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やすもりこやぎ
5 years ago
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1 Ⅳ 数値目標とロードマップ 4-1 数値目標 ( 試算 ) 目標年次 :2020 年度までに広島県内での観光関連消費 6,000 波及効果額 1 兆円をめざす今後産業構造転換により新たな地域経済の成長を見込むものでありその際には観光関連産業が大きな役割を果たすことが必要であるそこでこれまで他県と比較して相対的にシェアが低い観光関連消費を 1 まずは人口シェアレベルにまで増進させるとともに 2 観光立国推進計画に則りその成長を実現する上記二つの目標を掲げ成長を促進する両方の目標が達成されると県内への波及効果として約 1 兆円の実現につながるものと考えられる図表 4-1 観光交流活性化による波及効果の目標波及効果対全国シェア向上国内観光消費の成長観光関連消費 (2009) 2,880 4,860 観光関連消費 5,900 約 1 兆円観光関連消費 6 千総観光客数約 55 百万人 (2009) 約 85 百万人一人当たり消費額約 52 百円 (2009) 約 69 百円観光交流促進の基盤 ( インフラ ) 整備と付加価値向上が不可欠広島県内における観光旅行消費額対全国シェア (2009) ( 県内観光消費額 )/( 国内旅行消費額 ) =2,880 /22.1 兆円 =1.30% これを人口シェア (287 万人 /1 億 2700 万人 ) =2.26% と概ね同程度まで引き上げるとすると 22.1 兆円 2.2%=4,860 さらに少なくとも観光立国推進基本計画による国内平均と同水準の成長を達成するとして約 49 百を約 59 百に広島県における観光消費額の波及効果は概ね 1.6 倍であることから県内への波及効果として約 1 兆円となる ( 約 5, =9,500 ) 国内における観光旅行消費額観光立国推進基本計画約 24 兆円 (2005) を約 30 兆円 (2010) に ( 実際は約 22.1 兆円 (2009) と伸び悩み ) 観光関連消費額の拡大に向けては従来の観光関連消費の伸びに加え新規で取り組むテーマや事業を加えて目標としている観光関連消費額を達成することを念頭に置く 2009 年度における県内観光関連消費額は約 2,880 であるため目標額に達するにはさらに約 3,000 の観光関連消費額の増加が必要となるなお試算にあたって従来の観光関連消費を拡大させるための取組みに加えて新規の増分を見込んだ額を設定する新規の増分については前述したサブブランドをそれぞれ体感することによって発生する観光関連消費額を試算する本試算においては従来分の観光関連消費が国の提示する伸びに合わせて成長した場合の増加規模を試算した上でさらに新規のサブブランドを体感することによる観光関連消費の増加を試算する 60

2 図表兆円の目標達成に必要な観光関連消費額の増分対全国シェア向上観光関連消費国内観光関連消費の成長観光関連消費 (2009) 2,880 5,900 = 増分約 3,000 2, 年度の 2,880 をもとに 2020 年度までに伸びることが推測される消費額を国が観光基本振興計画において目標として掲げている数値 ( 伸び率 : 年間 4.6%) に合わせて試算すると広島県内における 2020 年度の観光関連消費額は 4,700 と試算されるこの増加分で約 1,800 の伸びが見込まれるしかし目標として掲げる観光関連消費額 5,900 を達成するためにはさらに 1,200 の拡大が必要となるこの金額は従来の取組みの拡大だけではなく新たな取組みによって生み出す必要がある ( 次ページ以降の試算参照 ) 図表 4-3 国の観光に関する成長率に基づく県内観光関連消費額の試算県西部県中央県東部計 2020 年度観光消費額 2, , ,699.3 ( 国の目標に基づく試算 ) 現状 (2009 年度 ) 1, ,876.3 増加額 1, ,823.0 図表 4-4 増分の内訳に関する考え方増分 3,000 = 従来の増加分新規取組みの増加分 1,800 1,200 61

