日本内科学会雑誌第105巻第2号

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1 特集 心臓弁膜症 : 治療の最前線, 未来への展望 トピックス 感染性心内膜炎編 2) 内科的治療 要旨 感染性心内膜炎は, 高齢化社会や心臓デバイス治療などの発展に伴い, 高齢者での罹患例が増えている. 罹患例では死亡率も高く, 迅速な診断と適切な抗菌薬治療が重要である. また, 引き続く心不全や塞栓症は重要な死因であり, リスクの高い例では早急な外科手術が必要になる. 治療方針決定には, 血液培養による原因菌の同定が最重要である. また, ハイリスク患者には, あらかじめ予防の重要性を説明しておく必要がある. 大門雅夫 日内会誌 105:245~252,2016 Key words 発熱, 感染, 心臓弁膜症, 塞栓症 はじめに感染性心内膜炎 (infectious endocarditis:ie) は, 心臓内の異常血流により障害された心内膜 ( 主に弁 ) に非細菌性血栓性心内膜炎 (non-bacterial thrombotic endocarditis:nbte) が生じ, そこにさらに菌が付着して増殖し, 疣腫を形成することで発症する.IEは弁や弁周囲組織の破壊を引き起こし, 疣腫は塞栓症のリスクとなる. また, 心臓外の動脈に細菌性動脈瘤を形成することがあり, 特に脳動脈瘤の破裂による脳出血は致命的となることがある.IEは不明熱のほか, 食欲不振や筋肉痛, 関節痛など不定愁訴のような症状や腰痛で受診することがあり, 重篤な合併症を起こすまで診断されない例も多い. そのため, 原因不明の発熱, 心不全, 塞栓 症などでは常にIEを念頭に置いて診療にあたる必要がある. 一度罹患すると, 院内死亡率は約 15~20%,1 年死亡率は約 30~40% と高く 1), 診断の遅れが致命的となり得る. 特に心不全や塞栓症は主な死亡原因であり, これらのリスクが高い例では外科手術のタイミングを逃してはならない. 最も重要なことは原因菌の同定であり, 血液培養は不可欠である. また, ハイリスク患者には, 普段から予防について十分理解させることも必要である. 様々な学会よりIEの診断 治療指針が示されているが 2~4),IE の診断法および治療法は常に進歩しており, 改訂のたびに内容が変更になっている. 我が国では, 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン (2008 年改訂版 ) ( 日本循環器学会 ) 2) が用いられることが多いが, 最近では欧州心臓病学会の 東京大学附属病院検査部 Valvular Heart Disease:Current Treatment and Future Perspectives. Topics:III. Current Treatment:Surgical vs. Medical;3. Infective endocarditis, 2)Infectious endocarditis, medical therapy. Masao Daimon:Department of Clinical Laboratory, The Tokyo University Hospital, Japan. 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号 245

2 トピックス 表 1 感染性心内膜炎予防のための抗菌薬投与 ( 文献 2 より ) ClassⅠ 特に重篤な感染性心内膜炎を引き起こす可能性が高い心疾患で, 予防すべき患者 生体弁, 同種弁を含む人工弁置換患者 感染性心内膜炎の既往を有する患者 複雑性チアノーゼ性先天性心疾患( 単心室, 完全大血管転位, ファロー四徴症 ) 体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者 ClassⅡa 感染性心内膜炎を引き起こす可能性が高く予防したほうがよいと考えられる患者 ほとんどの先天性心疾患 後天性弁膜症( 詳細は本文 ) 閉塞性肥大型心筋症 弁逆流を伴う僧帽弁逸脱 ClassⅡb 感染性心内膜炎を引き起こす可能性が必ずしも高いことは証明されていないが, 予防を行う妥当性を否定できない 人工ペースメーカあるいはICD 植え込み患者 長期にわたる中心静脈カテーテル留置患者 ガイドライン 3) が2015 年に改訂された.IEの治療は単独の診療科だけで完遂することは難しい. この欧州心臓病学会ガイドラインでは, 感染症やイメージング, 心臓外科など, それぞれの専門家が協調して IEチーム として診断と治療にあたることの重要性が示されている 3). 1. 最近の動向疾患としてのIEの頻度はそれほど高くはない. 