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こうごおおかわち
5 years ago
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1 殖学 : 今さら聞けないこんなことあんなこと動物殖学研究会理事会編会員の皆様は殖学関連業務に従事してから数年数年経過している々が多いと思いますその経験を重ねる過程の中で様々なノウハウが蓄積されるでいくつかの疑問にも直していると推察いたします専家として育成される過程でしばしば知識として蓄えなければならない事項 ( 語メカニズムなど ) を素通りしてしまい今さら聞けない事態に陥っている場合が少なくないことを反映しているように思われます本稿はこのような専家や経験を蓄積途上の々を対象に互いの知識や経験を交換する卒後教育の場を提供しようと企画されました研究会学会は会員相互による卒後教育の機能を担っていると考えますこの場を通じて多くの会員の皆様の疑問が解消でき質のい殖学の振興に貢献されることを期待しています Q1: 殖学と発学の違いを教えて下さい発学は主に哺乳動物を対象として殖細胞初期胚あるいは多分化能を有する細胞に対し何らかの遺伝操作を加えて発の過程を操作する法やその操作によって得られた動物の解析や利を研究する領域と理解することができますつまり発学は分物学 ( 遺伝学 ) 理学( 病態理学 ) 組織学 ( 病理学 ) 実験動物学繁殖学( 殖学 ) などから構成される統合的な研究領域であり in vivo の遺伝機能解析系であると考えられますまた殖学は繁殖技術や殖補助医療技術を包含するとともに殖細胞胚操作技術を中とした発学の部を構成する研究技術領域であると考えられます胚操作技術の単独利で本来 in vivo で起きる現象を in vitro で再現させることや然界では存在し得ない個体の為的作成を発学に含める考えもあるようですがこれらは殖学に分類されるのが適切かと思われます Q2: マウスなどの初期胚を保存する法に凍結保存法とガラス化保存法がありますがその違いは何でしょうか? きな違いは冷却した際に氷の結晶が細胞内外に形成されるか否かです凍結保存法は氷の結晶を成させながら冷却しますガラス化保存は氷の結晶をじさせずに冷却します

2 哺乳動物の卵や胚の細胞質は 85% 程度がで構成されていますこれらの細胞を氷点下まで冷却すると氷晶を形成しますが細胞内の氷晶形成は細胞を物理的に破壊することになるので細胞の凍結保存においてはこれを防ぐことが最の課題とえますこのため保存液に凍結保護物質を添加しています細胞を期間保存するためには ( 多くの分を含む ) 細胞を固体にしなければなりませんが液体が固化する場合には氷晶を形成する場合と形成しない場合があり後者をガラス化 (vitrification) と呼んでいますこれは低温下で液体の粘度がまり定の温度 ( ガラス化転移温度 ) 以下で固化する現象で氷晶を形成しないのが特徴ですちなみに細胞内のガラス化転移温度は 130 ですのでガラス化した細胞の保存にはドライアイス ( 79 ) ではなく液体窒素 ( 196 ) が必要です Q3: 凍結保存液やガラス化保存液はどのような物質から構成されていますか? またそれぞれの構成要素の役割は何ですか? グリセロールエチレングリコール DMSO プロピレングリコール等は分量が 100 以下ですがこれらは細胞膜を浸透することのできる凍結保護物質としていられていますまた凍結前の平衡での細胞内の急激な脱融解後の細胞内への急激なの流防といった細胞膜の保護のために細胞膜を透過せず浸透圧効果のあるシュクロースやラフィノースなどの少糖類や分物質を理的な溶液に添加しています Q4: 液体窒素中で保存している凍結保存胚や精についての保存可能期間は何年くらいですか? 液体窒素中できた細胞を凍結保存するとすべての代謝活性がほぼ停し半永久的に保存可能とわれています唯問題となるのは保存期間中に受ける宇宙や地中などに由来する然放射線の影響ですがバックグラウンドの放射線量 ( 然放射線 ) の 84 倍量の放射線を 29 ヶ間照射 ( 約 200 年間の然放射線線量相当 ) した凍結胚において融解後の存性や得られた産にはまったく影響がなかったとの報告があります (Whittingham et al., Long-term storage of mouse embryos at -196 degrees C: the effect of background radiation. Genet Res 29: , 1977) また 25 年間液体窒素中に凍結保存したマウス胚から正常な産がまれていますし家畜においても 20 年間保存されたウシの凍結精の授精で産が得られています従って胚や精を液体窒素中で凍結しておけば半永久的な保存が可能と思われます

