事例 2 主体的 対話的で深い学び の実現に向けて新学習指導要領の要素を取り入れた指導事例 2 題材名 夏休みの思い出を英語で伝えよう 第 6 学年 話すこと 自分の考えや気持ち, 事実などを聞き手に伝えること 1 単元の目標 相手に配慮しながら, 夏休みの思い出について伝えようとする コミュニケー

Transcription

1 事例 2 主体的 対話的で深い学び の実現に向けて新学習指導要領の要素を取り入れた指導事例 2 題材名 夏休みの思い出を英語で伝えよう 第 6 学年 話すこと 自分の考えや気持ち, 事実などを聞き手に伝えること 1 単元の目標 相手に配慮しながら, 夏休みの思い出について伝えようとする コミュニケーションへの関心 意欲 態度 夏休みに行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを表す表現に慣れ親しむ 夏休みの思い出について音声で十分に慣れ親しんだ表現を推測しながら読んだり, 例を参考に書いたりすることに慣れ親しむ 外国語への慣れ親しみ 夏休みに行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを表す表現を知る 2 教材名 Lesson 5 My Summer Vacation 夏休みの思い出 3 単元について (1) 単元について ( 文部科学省 6 年生用新教材 We Can!2 を参考 ) 本単元では,went, ate, enjoyed などの過去形を扱う単元である 楽しかった夏休みの思い出は友達との話の中で盛り上がる話題である 2 学期が始まってすぐに, 関心の高い夏休み中の出来事について教材として扱うことで, 知りたい 伝えたい という思いのある主体的なやりとりが期待できる 単元の最後には, 夏休みに行ったところや, その場所で食べたもの, その感想についてイラストや写真を加えた英語日記を書く内容を設定した 単元前半の 1~3 時間目は行った場所 楽しんだこと 食べた物 その感想をスモールステップで指導し, 単元後半の 4~ 6 時間目は定着と活用を図る構成にした 2 段階構成で学習を深め, 児童が十分に英語に慣れしみ, 自信をもってパフォーマンステストに臨めるようにした (2) 主体的 対話的な学びについて児童が主体的に学習に取り組むことができるよう,1 時間目には単元の最終の姿を提示する 本単元の場合, 発表で自分の夏休みをクラスの仲間に伝えること, 夏休みの思い出を簡単な英語絵日記にして全校児童に伝えることである ゴールの姿を明確にすることで, 主体的な学びの実現を目指していく さらに, 他の先生が夏休みについて語る様子を録画し, Watch and Think として児童に見せる HRT や ALT の夏休みを知ることはもちろん, 他の先生が英語で話している場面を見せることで, その内容に興味を持って聞くとともに, 頑張って伝えようとする意欲の向上を図った 扱う言語材料は, 夏休みの出来事をあらかじめ調査した上で児童の実態に即したものを選んだ (3) 外国語科を意識した取り組み本単元は, 学習指導要領改訂に伴って新しく導入される内容を基に構成されてる 聞くこと 読むこと 話すこと ( やり取り ) 話すこと ( 発表 ) 書くこと の 5 領域のうち, 特に 話すこと ( 発表 ) と 書くこと に重点を置いている 暗記による発表ではなく, 伝えたい内容を即興的に表現できるように, ゲームを工夫した ( イントロダクションゲーム jumbled sentence ゲーム ) 単元の最後には, 全校児童に向けて自分の夏休みを - 小外 1-

