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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 24(2010) 92. 二つの Atg16 ホモログによるオートファジー制御メカニズムの解明 伊藤敬 Key words: オートファジー,Atg16L1,Atg16L2, オートファゴソーム形成 東北大学大学院生命科学研究科生命機能科学専攻膜輸送機構解析分野 緒言オートファジー ( 細胞内自食作用 ) は真核細胞に広く保存された分解メカニズムであり, その過程では, 隔離膜と呼ばれる膜構造が伸長し, 細胞質を包み込んだオートファゴソームと呼ばれる二重膜構造を持つ小胞を形成する 1) ( 図 1). 高等真核生物である哺乳動物では, オートファジーは栄養源の供給のみならず, 発生, 抗原提示, 細胞死, 感染菌の駆除など様々な高次機能に関わっている 2). そのため, 哺乳動物におけるオートファジーの分子メカニズムの解明は基礎生物学のみならず医学的にも注目が集まる分野である. 酵母を用いた研究によって同定されたオートファゴソーム形成に必須である Atg 遺伝子群は, 哺乳動物にも保存されており, 分子メカニズムも高度に保存されている事が明らかになりつつある 3).Atg16L1 は, 恒常的に Atg12, Atg5 と複合体 (Atg12-5/16L1 複合体 ) を形成し, 隔離膜伸長に必須な役割を果たしている 4). この複合体の詳しい機能は不明であったが, 近年, 隔離膜に局在することで, ユビキチン様タンパク質である LC3 を隔離膜上のフォスファチジルエタノールアミン (PE) に結合させる機能を持つ事が, 我々を含むグループにより明らかになった 5). また, 我々は Atg16L1 が 2 量体を形成するのに必須なコイルドコイル領域に低分子量 G タンパク質の Rab33 が結合する事を見いだしており 6),Atg5-12/16L1 複合体を介した, オートファゴソーム形成制御メカニズムの存在が示唆されている. 我々は, 近年次々と解読された各種動物のゲノム配列から, 哺乳動物には Atg16L1 と高い相同性を持つ Atg16L2 が存在することを見いだした ( 図 2). 現在までに Atg16L2 の機能に関する報告は無いが, その高い相同性から Atg16L2 がオートファジーへ関与する可能性は高い.Atg16L1 は,N 末に Atg5 と結合する領域, 中央に二量体形成に必須なコイルドコイル領域,C 末に WD リピートと呼ばれる領域を持つ 4,7) ( 図 2). 興味深い事にコイルドコイル領域の相同性は N 末,C 末に比べると低く, この違いによって Atg16L1, Atg16L2 が機能分担を行っている可能性が考えられた. そこで, 本研究では Atg16L1, Atg16L2 の機能的差異を検証する事で, オートファジー制御メカニズムの解明を試みた. 方法および結果 1.Atg16L2 の全長の cdna を獲得するために, マウスの脳から抽出した cdna ライブラリ (Clontech 社 ) から,Atg16L2 特異的プライマーによって ORF を増幅する事を試みた. マウス脳で全長の Atg16L2 が発現している事が確認された. また, Atg16L2 は Atg16L1 と同様, 中央部分に配列の異なる領域を持つスプライシングバリアントが存在し, 確認できた限りでは, 2 つの長さのクローンが存在していた. 短い方を α, 長い方を β とした. 1

