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1 パブコメ用 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に関する技術資料 年 8 月 - 公益財団法人日本下水道新技術機構

2 ( 本書の著作権に関するお願い ) 本書の掲載内容は, 当機構が独自に企画 立案 編集したものであり, その著作権は当機構が保有しております 本書のご利用に際しては, 本書の全部または一部を無断で複写 転載, あるいは磁気媒体,CD, DVD 等に入力して第三者に販売 貸与 および譲渡等を行わないようにお願い致します

3 はじめに わが国の下水道普及率は平成 29 年度末で 78.8%( 福島県の一部除く ), 公共下水道を使用している人々は1 億 31 万人に達し, 国民の日常生活に不可欠な役割を果たしています また, 日本全国の下水道管きょの総延長は約 47 万 km に達し, そのなかでも布設から 50 年以上経過した下水道管きょは約 1.4 万 km( 約 3%) となっています 今後, 高度経済成長期に整備された下水道管きょが次々と 50 年以上経過することとなり, その延長は 10 年後には約 5.7 万 km( 約 12%),20 年後には約 14 万 km( 約 30%) と急激に増加することが見込まれています そのような背景の中, 下水道管きょの更生工法は, 開削工法と比較して車両交通や地下埋設物, 地元住民の生活環境への影響を低減できること, 短期間, 低コストで施工できることといったメリットを活かし, 多種多様な工法が普及しています 今回, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) について, 地方公共団体等へアンケート調査を実施したところ, 高い関心が示され, 本工法に対する大きなニーズを確認しました 一方で, 本工法については要求性能や設計の考え方が整理されておらず, 普及促進における課題となっておりました そこで, 本研究ではそれらを明確化するとともに, 施工管理に関する内容も整理し技術資料としてとりまとめました このことにより, 地方公共団体等が更生工法を施工環境に合わせて採用する選択肢を増やし, 下水道事業の促進に資することが可能であると考えています 本技術資料のとりまとめにおいては数回にわたり, 専門分野の学識経験者や地方公共団体等の実務経験者等で構成する 管路技術共同研究委員会 ( 小泉委員長 ) および上部委員会である技術委員会で審議を行い, 公平中立で専門技術的な観点から指導 助言をいただき, 発行できる運びとなりました また, 今後とも多種多様な更生工法における新たな研究課題に積極的に取り組み, 成果の普及のための PR 活動により一層努力し, 技術の橋わたし としての役割を果たしていくよう努めていく所存であります 平成 30 年 8 月 公益財団法人日本下水道新技術機構理事長江藤隆

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5 正式版は押印したものをスキャ ンして貼り付け

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7 委員の構成 技術委員会 ( 順不同 敬称略 ) ( 平成 30 年 8 月現在 ) 委員長 京都大学名誉教授 松井三郎 委 員 東北大学未来科学技術共同研究センター教授 大村達夫 九州大学高等研究院特別顧問 名誉教授 楠田哲也 北海道大学大学院工学研究院環境創生工学部門教授 高橋正宏 京都大学名誉教授 津野 洋 東洋大学情報連携学部教授 花木啓祐 室蘭工業大学理事 副学長 船水尚行 日本大学総合科学研究所教授 前田正博 国土交通省水管理 国土保全局下水道部長 森岡泰裕 国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部長 井上茂治 地方共同法人日本下水道事業団技術戦略部長 細川顕仁 東京都下水道局流域下水道本部長 中島義成 大阪府都市整備部下水道室長 稲垣勝伸 名古屋市上下水道局技術本部計画部長 松葉秀樹 公益社団法人日本下水道協会常務理事 黒住光浩 公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会専務理事 尾﨑正明 一般社団法人日本建設業連合会土木工事技術委員会委員 山本 彰 一般社団法人日本下水道施設業協会専務理事 堀江信之 下水道研究会議代表幹事 ( 横須賀市上下水道局技術部長 ) 長谷川浩市 全国町村下水道推進協議会 ( 聖籠町上下水道課長 ) 高橋美紀夫 特別委員 水処理 資源化技術評価共同研究委員会委員長 齋藤利晃 汚泥処理 資源化技術評価共同研究委員会委員長 金子栄廣 雨水対策共同研究委員会委員長 古米弘明 管路技術共同研究委員会委員長 小泉 淳 システム共同委員会委員長 滝沢 智 旧委員 地方共同法人日本下水道事業団技術戦略部上席調査役兼技術開発企画課長 橋本敏一 東京都下水道局流域下水道本部長 神山 守 全国町村下水道推進協議会 谷口裕司 旧特別委員 汚泥処理新技術実用化評価委員会委員長 船水尚行 水処理技術共同研究委員会委員長 味埜 俊 新技術設計手法等共同研究委員会委員長 小団扇浩 旧委員の職名は委嘱当時のもの

8 管路技術共同研究委員会 ( 順不同 敬称略 ) ( 平成 30 年 8 月現在 ) 委員長早稲田大学名誉教授小泉淳 委員日本大学生産工学部土木工学科教授森田弘昭 国土交通省水管理 国土保全局下水道部下水道事業課事業マネジメント推進室課長補佐 栗原崇晃 国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部下水道研究室研究官 平出亮輔 東京都下水道局建設部設計調整課管路再構築事業推進専門課長 大岡隆志 千葉市建設局下水道建設部下水道整備課長 森 春仁 広島市下水道局施設部管路課長原田和秋 福岡市道路下水道局管理部下水道管理課長宮﨑幸雄 熊本市上下水道局維持管理部管路維持課長藤本仁 公益社団法人日本下水道協会技術研究部技術指針課長内田博之 公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会下水道委員会下水道管渠設計小委員長 竹内章博 旧委員 九州大学大学院工学研究院社会基盤部門教授 濵田秀則 国土交通省水管理 国土保全局下水道部下水道事業課 村岡正季事業マネジメント推進室課長補佐 東京都下水道局建設部設計調整課長中井宏 千葉市建設局下水道建設部下水道再整備課長屋代正志 神戸市建設局下水道部管路課長脇本英伸 広島市下水道局施設部管路課長紙田斉 熊本市上下水道局維持管理部管路維持課長白岩武樹 一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会下水道委員会下水道管渠設計小委員長 梶川 努 旧委員の職名は委嘱当時のもの

9 まえがき わが国の下水道管きょの総延長は約 47 万 km に達し, 布設から 50 年以上経過した老朽管が増加の一途をたどっている これにともない下水道管路施設に起因する道路の陥没事故も年間 3,000 件以上発生しており, 市民の日常生活や社会活動に重大な影響を及ぼす懸念が増加してきている これに対応するため, 平成 27 年の下水道法の改正において, 維持修繕基準が創設されるとともに, 事業計画についても維持 修繕および改築に関する事項を含めたものに拡充された これにともない, 平成 27 年 11 月には国土交通省から 下水道事業のストックマネジメント実施に関するガイドライン-2015 年版 - が発行された また, 平成 20 年度に創設された 下水道長寿命化支援制度 もその一部が見直され, 平成 28 年度には新たに 下水道ストックマネジメント支援制度 が創設され, 自治体が適切にストックを管理できるように財政的支援が行われているところである また, 平成 29 年 7 月に公益社団法人日本下水道協会より 管きょ更生工法における設計 施工管理ガイドライン-2017 年版 - が発行され, 管きょ更生工法に関する調査 設計 施工管理に関する指針がとりまとめられた 今回, 全国の地方公共団体等へのアンケート調査を実施し, 既設管の残存強度が期待できない管きょの更生工事において, 従来の自立管 ( 反転 形成工法 ) では水替えが必要となり供用下の施工が困難である点, 限られた施工時間内での施工が困難である点, また従来工法では既設管呼び径 800mm 以上の中大口径に対応できる工法が限られる点等の課題を見出した 本技術資料は, これらの課題に対応可能な製管工法 ( ら旋巻管 ) による自立管に関する各種の検討結果をとりまとめたものである 具体的には, 同工法の耐荷性能や耐震性能等の要求性能を整理するとともに, 更生材料の形状に着目した補正係数を導入することで適切な構造計算手法を確立し, 耐震設計の考え方についても整理している さらに, 本工法特有の施工管理に関する留意点等についてもとりまとめている 本技術資料が全国の地方公共団体等で活用されることで, 更生工法を施工環境に合わせて採用する選択肢を増やすことに寄与し, ストックの適切な維持管理の一助となって, 市民の日常生活や社会活動の安全, 安心が担保され, 持続可能な社会が実現できることを期待している 平成 30 年 8 月 管路技術共同研究委員会委員長小泉淳 (ii)

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11 目次 目次 第 1 章総則第 1 節目的 1 目的... 1 第 2 節適用範囲と用語の定義 2 適用範囲 用語の定義... 6 第 3 節技術資料の構成 4 技術資料の構成... 8 第 2 章工法の概要第 1 節工法の概要 5 工法の概要 工法の特長 工法の選定 第 2 節要求性能 8 要求性能 第 3 章設計第 1 節設計の手順 9 設計の手順 第 2 節使用材料と適用条件 10 使用材料 適用条件 第 3 節設計条件 12 考慮する荷重状態 常時の荷重 地震時の荷重 材料定数の設定 許容たわみ率の設定 補正係数の設定 (i)

12 目次 第 4 節常時の構造計算 18 照査項目および照査方法 常時の構造計算の考え方 常時の構造計算 第 5 節耐震設計 21 耐震設計の考え方 耐震設計の検討項目 計算方法 管軸方向の耐震性能の実験による照査方法 第 6 節流下能力 24 流下能力の照査 第 4 章施工第 1 節施工計画 25 施工計画書の確認 準備工 既設管きょの前処理 評価項目の事前確認 施工手順 第 2 節施工管理 30 施工管理一般 材料の品質管理 施工時の品質管理 しゅん工時の品質管理 出来形管理 安全衛生管理 (ii)

13 資料編 1. はじめに アンケート調査 調査概要 調査結果 SPR-SE 工法の概要 工法概要 特長と基本仕様 従来工法との比較 実証実験 補正係数に関する偏平試験 長期疲労試験 構造計算例 ( 常時 地震時 ) 常時の構造計算 耐震計算 ( 例 )- 管きょと管きょの継手部 耐震計算 ( 例 )- 鉛直断面の検討 SPR-SE 工法の要求性能と性能照査結果 特記仕様書 ( 例 ) 施工事例 その他 スチール部材の耐食性 表面部材 ( プロファイル ) の座屈 問い合わせ先 (iii)

14 (iv)

15 第 1 節目的 第 1 章総 則 目 的 1 目的本技術資料は, 下水道管きょの改築に適用される管きょ更生工法のうち, 自立管に分類される製管工法 ( ら旋巻管 ) に関する設計手法や施工計画および施工管理の考え方を示すことを目的とする 解説 我が国に下水道が導入されてからすでに100 年以上が経過し, その整備が着実に進む一方で, 大都市をはじめとして, 古くから下水道整備に着手してきた都市においては, 耐用年数を超えて老朽化した下水道管きょが増加している また, 耐用年数以内であっても使用環境等から腐食等が進行している下水道管きょも数多く見られ, これらに起因した破損の発生やひどい場合には道路陥没等の事故が引き起こされており, 下水道管きょ更新の必要性が年々高まってきている 下水道管きょの更新は, 交通問題, 地下埋設物の問題等から開削工法で更新を進めることが困難な場合が多く, 非開削工法である管きょ更生工法が採用されるケースが多くなっている 平成 29 年 7 月には公益社団法人日本下水道協会より 管きょ更生工法における設計 施工管理ガイドライン-2017 年版 - ( 以下, ガイドライン という) が発刊され, 下水道管きょ更生工法に関する新たな考え方が示された 改築工法の分類を図 1-1に示す 更生工法 構造形式 自立管 工法分類反転工法形成工法 さや ( 鞘 ) 管工法製管工法 1 1 改築 複合管 二層構造管 製管工法反転工法形成工法 1 布設替工法 1 ゴシック体はガイドラインの適用対象を示す 開削工法 改築推進工法等 図 1-1 改築工法の分類 ( ガイドライン p1-7 一部加筆 ) (1)

16 第 1 章総則 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 既設管きょ内に表面部材となる硬質塩化ビニル樹脂材やポリエチレン樹脂材等をら旋状にかん合して製管し, 製管させたパイプと既設管きょの間隙にモルタル等の間詰め材を注入することで, 自立管として更生管きょを構築する方式である ( 図 1-2, 図 1-3, 写真 1-1 参照 ) 表面部材, 二次製品等 1 更生材 2 間詰め材 既設管きょ 1 自立管の更生材は, 更生材単独で自立できるだけの強度を有する 2 間隙部に充填する材料 図 1-2 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の概念 図 1-3 製管工法 ( ら旋巻管による更生 ) の施工概要 ( 例 )( ガイドライン p1-12) 写真 1-1 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の一例 (2)

17 第 1 節目的 現在, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 使用材料の特性に応じた要求性能や構造計算手法等が確立されていないため ガイドライン の適用対象外となっている 一方, 多くの管きょ更生工法が開発され実用化されているが施工条件や対応できる管径によって制約がある等, 実務上, 施工できない条件がある 特に800mm 以上の中大口径管路が劣化している場合, 複合管として更生するのが現在の主流であるが, 管路の劣化が著しく複合管としての設計が困難な場合が近年増加傾向にある このような場合には, これまで布設替えにより管きょの改築を行う必要があったが, 供用中の下水を止められないこと, また, 国道等の主要幹線や繁華街等の環境条件から開削が困難であることにより, 非開削で下水を流しながら施工可能な工法開発が求められてきた 今回, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) について, 自治体にアンケート調査を行った結果,95% の自治体で採用を検討したい, あるいは必要があれば検討したいという回答があった 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 上述した課題を解決する次の特長を併せ持ち, 年々採用実績を伸ばしている 1 下水を流しながら施工できること 2 施工を途中で中断できること 3 自立管として中大口径管きょに対応可能であること 本技術資料は, 新しい更生工法である自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) について, 使用材料の特性に応じた要求性能や構造計算手法, および施工計画や施工管理の考え方をとりまとめたものである (3)

18 適用範囲と用語の定義 2 適用範囲本技術資料は, 管きょ更生工法の自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に関する設計や施工に適用でき, その適用範囲は以下に示すとおりである (1) 既設管きょの管種自立性能を要求されるすべての既設管きょを対象とする (2) 既設管きょの断面形状既設管きょの断面形状は, 円形, 矩形, 馬蹄形および管軸方向に断面形状が変化するものを対象とする (3) 更生管きょの性能ら旋状に製管される更生管きょであり, スチール部材により更生材単独で可とう性があり自立管としての性能を有するものを対象とする (4) 更生管きょの断面形状更生管きょの断面形状は円形のみとする (5) 施工条件既設管きょが破損により閉塞していない管きょで, 作業時に安全性が確保できる管きょを対象とする 解説 (1) 既設管きょの種類更生材 ( かん合部材 ) 単独で自立管としての性能が担保できることから, 既設管きょの劣化状況や管種, 断面形状による適用制限を受けない このため, 自立性能を要求されるすべての既設管きょに対して適用可能である 既設管きょが強化プラスチック複合管やコルゲート管等で複合管として設計ができない場合にも適用可能である (2) 既設管きょの形状既設管きょの内側に新しく管きょを構築するため, 既設管きょの断面形状は, 円形, 矩形, 馬蹄形, 管軸方向で断面が変わるものも対象にできる 図 1-4は適用可能な既設管きょの断面形状を示したものである 既設管きょ更生管きょ ( 矩形きょ ) ( 馬蹄きょ ) ( 管軸方向で断面が変わる場合 ) 図 1-4 既設管きょの形状 (4)

19 第 2 節適用範囲と用語の定義 (3) 更生管きょの性能 更生管きょは製管機をもちいてら旋状に製管される このため, 更生材はかん合機構による 水密性能を有し, かつ, 更生材単独で常時および地震時に対して自立できる性能を有する (4) 更生管きょの形状 既設管きょの形状に対する制限は受けないが, 更生断面は円形となる このため, 水理性能 等で円形による更生が許容できる管きょに対してのみ適用が可能である (5) 施工条件既設管きょが破損等により閉塞していない管きょで, 施工にあたり十分な安全が確保できる管きょの場合に適用できる 本技術資料は, 管きょ更生工法の自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に関するものであるが, 参考として,SRP-SE 工法の適用範囲を以下に示す 既 設 管 種 : 鉄筋コンクリート管, 陶管, 強化プラスチック複合管, コルゲート管等 既 設 管 径 : 呼び径 450~1650mm 既設管きょの形状 : 円形きょ, 矩形きょ, 馬蹄きょ, 管軸方向に断面が変わる場合も適用可 土 被 り :0.6 1 ~5.0m 1 活荷重 T-14 の場合も含む 最 大 段 差 :20mm( 既設管呼び径 500 以下 ) までの継手部 25mm( 既設管呼び径 600~1000 および 1200) までの継手部 35mm( 既設管呼び径 1100 および 1350~1650) までの継手部 屈 曲 角 :5 までの継手部 隙 間 :120mm までの継手部 水 深 : 既設管呼び径 30% 以下 流 速 :1.0m/ 秒以下 なお, 最大段差, 屈曲角, 隙間, 水深, 流速の適用範囲については, 過去の施工実績から設定したものであ り, 適用範囲外の場合でも現場の状況に応じて検討することができる (5)

