【通商:配信情報】  9月配信 テーマ(案)/

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1 1. 世界経済 内閣府資料より 世界の経済成長率は 2010 年をピークに低下傾向 中国経済の世界経済成長への寄与は 3 割近くに拡大しており 中国経済の動向が各国経済に影響 中国では 4 兆元の景気対策後の調整が続いて 景気は緩やかに減速 消費は増加しているものの 過剰設備や過剰生産の調整が景気を下押し 英国やドイツでは 移民の増加が経済成長にも寄与 アメリカ ドイツなどでは近年所得格差が拡大傾向 移民の増加を含むグローバル化や技術革新の進展が影響している可能性 成長の成果の国民への還元が必要

2 中国では過剰債務の調整が進んでおらず 金融面のリスクが拡大 急増している理財商品は実態が不透明 世界の原油市場は供給過剰状態が続いている 原油価格の下落は欧米のエネルギー関連企業の収益悪化や投資の削減 国際金融資本市場におけるリスクオフの動きにつながることから引き続き注意が必要 英国では国民投票で EU 離脱を選択したものの 今後の道筋は不透明 不確実性の高まりにより 英国経済は回復が緩やかになることが見込まれる 内需の減速に加え 海外からの投資の減少による不動産価格の下落が懸念される 一部の EU 諸国における金融機関の脆弱性が顕在化する可能性もある

3 先進国では年間労働時間と女性労働参加率の間に概ね負の関係 働き方の多様化を進めたオランダでは女性の労働参加が進んだ ヨーロッパでは高スキルと低スキルの労働者の雇用が増加する一方 中間のスキルの雇用は減少傾向 背景には IT 化などの技術革新があり 結果として雇用の二極化が進展 教育や労働訓練制度の拡充が重要 参考 / 三菱 UFG 資料より

4 2. 米国経済 2016 年 4-6 月期の GDP 成長率は前期比年率 +1.2% と低い伸びに留まったが 年後半には成長率が加速し 米国経済は底堅い成長を続けていく見通しである 4-6 月期の成長をけん引した個人消費は 7 月には足踏みが見られた しかし 労働市場は力強さを取り戻し 消費者マインドも高水準を維持していることから停滞は一時的と考えられる 企業部門に関しては エネルギー関連を中心に鉱工業生産に持ち直しが見られているが ただし 設備ストックを積み増す必要性は高くなく 生産を下押ししてきた輸出は引き続き停滞が続く可能性が高いことから 設備投資の回復は緩慢なものとなる 経済は緩やかな回復基調で 年後半にかけてインフレ率が持ち直す可能性が高まっている FRB( 連邦準備制度理事会 ) の高官から 年内の利上げに前向きな発言が相次いだ 同時に 金融政策の限界と 財政政策や構造改革が成長を促す必要性も指摘されている 大統領選に向けて経済政策が徐々に明らかになっている クリントン候補とトランプ候補で対立点 一致点があるが トランプ候補の主張は曖昧なままで 共和党指導部の主張とのかい離が見られる 9 月下旬以降の候補者討論会で政策論議が深化すれば 政策の優先順位や実現可能性がはっきりしてくる可能性がある 参考 1 労働市場は力強さを取り戻す 今後 雇用の質向上へのミスマッチ解消に向けた政策が求められる 2016 年 7 月の非農業部門雇用者数は前月差 万人となった 6 月と比べて雇用者数の伸びは減速したものの 2 ヵ月連続で同 +20 万人を上回る増加となり 3 ヵ月移動平均値は同 万人まで回復 ISM 景況感指数などに見る企業の雇用に対するマインドは 足下ではやや慎重だが サービス業を中心に企業による求人は高水準で推移しており 企業の労働需要は根強い 一方で 新規雇用者数は 4 ヵ月ぶりの増加に転じたものの 求人数に比べて伸びが鈍い状況が続いている 緩やかな増加基調が続いてきた自発的離職者数もこのところ頭打ちとなっており 高水準の求人にかかわらず労働移動に停滞が見られる 企業が求める人材と労働者の間でのミスマッチが 雇用の増加を抑制する要因になっていることが示唆される 今後 労働市場の鍵となるのは 労働参加率の動向である 現在の米国の労働市場は失業率からみれば 既に完全雇用状態に近づいていると考えられることから 労働参加率が上昇することがなければ 早晩 余剰労働力が底をついて雇用増加ペースが鈍化 また 労働需給の逼迫から賃金上昇ペースが加速することになる 労働参加率の回復の鈍さのために労働供給の天井が低下してきていることから このように成長が若干なりとも加速してくると 賃金やインフレ率の上昇が予想外に加速する可能性がある 足元では インフレ率は依然として抑制されているものの 米国の労働市場は再利上げを必要とする微妙なポイントに差し掛かりつつあり FRB では 賃金 インフレ加速の兆しが生じるか否かを注視している 3. 欧州経済 小売売上高など実体経済指標は堅調を維持している Brexit 選択に伴う景気悪化の経路は 企業が投資を手控え 雇用拡大に慎重になることと ポンド安がインフレ要因となって家計の購買力を損なうことと想定されるが どちらも顕在化までしばらく時間を要しよう なお 景気への悪影響を小さくするには Brexit の交渉がどのような日程で進められ どう決着するかが早期に明らかになることが重要だが 英国が EU に離脱を通告する時期が 2017 年後半に先送りされるとの観測が浮上しているように むしろ不透明感が増している ユーロ圏経済は 4-6 月期の GDP 成長率が前期比 +0.3% と 1-3 月期の同 +0.6% から減速した もっとも これは Brexit に対する懸念のためではなく 1-3 月期の成長率が一過性の要因で押し上げられたことが主因である 英国経済が減速すれば ユーロ圏経済にとって外需減退要因だが この影響は徐々に顕在化すると予想される また ここ 3 年のユーロ圏の景気回復の牽引役は個人消費を中心とする内需であり これまでのところ消費者と企業の景況感に目立った悪化は見られない ユーロ圏経済は過去 3 年の緩やかな景気回復ペース ( 平均すると前期比 +0.3% 程度 ) を来年にかけて概ね継続すると見込む 参考 年秋以降との観測が浮上する理由の一つは 2017 年にはフランスの大統領選挙 (4 月に第 1 回投票 5 月に決選投票 ) とドイツの議会選挙 (9 月 ) が予定されており この EU の二大国の政治イベントが終わってからでないと実質的な EU 離脱交渉が難しいという考え方があるためである とはいえ あと 1 年以上 現状のような先行きが不透明な状態を続けることも難しいとのではないかと考えられる

