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1 家族性高コレステロール血症をめぐって 家族性高コレステロール血症の遺伝子異常と病態の多様性 斯波真理子 国立循環器病研究センター研究所病態代謝部 はじめに高コレステロール血症が冠動脈疾患における主要な危険因子であることは古くより知られ,Khachadurianらは,1973 年に遺伝性高コレステロール血症には優性遺伝を示すものと, 劣性遺伝を示すものが存在することを報告した 1). 優性遺伝型式をとる高コレステロール血症については, その後,Goldstein, Brownらにより, 線維芽細胞における低比重リポ蛋白 (low density lipoprotein;ldl) 受容体活性の低下が見出され,LDL 受容体遺伝子の変異による遺伝病であることが明らかにされ, 家族性高コレステロール血症 (familial hypercholesterolemia;fh) と呼ばれるようになった 2).FHは, 極めて冠動脈疾患のリスクが高いため, 早期発見と厳格な治療が重要である. そのため,LDL 受容体遺伝子の解析による遺伝子診断が多くなされ, 現在までに1,000 種類以上の変異が報告されている. 一方,FHの病態を示す疾患の中に, LDL 受容体遺伝子に変異を認めないグループがあることも知られていた.1986 年にはLDL 受容体に対するリガンドであるアポリポ蛋白 B 遺伝子の変異による familial defective Apolipoprotein(Apo)B-100(FDB) の報告がなされた 3).1999 年,LDL 受容体,Apo Bのいずれにも異常を認めない常染色体優性遺伝形式をとる新しい家族性高コレステロール血症 (autosomal dominant hypercholesterolemia;adh) が報告され, 2003 年にポジショナルクローニング法によって, 染色体 1p に存在するPCSK9 遺伝子がAbifadelらにより同定された 4). 一方, 常染色体性劣性の遺伝形式をとる遺伝病としてautosomal recessive hypercholesterolemia(arh) の病態が明らかにされ, その病因 遺伝子が報告された 5)6). 本項では, これらの遺伝子異常と病態について解説する. 家族性高コレステロール血症の疫学 FHヘテロ接合体患者は500 人に 1 人の頻度で認められるといわれている. これは, アメリカおよびイギリスの心筋梗塞罹患生存者の解析 7) と,FHホモ接合体の頻度から Hardy-Weinberg 式でヘテロ接合体の頻度を計算されたものである.FHが同様の頻度で認められることは, 日本 8), ノルウェー 9), オランダ 10), ハンガリー 11) などから報告されている. 最近,Mabuchiらは, 北陸地方において, ヘテロ接合体で200 人に 1 人, ホモ接合体で17 万人に 1 人であると報告している 12). 世界的にみてFHには地域的な集積があるのは事実であり, 北陸地方での頻度は他地域に比べ高い可能性があるが, 日本人全体でのFHヘテロ接合体の正確な頻度に関する調査はない. 現時点では従来の頻度に幅を持たせて 人に 1 人とするのが妥当であろう. 遺伝子変異と病態 1.LDL 受容体遺伝子変異 LDL 受容体遺伝子は 18エキソンを有し, そのmRNA は860 塩基を有する.LDL 受容体は, 細胞内へのLDL の取り込みに直接かかわる蛋白質であり, その遺伝子変異による欠損症において FHをきたすことはよく知られている.LDL 受容体の遺伝子と蛋白質の構造を図 1 に示す.LDL 受容体遺伝子の変異はすでに 1,000 種類以上の報告がなされており,65% はDNA 変異, 35% はrearrangementであった 13).LDL 受容体遺伝子の変異は, すべてのエキソンにおいて報告があり, 646 心臓 V o l. 4 5 N o. 6 ( )

2 図 1 LDL 受容体遺伝子と蛋白質の構造 それぞれのエキソン, およびドメインにおける変異の頻度を図 2 に示す 13). 変異についてのデータベースは, に記載されている.FHにおける LDL 受容体変異の割合は, % と報告されている 14). FHヘテロ接合体における動脈硬化の起こり方には, 症例による個体差が大きい. 男性のほうが冠動脈疾患を罹患する年齢が若く, 罹患頻度も高い. 原発性高脂血症調査班による調査では, 冠動脈疾患の罹患数は, 男性で40 歳から, 女性で50 歳から増加し, 男性のほうが高い頻度を示すことが報告されている.FH ヘテロ接合体において, 冠動脈疾患発症のリスク解析では, 男性, 加齢, 喫煙, 高血圧, 糖尿病, 高トリグリセライド血症, 低 HDL 血症, 高 Lp(a) 血症,BMI などの,LDL 以外のリスクのほか,FHにおいては高 LDLコレステロール血症 (LDL 260mg/dL), アキレス腱厚さ ( 14.5mm) などがリスクとして報告されている 15). 2.Apo B 遺伝子変異 FDBは,Apo B 遺伝子の変異により,Apo B-100 とLDL 受容体との結合親和性が低下し,LDL 遺伝子変異と同じFHの病態を示す.Apo B 遺伝子の変異はLDL 受容体に比べてその種類が少なく,R3500Q, R3500W,R3480P,R3531C の変異がLDL 受容体との親和性を低下すると報告されている.Apo BのLDL 受容体との結合部位 ( ) とは異なる部位の変異が, 結合親和性に大きく影響することは興味深い. 変異の頻度はポーランド, スイス, チェコにおいて高く (0.4%), ほかのヨーロッパでは低い ( %). 日本での報告はない. FDB 患者は,LDL 受容体変異を有するFHに比べて総コレステロール値,LDLコレステロール値は低めであり, すべての年齢において,FHに比べて心血管疾患の頻度が低いとされている.FDBにおいて症状はFHよりは軽度であるが, 遺伝子変異のない人に比べると冠動脈疾患のリスクは高い. 家族性高コレステロール血症と動脈硬化性疾患 647