20 3 用語の定義本技術資料における用語の定義は, 以下に示すとおりである (1) 管きょ更生工法既設管きょに破損, クラック, 腐食等が発生し, 耐荷性能や耐久性能, 流下能力等が保持できなくなった場合, 既設管きょの内面に新たに管を構築する工法をいう (2) 自立管自立管は, 更生材単独で自立できるだけの性能を発揮し, 新管と同等以上の耐荷性能および耐久性能等を有するものをいう 施工方法上の分類として, 工場で樹脂等を配合し, 既設管きょ内部で更生材を硬化させる反転工法や形成工法, また, 工場で製作した二次製品を更生材にするさや ( 鞘 ) 管工法, 既設管きょの内部で表面部材等をもちいて製管する製管工法等がある (3) 製管工法既設管きょの内側に表面部材となる硬質塩化ビニル樹脂材やポリエチレン樹脂材等をかん合して製管し, 製管された更生管きょと既設管きょの間隙にモルタル等の充填材を注入して更生管きょを構築する施工法で, 複合管として既設管きょと一体化した更生管きょ, あるいは単独で自立管として構築できる更生管きょがある (4) 形成工法硬化性樹脂を含浸させた材料や熱可塑性樹脂で成形した材料をマンホールから引込み, 加圧拡張し, 既設管きょと圧着させた後に硬化や冷却固化することで更生管きょを構築する工法をいう 形成工法は, 更生管きょを構築する方法の違いによって熱硬化タイプ, 光硬化タイプ, 熱形成タイプに分類される (5) 反転工法熱で硬化する樹脂を含浸させた筒状の更生材料をマンホールから既設管きょ内に反転加圧しながら挿入し, 更生材の内部から空気圧や水圧等により既設管きょの内面に密着させ, 加圧状態のまま温水や蒸気等で樹脂を硬化させて更生管きょを構築する工法である 含浸用基材にはガラス繊維または有機繊維等がもちいられる (6) ら旋巻管工場で成形された帯状の更生材 ( かん合部材 ) を, 既設管きょ内部でら旋状に巻いて連続的な管を既設管きょ内に形成し, 既設管きょとの隙間に間詰め材を注入して, 既設管きょに固定させることで新たな管を構築する製管工法の施工法の一つである (7) 表面部材かん合機構を有した硬質塩化ビニル樹脂製やポリエチレン樹脂製の帯状の更生部材をいう (6)

21 第 2 節適用範囲と用語の定義 (8) スチール部材更生材 ( かん合部材 ) の表面部材に組み込まれた鋼材であり, 主に荷重を負担する部材をいう (9) 更生材 ( かん合部材 ) スチール部材と表面部材が一体となった帯状の部材をいう (10) 間詰め材既設管きょと更生管きょの隙間に充填し, 更生管きょの固定を行うとともに, スチール部材の防錆性を向上させる材料をいう (11) 更生管きょ製管機により更生材 ( かん合部材 ) をら旋状に製管して造る管きょのことをいう (12)JSWAS 日本下水道協会規格 (JSWAS:Japan Sewage Works Association Standard) であり, 本技術資料に関連する JSWAS は以下のとおりである 下水道用硬質塩化ビニル管(JSWAS K-1) 下水道用強化プラスチック複合管(JSWAS K-2) 下水道用鉄筋コンクリート管(JSWAS A-1) (13) 剛性管剛性が高く荷重に対する変形が比較的小さい管きょをいう 鉄筋コンクリート管, レジンコンクリート管, 陶管等が剛性管として取り扱われる (14) 可とう性管剛性が低く荷重に対する変形が比較的大きい管きょをいう 硬質塩化ビニル管, ポリエチレン管, 強化プラスチック複合管, ダクタイル鋳鉄管, 鋼管等が可とう性管として取り扱われる (15) 製管機更生材 ( かん合部材 ) をら旋状に巻いて更生管きょを連続的に構築する機械のことである (7)

22 技術資料の構成 4 技術資料の構成 本技術資料は, 本編である 総則, 工法の概要, 設計, 施工 の4 章と資料編から構成される 解説 本技術資料は, ガイドライン を参考に, 下水道の設計者, 施工者, 施工管理者が行うべき自立管製管工法の設計から施工までの内容を記述するものである 図 1-5の自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の調査, 設計, 施工管理の作業の流れを示したフロー図である なお, 現時点で本技術に分類されるのはSPR-SE 工法のみであるため, 資料編にはS PR-SE 工法についての実証実験の結果, 構造計算の例, 施工事例等を記載している スタート 第 1 章総則 調 査 ガイドライン第 2 章参照, 第 4 章 26 準備工 第 2 章工法の概要, 第 3 章設計, 資料編 調査結果の評価 更生工法の選定 第 2 章, 資料編 3.SPR-SE 工法の概要 更生工法の設計 第 3 章設計, 資料編 5. 構造計算例 ( 常時 地震時 ) 設計図書の作成 資料編 7. 特記仕様書 ( 例 ) 工事の発注 第 4 章施工 施工条件との適合性の確認 第 1 節施工計画 工事の施工管理 第 2 節施工管理 竣工および引き渡し ( 検査 ) 図 1-5 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の流れ (8)

23 第 2 章工法の概要 工法の概要 5 工法の概要 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 帯状の更生材 ( かん合部材 ) を既設管きょ内にら旋状に製管し, 既設管きょとの隙間に間詰め材を充填する工法である 解説 本工法にもちいる帯状の更生材 ( かん合部材 ) は, スチール部材と表面部材が一体となったものであり, これを既設管きょの内部で製管機をもちいてら旋状に製管する 既設管きょと更生管きょ ( 製管した管 ) の隙間には間詰め材を充填して, 新しい管きょを構築する管きょ更生工法である 6 工法の特長 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の特長は, 次のとおりである (1) 下水供用中の施工が可能であること (2) 施工途中で中断が可能であること (3) 中大口径管きょに適用可能であること (4) 更生材 ( かん合部材 ) は工場製品のため, 品質が安定していること 解説 これまでの自立管の管きょ更生工法は, 流下下水のない状況で施工する工法が多く, 施工時には水替えが必要であった 本技術は下水を流しながら施工できるので, 水替えができない現場でも自立管の管きょ更生工法が採用できる (1) 下水供用中の施工が可能であること施工機材が耐水仕様であることや更生材 ( かん合部材 ) が水中でかん合可能なこと, 間詰め材が滞水を押し出しながら充填ができること等から, 一定条件下のもとで下水供用中でも施工が可能である ただし, 水深や流速には制限があり, 例えば, 水深は60cm以下, あるいは, 管径の30% 以下の低い方で, かつ流速は1m/ 秒以下である必要がある (2) 施工途中で中断が可能であること 更生材 ( かん合部材 ) は途中接続が可能であることから, 施工時間制限を受ける場合でも作 (9)

24 第 2 章工法の概要 業を途中で中断して翌日以降に引き続き作業を行うことが可能である (3) 中大口径管きょに適用可能であること反転 形成工法の自立管は既設管きょ φ800mm 未満を適用対象とする工法が多い中で, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, その施工上の特長から既設管きょ φ800mm 以上の管径にも適用が可能である (4) 更生材 ( かん合部材 ) は工場製品のため, 品質が安定していること 更生材 ( かん合部材 ) は工場製品であり, 適切な管理下において製造されていることや, 施 工においても加熱や接着等を行わないため品質が安定している 7 工法の選定 工法の選定は, 既設管きょの調査結果や施工条件を考慮して, 適切に選定する 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 次の条件で採用されることが多い 1 自立管で更生する 2 更生断面は円形である 3 下水の通水状態で施工する場合 4 時間制約等の理由により施工途中で中断が必要な場合工法を選定したのち, 強度計算, 耐震計算, 流下能力, 経済性の検討を行い, 工法の妥当性を検証する 本工法の特長を考慮した工法選定フローの例を図 2-1に示す (10)

25 図 2-1 工法選定フロー ( 例 ) (11)

26 第 2 章工法の概要 要求性能 8 要求性能自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の要求性能は, 以下のとおりである (1) 耐荷性能主として道路下の埋設物として施工されるため, 施工現場における荷重 ( 土圧, 水圧, 活荷重 ) に対し安定した耐荷性能を有すること (2) 耐久性能改築施設として所定の耐用年数の間, 必要な耐久性能を確保できること (3) 耐震性能必要な耐震性能を有すること (4) 水理性能必要な水理性能を有すること 内面の平滑化, 内空断面の確保が重要な要素となる (5) 環境安全性能管きょ更生工法で使用される多くの工法は現場で構築されることから, 施工時には, 一般に要求される騒音 振動 大気汚染の各対策に加えて臭気対策, 防爆対策等の工法の特性に応じた安全性能を有すること (6) その他既設管きょの内面状況, 延長, 管種, 断面形状に対して施工可能であること また, 間詰め材は硬化後の体積収縮が小さく, 流動性を有し, 水よりも大きな比重をもつこと 解説 下水道管きょが有すべき基本的な機能は土圧 水圧 地震動等に対する十分な強度の保持, 下水および地下水に対する十分な水密性の保持, 流下させる下水量に対する十分な断面の保持等である また, 品質確保においては, 施工技術が現地条件に適合するとともに, 適切な施工が行われることが重要である このため, ガイドライン では, 下水道の更生管きょに求められる要求性能として, 耐荷性能, 耐久性能, 耐震性能, 水理性能, 環境安全性能があげられている 本工法に求められる要求性能についてもこれらと同様の性能を考慮することとした これらの性能は使用場所や施工条件等を踏まえた上で, 適切に評価される必要がある 本工法はスチール部材を強度部材とした工法であり, 表 2-1に示すとおり, ガイドライン の自立管と材料特性や構造特性が異なる このため, 以下には本工法の要求性能のそれぞれについて詳述する (12)

27 第 2 節要求性能 表 2-1 ガイドライン の自立管と本工法の材料特性および構造特性の違い ガイドライン 自立管自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) 工法分類反転工法 形成工法製管工法 主要な繊維強化プラスチック強度部材硬質塩化ビニル樹脂高密度ポリエチレン樹脂材料特性主要な強度部材が樹脂であるため, クリープ特性を有する構造特性一体構造 ( マンホール間で1スパンが一体的な構造 ) スチール部材主要な強度部材がスチール部材であるため, 疲労特性を有するかん合構造 ( 差し込み継手と同様の柔軟な構造 ) (1) 耐荷性能 1) 偏平強さ自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の偏平強さは, 下水道用硬質塩化ビニル管(JSWAS K-1)-2010 ( 社団法人日本下水道協会 )( 以下, JSWAS K-1 ) および 下水道用強化プラスチック複合管 (JSWAS K-2)-2017 ( 公益社団法人日本下水道協会 )( 以下, JSAWS K-2 ) による偏平試験方法を準用し, 許容たわみ率時の偏平強さが申告値以上であることを確認する 2) スチール部材の耐力自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) はスチール部材を強度部材とした工法であるため, スチール部材の強度確認を行う スチール部材の耐力は, 金属材料の試験として一般的である金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) により求め, 申告値以上であることを確認する なお, 一般にスチール部材はクリープによる長期的な強度低下を考慮する必要がないので, 短期の耐力のみを確認する 3) スチール部材の引張弾性係数スチール部材の引張弾性係数は, 金属材料の試験として一般的である金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) により求め, 申告値以上であることを確認する 耐力と同様に, クリープによる長期的な強度低下を考慮する必要がないので, 短期の引張弾性係数のみを確認する (2) 耐久性能 1) 耐薬品性耐薬品性は, 表面部材に対して JSWAS K-1 に示す耐薬品性試験方法に基づき, 規格値以内 ( 質量変化度が ±0.2mg/cm 2 以内 ) であることを確認する (13)

28 2) 耐摩耗性耐摩耗性は, プラスチック- 摩耗輪による摩耗試験方法 (JIS K 7204) による試験に基づき, 硬質塩化ビニル管 ( 新管 ) の摩耗試験結果と表面部材の摩耗量を比較し, 同等程度の耐摩耗性であることを確認する 3) 水密性 水密性は,JSWAS K-2 による試験に基づき, 内外水圧に対するかん合部の水密性 (0.1MPa を 3 分間保持し漏水がないこと ) を確認する 4) 耐劣化性耐劣化性は, スチール部材に対し, 金属材料の疲れ試験方法通則 (JIS Z 2273) にしたがって 50 年相当の繰り返し疲労試験を実施したのちに引張試験を実施し, 基準強度を上回ることを確認する 5) 接合部の引張強さ 接合部の引張強さは, 下水道用プラスチック製管きょ更生工法 (JIS A 7511) による試験 に基づき, 申告値以上であることを確認する 試験はかん合方向とかん合直交方向で行う (3) 耐震性能耐震性能は, 耐震計算の結果として必要となる性能であり, 下水道施設の耐震対策指針と解説 年版 - ( 公益社団法人日本下水道協会 )( 以下, 耐震指針 という), 下水道施設耐震計算例 年版 - 管路施設編前編 ( 公益社団法人日本下水道協会 )( 以下, 耐震計算例 という ) に準じて行う 更生された管きょの構造に関する耐震計算には, 耐荷性能から確認された物性値 ( スチール部材の耐力およびスチール部材の引張弾性係数等 ) をもちいて行う 耐震性能の照査は, 耐震指針における差し込み継手管きょの考え方に基づき行い, 既設管継手部の屈曲角および抜け出し量が許容値以内であることを確認する 耐震計算 による継手部の照査が困難な場合には, 実験によって表面部材等の継手部の照査を行う この場合には, 地盤の永久ひずみ 1.5% による抜け出しに加えて, スパン長 30m で沈下量 30cm を想定した変形を発生させ, 内水圧 0.1MPa の条件下で 3 分間保持する その結果, かん合部のかん合が外れず, かつ水密性を保持することを確認する (4) 水理性能 水理性能は粗度係数で評価し, 更生管きょの流下能力を確認する 粗度係数は水理試験等によ り求め,0.010 以下であることを確認する (14)

29 第 2 節要求性能 (5) 環境安全性能 1) 粉じん対策材料の搬入, 間詰め材の注入, 更生管きょの端材処理, 清掃等に際しては, 粉じんを発生させないような対策を講じて, 大気汚染防止法 等の関連法や条例等を遵守する 2) 臭気対策作業帯内にあっては 労働安全衛生法 に定める悪臭物質の濃度限度の遵守, 施工現場周辺の敷地境界 ( 通常は道路端 ) にあっては 悪臭防止法 および条例等に準ずる措置を講じる 3) 騒音 振動対策発電機やコンプレッサー等の騒音 振動が, 施工現場周辺の環境基準に適合することを確認する また, 振動源となる機器が配置される場合も同様である 4) その他余剰な間詰め材を排出する場合には, 排出される水質が法令で規定する水質基準に適合することを確認するとともに, 所定の排出先に放流する また, 高圧洗浄水を使用する場合には, 取付管から逆流して各戸に対して影響が出ないようにする (6) その他 1) 既設管きょの内面状況に対する確認表面部材内面の平滑性の確保や確実な施工性能の確保のために, 既設管きょの内面状況 ( 既設管きょの段差, ずれ, 曲がり, 継手隙間, 破損状況, 腐食状況, 浸入水圧, 浸入水量, たるみ, 滞水深 ) が, 本技術の適用範囲内であることを確認する 2) 施工可能な延長の確認制限された時間内に, 完了または仮通水が可能な施工条件 ( 既設管きょの口径, 延長, 取付管箇所数, 土被り, 周辺環境等 ) であることを資料等で確認する 3) 管種と管の断面形状の確認下水道管きょとして採用されている既設管きょの管種 ( 陶管, 鉄筋コンクリート管等 ), および管の断面形状 ( 円形管, 矩形きょ等 ) に対する適用性を資料等で確認する 4) 間詰め材に関する確認自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, スチール部材のみを強度部材とするため, 間詰め材の強度は規定しない 間詰め材は, 既設管きょと更生管きょの隙間を充填することで更生管きょの固定を行うとともに, スチール部材の防錆性の向上を期待するものである したがって, 間詰め材に要求される性能は, 既設管きょと更生管きょの隙間の細部まで充填できる流動性を有し, 硬化後の体積収縮がないことである また, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は水を流しながら施工できることを特長とするものであるから, 充填した際に, 既設管きょと更生管きょの隙間の滞水が間詰め材に置換される必要がある そのため, 間詰め材は水よりも大きな比重をもつことが要求される (15)