3 Q5:2 細胞期で凍結したマウス胚の融解後側割球が死滅していました ( もうの割球は正常 ) この胚を移植しても産へ発が期待できますか? 発率は低いですが正常な産へと発します移植胚の 10 20% が産へ発しその後の発育や繁殖能も正常であることを経験していますまた為的にマウスの 2 細胞期胚あるいは4 細胞期胚の割球を2 分離 ( それぞれ 1/2 胚 2/4 胚 ) して体外培養後桑実胚および胚盤胞に発した2 分離胚を移植した結果 1/2 胚では 25% 2/4 胚では 29% が産へ発したことが報告されています ( 富樫らマウスの2 細胞期胚分離による卵性双仔の作出家畜繁殖誌 33: ) Q6: ドライシッパーに液体窒素を分に充填して海外へ送ったのですが結果的に液体窒素がカラになってサンプルは融けていましたこのドライシッパーは故障 ( 不良品 ) していたのでしょうか? 輸送中にドライシッパーが転倒していたと思われますドライシッパーを横倒しの状態で置くと 5 6 で液体窒素が蒸発し凍結精や胚が融解してしまいます必ず上に THIS SIDE UP と注意書きをして輸送中に横倒しにしないようにしてもらうことが重要です Q7: 凍結サンプルのったストローやチューブを液体窒素タンクにれて輸送したいのですが通常の宅配便で良いでしょうか? 宅配業者毎に液体窒素の取り扱い規定が異なります通常の液体窒素タンクは扱いませんがタンクが倒れても液体窒素がこぼれないドライシッパーは取り扱う業者もありますさらに同じ業者でも地域によって扱いが異なりますので事前の確認が必要です Q8: 遺伝改変マウスの精巣上体尾部の輸送に関してもカルタヘナ議定書のルールが適されるのでしょうか? 通常の組織は適外ですが卵巣精巣精巣上体精管などの殖器副殖器は卵や精を含んでいるため殖細胞と同じとなされカルタヘナ議定書のルールが適されます Q9: レシピエントマウスへ胚移植をう適切なタイミングを教えてください胚移植する初期胚の発ステージによって異なりますレシピエントマウスにプラグがついた当 (0.5 dpc) は前核期受精卵 8 細胞期胚を卵管に移植しますまた 8 細胞期胚から胚盤胞を移植する場合には 2.5 dpc( あるいは 3.5 dpc) に

4 宮に移植します要するに卵管ステージの初期胚は卵管に宮ステージの胚は宮に移植するのが般的ですまた宮ステージの胚を 0.5 dpc の卵管に移植することも可能ですこの場合レシピエントの妊娠令に合わせて分娩されますしかし卵管ステージの胚を宮に移植することは現実的ではありませんまたレシピエントの妊娠齢が初期胚の発齢より進んでいると胚移植しても妊娠しないので注意してくださいさらにプラグ確認であっても深夜の移植になると移植胚が着床することはありませんので注意が必要ですこれは卵管上細胞の繊運動が変化することによって胚の移動が妨げられることが原因と推察されます中忙しくて移植ができなかった場合は深夜まで働くことは避け改めて移植実験を設定するようにしてください Q10: マウスの凍結保存胚を融解した結果数個の2 細胞期胚と数個の桑実胚が残りました少数の胚を移植した場合には分娩が遅延して結果的に産を得ることができないので帝王切開が必要になると聞きました親を意していませんどうしたら良いでしょうか? 丈夫です 2 細胞期胚と桑実胚を緒に卵管に移植してください両者ともにレシピエントの妊娠令に合わせて発します発時期の異なる胚が移植された場合には着床後に胚の発が同調することが報告されています (Ueda et al., Possible expansion of window of implantation in pseudopregnant mice: Time of implantation of embryos at different stages of development transferred into the same recipient. Biol Reprod 69; , 2003) またの異なる他の系統の胚が意できるのであればそれらと緒に移植するのもつの法です Q11: 体外受精と授精の違いを教えてください体外受精は卵も精も体外に取り出して培地内で受精させます授精は体外に取り出した精を宮や卵管に注して受精させます授精では授精をい受精とは記載しないことに注意してください Q12: 前培養したマウスの精は培養何時間まで精を体外受精に使できますか? 例えば前培養 10 時間後の精でも受精することができますか? ご質問は受精能獲得のための培養 ( 前培養 ) をどれだけ延できるのか? ということと理解します前培養 10 時間の成績は持っておりませんが 24 時間後には受精することはほとんどないことが報告されています 37 5%CO2 95% 空気の気相下で 24 時間培養した 150 精 /μlの濃度の精の受精率は0% 750 精

