安心に関する消費者心理

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くうしょうかりこめ
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1 安心に関する消費者心理拓殖大学田嶋ゼミ B 班栗原正和中村大輝長崎知佳馬場隆文広川諒 1 2 安心安全意識の高まり現代の消費者食品中国ギョウザ産地偽装エコナ住宅耐震強度偽装アスベスト病気インフルエンザ環境温暖化客観的なデータで安全性を示されても安心につながらない理屈は分かっても感情的に納得できないということはある意味不合理な判断を人間は行っている ( 中谷内氏 ) 3 4 問題意識消費者はどのように安心安全を認識しているのか 5 6 1

定義安全とは具体的な危険が物理的に排除されている状態安心とは心配不安がない主体的主観的な心の状態

企業の取り組みなど ) 2 企業が作成した情報誌 3 生産工場の見学安心 = 安全安心安全 7 8

を担保するのは当たり前今の関心はいかに安心を提供できるかになっている (09.10.

2 定義安全とは具体的な危険が物理的に排除されている状態安心とは心配不安がない主体的主観的な心の状態日本学術協力財団食の安全と安心を守るより安全への取り組み 1 インターネットでの情報開示 ( 使用している原材料企業の取り組みなど ) 2 企業が作成した情報誌 3 生産工場の見学安心 = 安全安心安全 7 8 消費者と企業との間のズレ企業の安全対策の情報提供消費者が受け取る情報今企業がすべきこと今や企業が安全を担保するのは当たり前今の関心はいかに安心を提供できるかになっている ( 東洋経済植木五郎氏 ) 9 10 私たちの考える安心安全とは研究目的企業が安全を提供しても消費者が安心を感じるとは限らない消費者に安心を感じさせるためにはどうすれば良いか明らかにする

3 安心は不安の解消不安とは現実の中に自分をおとしめる事態の発生を予兆させるものを見つけたときに生ずる感情的な不安状態のこと安全安心の心理学より安心とは心配罪悪感無価値感および他のすべての形態の感情的苦悩から解放されること心理臨床大事典より安心を感じるまでのプロセスリスク安心リスクのことは考えない危険性認識不安感情事例研究イセ食品わかりやすく安心を伝えた例として社会背景 2004 年 1 月鳥インフルエンザ発生卵業界卵消費量 2 割減イセ食品売り上げ増加 ( 日経デザイン ) 11 月 27 日イセ食品本社にてインタビュー年 7 月 4 日 ( 朝日新聞 ) イセ食品が実施している安全対策を列挙文章に目がいきやすい要点がまとまっている何を伝えたいか一目で分かる内容 2004 年 9 月 15 日 ( 朝日新聞 ) 卵の生産履歴を管理する古い台帳をに採用ノートが生産履歴をイメージさせている管理をしっかりしていそう 30 代後半 ~40 代の幼児から高校生の家族 ( 特にお母さん ) 安心して食べさせられる今後も頑張って下さい 50 代から上の年齢層 ( 高齢者 ) こんなに古い記録を保有されているのは感激したし流石にイセさんですね

4 消費者の分類精緻化見込みモデル (Petty and Cacioppo 1986) 情報処理の動機付けは高い 7 月 9 月どちらにしても安心を感じる消費者によって安心の感じ方に違いがあるのではないか? Yes 情報処理する能力は高い Yes 中心的処理 No No 周辺的処理中心的処理とは統制されており深く体系的な情報処理周辺的処理とは自動的で浅く簡便な情報処理 (Mandler,1985) 精緻化見込みモデルと安心を感じるプロセスを結びつける要素として私たちが考えるのがリスクに対する認識度リスクを知りその本質意義などを理解している程度のこと 1. リスクに対する認識度が高い消費者リスクに対する原因を理解している人 2. リスクに対する認識度が低い消費者リスクは理解だが原因を理解していない人消費者の分類安心を感じるまでのプロセス人間は外部の刺激を五感を通して取り入れる消費者は第一印象を見かけで決める不安の高さ Yes リスクに対する認識度の高さ Yes No No 研究対象外視覚 75% 聴覚 13% 触覚 6% 嗅覚 3% 味覚 3% 五感を通して取り入れる刺激 ( 平久保 ) 中心的処理周辺的処理消費者はどのように情報を取り入れるか視覚から得る情報にはどのようなものがあるか

