麦類ア生産状況本県の小麦作付面積は 平成 25 年産までは 5,200ha 前後で推移していたが 26 年産以降は微増している 10a 当たり収量は 県育成品種 きぬあかり の本格栽培が始まった 24 年産から増加し 年産では 400kg/10a を超えた これに伴い収穫量も増加傾向で 25 年産から 2 万 tを超えている 六条大麦は 特定業者との契約により 尾張地域の一部で限定的に作付けされており 作付面積は 75ha から 80ha の間で増減している さやかぜ や カシマゴール の導入により 10a 当たり収量は増加傾向で 26 年産では 446kg/10a と 22 年産の 2 倍以上となっており 全国の 272kg/10a に比べても高い水準となっている なお 本県の麦類の産出額は 26 年産で8 億円となっており ほとんどが小麦である ( 表 6) -5-

10 表 6 愛知県産麦の生産状況の推移 小麦 六条大麦 項 目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 27 年産 作付面積 (ha) 5,180 5,270 5,240 5,270 5,420 5,580 愛 10a 当たり収量 (ka) 知県収穫量 (t) 12,400 18,000 19,700 22,000 23,200 21,000 産出額 ( 億円 ) 作付面積 (ha) 206, , , , , ,100 全 10a 当たり収量 (kg) 国 収穫量 (t) 571, , , , , ,200 産出額 ( 億円 ) 作付面積 (ha) 愛 10a 当たり収量 (ka) 知県収穫量 (t) 産出額 ( 億円 ) 作付面積 (ha) 17,400 17,400 17,100 16,900 17,300 18,200 全 10a 当たり収量 (kg) 国 収穫量 (t) 44,800 38,700 47,800 51,500 47,000 52,700 産出額 ( 億円 ) 出典 : 作物統計 (27 年産は平成 27 年 11 月 17 日公表速報値 ) イ検査等級の推移本県産小麦の一等比率は 23 年産で 51.6% とやや低かったものの それ以外の年は 70% 以上と高い状況となっている 特に 24 年産以降は 80% を超えた数値で推移している ( 表 7) 表 7 愛知県産及び全国の小麦検査等級の推移 愛知県 全国 項目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 27 年産 総数量 (t) 12,271 17,716 19,100 21,461 22,687 20,390 一等 74.3% 51.6% 93.0% 84.2% 87.4% 86.9% 二等 17.4% 36.3% 2.0% 11.8% 7.6% 4.2% 規格外 8.3% 12.0% 5.0% 4.0% 5.0% 8.9% 総数量 (t) 685, , , , ,886 1,051,640 一等 55.4% 69.4% 88.1% 95.2% 84.4% 88.3% 二等 24.3% 13.2% 4.3% 15.1% 8.2% 4.8% 規格外 20.3% 17.5% 7.6% 12.0% 7.4% 6.8% 出典 : 農産物検査結果 (27 年産は平成 27 年 12 月 31 日現在速報値 ) 品種ごとの外観品質については 農林 61 号 は 23 年産を除き イワイノダイチ は 24 年産以降 きぬあかり は 23 年産以降 ほぼ 70% 以上の一等比率となっている -6-

