目次 はじめに 住宅ローン減税の背景と概要... 2 (1) 足元の住宅市場の状況... 2 (2) 住宅ローン減税制度の概要 住宅ローン減税の効果... 6 (1) 家計の住宅取得能力に与える影響... 6 (2) 住宅投資への効果... 8 (3) 消費への効果.

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1 2009 年 3 月 24 日発行 拡充された住宅ローン減税の概要と効果

2 目次 はじめに 住宅ローン減税の背景と概要... 2 (1) 足元の住宅市場の状況... 2 (2) 住宅ローン減税制度の概要 住宅ローン減税の効果... 6 (1) 家計の住宅取得能力に与える影響... 6 (2) 住宅投資への効果... 8 (3) 消費への効果 (4) まとめ :GDP 押し上げ効果 おわりに [ 本誌に関するお問い合わせ先 ] みずほ総合研究所株式会社調査本部経済調査部千野珠衣 ( ) tamai.chino@mizuho-ri.co.jp 経済調査部市川雄介 ( ) yusuke.ichikawa@mizuho-ri.co.jp 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり 商品の勧誘を目的としたものではありません 本資料は 当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが その正確性 確実性を保 証するものではありません また 本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります 1

3 はじめに 経済情勢が急速に悪化する中で 政府は昨年後半以降 3 度にわたる経済対策を打ち出してきた その中で 重点項目として注目されているのが 住宅ローン減税の大幅拡充である 年度内に税制改正関連法案が成立する見込みとなったことを踏まえ 本稿では今回の住宅ローン減税の特徴を確認するとともに 住宅着工や関連消費に与える効果を分析する 1. 住宅ローン減税の背景と概要 (1) 足元の住宅市場の状況 1 低迷が続く住宅着工住宅市場の低迷が続いている 2008 年の新設住宅着工戸数は 建築基準法改正の影響 1で着工が大きく落ち込んだ 2007 年 (106.1 万戸 前年比 17.2%) の反動で 大幅に増加することが見込まれていた しかし 住宅着工は 万戸 ( 前年比 +3.1%) と伸び悩み 2006 年 (129.0 万戸 ) の水準と比べても 15.3% 低い結果となった ( 図表 1) 利用関係別にみても 持家 貸家 分譲のいずれも弱含んでおり 住宅市場は全般的に悪化している ( 図表 2) 法改正の影響が比較的小さかった持家は 07 年後半に法改正前に近い水準まで一旦回復したものの 昨年秋以降は再び落ち込んだ また 建築基準法改正の影響が大きかった貸家や分譲住宅はそもそも落ち込みからの戻りが弱く 着工回復の兆しが見えない 図表 1 新設住宅着工戸数図表 2 利用関係別の着工戸数 20 ( 前年比 10 %) 住宅着工戸数 ( 右軸 ) 分譲貸家持家 利用関係別寄与度 ( 左軸 ) ( 暦年半期 ) ( 資料 ) 国土交通省 住宅着工統計 ( 季調済年率 万戸 ) ( 万戸 ) 持家 ( 万戸 ) 貸家 ( 注 ) 季節調整済み年率換算値 ( 資料 ) 国土交通省 住宅着工統計 ( 万戸 ) 分譲 在庫調整圧力が高まるマンション特に市況の悪化が鮮明な分譲住宅のうち 6 割強を占めるマンションの動向を見ると 需要の減退 (= 深刻な販売不振 ) で在庫が急増し それが先安感となってさらに販売不振を招く悪循環に陥っている 首都圏 近畿圏のマンションを例に販売状況をみると 売り出し戸数を絞っているにもかかわらず 契約率 (= 契約戸数 / 発売戸数 100) が好不調の目安である 70% を大きく下回る状況が続いている ( 図表 3) その結果 首都圏 近畿圏の販売 1 耐震偽装の防止のため 2007 年 6 月に建築確認審査の厳格化が図られた 事前の周知が徹底されなかったために混乱を招き 着工戸数の大幅な落ち込みを招いたとされる 2