2 図 1. オートファジーモデル図. オートファジーは, オートファゴソームの形成と, その後に続くオートファゴソームとリソソームの融合, という二つのステップ からなる. 図 2. Atg16L1, L2 のモデル図. 上部に Atg16L1 と結合する事が明らかになっているタンパク質を, 中央に Atg16L1, Atg16L2 における同一アミノ酸の 割合を示している. 2.Atg16L1 は多くの組織, 細胞に発現している事が示されている 4). そこでまず,Atg16L2 の発現プロファイルを mrna レベルで調べるために, 各組織から抽出した cdna (Clontech 社製 MTC パネル ) からの RT-PCR を行なった. スプライシングバリアントが認識できる領域が増幅されるようプライマーを設計し, 解析を行なったところ,α フォーム,β フォームの量比に違いはあったが, 調べた限り全ての組織に Atg16L2 は発現していた ( 図 3). 次に,Atg16L2 特異的抗体を作製し, 各組織や様々な培養細胞の破砕液に対してウェスタンブロットを行なった.mRNA レベルでの解析を裏付けるように, タンパク質レベルでも様々な組織に発現が認められた. また, ウェスタンブロットによって分子量の異なる 2 種類のバンドが認識される事から, スプライシングバリアントの存在をタンパク質レベルでも確認する事ができた. 2

3 図 3 Atg16L1, L2 の発現プロファイル (PCR). 上部に示された組織から抽出した cdna を鋳型に用い Atg16L1, Atg16L2 特異的プライマーにより DNA を増幅し た コントロールとして Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase (G3PDH) 遺伝子特異的プライマーを用 いた 3 Atg16L1 が結合する Atg5, Atg16L1, Rab33 に関して Atg16L2 が結合能を示すかを調べるために アフリカミドリザル の腎臓由来の COS-7 細胞に T7 タグを付加した Atg16L1, Atg16L2 と FLAG タグを付加した Atg16L1, Atg16L2, Rab33B とを発現させた 全ての組み合わせにおいて免疫沈降法を行なったところ Atg5 Atg16L1, Atg16L2 への結合能は Atg16L1, Atg16L2 間で有為な差はなかった しかしながら Rab33B との結合に関しては Atg16L2 は Atg16L1 よりも弱い結合を示し た (図 4) 図 4 免疫沈降法による Atg16L1/L2 と Rab33B との結合アッセイ. COS-7 細胞に T7 タグを付加した Atg16L1, Atg16L2 と FLAG タグを付加した Rab33B を発現させ 抗 T7 抗体が 結合したビーズにより免疫沈降を行なった コントロールに T7 タグされたタンパク質を発現していない細胞を用いた Rab33B を活性化型に固定する為に Rab33B に GTPγS をあらかじめ付加してある Atg16L1 と共沈する Rab33B の 量と比べると Atg16L2 と共沈してくる Rab33B の量は少なかった 4 Atg16L1 は Atg12, Atg5 と結合することで ゲル濾過クロマトグラフィーにおいて約 800kDa の大きさを示す複合体を形成 する事が明らかになっている 4) Superose 6 カラム (GE Healthcare 社) を用いたマウス胎仔由来の線維芽細胞 (MEF) の 細胞抽出液のゲル濾過クロマトグラフィーを行なったところ Atg16L2 も Atg16L1 と同様の約 800 kda の複合体を形成してい る事を見いだした 3