30 以下, 参考として SPR-SE 工法における間詰め材の要求性能を示す 表 2-2 間詰め材の要求性能 (SPR-SE 工法 ) フロー値 比重 210mm 以上 1.1 以上 表 2-3 はスチール部材を強度部材とする本工法に特有な評価項目と要求性能をとりまと めたものである (16)

31 第 2 節要求性能 表 2-3 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の評価項目と要求性能 (1/2) 管きょ更生工法における設計 施工管理ガイドライン自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) 要求性能項目自立管 ( 密着管 ( 硬質塩化ビニル ) の場合 ) 複合管項目要求性能試験方法項目要求性能試験方法項目要求性能試験方法備考 (1) 耐荷性能 管体の強度 材料強度 偏平強さ又は外圧強さ 曲げ強さ 曲げ弾性率 短期 長期 短期 長期 偏平強さ ( 基準たわみ量時の線荷重 ) が新管と同等以上 基準たわみ外圧及び破壊外圧が新管と同等以上 最大荷重時の曲げ応力度が申告値以上 試験結果に基づく, 50 年後の推定値が申告値以上 申告値以上 試験結果に基づく, 50 年後の推定値が申告値以上 JSWAS K-1 (φ600mm 以下 ) JSWAS K-2 (φ700mm 以上 ) JIS K 7171 ( 試験速度 2mm/min) JIS K 7115 又は JIS K 7116( 水中 1000 時間 ) JIS K 7171 ( 試験速度 2mm/min) JIS K 7116 ( 水中 1000 時間 ) 複合管断面の破壊強度 外圧強さ 充填材圧縮強度 充填材ヤング率 申告値以上又は新管と同等以上 申告値以上 既設管きょの劣化状態等を反映し, 限界状態設計法により終局耐力を評価 鉄筋コンクリート管 ( 新管 ) を破壊状態まで載荷後更生し, JSWAS A-1 による破壊荷重試験を実施 JSCE-G 521 又は JSCE-G 505 等 申告値以上 JIS A 1149 更生管きょの偏平強さ スチール部材の耐力 スチール部材の引張弾性係数 短期 長期 短期 長期 許容たわみ率時の偏平強さが申告値以上 申告値以上 - - 申告値以上 - - JSWAS K-1 及び K-2 による偏平試験方法を準用 金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) 金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) - 金属材料強度の試験方法として引張試験が一般的 金属材料の長期性能は繰り返し疲労試験にて確認する (2) 耐久性能 で評価 金属材料強度の試験方法として引張試験が一般的 金属材料の長期性能は繰り返し疲労試験にて確認する (2) 耐久性能 で評価 1) 耐薬品性 2) 耐摩耗性 3) 耐ストレインコローシ ョン性 質量変化度 ±0.2mg/cm 2 以下 硬質塩化ビニル管 ( 新管 ) と同等程度 JSWAS K-1 又は JSWAS K-14 JIS K 7204 又は JIS A 1452 等 質量変化度 ±0.2mg/cm 2 以下 硬質塩化ビニル管 ( 新管 ) と同等程度 - - JSWAS K-1 ( 表面 ( 塩ビ ) 部材 ) JIS K 7204 等 ( 表面 ( 塩ビ ) 部材 ) 質量変化度 ±0.2mg/cm 2 以下 硬質塩化ビニル管 ( 新管 ) と同等程度 - JSWAS K-1 ( 表面部材 ) JIS K 7204 等 ( 表面部材 ) 表面部材は複合管製管工法と同じ 同上 ガラス繊維を使用していないため該当しない (2) 耐久性能 4) 水密性 内外水圧 0.1MPa で漏水がないこと (3 分間保持 ) JSWAS K-2 内外水圧 0.1MPa で漏水がないこと (3 分間保持 ) JSWAS K-2 ( かん合部の水密性 ) 内外水圧 0.1MPa で漏水がないこと (3 分間保持 ) JSWAS K-2 ( かん合部の水密性 ) 表面部材は複合管製管工法と同じ 5) 耐劣化性長期曲げ強さと共通 - 繰り返し疲労特性 6) 接合部引張強さ - 申告値以上 繰り返し疲労試験 (JIS Z 2273) にて長期性能 (50 年 ) を評価 申告値以上 JIS A 7511 附属書 JB 申告値以上 JIS A 7511 附属書 JB 金属材料の長期性能は繰り返し疲労試験が一般的 表面部材は複合管製管工法と同じ ( 塩ビ材料をかん合 ) 7) 一体性 - 既設管きょと充填材が界面剥離しないこと JIS A 1171 に準ずる - 既設管の強度を考慮しないので一体性は不要 曲げ強さ 短期 [ 最大荷重時の曲げ応力度 ] 申告値以上 JIS K 金属材料強度の試験方法として引張試験が一般的 引張強さ 短期 申告値以上 ( ただし 20MPa 以上 ) JIS K 7161 スチール部材 - の耐力 短期 申告値以上 金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) 鉛直断面方向の発生応力照査に利用 (3) 耐震性能 材料強度 引張弾性率 引張伸び率 短期 短期 ( ただし 1.2GPa 以上 ) JIS K 7161 係数 申告値以上 - の引張弾性 スチール部材 70% 以上 JIS K 7161 短期 申告値以上 - - 金属材料引張試験方法 (JIS Z 2241) 同上 圧縮強さ 短期 申告値以上 JIS K 金属材料強度の試験方法として引張試験が一般的 圧縮弾性率 短期 申告値以上 JIS K (17)

32 表 2-3 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の評価項目と要求性能 (2/2) 管きょ更生工法における設計 施工管理ガイドライン自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) 要求性能項目自立管 ( 密着管 ( 硬質塩化ビニル ) の場合 ) 複合管項目要求性能試験方法項目要求性能試験方法項目要求性能試験方法備考 (3) 耐震性能 水密性 - 継手部の屈曲角と抜け出し量が許容値以内 接合部が外れず, かつ, 水密性を保っている 下水道施設の耐震対策指針と解説 における 差し込み継手管きょ ボックスカルバート 等の考え方を勘案し, 性能照査を行う ( 地盤の永久ひずみ 1.5% による抜け出し )+( スパン長 30m, 沈下量 30cm) を想定した変形を発生させ, 内水圧 0.1MPa の条件下で 3 分間保持する 継手部の屈曲角と抜け出し量が許容値以内 接合部が外れず, かつ, 水密性を保っている 下水道施設の耐震対策指針と解説 における 差し込み継手管きょ ボックスカルバート 等の考え方を勘案し, 性能照査を行う ( 地盤の永久ひずみ 1.5% による抜け出し )+( スパン長 30m, 沈下量 30cm) を想定した変形を発生させ, 内水圧 0.1MPa の条件下で 3 分間保持する 表面部材は複合管製管工法と同じ 同上 (4) 水理性能 1) 粗度係数原則として 以下粗度係数確認試験同左原則として 以下粗度係数確認試験 2) 成形後収縮性 申告値以下 成形後の軸 周方向収縮性試験 - - 表面部材は複合管製管工法と同じ ( 塩ビ材料 ) 収縮する部材では無いため非該当 1) 粉じん ( 塵 ) 対策 (5) 環境安全性能 2) 臭気対策 3) 騒音 振動対策 関連法および条例を遵守できること 引火 爆発性を有する溶媒等を使用する材料の場合, 施工中に爆発等事故が発生しないこと 施工計画書等で確認同左 技術的な裏付けを技術検討書等で確認 関連法および条例を遵守できること 4) 防爆性 - - 施工計画書等で確認 - 引火 爆発性を有する溶媒等を使用しないため非該当 5) その他 ( 温水対策等 ) 自治体の条例等を遵守できること 施工計画書等で確認 同左 自治体の条例等を遵守できること 施工計画書等で確認 - (6) その他 1) 適用許容範囲 ( 段差, ずれ, 曲がり, 継手すき間 ) 2) 施工可能延長 現場条件に適用可能であること ( 既設管きょの内面状況 ) 現場条件に適用可能であること ( 施工延長 ) 技術保有者の資料又は審査証明等の資料で確認 同左 現場条件に適用可能であること ( 既設管きょの内面状況 ) 現場条件に適用可能であること ( 施工延長 ) 技術保有者の資料又は審査証明等の資料で確認 - 3) 適用管種 管断面 現場条件に適用可能であること ( 適用管種 管断面 ) 4) 間詰め材 体積収縮が小さく, 流動性を有し, 水よりも大きな比重をもつこと (18)

33 第 1 節設計手順 第 3 章設 計 設計の手順 9 設計の手順自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の設計では, 次の各項を整理し検討する (1) 要求性能 (2) 使用材料 (3) 適用条件 (4) 考慮する荷重 (5) 材料定数 (6) 許容たわみ率 (7) 補正係数 (8) 照査項目および照査方法 (9) 流下能力の照査 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻き管 ) は, 更生材にスチール部材, 塩化ビニル樹脂等を使用した可とう性管であることから,JSWAS K-1,JSWAS K-2 および日本工業規格 (JIS) に準じた設計を行う 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の設計の手順を図 3-1 に示す [ 基本性能 ] 要求性能の把握 第 2 章第 2 節要求性能 使用材料の把握 10 使用材料 適用可能な条件の把握 11 適用条件 [ 設計条件 ] 考慮する荷重状態の設定 12 考慮する荷重状態 ~ 14 地震時の荷重 材料定数 補正係数 許容値の設 15 材料定数の設定 ~ 17 補正係数の設定 [ 設計 照査 ] 更生管きょの強度照査 第 3 章第 4 節常時の構造計算, 第 5 節耐震設計 流下能力の照査 24 流下能力の照査 図 3-1 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の設計の手順 (19)

34 第 3 章設計 使用材料と適用条件 10 使用材料自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の更生材料は, スチール部材と表面部材, 間詰め材に区分される スチール部材は鋼材, 表面部材には硬質塩化ビニル樹脂等, 間詰め材はモルタル等がもちいられる 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, スチール部材と表面部材が一体となった帯状の更生材 ( かん合部材 ) をら旋状に製管し, 既設管きょとの隙間に間詰め材を充填させる工法である 使用材料には, 鋼材, 硬質塩化ビニル樹脂等, 空隙充填および更生管きょの固定のための間詰め材がある 各材料の特長等については, 建設技術審査証明 ( 公益財団法人日本下水道新技術機構 ) 等を参考とする 11 適用条件調査や構造評価の結果に基づき, 以下に示す適用範囲を考慮し工法を選定する (1) 既設管きょの管種, 管径および断面形状 (2) 施工延長 (3) 既設管きょの劣化状況 ( 段差やずれ, 曲がり, 継手の隙間, 浸入水や滞留水の有無 ) (4) 施工条件 (5) 施工現場の環境 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 更生材単独で自立できる強度を発揮するため, 強度計算上は既設管きょによる制限を受けないが, 既設管きょ内の限られたスペース内に更生管きょを構築するものであり, 厳しい施工条件下での施工となる したがって, 既設管きょの管種, 管径, 断面形状, 施工延長のほか, 上下流の人孔の形状, 施工可能な時間, 既設管きょの劣化状況や施工条件等を総合的に評価し, 施工の可否を判断する 各工法の評価項目については, 建設技術審査証明 ( 公益財団法人日本下水道新技術機構 ) 等の資料を参考に検討する (20)

35 第 3 節設計手順 設計条件 12 考慮する荷重状態自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の構造設計においては, 次の荷重状態を考慮する (1) 常時 (2) 地震時 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の構造設計では, 常時荷重, 地震時荷重等の外力を設定する 常時の構造設計では, 活荷重, 土圧等を考慮する 耐震計算で考慮する地震時の荷重は, 施設の重要度等により定める必要な耐震性能に応じ, 応答変位法に基づく地震時荷重を設定し照査する また, レベル2 地震動に対しては地震の液状化に伴う地盤の変状についても考慮する 13 常時の荷重自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に作用する常時の荷重は,JSWAS K-1,JSWAS K-2 に準拠し, 次の各項の荷重を考慮する (1) 土圧 (2) 活荷重 (3) 外水圧 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 更生材 ( かん合部材 ) が塩化ビニル管や強化プラスチック複合管と類似した可とう性管であることから,JSWAS K-1,JSWAS K-2 および JIS 等に準じた設計を行う このため, 自立管に作用する常時の荷重は,JSWAS K-1 および JSWAS K-2 に準拠し, 土荷重と活荷重による鉛直土圧および外水圧とする 土圧公式は, 地盤条件, 埋設条件等を考慮し採用する また, 周辺工事による地盤の乱れの影響等についても留意することが望ましい なお, 荷重計算にもちいる土被りは, 管きょ更生工法を適用する路線の土被り範囲を考慮し, 安全側の設計条件となるよう設定する また, 設計にもちいる土被りは, 更生管きょの管頂までとする また, 周辺工事の影響等についても留意することが望ましい (1) 土圧土荷重による鉛直土圧の算定は, 管上部の掘削の有無や, 推進工法等の非開削工法で既設管きょが施工されたか等の条件に応じた土圧公式による なお,JSAWS K-1,JSWAS K-2 の可とう性管では, 変形に伴う水平土圧 ( 受働 ) が考慮されているため, 自立管にもこれを適用する (21)

36 第 3 章設計 1) 管周辺の地盤が乱されていない場合管布設後数十年経過すると, 布設時の埋戻し土と周辺地盤とがなじみ, 管と地山が安定して, 鉛直土圧公式相当の大きな荷重がかからないことが想定される そのため, 管に作用する土圧の算定は, 自立管が長期にわたって受ける土荷重を想定して見込むことを原則とする 例えば, 水道, ガス, 電信 電話, 電力等の他事業による管上部の掘削が更生前後に予定されていない場合は, 管上部の土荷重に対して周辺地盤からの上向きの粘着力または摩擦力を見込むものとする 硬質塩化ビニル管に作用する鉛直土圧の算定は, 下水道用硬質塩化ビニル管 道路埋設指針平成 5 年 3 月 ( 財団法人国土開発技術研究センター ) では, 図 3-2に示す直土圧公式またはマーストン溝型公式をもちいている このマーストン溝型公式は, 可とう性管を対象とした式であり, ヤンセン公式のf( 埋戻し土の粘着力 ) をゼロとした場合と同様の鉛直土圧算定式となる したがって, 自立管に作用する鉛直土圧の算定は, 現場の土質状況等により決まるBd( 仮想掘削幅 ) および f( 埋戻し土の粘着力 ) を反映できるヤンセン公式を基本とする 図 3-3にヤンセン公式を示す なお, 仮想掘削幅は, 施工後時間が経過し地盤が安定しているとみなせる場合には更生管きょの外径としてもよいが, 現場条件も考慮して設定することが望ましい また, 埋め戻し土の粘着力を考慮することにより, 数式上では鉛直土圧の算定結果がマイナスとなることがあるため, その場合は粘着力をゼロとして算定する 鉛直土圧公式 鉛直土圧公式 (kn/mm 2 ) (kn/mm 2 ) ( 管周辺の地盤が乱されない場合 ) ( 管周辺の地盤が乱される場合 ) 図 3-2 鉛直土圧公式の適用例 ( ガイドライン p3-13 一部加筆 ) (22)

37 第 3 節設計手順 2) 管周辺の地盤が乱されている場合自立管の上部等で水道, ガス, 電信 電話, 電力等の他事業により管周辺の地盤が乱されている場合の鉛直土圧の算定は, 下水道用更質塩化ビニル管 道路埋設指針平成 5 年 3 月 ( 財団法人国土開発技術研究センター ) に準じた鉛直土圧公式をもちいる 土被りの適用の範囲は現場条件等を考慮して定める 図 3-4はその鉛直土圧公式である 土被りが 2.0m 未満の場合は鉛直土圧公式を,2.0m 以上の場合はヤンセン公式をもちいる ただし, 土被りが 2.0m 以上の場合でヤンセン公式で求めた鉛直土圧が,2.0m の鉛直土圧公式で求めた値より小さい場合は,2.0m の鉛直土圧公式で求めた値を採用する 3) 推進工法等で布設された既設管きょ推進工法等で布設された既設管きょを更生する場合の鉛直土圧の算定は, 一般的に開削工法の鉛直土圧算定式としてもちいるヤンセン公式および鉛直土圧公式の適用が過大であると考えられるので, 管布設時に採用した公式 ( テルツァギーの緩み土圧公式等 ) をもちいる なお, この場合であっても管周辺の地盤が乱されている場合の鉛直土圧の算定は,2) によることとする (23)

