上原記念生命科学財団研究報告集, 28 (2014)

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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 28 (2014) 189. 子宮内膜由来の習慣流産の治療法の解明 黒田恵司 Key words: 習慣流産, 子宮 NK 細胞, 子宮内膜脱落膜化, グルココルチコイド, レチノイド ( ビタミン A) 順天堂大学産科婦人科学教室 緒言ヒトの妊娠において, 子宮内膜は排卵後より脱落膜細胞に変化 ( 脱落膜化 ) した後に, 受精卵が着床し妊娠が成立する. 一般的に受精卵の約 30% が着床前に喪失され, 更に 30% が着床直後に淘汰される. また更に妊娠後 10~20% が, 妊娠初期に流産する. 妊娠女性の2~5% に3 回以上繰り返す流産 ( 習慣流産 ) を認め, その半分以上が未だ原因不明である. 近年, 妊娠と子宮 Natural Killer (NK) 細胞の関連性が報告され, 子宮 NK 細胞から放出される様々なサイトカインにより, 新生血管を形成し着床や妊娠維持に関わることが示されてきた 1). 一方で子宮内膜間質細胞における子宮 NK 細胞の異常高値が, 反復した妊娠不成立や流産の一因と考えられている 2). また最近, 習慣流産症例に対するグルココルチコイドの投与の有効性が報告され, グルココルチコイドがグルココルチコイド受容体 (GR) を細胞表面に持つ子宮 NK 細胞を制御し, 妊娠初期流産を予防すると考えられている 2,3). 我々は, ヒト子宮内膜の in vitro の脱落膜化過程において, グルココルチコイドをコルチゾンから活性型のコルチゾールに変換する酵素である 11β ヒドロキシステロイド脱水素酵素 1 型 (11βHSD1) が著明な発現と酵素活性の上昇を認め, 着床部位においてコルチゾールが生成され, さらにその結合受容体である GR とミネラルコルチコイド受容体 (MR) 遺伝子ネットワークの存在を明らかにした ( 図 1). 図 1. コルチゾン - コルチゾール相互変換. 11βHSD:11β ヒドロキシステロイド脱水素酵素,GR: グルココルチコイド受容体,MR: ミネラルコルチコ イド受容体. 特にコルチゾールは MR と結合し,MR 特異的酵素である DHRS3 を通して, 脱落膜細胞の脂肪滴内レチノイド貯蓄経路が制御されることを報告した 4). 我々は子宮 NK 細胞の異常高値は, コルチコステロイド代謝経路の発現の低下による子宮 NK 細胞の制御不足が関与すると仮定し, さらには MR を介してレチノイド貯蓄経路の発現低下と, それに伴う子宮内膜の細胞分化つまり脱落膜化の障害が関与すると考えた. 本研究では, これらを明らかにするため, 子宮内膜由来の習慣流産と関与する子宮 NK 細胞と, コルチコステロイド代謝経路やレチノイド代謝経路の関係を検討した. 1

2 方 法 患者から承諾を得た後に採取した 月経周期の黄体中期に採取したヒト子宮内膜の一部を CD56 で染色し 子宮内膜 間質細胞内の子宮 NK 細胞密度を測定した 子宮 NK 細胞密度は 5%以下を正常群 5 超を異常高値群とした 子宮 NK 細胞密度高値群 (n=18) と正常群 (n=18) を MR, GR, 11βHSD1 で染色し 組織マイクロアレイで解析した 残りの 子宮内膜を in vitro に培養 サイクリック AMP とプロゲステロン コルチゾンのホルモン製剤で脱落膜化させ 未分 化子宮内膜間質細胞と脱落膜細胞 (脱落膜化4日目と8日目) を採取した後 分子解析を行った 採取した細胞は抽出 した RNA を cdna に合成した後 RT-qPCR で解析し 遺伝子のタンパクレベルをウェスタンブロットで測定した 結 果 子宮 NK 細胞密度高値を伴う子宮内膜細胞は in vivo で子宮内膜間質細胞の 11βHSD1 の免疫染色上 発現低下を 認めていることがわかった 図 2A また組織マイクロアレイでも同様の結果であった 図 2B 図 2 子宮内膜間質細胞における子宮 NK 細胞と 11βHSD1 の発現. A) 黄体中期の子宮内膜間質細胞の CD56 と 11βHSD1 の免疫染色 B) 組織マイクロアレイによる子宮 NK 細 胞密度正常群 ( 5, n=18) もしくは異常高値群 ( 5, n=18) における 11βHSD1 の発現 *P 0.001, Scale bar : 100μm. 更に子宮 NK 細胞密度は in vitro での培養後の子宮内膜脱落膜細胞における脱落膜マーカー (PRL, IGFBP1, 11βHSD1) と負の相関を示し 習慣流産と関与する子宮 NK 細胞密度異常高値症例で脱落膜化が抑制されていること が示唆された 図 3 2