現在でも左心系自己弁 IEは最も多く,IEの半数以上を占める. 基礎心疾患としては, 先天性心疾患のほかに, 逆流を伴う僧帽弁逸脱症や大動脈二尖弁などである. しかし, 高齢化社会が進むにつれ, 心臓弁膜症や弁の石灰化を有する例, 透析症例, 心臓手術やデバイス治療を受けた症例などが増えているため, 高齢者における罹患例が増加している. 特に医療行為関連 IEの増加が指摘されている 5). 左心系人工弁 IEは, 死亡率が20~40% と依然として高いが, アーチファクトのために心エコーで疣腫の描出が難しく, 診断が遅れることがある. また, 人工物への感染は抗菌薬では難治で外科治療を要することも多い. 現在, 経カテーテル的大動脈弁置換術 (trans-catheter aortic valve implantation: TAVI) の普及もあり, 人工弁置換術症例が増えており, 人工弁 IEは今後さらに増加していく可能性がある. その他, 最近, 特に増加が指摘されているのがデバイス関連 IEである. ペースメーカーに加え, 植込み型除細動器や両心室再同期治療などによる心内リードの使用が広まっているためである. 低心機能症例や高齢者が多いことに加え, 開心術によるペースメーカーリード抜去が必要になるなど合併症リスクが高い. 菌血症の原因としては, 歯科治療を含む医療行為のほか, 齲歯を放置して歯肉炎を生じている例, アトピー性皮膚炎による皮膚の感染, ペットによる咬傷, 足白癬など多彩である. 最近, 特に基礎心疾患を有し, アトピー性皮膚炎による皮膚の搔き傷から感染したと推定される症例を目にすることが多い.IEでは一度治癒しても再発例も多い. 感染経路を同定して, 再発予防に努めることが予後の改善には重要である. 2. ハイリスク症例における予防の重要性 IEにおいては, 発症の予防が最も大切であることは言うまでもない. 日本循環器学会発行のガイドライン 2) では, 表 1に示すような症例をIE のハイリスクとし, 観血的処置を行う場合に抗 246 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号

3 特集 心臓弁膜症 : 治療の最前線, 未来への展望 表 2 感染性心内膜炎ハイリスク患者のためのカード ( 文献 2 より ) あなたは, 感染性心内膜炎 ( 心臓の中の弁や, 内膜に細菌などがつき, 高熱や心不全, 脳梗塞, 脳出血などを起こす病気 ) をおこしやすい心臓病があります. そこで 1. 歯を抜いたり, 歯槽膿漏の切開などをしたりする場合には適切な予防が必要となります. 必ず, 主治医の歯科医にそのことを伝えて, 適切な予防処置を受けてください. 2. 歯槽膿漏や, 歯の根まで進んでしまった虫歯などを放置しておくと感染性心内膜炎を引き起こしやすくなります. 定期的に歯科医を受診して口腔内を診察してもらいましょう. 3. 口腔内を清潔に保つために, 歯ブラシや歯ぐきのケアを怠らないようにし, 正しく歯科医の指導を受けてください. 4. 感染性心内膜炎を引き起こす可能性が示唆されている手技や手術があります. 手技や手術を受ける前に, 実施医に感染性心内膜炎になりやすいことを伝えてください. 5. 高熱が出た場合, その熱の原因が特定できない場合や, すみやかに解熱しない場合には, 安易に抗菌薬を内服してはいけません. その場合には, 循環器科の主治医に相談してください. 菌薬の予防的投与を勧めている. 最も一般的な抗菌薬の予防的投与法は, 処置 1 時間前のアモキシリン2 g 単回の内服である 2). しかしながら, これらハイリスク症例における抗菌薬の予防投与についてのエビデンスは少なく, ガイドラインによっても対象患者が異なっている. 重要なことは,IEのハイリスクと思われる患者には, 医療従事者がそのリスクを十分に理解させることである. 基礎心疾患を有するにもかかわらず, 発症以前にIEのリスクが十分説明されていないために重篤な危機に陥る症例も多い. ハイリスク患者においては, 口腔内ケアに注意するなど, 普段から患者に予防に関する十分な説明を行っておくことが必要である. 日本循環器学会のガイドライン 2) では, 表 2に示すハイリスク患者のためのカードを提唱している. 筆者は, これを小さく印刷して裏に病名を記入し, 常に携行できるようなものを作成して患者に手渡ししている. 3. 診断と抗菌薬治療 IEの治療で重要なことは, できるだけ早期に診断し, 早期に適切な抗菌薬治療を開始することである.IEを疑った場合にまず行うことは, 血液培養と経胸壁心エコー検査である. 血液培養は, 抗菌薬を投与する前に少なくとも12 時間以上空けて2 回以上行う. 経胸壁心エコーで疣 腫を認めた場合には特異度は高いが, 必ずしも経胸壁心エコーの診断感度は高くない. 