38 土の支持力Bd側第 3 章設計 ( ヤンセン公式説明図 ) q= γ B 2 ここに f 1 e / K μ H q : 土荷重による鉛直土圧 (kn/mm 2 ) Bc 粘着力摩擦力既設管きょ 更生管きょ γ : 土の単位体積重量 (kn/mm 3 ) B d : 仮想掘削溝幅 (mm)( 時間経過とともに地盤 が安定している場合は Bc としてもよい ) μ : 埋戻し土と側壁との摩擦係数 =tanφ φ : 埋戻し土の内部摩擦角 ( ) K : 埋戻し土の主働土圧係数 K= μ +1 μ μ +1+μ H : 土被り (mm)( 更生管きょの土被りとする ) f : 埋戻し土の粘着力 (kn/mm 2 ) : 管にかかる荷重 * 間詰め材の強度は見込まない 図 3-3 ヤンセン公式 ( ガイドライン p3-14 一部変更 ) ( 直土圧公式説明図 ) q=γ H ここに, q : 土荷重による鉛直土圧 (kn/mm 2 ) H γ : 土の単位体積重量 (kn/mm 3 ) H : 土被り (mm)( 更生管の土被りとする ) * 間詰め材の強度は見込まない 既設管きょ 更生管きょ B d : 管にかかる荷重 図 3-4 鉛直土圧公式 ( ガイドライン p3-14 一部変更 ) (24)

39 第 3 節設計手順 (2) 活荷重活荷重による鉛直土圧の算定は,JSWAS K-1 等に準じ, 式 (3 1) により計算する なお, 設計荷重 p(t 荷重, 後輪荷重 ) は, 道路橋示方書 同解説平成 29 年 11 月 ( 公益社団法人日本道路協会 ) に基づくものとする その他の荷重を考慮する場合は, 別途検討する p= 2 P (1+i) β C (a +2 H tanθ) (3 1) ここに, p : 活荷重による鉛直土圧 (kn/m 2 ) P : 後輪荷重 (kn)(t-25 の場合は 100kN) C : 車体占有幅 2.75(m) a : タイヤの接地長さ 0.20(m) H : 更生管きょの土被り (m) θ : 荷重の分散角 45 β : 低減係数 i : 衝撃係数 (Hによって下表の値をとる) H(m) H <H<6.5 H 6.5 i H 0 図 3-5 輪荷重の分布 (3) 外水圧 外水圧は, 地盤条件や地下水位の変動等を考慮して適切に設定する必要がある 特に更生管 きょが地下水位以下に設置される場合には, 断面設計にあたり水圧を考慮しなければならない (25)

40 第 3 章設計 14 地震時の荷重自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に作用する地震時の荷重は, 耐震設計手法の特性により地盤の変位が構造物に伝達され作用する荷重として考える 応答変位法で求めた地盤の水平振幅により管本体には水平荷重が伝達される 応答変位法で求める地盤の水平振幅は, 施設の重要度等に応じて, 次の各項について検討する (1) レベル1 地震動 (2) レベル2 地震動 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) に作用する地震時の荷重は, 耐震指針 に従い応答変位法によることを標準とし, 地盤の変位振幅が構造物に伝達され作用する荷重として考える また, 地震動のほか, 地盤の液状化に伴う地盤の変状についても外力として考慮する 15 材料定数の設定自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) により構築される自立管の常時の構造計算および耐震計算でもちいる材料の材料定数には, 次の各項目がある (1) スチール部材の耐力 (2) スチール部材の引張弾性係数 (3) 安全率 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の更生材料の設計にもちいる強度および弾性係数は, 8 要求性能に示される各種試験により得られる材料特性値を基準に, 品質のばらつき等の安全率を考慮し設計値を定める ただし, 工法によって試験値および設計値の考え方が様々であることから, 詳細検討ではそれら数値の取扱いや設計と施工管理での強度における相関性等について十分整理し, 更生管きょの計算に反映させることが重要である 試験により得た値は, 各工法別に建設技術審査証明に記載されているので参考されたい 安全率の考え方は, 本来, 構造物の重要度, 構造形式, 使用する材料の組成や製作工程, 計算手法, 試験方法等により異なるものであり, 各工法の特長を踏まえた値とするのが望ましい (26)

41 第 3 節設計手順 (1) スチール部材の耐力スチール部材の耐力は,JIS 等に規定されている材料を使用する場合は基準強度とし,JIS 等で規定されていない材料を使用する場合は, 金属材料引張試験 JIS Z 2241 に基づき試験を行い, 設計値を設定する (2) スチール部材の引張弾性係数 スチール部材の引張弾性係数は, 金属材料引張試験 JIS Z2241 の試験結果に基づき設計値を 設定する (3) 安全率スチール部材の許容応力度は, 基準強度を安全率で除した値とする 参考にSPR-SE 工法の安全率は 道路橋示方書鋼橋編平成 24 年 3 月 ( 社団法人日本道路協会 ) を参考に,1.7 を基本とする スチール部材の基準強度は 295MPa であり,1.7 で除すると許容応力度は 173.5MPa となる 16 許容たわみ率の設定 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の許容たわみ率は, 弾性領域内の値とする 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は可とう性管である 可とう性管の設計にあたっては, その変形が弾性領域内であることが必要である なお,SPR-SE 工法の許容たわみ率は,1.5% としている 17 補正係数の設定自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の埋設強度計算には, 以下に示す補正係数をもちいるものとする (1) 曲げ剛性補正係数 α: 曲げ剛性 EIを補正する係数で, たわみ率の計算にもちいる (2) 断面変形補正係数 β: 断面係数 zを補正する係数で, 曲げ応力度の計算にもちいる (3) 補正係数は, 偏平試験を実施してリング公式との対比により設定する 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の偏平試験を実施した結果, その偏平強さや試験時に発生する応 力が理論値 ( リング公式 ) と比べて差異が生じることがわかった この差異の原因は, 自立管製 (27)

42 第 3 章設計 管工法 ( ら旋巻管 ) が, 塩ビ管等の一般的な均一的な円筒管と異なり, ら旋構造であることやスチール部材が異形断面であること, ら旋管の長さが影響すること, 偏平時にら旋の角度が変わることによる曲げ剛性 EI やスチール断面の微小変形により断面係数が変化すること等によると考えられる 現状では, これらの詳細を明確に解明するには至っていないことから, 試験結果と理論値の差異を構造計算へ反映させるため, 強度計算には補正係数をもちいるものとした 本技術資料は, 想定する使用状態ではクリープ特性を有しないスチール部材を強度部材とした工法を対象としているため, 短期的な評価にて補正係数を設定しているが, クリープ特性を有する樹脂材料を強度部材とする工法を検討する際には, 長期的な特性も考慮した上での検討が別途必要である 表 3-1 管構造と材料断面 均一円筒管 JSWAS K-1,K-2 ら旋構造 自立管製管工法 管構造 一様断面異形断面 1 材料断面 1 SPR-SE 工法の場合の材料断面である (28)

43 第 3 節設計手順 (1) 曲げ剛性補正係数 α たわみ率の計算において, 曲げ剛性を低下させ, 発生するたわみ率を実態に合わせて補正する 表 3-2 には曲げ剛性補正係数の強度計算への適用例を示す 表 3-2 曲げ剛性補正係数 α JSWAS K-1,K-2 δ=(k q+k p) r EI 自立管製管工法 r δ=(k q+k p) EI =(K q+k p) r αei V= δ 2r 100 V= δ 2r 100 たわみ率の 計算 ここに, δ : 土荷重と活荷重によるたわみ量の和 (mm) K 1 : 土荷重による鉛直方向のたわみ係数 K 2 : 活荷重による鉛直方向のたわみ係数 q : 土荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) p : 活荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) r : 管厚の中心半径 =スチール部材の中立軸半径 (mm) α : 曲げ剛性補正係数 EI : 管長 1mm当たりの設計曲げ剛性 (N mm 2 ) EI : 補正後の管長 1mm当たりの曲げ剛性 (N mm 2 ) V : たわみ率 (%) (29)

44 (2) 断面変形補正係数 β 曲げ応力度の計算において, 断面係数を低下させ, 応力度を実態に合わせて補正する 表 3-3に断面変形補正係数の強度計算への適用例を示す なお, この適用例はスチール部材の断面形状がSPR-SE 工法の場合の検討であり, 他の断面形状となる場合には別途検討が必要である 表 3-3 断面変形補正係数 β JSWAS K-1,K-2 M=(k q+k p) r σ= M z 自立管製管工法 M=(k q+k p) r σ= M z = M z/β 応力の計算 ここに,M : 土荷重と活荷重による曲げモーメントの和 (N mm) σ : 曲げ応力 (N/mm 2 ) k 1 k 2 : 土荷重による曲げモーメント係数 : 活荷重による曲げモーメント係数 q : 土荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) p : 活荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) r : 管厚の中心半径 =スチール部材中立軸半径 (mm) β : 断面変形補正係数 z : 管長 1mm当たりの断面係数 (mm 3 ) z : 補正後の管長 1mm当たりの断面係数 (mm 3 ) 断面の照査は, 上記, 補正係数 (α,β) をもちいた強度計算の結果から, たわみ率および応 力度が許容値以内であることを確認することにより行う (3) について補正係数 (α,β) は, 偏平試験と理論値 ( リング公式 ) との差異を補正するものであるため, 補正係数を定めるにあたっては偏平試験を実施し, 理論値と対比することにより決定する また, 偏平試験は, 補正係数がそれぞれ安全側に設定できるような供試管をもちいて行う 1) 曲げ剛性補正係数 αについて更生管きょの偏平試験を実施し, 実測の偏平強さとリング公式に基づく設計荷重との対比により曲げ剛性補正係数 αを求める なお, 求めた値は少数第 2 位以下の整数を切り捨てた値とする 以下に, 曲げ剛性補正係数 αの算出フローを示す (30)

45 第 3 節設計手順 更生管きょの偏平試験リング公式 ( 相対する 2 点集中荷重 ) 実測偏平強さ F 1 実測たわみ量 δ 1 の計測 F = EI δ R 曲げ剛性補正係数 α の算出 α= F F = F EI δ R ここに, α : 曲げ剛性補正係数 F 1 : 実測の偏平強さ (kn) F 0 : 理論上の偏平強さ (kn) δ 1 : 実測のたわみ量 (mm) EI : 管長さ1mm当たりの設計曲げ剛性 (N mm 2 ) R : 中立軸半径 (mm) 2) 断面変形補正係数 βについてあらかじめスチール部材にひずみゲージを貼りつけた更生管きょの偏平試験を実施し, 計測したひずみから求また応力度とリング公式から求められる応力度との対比により断面変形補正係数 βを求める なお, 求めた値は小数第 2 位以下の端数を切り上げた値とする 以下に, 断面変形補正係数 βの算出フローを示す 更生管きょの偏平試験リング公式 ( 相対する 2 点集中荷重 ) 実測偏平強さ F 1 スチール部材の実測ひずみ ε 1 の計測 M = F R σ = M z 断面変形補正係数 β の算出 β= z z = M/z M/z = σ σ = E ε E ε = M F R z z ここに, β : 断面変形補正係数 E : スチール部材の弾性係数 (N/mm 2 ) ε 1 : スチール部材に発生する実測ひずみ F 1 : 実測の偏平強さ (N/mm=kN/m) R : 中立軸半径 (mm) z 0 : 管長 1mm当たりのスチール部材の理論上の断面係数 (mm 3 ) (31)

46 常時の構造計算 18 照査項目および照査方法自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 常時荷重, 地震時荷重に対して必要な安全性を確保するため, 既設管きょの損傷状況, 更生管きょの要求性能, 工法の特性等を考慮し設計する 照査すべき項目と照査方法は, 次の各項とする (1) 常時の構造設計は,JSWAS K-1,JSWAS K-2 と同様の計算手法をもちいて行い, 自立管の必要強度を算定する (2) 耐震設計を 耐震指針 および 耐震計算例 に記述の 差し込み継手管きょ ( 管軸方向 ) および JSWAS K-2( 鉛直断面方向 ) と同様の計算手法をもちいて行い, 自立管の地震時耐力を照査する (3) 更生後の管の流下能力を流量計算により照査する 解説 (1) 常時の構造設計常時の構造設計についての照査項目および照査方法については, 次の項に示す 19 常時の構造設計の考え方 20 常時の構造計算 (2) 耐震設計地震時の耐震計算についての照査項目および照査方法については, 次の項に示す 21 耐震設計の考え方 22 耐震設計の検討項目 計算手法 23 管軸方向の耐震性能確認のために行う実験の方法 (3) 流下能力流下能力の照査項目および照査方法については, 次の項に示す 24 流下能力の照査また, 常時の構造設計, 耐震設計の計算例を資料編 5. 工法の構造計算例 ( 常時 地震時 ) に示す (32)

47 第 4 節常時の構造計算 19 常時の構造設計の考え方自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) については, 既設管きょの耐荷性能を見込まず, 外力に対して破壊や所定のたわみを生じない構造とすることから,JSWAS K-1,JSWAS K-2 と同様に可とう性管として構造計算 ( 埋設強度計算 ) を行う 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 既設管きょの耐荷能力を見込まず, 自ら外力に対して破壊や所定のたわみを生じない構造を基本とする工法である したがって, このような特長を考慮した構造設計手法を採用する 構造設計は主に構造計算 ( 埋設強度計算 ) により行い,JSWAS K-1,JSWAS K-2 に示される強度計算式に補正係数をもちいて, 曲げ応力度およびたわみ率の計算結果に基づいて, 安全であることを確認する 20 常時の構造計算次の各項による計算を行い, 管体に発生する曲げ応力度およびたわみ率がいずれも許容値を満足することを確認する その際には工法ごとに規格化された使用区分について十分留意する (1) 曲げ応力度 (2) たわみ率 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の場合は強度を負担する部材はスチール部材のみとして考えるため, 設計にはスチール部材の強度と弾性率を使用する 更生材に使用している塩化ビニル樹脂およびスチール部材は, 硬質塩化ビニル管や強化プラスチック複合管と同様に可とう性があることから,JSWAS K-1 および JSWAS K-2 に準じて, 13 常時の荷重に基づき応力度およびたわみ率を算出し, 許容値を満足することを確認する 算定式は, 次の式 (3 2) および式 (3 3) に示すとおりである (33)

48 (1) 曲げ応力度の算定土荷重と活荷重の鉛直荷重により, 管頂と管底に発生する曲げモーメントおよび曲げ応力は式 (3 2) で求める 土荷重および活荷重により, 管頂と管底に発生する曲げモーメントおよび曲げ応力は下式で求める M=(k q+k p) r z = z β σ = M z (3 2) ここに, M : 管長 1mm 当たりの土荷重と活荷重による曲げモーメントの和 (N mm) k 1 : 土荷重による曲げモーメント係数 ( 表 3-1) k 2 : 活荷重による曲げモーメント係数 ( 表 3-1) q : 土荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) p : 活荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) r : スチール部材中立軸半径 (mm) σ : スチール部材の曲げ応力 (N/mm 2 ) β : 断面変形補正係数 z : 管長 1mm 当たりのスチール部材の断面係数 (mm 3 ) z : zを補正した管長 1mm 当たりのスチール部材の断面係数 (mm 3 ) (34)

49 第 4 節常時の構造計算 (2) たわみ率の算定 土荷重と活荷重の鉛直荷重により発生する鉛直方向のたわみ量およびたわみ率は式 (3 3) で求める δ=(k q+k p) r EI =α EI EI V= δ 100 (3 3) 2γ ここに, δ : 土荷重と活荷重によるたわみ量の和 (mm) K 1 : 土荷重による鉛直方向のたわみ係数 ( 表 3-4) K 2 : 活荷重による鉛直方向のたわみ係数 ( 表 3-4) q : 土荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) p : 活荷重による鉛直土圧 (N/mm 2 =10 3 kn/m 2 ) r : スチール部材中立軸半径 (mm) α : 曲げ剛性補正係数 EI : 設計曲げ剛性 (N mm 2 ) EI : 補正後の曲げ剛性 (N mm 2 ) V : たわみ率 (%) 自立管の設計にもちいる有効支承角は, ガイドライン に従い,120 ( 施工支承角 360 ) とする したがって,JSWAS K-1 より, 上記強度計算にもちいる各種係数は表 3-4のとおりとなる なお, 算定例については, 資料編 5. 工法の構造計算例 ( 常時 地震時 ) を参照されたい 表 3-4 各種係数 曲げモーメント係数 たわみ係数 管頂 管底 k k k k K K (35)