3 図 3. 子宮 NK 細胞密度と子宮脱落膜細胞の 11βHSD1, PRL, IGFBP1 の発現. A) ヒト子宮内膜間質細胞の4 日間もしくは8 日間脱落膜化させた細胞の 11βHSD1 の発現は子宮 NK 細胞密度と負の相関を認めた.B) ヒト子宮内膜脱落膜細胞の PRL の発現は子宮 NK 細胞密度と負の相関を認めた. C) ヒト子宮内膜脱落膜細胞の IGFBP1 の発現は子宮 NK 細胞密度と負の相関を認めた.*P < 0.05, **P < 同時に子宮 NK 細胞を制御していると考えられている,IL11 と IL15 の発現レベルを同様に培養した脱落膜細胞で確 認した. 子宮 NK 細胞密度と僅かに負の相関を認めたが, 明らかな相関は認めなかった ( 図 4). 図 4. 子宮 NK 細胞密度と子宮脱落膜細胞の IL11 と IL15 の発現. A) 黄体中期の子宮 NK 細胞密度は子宮内膜間質細胞を4 日間もしくは8 日間脱落膜化させた細胞の IL11 の発現と比較的相関しているように見えるが, 相関関係は認めなかった.B) 子宮 NK 細胞密度は子宮内膜脱落膜細胞の IL15 の発現と明らかな相関を認めなかった. 3

4 子宮 NK 細胞とコルチゾール結合受容体との関係を確認するため 組織マイクロアレイで GR と MR を確認した GR との関係は認めなかったが 子宮 NK 細胞密度高値群で MR の発現低下を認めた 図 5 図 5 子宮内膜間質細胞の GR と MR の発現. A, B) 組織マイクロアレイによる 子宮 NK 細胞正常群と異常高値群における ヒト子宮内膜間質細胞のグルコ コルチコイド受容体 (GR) とミネラルコルチコイド受容体 (MR) の発現. GR では有意差を認めなかったが 子宮 NK 細胞高値群で有意に MR の発現低下を認めた *P < 0.001, Scale bar : 100μm. そのため 以前に我々が報告した MR 依存性レチノイド代謝酵素である DHRS3 と RETSAT を確認した 4) 子宮 NK 細胞が増加した症例で in vitro に培養した子宮内膜脱落膜細胞の DHRS3 と RETSAT の発現が低下していること がわかった 図 6 4

5 図 6 子宮 NK 細胞密度と子宮脱落膜細胞の DHRS3 と RETSAT の発現 A) ヒト子宮内膜間質細胞の4日間もしくは8日間脱落膜化させた細胞の DHRS3 の発現は子宮 NK 細胞密度と 負の相関を認めた B) ヒト子宮内膜脱落膜細胞の RETSAT の発現は子宮 NK 細胞密度と負の相関を認めた *P < 0.05, **P < 最後にこれらの妥当性を確認するため 子宮 NK 細胞密度正常群と高値群 各4例ずつで4日間と8日間脱落膜化 させた細胞の 11βHSD1 DHRS3 RETSAT のタンパク発現を比較した 今までの結果同様 子宮 NK 細胞密度高値 群でこれらの遺伝子の発現は明らかに低下していた 図 7 図 7 子宮 NK 細胞正常例と異常高値例の 11βHSD1, DHRS3, RETSAT の発現. 子宮 NK 細胞正常群 (n=4) と異常高値群 (n=4) における ヒト子宮内膜間質細胞を4日間もしくは8日間脱落膜 化した細胞の 11βHSD1, DHRS3, RETSAT のタンパク発現を確認した 子宮 NK 細胞高値群で全てのタンパ クレベルの発現低下を認めた 5

6 考察 子宮内膜において増加した子宮 NK 細胞は,11βHSD1 を介した局所のコルチゾール合成の障害や脂肪滴 レチノイ ドの合成と関与する MR 依存性酵素の発現低下と関与していることが明らかとなった. 異常増加した子宮 NK 細胞 は, 子宮内膜細胞における 11βHSD1 の発現低下と, これに伴うコルチゾール合成の不足が原因の可能性がある. ま た更には MR を介したレチノイド代謝経路の発現低下と関与し, 脱落膜化の異常を導き, 流産と関与することが示唆 された. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 順天堂大学産科婦人科教室の尾﨑理恵,Medical School, University of Rijeka, Croatia の Sandra Šućurović,The Division of Reproductive Health, Clinical Science Research Institute, Warwick Medical School, UK の Radha Venkatakrishnan, Siobhan Quenby, Jan J. Brosens である. 本稿を終えるにあたり, 本研究をご 支援いただきました上原記念生命科学財団に深く感謝申し上げます. 文献 1) Moffett-King, A. : Natural killer cells and pregnancy. Nat. Rev. Immunol., 2 : , ) Quenby, S., Nik, H., Innes, B., Lash, G., Turner, M., Drury, J. & Bulmer, J. : Uterine natural killer cells and angiogenesis in recurrent reproductive failure. Hum. Reprod., 24 : 45-54, ) Quenby, S., Kalumbi, C., Bates, M., Farquharson, R. & Vince, G. : Prednisolone reduces preconceptual endometrial natural killer cells in women with recurrent miscarriage. Fertil. Steril., 84 : , ) Kuroda, K., Venkatakrishnan, R., Salker, M. S., Lucas, E. S., Shaheen, F., Kuroda, M., Blanks, A., Christian, M., Quenby, S. & Brosens, J. J. : Induction of 11β-HSD 1 and activation of distinct mineralocorticoid receptor- and glucocorticoid receptor-dependent gene networks in decidualizing human endometrial stromal cells. Mol. Endocrinol., 27 : , ) Kuroda, K., Venkatakrishnan, R., James, S., Sucurovic, S,. Mulac-Jericevic, B., Lucas, E. S., Takeda, S., Shmygol, A., Brosens, J. J. & Quenby, S. : Elevated periimplantation uterine natural killer cell density in human endometrium is associated with impaired corticosteroid signaling in decidualizing stromal cells. J. Clin. Endocrinol. Metab., 98 : ,

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前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

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