解説 JARI Research Journal 電気自動車に係る国際標準化について -ISO/TC22/SC21( 電気自動車 ) の動向 - International Standardization on Electrically Propelled Road Vehicle

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ありさまきい
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1 解説電気自動車に係る国際標準化について ISO/TC22/SC21( 電気自動車 ) の動向 International Standardization on Electrically Propelled Road Vehicles Report on ISO Standardization under ISO/TC22/SC21 (Electrically Propelled Road Vehicles) 吉原三智子 *1 Michiko YOSHIHARA Abstract This article describes International Standards prepared by a technical committe ISO/TC22, Road vehicles, a subcommittee SC21, Electrically propelled road vehicles. Firstly, it briefs the structure of ISO and ISO/TC22, and secondly it describes ISO/TC22/SC21; its structure, working groups (WG), and International Standards and other ISO documents both published and in progress. Finally, it focuses on the International Standards which JARI have taken the lead in preparation of. 1. はじめに自動車関係の国際標準化はISO/TC22 ( 自動車 ) が担当している. そのISO/TC22 傘下で, 一般財団法人日本自動車研究所 ( 以下 JARI) は, 経済産業省の日本工業標準調査会 (Japanese Industrial Standards Committee [JISC]) から委託され, ISO/TC22/SC21( ハイブリッド電気自動車 [ 以下 HEV], 燃料電池自動車 [ 以下,FCV], バッテリー電気自動車 [ 以下,BEV] を含む電気的に駆動する自動車 [ 以下, 電気自動車 ] 全般 ) の国内審議団体となっている. ここでは,ISOの中での ISO/TC22/SC21の位置づけ, 概要, さらには日本主導で作成した国際規格について紹介したい. 2. ISO と ISO/TC22/SC21 の上部組織についてまず,ISOの組織から簡単に説明する.ISOとは国際標準化機構 (International Organization of Standardization) のことであるが, 略語に関しては, ギリシャ語のisosが "=equal, 等しい, 同等の " という意味をもつことから, この組織名が何語で表記されたとしても, 略称をIOSではなくISO としている. 国際規格作成はTC (technical committee, 専門委員会 ) のもとで行い, 現在約 240のTCがある. ISOへの参加国数は約 160, 現在発行されている国際規格数は15000 以上, ちなみにIEC [International Electrotechnical Commission, 国際電気標準会議 ] は参加国数は約 80カ国, 発行されている規格数は6000 以上となっている. 240のTCの中でJARIが関係している自動車関連のTCを紹介すると : TC22 Road vehicles( 自動車 ) TC43 Acoustics( 音響 [ 騒音 ]) TC197 Hydrogen technologies( 水素技術 ) TC204 Intelligent transport system( 高度道路交通システム ) 等がある. TC22は,SC21の親委員会であるが, 現在, 約 20のSC (subcommittee, 分科委員会 ) やその他 TC22 直下のWG (working group, ワーキンググループ ) がいくつかあるかなり大所帯のTCである. さらに各 SCの下に複数のWGがあり,WGでも複数の規格を扱っており, さらにその傘下にPT (project team, プロジェクトチーム ) とその PL(project leader, プロジェクトリーダー ) 制を取っている場合もある. ( 以下,Table 1に現在活動中のISO/TC22 傘下のSCを掲げる.) *1 一般財団法人日本自動車研究所 FC EV 研究部 1