特に人工弁置換術後などではアーチファクトにより評価できない部分も多く, 経食道心エコーでの評価が必要である. 診断基準としては,Duke 大学の提唱した臨床的診断基準 ( 表 3) が用いられているが, この基準は幾度となく見直しがなされている. ここでは,2005 年の米国ガイドライン 4) で採用された改訂 Duke 診断基準を掲載した. 抗菌薬の選択にあたっては, 我が国では日本循環器学会発行のガイドライン 2) が広く用いられている ( 表 4,5). 原因菌によって2~6 週間の抗菌薬治療を行うが, 抗菌薬療法の効果を治療開始後 48~72 時間, さらに1 週間を目安に評価する 2). 不適切な抗菌薬投与を長期間続けると耐性菌が出現することもある. 抗菌薬の選択においては, 可能であれば感染症の専門家の指示を仰ぐ方がよい. 抗菌薬治療は長期にわたるため, 副作用の発現にも注意し, 適宜腎機能や聴覚検査を行う. 特にグリコペプタイド系やアミノグリコシド系では, 有効かつ安全な抗菌薬治療を行うためにも, 血中濃度のモニタリング (therapeutic drug monitoring:tdm) が重要である. 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号 247

4 トピックス 表 3 感染性心内膜炎の改訂 Duke 臨床的診断基準 ( 文献 4 より ) IE 確診例 Ⅰ. 臨床的基準大基準 2 つ, または大基準 1 つと小基準 3 つ, または小基準 5 つ ( 大基準 ) 1.IEに対する血液培養陽性 A.2 回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合 (ⅰ)Streptococcus viridans,streptococcus bovis,hacekグループ,staphylococcus aureus (ⅱ)Enterococcusが検出され( 市中感染 ), 他に感染巣がない場合 B. つぎのように定義される持続性のIEに合致する血液培養陽性 (ⅰ)12 時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が 2 回以上陽性 (ⅱ)3 回の血液培養すべてあるいは 4 回以上の血液培養の大半が陽性 ( 最初と最後の採血間隔が 1 時間以上 ) C.1 回の血液培養でもCoxiella burnettiが検出された場合, あるいは抗 phase1 IgG 抗体価 800 倍以上 2. 心内膜が侵されている所見でAまたはBの場合 A.IEの心エコー図所見で以下のいずれかの場合 (ⅰ) 弁あるいはその支持組織の上, または逆流ジェット通路, または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない振動性の心臓内腫瘤 (ⅱ) 膿瘍 (ⅲ) 人工弁の新たな部分的裂開 B. 新規の弁閉鎖不全 ( 既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない ) ( 小基準 ) 1. 素因 : 素因となる心疾患または静注薬物常用 2. 発熱 :38.0 以上 3. 血管現象 : 主要血管塞栓, 敗血症性梗塞, 感染性動脈瘤, 頭蓋内出血, 眼球結膜出血,Janeway 発疹 4. 免疫学的現象 : 糸球体腎炎,Osler 結節,Roth 斑, リウマチ因子 5. 微生物学的所見 : 血液培養陽性であるが, 上記の大基準を満たさない場合, またはIEとして矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠 Ⅱ. 病理学的基準菌 : 培養または組織検査により疣腫, 塞栓化した疣腫, 心内膿瘍において証明, あるいは病変部位における検索 : 組織学的に活動性を呈する疣贅や心筋膿瘍を認める IE 可能性 大基準 1 つと小基準 1 つ, または小基準 3 つ 否定的 心内膜炎症状に対する別の確実な診断, または心内膜炎症状が 4 日以内の抗菌薬により消退, または 4 日以内の抗菌薬投与後の手術時または剖検時にIEの病理学所見なし HACEK:Haemophilus 属,Actinobacillus,Cardiobacterium,Eikenella,Kingella 4. IE が疑わしいが, 改訂 Duke 診断基準で診断できない例 改訂 Duke 診断基準はIEの診断に有用であるが, 一方では感度に限界があることも指摘されている. 現在の改訂 Duke 診断基準 ( 表 3) は, 血液培養と心エコー所見に加え, 塞栓症状や炎症所見を中心に構成されている. 