3 試算 1: 多島美景観まちなみ景観サブブランドの多島美景観まちなみ景観を用いた観光関連消費額の拡大については次のような条件によって試算される図表 4-5 多島美景観まちなみ景観に関する試算の条件想定金額宿泊費 10,000~50,000 円 / 人泊 ( 朝食付き ) 条件 3 泊であればビジネスホテルシティホテル等 2 泊温泉旅館等 1 泊の転泊を想定飲食費昼食 1,000 円夕食 5,000 円 / 人日温泉旅館等泊日は夕食日は発生しない想定おみやげ費アクティビティ費クルーズ費 5,000 円 / 人 1,000 円 / 日 ( 博物館等 1 日 1 館を想定 ) サイクリング主体の場合は 1,500 円 / 日 8,000 円 / 日博物館等 1 日 1 館を想定東京湾での食事なし 120 分クルーズは 4,000 円昼食付き 10,000 円程度 ) この条件において 2 泊ツアー 3 泊ツアーをそれぞれ想定した場合 <1 人あたり費用 > ハイグレードな観光旅行の想定宿泊費 (10,000 円 2 泊 +30,000 円 1 泊 ) 飲食費 (6,000 円 2 日 1,000 円 1 日 ) おみやげ費 (5,000 円 ) アクティビティ費 (1,000 円 3 日 ) 船舶での観光費 (8,000 円 ) 約 80,000 円 / 人回サイクリング等アクティビティ中心の場合宿泊費 (10,000 円 2 泊 ) 飲食費 (4,000 円 2 日 ) おみやげ費 (3,000 円 ) アクティビティ費 (1,500 円 2 日 ) 約 35,000 円 / 人回 < 瀬戸内来訪人数の想定 > 次の図では自然景観等を主な資源とした観光地において数十万 ~ 数百万人を毎年集客していることが示されている図表 4-6 日本における代表的な自然景勝地の観光客入込数 ( 単位 : 万人 ) 知床半島 121 白神山地 370 屋久島 41 熊野古道 15 出所 ) 各自治体観光協会データより作成 62

4 また歴史をテーマとした観光はテレビドラマの放映や映画等がきっかけとなって誘客につながっている事例が多く見られる NHK 大河ドラマ篤姫が放映された鹿児島県では期間限定で開設された篤姫館の入館者数は 15 カ月で 66 万人 (12 カ月に補正すると 50 万人 ) 同じく大河ドラマ天地人に合わせた誘客では愛天地人博南魚沼が 42 万人越後上越天地人博には 38 万人が入場している一方でサイクリング等のアクティビティについて想定すると日本人のサイクリング愛好家は 258 万人と推計されている ( 出所 : 笹川スポーツ財団 ) また日本経済新聞が発表したランキングでは国内サイクリングロードとしてはしまなみ海道がトップに選ばれているそのためアクティビティを中心としたリーズナブルな観光についても一定程度の旅行客の増加が見込まれるこれらのデータから次のように試算される < 試算 > 1 年にハイグレードコース 50 万人が本テーマで瀬戸内を訪れた場合 80,000 円 50 万人 =400 の観光関連消費額増加が見込まれるまたアクティビティ中心コースに 100 万人が訪れた場合 35,000 円 100 万人 =350 の観光関連消費額増加が見込まれる 63

5 試算 2: 地域文化芸術産業サブブランドの地域文化芸術産業を用いた観光関連消費額の拡大については次のような条件によって試算される図表 4-7 地域文化芸術産業に関する試算の条件宿泊費 10,000~50,000 円 / 人泊 ( 朝食付き ) 想定金額条件飲食費昼食 1,000 円夕食 5,000 円 / 人日おみやげ費 5,000 円 / 人アクティビティ費 2,000 円 / 日博物館等 1 日 1 館を想定この条件において 2 泊ツアーをそれぞれ想定した場合 <1 人あたり費用 > 宿泊費 (10,000 円 2 泊 ) 飲食費 (6,000 円 2 日 ) おみやげ費 (5,000 円 ) アクティビティ費 (2,000 円 2 日 ) 約 40,000 円 / 人回なお 2010 年度に開催された瀬戸内国際芸術祭においては日本銀行高松支店が経済波及効果を試算している直接効果は 1 人あたり約 30,000 円を見込んでおりより広いエリアで展開する観光であるためやや大きな観光関連消費額を見込んでいる図表 4-8 瀬戸内国際芸術祭での波及効果の試算出所 ) 日本銀行高松支店 < 瀬戸内来訪人数の想定 > 直島を訪問した観光客は 2008 年度は 34 万人であり瀬戸内国際芸術祭の来場者は 93.8 万人となっているまた文化や産業を重視した観光については昭和の街をアピールする大分県豊後高田市の昭和の街エリアの観光客は年間 30 万人離島観光の目的地として一般的な佐渡市の観光客数は年間 60 万人となっているこれらのデータから以下のように試算される < 試算 > 1 年に 100 万人が本テーマで瀬戸内を訪れた場合 40,000 円 100 万人 =400 の観光関連消費額増加が見込まれる 64