2 Table 1 ISO/TC22 ( 自動車 ) 傘下のSC TC 22/SC 1 Ignition equipment ( 点火装置 ) TC 22/SC 2 Braking systems and equipment ( ブレーキ ) TC 22/SC 3 Electrical and electronic equipment ( 電子電装部品 ) TC 22/SC 4 Caravans and light trailers ( キャラバンと小型トレーラー ) TC 22/SC 5 Engine tests ( エンジンテスト ) TC 22/SC 7 Injection equipment and filters for use on road vehicles ( 燃料噴射装置及びフィルター ) TC 22/SC 8 Lighting and signalling ( 灯火器 ) TC 22/SC 9 Vehicle dynamics and roadholding ability ( 操安性 ) TC 22/SC 10 Impact test procedures ( 衝突試験 ) TC 22/SC 11 Safety glazing materials ( 窓ガラス ) TC 22/SC 12 Passive safety crash protection systems ( 衝撃保護 ) TC 22/SC 13 Ergonomics applicable to road vehicles ( 人間工学 ) TC 22/SC 15 Interchangeability of components of commercial vehicles and buses ( 連結装置等の商用車部品 ) TC 22/SC 17 Visibility ( 運転視界 ) TC 22/SC 19 Wheels ( ホイール ) TC 22/SC 21 Electrically propelled road vehicles ( 電気自動車 ) TC 22/SC 22 Motorcycles ( モータサイクル ) TC 22/SC 23 Mopeds ( モペッド ) TC 22/SC 25 Vehicles using gaseous fuels ( ガス燃料自動車 ) 3. 電気自動車全般に関係する標準化の中での ISO/TC22/SC21 の位置付け JARI FC EV 研究部調査標準化グループでは,ISO/TC22/SC21 以外でも,ISO/TC197( 水素技術 ) において,FCV の水素燃料仕様, 圧縮水素容器等の部品を, また,IEC において BEV 及び外部充電有り HEV 用の充電及びバッテリーなど, HEV,FCV,BEV を含むあらゆるタイプの電気自動車に係わる国際標準化活動に広く携わっている. そのような中で,ISO/TC22/SC21は, 電気自動車全般の標準化活動が長年続いており, 電気自動車の標準化の基幹業務となっている. 4. ISO/TC22/SC21について次に ISO/TC22/SC21 について説明する.SC21 の議長幹事国はドイツが務めており, これまでに約 20 の国際規格や文書を作成してきた. 傘下に3つの WG があり, その内,WG2( 性能燃費 ) は, 日本がコンビーナ幹事国となっている. SC21の構成はTable 2のようになっている. また各 WGで作成してきた国際規格やその他の文書をTable 3~Table 5に掲げる. 2

3 Table 2 ISO/TC22/SC21 組織 ISO 委員会 ISO/TC22/SC21 ( 電気的に駆動する自動車 ) ISO/TC22/SC21/WG1 ( 安全用語 ) ISO/TC22/SC21/WG2 ( 性能燃費 ) ISO/TC22/SC21/WG3 ( 電気自動車用リチウムイオン電池 ) 議長幹事ドイツドイツ日本ドイツ ISO での JARI の役職 ISO6469( 電気自動車全般の安全通常使用 ) プロジェクトリーダー WG2 コンビーナ WG2 幹事 ISO232741( 外部充電無し HEV 燃費測定法 ) 及び,ISO232742( 外部充電有り HEV 燃費測定法 ) 他プロジェクトリーダー取組み項目電気自動車 (HEV, BEV, FCV) に関する国際標準化電気自動車の安全用語電気自動車の性能 ( 走行性能燃費他 ) 電気自動車用リチウムイオン電池 Table 3 ISO/TC22/SC21/WG1( 電気自動車の安全用語 ) で作成した国際規格類規格番号規格の名称備考 ( 年号は発行年 ) Electrically propelled road vehicles Safety specifications Part 1: 日本がプロジェク ISO64691:2009 Onboard rechargeable energy storage system (RESS) ( 電気自動車トリーダー RESS の安全 ) ISO64692:2009 ISO64693:2011 ISO/DIS64694 ISO/IEC CD ISO/TR 8713:2012 ISO/FDIS ISO :2006 廃止 ISO :2006 廃止 Electrically propelled road vehicles Safety specifications Part 2: Vehicle operational safety means and protection against failures ( 電気自動車自動車の操作性に関する故障保護対策や手段 ) Electrically propelled road vehicles Safety specifications Part 3: Protection of persons against electric shock ( 電気自動車電気安全 ) Electrically propelled road vehicles Safety specifications Part 4: Post crash electrical safety requirements ( 電動車両衝突後の安全 ) Electrically propelled road vehicles Connection to an external electric power supply Safety requirements ( 外部充電接続の安全要件 ) Electrically propelled road vehicles Vocabulary ( 用語テクニカルレポート ) Fuel cell road vehicles Safety specifications Part 2: Protection against hydrogen hazards for vehicles fuelled with compressed hydrogen (FCV の水素安全 ) Fuel cell road vehicles Safety specifications Part 1: Vehicle functional safety(fcv の機能安全 ) Fuel cell road vehicles Safety specifications Part 3: Protection of persons against electric shock (FCV の電気安全 ) CD:committee draft ( 委員会原案 ) DIS:draft International Standard( 国際規格案 ) FDIS:final draft International Standard( 最終国際規格案 ) TR:Technical Report( 技術報告書 ) 作成中日本がドラフト作成日本がドラフト作成日本がドラフト作成 3