11 成分品質については イワイノダイチ と きぬあかり は 24 年産以降 Aランク比率が 80% 100% と高くなっている 一方 農林 61 号 は 22 年産以降 50% 以下で推移している ( 表 8) 表 8 愛知県産の品種別小麦検査等級及びAランク比率の推移 品種名項目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 農林 61 号 イワイノダイチ きぬあかり 一等比率 86.9% 44.4% 91.4% 83.3% 77.8% Aランク比率 0% 0% 20% 50% 20% 一等比率 62.7% 58.6% 94.6% 89.0% 87.7% Aランク比率 100% 20% 80% 100% 100% 一等比率 % 90.7% 73.9% 93.8% Aランク比率 - 25% 80% 100% 100% 出典 : 農産物検査結果及び JA あいち経済連資料 ウ生産コストの推移本県の農業経営統計の全算入生産費は増加傾向にあり 25 年産では 10 a 当たり 60,607 円で 全国の 10ha 以上の階層の 58,057 円 /10a をやや上回っている しかし 10a 当たり収量が高いため 60kg 当たり全算入生産費は全国と同等かやや低くなっている ( 表 9) 表 9 小麦生産費の推移 ( 愛知県全階層 全国小麦作付 10ha 以上 ) (10a 当たり ) 区 分 単位 愛知県全国 (10ha 以上 ) 22 年 23 年 24 年 25 年 22 年 23 年 24 年 25 年 物 財 費 円 38,107 40,639 43,170 46,010 43,036 44,458 45,912 45,559 種 苗 費 円 3,273 3,141 3,210 3,452 2,619 2,448 2,511 2,628 肥料費 農業薬剤費 円 9,904 10,463 11,013 12,233 13,975 13,414 13,507 13,840 光 熱 動 力 費 円 1,649 1,855 1,940 1,985 1,627 1,801 1,884 2,007 賃 借 料 料 金 円 5,704 6,735 9,663 11,872 12,571 14,417 15,607 14,908 建 物 費 円 1,484 1,248 1,166 1,145 1,040 1, 自動車 農機具費 円 14,835 15,786 14,768 14,103 8,939 8,840 9,178 8,746 その他の物財費 円 1,258 1,411 1,410 1,220 2,265 2,396 2,317 2,533 労 働 費 円 8,365 8,911 7,922 8,421 4,679 4,777 5,117 4,930 費 用 計 円 46,472 49,550 51,092 54,431 47,715 49,235 51,029 50,489 その他 ( 支払地代等 ) 円 5,472 7,686 6,618 6,176 11,149 7,455 8,351 7,568 全 算 入 生 産 費 円 51,944 57,236 57,710 60,607 55,862 56,690 59,380 58,057 投下労働時間 60kg 当たり全算入生産費 時間 円 10,424 9,210 8,360 7,727 10,884 8,279 7,204 7,973 出典 : 農業経営統計調査 エ作付品種の動向小麦の品種構成は 平成 22 年産では 農林 61 号 が作付面積の約 6 割 イワイノダイチ が約 4 割であったが 平成 27 年産では きぬあ -7-

12 かり が約 7 割を占めるまでに拡大している また パン 中華めん用小麦 ゆめあかり は 28 年産から採種を始め 29 年産から本格栽培を開始する ( 表 10) 六条大麦は 収量性の高い さやかぜ を 18 年産から導入するともに 27 年産から基幹品種であった カシマムギ を中折れの少ない カシマゴール に切り替えている なお 小麦の種子更新率は 平成 17 年産から 100% となっている 表 10 小麦の品種別作付面積の推移 品種名 作付面積 (ha) 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 作付面積 (ha) 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 作付面積 (ha) 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 農林 61 号 3, ,348 2, ,354 2, ,159 イワイノダイチ 2, ,562 2, ,825 2, ,114 きぬあかり ゆめあかり 計 5, ,400 5, ,000 5, ,700 品種 作付面積 (ha) 22 年産 23 年産 25 年産 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 作付面積 (ha) 26 年産 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 作付面積 (ha) 24 年産 27 年産 単収 (kg/10a) 収穫量 (t) 農林 61 号 2, ,546 2, ,269 1, ,420 イワイノダイチ 1, ,796 1, , ,683 きぬあかり ,218 1, ,450 3, ,319 ゆめあかり 計 5, ,000 5, ,200 5, ,000 出典 : 作物統計及び JA あいち経済連資料 オ品質向上小麦は 実需者から品質を安定させることが求められおり 年産と地域 ( 産地 ) によるバラツキを減らすことが重要である そこで 26 年に愛知県品質目標検討会を設置し きぬあかり の品質目標を定めた ( 表 11) その目標を達成するために 愛知県 きぬあかり 技術検討会議を設置し 地域ごとの技術的課題の検討と技術情報の提供を行っている 表 11 愛知県 きぬあかり 品質目標 ( 平成 26 年時点 ) タンパク質含量 灰分 容積重 フォーリンク ナンハ ー 9.0~9.5% 1.50% 以下 840g/ 以上 300 以上 -8-

