無顆粒球症

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1 高松赤十字病院モーニングセミナー ( 木曜日は臨床のコアレクチャー ) 同種造血細胞移植の激変 移植後シクロフォスファミド (PTCY) による HLA 半合致移植 高松赤十字病院副院長第一血液内科部長大西宏明

2 高松赤十字病院血液内科病棟 ( 本館 10 階 ) 2016 年 11 月にクリーンルーム 16 室 ( 全室個室 クリーンエリア内 14 室 エリア外 2 室 ) 本館 10 階 : 赤点線内がクリーンエリア

3 写真 1: 入り口付近クリーンエリアは廊下を含めてクラス 100 の清潔環境であるため 自動ドアにより仕切られています 写真 2: 西側入口から長い廊下の天井にも HEPA フィルターが設置され クラス 100 の環境なので患者さんは歩行練習ができます 写真 4: デイルームもクラス 100 の環境であり 瀬戸内海 サンポートのシンボルタワーをはじめ対岸の岡山県まで見渡せます 写真 5: デイルーム患者さんのリハビリのためエアロビバイク ウオーキングマシンを設置しています 景色を見ながらのエクササイズは好評です

4 チーム医療 看護師 研修医 薬剤師 臨床検査技師 MSW 口腔ケア 臨床心理士 リハビリ 栄養士 専門看護師 HCTC 医師 臨床工学士

5 急性骨髄性白血病では 予後中間群でも余命 1.3 年 長期生存が半分で予後良好群? John C. Byrd et al. Blood 2002;100:

6 移植後の骨髄 どこやここ? 異物? 移植前前処置にてほぼ絶滅骨髄不全 ~ 輸注生着 GVHD レシピエント血液細胞ドナー血液細胞白血病細胞 6

7 造血細胞移植においては移植された免疫細胞が宿主を傷害する (GVHD) 拒絶 GVHD Graft vs Host Disease

8 その一方で 移植された免疫細胞は宿主だけでなく腫瘍細胞も傷害する (GVL) 拒絶 GVHD Graft vs Host Disease GVL Graft vs Leukemia

9 移植後シクロフォスファミド (P TCY) によるHLA 半合致移植 PTCYはGVHD 抑制効果 免疫回復に優れており 非再発死亡が少ないため安全に行える同種造血細胞移植である 宿主に対する免疫抑制が強力であるためHLAが半分しか一致しないドナーからも安全に移植できる ほとんどの患者に血縁間 HLA 半合致ドナーが存在するため 移植のタイミングも最適化できる さらに 有用な免疫は維持できるため移植担当医の負担も軽減できる このため近年急速に実施件数が増加している ( 激変 )

10 造血幹細胞が血液細胞に分化 骨髄 造血幹細胞 末梢血 網赤血球 1 日赤血球 120 日 顆粒球 2~3 日 ( 好中球 ) 単球 2~3 日 血小板 10 日 リンパ球数年 T リンパ球ナチュラルキラー細胞 B リンパ球

11 T リンパ球は胸腺で正と負の選択を受ける 胸腺で T リンパ球前駆細胞は何十億もの T リンパ球に分化する それぞれの T リンパ球はそれぞれ異なる T 細胞受容体 (TCR) を持つ T リンパ球は 胸腺皮質の上皮細胞によって正の選択をうける OK NG OK OK NG T リンパ球前駆細胞 NG OK NG OK OK NG 胸腺髄質で不の選択を受ける 自己の HLA への結合が強すぎて 正常な細胞を攻撃する可能性のある TCR を持った T リンパ球も排除される

12 同種造血細胞移植後の患者さんの T リンパ球 1 患者さんの幹細胞から分化してきた T リンパ球が残存 移植前処置で死滅 2 ドナーの幹細胞から分化して ドナーの胸腺で正および負の選択を受けた T リンパ球が移植の時に混入 =GVHD および GVL をおこす 3 ドナーの幹細胞から分化して 患者さんの胸腺で正および負の選択がなされた T リンパ球 = 患者に対しては免疫寛容 病原微生物には反応する day0 免疫抑制剤 : 上記の全 T リンパ球の免疫応答を弱める ( 無くす訳ではない )