4 規格番号 ( 年号は発行年 ) ISO 8714:2002 ISO 8715:2001 ISO/TR 11954:2008 ISO/TR 11955:2008 ISO :2013 ISO :2012 ISO/DIS Table 4 ISO/TC22/SC21/WG2( 電気自動車の性能燃費 ) で作成した国際規格類規格の名称 Electric road vehicles Reference energy consumption and range Test procedures for passenger cars and light commercial vehicles ( 電気消費量と一充電走行距離測定 ) Electric road vehicles Road operating characteristics (EV の走行性能試験 ) Fuel cell road vehicles Maximum speed measurement (FCV 最高速試験法 ) Hybridelectric road vehicles Guidelines for charge balance measurement (HEV 電気量計測ガイドライン ) Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 1: Nonexternally chargeable vehicles ( 外部充電無し HEV 燃費試験法 ) Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 2: Externally chargeable vehicles ( 外部充電有り HEV 燃費試験法 ) Fuel cell road vehicles Energy consumption measurement Vehicles fuelled with compressed hydrogen (FCV 燃費測定法 ) 備考日本がドラフト作成改正中 Table 5 ISO/TC22/SC21/WG3( 電気自動車用リチウムイオン電池 ) で作成した国際規格類規格番号 ( 年号は発行年 ) 規格の名称備考 ISO : 2011 Electrically propelled road vehicles Test specification for lithiumion traction battery packs and systems Part 1: High power application( 電気自動車用リチウムイオン電池パックシステム試験仕様高出力用 ) ISO : 2012 Electrically propelled road vehicles Test specification for lithiumion traction battery packs and systems Part 2: High energy application( 電気自動車用リチウムイオン電池パックシステム試験仕様高エネルギー用 ) ISO/DIS Electrically propelled road vehicles Test specification for lithiumion battery packs and systems Part 3: Safety performance requirements( 電気自動車用リチウムイオン電池パックシステム試験仕様安全性能要件 ) 作成中 Electrically propelled road vehicles Dimensions and designation 日本がプロジェク ISO/IEC PAS of lithiumion cells( 電気自動車用リチウムイオンセルの寸法と記号トリーダー ( ドイ 16898:2012 表示 ) ツと共同議長 ) ISO/AWD Electrically propelled road vehicles Specifications for lithiumion cell and battery coupled with other types of battery and capacitor 作成中 PAS:Publicly Available Specification( 公開仕様書 ) AWD:approved working draft( 承認された作業原案 ) 4