13 課題 水田農業経営の安定を図るため 麦を本作とした作付け体系を確立し 小麦 大麦の作付け拡大を図ることが必要である 自給率の低いパン 中華めん用小麦である ゆめあかり の普及拡大が必要である タンパク質含量など実需者が求める品質の確保と安定化が必要である トピックス : きぬあかり 消費拡大対策 きぬあかり を本県のブランドとして普及し 消費者や実需者に積極的に魅力を発信することを目的に 行政 製粉 製麺関係団体 生産者関係団体などを構成員とする 小麦 きぬあかり 普及推進プロジェクトチーム を平成 25 年 7 月に設置した その中で シンボルマークの作成 (26 年 5 月に商標登録 ) ホームページ及びフェイスブックでの情報提供 (25 年 11 月開始 ) などを行っている また 28 年 2 月には 農林水産物の PR 強化月間の一環として 公共交通機関や地下鉄主要駅での広告掲示と レシピコンテストを開催し 新たな需要の掘り起こしに取り組んだ (4) 大豆ア生産状況大豆の作付面積は 直近 5 年間では 4,200ha~4,300ha で推移している 10a 当たり収量は 年産間の変動が大きく 全国に比較して低くなっている 収穫量は 10a 当たり収量を反映して 4,450t~7,180t と大きな幅がある ( 表 12) 産出額は 全国的な大豆の取引価格上昇を受け 24 年産から上昇している 表 12 愛知県産大豆の生産状況の推移 愛知県 作付面積 項目 作付面積 10a 当たり収量収穫量産出額 全 10a 当たり収量国収穫量産出額 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 (ha) 4,220 4,280 4,260 4,310 4,250 (kg) (t) 6,790 4,450 6,430 5,900 7,180 ( 億円 ) (ha) 137, , , , ,600 (kg) (t) 222, , , , ,700 ( 億円 ) 出典 : 作物統計 生産農業所得統計 -9-

14 イ検査等級の推移本県の一等比率は 全国とほぼ同等に推移している ( 表 13) 表 13 大豆の検査等級の推移 項目 22 年産 23 年産 24 年産 25 年産 26 年産 1 等 44.8% 30.3% 36.1% 25.6% 30.5% 愛 2 等 32.0% 36.9% 35.8% 37.8% 38.6% 知県 3 等 23.1% 32.6% 27.8% 36.3% 30.7% 規格外 0.2% 0.2% 0.2% 0.3% 0.2% 1 等 30.2% 33.2% 31.8% 30.4% 34.7% 全 2 等 28.2% 36.5% 29.8% 32.2% 32.9% 国 3 等 40.4% 29.4% 37.3% 36.3% 31.8% 規格外 1.3% 0.9% 1.1% 1.2% 0.6% 出典 : 大豆の検査結果 ウ生産コストの推移農業経営統計による都府県の全算入生産費は 10a 当たり約 55,000 円となっている ( 表 14) 表 14 大豆生産費の推移 ( 都府県大豆作付 5ha 以上 ) (10a 当たり ) 区 分 単位 都府県 22 年 23 年 24 年 25 年 物 財 費 円 32,265 31,876 33,495 32,767 種 苗 費 円 2,355 2,158 2,300 2,422 肥料費 農業薬剤 円 7,040 6,826 7,183 7,978 光 熱 動 力 費 円 1,382 1,446 1,545 1,615 賃借料 料金 円 9,195 8,980 9,432 7,945 建 物 費 円 1,119 1,128 1,144 1,062 自動車 農機具費 円 8,807 8,964 9,257 9,254 その他の物財費 円 2,367 2,374 2,634 2,491 労 働 費 円 10,732 10,707 11,094 10,770 費 用 計 円 42,997 42,583 44,589 43,537 その他 ( 支払地代等 ) 円 13,001 12,997 13,132 13,015 全 算 入 生 産 費 円 55,998 55,580 57,721 56,552 投 下 労 働 時 間 時間 kg 当たり全算入生産費 円 22,614 23,025 21,018 23,952 出典 : 農業経営統計 エ品種の動向本県の作付品種は ほとんどが フクユタカ である フクユタカ は 収穫時期が 10 月以降で 本県の水田における主な輪作体系 ( 稲 - 麦 - 大豆の2 年 3 作体系 ) の中で他の作業との競合が起こりにくいこと 子実タンパク質含量が高く豆腐加工適性が高いことなどから 生産者 実需者とも評価が高い -10-