5 参考 2 離脱ドミノへの懸念イタリア 憲法改正を問う国民投票の行方 ( 現政権への信任投票 ( 賛成 ) の様相 ) とイタリア銀行の不良債権整理問題 4. 中国経済 2016 年上期 (1-6 月期 ) の中国経済を振り返ると 1-3 月期には景気が下振れしたものの 4-6 月期には持ち直した 実質成長率は 1-3 月期には前期比 1.2% 増 ( 改定後 ) と年率換算すれば 4.9% 前後に低下したが 4-6 月期には同 1.8% 増 ( 年率換算 7.4% 前後 ) へ回復 成長率目標 (6.5-7%) を上回る伸びを示し 景気の持ち直しを確認することとなった 経済見通しとしては 2016 年の実質成長率は前年比 6.6% 増 2017 年は同 6.4% 増と 緩やかな減速 が続くと予想する また 消費者物価は緩やかな上昇を予想している 但し 民間投資が低迷を続ける中で 中国政府が景気対策を打ち出さず 国有 持ち株企業の投資が息切れすることになれば 実質成長率が 6% を割り込む可能性も否定しきれない 2016 年上期の消費は比較的高い伸びを維持した 今後を考えると 雇用指標に大きな落ち込みは見られず 中間所得層の充実というトレンドが引き続き追い風となることから比較的高い伸びを維持できるだろう 但し 景気減速で賃金上昇率が鈍化したのに加えて インフレ率の上昇で実質所得が目減りすることから 消費の伸びは若干鈍化すると見ている 2016 年上期の投資は引き続き減速した インフラ関連投資は加速したものの製造業が足かせとなった 今後を考えると 過剰設備 過剰債務の整理が進む中で 民間企業 ( 特に製造業 ) の投資は落ち込んでおり減速傾向が続くと見られる 但し 成長率目標の下限 (6.5%) の達成が危ぶまれる状況となれば長期計画を前倒し執行するなど景気対策に踏み切る可能性が高い 一方 中国人民銀行は貸出 預金基準金利の引き下げを見送った 景気は下振れしたものの 消費者物価が上昇率を高め 住宅バブル懸念が高まったことが見送りの背景と見られる また 中国人民銀行の盛調査統計局長は 流動性の罠 の可能性を指摘した 民間企業の投資意欲を回復させるには 金融政策だけでは手詰まり感があることを示唆したものと見られる 視点 月期には同 1.2% 増 ( 年率換算 4.9% 前後 ) まで低下して このまま景気が失速するのではないかとの懸念が浮上していただけに 今年の成長率目標 (6.5-7%) を上回る伸びを示したことで 市場には安心感が広がった 産業別の内訳を見ると 第 3 次産業の実質成長率が高く第 2 次産業が低いという二極化が続いている