13 獲得免疫 CD4+T リンパ球 T 細胞レセプターを介して情報が伝達される 抗体産生 CD28 CD80 CD86 CD3 TCR HLA class II 単球 マクロファージ IL-1 IL-6 TNF B リンパ球 形質細胞 T 細胞レセプターを介したシグナル以外に co-stimulatory 分子を介したシグナルも必要

14 HLA HLA class Ⅱ:HLA-DR 単球とかマクロファージのような異物を貪食する細胞表面にあって 貪食した異物の一部分を抗原提示する ( 抗原提示に重要 ) HLA class Ⅰ:HLA-A, B, Cw すべての体細胞の表面にあって 細胞内で作られた蛋白の一部分を抗原提示する ( ウイルス感染細胞の排除 および 自己に対する免疫寛容に重要 )

15 T リンパ球の応答 (GVHD) 宿主の細胞 HLA class I 細胞障害サイトカイン 宿主細胞 CD28 TCR ドナー由来かつドナー胸腺で選択 CD8+T リンパ球 IL-2 CD4+T リンパ球

16 同種造血細胞移植後の患者さんの T リンパ球 1 患者さんの幹細胞から分化してきた T リンパ球が残存 移植前処置で死滅 2 ドナーの幹細胞から分化して ドナーの胸腺で正および負の選択を受けた T リンパ球が移植の時に混入 =GVHD および GVL をおこす 3 ドナーの幹細胞から分化して 患者さんの胸腺で正および負の選択がなされた T リンパ球 = 患者に対しては免疫寛容 病原微生物には反応する day0 免疫抑制剤 : 上記の全 T リンパ球の免疫応答を弱める ( 無くす訳ではない )

17 免疫抑制剤 宿主の細胞 宿主細胞 CD28 HLA class I TCR 細胞障害サイトカイン GVHD は減るけど免疫能も低下する ドナー由来かつドナー胸腺で選択 免疫抑制剤 CD8+T リンパ球 IL-2 CD4+T リンパ球

18 細胞膜における補助刺激 抑制分子 1 細胞表面抗原は細胞膜に浮かんでいる = 自由に移動できる 2 細胞外部分大きさはいろいろ 3 細胞内には酵素活性がある ( リン酸化酵素 = 正シグナル 脱リン酸化酵素 = 負シグナル ) 細胞外 細胞膜 細胞内

19 細胞質内に抑制シグナルに関係する脱リン酸化酵素を有する CD45(LCA) は MHC-Ag-TCR 形成に伴い 端に追いやられる 細胞内 ( 抗原提示細胞 ) 細胞膜 細胞外 細胞膜 細胞内 (T 細胞 )

20 免疫チェックポイント T 細胞上には 複数の 補助刺激分子 ( 受容体 ) と 補助抑制分子 ( 受容体 ) が存在し 抗原提示細胞などが発現するリガンドと結合することにより 主刺激シグナルである MHC-TCR( 主要組織適合性複合体 -T 細胞受容体 ) シグナル伝達経路を修飾する陽性 ( 活性 ) 及び陰性 ( 抑制 ) シグナルを媒介する これらのシグナルはそれぞれ T 細胞の生存 増殖 分化 または TCR 上で認識された抗原に対する応答を調整する 尚 狭義には T 細胞上の 補助抑制分子 ( 受容体 ) のことを 免疫チェックポイント分子 と呼び 代表的なものに CTLA-4 PD-1 分子などがあり T 細胞上の補助刺激分子と補助抑制分子からのシグナルの調整 自己寛容の維持 免疫反応からの防御の役割を担う 広義には免疫チェックポイント分子は T 細胞に限らず 他の免疫系細胞に発現している 抑制シグナルが入る補助刺激分子 も含まれる 出典 : 北野滋久. 臨床血液 58: ,2017 表紙図説明