4 戸数は 2006 年から 2008 年にかけて半減し 在庫は 1.9 万戸まで増加した 発売戸数を絞 っているため統計上確認出来ない 見えない在庫 を含めれば 在庫は 3 万戸程度まで増 加しているとの見方もある 販売低調が長引いている主因は 所得の伸び悩みと住宅価格の高止まりにある 2005 年 から 2008 年半ばまでは住宅価格の上昇が顕著だった (3 年間で 14% 上昇 ) ことから 2008 年の住宅取得能力指数 2 は 1994 年以降の最低水準に低下した ( 図表 4) 2008 年後半以降 深刻な販売不振を受けて マンション販売業者は価格の引下げに手を 着け始めた このため 既に住宅の実勢価格は 2006 年の水準程度まで値下がりしていると される しかし今度は 消費者の間に先安感が広がり 足元で所得環境が著しく悪化していることもあって 値下げも需要喚起には結び付いていない 図表 3 首都圏 近畿圏のマンション市場図表 4 住宅取得能力指数 20 ( 前年比 10 %) 契約率 販売戸数 35 06q2 06q4 07q2 07q4 08q2 08q4 ( 注 ) 首都圏 近畿圏の合計値 ( 資料 ) 不動産経済研究所 マンション市場動向 (%) 80 3 持家系住宅は全般的に需要の厚みが縮小 (2000 年 =100) ( 前年比 6 %) 4 住宅取得能力指数 寄与度分解 8 10 価格要因貯蓄 + 借入額要因 ( 注 )1. 住宅取得能力 = 資金調達可能額 / 首都圏 近畿圏のマンション価格 ( 平均値 ) 資金調達可能額 = 借入可能額 + 貯蓄額 ( 年間の返済額を年収の 25% 以内 返済期間を 25 年と仮定 ) 年の値を 100 として指数化 ( 資料 ) 不動産経済研究所 マンション市場動向 総務省 家計調査 等より試算 このように マンションを中心として住宅市場は現在低調であるが 先行きも厳しそう だ そもそも 既婚率の低下によって新規住宅購入層の中核となる 歳代の二人以上世帯 の世帯数は減少傾向にある 一方で 既婚者世帯の持家率は上昇しており ~39 歳世帯の持家率は % 以上の高水準に達している ( 図表 5) このことは 持家系住宅( 持家 + 分譲 ) の需要の厚みが今後縮小していくことを予想させる 図表 5 持家率 (%) 全体 ~39 歳 ( 注 ) いずれも二人以上勤労者世帯の持家率 ( 資料 ) 総務省 家計調査 2 住宅取得能力指数とは 住宅価格に対する家計の資金調達可能額 ( 借入額 + 貯蓄額 ) の大きさを示すものであり この指数が大きいほど家計は住宅を取得しやすいことを意味する 3

5 (2) 住宅ローン減税制度の概要 以上のような住宅市場の低迷を受け 政府は昨年秋に過去最大級の住宅ローン減税の実 施を決定した この住宅ローン減税は 政府の経済対策に盛り込まれるとともに 2009 年 度の税制改正項目の一つとなっている 2009 年度税制改正関連法案が成立すれば 今年 1 月に遡って減税措置が適用されることになる ここで 減税以外の住宅投資促進措置も併せて 当面の住宅投資促進策の概要を確認しておきたい 1 一般の住宅に対するローン減税住宅ローン減税は 住宅を購入するために組んだ借入額の一部に相当する額を納税額から税額控除することにより 家計の税負担を軽減し 住宅の購入を促すものである こうした減税措置はこれまでも実施されてきたが 今回その控除額を大幅に拡充する税制改正が行われることとなり 一般の住宅 ( 長期優良住宅でないもの ) の場合は最大合計控除額が 0 万円と 2001~04 年に並ぶ規模となった ( 図表 6) 最大控除額は 2008 年 (160 万円 ) から 3 倍強に拡大されたことになる ( ただし 家計の受けられる恩恵が単純に 3 倍になるわけではない この点については後述する (2-(1)1)) 居住の用に供した年 1999 年 1 月 1 日から 2001 年 6 月 日まで 図表 6 最近の住宅ローン減税制度の概要 控除期間 各年の年末残高等に対する控除率 ( 控除限度額 ) 1~6 年目 7~11 年目 12~15 年目 1% 0.75% 0.% ( 万円 ) (37 万 5 千円 ) (25 万円 ) 1~10 年目 1% ( 万円 ) 1~8 年目 9~10 年目 1% 0.% ( 万円 ) (20 万円 ) 1~7 年目 8~10 年目 1% 0.% ( 万円 ) (15 万円 ) 1~6 年目 7~10 年目 1% 0.% (25 万円 ) (12 万 5 千円 ) 1~10 年目 11~15 年目 0.60% 0.% (15 万円 ) (10 万円 ) 1~6 年目 7~10 年目 1% 0.% (20 万円 ) (10 万円 ) 1~10 年目 11~15 年目 0.60% 0.% (12 万円 ) (8 万円 ) 2001 年 7 月 1 日から 2004 年 12 月 31 日まで 10 年 2005 年 1 月 1 日から 2005 年 12 月 31 日まで 10 年 2006 年 1 月 1 日から 2006 年 12 月 31 日まで 10 年 2007 年 1 月 1 日から 2007 年 12 月 31 日まで 10 年 ( 注 ) 控除期間についていずれかを選択 2008 年 1 月 1 日から 2008 年 12 月 31 日まで ( 注 ) 控除期間についていずれかを選択 2009 年 1 月 1 日から 2010 年 12 月 31 日まで 2011 年 1 月 1 日から 2011 年 12 月 31 日まで 2012 年 1 月 1 日から 2012 年 12 月 31 日まで 2013 年 1 月 1 日から 2013 年 12 月 31 日まで 15 年 15 年 10 年 15 年 10 年 10 年 10 年 10 年 1~10 年目 1% ( 万円 ) 1~10 年目 1% ( 万円 ) 1~10 年目 1% ( 万円 ) 1~10 年目 1% (20 万円 ) ( 注 ) 網掛けは 2009 年度税制改正法案が成立した場合 ( 一般住宅のケース ) ( 資料 ) 国税庁 国土交通省 最大合計控除額 万円 0 万円 360 万円 255 万円 200 万円 160 万円 0 万円 0 万円 0 万円 200 万円 4