50 耐震設計 21 耐震設計の考え方 (1) 前提条件 1) 管軸方向管軸方向は差し込み継手と同様の柔軟な構造特性を有する 2) 鉛直断面方向鉛直断面方向の強度照査は, 強化プラスチック複合管 (JSWAS K-2) に準じる (2) 保持すべき耐震性能 耐震指針 において, 管路施設は 特に重要な幹線等, 重要な幹線等, その他の管路 に区分され, 特に重要な幹線等, 重要な幹線等 については L1 および L2 地震動に, その他の管路については L1 地震動に対し, 耐震設計を行うこととしている 1)L1 地震動 : 設計流下能力を確保管きょの断面が確保され, 更生管きょの断面に損傷がなく, 設計流下量を遅延なく流下することができる状態を確保する 2)L2 地震動 : 流下機能を確保管きょ断面は変形し設計流下能力を確保できないが, 更生管きょの管体に破断等に伴う土砂等の侵入がなく, 布設替等の対策を講じるまでの間は下水を流下できる状態を確保する (3) 計算方法耐震計算は, 応答変位法によることを標準とする なお, 耐震実験により耐震性能を確認してもよい 解説 耐震設計は, 耐震指針 および 耐震計算例 に従い行うことを基本とする (1) 前提条件 ガイドライン では, 自立管本体の耐震設計において, 小口径管 ( 既設管きょの呼び径 800mm 未満 ) については管軸方向について行うこととし, 中大口径管については, 個別に検討するとされ, 反転工法および形成工法 で更生された管路では, マンホール間の1スパンで継手のない一体的な構造の更生管きょが形成されることから, 自立管の耐震計算は, 一体構造管きょ ( 硬質塩化ビニル管 ( 接着接合管路 )) として検討を行うとされている すなわち, ガイドライン は, 反転工法および形成工法 で施工された既設管呼び径 800mm 未満の自立管の耐震設計手法についての指針であり, 製管工法による自立管および既設管呼び径 800mm 以上の大口径自立管に関する公的な耐震設計基準は現時点では存在しない したがって, 本技術資料は個別検討の範囲となることから, 既設管の耐荷力に依存しない (36)

51 第 5 節耐震設計 自立管と同様の考え方を基本とした呼び径 800mm 以上を含む自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の耐震設計は, 工法の構造特性を反映して以下の考え方によるものとした すなわち, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の耐震設計は, その構造特性より 差し込み継手管きょ ( 強化プラスチック複合管 ) と同様の構造形式と考えた その理由は以下のとおりである 本工法は自立管であるが, 図 3-6に示すように, 管軸方向については, かん合機構が連続したフレキシブルな構造であり, 複合管の製管工法と同様に管軸方向に対して, 差し込み継手と同様の柔軟な構造特性を有している また, 鉛直断面方向については, たわむことによって外力に抵抗する構造となる 可とう性管 であり, 同じ大口径の可とう性管である強化プラスチック複合管 (JSWAS K-2) と同様の構造特性を有している 外面 ( 既設管側 ) かん合部 ( 柔軟な構造 ) 内面 図 3-6 更生管の断面図 (2) 保持すべき耐震性能 耐震指針 では, 管路施設については, 耐震性確保の費用対効果を考慮し, 重要な幹線等 ( 以下, 特に重要な幹線等 を含む) と その他の管路 に区分して, 設計地震動に応じてそれぞれに要求される耐震性能を考慮した耐震設計を行うこととしている 重要な幹線等 と その他の管路 の区分の詳細については, 耐震指針 を参照されたい (3) 計算方法 1) 応答変位法の採用耐震計算は, 常時の構造計算 ( 20 常時の構造計算参照 ) で, 適切に設定した更生管きょの断面を照査し, 安全性を確認するという位置づけで, 耐震指針 に準拠して応答変位法をもちいて行うこととした 2) 解析手法原則として, 耐震指針 による解析手法を適用するが, それが適用できないと判断された場合には, 実験等により耐震性能を確認することもできる 実験方法は, 23 管軸方向の耐震性能確認のために行う実験の方法を参照されたい (37)

52 22 耐震設計の検討項目 計算手法耐震設計は以下の管径ごとに分けて行う (1) 既設管きょの呼び径 φ800mm 未満鉛直断面の強度の検討については省略できることとする 管軸方向については,L1 地震動および L2 地震動に対して表面部材等の管きょと管きょの継手部の検討を行う (2) 既設管きょの呼び径 φ800mm 以上 φ1000mm 未満過去の被害事例では, 鉛直断面方向および管軸方向の両方にクラックの発生が見られることから,L1 地震動および L2 地震動に対して, 管きょと管きょの継手部, 鉛直断面の強度の検討を行う (3) 既設管きょの呼び径 φ1000mm 以上管きょと管きょの継手部の検討については省略できることとし,L1 地震動および L2 地震動に対して鉛直断面の強度の検討を行う 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の耐震設計は, 耐震指針 における 差し込み継手管きょ ( 強化プラスチック複合管 ) 等の考え方に従い耐震設計を行うことを基本とする 具体的には, 表 3-5に示すように, 管きょの耐震設計は,a. マンホールと管きょの接続部, b. 管きょと管きょの継手部,c. 管の鉛直断面,d. 管軸方向の強度,e. 傾斜地 ( 傾斜地盤 ),f. 地盤の硬軟急変化 急曲線,g. 液状化の判定,h. 液状化地盤の場合の検証について行うことを基本とする ( 検討項目の記号は表 3-5 参照 ) これらのうちマンホールと管きょの接続部, 管きょと管きょの継手部について, 次のように考える L1 地震動については, 管の有効長を基準に, 地震動, 地盤の硬軟, 地盤の急変部等による屈曲角および抜け出し量を検討する このときの照査値 ( 使用限界状態 ) は, メーカー, 工法協会等が公表する値および施設管理者が設定する値 ( 例えば, 調査結果に基づく既存の抜出し量を考慮する ) 等を必要に応じて適切に設定する L2 地震動については, 管の有効長を基準に, 地震動, 地盤の硬軟, 地盤の急変部等に加え, 地盤の液状化 ( 永久ひずみ, 地盤沈下 ), 傾斜地 ( 永久ひずみ ) による屈曲角および抜出し量を検討する このときの照査値 ( 終局限界状態 ) は, 審査証明等に記載のメーカー, 工法協会等が公表する値等を必要に応じて適切に設定する (38)

53 第 5 節耐震設計 重要な幹線等については, 以下の方法により検討する その他の管路は, 表 3-5 に示された 項目について重要な幹線等に準じて検討する a. マンホールと管きょの接続部マンホールと管きょの接続部における屈曲角および抜出し量への対策については, 管きょのマンホール内への突出しの程度も総合的に勘案し, マンホールと管きょの接続部をフレキシブルな構造とすることを基本とする ただし, 所要の対策は施設ごとに異なることから, その施設の重要度, マンホール内および周辺の状況等の条件を総合的に勘案し, 適切な対策を選定し講じることとする b. 管きょと管きょの継手部既設管きょの継手部は, 屈曲角と抜出し量を照査する 既設管の有効長を単位とし, 鉛直断面方向の地盤の変位振幅等により求めた地盤の永久ひずみと回転角を算定し, 許容値と照査する 更生後の充填材や表面部材等の接合部の変形現象は, 既設管きょの継手部の直下で生じたことが過去の震災実績から知られている そのため, 実験により既設管きょの継手部直下の表面部材等が外れないことを事前に確認することが望ましい あわせて, 埋設条件が, 表面部材の耐水圧条件以内であることを確認する L2 地震動に対しては構造上の破壊をせず下水の流下機能を確保できればよい このため, 継手直下のモルタル等の充填部材の一部にリング状のクラック等の破損が生じても, 管きょ内の表面部材のかん合が外れず, 設計上必要な水密性が確保できることを確認しておけば, 既設の管きょと管きょの継手部の屈曲角と抜出し量の検討を省略できる 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 差し込み継手と同様の構造特性を有することから, 同じ構造である複合管の製管工法に準じ, 管きょと管きょの継手部の検討を行う c. 鉛直断面の強度管きょの管軸方向クラックは, 地震動によるせん断ひずみが主たる原因である このため, 耐震設計における管きょの鉛直断面の検討は, 常時の固定荷重とは別に, 地震時に生じる地盤の深さ方向の相対変位等の荷重 ( 14 地震時の荷重参照 ) を適切に外力に変換して, 断面力を求めて耐震計算を行う 管体応力は, 地震時の固定荷重と鉛直断面方向の地盤の変位振幅から求めた地震時荷重を設定して, 断面力を算出し照査する 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 同様の構造特性である強化プラスチック複合管に準じて発生する応力度を照査する d. 管軸方向の強度 耐震指針 の 管路施設の耐震設計上の構造分類 ( 表 耐震計算マトリックス表 (1),(2)) の差し込み継手管きょの考え方では, 硬質塩化ビニル管 ( ゴム輪接合管路 ) を除く鉄筋コンクリート管および陶管等は, 管軸方向の強度の照査を省略できることとしている これに基づき, ガイドライン では円形管を対象とした複合管は差し込み継手として取り扱うので, 口径に関係なく管軸方向の強度照査を省略できることとしている 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 管軸方向に対して, 複合管と同様の構造特性を有していることから, 製管工法 ( 複合管 ) に準じ, 管軸方向の強度照査について管径に関係なく省略で (39)

54 きることとする e. 傾斜地 ( 傾斜地盤 ) 地盤の永久ひずみ量から抜出し量を算定する 対象地盤は, 谷の埋め盛土のような人工改変地盤において, 地震時の斜面安定に懸念がある場合を対象とする f. 地盤の硬軟急変化 急曲線等推進工法における急曲線部では, マンホールと管きょとの接続部, 管きょと管きょの継手部について, 急曲線施工時の目開き量を考慮した上で, 地震動による抜出し量を検討する必要がある 地盤の永久ひずみ量を抜出し量に換算し照査する 急曲線ではあらかじめ曲線施工による抜出し量を考慮する 開削工法で施工された既設管きょについては, 掘削断面が埋戻し材に置換されているため, 原則として地盤の硬軟や地盤の急変部の検討は省略できる g. 液状化の判定 (FL 値 ) 対象となる地盤において, 液状化が懸念される土層の場合は, 液状化の判定 (FL 値の算出 ) を行い, その影響を把握する必要がある ここで, 液状化が懸念される土層は, 道路橋示方書 同解説 V 耐震設計編平成 24 年 3 月 ( 社団法人日本道路協会 ) の8 章の液状化の判定を行う必要がある土層を参照する h. 液状化地盤の場合 a. と同様にマンホールと管きょの接続部をフレキシブルな構造とすることを基本とする 液状化による地盤の永久ひずみ量から抜出し量を算定する際に, 護岸や岸壁が耐震補強されている場合は照査の必要はない 同様に液状化に伴う地盤沈下量に応じて生じるマンホール間の総沈下量は, 既設管きょ 1 本当たりに換算し, 屈曲角および抜出し量を算定する 管径ごとの検討項目については, ガイドライン では, 図 3-7 管きょに作用するひずみKと波長 Lとの関係 を示し, 管径が小さいほどグラフの傾きは急になり, つまり同じ地盤 ( 同じ波長 ) の場合, 管径が小さいほどひずみが大きい これは管径が小さいほど管軸方向のひずみが支配的になることを意味する すなわち, 比較的小口径の管きょであれば, 管軸方向の変位 ( 屈曲角, 抜き出し量 ) を重視すべきである としている また, 過去の被害事例 図 3-8 兵庫県南部地震の管径別クラック被害の傾向 からも, 管径が大きいほど, 鉛直断面方向の外力によって発生する管軸方向のクラックの割合が大きくなり, 管径が小さいほど, 管軸方向の外力によって発生する円周方向のクラックの割合が大きくなる 現時点では, 更生管きょの変形や挙動について科学的に検証された事例がなく, 図 3-7のデータも今後, 蓄積されることが望まれるが, 当面の耐震計算手法は, 管径に応じて鉛直断面の検討, または, 管軸方向の検討 (b. 管きょと管きょの継手部の検証 ) を省略できることとした としている これらのことから, 管径ごとの検討項目は以下のとおりとした (1) 既設管きょの呼び径 φ800mm 未満について 前述のとおり, 本工法は 差し込み継手管きょ として取り扱うため, ガイドライン の自立 (40)

55 第 5 節耐震設計 管に要求される d. 管軸方向の強度 の検討は省略する 理由は, ガイドライン p3-54, 円形管を対象とする複合管は差し込み継手管きょとして取り扱うため, 口径に関係なく,d. 管軸方向の検討は不要である との記述による ただし, 差し込み継手管きょ として取り扱うので, b. 管きょと管きょの継手部の検討 を行う なお, 管きょと管きょの継手部の検討における, 抜け出し量および屈曲角の許容値は, 抜け出し試験および曲げ試験の結果から設定する (2) 既設管きょの呼び径 φ800mm 以上 φ1000mm 未満について ガイドライン では, 自立管本体の耐震設計において, 中大口径管については, 個別に検討する となっている 呼び径 φ800mm 以上 φ1000mm 未満の管きょについては, b. 管きょと管きょの継手部 の検討を行うが, 過去の被害事例より, 口径が大きくなると管軸方向のクラックが大きくなることがわかっている したがって,φ800mm 以上については, b. 管きょと管きょの継手部の検討 に加えて, c. 鉛直断面の強度 についても検討することとした (3) 既設管きょの呼び径 φ1000mm 以上について過去の被害事例より, 管径が大きくなると管軸方向のクラックが大きくなる一方で, 管径が小さい場合は管軸方向の外力によって発生する円周方向のクラック割合が大きくなることがわかっている このため, 呼び径 φ1000mm 以上については, b. 管きょと管きょの継手部の検討 を省略し, c. 鉛直断面の強度の検討 を行うこととした (41)

56 ひずみ比 K=( 軸ひずみ / 曲げひずみ ) K=( 軸ひずみ / 曲げひずみ ) と横波の波長との関係 φ250 φ300 φ450 φ600 φ700 φ800 φ1000 φ1200 φ1800 φ2400 φ3000 φ10000 理論式 1 L K = 式 ( 参考 )4.1.1 π D n ここに,D: 管の外径 (m) L:S 波の速度 (m/s) n:p 波と S 波の速度比 (=Lp/Ls=3 のとき ) K:( 軸ひずみ / 曲げひずみ ) 横波の波長 (Ls=Vs Ts) 図 3-7 管きょに作用するひずみ比 K と波長 L の関係 出典 : ガイドライン p % 80% 60% 40% 円周方向クラック管軸方向クラッククラック破損閉塞浸入水その他 20% 0% 合計 0~ 300~ 400~ 500~ 600~ 800~ 1000~ 不明管径 (mm) 円周ならびに管軸方向クラックの比率が約 60% 大口径管きょほど管軸方向クラック比率が支配的となる( すなわち横断面方向挙動の検討が需要となる ) 図 3-8 兵庫県南部地震の管径別クラック被害の傾向 ( 阪神 淡路大震災での下水道管きょ被害実績資料 ) 出典 : ガイドライン p3-55 (42)

57 第 5 節耐震設計 表 3-5 更生工法における耐震検討項目の一覧表 検討項目 a. マンホールと管きょの接続部 構造形式 ( 地震動による ) 更生工法 ( 自立管 ) ( 円形管 : 小口径管を対象 ) 中大口径は個別検討 Φ(mm) <800 更生工法 ( 自立管製管工法 ( ら旋巻管 )) ( 円形管 ) 800 Φ(mm) <1000 L1 L2 L1 L2 L1 L2 L1 L2 L1 L2 L1 L2 2 2 屈曲角 抜出し量 Φ(mm) L1 L2 備考備考 Φ(mm) < Φ(mm) <1000 参考 更生工法 ( 複合管 ) ( 円形管 ) 1000 Φ(mm) 備考 2 b. 管きょと管きょの継手部 ( 地震動による ) 屈曲角 管軸方向の構造特性は複合管と同様であり, 管軸方向の応力照査は省略できる かん合部が外れないこと, 水密性が保たれることの確認を行う 方法はガイドライン P 抜出し試験及び曲げ試験 に基づく 大口径 (1000 Φ) は過去の被害事例から検討を省略できる L1: 既設管きょと管きょの継手部, L1 L2: かん合部材間の継手部 抜出し量 同上 耐荷力 重要な幹線等 c. 鉛直断面の強度 d. 管軸方向の強度 応力度 / 耐力 応力度 小口径 (Φ<800) については, 過去の被害事例から検討を省略できる 中大口径 (800 Φ) については, 本工法と同じく大口径たわみ性管である強化プラスチック複合管 (JSWAS K-2) の照査方法に準ずる 管軸方向の構造特性は複合管と同様であり, 管軸方向の応力照査は省略できる かん合部が外れないこと, 水密性が保たれることの確認を行う e. 傾斜地 ( 傾斜地盤 ) ( 永久ひずみによる ) 抜出し量 斜面の安定性に懸念がある場合マンホールと管の接続部は別途検討 斜面の安定性に懸念がある場合マンホールと管の接続部は別途検討 斜面の安定性に懸念がある場合マンホールと管の接続部は別途検討 f. 地盤の硬軟急変化 急曲線等抜出し量 , , 4 g. 液状化の判定 (FL 値 ) ( 永久ひずみによる ) h. 液状化地盤の場合 (FL 1.0) ( 地盤沈下による ) 屈曲角 抜出し量 屈曲角 抜出し量 屈曲角 a. マンホールと管きょの接続部 ( 地震動による ) 抜出し量 その他の管路 b. 管きょと管きょの継手部 ( 地震動による ) c. 鉛直断面の強度 d. 管軸方向の強度 既設管きょと管きょの継手部, かん合部 屈曲角 材間の継手部 抜出し量 耐荷力応力度 / 耐力応力度 既設管きょと管きょの継手部, かん合部材間の継手部 e. 傾斜地 ( 傾斜地盤 ) ( 永久ひずみによる ) 抜出し量 f. 地盤の硬軟急変化 急曲線等抜出し量 g. 液状化の判定 (FL 値 ) 凡例 : 強度計算により安全性を確保 1 レベル 1 地震動に対する照査値 ( 使用限界 ) のうち, 屈曲角, 抜出量は耐震実験等で確認され, 公的審査証明機関による技術審査証明等で公表されていない : 条件に応じて検討を実施 2 接続部をフレキシブルな構造等とする, 弾性シール材の活用等による対応も可能 : フレキシブルな構造等により安全性を確保 3 開削工で施工された既設管の場合は, 掘削断面が埋戻し材に置換されているため, 原則として地盤の硬軟急変部の検討は省略 4 更生工法で急曲線の施工が困難なため, 原則として急曲線の影響の検討は省略 5 一定の適用条件を満足する場合は,Φ(mm)<800 の a と b は省略できる 6 表面部材のかん合が外れず, 設計上必要な水密性が確保できる場合は省略できる (43)