21 適切に抗原提示を受けた T 細胞は 0 時間. HLA- 抗原がT 細胞レセプターに結合する同時に 補助刺激分子もリガンドと結合する 12 時間後. 細胞表面にIL-2レセプターを発現 24 時間後.IL-2を分泌 48 時間後.DNA 合成が始る 72 時間後. 細胞分裂が始るその後. 補助抑制分子を発現して 増殖を修了

22 T リンパ球の免疫応答と移植後 CPA PTCY(posttransplant cyclophosphamide) 0 時間. T リンパ球の T 細胞レセプターに抗原が付く ( 抗原提示 ) 12 時間後. 細胞表面に IL-2 レセプターが発現される 24 時間後.IL-2 が分泌される 48 時間後.DNA 合成が始る 72 時間後. 細胞分裂が始る このため 48 時間後位に DNA 合成に影響を与える抗がん剤 ( シクロフォスファミド ) を投与すると 患者の細胞に反応して増殖しようとする T リンパ球 ( アロ応答性 T リンパ球 ) のみが死滅する シクロフォスファミドは造血幹細胞には影響しないと言われている (ALDH:aldehyde dehydrogenase 1 の発現の差 )

23 同種造血細胞移植後の患者さんの T リンパ球 1 患者さんの幹細胞から分化してきた T リンパ球が残存 移植前処置で死滅 2 ドナーの幹細胞から分化して ドナーの胸腺で正および負の選択を受けた Tリンパ球が移植の時に混入 =GVHDおよびGVLをおこす PTCY 3 ドナーの幹細胞から分化して 患者さんの胸腺で正および負の選択がなされた T リンパ球 = 患者に対しては免疫寛容 病原微生物には反応する day0 免疫抑制剤 : 上記の T リンパ球の免疫応答を弱める ( 無くす訳ではない )

24 移植前後処置 (FluBu8TBI4:Haplo13RIC) 移植前治療 FLU 30mg/m 2 ivbus 3.2mg/ kg TBI 2 Gy 移植日 Day HLA3/6 一致同胞末梢血幹細胞 Tacrolimus MMF G-CSF CPA 40mg/kg/day

25 抗がん剤 : シクロフォスファミド (CY) ナイトロジェンマスタード類に分類されるアルキル化薬であるシクロフォスファミドは肝で代謝を受け,aldophosphamide に変換される aldophosphamideはaldehyde dehydrogenase 1 (ALDH) によりcarboxyphosphamide に不可逆的に変換され不活性型となり細胞毒性を示さなくなるため,ALDHが高発現している造血幹細胞ではCYによる傷害を受けにくいとされる 一方で,aldophosphamide はALDHが高発現していない通常のリンパ球などでは活性型であるphosphoramide に分解され, phosphoramide mustardがdnaをアルキル化することで細胞毒性を示す アルキル化薬は急速に分裂している細胞に対して最も毒性を発揮するため, 血液悪性疾患を中心に抗がん剤として使用されている また, リンパ球への作用が強いことから免疫抑制作用を期待して自己免疫疾患にも広く用いられている

26 PTCY を用いた HLA 半合致移植 症例 2.5F BKV 生着再発急性 GV 慢性 GV 転帰 ( ) NO - + d11 d270 GradeⅠ ー Alive day477 with ALL relapse day270 RO + + d15 d59 ー ー Death day89 CML-BC relapse day59 SH + + d14 ーーー Alive day141 MO + ー d15 ーー? Alive day30

27 血縁 HLA 一致 : きょうだい 1/4 血縁 HLA 半合致 : きょうだい 3/4 親子 4/4 おじおば 2/4 HLA 半合致ドナーなら ほぼ見つかる

28 結語 GVHD 抑制効果 免疫回復に優れており 非再発死亡が少ないため安全に行える同種造血細胞移植であるPTCYの登場により 同種造血細胞移植を取り巻く環境は激変した この方法を用いて行う血縁間 HLA 半合致移植では ほとんどの患者にドナーが存在し 血縁であるため移植のタイミングも最適化できる 免疫能が維持されるため移植担当医の負担も軽減できる ( アロ反応性 Tリンパ球のみを障害するので 移植後に免疫抑制剤を中止できる可能性も高い )

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