特に20~30% ともいわれる血液培養が陰性例や, 人工弁など異物のために心エコーでの評価に限界がある例である. これに対しては様々な新しい技術が応用され,IEの診断感度を上げる工夫がなされている. 原因菌の同定法として知られているのが polymerase chain reaction(pcr) 法である.PCR 法は, 細菌の微量なDNA(deoxyribonucleic acid) を増幅することで, 血液培養よりも感度良く原因菌の同定が可能である 6). また, 手術中に採取した検体より, 自己免疫染色を用いて原因菌を同定する方法も知られている. また, 経食道心エコーを用いても, 人工弁置換術後の弁輪部膿瘍などでは感染巣が十分評価できないこともある. このような場合は造影 computed tomography(ct) が有用である ( 図 ). さらに,CTに 18F-fluorodeoxyglucose(FDG)-positron emission tomography(pet) を組み合わせることで, 炎症部位の描出が可能である. また, テクネチウム 99 m-hmpao(hexamethylpropyleneamine oxime) 標識白血球シンチグラフィでは, 人工 248 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号

5 特集 心臓弁膜症 : 治療の最前線, 未来への展望 表 4 抗菌薬の選択 原因菌が判明している場合 ( 自己弁 )( 文献 2 より抜粋 ) 1) ペニシリン G 感受性の Streptococcus A) ペニシリン G 2,400 万単位 (1,200~3,000 万単位 ) を 6 回に分割, または持続投与 ( 高齢者, 腎機能低下例 ) B) ペニシリン G[A]+ ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg 2~3/ 日 C) アンピシリン 8~12 g/ 日を 4~6 回に分割, または持続投与 + ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg 2~3/ 日 D) セフトリアキソン 2 g 1/ 日 + ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg 2~3/ 日 ( ペニシリンアレルギーの例 ) E) バンコマイシン 1g 2/ 日または 15 mg/kg 2/ 日または 25 mg/kg/ 日 (loading dose) 20 mg/kg/ 日 ( 維持量 ) を 1 日 1 回 ( ペニシリンアレルギーの例 ) 2) ペニシリン G 低感受性の Streptococcus( 連鎖球菌 ) F) ペニシリン G[A]+ ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg2~3/ 日 G) アンピシリン + ゲンタマイシン [C] H) バンコマイシン [E]( ペニシリンアレルギーの例 ) 3)Enterococcus( 腸球菌 ) I) アンピシリン + ゲンタマイシン [C] J) バンコマイシン [E]+ ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg 2~3/ 日 ( ペニシリンアレルギーの例 ) 4)Staphylococcus-methicillin sensitive( メチシリン感受性ブドウ球菌 ) K) セファゾリン 2 g 3~4/ 日 + ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg 2~3/ 日 L) バンコマイシン ± ゲンタマイシン [J] 5)Staphylococcus- -methicillin resistant( メチシリン耐性ブドウ球菌 ) M) バンコマイシン [E]± アミノグリコシド系薬 (e.g. ゲンタマイシン 60 mg or 1 mg/kg) 2~3/ 日 表 5 抗菌薬の選択 原因菌が判明している場合 ( 人工弁 )( 文献 2 より抜粋 ) 6)Streptococcus[ 連鎖球菌 (Streptococcusviridans,Streptococcusbovis, その他の連鎖球菌 )] および Enterococcus ( 腸球菌 )(Enterococcus の場合 O または P を選択 ) N) ペニシリン G+ ゲンタマイシン [B] O) アンピシリン + ゲンタマイシン [G] P) バンコマイシン + ゲンタマイシン [J] 7)Staphylococcus-methicillinsensitive( メチシリン感受性ブドウ球菌 ) Q) セファゾリン + ゲンタマイシン [K]± リファンピシン 450~600mg/ 日分 1~2 R) バンコマイシン + ゲンタマイシン [J]± リファンピシン 450~600mg/ 日分 1~2 8)Staphylococcus--methicillinresistant( メチシリン耐性ブドウ球菌 ) S) バンコマイシン ± アミノグリコシド系薬 [M]± リファンピシン 450~600mg/ 日分 1~2 弁周囲膿瘍 弁感染でも特異度の高い診断が可能と報告されている 7). 