6 5. 日本経済 2016 年 4~6 月期の実質 GDP 成長率は前期比横ばいにとどまり 日本経済が停滞から抜け出す兆しすらないことが確認された 設備投資は 2 四半期連続の前期比マイナス 先行指標の機械受注も基調は弱く 頭打ちが鮮明になりつつある 個人消費は 4~6 月期に前期比 +0.2% にとどまり 1~3 月期に閏年で水準が高かった反動が出たとはいえ 半耐久財 非耐久財とも 1~3 月期の増加以上に落ち込んでおり 個人消費の基調は極めて弱いと言わざるを得ない 個人消費の弱さは賃金の伸び悩みやマインドの悪化が背景とみられ 7 月の小売販売も冴えない動きが続いている 輸出も 金額ベースで大幅に落ち込んでいるが 円高による価格の大幅下落に加え 数量面でも減少しており 円高の影響が広がりつつある模様 さらに円高が進んでいるため 今後も輸出は軟調に推移しよう 日本経済は主要な民間需要がいずれも不振であり 公共投資や金利低下を受けた住宅投資の拡大によって景気の腰折れを回避している状況 財政 金融政策の下支えがなれければ景気は失速していた可能性もあり 一段と政策依存度を強めている 今後を展望しても 輸出の拡大に多くを期待できず 円高や景気停滞による企業業績の悪化も加わり設備投資の再拡大を望むべくもない 個人消費も賃金の伸び悩みにより回復は見込み難く 今後も財政金融政策頼みの状況が続こう 財政政策については 今後は景気の下支え役が期待される 財政政策に加え 金融政策も景気下支え効果を発揮することを前提に 2016 年度の実質 GDP 成長率を前年比 +0.7% 2017 年度を + 1.0% と予想 需給ギャップの解消は 2017 年度終盤となり デフレ脱却は 2018 年度以降となろう 設備投資は 上述の通り 1~3 月期の前期比 0.7% に続き 4~6 月期も 0.4% と小幅ながら減少が続いた 前年同期比では 1~3 月期 4~6 月期とも +0.6% の小幅プラスにとどまり 設備投資の頭打ちが鮮明となった さらに 先行指標である機械受注は 6 月に前月比 +8.3% と 3 ヵ月ぶりの増加に転じたものの 4~6 月期でみれば前期比 9.2% と大幅に落ち込んだ 内閣府は 7~9 月期に前期比 +5.5% への復調を見込んでいるが それでも 4~6 月期の落ち込みをカバーできず 設備投資の反転上昇は展望できない そのうえ 円高地合いにある為替相場や その影響もあって軟調に推移する輸出の現状を踏まえると 今後も設備投資は停滞ないしは減少傾向が続く可能性が高いと考えるべき 個人消費も引き続き冴えない 財別の内訳を見ると サービス消費 (1~3 月期前期比 +0.3% 4~6 月期 +0.2%) が底堅く推移し 耐久財消費 (+6.8% +1.3%) も持ち直しの動きが続いたものの 衣料品などの半耐久財 (+0.2% 1.4%) や食料品を中心とする非耐久財 (+0.0% 0.3%) が 2 四半期ぶりのマイナスとなった 半耐久財 非耐久財とも 4~6 月期は 1~3 月期の増加以上に落ち込んでおり 個人消費の基調は極めて弱いと言わざるを得ない 賃金 賞与の伸び悩みや 円高 株安が景気を下押しする懸念が消費者マインドを悪化させていることが指摘できる 勤労者一人当たりの平均賃金は 1~3 月期の前年同期比 +0.7% から 4~6 月期は +0.6% へ伸びが鈍化した 主因は 今年の春闘が芳しくなかったため 4 月に改訂されることが多い所定内賃金 ( 基本給 ) の伸びが鈍化 全体平均ではマイナスに転じたことである (1~3 月期前年同期比 +0.4% 4~6 月期 0.1%) また 消費者マインドの代表的な指標である消費者態度指数は 4 月の 40.8 から 5 月 月 41.8 と改善が続いたものの それでも 1 月の 42.5 を下回っており 十分に回復していない しかも 7 月は 41.3 へ低下 消費者マインドは再び悪化している 右図は 1 単位の産出量 ( ここでは実質 GDP) を生産するのに必要とされる資本ストックを意味する資本係数とそのトレンドを表している 2000 年代半ば以降 資本係数のトレンドは緩やかながら上昇を続けており 日本全体では実質 GDP よりも高い伸びで資本ストックが積み上げられていることになる 短期的な設備投資の動きを見る上では資本係数のトレンドとの乖離が一つの目安になる 資本係数がトレンドを上回って上昇している状態は

7 需要の水準に対して過剰な設備投資が行われたことを意味し 積み上がった資本ストックの調整が必要とされる 資本係数とトレンドからの乖離をみると 2013 年初めは資本不足の状態にあり これを埋めるために積極的な設備投資が行われたが 足元では既に資本不足の状態は解消されており こうした状況が企業の設備投資行動を鈍らせていると思われる 6. アセアン 昨年来の国際金融市場を巡っては 米国の金融政策の行方に対する思惑に加え 中国金融市場の混乱をきっかけに世界的に動揺が広がる事態に見舞われた しかしながら 足下においては年内における米国の利上げ実施の可能性は高まりつつある一方 その背後には米国経済が堅調な拡大を続けていることが好感されていることに加え 欧州や日本を中心に金融緩和の動きが続いていること さらに 原油安の長期化に伴う世界的なディスインフレ基調が続くなか 新興国のなかにも金融緩和に動く流れが生まれるなど 世界的な カネ余り の様相は続いている この結果 足下の国際金融市場は落ち着いた推移をみせており リスクマネーの動きが再び活発化するなか 原油相場は底入れしていることも相俟ってこうした資金の一部は再び新興国や資源国に回帰する動きもみられる こうしたことから 昨年来の国際金融市場は 過度な悲観 から一転して 過度な楽観 にも似た様相をみせており 世界的に金融市場は活況を呈する動きに繋がっている ただ 足下における新興国や資源国への資金回帰の動きは昨年来の国際金融市場の動揺に際して流出圧力が強まった動きの買戻しの域を出る状況とはなっておらず 結果的に新興国景気そのものを大きく押し上げるまでには至っていない なお 多くのアジア新興国は原油をはじめとする資源を輸入に依存するなか 年明け以降の相場の底入れ後も依然として低水準での推移が続いており 結果的に物価上昇圧力が抑えられていることは実質購買力の向上を促しており 世界的な低金利環境の継続による資金調達環境の改善も相俟って内需の下支えに繋がっている