6 今回の税制改正で 控除額の拡充と並んで特筆されるのが 所得税から控除しきれなかった分について翌年分の個人住民税から控除 ( 上限 9.75 万円 ) することが認められた点だ 2007 年に国から地方への税源移譲が行われたため所得税の納税額が減少し 地方税である住民税の納税額がその分増加していたことを考えれば 今回住民税にまで控除対象が広げられたことは妥当な対応と言える 2 他の住宅投資促進措置今回の減税制度では 一般の住宅とは別に 長期優良住宅の場合は最大控除額が 600 万円に増額される優遇制度が設けられることとなった 3 また 住宅ローン減税以外にも 各種の住宅投資促進措置が用意された ( 図表 7) 住宅の高品質化を促す措置が中心となっており 長期優良住宅向けのローン減税制度と併せ 住宅の長寿化を図る施策に重点が置かれている 税制措置 ( 平成 21 年度税制改正 ) 金融支援措置 図表 7 主要な住宅投資促進措置 住宅ローン減税の延長 拡充最大控除額を一般住宅は0 万円 長期優良住宅は600 万円まで拡充 長期優良住宅の建設促進長期優良住宅を新築又は取得した場合に 標準的な性能強化費用相当額 ( 上限 1000 万円 ) の10% に相当する額を 所得税額から控除 < 適用期限 : 長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行日 ~2011 年 12 月 31 日 > 住宅に係る各種改修の促進 一定の省エネ改修 バリアフリー改修工事を行った場合 工事に要した費用と標準的な工事費用額の少ない方の金額 ( 上限は原則 200 万円 ) の10% に相当する額を その年の所得税額から控除 < 適用期限 :2009 年 4 月 1 日 ~2010 年 12 月 31 日 > 耐震改修促進税制の要件緩和 適用期限の5 年延長 < 適用期限 :2009 年 1 月 1 日 ~2013 年 12 月 31 日 > 優良住宅取得支援制度の拡充 住宅金融支援機構による優良住宅取得支援制度( 金利優遇 ) について 一定の省エネルギー性 バリアフリー性を備えた既存住宅を対象に追加 ( 当初 5 年間 0.3% 引下げ ) <2009 年 1 月 5 日 ~( 募集金額に達し次第受付終了 )> 同制度について 金利優遇期間を延長( 当初 5 年間 当初 10 年間 ) <21 年度予算成立後速やかに実施 > ( 資料 ) 国土交通省 住宅金融支援機構より作成 3 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 によれば 長期優良住宅とは主に 住宅構造の腐食 腐朽防止や耐震性の確保 バリアフリー対応等の事項に関し 一定の基準に適合させるための措置が取られた構造 ( 長期優良構造等 ) を備えた住宅のことを言う 5