欧州心臓病学会ガイドラインでは, こうした細菌同定法やイメージング技術がすでに診断アルゴリズムに組み込まれている 2). また,Duke 基準も, 感度を向上させるために今後こうした新手法を取り入れ, さらに改訂されていくと予想される. 現在の改訂 Duke 基準で否定的とされても, 臨床的にIEが疑わしく, こうした手法で細菌感染が確認されれば,IEとして治療を行うべきである. 図造影 CTによる弁輪部膿瘍の評価大動脈基部に低吸収領域の膿瘍 ( 矢印 ) が描出されている. 膿瘍周囲の大動脈壁には解離腔が存在し, 白く造影されている. 5. 培養陰性例あるいはエンピリック治療 血液培養が陰性の理由としては, すでに抗菌 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号 249

6 トピックス 薬が投与されている場合や, 人工培地では発育しないクラミジアや発育の遅いグラム陰性桿菌であるHACEK 群 (Haemophilus 属,Actinobacillus,Cardiobacterium,Eikenella,Kingella) などが原因菌の場合が考えられる. 血液培養が陰性でも臨床的にIEが疑われる場合, あるいは血液培養の結果が判明する前に抗菌薬治療を開始する必要がある場合に行う抗菌薬治療をエンピリック治療と呼ぶ. これに関して標準的治療はなく, 患者背景や臨床経過, 施設での原因菌の頻度などを参考に抗菌薬を選択する. 抗菌薬は, 基本的に単剤投与は行わず,2 剤以上を併用する 2). 市中発症 IEであれば, 頻度の高い Streptococcus 属 >Staphylococcus 属 >Enterococcus 属をカバーする抗菌薬を選択する. 抗菌薬が投与されていなければ,HACEK 群を念頭にセフトリアキソンやスルバクタム / アンピシリンにアミノグリコシドの併用を考慮する. 医療関連 IEであればStaphylococcus 属が多いが, メチシリン耐性の可能性も考えてバンコマイシンなどを考慮する. 6. どこまで抗菌薬治療を行うか重要なことは血液培養の陰性化であり, 臨床的に炎症の改善がみられた場合でも治療開始 1 ~2 週間以内に血液培養陰性化を確認する 2). 検査所見としては, 白血球数に引き続いてCRP (C-reactive protein) が陰性化する. 炎症所見が改善しても, 疣腫内に菌が残存しており, 抗菌薬治療を中止すると再発することがある. ガイドラインでは, 結果的に再発が少ないとされる研究報告に基づいて投与期間が推奨されている 2~4). 炎症が改善しても, 原則的にこの推奨期間は抗菌薬治療を継続する. 適切な抗菌薬の選択にもかかわらず, 炎症の改善がみられない場合は, 弁輪部膿瘍の合併などが疑わしい. 心エコーをくり返し行うほか, 必要に応じてPET/ CTやテクネチウム99 m-hmpao 標識白血球シ ンチグラフィを行う. 弁輪部膿瘍合併例では, 抗菌薬治療だけでは難治であることが多く, 基本的には外科治療を考慮する. 一方で, 発熱が持続する原因の1つとして抗菌薬によるdrug feverがある. 臨床的には抗菌薬の効果がみられても, 発熱のみ持続する場合はdrug feverも考慮する. この場合, 一度, 抗菌薬を中止して様子を見ると自然に下熱がみられる. 7. 外科への紹介のタイミング IEでは, 診断がついた時点で一度, 心臓外科にコンサルトしておいた方がよい. たとえ入院した時点で手術適応がなくても, その後の急激な症状の悪化で手術が必要になったときに, 迅速な対応をとることができるからである. 特に Staphylococcus 属によるIEでは進行が急速であり, 入院後に急速に病態が悪化することがあるので注意が必要である. 基本的に外科治療が必要となるのは, 心不全や塞栓症のリスクが高い例や, 弁輪部膿瘍合併例や真菌によるIEなど, 抗菌薬治療の効果があまり望めない例である ( 表 6). 特に10 mm 以上の可動性疣腫を有し, 塞栓症のリスクが高い例では,1 日の手術の遅れが致命的な塞栓症につながることがあるため, 迅速な手術適応の決定が重要である. 僧帽弁は大動脈弁よりも複雑な動きをするため, 塞栓症のリスクがより高い. 現在は自己弁を温存した弁形成術が広く行われるようになったために, 以前より積極的な外科治療を選択する場合も多い. 例えば, いずれ外科手術が必要になると予想される例において, 弁破壊が進行する前に手術適応を検討する場合などである. 抗菌薬治療中であっても, 感染弁は弁の裂開や穿孔を生じて急激に逆流の増悪から血行動態の悪化を生じることもある. 心不全発症のリスクが高い例では, 心不全発症前に手術を行った方が周術期合併症リスクは低くなる. また, 大動脈弁に生じたIEによる逆流 250 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号