8 参考 1 アセアン 4 ASEAN4( フィリピン インドネシア タイ マレーシア ) の多くは GDP 成長率が加速するなど好調さを増している フィリピン :2016 年 4-6 月期の実質 GDP 伸び率は前年同期比 +7.0% と 1-3 月期 ( 同 +6.8%) から加速 政府支出に加え 投資と消費が増加 インドネシア :4-6 月期 GDP は同 +5.2% と 前期 ( 同 +4.9%) よりも伸び率が上昇 イスラム教の断食月 ( ラマダン ) に伴う個人消費やインフラ開発の政府支出が伸びた タイ :4-6 月期 GDP は同 +3.5% と 前期 ( 同 +3.2%) から加速 干ばつ被害の収束で農村所得が持ち直したこともあり 消費が伸びた マレーシア :4-6 月期 GDP は同 +4.0% と 前期 ( 同 +4.2%) から伸び率が縮小 消費は底堅かったものの 天候不順で農業部門が落ち込んだことが響いた 参考 -2 ASEAN 主要 6 カ国の消費者物価指数の上昇率 ( 前年同月比 ) 昨年後半から原油安による物価下押し要因の一巡を受けて緩やかな上昇傾向にあるが 足元では景気停滞や干ばつによる食品価格の上昇に頭打ち感が見られ インフレ圧力は一層弱まりつつある 視点 1 海外投資が活発化するアセアン諸国 ( 域内企業のグローバル化が進む ) 各国を対外直接投資額 (2014 年 ) が多い順に並べると シンガポール ( 約 407 億ドル ) マレーシア ( 約 164 億ドル ) タイ ( 約 77 億ドル ) インドネシア ( 約 71 億ドル ) となる このうち対内と対外の直接投資額の比較から 投資国としての側面を近年強めているのがマレーシアとタイの両国である マレーシアでは 2007 年に対外が対内を上回る 出超 となり 以後その状態が続く 一方 タイは 年に対外が対内を凌駕し その後 2 年間は再び下回ったものの以前に比べ対外直接投資額は大きく増えている アセアン諸国の対外直接投資は まずシンガポールで本格化したが それに追随する形でマレーシアでも増えた 人口約 3,000 万人の同国は国内市場が小さく 地場企業にとって海外進出は重要な戦略となる 国内賃金上昇や公的支援策の拡充 近隣諸国の投資自由化もあり マレーシア企業は対外直接投資に力を注いだのである マレーシア企業の国際化を牽引しているのは 地元産業界で大きな存在感を誇る政府系企業 (Government-Linked Companies: GLCs) GLC の進出先は ASEAN 諸国や日本 中国 インド 欧州 北米 中南米 アフリカなど世界計 42 カ国に広がっている タイでは タイの人口は約 6,700 万人とマレーシアの 2 倍超の規模だが 少子高齢化が急速に進んでおり 地場企業は海外事業の強化を迫られている 賃金上昇や人手不足もあり 労働集約型メーカーを中心に製造拠点を低コストの国に移す動きもある

9 特にカンボジア ラオス ミャンマー ベトナムの CLMV が進出先として注目されている 成長率が比較的高い CLMV はタイの輸出先として急速に存在感を高めており 2015 年は米国 中国 日本に次ぐ第 4 位の市場に浮上 タイ投資庁 (BOI) は地元企業の対外進出を後押しするため 2013 年に 海外投資促進課 (Overseas Investment Promotion Division) を設置し 中小企業を主な対象に各種研修や視察団派遣等を強化している BOI は重要度に応じ進出先を 3 つに分け CLMV とインドネシアの 5 カ国を最も優先度の高い第 1 グループとした 因みに第 2 グループは中国やインド 他 ASEAN 諸国 第 3 グループは中東やインド以外の南アジアの国々で構成される 日本企業にとって ASEAN 企業は手強いライバルになる一方で 心強いパートーになる場合がある 日本企業にはない国際ネットワークや事業ノウハウを ASEAN 企業が持つケースが増えているためだ 日本企業と ASEAN 企業の協力関係と言えば, 従来は ASEA 企業が本社を置く国 例えばマレーシア 1 カ国のなかで手を組むというローカルな色彩が濃かったが 最近はアジア 世界をターゲットに広域的な連携関係を構築する日本企業が増えている 国際的な実力を高めている ASEAN 企業の動きから 日本企業は益々目が離せない 7. ベトナム経済の動向 中国経済の減速を受け 足元では東南アジアの多くの国が経済の停滞に悩む中 ベトナム経済は好調を維持している 2016 年 4~6 月期の実質 GDP 成長率は前年同期比 +5.6% と外需の縮小や世界的な地政学的リスクの高まりの中でも底堅さを維持した 参考ベトナムの概況 : ベトナムはインドシナ半島の東南端に位置する国で 人口は 9,168 万人と ASEAN( 東南アジア諸国連合 ) 主要 6 ヵ国の中では インドネシア (2 億 5,546 万人 ) フィリピン (1 億 215 万人 ) に次ぐ第 3 位である 名目 GDP は ASEAN 主要 6 ヵ国の中で最下位ながらも 過去 5 年の平均実質 GDP 成長率は 5.9% と 堅調な成長を続けている 2015 年の GDP 成長率は 6.7% で ASEAN 主要 6 ヵ国中 1 位であった 安価な労働力を背景に安定的な成長が続き チャイナプラスワン として有望視されてきた ドイモイ政策 により市場経済へ移行後 海外直接投資を梃子に急成長を遂げてきた 近年の高成長は輸出の拡大と所得環境改善による個人消費の伸びによるものである 政府 中央銀行の政策は過剰な面もあり注意を払う必要がある 近年開発は進んでいるが 未だ不十分なインフラ環境や 進まない国営企業改革など課題は多い TPP などの経済協定をばねに今後も外資による直接投資が続くだろう また 一人当たり GDP の増加に伴い 今後は生産拠点だけではなく消費市場としての魅力も高まっていく 視点 1 輸出は商品の高付加価値化 米国向け中心 所得環境の向上から個人消費が伸びている 近年の高成長の主因は輸出によるものである 国内のインフラ整備も徐々に進み 2007 年の WTO( 世界貿易機関 ) 加盟を契機に ベトナムに投資ブームが起こっている これにより 半導体や携帯電話などのエレクトロニクス製品の外資企業の一大生産拠点となり 輸出の主要品目が従来の付加価値の低い軽工業品や天然資源から付加価値の高い品目へ徐々にシフトしてきている また ASEAN 各国が中国経済減速のあおりを受け 中国向け輸出減少で成長が停滞している中 ベトナムは中国向け輸出が比較的少なく 経済が概ね好調な米国向け輸出の割合が多いことも要因としてあげられる 国内に目を向けると 外資企業進出に伴う雇用の増大と政府の賃上げ政策が相俟って所得環境が改善している 足元ではインフレ率も低下し実質購買力が上昇していることから 個人消費が堅調に伸びている 視点 2 インフラの状況 国際協力銀行が毎年実施している 海外直接投資調査アンケート (2015 年 ) によると ベトナムにおける課題には