6 試算 3: 独特の食材農水産物サブブランドの独特の食材農水産物を用いた観光関連消費額の拡大については次のような条件によって試算される図表 4-9 独特の食材農水産物に関する試算の条件想定金額条件宿泊費 5,000~10,000 円 / 人泊 ( 朝食付き ) 飲食費おみやげ費昼食 1,000 円夕食 5,000 円 / 人日 15,000 円 / 人北海道における観光関連消費では買い物関係の平均額が約 17,000 円図表 4-10 北海道における道外客の観光関連消費額の内訳 (2006 年度 ) 消費項目仕事周遊滞在観光スポーツ観光集会大会平均交通費 7,165 14,396 10,713 9,256 12,682 宿泊費 10,012 20,422 16,608 16,414 18,102 外食費 9,940 6,531 8,070 5,675 7,241 買物関係 11,519 19,323 17,763 12,141 17,514 雑費など 3,948 5,454 6,507 3,507 5,138 総計 42,583 66,127 59,659 46,992 60,677 注 ) 平均消費額は各旅行目的別来道者数でウエイト換算した値出所 ) 北海道観光産業経済効果調査委員会この条件において 2 泊ツアーをそれぞれ想定した場合単位 : 円 <1 人あたり費用 > 宿泊費 (10,000 円 2 泊 ) 飲食費 (6,000 円 2 日 ) おみやげ費 (15,000 円 ) 約 45,000 円 / 人回 < 瀬戸内来訪人数の想定 > インターネットリサーチ会社 Net Mile の 2007 年度の調査では国内旅行の目的として食べ歩きが 16.8% となっており観光客のうちの大きな割合が食べ歩き等を目的としていることが明らかとなっているまた B 級グルメ富士宮やきそばをブレークさせた富士宮市への観光客数は年間 130 万人であるため 60 万人程度の需要が創出されると考えられるこれらのデータから次のように試算される 65

7 < 試算 > 1 年に 60 万人が本テーマの体感を目的に瀬戸内を訪れた場合 45,000 円 60 万人 =270 の観光関連消費額増加が見込まれる以上の 3 つのサブブランドごとの試算を合計すると次の表のとおりとなる合計で 1,420 となり新たな取組みによる増加分として必要な 1,200 は達成することができると考えられるただしこれらはあくまでも目標値でありそのために行政を含めた当事者が努力することが必要である図表 4-11 それぞれのサブブランドが目指す観光関連消費額及び集客人数ハイグレード多島美まちなみ景観ノーマル地域文化芸術産業独特の食材農水産物合計人数金額 50 万人万人 350 合計 150 万人万人万人万人 1,420 66

8 4-2 ロードマップ構想を実現させるにあたっては前述のプラットフォーム機能の整備が重要であるプラットフォームが中心となって事業戦略各機能戦略に対応することが求められる事業戦略に関しては地域事業者および住民がエリアテーマごとにストーリーを感じるビジネスプランを策定し事業化していくまた一部実証事業を継続し新たな事業展開を随時生み出して行く一方で機能戦略については関係アクターやプロフェッショナルを交え分野ごとに戦略を立案する図表 4-12 構想実現のロードマップ 1Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y 事業戦略戦略テーマの事業化地域事業者および住民がエリアテーマごとにストーリーを感じるビジネスプランを策定し事業化していく一部実証事業を継続するプロモーション海外ハイミドル国内マス機能戦略受け入れ宿インフラ関係アクターやプロフェッショナルを交え各分野ごとに戦略を立案見る飲食組織財務プラットフォーム補助金出資融資 2011 年 4 月 ~ 関係自治体, 団体等調整 2011 年 10 月 ~ 設立準備 2012 年 4 月 ~ 設立運営 2011 年 4 月 ~ 関係機関等調整 2011 年 10 月 ~ 組成準備 2012 年 4 月 ~ 組成運営 67

年 6 月日本銀行松本支店長野県における大河ドラマ真田丸の放映に伴う経済効果 1. 概要ひのもといちつわもの信濃国は日本一の兵と称された戦国武将真田信繁を育んだ地であり 2016 年 1 月から放映されている大河ドラマ真田丸 ( 以下真田丸 ) においては上田市

年 6 月日本銀行松本支店長野県における大河ドラマ真田丸の放映に伴う経済効果 1. 概要ひのもといちつわもの信濃国は日本一の兵と称された戦国武将真田信繁を育んだ地であり 2016 年 1 月から放映されている大河ドラマ真田丸 ( 以下真田丸 ) においては上田市 2016 年 6 月日本銀行松本支店長野県における大河ドラマ真田丸の放映に伴う経済効果本稿の執筆は川島悠が担当しましたホームページ (http://www3.boj.or.jp/matsumoto/) からもご覧いただけます本稿の内容について商用目的で転載複製を行う場合は予め日本銀行松本支店までご相談ください転載複製を行う場合は出所を明記してください照会先日本銀行松本支店総務課佐藤