2 間英語絵日記にすることにした このとき, 参考になる単語をリストにし, 書き写すことができるようにした また, 単元を通して Small Talk を 3 回設定した 既習事項の定着や本単元で扱う言語材料を HRT と ALT とで行い, 次第に児童を巻き込んでいくようにした 4 指導と評価の計画 (1) 評価規準 相手に配慮しながら, 夏休みの思い出について伝えようとしている コ 夏休みに行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを伝えている 夏休みの思い出について音声で十分に慣れ親しんだ表現を推測しながら読んだり, 例を参考に書いたりしている 慣 夏休みに行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを表す表現を知る 気 (2) 指導計画と評価計画 ( 全 6 時間 ) 時主な学習活動評価規準 評価方法留意点 備考 1 過去の表現と, 夏休みに行った場所や楽しんだことの表現を知ろう ST1 my summer vacation はえたたきゲーム 2 行った場所や楽しんだことを伝えよう L1 登場人物と思い出を線で結ぼう ST2 last weekend リレーゲーム 3 昨日食べたものを紹介しよう ST3 昨日食べた物, 味は? キーワードゲーム 夏休みに行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを表す表現を知る 気 行った場所や楽しんだこと, 感想を表す表現に慣れ親しんでいる 慣 自分が食べた物, 感想を表す表現に慣れ親しんでいる 慣 主体的な学びを実現させるため, 英語絵日記を見せ, 最終的なゴールの姿をイメージさせる パフォーマンステストの評価項目を見せ, 目標を設定させる 写真を見せながら ST を行い, 難易度を下げる めあて や 学習感想 を振り返りカードに記入する時間をきちんと確保する ( 全時間 ) L1 では, 児童の理解度に応じて読み上げるスピードを調節する 写真を見せながら ST を行い, 難易度を下げる 写真を見せながら ST を行い, 難易度を下げる 味の表現にはジェスチャーをつけ, 理解の助けとする 4 本時 行ったつもりで紹介しよう W&T my summer vacation イントロダクションゲーム jumbled sentence ゲーム 行った場所や食べた物, 楽しんだこと, 感想などを表す表現に慣れ親しんでいる 慣 第 5 時のパフォーマンステストへの意欲付けをねらい, 校内の先生方に夏休みについて語ってもらい録画する 主体的に文を作ることができるようにミニカードを用意する 5 相手に伝わるように, 自分の夏休みを紹介しよう パフォーマンステスト 相手に配慮しながら, 夏休みの思い出について伝えようとしている パフォーマンステストによる評価 その場で評価し, すぐに児童にフィードバックする - 小外 2-

3 6 英語絵日記を書こう L2 どこに行ったのか考えて線で結ぼう 英語絵日記を完成させよう 夏休みの思い出について音声で十分に慣れ親しんだ表現を推測しながら読んだ り, 例を参考に書いたりしている 慣 ( 絵日記 振り返りカード分析 ) ST :Small Talk L :Let s Listen W&T Watch and Think は教材 教具の工夫をしたもの, 児童の実態にあわせて設定したもの 自分の夏休みについての英語絵日記を, 全校に発信することで 他者意識 を持たせる 5 学習指導の様子 (1) 児童が主体的に学習に向かうための工夫 何を学ぶのか 見通しを持たせ, 児童とゴールを共有する 単元のゴールを見せる I went to my friend house. 単元の最後に作成する英語絵日記と, 夏休みの思い出のスピーチを見せ, 単元終了時の姿を具体的にイメージさせる 自分の夏休みの思い出を紹介するのかな こんなふうに紹介できるようになりたいな 児童の意欲を高めるための手立て Small Talk の話題 What did you eat yesterday? 写真を提示しながら, その日の目標に関係のあるスモールトークを展開する 教師の生活を話題にし, 児童の興味関心を引き付け, 自然な流れで内容の理解へとつなげる I ate ice cream. I went to 31 ice cream shop yesterday. 言語材料を扱う上での工夫 ぼくの夏休みにも関係する言葉だ! 児童の 伝えたい という気持ちに応えるため, 夏休みの日記や事前のアンケートから必要な言語材料をピックアップする 児童自身に直接関係のある単語を扱うことで, 伝えたい気持ちを高める - 小外 3-

4 先生方の夏休み紹介 ~Watch & Think を用いて ~ 校長先生は, 北海道でウニを食べたのかぁ 他の先生の協力を得て, 夏休みの紹介スピーチを録画して児童に提示する 単元の始めには担任 ALT の夏休みの様子を, 単元の中間には別の先生の夏休みの様子を紹介することで, 興味を持続させるとともに, ゴールの姿を再認識させる It was delicious. と言っている (2) 単元の目標に近付くための場面 語や表現に慣れ親しませる活動 単語カード パワーポイントの活用ピクチャーカードとしてインプットに用いたり, 必要な時に提示し確認したりできるようにする チャンツの時にはパワーポイントを活用し, 馴染みのある単語を加えて, 楽しみながら慣れ親しめるように工夫する What did you eat? パワーポイントによる提示は, リズムよく進められること, どの角度からも見やすいことから, チャンツになどで, 音と意味を絵 ( イメージを ) 結び付ける学習において特に有効である I ate Gyoza! はえたたきゲーム キーワードゲーム リレーゲーム単元の前半部分で有効 たくさんある言語材料について, 楽しみながら慣れ親しむことができる チーム戦にすることで盛り上がる よく聞く態度も育つ 段階を追って言語材料を増やしたり, 場所シリーズや食べ物シリーズなど限定したりと, 方法も工夫できる 見ている児童に Where did you go? と質問させることで, 見ている側も集中して参加することができる Where did you go? I went to aquarium. これだ! - 小外 4-