10 インドネシアやフィリピンなどの周辺諸国と同様 インフラが未整備 との回答が上位にあがる 8. 台湾経済の動向 7 月の輸出受注は前年同月比 3.4% と 16 ヶ月連続で前年を下回る伸びとなり 前月 ( 同 2.4%) からマイナス幅が拡大している 当研究所が試算した季節調整値ベースの前月比では 3 ヶ月ぶりに減少に転じており 世界経済を取り巻く環境は不透明な展開が続くなか 外需を巡る動きも一進一退を続けている 財別では 主力の電気機器関連に底堅さがみられる一方 IT 関連や精密機械関連を中心に下押し圧力が掛かっているほか 化学関連など中間財などの受注も鈍化するなど全体の足を引っ張っている 国 地域別では 長期に亘って低迷が続いている日本向けに底入れ感が出ているものの 最大の輸出先である中国本土向けのほか 米国や欧州といった先進国向けも勢いに乏しい展開が続いている 7 月の鉱工業生産は前年同月比 0.31% となり 前月 ( 同 +1.14%) から 3 ヶ月ぶりに前年を下回る伸びに転じている 前月比は +0.44% と前月 ( 同 0.07%) から 2 ヶ月ぶりに拡大に転じているものの 拡大と減少を交互に繰り返す一進一退の展開が続いている 輸出の先行きについては不透明な展開が続いているものの 製造業の生産には底堅さがみられる一方 内需の弱さを反映する形で電力やガスといった公益関連の生産に軒並み下押し圧力が掛かっているほか 建設需要の低迷に伴い関連の生産は大幅マイナスとなるなど 内需関連の低迷が足を引っ張っている 先行きについては 輸出の不透明さも重石となる可能性が懸念されるなど 生産の足踏み状態がしばらく続くことも考えられよう 7 月の失業率 ( 季調済 ) は 3.96% となり 前月 (3.96%) から 3 ヶ月連続で横這いでの推移となった ただし 失業者数は前月比 +0.1 万人と前月 ( 同 0.1 万人 ) から 2 ヶ月ぶりに拡大に転じており 新卒者で底堅い動きがみられる一方 既卒者を中心に失業者が増加する動きがみられるほか 自発的失業も増加基調を強めるなど雇用環境の厳しさがうかがえる 一方 雇用者数は前月比 +0.4 万人と拡大基調が続いている上 前月 ( 同 +0.2 万人 ) からそのペースも加速しており 分野別ではサービス関連で底堅い動きがみられるものの 製造業や建設業などを中心に頭打ち感や下押し圧力が強まる動きがみられるなど 輸出産業を中心に厳しい展開となっている

11 9. インド経済 1-3 月期の実質 GDP 成長率は前年同期比 +7.9% と前期 ( 同 +7.2%) から加速しており 多くのアジア新興国が中国の景気減速や世界的な景気低迷 それに伴う世界的な貿易量の縮小や度重なる国際金融市場の動揺などを受けて景気に下押し圧力が掛かる状況にも拘らず インド経済は依然として高い成長率を維持している 原油安の長期化によるインフレ圧力の後退に加え それに伴う経常赤字の圧縮など経済のファンダメンタルズ ( 基礎的条件 ) が改善したことで通貨ルピー相場が安定するなか 個人消費を中心とする内需が経済成長をけん引する同国経済の強みが発揮されている モディ政権発足後は 政府主導によるインフラを中心とする公共投資が前進する動きがみられる一方 国営銀行を中心とする不良債権問題は 企業向け貸出の阻害要因となるなか 世界経済の不透明感も相俟って企業による設備投資意欲はなかなか回復しない展開が続いており 固定資本投資の足かせになっている また 銀行部門の不良債権問題は インフレ率の低下を受けて準備銀が度重なる利下げを実施してきたにも拘らず市中金利の高止まりを招く一因になっており 結果的に企業部門の設備投資意欲を削ぐことに繋がってきた 準備銀は国営銀行を中心に来春を目処に不良債権処理を進める方針を固めるなか 政府も早期処理を促すと見込まれる破産法の成立に動くなど スピード感には乏しいものの構造改革が着実に前進する動きもみられる 改革の前進は短期的にみれば銀行部門の収益悪化要因となり それに伴って銀行の貸出意欲が一段と低下することも懸念されることから 景気が一本調子で加速感を強めることにはならないと考えられる 世界経済を巡る不透明感は製造業の景況感の重石となる一方 サービス業では緩やかな改善が続いており 景気全体についても緩やかな拡大が続くと予想 趨勢として比較的高い経済成長を実現する余地は高いものの 2016 年の経済成長率は前年比 +7.7% 2017 年は同 +7.5% と予想する 長年に亘ってインド経済の悩みの種をなってきたインフレ動向については モディ政権による物価抑制策に加え 原油安の長期化などを追い風に低下トレンドを強めてきた結果 過去 2 年以上に亘って政府と準備銀が合意しているインフレ目標の範囲内で推移するなど インフレに対する警戒感は大きく後退してきた 今年のモンスーンの雨量が例年を上回っていることは物価面ではプラスに作用する 具現化されれば足下で再燃が懸念されるインフレ圧力が後退し 結果的に準備銀による政策余地の拡大をもたらすことも期待される 一方 今夏以降はラニーニャ現象が発生する可能性が出ており そうなればインド周辺では低温状態に陥ることで幅広い農産品で作柄が悪化し 一転して食料品価格の上昇圧力が急速に高まるリスクを抱える 年明け以降上昇基調を強める原油相場についても先行きはレンジ相場での推移が続くと見込まれることで インフレ率が急速に昂進する事態は避けられると見込まれる 2016 年のインフレ率は前年比 +5.4% 2017 年も同 + 5.4% と比較的落ち着いた推移が続くと予想 10. 米国大統領選にみる 保護主義 の台頭出所 : 丸紅レポートより米大統領選を巡る最近の Pew Research の世論調査から 共和党のドナルド トランプ候補と民主党のヒラリー クリントン候補の支持層では自由貿易に対する考え方が大きく異なり 前者は不支持 後者は支持が多数と共和 民主両党の伝統からの逆転が生じていることが分かった また 人口構成とその予測からみれば 中長期的には自由貿易への支持が大勢を占める見通しになった しかし それなのに なぜ現在の大統領選本選は両候補が 保護主義 を競い合う構図になっている 設問 1 自由主義貿易への考え方 TPP に対する考え方は ( 支持層別評価 )