5 /μlの濃度の精の受精率はわずか1% でしたしかし 37 5%CO2 95% 空気の気相下で1 1.5 時間培養した受精能獲得精を % 空気あるいは 24 5%CO2 95% 空気の気相下で 24 時間培養 ( 放置 ) した精を 37 5% CO2 95% 空気の気相下で1 1.5 時間追加培養して媒精した結果 150 精 /μ lの濃度の精では 37.46% 750 精 /μlの濃度の精では 63.66% の受精率が得られていますさらに % 空気の条件で 24 時間培養 ( 放置 ) する際の精濃度を ^4/μlにめることによって 100% 近い受精率が得られることも報告されています得られた受精卵は体外培養によって率に胚盤胞に発すること移植によって移植胚の 70% 以上が産仔に発することもされていますちなみに冷蔵庫温度で保存された受精能獲得精の受精率は 37 と同様に極めて低いものでした (Jishage & Suzuki, Maintenance of the fertilizing ability in capacitated mouse spermatozoa. J Reprod Dev 39; , 1993) したがいまして今使した精のシャーレを机の上に置いておけば明温め直して再利できるということになります Q13: 体外受精後の受精卵を受精培地から体外培養培地 (mwm や KSOM mczb) に移すベストなタイミングはいつでしょうか?2 細胞期で移すより前核期で移したほうが良いでしょうか? 培養液に添加される μM の濃度の EDTA はそもそも 2-cell block を克服するために添加されていますが 2-cell block に対する EDTA の添加は2 細胞期では効果がなく前核期から添加することが必要ですしたがいまして例え 2-cell block をさない系統の培養であっても前核期から添加することが望ましいと考えられます Q14: 過排卵処理卵の受精能保有時間はどのぐらいでしょうか? ICR 系のマウスの場合 hcg 注射後 24 時間に採卵し媒精しても受精はしますが正常に発する卵はほとんど有りません TYH 培地で授精した場合の受精率は 90% 以上ですがこれらの受精卵を Whitten 培地 +100μM EDTA で培養すると胚盤胞への発率は 30% 程度です通常の体外受精 (hcg 投与後時間に媒精 ) の受精率とその後の発率について遜の無い成績を得るためには hcg 注射後 18 時間以内に採卵して媒精することが必要です Q15: 体外受精においては採卵後直ちに精を添加することが推奨されていますがどの位の時間媒精せずに卵を培地内でインキュベートすることが許容され