15 26 年産の種子更新率は 48.4% となっている 課題 国産大豆へのニーズが高いことから 生産拡大が必要である 年産ごとの 10a 当たり収量が大きく変動することから 安定生産技術の導入が必要である 難防除雑草や病害虫へ的確に対応するための情報収集と技術確立が必要である 2 経営所得安定対策等への加入状況麦と大豆に関する経営所得安定対策等への加入面積は横ばいであり 加入面積のカバー率 ( 以下 カバー率 という ) は 95% 以上と全国に比較すると高く推移している 米粉用米 飼料用米及びWCS 用稲の加入面積は生産拡大により増加傾向となっており いずれのカバー率とも 100% となっている ( 表 15) 表 15 経営所得安定対策等への加入状況 (ha) 項目 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 加入面積 5,130 5,228 5,114 5,151 5,227 5,523 作付面積 5,250 5,340 5,320 5,350 5,510 5,660 麦愛知 97.7% 97.9% 96.1% 96.3% 94.9% 97.6% カバー率全国 80.0% 79.3% 78.9% 78.2% 78.2% 60.7% 加入面積 3,983 4,136 3,987 4,015 3,872 4,138 作付面積 4,220 4,280 4,260 4,310 4,250 4,280 大豆愛知 94.4% 96.6% 93.6% 93.2% 91.1% 96.7% カバー率全国 83.9% 82.3% 81.6% 80.9% 81.1% 80.0% 飼料作物 ( 除 WCS 用稲 ) ,752 米粉用米 飼料用米 ,038 1,752 WCS 用稲 加工用米 出典 : 農林水産省公表資料 作物統計 注.22 年度 : 戸別所得補償モデル対策 ( 水田利活用自給力向上事業 ) の加入面積 年度 : 農業者戸別所得補償制度 ( 水田活用の所得補償交付金 ) の加入面積 25 年度 : 経営所得安定対策 ( 水田活用の直接支払交付金 ) の加入面積 26 年度 : 経営所得安定対策等 ( 水田活用の直接支払交付金 ) の加入面積 27 年度 : 経営所得安定対策等 ( 水田活用の直接支払交付金 ) の加入申請面積 -11-

16 課題 生産者の生産調整への取組を促すために 経営所得安定対策等への加入を推進する必要がある 3 過剰作付の状況国から配分される生産目標数量の面積換算値に対する本県の過剰作付 ( 以下 過剰作付 という ) は 26 年度までは 1,000ha 程度であったが 飼料用米などの作付面積が増加した 27 年度は 124ha まで減少した ( 表 16) 県内の各産地間で比較すると 尾張 ( 名古屋市除く ) 海部 知多 東三河で過剰作付が多くなっている なお 西三河 豊田加茂 新城設楽の各農林水産事務所管内は 27 年度から国が公表している自主的取組参考値を下回る作付面積となっている 表 16 作付過剰面積の推移 項目生産目標数量 ( 面積換算値 ) 過剰作付面積 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28,458 28,110 27,850 27,640 26,890 26,620 1, ,016 1, (ha) 出典 : 米をめぐる関係資料 各地域再生協の実績 課題 生産者に対し 生産調整への参加を促す啓発を行う必要がある 麦類や大豆の作付が困難な地域に対しては 新規需要米の取組を推進する必要がある -12-

17 Ⅲ 施策の展開方向 振興計画の上位計画である 食と緑の基本計画 2020 では 本県の強みや特長を活かす12のテーマを設定 その実現に必要な各種の取組をパッケージ化し 重点プロジェクト として効果的に施策の展開を図ることとしている 水田農業で設定された あいちの水田農業強化プロジェクト では 振興計画に関わる以下の内容について重点的に取り組む ( 図 2) 1 需要量に応じた生産の推進 主食用米について 米需給に関する情報や生産調整に係る制度を活用することで 需要量に応じた適正な作付への誘導を図る 主食用米と同等の所得を得ることができる作物として 新規需要米 麦 大豆への作付転換を推進する 3 資材費の削減 経営の合理化 経営の合理化を図るため 関係団体と連携し 担い手経営での資材費の削減及びICTを活用した技術開発と管理システムの導入支援等を推進する 4 地域別展開方向 平坦地全般について 稲では良食味などの特色を持つ有利販売が可能な品種の導入を推進する また 利水などの生産基盤条件が整った地域を中心に 麦類や大豆への作付転換を推進する 尾張地域や東三河地域などの 生産基盤や利水条件など田畑輪換による作付転換が難しい産地では 新規需要米を中心とした作付体系を推進する 三河山間地域において 気象条件から田畑輪換による作付転換が困 2 需要に応え優位販売につなげるブランド化の推進 消費者や実需者のニーズに応える新しい良食味米の生産を拡大し 併せて あいち県産米のブランド化を推進する 小麦品種 きぬあかり について 実需の要望に対応した高品質 安定生産を推進するとともに 知名度の向上を図る 収量性や需要が高い 稲 麦 大豆新品種の開発 導入を推進する -13-