12 トランプ支持者では FTA( 自由貿易協定 ) を 良い とする人は 26% に過ぎず 悪い とする人が 68% に達している 一方 クリントン支持者の 59% は FTA を肯定しており 反対派は 32% に過ぎない TPP( 環太平洋経済連携協定 ) については 分からない という回答が 4 分の 1 を占めるものの トランプ支持者の 58% が 悪い クリントン支持者の 55% が 良い としている 設問 2 自由貿易協定が個人の経済状態にあたえた影響は ( 年齢 学歴での層別評価 ) FTA が個人の経済状況に与えてきた影響については 全体の 40% が 良い影響 45% が 悪い影響 とそれぞれ捉えており 悪い影響 が 良い影響 を上回っている もっとも 評価はクリントン トランプ両氏の支持者の間でかなり異なる クリントン支持者の 51% は自由貿易の恩恵を受けてきたとする一方 トランプ支持者の 68% は否定的である また年齢 学歴別に比較すると 若年層及び教育水準が高い人ほど自由貿易を前向きに捉える傾向がみられる 視点 1 自由貿易が全体の経済成長に寄与したとしてもその恩恵を受けるのは一部に止まり 個人の経済状況がなかなか改善しない一因と捉える人が増えているということ また 移民問題が注目される中で米国全体の内向き志向が強まっていることが 貿易における保護主義への傾倒を促している面もあるのか ( この圧力の強さは 国務長官時代に TPP を推進してきたクリントン氏を TPP 反対への方針変更に追い込むほどでもあった ) TPP の議会承認のいくえトランプ クリントン両候補が TPP に反対の立場を表明している現状からは 議会での TPP 法案の早期可決は困難とみられる だが オバマ大統領は在任期間中の TPP の議会承認を諦めたわけではなく 8 月には TPP 関連法案の審議入りに必要な手続きのひとつである行政措置の説明案を議会に送付 オバマ政権は 自由貿易がもたらす経済的なメリットだけでなく 中国のアジア域内での影響力拡大を抑えるなど安全保障上の TPP の重要性も強調し 支持拡大を狙っている 政府高官も議会の説得を続けており 9 月に予定されるアジア訪問でも関係国との調整を行う見通しである それでも議会での TPP 関連法案の可決のカギを握る共和党議員の支持獲得は 大統領選 議会選の情勢からみて容易ではないと考えられる 視点 2 大統領選のカギは 自由貿易の恩恵を受けない 不満をもつ保護主義的な層 の取り込み米国では近年にないほどに保護主義が強まっているようにみえるなか 調査ではクリントン氏と民主党の支持者の多くが自由貿易を支持するという興味深い結果が出た この結果をみるかぎり 民主党支持者はオバマ大統領の政権