7 2. 住宅ローン減税の効果 いくつかの住宅投資促進策がある中で 本稿では最も効果が大きいと考えられる住宅ローン減税に焦点を当て 定量的な分析を試みた 住宅ローン減税は単に住宅投資を喚起するにとどまらず 住宅関連消費財の購入拡大を通じた消費の誘発 住宅関連業界の雇用増加などをもたらすと考えられる ( 図表 8) 以下では (1) 減税による家計への影響 (2) 着工押し上げ効果 (3) 消費への効果について順に分析する 図表 8 住宅ローン減税の経済効果波及の流れ 住宅業界の雇用 賃金の増加 住宅ローン減税制度の拡充 住宅購入者の住宅取得能力の改善 :2-(1) 新設住宅着工戸数 住宅投資の増加 :2-(2) 住宅関連財需要の高まりを通じた消費の増加 :2-(3) 住宅関連業界などの 雇用 賃金の増加 ( 資料 ) みずほ総合研究所 (1) 家計の住宅取得能力に与える影響既述の通り 住宅ローン減税が適用されると ローンを含めた住宅購入負担が軽減される その効果について まずモデル世帯を想定して具体的な減税額を試算した 1 モデル世帯の減税額次のようなローンの条件や世帯構成に関する前提の下 住宅ローン減税による家計の減税額を試算した ( 税額計算の細かい前提は図表 9の注を参照 ) <住宅ローンの前提 > 35 歳時に 00 万円の住宅ローンを年利 3% 返済期間 25 年で借入れ < 家族構成 > 2 人家族 ( 夫婦のみ ) 3 人家族 ( 夫婦と子供 1 人 ) 4 人家族 ( 夫婦と子供 2 人 ) の 3 種類のモデル世帯を想定 子供は 15 歳以下 ( 特定扶養親族に該当しない ) 世帯主の収入 = 世帯の収入とし 購入時 (35 歳 ) の 5 万円から一定の割合で増加 試算の結果は図表 9のようになった 2 人世帯では 10 年間合計の減税額は約 244 万円 3 人世帯では約 228 万円 4 人世帯 6

8 では 203 万円と計算された 最近の住宅ローン減税と比較してみると 最大控除額が拡大 されたことに加え 減税が個人住民税まで拡大されたことで 家計の受ける減税額は大きくなった 仮に住民税が減税の対象とならなかった場合には 減税額は 2 人家族で 185 万円 3 人家族で 148 万円 4 人家族で 111 万円と大きく減少することになる ( 図表 10) ため 今回の住民税に関する措置は一定の意味がある しかし 住民税からの控除に上限 (9.75 万円 ) がなかった場合を試算すると 家計の減税額はより大きくなる モデルケースとして設定したいずれの世帯でも減税額は 2 万円程度となり 4 人家族のケースでは 万円近くも増加する なお 10 年間合計の減税額が最大控除額の 0 万円に達するケースは 当初の借入金が 70 万円弱という場合だ 首都圏の新築住宅の契約者を対象とした調査を見ると 00 万円を超える借入金を有する住宅購入者の割合は 5% 程度に過ぎない ( 図表 11) したがって 0 万円もの控除を受ける購入者はきわめて少数にとどまりそうだ 図表 9 家計の減税額 夫婦のみ 夫婦 + 子 1 人 夫婦 + 子 2 人 ( 注 ) ( 万円 ) ( 万円 ) ( 万円 ) 住宅ローン3,000 万円 ( 年利 3% 返済期間 25 年 ) を借り入れ 当初 10 年間の 2004 年 控除額の合計を四捨五入したもの ( それぞれの時期の税制の下で計算 ) 2008 年までは所得税 年は所得税と個人住民税からの控除額 年までの定率減税は考慮していない 2007 年 2008 年は減税合計額が大きい15 年の制度を選択したものとして計算 ~10 年は一般住宅に居住を開始したケース ( 試算の前提 ) 税額計算の際は 所得控除は給与所得控除 配偶者控除 扶養控除 基礎控除 社会保険料控除のみ考慮 配当控除等の税額控除は考慮せず 収入は借入時の35 歳に5 万円 以後一定の割合で増加し55 歳時に 7 万円に達すると仮定 2009~ ( 資料 ) みずほ総合研究所 図表 10 住民税の控除と減税額 夫婦のみ 夫婦 + 子 1 人 夫婦 + 子 2 人 ( 上段 : 控除合計額 ( 万円 ) 下段: 軽減率 (%)) 上限なし今回 住民税の 控除なし ( 注 ) 軽減率は所得税と個人住民税の合計納税額に対する控除額の割合 試算の前提は図表 9と同様 ( 資料 ) みずほ総合研究所 一戸建て ( 平均 3,173 万円 ) マンション ( 平均 3,077 万円 ) 図表 11 借入金額の分布 % 20% % 60% 80% 100% ~1000 万円 1000~2000 万円 2000~00 万円 00~00 万円 00~00 万円 00 万円 ~ ( 注 ) グラフ中の数値は回答者に占める割合 ( 資料 ) リクルート 2007 年首都圏新築一戸建て契約者動向調査 2007 年首都圏新築 マンション契約者動向調査 2 消費者にとっての割安感続いて 減税によって家計がどの程度住宅を取得しやすくなるか 住宅取得能力指数 (= 資金調達額可能 / 住宅価格 ) を用いて分析する 減税が家計の住宅取得能力をどの程度向上させるかを試算するにあたり 減税額を住宅価格 ( 住宅取得能力の分母 ) から控除するものとみなすか 資金調達可能額 ( 分子 ) に加算するものと想定するかにより 2 通りの考え方がある ここでは減税額の分だけ家計にとっての住宅価格が割安になったと考え 前 7