18 難な産地では 気象条件に合った良食味米の導入や新規需要米など有利販売が可能な品目への転換を推進する 図 2 あいちの水田農業強化プロジェクトのイメージ図 -14-

19 Ⅳ 目標と推進事項 1 水稲 麦類 大豆の目標設定 (1) 主食用米全国の需要量の推移から 32 年産の主食用米需要量は 729 万 t と推定される ( 図 1) これに 直近 5 年間 (23 年 ~27 年 ) の本県の生産数量目標におけるシェア ( ) を乗じた概数 130,000t を生産量の目標とする ( 表 17) また これを県平均単収(507kg/10a) で除した概数 25,700ha を主食用栽培面積の目標とする 検査等級での一等米比率は 全国平均程度の 80% 種子更新率は 94% を目標とする ( 表 17) また 乾燥調製施設への集荷の平準化を図るため 早生品種の作付割合を 20% とする (2) 新規需要米飼料用米及び米粉用米については 主食用米作付面積の減少分を補完する主要作物に位置づけ 32 年産作付面積をそれぞれ 3,000ha 及び 60ha を目標とする ( 表 17) また 10a 当たり収量は 水田活用の直接支払交付金における数量払いの最大交付額が得られるよう 657kg を目標とする WCS 用稲については 国産粗飼料の供給増を図るため 32 年産作付面積 250ha を目標とする 10a 当たり収量については 収穫時の水分含有率により大きく変動するため目標は定めない 飼料用米 米粉用米 WCS 用稲の品質に関する目標については 当面は定めないこととする 表 17 水稲に関する目標 主食用米 項目 単位 26 年産 32 年産 ( 現状 ) ( 目標 ) 作付面積 ha 28,400 25,700 収穫量 t 143, ,000 10a 当たり収量 kg 一等米比率 % 種子更新率 % 飼料用米作付面積米粉用米作付面積 WCS 用稲作付面積 ha 1,036 3,000 ha ha

20 (3) 麦類麦類は 水稲と作業が競合しないことに加え 同じ作業機械が利用でき 経営上のメリットが大きいことから 水田農業の基幹品目として積極的に普及していく なお 現在の主要産地では作付拡大できる余地が少ないため 新たな産地で作付拡大を推進する 小麦は 収量性の高い きぬあかり ゆめあかり の 2 品種に集約し 10a 当たり収量は 474kg/10a 収穫量は 27,000tを目標とする ( 表 18) 六条大麦は 実需からの要望が高いことから 作付面積目標は 80ha とする また 収量性の高い さやかぜ と カシマゴール を基幹品種とし 10a 当たり収量 362kg 収穫量 290tを目標とする ( 表 18) 小麦の品質は 品質が良好な きぬあかり を中心とした品種構成とすることから 一等比率を 90% とする また 品質評価区分のAランク比率は 90% を目標とする なお きぬあかり の品質目標は生産者と実需者との協議により 必要に応じて見直す また ゆめあかり については 現地での生産状況を確認した上で 品質目標を設定することとする 品種特性を保つため 種子更新率の目標は両品種とも 100% とする 表 18 麦類に関する目標 項目 単位 27 年産 32 年産 ( 現状 ) ( 目標 ) 作付面積 ha 5,580 5,700 きぬあかり ha 3,647 4,700 ゆめあかり ha 3 1,000 小麦 六条大麦 10a 当たり収量収穫量一等比率 注.A ランク区分の現状は 26 年産の値 kg t 21,000 27,000 % % Aランク比率 作付面積 ha さやかぜ ha カシマゴール ha a 当たり収量収穫量 kg t (4) 大豆国は 27 年 3 月に公表した 食料 農業 農村基本計画 において 37 年産での大豆生産目標を 32 万 t としており 基準年 (25 年産 ) の 20 万 tから大幅に増加させることとしている 現状の作付面積は ほぼ横ばいであ -16-