4 考察本研究結果より,Atg16L1 の相同遺伝子産物である Atg16L2 が,(1) マウスの広い組織で発現しており,(2) Atg16L1 と同様に Atg12, Atg5 と結合し,(3) Atg16L2 自身, もしくは Atg16L1 と相互作用をすることで, 高分子量複合体を形成する, (4) Atg16L2 は Rab33 との結合活性が弱い事が示された. 出芽酵母では,Atg12-5/16 の複合体形成が, この複合体の機能には必須であることが示されているため 8),Atg16L2 の複合体形成能は,Atg16L1 と同様に隔離膜形成に機能している事を強く示唆する物である. しかしながら最近,Atg16L1 ノックアウトマウスの解析が報告された 9). 報告に依ると,Atg16L1 単独のノックアウトでオートファジー活性は完全に失われるため,Atg16L2 の機能としては以下のようなモデルが考えられる.(1) Atg16L2 の機能欠損でもオートファジー活性が失われる. つまり,Atg16L1 と Atg16L2 はヘテロな複合体を形成する事で機能しており, どちらか片方が失われる事でも機能を果たせなくなる.(2) Atg16L2 は補助的な役割を果たしている. 組織や細胞によってオートファジー活性やオートファゴソームの大きさが異なる事が報告されている 10). オートファゴソームの大きさは, 隔離膜の伸長の程度によって決まると考えられるため,Atg12-5/16L の複合体の活性制御がオートファゴソームの大きさを決定する可能性は高い. 二つの Atg12-5/16L 複合体の量比などによってオートファゴソームの大きさが制御されていると言う仮説は非常に魅力的である. また,Rab33 と Atg16L1 の結合の意味は明らかでないが,Atg16L1/L2 が細胞内でどのような分業を果たしているかを明らかにする事によって,Rab33-Atg16L1 の結合がオートファジーにおいてどのような役割を果たしているかを明らかにする手がかりが得られると考えている. 図 5. 結論モデル. Atg16L1 を含む Atg12-5/16L 複合体は Rab33 と結合し, 一方,Atg16L2 を含む Atg12-5/16L 複合体は Rab33 と 結合しないため, それぞれ Rab33 の機能に依存 / 非依存的な機能を果たすと考えられる. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 東北大学大学院生命科学研究科の福田光則, および石橋弘太郎である. 文献 1) Yoshimori, T.:Autophagy:a regulated bulk degradation process inside cells. Biochem. Biophys. Res. Commun., 313: , ) Mizushima, N. : Autophagy : process and function. Genes Dev., 21 : , ) Yang, Z. & Klionsky, D. J. : Mammalian autophagy: core molecular machinery and signaling regulation. Curr. Opin. Cell Biol., 22: , ) Mizushima, N., Kuma, A., Kobayashi, Y., Yamamoto, A., Matsubae, M., Takao, T., Natsume, T., Ohsumi, Y. & Yoshimori, T.:Mouse Apg16L, a novel WD-repeat protein, targets to the autophagic isolation membrane with the Apg12-Apg5 conjugate. J. Cell Sci., 116: , ) Fujita, N., Itoh, T., Omori, H., Fukuda, M., Noda, T. & Yoshimori, T.:The Atg16L complex specifies the site of LC3 lipidation for membrane biogenesis in autophagy. Mol. Biol. Cell, 19: ,

5 6) Itoh, T., Fujita, N., Kanno, E., Yamamoto, A., Yoshimori, T. & Fukuda, M.:Golgi-resident small GTPase Rab33B interacts with Atg16L and modulates autophagosome formation. Mol. Biol. Cell, 19: , ) Fujita, N., Saitoh, T., Kageyama, S., Akira, S., Noda, T. & Yoshimori, T.:Differential involvement of Atg16L1 in Crohn disease and canonical autophagy: analysis of the organization of the Atg16L1 complex in fibroblasts. J. Biol. Chem., 284: , ) Kuma, A., Mizushima, N., Ishihara, N. & Ohsumi, Y.:Formation of the approximately 350-kDa Apg12-Apg5.Apg16 multimeric complex, mediated by Apg16 oligomerization, is essential for autophagy in yeast. J. Biol. Chem., 277: , ) Saitoh, T., Fujita, N., Jang, M. H., Uematsu, S., Yang, B-G., Satoh, T., Omori, H., Noda, T., Yamamoto, N., Komatsu, M., Tanaka, K., Kawai, T., Tsujimura, T., Takeuchi, O., Yoshimori, T. & Akira, S.:Loss of the autophagy protein Atg16L1 enhances endotoxin-induced IL-1β production. Nature, 456: , ) Mizushima, N., Yamamoto, A., Matsui, M., Yoshimori, T. & Ohsumi, Y.:In vivo analysis of autophagy in response to nutrient starvation using transgenic mice expressing a fluorescent autophagosome marker. Mol. Biol. Cell, 15 : ,

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