6 るのでしょうか? ICR の場合 hcg 注射後時間で採卵してその後 8 時間程度培地内に置いても受精は起こりますが採卵後 4 時間を過ぎた当たりから異常受精が起こります TYH 培地で授精した場合の受精率は 90% 以上ですがその後 Whitten 培地 +100μM EDTA で培養した場合の胚盤胞への発率は 40% 程度です受精後の正常な発を望むのであれば 2 時間以内に媒精したが良いと思います Q16: ヒトやマウスにおいて運動性の低い精をいた体外受精をする場合に透明帯の部を切開してバイパスすることが推奨されていますがこれに使する機材 ( レーザー照射装置 ) が常に価ですこれをいることなく透明帯をバイパス法はないのでしょうか? マウスにおいてマニュアルで透明帯を切開する法が報告されていますこれは未受精卵をシュクロース溶液に暴露することによって卵細胞質を収縮させ囲卵腔の拡を図った後に注射針をいて透明帯を切開する法で凍結融解マウス精の受精率向上にきく寄与することがされていますしかしこの法ではどうしても透明帯の切開がきくなることから受精卵を卵管に移植すると割球が透明帯の切開部分から脱出してしまい満な移植成績を得ることができないので桑実胚以降まで体外培養して宮に移植することが必要です (Nakagata et al., Positive effect of partial zona-pellucida dissection on the in vitro fertilizing capacity of cryopreserved C57BL/6J transgenic mouse spermatozoa of low motility. Biol Reprod 57: , 1997) この弊害を解決する段としてはピエゾマイクロマニプレーターをいて透明帯を切開することが有効であることも報告されていますこの法では透明帯を任意のさに切開することが可能ですので受精卵を卵管に移植することを可能とさせています (Kawase et al., Effect of partial incision of the zona pellucida by piezo-micromanipulator for in vitro fertilization using frozen-thawed mouse spermatozoa on the developmental rate of embryos transferred at 2-cell stage. Biol Reprod 66: , 2002) 度試してみてください Q17: マウスの過排卵処理においては幼若マウスのがホルモンへの反応性がく多くの卵を得ることができると聞いたので ICR の3 週令程度の幼若マウスに過排卵処理を施しましたが得られた卵数は 12 週令のマウスより少ないものでしたなぜでしょうか? 過排卵処理は PMSG と hcg が各 5 単位で 48 時間間隔で下に投与しました採卵は hcg 投与後 15 時間でいました

7 幼若マウスをいた過排卵処理では系統によって反応性がきく異なり C57BL 等においては常に多くの卵を得ることができますが ICR 等では成熟マウスより少ない卵しか得ることが出来ないようですまた多く排卵される系統においても3 週令前後で過排卵処理を施した場合その後の発が芳しくない場合もありますそのような系統においても 4 週令まで待って過排卵を施すことで排卵数も多くその後の発にも問題の無い卵が採卵できるようです C57BL の場合 3 週令で過排卵処理を施すと排卵陽性個体は 80% 以上排卵数は平均個ですが 2 細胞期で発が停してしまう場合があります 4 週令では排卵陽性個体は 80% 以上排卵数は平均個と若排卵数は減少するのですが発停卵はられません Q18: マウスの過排卵処置において hcg は暗期で作して排卵を促すとされているので通常に投与していますが朝に PMSG と hcg の投与をっても過剰排卵を誘起することが出来るのでしょうか? 朝 8 時に48 時間間隔で過排卵処理をなうと hcg 投与後 13 時間以降に通常の過剰排卵処理と同程度の排卵数を得ることができますまたマウス胚の操作マニュアル ( 第 3 版 ) 第 3 章トランスジェニックマウスおよびキメラマウスの項に下記の記述がありますので参考にしてくださいほとんどの系統では PMSG 注射と hcg 注射の間に時間の間隔をおくことが卵の収率について最適であることが知られている般に排卵は hcg 注射後時間後に起こるが正確に排卵時間を制御するためには内因性 LH の放出前に hcg を投与することが重要であるほとんどの系統では PMSG 注射後 2 回の暗期の中間点から時間後に内因性 LH の放出が起こる例えば明期を午前 5 時午後 7 時とした場合 PMSG は午後 1 時から午後 2 時に hcg はその時間後通常午後 0 時から午後 1 時に投与すれば少なくとも内因性 LH 放出の 2 3 時間前となる Q19: マウスの体外受精で使できる動物の週齢の上限はどれくらいでしょうか? オスに関しては 30 か齢でも運動性のある精が得られれば可能ですしかしメスは 12 か齢を過ぎるとホルモンに対する感受性が低下し未受精卵の採取が難しくなりますこの時経験したのはオスは B6 バックのトランスジェニックマウスで 2 年半もの間マウス室の傍らで忘れられていたところを保存胚の作製が依頼されたものでしたメスに関しては週齢差を検討したわけではありませんが系統維持などで 3 産程度させた後に保存胚作製の依頼が来るケースもありそのような場合では 12 か齢以上となっており過排卵処置がうまくいかないケースが