3 図 2 LDL 受容体遺伝子の変異の部位と頻度 A: 各エキソン上のLDL 受容体遺伝子変異の頻度,B: 各エキソン上のLDL 受容体遺伝子変異の塩基対あたりの頻度, C: ドメインごとの遺伝子変異の頻度 ( 文献 8 より改変引用 ) 3.PCSK9 遺伝子変異 PCSK9 は,LDL 受容体やApoB 遺伝子に変異を認めないが,FHと同様の病態を示す家系から positional cloningにより同定された遺伝子である 16).PCSK9は LDL 受容体蛋白の細胞外部分に結合し,LDL 受容体蛋白と同時に細胞内に取り込まれる.LDL 受容体は通常, 細胞内に取り込まれてからリサイクリングするが, PCSK9 が結合していると酸性条件下での分解を促す. 機能上昇変異を有するPCSK9は,LDL 受容体との結合力が強く,LDL 受容体の分解が促進され,LDL 受容体活性が低下して,FHの病態を示すと考えられている. PCSK9 については,100 以上の変異が報告されている.PCSK9 の変異の部位と機能の上昇, 低下の頻度 648 心臓 V o l. 4 5 N o. 6 ( )

4 について, 図 3 に示す 17). 変異の部位とその機能には一定の関係がないようにもみえる.PCSK9 とコレステロール代謝との関係は,LDL 受容体との結合だけではなく,Apo Bの分泌にも関与するとの報告がなされ, その機能については今後, 明らかになっていくであろう. PCSK9 変異を有する患者の表現型については,LDL 受容体変異を有する FHに比べてLDLコレステロールが高値を示す, あるいは低値を示すなどの報告があり, 一定の見解は得られていない. しかしながら,PCSK9 遺伝子変異を有する家系調査の中で, 正脂血症を示すことがあることが報告されている 18). 4.ARH(LDLRAP1) とその変異 ARH(LDLRAP1) は,LDL 受容体およびApo B 遺伝子の変異を認めず, しかし家族性高コレステロール血症の病態を示す家系より,positional cloningによって同定された遺伝子である 5).ARHは,LDL 受容体が細胞内に取り込まれる段階でアダプター蛋白の働きをしており, その機能が完全に欠損するとLDL 受容体が細胞内に取り込まれず,FHホモ接合体と同様の病態を示す 年にわれわれは, 7 8 歳ごろより著明な高コレステロール血症, 巨大な多発性黄色腫 ( 図 4 ) を示し,FHホモ接合体と同様の症状を有するが皮膚線維芽細胞においてLDL 受容体活性が正常である姉弟例を報告した 6)19). 母は正脂血症であり, 親族にも高コ 図 3 PCSK9 遺伝子の構造と変異の頻度 ( 文献 17 より改変引用 ) レステロール血症はなく, 血族結婚による姉弟のみが症状を呈することから, 劣性遺伝であることが示唆された.Apo B 異常症,sitosterolemiaなど, 当時報告されていたほかの疾患の可能性はすべて否定された.LDL アフェレーシス治療後のコレステロール値の再上昇カーブからコレステロール代謝を計算し,FH ホモ接合体と同様の, コレステロールの分解過程に異常を認めた. われわれは, この家系が,FHホモ接合体と同様のコレステロール代謝を有するが,LDL 受容体には異常がない, 全く新しい病気であることを世界で初めて報告したのである. ARHは1,000 万人に 1 人という, 非常に稀な疾患である.ARH 遺伝子変異は, 現在までにさまざまな国 図 4 ARH 患者の黄色腫 家族性高コレステロール血症と動脈硬化性疾患 649