21 り 大幅な作付増加は見込めないことから 目標面積は現状計画と同じ 4,500ha とするが 10a 当たり収量を向上させることにより 8,100tの収穫量を目指す ( 表 19) 品質は 現行の上位等級率 ( 一等 2 等を合わせ 65% 以上 ) を安定的に維持する 種子更新率は 他の土地利用作物に比較して増殖が困難であることから 現状計画どおりの 50% とする 表 19 大豆に関する目標 単位 26 年産 32 年産 ( 現状 ) ( 目標 ) 作付面積 ha 4,250 4,500 収穫量 t 7,180 8,100 (5) 経営所得安定対策等国は 30 年産を目途に生産数量目標の配分を廃止し 米の需給情報を提供するとともに 飼料用米などの作付に対するインセンティブは維持することとしている 一方で 米価安定のためには 上記した 32 年産の主食用米栽培面積が 25,700ha である必要であり 転作作物全てについて経営所得安定対策等への加入を目指す 2 推進事項 (1) 主食用米ア適切な生産数量の確保国から提供される米需給に関する情報や生産調整に係る制度を周知徹底することで 生産者が需要に応じた適正な栽培面積を作付けるように誘導する イ品種登熟期間の高温条件により外観品質の低下が著しい極早生熟期について 高温耐性品種の導入により 外観品質の向上を図る 早生熟期では 品種の統合を図るとともに 近年需要の高い中外食に向く多収量高品質の新品種育成と導入を推進する また 山間地域では 他作目への転換が難しいことから 良食味など高付加価値化が期待できる品種を推進する -17-

22 ウ栽培技術生産費低減を目指すため 作業時間削減が可能な不耕起 V 溝直播 ( 以下 V 直 ) などの直播や全量基肥栽培技術 経営の 見える化 が可能な営農支援情報システムなどのICTの導入を推進する エ共同利用施設整備など共同乾燥調製貯蔵施設の老朽化に伴い 維持管理費用の負担増が問題視される施設が増加しているため 既存施設の補修 更新などを含めた再編整備を計画的に進める オブランド化の推進 消費拡大対策県産米のイメージアップを図るため 高温耐性を持ち良食味品種である 愛知 123 号 などについて 一般財団法人穀物検定協会の特 A 取得を図るなど ブランド化に向けた取組を推進する 特に 山間地では産地が小さいことから有利販売を行うためブランド化を積極的に行う なお ブランド化にあたってはPRを含め戦略をもって推進する また 本県は 米の生産量に比較して需要量が多いため 関係機関と連携し 県内の消費者を対象としたPRなどにより本県産米の知名度向上と消費拡大を図る カ あいちのお米振興戦略( 仮称 ) の策定平成 30 年産に予定される国の米政策転換を受け 本県産米の振興を関係者が一体となって行うため あいちのお米振興戦略 ( 仮称 ) を策定する (2) 新規需要米ア品種構成及び種子生産飼料用米の専用品種については 知事特認品種である 愛知 125 号 を 29 年産から一般栽培するための種子供給体制の整備を行う 併せて 共同乾燥施設への受け入れが可能となるように 関係機関や団体と連携し条件整備を行う なお 現状では種子供給や共同乾燥調製施設の受け入れ体制整備までの暫定措置として主食用米品種による生産を行っているが 国の生産調整制度の状況をみながら 専用品種への転換を促す -18-