13 運営に満足し 同大統領が推進する TPP にも前向きであると考えるべきなのである それなのにクリントン氏が予備選で TPP に反対するという矛盾する現実が生じているのはなぜか 一つは 民主党の予備選が自由貿易支持では得票に結びつかないという複雑な情勢であろう 従来から民主党の予備選の投票率は低く 投票者の多くは労働組合関係者など保護主義の支持者が占めてきたし 今回もそうだった 今回の予備選ではクリントン氏と接戦を繰り広げたサンダース氏が TPP など通商協定への反対を強調していたから クリントン氏が自由貿易支持を訴えれば不利になってしまうことは明らかだった その上に 自由貿易支持が多い民主党支持の若年層の多くは 予備選ではサンダース氏の格差是正の訴えに強く共感し 同氏の保護主義には抵抗せず支持するという判断をした これではクリントン氏が予備選で自由貿易支持を訴えても 自由貿易支持者からの支持拡大は期待できず 保護主義の支持者は確実にサンダース氏の支持に回る一方になる クリントン氏にとっては この構図が明確だった上に 指名争いでは伸び悩みが続いていたから 国務長官時代からの自由貿易と TPP 支持の立場を変えざるを得なくなったのだろう クリントン氏は 本選になったからといって自由貿易 TPP 支持の立場に戻すわけにはいかない 本選の勝利に不可欠な民主党内の結束に響きかねない上に 予備選と同様に自由貿易支持の有権者にとって本選での関心の高い問題は格差是正などであり 自由貿易 ではなかったからである 本選で自由貿易支持を訴えても 支持が伸びる見通しは立たない しかも 本選で対決するトランプ氏は 男性 白人 高齢者 大卒未満 の有権者に受ける保護主義を徹底して訴えている 本選での激戦州の中には このグループの得票が勝敗を左右しかねない州もある以上 クリントン氏には自由貿易支持を訴える選択はリスクが大きすぎたと考えられる 視点 3 現在は保護主義が一時的に強まる過渡期と捉えたほうが整合的であるが 米国経済の潜在成長率の低下傾向などからみて 自由貿易が経済に損失よりも恩恵を多くもたらすことが有権者に認識されにくい現状が急速に好転するとは思えない 現在の過渡期は短期間では終わらない可能性が高い それは その間に景気後退に陥る世界各国の通商政策が保護主義に傾く などの変化が生じて自由貿易の支持者の減少を招き 保護主義の影響力が低下しなくなって過渡期でなくなる可能性もあるからである 自由貿易の支持者は決して少なくないが 近年にないほどに保護主義への支持が増えやすくなっている現状 2 人の候補が保護主義を競い合う今回の大統領選本選は 自由貿易にとって試練の時期の到来を意味する 大統領選で消極的な保護主義のクリントン氏と過激な保護主義を訴えるトランプ氏のどちらが勝つかで大きく異なる そして 結果は米国にとどまらず 日本を含めた世界各国に及ぶことになる 今後 2 ヵ月半近くの選挙戦は米国と世界の通商政策の将来に関わるという点でも 非常に重要な意味を持つといえる 11. サウジアラビア経済 歳入の約 9 割 GDP の約 5 割を原油収入に依存するサウジアラビアは 原油価格の下落により 2015 年は財政収支 経常収支ともに赤字となった 現状 国内のマクロ経済指標が特段悪化しているわけではないが 今後の動きに留意しておく必要がある 対外資産負債残高をみると 大幅な資産超であり対外純債権国を維持している 対外資産の 6 割が外貨準備 対外負債の 8 割が直接投資であり 対外負債の構成割合に大きな変化はない 他方 対外資産については 原油価格下落に伴う貿易収支黒字減少による経常収支赤字分を外貨準備で取崩していることもあり 資産構成に占める外貨準備の割合が減少傾向にある サウジアラビアは約 30 年にわたりドルペッグ制を採用している 2016 年 1 月にリヤル安圧力が高まった際も 当局は今後も維持する意向を表明し IMF( 国際通貨基金 ) も当局の意向を支持 サウジアラビアの外貨準備は豊富にあり 2016 年 1 月と同レベルの外貨準備流出が続いたとしても 当面は問題ない水準である 財政面では 1 歳出の 3 割を占める軍事費を削減するのは困難であると考えられ 2 国民への燃料補助金削減については慎重な対応が求められること などを勘案すると 大規模な歳出削減を実行するのは難しいと考えられる 財政赤字を外部調達で賄ったとしても 当面政府債務の水準は管理可能であると考えられるが 急速な債務積み上がりには留意が必要である 2016 年 4 月 サウジアラビアは 脱原油依存 産業多角化を企図した Vision という中長期的な構造改革を発表し 同年 6 月にはビジョンを実行に移すための 5 カ年計画 サウジ国家変革計画 2020 を発表した 具体策の発表はこれからであること 構造改革の実行には国民の反応をみながらの慎重な対応が求められること 近隣諸国との緊張関係が国内運営に影響を及ぼす可能性があることなどを鑑みると 一定の進捗はあると思われるが 全ての数値目標を 2030 年までに達成するのは難しいと考えられる

14 参考 1 視点 1 懸念材料 原油安 財政収支の赤字が続く 歳出 ( 軍事費 燃料補助金等 ) のカットはむずかしい 2015 年は6 年ぶりに財政赤字に転落した 債務残高からいえば 一般政府債務 対外債務とも管理可能な水準であるが 歳入面 歳出面ともに債務が積みあがるリスクを抱えている まず 歳入面では 非原油収入を拡大できるかが大きな課題となっている 2018 年の VAT( 付加価値税 ) の導入が決まっており 国家変革計画 2020 では 2020 年に非原油収入を現在の 436 億ドル ( 対 GDP 比 7% 歳入の 27%) から 1,413 億ドルと 3 倍に拡大するとしているが 同計画を具体的にどう実行するかはまだ発表されていない 次に歳出面だが 例年予算案に比べ実際の歳出額が 2 割増加している 歳出増加の内訳をみると 補助金や生活手当が多く含まれており こうした手当を予算内に留めることがまず求められる 財務省の予算レポートでは 財務管理を強化し 予算執行プロセスを見直し 公務員の給料 手当の削減 エネルギー 水 電気料金などの補助金を5 年間かけて漸進的に見直しを行うとしている 財政収支が均衡するレベルにするためには さらなる歳出削減が必要になる 2016 年度予算では 歳出予算は 2,240 億ドルとしており 歳出決算では 2015 年の歳出実績 (2,600 億ドル ) とほぼ同水準となることが見込まれる 仮に原油価格 歳入ともに 2015 年と同水準で今後も続くとすると 財政収支が均衡するには歳出を 2009 年の水準にまで削減することが求められ 金額にして約 1,000 億ドル (2015 年の歳出実績の約 4 割に相当 ) の削減が求められる 歳出予算の内訳をみてみると 過去 10 年間歳出予算の約 35% が 国防 治安 の予算として計上され 歳出項目としては最も多くの金額が割かれており 2015 年は 2010 年と比較して約 1.8 倍 (819 億ドル 予算額ベース ) に拡大した 2016 年の予算案では 569 億ドル ( 前年比 250 億ドル ) を見込むが 2015 年の歳出実績で 53 億ドルの歳出上振れがあったことや 不安定な中東情勢を鑑みると 軍事費の大幅な削減は現実的ではない とすると 他の項目で一層の歳出削減が可能かであるが IEA( 国際エネルギー機関 ) の資料によれば 2014 年のサウジアラビアの燃料補助金は 713 億ドル ( 対 GDP 比 9.5%) でイランに次ぐ規模である こうした補助金削減や国内の構造改革によって実現可能性がないわけではないが 国内政治安定を図る上でのハードルは高い かなり大胆な改革を実行しなければ歳出削減実現は難しいと考える