5 5. 日本主導で作成した国際規格 WG1 ( 安全関係 ) 次に, 日本がコンビーナ, 幹事, プロジェクトリーダーを務めたり, ドラフトを作成した等, JARI 主導で国際標準化を行ってきた案件について説明する.WG1では, 以下の2つの項目がある. 5.1 ISO64693:2011 Electrically propelled road vehicles Safety specifications Part 3: Protection of persons against electric shock ( 電気自動車安全に関する仕様第 3 部 : 感電保護 ) ISO6469 Electrically propelled road vehicles Safety specifications ( 電気自動車の安全に関する仕様 ) は,HEV, FCV, BEVすべてカバーしている. 特にパート3は, 高電圧部から人を守るための基本的な考え方に基づいた, 基礎保護, さらに単一故障時の保護について規定されている. 基礎保護は, 高電圧接触防止のための基礎絶縁とバリア / エンクロージャからなり, 単一故障時は, 等電位化, 絶縁抵抗と, 静電容量を制限することで安全を確保することが要求されている. また以上の要求事項を満足するための設計指針や試験方法が記載されている. 5.2 ISO/IEC CD Electrically propelled road vehicles Connection to an external electric power supply Safety requirements ( 電気自動車外部充電接続安全要件 ) 元々,IECで議論されていた既存のIEC 規格の IEC Electric vehicle conductive charging system Part 21: Electric vehicle requirements for conductive connection to an a.c./ d.c. supply ( 電気自動車コンダクティブ充電システム第 21 部 : 交流 / 直流電源へのコンダクティブ接続用電気自動車要件 ) の自動車側の要件については, 自動車の専門家のいるISOで議論したいとの趣旨で, ドイツより提案がなされた. IEC の EMC (electromagnetic compatibility, 電磁適合性 ) を除いた部分を, 自動車用として規定することになった. ISO/TC22/SC21 主導で,IECとジョイントワーキング (JWG) で取り組んでいる. プロジェクトリーダーは日本が務めている. インレットの絶縁抵抗, 等電位化, 直接接触の保護等級, 充電回路の耐電圧試験, 単一故障時に車両側に発生する直流漏電成分について, 短絡や過電流保護について規定している. 当初は, 交流充電のみを扱うとしていたが, 現在は, 直流充電も含める方向で標準化が進められている. 6. 日本主導で作成した国際規格 WG2( 性能関係 ) 次にISO/TC22/SC21/WG2( 性能 ) は,JARI( 日本 ) がコンビーナ及び幹事を務めている. これは, 議長セクレタリー就任数に関して欧米に大きく離されている日本が議長セクレタリーを務める数少ない委員会のひとつである.WG2 で作成したほとんどの国際規格は, 日本人のコンビーナ, 幹事, プロジェクトリーダーの下で作成してきたが, ここでは以下の3つを紹介する. 6.1 ISO :2013 Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 1: Nonexternally chargeable vehicles ( ハイブリッド電気自動車ー排出ガス燃費測定法外部充電無し ) 市販されている多くのハイブリッド自動車は, 外部充電を行わないものであり排出ガス及び燃料消費量測定法は, 一般のガソリン車と同等のものが適用できるが, その際にガソリンが走行ではなく充電のために消費されたり, 電気により走行したり等, 走行中の車載蓄電池のSOC (state of charge, 充電状態 ) の変化がない状態の燃料消費量を求める必要がある. この規格では, 複数回の ADT (applicable driving test,jc08 等のモード走行試験 ) を行い, 各試験結果から試験前と試験後の SOC 変化 (ΔSOC) と燃料消費量を出し, 回帰直線 5

した電気エネルギーが, 設定されたある最低レベルのSOCまで使われるチャージデプリーティン Fig. 1 Example of determining the correction coefficient を求め,SOCの補正係数を算出する方法(Fig.1), 補正係数を用いてSOC 変化がない状態の燃費の求め方を記載している.

2 ISO 232742:2012 Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 2: Externally chargeable vehicles ( 外部充電有りハイブリッド電気自動車排出ガス燃費測定法外部充電有り ) 外部充電式,

想定されるさまざまな走行形態のプラグインHEVに対応できる排出ガス燃費測定法をめざした. プラグインHEVの走行形態には, 外部から充電 Fig. 2 CD state and CS state グ (CD) ステートと, その後 SOCが安定するチャージサステイニング (CS) ステートがあり (Fig.

6 した電気エネルギーが, 設定されたある最低レベルのSOCまで使われるチャージデプリーティン Fig. 1 Example of determining the correction coefficient を求め,SOCの補正係数を算出する方法(Fig.1), 補正係数を用いてSOC 変化がない状態の燃費の求め方を記載している. ( なお,SOCは測定できないため, 車載蓄電池のクーロン効率がほぼ100% とみなせることから,SOC 変化を電気量収支で代用している.) 本国際規格は,2007 年 6 月に発行されたが, 日本の試験法が10 15モードを記載していたためJC08に変更すること, その後, 作成された外部充電するHEVの燃費測定法 ISO の内容に合わせた変更が必要となり,2010 年 7 月から改正作業を開始,2013 年 1 月 13 日に第 2 版が発行された. 6.2 ISO :2012 Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 2: Externally chargeable vehicles ( 外部充電有りハイブリッド電気自動車排出ガス燃費測定法外部充電有り ) 外部充電式, いわゆるプラグインHEVについては, 充電した電気を走行のために使い, 使い切ったあとは内燃機関で発電しながら走行可能なレンジエクステンダ型の電気エネルギー消費量を測る方法があったがそれに代わる, 主に充電した電気エネルギーを用いての走行中に要求出力が大きいときはモーターに加えて内燃機関からの駆動力を併用するブレンドタイプに対応した新しい試験法である. 想定されるさまざまな走行形態のプラグインHEVに対応できる排出ガス燃費測定法をめざした. プラグインHEVの走行形態には, 外部から充電 Fig. 2 CD state and CS state グ (CD) ステートと, その後 SOCが安定するチャージサステイニング (CS) ステートがあり (Fig.2), そのうちのCDステートの区間を特定し, その間の電気エネルギー消費量を求める方法を規定しているのが本規格である. 満充電状態からADTを繰り返し,ΔSOCがほぼ 0になった区間を判定する燃費収束判定方法により, まず,CSステートの区間を判定, それより前の区間をCDステートとしている. 本件もで2009 年年末からWG2で作成開始,2012 年 7 月 26 日に発行された. 6.3 ISO/DIS Fuel cell road vehicles Energy consumption measurement Vehicles fuelled with compressed hydrogen ( 燃料電池自動車エネルギー消費測定法圧縮水素を燃料とする自動車 ) JARIが開発した下記の4つの水素燃料電池自動車の水素燃料消費量を測定する方法を規定している.2008 年に第 1 版が発行されたが, 前述のISO :2013 ( 外部充電無しHEV の排ガス燃費測定法 ) との共通するSOC 補正の部分の内容整合を図るためと日本の試験法をJC08に変更のため, 現在改正作業中である.2013 年 5 月にDIS 投票終了,6 月のWG2 国際会議後,IS 発行作業にはいる. 以下に4つの測定法について簡単に説明する. 6