58 23 管軸方向の耐震性能の実験による照査方法継手部の耐震性能は実験結果をもちいて照査することができる このとき, 現場条件が実験条件の範囲内にあることを確認する (1) 表面部材等の継手部の照査は, 永久ひずみ (1.5%) による抜出し量に対して, かん合等が外れないこと, 水密性を保つことを確認する (2) 液状化による地盤沈下に対する表面部材等の継手部の照査は, スパン長 30m 1 に対する沈下量 30cm 2 を想定した変形に対しかん合等が外れないこと, 水密性を保つことを確認する 1 平均的なスパン延長として 30m を想定 2 兵庫県南部地震における実績を考慮 解説 管きょの差し込み継手のずれは, 液状化地盤や非液状化の傾斜地盤の永久ひずみおよび地震動による引張力, また, 地盤の沈下に伴うたるみによっても生じる さらに, 地震動によって継手が密着され, 屈曲できない状態で繰返し曲げを受けると, 管きょに管周方向クラックが発生するおそれがある このため, 管きょの継手部は, 屈曲角や抜出しの検討を行い, 抜け出しによる離脱防止を図るとともに, 曲げが生じても継手部で屈曲可能な構造とすることを基本としている この耐震性能は, 更生後の管きょでも確保される必要がある 耐震計算を行わずに耐震実験で耐震性能を確認するためには, 想定される最も厳しい条件で, 再現可能な実験方法により行うことが妥当である 差し込み継手管きょの耐震計算において, 継手部の抜出し量の照査で最も厳しい条件となるのは地盤の永久ひずみである そこで, 水平方向においては管の有効長と永久ひずみ (1.5%) により, 継手部の開きを与え, 表面部材等のかん合が外れず, 水密性が確保されることを確認する ここに, 水密性の確認は,JSWAS A-1 に準じ, 0.1MPa の水圧を3 分間保持しても漏水や圧力変動がないことを確認する さらに, 厳しい条件として, 永久ひずみと同時に地盤沈下の条件を与え, これに伴う変形でかん合等が外れないないこと, 水密性を保つことを確認する このときの条件は, 平均的な1スパン延長 (30m) に, 兵庫県南部地震における実績で最大の沈下量である 30cm を与えて, 管きょと管きょの継手部に変形を与えることとした なお, 屈曲角は, 既設管の有効長により異なるので, 適用にあたっては留意する必要がある (44)

59 第 5 節耐震設計 油圧ジャッキ 更生管きょ 押さえ治具 更生管きょ ジャッキ 曲げ角度 押さえ治具 図 3-9 抜出し試験方法および曲げ試験方法 ( 例 ) (45)

60 流下能力 24 流下能力の照査管路内調査, 測量等の結果に基づき, 管きょ更生工法適用後の管きょの流下能力を照査する 照査には, 計画水量の流下能力を有することを基本とするが, 流下能力の評価で設定した検討対象の流量を満足しているかを照査する 解説 構造計算等により定めた更生径による断面の縮小等を考慮し, 更生後の流下能力を計算する 更生管きょは, 既設管きょに比べて流下断面が縮小することから, 水理試験等の流下能力試験から粗度係数を測定し水理計算等を行い, 計画流量を上回ることを確認する必要がある 水理試験では粗度係数の統一的な測定試験方法が確立されていないが, 一般的には測定対象管きょに一定流量を流下させて, 流速または動水勾配線等を測定して粗度係数を算出する方法が採られている ここでは, 建設技術審査証明 ( 公益財団法人日本下水道新技術機構 ) に記載された参考資料や, 個別に提出される流下能力の試験結果報告書による内容を確認することでもよい (46)

61 第 1 節施工計画 第 4 章施 工 施工計画 25 施工計画書および実施工程表 工事着手前に, 工事目的物を完成するために必要な手順や, 工法等を記載した施工計画書および実施工程表を作成する 解説 施工計画書には, 次の事項を記載する (1) 施工計画書に定める事項施工計画書には, 仕様を確保するための手法や材料特性等の内容を記載する なお, 材料の品質は, 公的認証機関等による審査証明によるほか, 発注者の認めた一般財団法人等を含む公的機関や ISO/IEC 認証試験所による品質証明で確認が可能である場合は, 当該機関の品質証明書の添付によって, これに代えることができる 施工計画書に記載すべき具体的な事項については, ガイドライン p4-4を参照されたい (2) 職務分担および緊急時の連絡体制職務分担および緊急時の連絡体制については以下の事項を確認する 1) 主任技術者および監理技術者 2) 施工技術者 3) 職務分担 4) 緊急連絡体制上記に対する具体的な内容については, ガイドライン p4-5~4-6を参照する (3) 実施工程表実施工程表は, 特記仕様書および設計図書の内容を勘案し, 市民の生活や交通に支障をきたさないように,1 サイクルで施工可能な適切な工事範囲であることを確認し, これに必要な作業時間, 養生時間等に基づき作成する 管きょ更生工事において, 施工時間の制約となる主な条件は, 1 交通管理者の道路使用許可時間,2 作業帯の設置および撤去時間,3 本管上流および取付管からの流入水の止水可能時間等である 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は, 施工を途中で中断することが比較的容易であるが, 準備や後片付け等に必要となる最低限の時間について把握しておく必要がある また, 下水供用下での施工が可能であるが, 流量や流速に条件があるため工法ごとの適用範囲を確認する (47)

62 26 準備工準備工は以下の各項目について行う (1) 現地調査 (2) 仮排水工 解説 (1) 現地調査施工に先立ち, 施工現場周辺およびマンホール内の実測, 目視またはTVカメラ調査による既設管きょの調査を行う 調査項目とその内容および目的は表 4-1に示すとおりである 表 4-1 施工前の現場実測および既設管きょの調査項目 調査項目既設管きょの管種および管径管体の延長マンホールの形状および寸法マンホール内ステップ等の位置晴天時の水位および流速施工箇所より上流の状況硫化水素等の有毒ガスの濃度施工現場周辺の地上状況本管内の突起物や障害物浸入水の有無段差, 曲がりの有無と程度クラック 腐食の程度取付管の位置および状態試走管の挿通 内容および目的更生管径の決定更生材料量の決定製管機の搬入と搬出および設置の可否事前処理の必要性の検討同上水替えの必要性の検討ビルピット等の流量増の要因の有無換気および硫化水素等の除去の検討施工帯設置の検討事前処理の必要性の有無更生管径の決定事前の止水処理の必要性の有無製管の可否および更生管径の決定同上取付管の削孔時の資料更生管径の決定 また, これらの調査結果を整理して表 4-2に示すような 調査記録表 を作成し, 更生管径の決定や施工計画, 安全対策の立案等の資料とする 試走管挿通の調査は, 作業員が入坑できない小口径管において, 既設管きょ内を通過できることを確認するために, 必要に応じて, 更生管きょが曲がりや段差等の重複を調査する 現場での実測および管きょの調査によって決定した更生管の径, 取付管の数, 既設管きょの状況が設計と異なる場合は発注者と協議を行う (48)

63 第 1 節施工計画 表 4-2 調査記録表 ( 例 ) 所轄 建設事務所 調査場所 区 二丁目路線 No. RB120 調査年月日 平成 26 年 4 月 28 日 上流人孔人孔種別人孔深人孔蓋種別既設管管種既設管径路線延長管渠延長人孔蓋種別人孔深人孔種別上流人孔 51 内径 900 mm 1.90 m 口径 600 mm 鉄筋コンクリート管 φ 500 mm m m 口径 600 mm 2.62 m 内径 900 mm 55 既 Rno. 人孔内径 900 mm 1.92 m 口径 600 mm 鉄筋コンクリート管 φ 480 mm m m 口径 600 mm 2.83 m 内径 1200 mm 既 Rno. 人孔 たるみ ( 約 5cm) 土砂あり (28.40~34.20m) 人孔構造図 骨材露出 目地破損 T-2 T-3 F-2 侵入水 管ずれ ( 約 2cm) (48.55m) φ400 φ480 φ400 φ400 φ600 φ480 副管 φ400 φ600 閉 φ400 鉄筋露出 閉塞 塞 足掛金物 3 本 3 本不良 T-1 F-1 T-4 不 足掛金物 7 本 6 本不良 良 [ 設計 ] 足掛金物 3 本取替 [ 設計 ] 足掛金物 6 本取替 人孔構造図 (8.98) (10.26) (17.76) (25.97) (26.78) (37.94) (38.52) (41.64) (44.71) 人孔状況処置方法本管状況処置方法取付管状況設計処置方法備考 T-1 汚水 T.P φ150 クラックあり更生 削孔可 製管機設置可既設管内径に差異更生管径縮小 F-1 T.P φ150 土砂あり カメラ入らず撤去 掘削調査 φ480 mm φ440 で製管可 T-2 汚水 V.P φ150 活用 削孔可 φ400 φ480 腐食 A あり T-3 雨水 T.P φ200 曲管部破損 ズレ在 削孔不可 全体的に目地不良 T-4 雨水 T.P φ200 突出し在 削孔可 クラックあり F-2 T.P φ200 閉塞不良なし 掘削調査 φ400 閉塞不良なし 掘削処理 不陸 蛇行 管ずれ複管 H.P φ200 削孔可突出撤去 1 カ所 φ460 製管不可能 28.40~34.20m たるみ約 5cm φ480 φ600 (49)

64 小口径管において, 試走管が既設管を通過できなかった場合は, 試走管の口径を小さくして再度, 試走管の挿通調査を行う なお, 試走管には一体型試走管と分割型試走管とがあり, 試走管がマンホール口から入る場合は一体型試走管をもちい, 入らない場合には分割型試走管をもちいる 以下にはそれらの例を示す 1 一体型試走管の例 写真 4-1 一体型試走管 2 分割型試走管の例 写真 4-2 分割型試走管 TV カメラ車 牽引ロープ 牽引ロープ 上流 試走管 カメラ 下流 段差 ずれ 図 4-1 試走管による調査 (50)

65 第 1 節施工計画 (2) 仮排水工施工する区間で, 管きょ内の流水量が多く調査および施工に支障がある場合は, 仮排水工を計画する 仮排水工は, 管きょの断面, 管きょ内の流水量, 道路の状況 ( 交通量, 道路形状, 種別, 幅員 ), 現場周辺の環境, 施工目的, 採用する工法の特性等を考慮して適切に計画する 27 既設管きょの前処理 改築する管きょとして要求される適正な出来形および性能を満足するために, 管きょ更生工法が適用できるように前処理を行う必要がある 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) では, 更生管きょと既設管きょの内面に一定のクリアランスが必要なほか, 間隙部に間詰め材を充填するため, 仕上がりは既設管きょの内面の状況に左右される このため, 既設管きょには前処理が必要になる (1) 前処理の計画既設管きょの前処理が必要な箇所は, 更生材の挿入等に障害となる突出し部分や変形部分, 屈曲箇所, 更生管きょの仕上がりに障害となる内面の不整形箇所, 荒れ等が生じている箇所で, 以下の状況が対象となる なお, これらの前処理が必要な箇所は, 準備工で実施する現地調査によって状況の確認を行う 1) 管の腐食 ( 鉄筋の露出, 突出し箇所 ) 2) 上下方向のたるみ ( 許容曲げ変位を超える箇所 ) 3) 管の破損 ( 主として崩落箇所 ) 4) 管のクラック ( 屈曲を伴う箇所 ) 5) 管の継手ずれ ( 脱却や屈曲を伴う箇所 ) 6) 浸入水 ( 流出, 吹き出しが認められる箇所 ) 7) 滞水 ( 下水が滞留する箇所 ) 8) 取付管の突出し箇所 9) 油脂の付着箇所 10) 樹木根の侵入箇所 11) モルタルの付着箇所 12) 土砂等の堆積箇所 13) マンホールの形状寸法 ( 製管機設置, かん合部材投入時に支障となる箇所 ) 14) その他 ( 更生管きょの施工に障害となる箇所 ) これらの状況を改善し, 更生管の仕上がり精度を高めるために, 空隙箇所の充填, 突出し箇所 (51)

66 の切削, 堆積物等の除去, 止水および排水等の前処理の計画を作成する (2) 前処理工の実施前処理工の実施にあたり, 浸入水の水量が多い場合には, 間詰め材に空洞が生じる恐れがあるため, 適切な処置を行う 管きょの内径が φ800mm 未満の場合には作業員の入坑ができないケースもあり, また, 機器やロボット類による補修作業等を行うことが困難なケースも想定されるため, 現場条件に応じた方法, 例えば部分補修, 薬液注入, 部分的な開削工も含めた方法で前処理工を実施する 作業員が入坑できる場合は, 既設管の老朽化による崩落等も検討し, 現場状況に応じた適切な安全対策を講じたうえで入坑する (3) 管きょ内の洗浄工管きょ更生工事に際しては, あらかじめ既設管きょ内に付着している異物等を高圧洗浄水で確実に除去する必要がある 図 4-2は高圧洗浄車ジェット式の管きょ内洗浄の概要を, 図 4-3は人力洗浄の場合の概要を示したものである 作業員が入ることができる管きょの場合には, スプレーガンタイプの洗浄機をもちいて既設管きょ内を洗浄し, 土砂等の堆積物を下流に流すこともある なお, 人力洗浄の場合は, 前処理工と同様に現場状況応じた適切な安全対策を講じたうえで入坑する 堆積物や腐食部等を除去する際は, 既設管きょの劣化状態 ( 腐食等 ) に特に注意して作業を行う (52)

67 第 1 節施工計画 1 高圧ゴムホースの先端に取り付けられた斜め後方への噴射ノズル の水の噴射により, 下水管きょの汚泥を攪拌しながら前進する 2 下水管きょの中を前進した噴射ノズルを汚泥のつまり具合や 堆積物の種類に応じてゆっくり巻き戻すことにより, 手前に 汚泥を集めて下水管きょの中を洗浄する 図 4-2 管きょ内洗浄の概要図 ( 高圧洗浄車ジェット式の例 ) 図 4-3 管きょ内洗浄の概要図 ( スプレーガンによる人力洗浄の例 ) (53)

68 28 評価項目の事前確認施工に先立ち確認すべき事項は, 次のとおりである (1) 工法の選定根拠 (2) 更生管きょの設計, 仕様等の決定 (3) 技術者の適正配置 (4) 更生材 ( かん合部材 ) の品質 (5) 施工手順ごとの確認事項 解説 発注者は, 施工計画書の受領に際して, 施工計画書の内容が設計内容と整合が図れているか, 現地調査を踏まえて適切な施工方法が選定されているか, 施工方法に適合する管理項目および方法が記載されているか等について確認を行う 確認した結果, 不適切な項目がある場合には, 受注者は再度, 条件を整理し現地調査等を行った上で施工計画書を提出する (1) 工法の選定根拠選定された工法が, 実際に施工可能であるか否かを, 事前準備時や準備工の段階における既設管きょの状況等から検討する また, 選定された工法が, 8 要求性能に適合していること, 第 3 章設計に基づき, 設計として適正であることを確認する (2) 更生管きょの設計, 仕様等の決定選定された工法の設計内容と現場条件が整合していることを確認した上で, 仕様等を決定する 確認すべき項目はつぎのとおりである 1) 設計内容と施工条件の整合 2) 更生管きょの強度計算 ( 計算方法, 設計条件, 設計強度等 ) 3) 更生材の材質等更生材の材質等が要求性能に適合していることとあわせて, 更生管きょの設計として適正であることを確認する (3) 技術者の適正配置更生管きょを構築する工法では, 施工手順を遵守し施工管理を確実に行うことが重要であり, その結果は, 更生管きょの仕上がりや性能に直接的に結びつくものである したがって, 施工班の構成が当該の工法を熟知した施工技術者により組織されていることを確認する必要がある (54)