8 ありました IVCS 系統をいて雌雄の加齢に伴う妊孕能の低下過剰排卵処理によるレスポンスおよび体外受精成績を検討した報告がありますこの報告によると IVCS 系統では初交配を6ヶ令を過ぎて迎えると胚の吸収率がきく増加することから然交配で5ケ齢までに産が得られない場合には体外受精を適するのが望ましいと思われますまた外因性のホルモンに対する反応も加齢とともに低下しており PMSG および hcg 各 5 単位の過剰排卵処理では2ヶ令の反応が最もく平均 64 個の卵が得られますが 7ケ令 9ヶ令および11ヶ令ではそれぞれおよび3であったと報告されています体外受精成績をみると低率ながら 11ヶ令の雌雄マウス由来の産が得られていますが ( 受精率 :51% 移植後の発率 :21%) 少なくともこの系統の場合には11ヶ令までに体外受精を適することが望ましいと考えられます (Suzuki et al., Relationship between age-related decline in fertility and in vitro fertilization rate in IVCS mice. J Reprod Dev 40: , 1994.) Q20: 受精卵の培養を実施する実験室で卵や受精卵の核染を実施しても丈夫でしょうか? 染時にいる固定液の種類により異なります少量のエタノールであれば問題ありませんが酢酸をいる場合酢酸は卵や受精卵の存性に悪影響を及ぼしますので別の部屋で操作することが必要ですさらにドラフト等の排気装置があることが望ましいと思われます Q21: 受精卵の培養を実施する実験室の照明に般的な蛍光灯をいても問題ないでしょうか? 紫外線は受精卵の存性に良くありませんので可能であれば紫外線放射量の少ない紫外線吸収膜付美術館博物館蛍光灯をいることが望ましいです商品例 : パナソニック FL40S W-EDL NU Q22: 直後の馴致をしていない雌マウスに過排卵処理をしても影響はありませんか? 馴致期間は必要ですか? PMSG に反応しての内因性 LH の放出時間は明暗周期に依存するので後は数間飼育室の明暗周期に適応させる必要があります Q23: 死亡雄個体から採取した精で体外受精は可能でしょうか?

9 死亡した動物が飼育されていた動物室の温度湿度などにも左右されると思いますが通常の飼育室 ( 温度 :22±2 前後湿度 :40.60%) では C57BL/6J(12 13 週齢 ) の場合死亡後時間以内であれば死亡個体から採取した精で体外受精が可能です体外受精率は死後 12 時間で約 50% 死後 18 時間で約 20% を経験しています尚体外受精にいた卵は凍結卵丘除去卵 ( 凍結法 : 簡易ガラス化法 ) ですルーチンワークでは実際に雄マウスが死亡した場合新鮮卵をいて体外受精をうのは不可能であるため凍結卵丘除去卵をいたデータを記載しました Q24:TYH 培地で胚盤胞期まで培養できますか? TYH 培地は受精の培地ですので胚盤胞期までの培養は困難です体外受精卵を胚盤胞まで培養する場合は体外受精当の前核期から体外受精翌の午前中までに培養の培地 ( 例えば TYH-280 ksom Whitten+100μEDTA 等 ) の培養培地に胚を移し替えたほうが良いと思いますちなみに Whitten+100μM EDTA 培地は体外受精から胚盤胞までの培養を通じて使することが可能です Q25: 受精あるいは培養培地の最少液量は集団培養と個別培養でどのくらいでしょうか ( マウスウシ )? 例えば体外受精ドロップを 300μl で作成した場合何匹の雌 ( もしくは何個の卵 ) がそのドロップで受精可能でしょうか? ウシでは卵や胚を個別に体外培養すると胚盤胞への発率が低いため多くのラボでは最低 5 個以上で卵や胚の培養が実施されています培養培地の最少液量はメディウムチェンジの有無等でラボによって異なりますが卵や胚 1 個あたり 1 1.5μl としていられています体外受精では多くのラボで 1 卵あたり 5μl の培地が使されていますので体外受精ドロップ 300μl では 60 個の卵を培養可能です (Nagao Y, Iijima R, Saeki K. (2008) Interaction between embryos and culture conditions during in vitro development of bovine early embryos. Zygote 16, ) Q26: いくつかの液体培地は業者からアンプル封の状態で購可能ですが開封した培地は開封後何まで使可能でしょうか? 保存条件に依存するでしょうが開封後はパラフィルムで覆い冷蔵庫で保存することによって 3 後までなら使できることを経験していますいずれにしても説明書にしたがって取り扱うことをお勧めします