5 文章からイメージまで記憶された情報が保存されるのは, そのままの形ではなく脳内に心的表象として表されるまた知識を利用するためには, 心的に表象化された情報とそれまで保存されていた他の知識もあわせて使用している ( 福田 ) リスクに対する認識度の高い消費者は文章を見てリスクを解消するイメージができるリスクに対する認識度の低い消費者はどうかからイメージまで文章の読解では多くの認知負荷を受けることが考えられそのため多くの認知資源が必要となる読解時に負荷がかかることで処理は非効率になりこれが情報保持のための認知資源を不足させその結果処理単位が小さくなる ( 吉村植野 ) リスクを解消するイメージがしにくいのではないかリスクに対する認識度の低い消費者はを直接見せてイメージさせる心的イメージ心的イメージは表象のひとつの形態であり心象あるいは単にイメージともよばれる Ex. バナナとレモンの黄色はどちらが濃いかという問いに答えるときほとんどの人は視覚的な映像を頭の中に浮かべそれを見ているような感覚的印象を持つこと ( 行場箱田 ) イメージから安心を感じるまで視覚的なイメージ見ているような感覚理解したようになるリスクについて考えずにすむ安心今までのまとめ中心的処理リスクに対する認識度が高い消費者イメージできるリスクについて考えずにすむ文章を理解できる不安安心リスクリスクに対する認識度が低い消費者イメージできない文章を理解できない周辺的処理リスクについて考えずにすむ

仮説仮説 1 リスクに対する認識度の低い人はで伝えられることで安心を感じやすくなる仮説 2 リスクに対する認識度の高い人は文章で伝えられることで安心を感じやすくなる

200( 100 文章 100) 有効回答数 200 男女比 100:100( 文章 50:50) 質問内容別紙の配布資料分析方法回帰分析質問 1<

時間以内に内服をしないと効果が薄い 1-2 インフルエンザウィルスは高温多湿に弱い 1-3 インフルエンザは法律に定められた感染症である 1-4

多数の人々が年齢を問わず感染する状態をパンデミックと言う 1-7 高齢者がインフルエンザに感染すると死亡率が高い 1-8 インフルエンザにかかりやすいのは5~14

型が存在する 10 項目 1 知っている 2 知らないの 2 択でリスクに対する認識度を分析 33 34 文章質問 3<

このマスクに対して安心を感じた 1 2 3 4 5 6 このマスクを購入したい 1 2 3 4 5 6 このメーカーの製品を信頼できる 1 2 3 4 5 6

6 仮説仮説 1 リスクに対する認識度の低い人はで伝えられることで安心を感じやすくなる仮説 2 リスクに対する認識度の高い人は文章で伝えられることで安心を感じやすくなるアンケート概要調査題材インフルエンザに対するマスクの安全性と安心調査対象拓殖大学の学生調査方法質問紙法調査期間 2009 年 12 月中旬サンプル数 200( 100 文章 100) 有効回答数 200 男女比 100:100( 文章 50:50) 質問内容別紙の配布資料分析方法回帰分析質問 1< 以下のインフルエンザに関する情報について当てはまるものにを付けてください > 1-1 インフルエンザの治療薬タミフルは症状が出てから48 時間以内に内服をしないと効果が薄い 1-2 インフルエンザウィルスは高温多湿に弱い 1-3 インフルエンザは法律に定められた感染症である 1-4 ワクチンは鶏やダチョウの卵から作られる 1-5 タミフルの効果が期待できない場合にはリレンザを使用する 1-6 流行が短期間に世界的に拡大し多数の人々が年齢を問わず感染する状態をパンデミックと言う 1-7 高齢者がインフルエンザに感染すると死亡率が高い 1-8 インフルエンザにかかりやすいのは5~14 歳の児童生徒である 1-9 新型インフルエンザと通常のインフルエンザの感染の仕方はまったく同じである 1-10 インフルエンザは大きく分類するとA 型 B 型 C 型が存在する 10 項目 1 知っている 2 知らないの 2 択でリスクに対する認識度を分析文章質問 3< 別紙の写真を見て以下の質問にお答えください当てはまるものにを付けてください > インフルエンザウィルスを防げそうこのマスクに対して安心を感じたこのマスクを購入したいこのメーカーの製品を信頼できるまったくそう思わないそう思わないややそう思わないややそう思うそう思うとてもそう思う画像を見る前と見た後でインフルエンザに対する意識が変わった WHO( 世界保健機関 ) 推奨規格 35 ここでと文章の資料を見てもらい 6 段階の回答で安心を感じたかについて分析 36 6