69 第 1 節施工計画 (4) 更生材 ( かん合部材 ) の品質搬入された更生材が適正な品質管理のもとで製造され, 製造業者が品質を保証する材料であることを確認する 使用される更生材の品質管理については, 31 材料の品質管理, 32 施工時の品質管理, 33 しゅん工時の品質管理に示す品質管理項目により施工前に確認する 特にスチール部材は, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) における強度部材となることから, 品質確認は重要となる (5) 施工手順ごとの確認事項工法の施工手順は概ね以下のとおりである 工法の品質確保を図るためには, 本工法における特有の事項について施工手順ごとに確認し, 検討すべき内容を明確にして, それらが手順ごとに明記されていることを確認する 1) 既設管きょの前処理既設管きょが部分的に破損しているような場合は事前に補修が必要であるが, 小口径管では人が管内に入って補修作業を行うことが困難であるため, 例えば, 部分補修や薬液注入, 部分的な開削工による布設替えの併用も検討する 2) 更生材 ( かん合部材 ) の製管更生材は非常に高剛性のため, マンホール内に導入する際には傷が付かないように当て板等による当たり面の保護や, 状況に応じてら旋リング径を小さくする等の検討を行う 製管中は更生材のかん合部に付着物がないかを常に確認しながら作業を行うが, 場合によりスクリーン等の設置も検討する 3) 間詰め材の充填, 硬化および養生間詰め材の充填は, 既設管きょの劣化が進行している場合もあり, 地山へ漏洩することも考えられるので, 事前に対策を検討したうえで実施する なお, 注入時には浮上防止工が必要となるため, 図 4-6に示すような単管を設置する等の浮上防止方法について検討する 既設管きょが特殊な断面形状をしている場合や, 管軸方向で断面形状が変化するような場合には, 注入方法や注入量についても事前に確認し検討する 4) マンホール管口の端面仕上げマンホール管口の端面仕上げおよびインバート部の仕上げ時の水替え方法等について検討する (55)

70 29 施工手順 施工計画策定にあたっては, 安全かつ円滑な施工ができるように, 工法ごとの施工手順を把握することが重要である 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の施工手順は, 更生材 ( かん合部材 ) や製管機, 間詰め材注入プラント等の特殊機材を使用するため工法ごとに異なる ここでは,SPR-SE 工法の自走式製管方式の例を示す 1 作業帯の設置作業開始に先立ち, 作業帯を設置する 作業帯の設置にあたっては, 道路の使用許可を遵守し, 交通車両に十分注意しながら保安施設および工事標識を適切な位置に設置する 2 大気調査および換気マンホール入坑に先立ち, 送風機をもちいてマンホールおよび既設管内の換気を行う また, 管内の酸素濃度および有毒ガス濃度の測定を行い, 安全な環境を確保する 3 既設管の洗浄工および調査工じん速かつ正確な施工を行うため, 高圧洗浄車により既設管内の洗浄を行い,TVカメラまたは目視により既設管内に突起や障害物等がないことを確認する 4 事前処理工モルタルの付着, 木根の侵入, 取付管の突出, 浸入水の有無, 施工の障害となるものを事前に処理する 5 機材の配置プロファイルドラム, プロファイル巻き癖装置および油圧ユニットを設置する 6 製管機の設置と製管工製管機をマンホール内に搬入して組み立て, 製管機にプロファイルを送り込み製管する なお, 既設管と更生管のすき間にきょう雑物が入らないよう, 製管が安定した段階で上流側管口のシールを行う (8 参照 ) 図 4-4 自走式製管方式 (56)

71 第 1 節施工計画 7 浮上防止工 更生管きょ内に浮上防止材を設置し更生管きょの浮上を防止する 裏込めモルタル注入装置注入プラント車 圧力ゲージ バルブ 注入口 既設管きょ更生管きょ 溢流パイプ バルブ 上流 浮上防止材 下流 管口シール 腹起し材 図 4-5 浮上防止材の設置 図 4-6 浮上防止材 大口径管きょを更生する場合には, 浮上防止工を設置する際にできるジャッキボルトの貫通孔 に充填材を充填し, 接着材を塗布した塩ビキャップを取り付ける 既設管きょ 更生管きょ 間詰め材 間詰め材 間詰め材 図 4-7 塩ビキャップの取付図 充填材は, 間詰め材相当の強度を持ったもの (57)

72 8 管口シールおよび注入口の取付け工 上流側の既設管きょと更生管きょの間隙に注入用パイプを取り付け, モルタルで管口をシール する 下流側は上流側と同様にエア抜き兼溢流パイプを取り付け, 管口をシールする 既設管きょ 更生管きょ 水抜き兼間詰め材充填確認孔 ( 水抜き 間詰め材充填確認後穴埋め ) 図 4-8 管口シールおよび注入口の取付け要領 9 間詰め材の注入および養生 既設管きょと更生管きょの間隙に間詰め材注入し養生する 既設管きょ更生管きょ 図 4-9 間詰め材の注入 10 浮上防止工の撤去更生管きょ内に設置した浮上防止工を撤去する 11 取付管口の削孔工と仕上げ取付管口を専用冶具をもちいて削孔し, 仕上げる (58)

73 第 1 節施工計画 12マンホール管口およびインバートの仕上げ更生管きょの内径に合わせ, マンホール管口およびインバートを仕上げる マンホール管口の切断位置は, 発注者の指定した位置とする ただし, 特に指定がない場合は, マンホールの管口の仕上げを考慮した位置で切断する 上流側マンホール底部は, 更生材の厚さ分だけ段差が生じるため, 下水の円滑な流下が図られるようにインバート部をモルタルで仕上げる 図 4-10 マンホール管口およびインバート仕上げ 13 更生管きょの洗浄工 高圧洗浄により更生管きょ内の清掃を行う 14 完了 (59)

74 施工管理 30 施工管理一般 施工は関連仕様書に基づき, 適正に管理する 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻き管 ) は, 現場で完成品を構築するものである したがって施工にあたっては, 定められた管理手順に従い管理値を満足できるように, 施工計画書 ( 施工手順書 ) に記述されている管理方法を遵守する (1) 更生材および間詰め材の管理 1) 更生材 ( かん合部材 ) の管理スチール部材は長期にわたる屋外暴露等による著しい発錆がないように適切な養生方法やおよび対策方法を講じるとともに, 傷や変形が起こらないように取り扱いには細心の注意を払う必要がある 表面部材は長期にわたり屋外で紫外線暴露されると, 表面の劣化により部材の性能が低下するおそれがある そのため, 更生材 ( かん合部材 ) の保管場所は屋内を原則とし, やむを得ず屋外で保管する場合や搬送および搬入時には適切な遮光措置等の対策を講じていることを確認する また, 更生材 ( かん合部材 ) の搬送や運搬時にはその重量を把握し, 適切な荷積みおよび荷下ろし機械をもちいて, 損傷を与えないよう細心の注意を払う 2) 間詰め材の管理間詰め材は水和性を有するため, その保管および搬送 搬入時には, 水濡れや結露がないように十分留意し, 適切な措置を講じていることを確認する (2) 管理手法および施工管理 1) 施工技術者には, 選定された工法の専門技術を習得した者を選任する 配置される施工技術者が, 実現場において指揮, 監督または施工の経験をもち, 資格者証等を有していることを確認する 2) 洗浄水の圧力が既設管きょの劣化状態 ( 腐食等 ) に応じて選定されたものであることを確認する 3) 既設管きょの内面の前処理が適正に行われていることを確認する 4) 管口の切断位置は, 発注者の指定した位置とする ただし, 特に指定がない場合は, マンホールの管口の仕上げを考慮した位置で切断する (60)

75 第 2 節施工管理 (3) 環境対策 騒音 振動対策等を適切に行い, 環境基準等に適合する方法で施工していることを確認する 間詰め材を現地で混練りする場合は, 粉じん ( 塵 ) 対策を講じていることを確認する 31 材料の品質管理 材料の品質管理は関連仕様書に基づき行う 解説 品質管理基準は, 本技術資料のほか, ガイドライン や各都市個別に定める基準もあり, これらの基準を満足する必要がある 1) 材料の管理自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) のスチール部材は, 著しい発錆や傷や変形が起こらないよう取り扱いには細心の注意を払う 表面部材は熱可塑性樹脂であるため, 極度の高温状態 ( 硬質塩化ビニル樹脂では 60 以上 ) での保管は材料変形をもたらし, 極度の低温状態 (-10 以下 ) での保管は材料のぜい ( 脆 ) 化をまねくため避けなければならない さらに, その取扱いにおいても, 損傷を与えないよう細心の注意を払う なお, しゅん工時には, 材料の運搬, 搬入および現場内の保管や取扱い等の材料管理が, 適正になされていることを写真により確認する 2) 更生材 ( かん合部材 ) の受け入れ更生材 ( かん合部材 ) を現地で受け入れる際等に, スチール部材に傷や変形がないこと, 表面部材の表面が平滑かつ清浄であること, すりきずや穴等の欠陥がその性能に影響を与えるおそれがないことを確認する また, 以下に示す情報が明示されていること, 施工後に表示が見えなくなる場合には, 製造証明書等の工事書類に当該の情報が明記されていることを確認する a) 製造業者名または製品名 b) 寸法 c) 材料 d) 製造工場, 製造時期 ( 少なくとも年および月で記載 ), トレーサビリティに関する情報 3) 更生材 ( かん合部材 ) の確認製造者は, 工場での製造段階の要求性能に準じた製品を出荷しなければならない また, 発注者は, 更生材が適正な管理のもとで製造されたことを証明する資料および搬入前に更生材の出荷検査がなされたことを証明する資料を確認する 更生材の製造に使用する事前承諾済みの材料については, 必要に応じて材料の試験や立会確認を行う 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) にもちいる更生材の構成要素および受入検査の確認項目は, (61)

76 表 4-3 に示すとおりである また, 更生材の製造証明書について確認する項目は, 表 4-4, 表 4-5 および表 4-6 に示すとおりである 表 4-3 更生材 ( かん合部材 ) の構成要素と材質および受入検査項目 構成要素 材質 原材料受入検査項目 スチール部材 鋼材等 入荷ロットごとの品質チェック ( 幅, 高さ, 厚み等 ), ミルシートのチェック 表面部材 硬質塩化ビニル樹脂 原材料の入荷ロットごとの品質チェック ( 外観 ) 間詰め材 セメント, モルタル等 原材料の入荷ロットごとの品質チェック ( フロー値 ) 製造工場において実施する項目 表 4-4 スチール部材の製造証明書の管理項目と管理内容 項 目 管理内容 品 名 スチール部材の名称 寸 法 各部分の寸法の検査結果 材 質 原材料のミルシート ( 品質証明書等 ) 表 4-5 表面部材の製造証明書の管理項目と管理内容 項目管理内容 品名表面部材の名称 製造番号 製造年月 製造されたロット番号 製造された年月 寸法製品各部分の寸法の検査結果 長さ出荷長さ 質量出荷時の質量または単位長さ当たりの質量 外観検査報告 製造段階の検査成績書等 製造証明書に別紙として試験結果表等を添付してもよい 目視またはそのほかの方法で更生材の外観を検査した結果 製造者が規定する要求性能に準ずる試験結果表等 (62)

77 第 2 節施工管理 表 4-6 間詰め材の製造証明書の管理項目と管理内容 項目管理内容 品名間詰め材の名称 製造年月 製造された年月 材質原材料のミルシート ( 品質証明書等 ) 材料構成 ( プレミックス材のみ ) 構成比率 ( 構成要素別の質量 % 等 ) 4) 管きょ更生工法の評価項目第 1 章第 2 節要求性能, 表 2-3に示す 1. 耐荷性能, 2. 耐久性能, 3. 耐震性能, 4. 水理性能 および 5. 環境安全性能 の各項目について, 公的機関による審査証明の資料 建設技術審査証明 ( 下水道技術 ) 報告書 等で確認する (63)

78 32 施工時の品質管理 施工時の品質管理は, 工法の特性を反映して適切に行う 解説 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) にあっては, 更生材 ( かん合部材 ) の損傷を防ぐとともに, 製管時はかん合継手部分へ異物が挟まらないようにする また, 施工計画書に示す更生寸法で製管されているかを確認するとともに, 間詰め材の注入圧力, 間詰め材の注入量等を現場で記録し, それらを確認する なお, 間詰め材の圧力, 量の記録は自動記録を原則とする 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) では間詰め材の注入圧力および注入量の管理を, チャート紙の記録により確認することを原則とする 記録はすべてのスパンで行う チャート記録用の機器は, 工法により管理方法が異なるのため, 各工法で採用している記録方法を施工計画書で確認する 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の施工管理項目は以下のとおりである 1) スチール部材の管理製管機を設置するマンホール内や既設管内の事前処理を適切に行い, スチール部材に傷等が付かないように留意する 2) 更生管きょの管理製管開始および製管途中において, 適宜, 更生管きょの内径が設計どおりに製管できていることを確認する 3) かん合継手部分の状態の確認製管時に, かん合継手部分にゴミ等の異物が挟まっていないかを絶えず確認する 挟まっている場合は, かん合継手部分をハケやブラシ等で清掃を行い, 異物を取り除いた後, 製管を行う 必要に応じてスクリーン等の設置を行い, 大きなきょう雑物を事前に取り除く 更生完了後は全スパンにわたり, かん合状態を含め, 管内面を目視またはテレビカメラにより確認する 4) 間詰め材の性状の確認間詰め材の性能を発揮させるためには配合が重要となる 現場配合を行う場合は配合比を管理し, 結果をデータシート等に記録する 注入日ごとにフロー試験, 比重測定等を行い, 間詰め材の性状を確認し記録する 5) 間詰め材の注入圧力の管理間詰め材を圧力注入する場合, 注入圧力により更生管きょが座屈しないように, 工法の定める座屈限界圧力値以内で管理する このとき, 注入中の圧力を圧力計等により随時計測し, 記録するとともに異常圧力に注意する 圧力注入をしない場合は, ポンプの吐出圧の監視を行い, 異常圧力に注意する 既設管の劣化が進行している場合もあるので, 注入は慎重に行い注入圧力は常に監視する (64)

79 第 2 節施工管理 6) 間詰め材の注入量の管理間詰め材の注入時には流量計等をもちいて連続的に注入量と時間を計測し, チャート紙に記録する 既設管の劣化が進行している場合もあるので, 注入は慎重に行い注入量は常に確認する なお, 劣化が進行している管路において注入量を管理することが難しい場合は, 注入圧力による管理が充填に対するひとつの目安となるが, この場合は間詰め材の圧力注入に関する管理項目を遵守する 7) 注入状況の確認注入時に両管口に設置した立上げ管から間詰め材の流出を確認し, 計画注入量と実際の注入量の対比を行う 33 しゅん工時の品質管理 しゅん工事の品質管理は関連仕様書に基づき行う 解説 しゅん工時には,1) スチール部材の引張試験 ( 必要に応じて実施 ) および,2) 耐薬品性試験の二つの試験を行い, それぞれが基準値を満足することを確認する しゅん工時および施工時等に確認すべき試験の一覧を表 4-7に示す 図 4-11 にはしゅん工時のスチール部材の引張試験用サンプルの切出し状況を示す 間詰め材の充填状況の確認は, 更生管径 800 mm未満の場合には両側マンホール管口付近の打音検査等で間詰め材の充填状況を確認する 更生管径 800 mm以上の場合には, 管内の打音検査等で間詰め材の充填状況を確認する また, 必要があればコア抜きを実施し充填状況を確認する しゅん工時 試験 表 4-7 しゅん工時に確認すべき試験 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) 工場認定制度 (Ⅱ 類登録 ) 無有 スチール部材の引張試験 1 ( 耐力 引張弾性率 ) 表面部材の 耐薬品性試験 2 (65) ( 必要に応じて ) 工法ごと --- 〇 --- 工法ごと JIS Z 2241 に準拠した引張試験 ( 試験片は採取可能な形状 寸法とする ) 2 JSWAS K-1,JSWAS K-14 に規定している耐薬品性試験