5 より報告されている. 最も多いのはイタリアのサルジニアで, ほかにレバノン, アメリカ, イラン, インド, イギリス, トルコ, シリア, メキシコなどに報告例がある. 日本ではわれわれの報告した大阪の 1 家系 6)19)20), および金沢からの 1 家系 21) の報告がある. われわれは最近,Suita Study 1,800 人の中から 4 人にARH 遺伝子の56 番目の塩基がThrからMet への新規点変異 ( ヘテロ接合体 ) を発見し報告した 22). 糖尿病患者の中でこの変異を有する 4 人は, いずれも高 LDLコレステロール血症を示しており, ヘテロ接合体変異と高 LDLコレステロール血症との病態の関連は興味深い. 文献 1)Khachadurian AK, Uthman SM : Experiences with the homozygous cases of familial hypercholesterolemia. A report of 52 patients. Nutr Metab 1973 ; 15 : )Goldstein JL HH, Brown MS : Familial hypercholesterolemia. Edited by Scriver CR BA, Sly WS, Valle D. New York : McGraw-Hill : p )Vega GL, Grundy SM : In vivo evidence for reduced binding of low density lipoproteins to receptors as a cause of primary moderate hypercholesterolemia. J Clin Invest 1986 ; 78 : )Abifadel M, Varret M, Rabès JP, et al : Mutations in PCSK9 cause autosomal dominant hypercholesterolemia. Nat Genet 2003 ; 34 : )Garcia CK, Wilund K, Arca M, et al : Autosomal recessive hypercholesterolemia caused by mutations in a putative LDL receptor adaptor protein. Science 2001 ; 292 : )Harada-Shiba M, Tajima S, Yokoyama S, et al : Siblings with normal LDL receptor activity and severe hypercholesterolemia. Arterioscler Thromb 1992 ; 12 : )Patterson D, Slack J : Lipid abnormalities in male and female survivors of myocardial infarction and their firstdegree relatives. Lancet 1972 ; 1 : )Mabuchi H, Haba T, Ueda K, et al : Serum lipids and coronary heart disease in heterozygous familial hypercholesterolemia in the Hokuriku District of Japan. Atherosclerosis 1977 ; 28 : )Heiberg A, Berg K : The inheritance of hyperlipoproteinaemia with xanthomatosis. A study of 132 kindreds. Clin Genet 1976 ; 9 : )Andersen GE, Lous P, Friis-Hansen B : Screening for hyperlipoproteinemia in 10,000 Danish newborns. Followup studies in 522 children with elevated cord serum VLDL-LDL-cholesterol. Acta Paediatr Scand 1979 ; 68 : )Kalina A, Csaszar A, Czeizel AE, et al : Frequency of the R3500Q mutation of the apolipoprotein B-100 gene in a sample screened clinically for familial hypercholesterolemia in Hungary. Atherosclerosis 2001 ; 154 : )Mabuchi H, Nohara A, Noguchi T, et al : Molecular genetic epidemiology of homozygous familial hypercholesterolemia in the Hokuriku district of Japan. Atherosclerosis 2011 ; 214 : )Leigh SE, Foster AH, Whittall RA, et al : Update and analysis of the University College London low density lipoprotein receptor familial hypercholesterolemia database. Ann Hum Genet 2008 ; 72 : )Varret M, Abifadel M, Rabes JP, Boileau C : Genetic heterogeneity of autosomal dominant hypercholesterolemia. Clin Genet 2008 ; 73 : )Noguchi M, Nitoh S, Mabuchi M, Kawai Y : Effects of phenobarbital on aniline metabolism in primary liver cell culture of rats with ethionine-induced liver disorder. Exp Anim 1996 ; 45 : )Abifadel M, Varret M, Rabes JP, et al : Mutations in PCSK9 cause autosomal dominant hypercholesterolemia. Nat Genet 2003 ; 34 : )Leigh SE, Leren TP, Humphries SE : Commentary PCSK9 variants : A new database. Atherosclerosis 2009 ; 203 : )Garcia-Garcia AB, Ivorra C, Martinez-Hervas S, et al : Reduced penetrance of autosomal dominant hypercholesterolemia in a high percentage of families : importance of genetic testing in the entire family. Atherosclerosis 2011 ; 218 : )Harada-Shiba M, Tajima S, Miyake Y, et al : Analysis of hypercholesterolemia with family history and normal LDL receptor. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis 1991 ; 19 : )Harada-Shiba M, Takagi A, Miyamoto Y, et al : Clinical features and genetic analysis of autosomal recessive hypercholesterolemia. J Clin Endocrinol Metab 2003 ; 88 : )Tada H, Kawashiri MA, Ikewaki K, et al : Altered metabolism of low-density lipoprotein and very-low-density lipoprotein remnant in autosomal recessive hypercholesterolemia : results from stable isotope kinetic study in vivo. Circ Cardiovasc Genet 2012 ; 5 : )Harada K, Miyamoto Y, Morisaki H, et al : A novel Thr56Met mutation of the autosomal recessive hypercholesterolemia gene associated with hypercholesterolemia. J Atheroscler Thromb 2010 ; 17 : 心臓 V o l. 4 5 N o. 6 ( )

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