9 者のアプローチを採用した 図表 12 は 標準的な 3 人家族を想定し 減税の効果を踏まえた住宅取得能力指数を 減税 がなかったと仮定した場合の指数と比較したものである ( マンションの場合で計算 ) これまでも 住宅ローン減税により指数が一定程度押し上げられてきたが 2009 年は減税が拡充されるため 押し上げ効果の拡大が確認できる なお 2009 年にはマンション価格そのものの下落も見込まれるため 減税効果と相まって 能力指数は 3 年ぶりの水準に高まると試算される 図表 12 減税による住宅取得能力指数の押し上げ効果 (2000 年 =100) (Pt) 105 減税を考慮した 能力指数 ( 左軸 ) 減税を考慮しない能力指数 ( 左軸 ) ( 右軸 ) ( 注 ) 1. 住宅取得能力 = 資金調達可能額 / 首都圏 近畿圏のマンション価格 資金調達可能額 = 借入可能額 + 貯蓄額 ( 年間の返済額を年収の25% 以内 返済期間を25 年と仮定 ) 2. 住宅ローン減税を考慮しないときの2000 年の住宅取得能力を100として指数化 年の住宅価格は2006 年の水準近くまで下がると想定 収入や金利等は当社の経済見通しに基づいて試算 ( 資料 ) 不動産経済研究所 マンション市場動向 総務省 家計調査 等より試算 (2) 住宅投資への効果次に このような家計の住宅取得環境の改善が 具体的に住宅着工戸数をどの程度押し上げるかを分析する 1 住宅分類と着工への波及パス住宅を持家系と貸家系に大別すれば 減税の対象となるのは前者である ( 図表 13) 持家系住宅は 住宅の建築主の違いによって さらに持家と分譲住宅に分類できる 持家は 建築主が自分で居住するために建てる住宅 のことで 建築が決定した時点では既に住宅の居住者 ( 購買者 ) が確定しているため 基本的に売れ残り在庫は存在しないと考えられる 一方 分譲住宅では建築主であるマンション業者などが着工段階で買い手需要を完全に把握することが難しく 供給過剰 供給不足となる可能性がある このような性質の違いから 着工戸数と販売戸数について 持家は両者が一致するのに対し 分譲住宅はそのような等式が成り立たないと考えられる 以下では住宅着工押し上げ効果を試算するに当たり 持家と分譲住宅を別個に考察し 住宅ローン減税による全体の住宅着工戸数押し上げ効果を試算した ( 図表 14) 4 4 なお 貸家については 減税による分譲マンション等への需要シフトを通じて着工戸数が減少する可能性があるが 貸家の着工には居住人 ( 需要者 ) よりも不動産業者 ( 供給者 ) の意向が大きく働き 住宅ローン減税による着工戸数への効果を把握しにくいため 本稿では分析の対象から外している 8