5 イントロダクションゲームミニカードの表面には行った場所を表す写真, 裏面にはそこで食べたものや飲んだもの, 楽しんだものを表す文字と写真を載せる 引いたカードを, 表面を見せながら, 自分が行ったつもりになって紹介する 表面 裏面 示されている単語に相応しいい表現で相手に伝え, 即興的に伝える練習になる 文字は 慣れ親しみ を目的として表示した I went to a movie theater. I enjoyed watching movies. I ate popcorn. I drank cola. jumbled sentence ゲーム I went to/i enjoyed/ Iate/ I drank の文字と, 言語材料のミニカードを配付言語材料の組み合わせによって, 文作りをする 4 人組でセンテンスをつくる 様々な表現に親しんでいくうちに, and でつなげて長い文作りに挑戦したり, オリジナルの文を作ったりと, 向上心が出てきた I went to aquarium. だから, I ate shaved ice cream. が合うよ 最後に, I went to toilet. って入れたらどうかな? 文もつながっておもしろいよ! (3) 新学習指導要領に向けて ルーブリックによる評価 発表については, ルーブリックによる評価項目を作成し, 児童と共有することで児童が目標を持って活動できると同時に, パフォーマンス評価に生かす 単元のはじめに, 自分の目標ゴールを設定させる B スコアで標準ということを伝える 第 5 時のパフォーマンステストでは, 全員が B スコア以上, また目標以上のスコアを獲得でき, 自信につながった - 小外 5-

6 話すこと ( 発表 ) パフォーマンステスト 描いたイラストを見せながら, 夏休みの様子を紹介 相手を意識した発表を目指し, 原稿は用意せずスピーチさせる 本単元では, 発表用の原稿は用意していない 聞いている友達の方をみながら, 自分が過ごした夏休みについて紹介する 本時で初めて友達がどんな夏休みを過ごしていたのか知ることになるため, 興味を持って聞くことができる I went to AEON Mall. I enjoyed watching movie. 書くことへの慣れ親しみ 英語絵日記を書いて廊下に掲示 全校児童や先生が見るので, 他者意識を持つことにつながる ワードリストから単語を選択し, 書き写していく 他者意識を持つことで, 線やまとまりに気を付ける意識が高まる 掲示すると, 友達が書いた英語絵日記に興味を持って読んでいた 6 実践を振り返って本単元は, 夏休みの思い出を英語で伝えよう という題材で行った 伝える方法は, 発表でクラスの仲間へ伝えること, 英語絵日記を書いて全校児童に伝えること, である これは 話すこと ( 発表 ) 書くこと に当たり, 新学習指導要領を見据えた活動だが, 加えて Small Talk ルーブリックによる評価 も取り入れた構成にした Small talk は, 身近な話題を基に, 既習の言語材料や本単元で扱っている過去を表す表現を用い,ALT と HRT のやり取りから, 次第に児童へと話題を広げ, 自然な流れで既習事項を使えるように内容を工夫した 写真を見せながら Small Talk を繰り広げることで, 児童が話のイメージを捉える助けとした 話すこと ( 発表 ) のパフォーマンステストでは, 暗記による発表ではなく, 相手を意識した発表をさせたかった そのため, 第 4 時では, 夏休みに関係する単語とイラストだけ載っているカードをもとにして 行ったつもり で紹介する イントロダクションゲーム や, たくさんの表現に慣れるための jumbled sentence ゲーム を行い, 様々な表現を 思考して 話す活動にした パフォーマンステストは, 全員の前で発表する形式をとった その前の時間まで, 自分の夏休みについて伝える設定は行わず, 聞く側の知的好奇心を保てるように構成を工夫した その結果, 友達の発表に真剣に耳を傾け, どんな夏休みを過ごしていたのかを聞こうとする姿勢がみられた また, 評価者も一名とし, 評価のぶれが生じることを防いだ 今回の発表は 1 単位時間で済んだが, 長い内容になった時にどのような評価方法をとるのが適切か, 評価者が複数の場合の客観的な評価規準設定について, 改めて考えたい - 小外 6-