7 圧力法試験前後の水素燃料容器のガス圧力温度を計測することにより, 水素消費量を算出する方法で, 圧力温度から状態方程式により容器内ガスのモル数変化を求めることで, 水素消費量を測定する. その際, 容器から水素が放出されるとき, 容器内部のガス圧低下により, ガスの温度が低下, 容器内で温度分布が生じる. これによってガスの温度計測が難しくなっている. そのため, タンク表面の温度測定点及びソーク時間の決定方法を参考として付属書に記している質量法試験前後の高圧燃料容器の質量を計測することにより, 水素消費量を算出する. 精密な質量計測技術が必要とされるが, 最も基本的な手法である流量法燃料電池自動車に供給, 消費された水素流量を流量計により測定する. 流量計は, 外部の燃料供給源から燃料電池自動車への燃料配管中に設置する. 流量法は, 燃料配管中を流れる水素の流量をガス流量計により測定, 積算する方法である. リアルタイムの測定が可能であり, 車上計測に応用できる可能性もある電流法燃料電池スタックの出力電流を計測することにより, 水素消費量を算出する. 燃料電池ではアノードでの水素酸化反応 (H2 2H + +2e ) により電流値が分かれば水素消費量の理論値を計算することができる. したがって, 電流値の積算により水素消費量を求めることができる. このISO23828は, 現在の改正作業では, となっているが, 第 1 版 (2008 年発行 ) 作成時, ドラフトは日本が作成したものの. プロジェクトリーダは日本ではなくイタリアであった. そのような状況で,JARIの研究成果を国際規格に反映させたベストプラクティスと言える. 7. まとめこれまで,ISO/TC22/SC21で日本がコンビーナやプロジェクトリーダーを務めて作成してきた国際規格を中心に紹介してきたが,ISO23828 燃料電池自動車の水素燃料消費量測定法のように, たとえプロジェクトリーダーでなくても研究成果 ( データ ) に基づいた提案を行うことで日本の意見を反映させることができたものもあった. したがって, 日本の意見を反映させるためには, コンビーナ, プロジェクトリーダー職によるほか, データに裏付けられたコメント活動を行うことが極めて重要であると考える. 参考文献 1) 吉原三智子 : 外部充電ありハイブリッド電気自動車の燃費測定法の標準化動向, 自動車技術,Vol.65, No.7, p.5559(2011) 2) ISO232741:2013 Hybridelectric road vehicles Exhaust emissions and fuel consumption measurements Part 1: Nonexternally chargeable vehicles( ハイブリッド電気自動車ー排出ガス燃費測定法外部充電無し ) 7

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No EV 26 Development of Crash Safety Performance for EV Ichiro Kamimoto Masaki Motoki Masaki Ueno SKYACTIV engine HEV Hybrid Electric Ve No.302012 EV 26 Development of Crash Safety Performance for EV 1 2 3 Ichiro Kamimoto Masaki Motoki Masaki Ueno SKYACTIV engine HEVHybrid Electric VehicleBEVBattery Electric Vehicle, Summary There are growing