10 図表 13 住宅の分類 住宅 持家系 貸家系 持家 分譲住宅 戸建て マンション 戸建て 分譲戸建て 住宅ローン減税の対象 ( 資料 ) みずほ総合研究所 分譲マンション 図表 14 住宅投資の推計フロー 持家の着工戸数の推計 2 分譲住宅の着工戸数マンション販売の推計 3(ii) 戸数の推計 3(i) 住宅着工戸数 住宅投資の推計 4 ( 資料 ) みずほ総合研究所 2 持家への効果まず 持家の着工戸数を試算する 説明変数には着工戸数 (1 期前 ) 消費税率 住宅ローン減税の最大控除額 (1 期後 ) 及び消費者マインド ( 消費者態度指数 ) を用いた ここで 最大控除額の変数を 1 期後としているのは 持家の場合 購入者が家の建築を決めてから実際に住み始めるまで (= 住宅が完成するまで ) にラグが生じるからだ ( 後述するマンションの場合は 既に完成した住宅を購入することになるため 販売戸数と最大控除額の間にラグは想定されない ) 推計の結果 持家の着工戸数は 2009 年に前年比 1.9 万戸 2010 年に同 +2.2 万戸と計算された ( 図表 15) 新築在庫を持たず 住宅ローン減税の効果が着工増に直接表れるはずの持家が 09 年に減少するのは 1 雇用 所得環境の急速な悪化等により消費者マインドが冷え込み マイホームの購入に慎重になる消費者が増えると見られることに加え 2 今回の減税制度は 2013 年まで利用可能なため 先行き不透明感の強い中で購入のタイミングを 9

11 先送りするケースも少なくないからだ 5 なお 控除額を 1 期後としているため 減税枠を 据え置いたケースの 08 年時点の推計値が実績値と大きく乖離する結果となっている ( 図表 16) 図表 15 持家の着工戸数 図表 16 持家の着工における減税の効果 ( 万戸 ) 推計値 持家着工戸数 ( 実績値 ) 予測値 ( 減税枠を拡充したケース ) ( 注 )ln(moc)=0.7ln(moc(t-1)) ln(M(t+1)) ln(CT) ln(Emp) adj.r2=0.91 DW=2.4 (MoC: 持家着工戸数 M: 最大控除額 CT: 消費税 Emp: 消費者態度指数 ( 雇用環境 )) 内は t 値 推計期間 1992~2008 年 ( 資料 ) 国土交通省 総務省等よりみずほ総合研究所 ( 万戸 ) 減税枠据置 31.9 ( 実績値 ) 26.6 予測値 減税枠拡充 23.6 ( 注 ) 変数の最大控除額に 1 期のラグを取っているため 減税枠を据え置いたケースの 08 年の推計値と実績値に乖離が生じている ( 資料 ) みずほ総合研究所試算 3 分譲住宅への効果一方 前述したように現状在庫が積み上がっている分譲住宅では 住宅ローン減税の拡充の効果は販売戸数の増加 在庫の減少 着工の増加という経路で表れることになろう ここでは 減税要因を組み込んだマンションの販売戸数を推計し それをもとに分譲住宅の着工戸数を試算した (i) 首都圏 近畿圏のマンション販売戸数の推計まず首都圏 近畿圏のマンション販売戸数を推計した マンション販売の増減要因として 住宅取得能力指数 消費税率 住宅ローン減税の最大控除額を変数に取り販売戸数を 図表 17 首都圏 近畿圏のマンション販売戸数 図表 18 マンション販売における減税の効果 ( 万戸 ) マンション販売戸数 ( 実績値 ) 予測値 ( 万戸 ) 8.5 減税枠拡充 予測値 販売戸数の推計値 ( 注 ) 首都圏 近畿圏のマンション販売戸数の推計 ( 推計式 )ln(mh)=2.0*ln(ns(t-1)) ln(CT) ln(M) (mh=マンション販売戸数 NS= 住宅取得能力 CT= 消費税 M= 最大控除額 ) adj.r2=0.92 D.W.=2.0 内はt 値 推計期間 :1989~2008 年 ( 資料 ) 不動産経済研究所等よりみずほ総合研究所試算 ( 注 ) 首都圏 近畿圏のマンション販売戸数 ( 資料 ) みずほ総合研究所試算 減税枠据置 5 住宅ローン減税の適用を受けるには 適用期間内に居住を開始する必要があるが 今回の減税措置では 2011 年で最大 0 万 2012 年で同 0 万円 2013 年でも同 200 万円の控除が受けられることになっている 平均的な世帯の減税額が 2 万円程度 ( 図表 9 参照 ) であることを考えると 2012 年まで家計にとっての実質的な効果は変わらない 10