7 特集 心臓弁膜症 : 治療の最前線, 未来への展望 表 6 早期に手術適応を検討すべき症例 1. すでに合併症を生じている例 1) 心不全 : 弁破壊による逆流や短絡など 2) 塞栓症 : 塞栓症再発のリスクの高い疣腫を有し, かつ大きな脳神経症状を有さない 2. 合併症を生じていない例 1) 塞栓のリスクが高い :10 mm 以上の大きな可動性疣腫 ( 特に僧帽弁 ) 2) 弁輪部膿瘍 3) 人工弁感染, リード感染など人工物への感染 4) 真菌, 高度耐性菌による感染 5) 高度な逆流, あるいは短絡, 仮性瘤を生じており, いずれ手術が必要と考えられる例 6) 高度な逆流を伴わなくても感染による弁の損傷が著しく, 高度な弁逆流へ進行するリスク ( 心不全発症のリスク ) が高い, かつ弁形成術の可能性が高い 7) 適切な抗菌薬治療にもかかわらず, 炎症が持続 * 弁形成術を前提とした手術適応を検討する場合には, その可否について事前に外科医とよく相談したうえで検討すること. ジェットにより, 僧帽弁に感染が波及してしまうこともある. ただし, 感染が活動性の時期は, 感染部位の組織が脆弱で縫合不全のリスクが高く, 慢性期に手術をした方が弁形成術の成功率が高いという意見もある. 弁形成術を前提としたIEへの外科手術のタイミングについては, いまだエビデンスが不十分であるうえに, 弁形成術の成績についても施設間の差がみられるのが実情である. このため, 弁形成術を前提とした外科手術のタイミングは, 全ての施設で一律に考えることはできない. こうした症例については,IE チームとして個々の症例について検討し, 最良と思われるタイミングでの手術を行うことが望ましい. 手術適応の決定には感染経路による再発のリスクも考慮する必要がある. 例えば, 齲歯の感染コントロールが不良な例などでは, 感染経路を十分にコントロールできないと術後早期にIE が再発してしまうリスクがある. このような症例では, 術前に感染齲歯を抜歯するなど,IE 再発予防処置を行うことが望ましい. また, 再発のリスクが高い大動脈弁感染例では, ホモグラフトが使用可能な施設への紹介も考慮した方がよい. 術前に細菌性脳動脈瘤の合併を評価することは言うまでもない. ペースメーカーなどの心内リード感染では, 全身に感染が波及してしまう危険がある. ま た, 感染コントロールの問題からも早期にリード抜去を検討する. 開胸による外科的なリード抜去のほかに, 最近ではレーザーを使ったリード抜去が可能な施設も増えている. 抗菌薬治療だけでは感染コントロールが困難と思われる症例は, こうした施設へ早めに紹介した方がよい. 一度, 脳塞栓を発症した症例では, 手術中の人工心肺による脳出血のリスクが高いが, 大きな神経症状を伴わなければ早期に手術をした方 8) が二次的な脳出血が低いという報告もあり, 手術が必要な症例では脳塞栓発症 72 時間以内の手術を行うことが最近は推奨されている 4). また, 微少な出血性梗塞でも, 手術中にナファモスタットメシル酸塩を使用することで安全に手術可能との報告もある 9). 詳細については, 本号外科治療の項に譲る. 術後は, 一般に1カ月程度の抗菌薬治療が推奨されている. 手術検体から原因菌が同定されれば, それを考慮した抗菌薬治療を行う. 8. フォローアップ抗菌薬治療で炎症が治まっても, しばしば再発例がみられる. 特に弁輪部などに炎症が及んでいる場合は根治が難しい. 少なくとも抗菌薬終了 1 年間は, 定期的に血液検査や心エコー検査を行う. わずかでも炎症所見の持続している 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号 251