10 Q27: 培養ドロップを覆うオイルについてフィッシャー社製のオイルは洗浄 ( オイルに培養液をれて数スターラーにて撹拌する操作 ) してから使していますが他社製のオイルには洗浄無しでも使えるものがありますなぜフィッシャー社製のオイルは洗浄が必要なのでしょうか? 元来ミネラルオイルを培養液で洗浄するのはオイルの中に含まれているに溶けだす物質を吸着させる的で実施されてきましたしたがいましてその懸念のないオイルであれば洗浄操作をわなくても問題ないと思われます部でフィッシャーのオイルはを吸収するから使前に洗浄をわないとせっかく作製した培養液のドロップがぺしゃんこになると信じられており洗浄操作が推奨されているようです Q28: 顕微鏡で観察するとマウスやヒトの卵や受精卵は透明感があり前核がえますがウシやブタの卵や受精卵はが濃く前核がえません動物種によって卵や受精卵のの濃度が異なるのはなぜですか? ウシやブタの卵や受精卵は脂肪滴が多く脂肪滴が多いと濃くえます特にブタの卵や受精卵は脂肪滴が多く凍結保存に弱いと報告されています Q29: 胚盤胞をいた注キメラ胚の作成のため過排卵処理マウスから胚盤胞を採取しようとして 3.5 dpc に宮を還流しましたがほとんど胚が回収できませんでしたなぜでしょうか? 胚盤胞を効率に得る最も良い法を教えてください? 経験的にマウスに過排卵処理した後に宮還流によって胚盤胞を得ることは困難であることが知られています過排卵処理の影響で然な胚の移動より早く卵管内を通過することまた宮が開いて宮に達した胚が体外に排出されてしまうと推察されますそのため 2.5 dpc で卵管と宮を還流し得られた 8 細胞期胚桑実胚を1 晩培養して胚盤胞を得るのが効率的だと考えられますまた然排卵で 3.5 dpc に宮を還流して胚盤胞を得るのもつの法です Q30: マウスを般の飼育棚 ( オープンラック ) で飼育する場合オスケージとメスケージを同ラックで飼育可能でしょうか? ウイッテン効果に関するご質問と思いますオスマウスを雌の集団にれ込むと雌の発情周期が同期化するといわれていますそのため例えばオスマウスを上段メスマウスを下段で飼育するとメスの発情周期が同調してしまうことがあり偽妊娠メスを作成するときなどあるに発情前期のマウスが集中してしまう場合もあります