23 イ栽培技術 V 直など直播栽培により生産コスト低減に努める 特に倒伏しにくく ほ場の地耐力が強いV 直はWCS 用稲の多肥栽培にも適応することから 積極的に導入する 病害虫防除は 周辺作物の作付状況に留意し 特にカメムシ類などの防除を適正に実施する また 収穫後の乾燥調製コストを削減するため 立毛乾燥を推進する なお 愛知 125 号 については 29 年産からの本格栽培に対応するため現地試験を継続し ほ場作業でのコンタミ対策を含めた栽培技術を確立するとともに栽培マニュアルを整備する ウ共同利用施設整備など飼料用米 米粉用米は 主食用米と区別して保管 出荷する必要があるため 既存乾燥調製施設の補修 更新などを含めた再編整備の中での受け入れを推進する WCS 用稲では 収穫 調製時に専用の機械が必要であり 国の補助事業の活用するなどにより導入を支援する エ耕畜連携飼料用米 WCS 用稲については 国 県 市町村や生産者団体が一体となって耕種農家と畜種農家との連携を図る (3) 麦類ア品種構成小麦の品種は 農林 61 号 は 29 年産 イワイノダイチ は 30 年産をもって作付を終了し きぬあかり と ゆめあかり に置き換える ( 表 20) きぬあかり の作付面積は 28 年産で 4,500ha に拡大し 生産現場の作付に対する意欲も高いが 品質の安定を図るためには作業分散による乾燥調製作業の平準化が必要なことから 32 年産以降の作付面積は 4,700ha に留める パン 中華麺用品種 ゆめあかり は 28 年度に県の奨励品種として採用するとともに 29 年産から生産現場での推進を図ることで 32 年産の作付面積を 1,000ha とする 六条大麦については 実需者と生産者の協議により カシマゴール と さやかぜ の作付比率を7:3とする計画であり これに即した作 -19-

24 付けを推進する 表 20 小麦の作付計画 品種名 28 年産 29 年産 30 年産 31 年産 32 年産 きぬあかり 4,500ha 4,800ha 5,000ha 5,200ha 4,700ha 農林 61 号 520ha 270ha イワイノダイチ 380ha 380ha 380ha - - ゆめあかり 15ha 50ha 120ha 300ha 1,000ha 合計 5,415ha 5,500ha 5,500ha 5,500ha 5,700ha イ栽培技術小麦については 実需者から品質の安定が強く求められている このため きぬあかり については 県としての品質目標値を安定して達成できるよう 技術検討会議などで 地域による技術レベルの平準化や 気象の年次変動に対応した栽培技術について検討し 翌年以降の栽培暦に反映させる ゆめあかり は 29 年産からの本格的な作付に合わせ 栽培技術の開発や現地での展示ほの設置に取り組む また 県としての品質目標を設定するとともに 開発された技術を現地に普及し 収量 品質の安定を図る ウ共同利用施設整備など共同乾燥調製貯蔵施設について 麦や新規需要米の生産拡大の計画に合わせ 既存施設の補修 更新などを含めた再編整備を推進する エ消費拡大対策 きぬあかり のブランド力を強化するため ホームページでの情報発信 イベントでのPR シンボルマークの使用推進や使用商品のPR などを引き続き実施する さらに 日本麺用以外での活用についても 積極的に情報発信する ゆめあかり については 製粉 製麺事業者の認知度が低いことから 当面は実需者を中心にしたPRを実施する 既存の きぬあかり 普及推進プロジェクトチームを母体とし 製パン事業者や製菓子事業者などを新たに加え 愛知の小麦普及推進プロジェクトチーム ( 仮称 ) -20-

25 として きぬあかり ゆめあかり の消費拡大に取り組む (4) 大豆ア品種現状の フクユタカ は 収穫時の損失が 10a 当たり 30~60kg に達することから フクユタカ に難裂莢性遺伝子を組み込んだ フクユタカA1 などの導入により 単収の向上を図る 種子更新率は 大豆の 10a 当たり収量が 200kg 以下と低く他家受粉が発生しやすいなど他の土地利用作物に比較して増殖が困難であることから 現状計画どおりの 50% とする イ作付面積近年 麦類の作付面積に比較し 大豆の作付面積は少ない 大豆は麦類の後作での栽培が多く 作付拡大の余地があることから 経営所得安定対策等による助成制度の周知徹底を図ることにより 作付面積の拡大を促す ウ栽培技術生産者が施行可能な排水処理作業の改善など 安定生産のための技術開発を行うとともに 生産現場への速やかな普及を行う また 早播での摘心技術や遅播きにおける狭畦密植栽培など 播種期に合わせた安定生産技術の普及を図る 新規の病害虫や雑草の発生については 積極的に情報収集を行うとともに 防除法の開発 普及を行い 生産の安定化を図る (5) 経営所得安定対策等への加入促進担い手農家の経営安定を図るため 各農林水産事務所に設置している経営所得安定対策チームや各地域農業再生協議会と協力して 各種会議や説明会の開催 現地指導などを通じ 経営所得安定対策等の周知並びに加入を推進する -21-