12 試算すると 両都市圏の 2009 年の販売は前年比 +2.4 万戸と 07 年を若干上回る水準に回復し 2010 年の販売戸数は 09 年の水準から更に 0.9 万戸増加することが見込まれる ( 前ページ図表 17) 減税枠が 2008 年末のものに据え置かれた場合と比べると 2009 年に+1.6 万戸 2010 年に+1.8 万戸という押し上げ効果が予想される ( 前ページ図表 18) (ii) 分譲住宅着工戸数次に 分譲住宅の着工戸数を推計する (i) で求めた首都圏 近畿圏のマンションの販売戸数を元に 同地域のマンション着工戸数を推計し 首都圏 近畿圏のマンション着工戸数が全国の分譲住宅に占める割合で割戻すことにより 全国の分譲住宅の着工戸数を算出した マンション販売戸数 地価 建築基準法改正ダミーを変数として分譲住宅の着工戸数を推計した結果 2009 年の着工戸数は前年比 3.0 万戸 2010 年は同 +5.0 万戸となった ( 図表 19) 2009 年のマンションの販売戸数が増加するにもかかわらず着工戸数が減少するのは 販売が増えても当面は在庫ストックが減少するのみで 着工が増え始めるのは在庫が一定の水準を下回るようになってからとなるためだ 2010 年になると 2009 年の販売増による在庫の減少を受けて 漸く着工戸数が増加する 現在のようにマンションの在庫を多く抱える状況では 分譲住宅の場合は住宅ローン減税が着工戸数の増加に結び付くのに一定の時間を要する 以上から 減税の拡充による分譲住宅の着工押し上げ効果は 減税規模を 2008 年のレベルに据え置いた場合と比較して 2009 年が+1.0 万戸 2010 年が+3.7 万戸と計算される ( 図表 20) 図表 19 分譲住宅着工戸数の推計 図表 20 分譲住宅の着工における減税の効果 ( 万戸 ) 推計値 分譲住宅着工戸数 ( 実績値 ) 予測値 ( 注 ) 図表 17 の推計式で推計した首都圏 近畿圏のマンション販売戸数から 同地域のマンション着工戸数を下記推計式で求め 全国の分譲着工戸数に占めるマンション着工戸数の割合で割り戻したもの ( 推計式 )ln(mc)=0.3ln(mh) ln(mh(t-1)) ln(P(t-1)) DUM (mc: マンション着工戸数 ( 首都圏 近畿圏 ) mh: マンション販売戸数 ( 首都圏 近畿圏 ) P: 公示地価 ( 三大都市圏の住宅地 ) DUM: 建築基準法改正ダミー (2007 年 =1)) adj.r2=0.91 DW=2.1 内は t 値 推計期間 1989~2008 年 ( 資料 ) 国土交通省 不動産経済研究所等よりみずほ総合研究所試算 ( 万戸 ) ( 注 ) 全国の分譲住宅着工戸数 ( 資料 ) みずほ総合研究所試算.0 予測値 減税枠拡充 減税枠据置 4 着工押し上げ効果 以上から 住宅ローン減税の拡充による持家系住宅の着工戸数の押し上げ効果は 減税 制度を据え置いた場合と比較すると 2009 年が +6.5 万戸 2010 年が 万戸となる ( 11

13 図表 21) 2009 年 10 年の貸家の着工戸数が 2008 年の水準を維持すると仮定すれば 3 用途 ( 持家 分譲 貸家 ) 合計の着工戸数に占める押し上げ戸数の割合は 2009 年が+6.7% 2010 年が+12.5% と計算される 図表 21 減税による持家系住宅の着工押し上げ効果 2009 年 2010 年 着工押し上げ戸数 ( 万戸 ) 持家 ( 万戸 ) 分譲 ( 万戸 ) ( 注 ) 減税枠が据え置かれた場合との比較 ( 暦年の値 ) ( 資料 ) みずほ総合研究所 (3) 消費への効果住宅ローン減税は 住宅着工を押し上げるほか 耐久財の購入誘発効果も期待できる ( 図表 8 参照 ) 住宅金融支援機構が 5 年に一度実施している調査では 住宅購入世帯の平均的な耐久財購入額は 2003 年時点で 万円であった 現在も購入数量が変わらないとすれば この間の耐久財の価格変動を考慮すると 155 万円程度の支出となる 耐久財の購入は 着工戸数ではなく販売戸数に対応すると考えられるため まず 住宅ローン減税による持家系住宅の販売押し上げ戸数を算出する 既述の通り 持家については着工戸数 = 販売戸数とみなすことができるため 販売戸数は減税枠が据え置かれた場合より 2009 年に 5.5 万戸 2010 年に 8.5 万戸増加する ( 図表 16 参照 ) 一方 分譲住宅では 首都圏 近畿圏におけるマンション販売の押し上げ効果が 1.6 万戸であるから ( 図表 18 参照 ) 同地域のマンション着工戸数が全国の分譲住宅着工戸数に占める割合で割り戻すと 全国の分譲住宅の販売押し上げ効果は 3.5 万戸と計算できる 同様に計算すると 2010 年は 4.0 万戸となる見込みだ 以上から 持家系住宅の販売押し上げ戸数は 2009 年に 9.0 万戸 (5.5 万戸 +3.5 万戸 ) 2010 年に 12.5 万戸 (8.5 万戸 +4.0 万戸 ) となり 耐久財購入誘発効果はそれぞれ約 10 億円 (155 万円 9.0 万戸 ) 約 2000 億円 (155 万円 12.5 万戸 ) と計算される 名目 GDP 比で見ると 2009 年が 0.03%( 個人消費対比では 0.05% 程度 ) 2010 年が 0.04%( 同 0.07%) に相当する (4) まとめ :GDP 押し上げ効果以上から 今回の住宅ローン減税の拡充による住宅投資及び個人消費の押し上げ効果をまとめると 名目 GDPを 2009 年に 0.3% 2010 年に 0.5% 程度押し上げると試算され ( 図表 22) 一定の政策効果が期待される ただし 経済環境が厳しい状況にある中で 住宅ロ 12