15 視点 2 原油安は長期化へ ( 供給サイド 需要サイドでも問題 ) 8 月 15 日の米 WTI 原油先物価格は 1 バレル =45 ドルを突破し 7 月 21 日以来の最高値となった 8 月に入ってから一部の産油国が原油価格下支えに向けた動きが出ていたが ここにきて相場を動かしたのは サウジアラビア政府高官の発言である 8 月 11 日 サウジアラビアのファリハ エネルギー産業鉱物資源相は 必要があれば OPEC 加盟国および非加盟の産油国と協力し 原油市場の再調整を促す手立てを講じる と述べた だが 果たしてアルジェリア会合で増産凍結が合意されるだろうか イランは 原油生産量を制裁前の水準に回復する という目標が達成できる目処が立っているので 増産凍結を受け入れやすい しかし 内戦の沈静化により原油生産量を元に戻そうとしているリビアや 野心的な増産目標を掲げるイラクが増産凍結に応じないのではないかとの懸念が生じている また ロシアは協議に前向きな姿勢を示しているものの 原油生産量は過去最高水準を保ったままである 柔軟な姿勢を見せ始めたとされるサウジアラビアも 7 月の原油生産量は前月比 12 万バレル増の日量 1067 万バレルと昨年 7 月の過去最高 ( 日量 1056 万バレル ) を更新 原油在庫が積み上がる中での米国でシェールオイル生産が再び活発化国際エネルギー機関 (IEA) の月報でも 原油市場は下期に需給がタイト化に向かうが リバランスまでには時間がかかる との見方を示した その主な要因は在庫の積み上がりである 米国で石油リグ稼働数が 微増傾向が続いている 米油田サービス会社ベーカーヒューズが発表した 8 月 12 日までの週の米石油リグ稼働数は前週比 15 基増の 396 基となり 7 週連続の増加 米国の原油生産量の約 5 割を占めるシェールオイル企業は原油価格が 30 ドル台に下落した昨年末以降 掘削活動をほぼ停止し 今年 2 月には倒産が相次いだ しかし米エネルギー省は 8 月 9 日 シェールオイルの生産が再び活発化する として今年の原油生産見通しを日量 873 万バレルと 7 月から同 12 万バレル引き上げた 減速する中国の原油需要また IEA は世界的な原油需要の伸びが鈍化していることに懸念を表明している 中でも中国の状況は一段と不透明さを増している 中国の 7 月の原油輸入量は日量約 735 万バレルと低水準となった 国内在庫が高水準で石油製品需要も低迷しているため 国内需給バランスは 6 カ月連続で供給過剰となっているからだ 原油輸入の単価が 5 カ月連続で上昇していることもマイナスに作用した 今年前半は中国の旺盛な原油需要が世界の原油価格を押し上げたが その下支えの効果は弱まりつつある 石油製品の輸出は引き続き増加して 1 7 月の輸出量は前年比 46.3% 増となった しかし同時期の輸出額は 3% しか増加しておらず ガソリンをはじめとする石油製品のダンピング輸出の傾向が鮮明になっている 原油価格が再び同 30 ドル台になったら 湾岸産油国の財政は果たして持ちこたえられるのだろうか クウェート政府が 9 月からガソリン価格を 80% 値上げすることを決定したように 湾岸産油国の財政は軒並み 火の車 である 中でも IMF が最も心配しているのはサウジアラビアだ サウジアラビア第 1 位のゼネコン企業であるサウジ ビン ラディン グループは 今年 4 月に全従業員の 4 分の 1 に当たる 5 万人の従業員をレイオフ また 8 月に入り現地メディアは 同国第 2 位のゼネコン企業である Saudi Oger が 8 カ月間にわたる従業員 2 万人分の給与未払いなどを抱えて近々破綻する と報じた 原油市場への " 口先介入 " で 原油生産量を増加させながら原油価格を上昇させるという錬金術の効力は長続きしない 短期的な原油収入は犠牲にしながら 中長期的に原油価格を安定させる というこれまでの国家戦略に回帰しない限り サウジアラビアの将来はないのでは

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る傾向がみられる 自由貿易協定が個人の経済状況に与えた影響 全体支持候補年齢学歴大卒大学高卒クリントントランプ 大卒以上中退以下良い影響 40% 51% 24% 66% 42% 31% 32% 56% 43% 42% 30% 悪い影響 45% 32% 68 丸紅米国会社ワシントン事務所長今村卓 imamura-t@marubeni.com 米大統領選米通商政策 保護主義に傾く共和党 自由貿易には試練の時期 最近の Pew Research の世論調査から 共和党のドナルド トランプ候補と民主党のヒラリー クリントン候補の支持層では自由貿易に対する考え方が大きく異なり 前者は不支持 後者は支持が多数と共和 民主両党の伝統からの逆転が生じていることが分かった

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GSS1505_P indd 論文 脆弱 5 カ国の経済状況比較 広島経済大学教授糠谷英輝 はじめに 米国の金融緩和縮小の見通しが広がった際に 外国資本の流出から通貨安に見舞われた新興 5カ国は脆弱 5カ国 (Fragile 5: ブラジル インド インドネシア 南アフリカ トルコ 以下 F5) と命名された 今般 米国の利上げが迫る一方で 原油安 中国経済の減速という新たな要因が加わった状況下で F5 各国の脆弱性はどう変化しているのだろうか

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株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米 11 月の投資環境見通し世界の株式 債券 為替 REIT 市場 日本株 不透明感は残るが上昇基調を維持する見込み 株式市場 日経平均株価 17,425.02 円 5.93% 先月の回顧 国内株式市場は 堅調に推移しました 上昇の主因は 円安の進行とみられます 米国において 堅調な経済指標の発表を背景に年内の利上げ観測が高まったことや 米国大統領選挙で円高米ドル安政策を主張しているトランプ候補の支持率が低下したことなどが

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