7 アンケート詳細仮説 1 リスクに対する認識度の低い人はで伝えられることで安心を感じやすくなるモテル 1 安心を感じた ( 定数 ) 認識度 a. 従属変数 : 安心した係数 a 標準化係非標準化係数数 B 標準誤差ヘータ t 有意確率回帰係数有意確率棄却された文章 37 リスクに対する認識度不安の高さが高い人に絞り 49 人から分析 38 アンケート詳細仮説 2 リスクに対する認識度の高い人は文章で伝えられることで安心を感じやすくなる文章モテル 1 ( 定数 ) 認識度 a. 従属変数 : 安心した係数 a 有意確率標準化係非標準化係数数 B 標準誤差ヘータ t 有意確率安心を感じた回帰係数棄却された文章 39 リスクに対する認識度不安の高さが高い人に絞り 51 人から分析 40 棄却された理由 WHO という組織名が安心の基準になってしまった WHO のマークで安心をイメージつかせることができなかった文章文章のアンケート写真にフィルター機能を詳しく説明した図を入れてしまいと文章が区別できなかった両方リスクに対する認識度の基準があいまいだったリスクに対する認識度の高い消費者と低い消費者で分けて写真を見せるべきだった限界点として実際に実物を手にしていないから安心を感じることができないのではないか安心を伝えるはずのアンケートの写真の画質が荒くなってしまい安心を感じてもらえなかったのではないか

8 学術的貢献安心の感じ方は消費者によって二通りあるという可能性を示すことができた安心を感じるまでのプロセスというモデルを構築した実務的貢献安心と安全は違うものでいくら安全を伝えても安心は感じない有意であったなら ( 企業への提案 ) リスクに対する認識度の高い消費者に対しては原因を把握し理解力があるので安心について文章で伝えるのがよいリスクに対する認識度の低い消費者に対しては原因を把握し理解力がないのでを使って伝えるのがよい参考文献資料 URL 参考文献資料 URL 海保博之宮本聡介著安全安心の心理学 2007 新曜社中谷内一也著安全でも安心できない信頼をめぐる心理学 2008 ちくま新書河野英俊著売り場の心理学 2002 ぱる出版森敏昭井上毅松井孝雄著グラフィック認知心理学 1995 サイエンス社清水寛之編視覚シンボルの心理学 2003 ブレーン出版原田純治編社会心理学対人行動の理解 1999 ブレーン出版梅沢伸嘉著消費者心理のわかる本 2006 同文館出版飽戸弘編消費行動の社会心理学 1994 福村出版平久保仲人著消費者行動論なぜ消費者はAではなくBを選ぶのか? 2005 ダイヤモンド社今村知明編食品不信社会 : なぜ企業はリスクコミュニケーションに失敗するのか 2008 中央法規出版日本学術協食の安全と安心を守る 2007 日本学術協力財団深田博己編説得心理学ハンドブック : 説得コミュニケーション研究の最前線 2002 北大路書房岡林春雄著認知心理学入門 1995 金子書房行場次朗箱田裕司編知性と感性の心理認知心理学入門 2000 福村出版畑村洋太郎著みるわかる伝える 2008 講談社週刊東洋経済 2009/10/17 日経デザイン2005 年 2 月号参考文献資料 URL 中小企業家同友会のページ日本政策金融公庫ブリヂストンご清聴ありがとうございました

Microsoft Word - 博士論文概要.docx

Microsoft Word - 博士論文概要.docx [ 博士論文概要 ] 平成 25 年度金多賢筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,