14 ーン減税拡充の押し上げ効果を需要低迷などによる押し下げ効果が上回り 着工戸数が減 少する可能性もあるだろう 図表 22 住宅ローン減税の GDP への効果 ( 単位 :%) 2009 年 2010 年 GDP 住宅投資 個人消費 ( 注 ) ここでは 住宅投資の押し上げ効果 = 着工戸数の増加と想定 ( 資料 ) みずほ総合研究所 おわりに 本稿で見てきたように 住宅ローン減税は 持家系住宅の着工戸数及び住宅投資を一定程度押し上げると見られる 今後 景気対策としてより大きな効果を期待するには 例えば個人住民税からの控除額の上限を撤廃することなどが検討されても良いだろう ただし既述の通り 経済環境の悪化によって 効果が顕在化しない可能性もある また そもそも近年の新設着工戸数は世帯増加数を上回るペースで増加しており 需要の先食いが生じていたことや 少子高齢化によりファミリー世帯数が近い将来ピークアウトすることが予想されていることなど 住宅市場には内在的な下押し要因が存在する 住宅ローン減税以外の措置も含め今回の一連の措置の効果が期待されるが 住宅市場は当面厳しい状況が続きそうだ 13

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ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に 子育て費用の時間を通じた変化 日本のパネルデータを用いた等価尺度の計測 名古屋大学大学院経済学研究科 ( 研究科長 : 野口晃弘 ) の荒渡良 ( あらわたりりょう ) 准教授は名城大学都市情報学部の宮本由紀 ( みやもとゆき ) 准教授との共同により,1993 年以降の日本において,2 歳以下の子供の子育て費用が大幅に増加していることを実証的に明らかにしました 研究グループは 1993 年において

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2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった 3. 給与所得控除等の見直し 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景給与所得控除については 給与所得者の実際の勤務関連支出と比べても金額が大きく また 主要国の概算控除額との比較においても過大となっていることから 中長期的には主要国並みの控除水準とすべく見直しが必要であるとの平成 26 年度税制改正大綱における方向性に沿って 平成 28 年 29 年に続き 給与所得控除の引下げを行う (2) 内容

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第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である 平成 29 年 7 月 28 日 国土交通大臣石井啓一様 一般社団法人全国住宅産業協会会長神山和郎 平成 30 年度住宅 土地税制改正要望 わが国経済は 雇用 所得環境の改善を受けて 緩やかな回復基調が続いており景気回復期は戦後 3 番目の長期となっていますが 消費が持ち直したとの実感はなく 本格的な個人消費の活性化のためには 将来不安を払拭する社会保障 居住環境の一層の整備が求められています 住宅

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下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の 営 ViewPoint 法人税における 特別償却 と 特別控除 久住透部東京室 法人が特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供した一定の場合 通常の減価償却のほかに認められる 特別償却 の制度や 一定の金額を法人税額から控除する 特別控除 ( 税額控除 ) の制度の適用を受けることができます 今回は 法人税における特別償却および特別控除について それぞれの概要と選択のポイントを解説します 特別償却や特別控除の効果は

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