8 トピックス 例では, 造影 CTやPETなどの画像診断も考慮する. 弁輪部に慢性的に炎症が継続し, 慢性期に瘤化して手術が必要になる例もある.IEの既往がある症例では再発のリスクが高いことを患者に説明し, 注意深く経過観察を行うことが必要である. 一度罹患すると合併症リスクや死亡率の高い疾患である. また, 迅速かつ適切な治療方針決定が予後と大きく結びつく. それぞれの専門家が IEチーム として協力してIEの診断と治療にあたっていくことが望ましい. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関連して特に申告なし おわりに 本稿では IE の内科治療を中心に述べた.IE は 文献 1 ) Thuny F, et al : Management of infective endocarditis : challenges and perspectives. Lancet 379 : , ) 日本循環器学会 : 循環器病の診断と治療に関するガイドライン (2007 年度合同研究班報告 ) 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン (2008 年改訂版 ). 3 ) Habib G, et al : 2015 ESC Guidelines for the management of infective endocarditis : the Task Force for the Management of Infective Endocarditis of the European Society of Cardiology(ESC)endorsed by : European Association for Cardio-Thoracic Surgery(EACTS), the European Association of Nuclear Medicine(EANM). Eur Heart J 2015 doi : /eurheartj/ehv ) Wilson W, et al : Prevention of infective endocarditis : guidelines from the American Heart Association : a guideline from the American Heart Association Rheumatic Fever, Endocarditis, and Kawasaki Disease Committee, Council on Cardiovascular Disease in the Young, and the Council on Clinical Cardiology, Council on Cardiovascular Surgery and Anesthesia, and the Quality of Care and Outcomes Research Interdisciplinary Working Group. Circulation 116 : , ) Martín-Dávila P, et al : Nosocomial endocarditis in a tertiary hospital : an increasing trend in native valve cases. Chest 128 : , ) Fournier PE, et al : Comprehensive diagnostic strategy for blood culture-negative endocarditis : a prospective study of 819 new cases. Clin Infect Dis 51 : , ) Erba PA, et al : Added value of 99mTc-HMPAO-labeled leukocyte SPECT/CT in the characterization and management of patients with infectious endocarditis. J Nucl Med 53 : , ) Piper C, et al : Stroke is not a contraindication for urgent valve replacement in acute infective endocarditis. J Heart Valve Dis 10 : , ) Sakamoto T, et al : Efficacy of nafamostat mesilate as anticoagulation during cardiopulmonary bypass for early surgery in patients with active infective endocarditis complicated by stroke. J Heart Valve Dis 23 : , 日本内科学会雑誌 105 巻 2 号

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