80 図 4-11 スチール部材の切出し試験片 34 出来形管理 施工手順に従い出来形を測定, 観察し, その都度, 結果を出来形管理表に記録する 完成後は関連仕様書に準じて出来形をビデオや写真等で記録し, これを管理する 解説 出来形管理の対象は, 以下のとおりである 1) 寸法管理更生管きょの出来形を把握するため, 更生管きょの内径 ( 高さと幅 ) を図 4-12 に示す測定位置で計測し記録する 2) 更生管きょの仕上がり内径の管理出来形検査では, 次の事項を確認する 1 仕上がり内径の測定は,1 スパンの上下流にあるマンホールの管口付近で行う 人が入ることができる場合は,1 スパンの中間部付近でも 1 箇所以上の仕上がり内径を測定する 2 上下左右の間詰め材を含めた更生管きょは厚さが異なることから, 更生管きょの内側の中央高さと幅の2 箇所で仕上がり内径を測定する 3 検査基準については, 平均内径が設計更生管径を下回らないこととする (66)

81 第 2 節施工管理 標準測定位置は, 図 4-12 に示すとおりである D 1 0 既設管間詰め材 更生材 ( かん合部材 ) D 図 4-12 更生管きょの仕上がり内径を測定する位置 3) 内面の仕上がり状況の管理内面の仕上がり状況は以下のとおり管理する 1 管きょ内を洗浄し取付管の穿孔片を除去した後, 全スパンについて目視あるいは自走式テレビカメラにより外観検査を行う 2 更生管きょの変形, 更生管きょの浮上による縦断勾配の不陸等の欠陥や異常箇所がないことを確認する 3 更生管きょと既設マンホールとの本管管口仕上げ部は, 浸入水, 仕上げ材のはく離, ひび割れ等の異常のないことを確認する なお, 自走式テレビカメラをもちいて内面の仕上がり状況を管理する場合, 取付管口においては必ず側視を行い, 状況を入念に確認する 4) 出来形管理表 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の出来形は, ガイドライン p4-41, 表 4-8 に示す様式 ( 例 ) で管理することを標準とする 5) 工事記録写真等の撮影および提出 工事記録写真等の撮影およびその頻度は ガイドライン を参考とし, 検査結果およびデータ 等の記録を報告書に添付する (67)

82 表 4-8 出来形管理表 ( 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の標準様式の例 ) (68)

83 第 2 節施工管理 35 安全衛生管理自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は供用下での管きょ内作業であることから, 以下のような安全対策等を講じる必要がある (1) 突発的な局所的集中豪雨に対する安全対策 1) 気象情報の収集と作業員への伝達 2) 安全管理計画 3) 工事等の中止基準の設定 4) 工事等の再開基準 5) じん速に退避するための対応 6) 日々の安全管理の徹底 7) 平時からの安全対策 (2) 酸素欠乏症および有毒ガス等に対する安全処置 1) 有毒ガスの防止対策 2) 各種ガスの測定 3) 換気 (3) 残材等の流出防止対策 (4) 挟まれ事故等に関する安全対策 1) 施工前の安全対策 2) 製管中の安全対策 (5) 崩落危険個所に対する安全管理 (6) その他 解説 安全対策は, 発注者と受注者で十分協議のうえ, 対策を講じる必要がある 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) は供用下での管きょ内作業であることから, 突然の降雨による増水やビルピット等からの不定期排水, さらに近年では気象予測が困難な突発的な局所的集中豪雨が頻発していることに対する安全対策を講じる必要がある このため, 自立管製管工法 ( ら旋巻管 ) の工事に携わる場合, 以下のとおりの安全対策を講じることとする なお, 安全管理計画の作成にあたっては, 国土交通省が公表した 局地的な大雨に対する下水道管渠内工事等安全対策の手引き ( 案 ), および同手引きに基づいて各自治体が作成する対応策を遵守するものとする なお, 通常の降雨, 平時の水位が高い管きょおよび調査作業等の安全管理についても, 下記を準拠するとともに各自治体と協議のうえ, 現場条件にあった適切な対応策を講じることとする (69)

84 (1) 突発的な局所的集中豪雨に対する安全対策 1) 気象情報の収集と作業員への伝達 (1) 突発的な局所的集中豪雨は, 現在の気象予報技術では困難な面もある このため, 作業前と作業中に急変する気象等に的確かつじん速に対応するための基礎知識を習得する (2) 気象庁等からの気象情報を可能な範囲で取得し, 特に作業実施中においては現場担当者がリアルタイムに把握する (3) 降雨に伴う退避命令を管きょ内作業員に的確に伝達できる体制を構築するとともに, 工事着手前には情報の伝達方法や退避方法の訓練を実施する (4) 現場担当者の中から気象担当者を決め, 気象庁等から気象情報の提供を受ける等して気象情報を把握する (5) 気象担当者は退避命令が出された場合, じん速に管きょ内の作業員に拡声器等を使用して退避を伝えるとともに, 管きょ内作業員の退避を誘導する 管内の連絡方法 気象監視員 無線による連絡 地上作業員 インターホンを上流に回せる場合は地上作業員を省略できる 無線 声による連絡 インターホンによる連絡 上流 水位監視員 拡声器 警報による連絡 退避命令 笛による返答 管内作業員 流出防止柵 下流 図 4-13 情報伝達の実施例 2) 安全管理計画管きょ内での作業を行う際には, 突発的な局所的集中豪雨による急激な増水の危険性を十分認識した上で, 作業員が安全かつじん速に退避できるように, 適宜作業環境に応じた対策を組み合わせ, 安全対策の充実を図るとともに安全管理計画を設定すること (1) 現場特性の事前把握 1 下水道管きょ施設の情報平面図を基に流入区域や系統を把握し, 作業現場および上流域の情報を収集する さらに, 万が一流された場合等に備え, 下流域の下水道管きょの情報についても収集する また, 流量表から流達時間や流速等を把握する ただし, 計画降雨を上回る突発的な局地的 (70)

85 第 2 節施工管理 集中豪雨が発生した場合には計算上の数値と異なることに留意する 2 地形情報雨水の集まりやすさの観点から, 凹地形や急傾斜地の有無についても把握する 3 既往情報等作業現場付近の浸水被害, 既往の事故, ハザードマップ, 既往の流量調査結果等の資料を基に, 作業現場の危険性を把握する なお, 地域住民からの聞き取りも有効である (2) 具体的な実施方法 1 作業前に退避経路を周知する 2 作業箇所の上下流の人孔 ( 管きょ内の作業人数に応じて複数箇所 ) を退避口とする 3 退避口に指定した人孔には, 必ず昇降設備と照明設備を設置する 4 作業範囲の直近の下流の人孔 ( 退避口 ) の下流部には単管パイプ製の流出防止柵を設置する 流出防止柵の目幅や構造については現場状況に応じて検討する 5 流出防止柵は, ジャッキで既設管きょに固定する 6 管きょ内には人孔間を結ぶ親綱を設置し, その緊張具合や強度等を確認しておく 7 管きょ内では声が伝わりにくいので, 作業員には警笛を常備させる 8 作業上流部に水位センサー ( ブザー付き水位計 ) 等を設置し, 水位上昇の変化をとらえる 9 日頃より, 作業員に管きょ内の変化 ( 水位や音等 ) に注意するように喚起する 10 作業員の退避後は速やかに点呼をとり, 作業員の逃げ遅れがないことを確認する 11 脱ぎやすい作業衣, ウエットスーツ, インナー靴等の使用を検討する (3) 退避計画の作成 1 作業員が管きょ内から地上にじん速に退避できるように, 人命を最優先とすることを基本とした退避計画を作成する 2 退避計画には, 作業中止および中断の基準 安全対策器具類( ブザー付き回転灯, 梯子, 親綱等 ) の配置 退避指示の伝達方法 退避時に放置する資機材とその状況 退避ルート 退避訓練の実施 等を定め, その内容を施工計画書に記載する (4) 安全教育 1 雨の降り始めから瞬時に豪雨になる場合もある このため, 急変する気象等の基礎的な知識は工事に携わる作業員に対しても必要であることから, 作業員に対して気象に関する教育を定期的に実施する 2 各路線の着手時, その他必要に応じて退避訓練を定期的 ( 月 1 回以上 ) に実施する 3 作業の着手前に, 発注者から当該施工管きょの対象流域, 降雨時の流達時間, 水位や流速等の情報を可能な範囲で入手し, これらを十分に作業員に周知させる (71)

86 3) 工事等の中止基準の設定 ( 例 ) 請負者は, 発注者が定める当該作業箇所または上流部に洪水または大雨の注意報 警報が発表された場合, 当該作業箇所または上流部に降雨や雷が発生している場合の標準的な中止基準を踏まえ, 工事等の箇所ごとに, 現場特性に応じた中止基準を設定する 中止基準を強化すべき現場は下記のとおりである (1) 退避時間が長い現場 1 作業箇所が人孔から離れている 2 人孔間距離が長い 3 人孔の深さが深い 4 下水道管きょ内へ入坑する作業員が多い (2) 退避条件が厳しい現場 1 人孔蓋を開放しておけない 2 会合人孔で, 別系統からの流入がある 3 人孔に落差がある (3) 急激な増水特性が予想される現場 1 上流域の下水道管きょが急勾配で流達時間が短い 2 平時の水位が高い (4) 気象情報が入手しにくい現場 1 携帯電話の電波の状態が悪く, リアルタイムの気象情報が得られない 2 局地的な大雨に関する気象情報サービスが行われていない地域にある (5) 夜間作業等で天候の状態がわかりにくい現場 (6) 水替え等の増水緩和対策や十分な流出防止策を講じることができない現場なお, 工事等の中止を行った場合には, 速やかに発注者にその旨連絡する 4) 工事等の再開基準の例工事等の開始および再開には, 以下の 3 項目のすべてが確認され, 現場責任者が発注者の確認を受けた後に工事等を再開する 1 当該施工箇所に雨が降っていないこと, また, 当該施工箇所に係る気象区域に, 注意報または警報が発令されていないこと 2 下水道管きょ内の水位を計測し, 事前の調査に基づく通常水位と変わらないこと 3 施工計画書等に定めた安全管理計画のすべての事項について安全を確認すること 5) じん速に退避するための対応工事等に着手する前には, 管きょ内の作業員が安全かつじん速に退避できるように, あらかじめ緊急時の対応策について具体的な内容を定めておくことが要求される 具体的な対応策は以下のとおりである (72)

87 第 2 節施工管理 (1) 退避手順の設定 1 工事等の着手前に事前調査を行い, 通常時の下水道管きょ内の水量, 水位, 人孔の状況等の周辺環境に関する調査を行い, 作業地点ごとの特性を十分に考慮した緊急時の退避ルートを定めておく 2 入手可能な気象情報等を踏まえた緊急避難時の情報伝達の方法を定めておく 3 実際の現場において避難訓練等を通じて, 避難に要する時間の測定や情報伝達の確実性等を検証しておく 4 退避は原則として当該現場の下流側の人孔をもちいる 作業位置等によっては, 上流側の人孔への退避も考慮し, 可能な限り上下流側の人孔の蓋を開放しておく 5 退避時間は, 現場での避難訓練時に実際の作業員が下水道管きょ内を歩行し, その速度を計測して, 水位上昇等の影響やロスタイムも考慮して設定する (2) 安全器具等の設置 1 現場特性に応じて, 最適と考えられる増水緩和方法や流出防止に関わる安全対策およびそのための器具等についてあらかじめ検討し, 必要な措置を講じておく 2 作業員は安全器具の使用方法について事前に十分理解しておく 3 作業員の流出を防ぐための安全器具は複数設置する 4 中止基準を強化すべき現場においては, 特に安全器具等の設置を強化する 5 避難時に安全器具が障害となることがあるので, その危険性について十分認識しておく (3) 資機材の取扱い 1 管きょ内に設置を予定している機器類のうち, 可能なものは地上に設置し, 管きょ内の避難通路の確保に努める 2 管きょ内に持ち込む資機材は必要最小限にする 3 短時間で撤去が不可能な資機材については, あらかじめ流出防止のために原則ロープ等で固定しておく 4 管きょ内から作業員が退避する場合には人命を最優先とし, 原則として資機材は存置する 6) 日々の安全管理の徹底 1 工事当日には工事等の開始前に, 作業関係者全員に対して使用する安全器具の設置状況, 使用方法, 当日の天候の状況および緊急避難時の対応等についてミーティングを実施し, これらを周知徹底する 2 作業当事者は, ミーティング終了後, 入坑前および作業中は安全管理点検表をもちいて, 随時安全点検を確実に実行する 3 事故が発生した場合を想定し, 緊急連絡先の一覧表を現場のわかりやすい場所に掲示しておく また, 入坑者をホワイトボード等に記録し, 下水道管きょ内にいる作業員を特定しておく (73)

88 7) 平時からの安全対策下水道管きょ内での工事等では, 様々な危険があることを請負者は常に認識し, 平時から危機意識を徹底し, ヒヤリハット事例等の教訓を継承するための取組みを行う必要がある (1) 講習および訓練等の実施 1 下水道管きょ内での工事等に関係する者は, 突発的な局地的集中豪雨に関する気象情報や降雨時の管きょ内の危険性について, ビデオや図表等のわかりやすい教材をもちいて, 視覚的に習得できる講習会等を定期的に受講し, 危機管理意識の向上に努める 2 安全器具等の設置や使用方法, 退避手順, 気象情報等の収ならびに伝達方法等の実地訓練を行う 3 経験の浅い作業員に対しては, 作業前にこのような講習や訓練を十分に実施し, 安全に対する知識や身を守る技術を確実に身に付けさせたうえで, 管きょ内の工事に従事させる 4 直接下水道管きょ内で作業を行わない者についても, 同様に関係知識を習得させる (2) ヒヤリハット事例等の継続的蓄積と情報の共有化 1 元請けと下請けが一体となった定期安全大会や月別安全衛生委員会を開催し, また, 同業者間における安全協議会等を設置して情報の水平展開を図り, 事故の未然防止に努める 2 ヒヤリハット事例および被災体験の情報を蓄積するとともにその共有化を行い, それらを安全管理計画に反映させる (2) 酸素欠乏および有毒ガスに対する安全対策施工者は, 酸素欠乏, 有毒ガスに関する以下のような安全対策を策定し, 事故防止に努める 1) 有毒ガスの防止対策人孔内および管きょ内での作業を行うにあたり, 各種ガスの発生, 酸素欠乏等に起因する事故を防止し, 作業の安全を確保する また, 各現場に酸素欠乏に対する危険作業主任者を選任し, 以下の事項を確認する 1 酸素濃度および有毒ガスの測定 2 酸素欠乏の空気や有毒ガスを吸入しないような作業方法の採用 3 換気装置や検知器等の設備の点検 4 空気呼吸器等の避難用具の配備 (74)

89 第 2 節施工管理 2) 各種ガスの測定酸素欠乏や各種有毒ガスによる事故の防止策として, 作業開始前と作業中は酸素濃度や各種有毒ガスの測定を行い記録する これらの判定基準は, 酸素濃度が 18% 以上, 硫化水素濃度が 10ppm 以下, 一酸化炭素濃度が 50ppm 以下, 可燃性ガス濃度が 5% 以下の場合は問題がなく, これらの判定基準を超える場合は, 作業環境に問題が生じる 作業環境が不良の場合には強制換気を実施し, 判定基準をクリアするまで作業を中止する 作業中は測定器に選任の監視人を配置し, 測定結果を作業者に周知する なお, 作業には連続的に測定ができる有毒ガス検知器を使用する 3) 換気人孔内に入る前に送風機で人孔内に送風を行い換気する なお, 送風機による換気は作業終了時まで継続して行う 換気は管きょの平均断面に対して,0.8m/sec 以上の風速で行う (3) 残材等の流出防止対策管口の切断時や取付管口の削孔時, 資機材の撤去作業時には, プロファイルの残材が流出するおそれがある また, 支保材等を流してしまった場合, 下流部で吐口またはポンプ所や処理場のスクリーンに引掛かり, いっ水や機械の故障を引き起こすことが想定される これらの事故等を未然に防止するために, 以下の事項に留意し残材等の流出防止の徹底を図る必要がある 1 工事現場における工事資機材の整理整頓および後片付けの徹底 2 管きょ内で使用した資機材等の数量確認 3 本社 支社および現場作業所等の関係職員に対する流出防止の周知教育 4 施工計画書において残材等の流出防止対策の明確化なお, 万一残材等を流出させた場合は, 発注担当者に速やかに報告するとともに回収に努める 図 4-14 および写真 4-3は, 下流側の管口付近等に流出防止柵を設置した事例を示したものである 既設管 単管パイプクランプ固定 メッシュ 図 4-14 流出防止柵 写真 4-3 流出防止柵 (75)

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