11 したがいまして少なくとも同じラックに雌雄を同居させるのは避けたが良いように思われます Q31: 成熟オスを複数飼育していたら激しい喧嘩が始まったがどうすればよいのでしょうか? マウスは社会順位制を持つため有意なオスを外しても残りの群の中で No.2 のオスが優位となり再度喧嘩が始まるので個別飼育にするしかありませんしかし離乳直後から同居している雄同であれば喧嘩の程度は低いことが経験されています Q32: 遺伝改変マウスが野外に逃亡したら本当に野マウスと交配してしまうのでしょうか? 実験動物としてのマウスや野マウスは Mus Musculus に属します従いまして遺伝改変マウスが野外に逃亡したら野マウスと交配してしまうと考えられます ( しかし逃亡したマウスが雌の場合は容易に雄の野マウスを受けれますが実験動物化された雄マウスが雌の野マウスと交配するのは難の業と考えられます ) Q33: マウス胚の移植において経卵管采法と経卵管壁法のメリットとデメリットを教えてください両者にデメリットは無いように思われます両を試してに合った法を採してくださいちなみに通常は経卵管采法を利して極端に卵管采が細かったり短かったりした場合 (1% 程度のマウスで経験します ) に卵管壁を切開して移植しているもいますこれは経卵管采法ではハサミをいないことが理由となっているようです Q34: 移植の際のキャピラリの材質と形状について教えてください材質は硬質ガラスが適度なこしがあり移植には向いていますドラモンド社のマイクロサンプリングピペット (200μl 容 ) がその例ですまた形状は先曲りを推奨している研究者もいますこれはピペットが曲がっていることで卵管采への挿が容易となるためです卵の移し替えなどの作業にはより柔らかいガラス ( ドラモンド社のヘマトクリット管 ) が適当です

12 Q35: 移植時 ( おもにマウス ) の酔薬はどんなものがよいでしょうか? 最近は吸酔 ( イソフルラン ) が主流になってきています注射薬よりも覚醒が早いのはきな利点ですし卵巣嚢の管が収縮するのでボスミンをいなくても出することがほとんどありませんペントバルビタールなど向精神薬はその管理取り扱いが厳しくなってきておりますまた医薬品グレードの化合物 ( エーテルなど ) の使は妥当性などを動物愛護の観点からも判断を慎重にわなければなりません引性もありますので最近ではあまり推奨されるものではありません ( 施設によっては使禁といったところもあります ) また吸酔におけるチューブの存在が術の操作性に影響することを懸念するもいるようですがマスクの前のチューブをマグネット付のクリップではさみマグネットを加温版に付けるとチューブの影響は少なくなります Q36: 親は出産後何までを受けれることが可能でしょうか? 経験上は出産後 7 まで可能ですこの場合は親の供たちはすべて取り除きのみを哺育させることが必要です Q37: マウスを連続同居で繁殖をしていますより効率的に産するために早期に雄を雌から離して別の雌と交配させたいのですが毎朝プラグを確認する余裕もありませんプラグを確認する以外に何か良い交尾確認妊娠診断法はありませんか? 古くから膣内に綿棒を挿して胎盤徴候 ( 出を確認する ) を検出する法が知られていますがより簡便な法としては触診による妊娠診断が可能です妊娠 10 を過ぎると数珠状に配列した胎児を触ることができますマウスを保定して親指と差し指で腹側と背中側から挟むように宮の位置を探ってくださいの胎児が数珠状に連なっているのがわかります慣れてくると胎児数も知ることが出来ますので練習してみてください雌のお腹がきくなってから雄を離すよりも 5 7 は早期に雄の有効利が可能です以上無断転載はご遠慮くださいまたこの他の質問 ( 回答 ) をお寄せください動物殖学研究会 <sarb-admin@umin.ac.jp>

マイクロボリュームエアクーリング (MVAC) 法によるブタ胚 ( 体内生産胚 ) のガラス化保存方法 - 1 -

マイクロボリュームエアクーリング (MVAC) 法によるブタ胚 ( 体内生産胚 ) のガラス化保存方法 - 1 - 胚の採取 MVAC 法でガラス化するのに適している胚の発育ステージは胚盤胞 ~ 拡張胚盤胞である ( 図 1) このステージであれば加温後に高い生存性が得られているそのためこれらの発育ステージの胚を効率的に採取するため供胚豚は発情誘起処理後に胚を採取する方が望ましい性成熟豚の発情誘起で確実性の高い人工流産法での発情誘起処理開始から採胚までのタイムスケジュールを下記に示したので参考にしてください