⑦添付2_事前評価書_final_low

Transcription

1 添 付 書 類 2 海 洋 施 設 を 海 洋 に 捨 てることが 海 洋 環 境 に 及 ぼす 影 響 についての 調 査 の 結 果 に 基 づく 事 前 評 価 に 関 する 事 項 を 記 載 した 書 類 ( 事 前 評 価 書 )

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3 目 次 1 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 添 付 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 の 把 握 方 法 添 付 海 洋 施 設 の 特 性 に 関 し 把 握 すべき 情 報 添 付 2-1 (1) 当 該 海 洋 施 設 の 主 要 な 材 質 及 び 構 造 塗 装 防 食 陽 極 等 添 付 2-1 (2) 当 該 海 洋 施 設 の 大 きさ 添 付 2-3 (3) 当 該 海 洋 施 設 を 廃 棄 する 際 の 状 態 ( 密 閉 方 法 固 定 の 状 態 残 置 パイルの 打 ち 込 みの 深 さ 等 ) 添 付 2-7 (4) 当 該 海 洋 施 設 の 廃 棄 後 に 浮 遊 又 は 移 動 を 生 じさせないための 措 置 及 び 根 拠 等 添 付 2-8 (5) 当 該 海 洋 施 設 の 運 用 期 間 中 に 生 じた 事 象 添 付 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 の 総 括 添 付 2-12 (1) 係 留 パイル 添 付 2-12 (2) 海 底 管 及 び 曲 がり 部 補 強 材 添 付 2-12 (3) ライザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 添 付 事 前 評 価 項 目 の 選 定 添 付 事 前 評 価 の 実 施 添 付 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 の 設 定 添 付 2-15 (1) 生 態 系 添 付 2-15 (2) 海 洋 の 利 用 添 付 自 然 的 条 件 の 現 況 の 把 握 添 付 2-16 (1) 水 深 添 付 2-16 (2) 気 象 及 び 海 象 添 付 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 の 現 況 の 把 握 添 付 2-22 (1) 海 洋 施 設 廃 棄 の 影 響 が 及 ぶと 予 測 される 海 域 ( 影 響 想 定 海 域 ) 添 付 2-22 (2) 現 況 の 把 握 添 付 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 に 係 る 変 化 の 程 度 及 び 当 該 変 化 の 及 ぶ 範 囲 並 びにそれら の 予 測 の 方 法 添 付 2-56 (1) 影 響 想 定 海 域 及 び 予 測 の 方 法 添 付 2-56 (2) 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 に 係 る 変 化 の 程 度 及 び 当 該 変 化 の 及 ぶ 範 囲 添 付 2-56 (3) 海 洋 施 設 設 置 以 降 の 事 象 により 生 じた 影 響 の 解 析 添 付 海 洋 環 境 に 及 ぼす 影 響 の 程 度 の 分 析 及 び 事 前 評 価 添 付 参 考 資 料 添 付 2-59

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5 1 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 廃 棄 する 海 洋 施 設 は 出 光 興 産 株 式 会 社 が 昭 和 46 年 に 設 置 した 姫 路 港 外 出 光 興 産 シーバー ス のうち 海 底 管 ( 予 備 管 ) その 後 昭 和 55 年 に 別 途 敷 設 した 海 底 管 ( 本 管 ) 及 び 係 留 パイル ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 の 一 部 である 廃 棄 に 当 たっては 海 底 管 内 の 洗 浄 係 留 パイルの 上 部 切 断 を 実 施 した 上 で 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 海 洋 施 設 廃 棄 の 許 可 の 申 請 に 関 し 必 要 な 事 項 を 定 める 件 ( 以 下 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 という )に 定 める 区 分 に 従 って 廃 棄 する 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 の 区 分 に 従 えば 今 回 計 画 する 廃 棄 の 区 分 は 次 のとおりである 海 洋 施 設 のうち 上 載 設 備 等 の 全 部 及 び 架 台 等 の 全 部 又 は 大 部 分 を 陸 上 に 撤 去 し 架 台 等 の 残 部 及 びパイプライン 等 を 残 置 する( 以 下 この 廃 棄 方 法 を 残 置 して 廃 棄 という ) 1.1 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 の 把 握 方 法 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 については 当 社 が 有 する 既 往 知 見 既 往 の 調 査 研 究 成 果 等 その 他 の 資 料 を 収 集 することにより 把 握 することを 基 本 とし 必 要 に 応 じ 専 門 家 その 他 の 当 該 情 報 に 関 する 知 見 を 有 する 者 から 聴 取 し 又 は 当 該 海 洋 施 設 に 係 る 試 料 の 分 析 等 を 行 うことに よ り 把 握 した 1.2 海 洋 施 設 の 特 性 に 関 し 把 握 すべき 情 報 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 各 部 分 について 以 下 のとおり 把 握 すべき 情 報 をとりまとめた (1) 当 該 海 洋 施 設 の 主 要 な 材 質 及 び 構 造 塗 装 防 食 陽 極 等 1) 係 留 パイル 材 質 構 造 : 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 仕 様 規 格 等 :STK-41( 現 JIS G3444 STK400 ( 引 張 強 さ 400N/mm 2 以 上 降 伏 強 さ 235N/mm 2 以 上 )に 相 当 ) 塗 装 : 内 外 面 ともになし 防 食 陽 極 :アラノード(アルミニウム 合 金 1 ) 内 面 3 個 外 面 9 個 2) 海 底 管 本 管 ( 図 1-1 図 1-2) 材 質 構 造 : ラ インパイプ 用 炭 素 鋼 管 仕 様 規 格 等 :API 規 格 5LX -X42( 引 張 強 さ 42.2 kg/mm 2 以 上 降 伏 強 さ 29.5 kg/mm 2 以 上 ) 塗 装 : 外 面 ;ポリエチレンライニング( 被 覆 厚 4 mm) 2 内 面 ;ジンクリッチプライマー(70μm)+タールエポキシ 塗 装 (500μm) 2 1 メーカーカタログによれば 合 金 の 成 分 比 は 亜 鉛 2.5~ 5% マグネシウム 0.5~3.0% インジウム 0.01~0.03% 残 りはアルミニウムである 2 参 考 資 料 として 各 塗 料 の 成 分 表 等 を 添 付 する 添 付 2-1

6 防 食 陽 極 鋼 管 のポリエチレンライニングは 広 く 一 般 に 使 われている 防 食 方 法 である 樹 脂 ライニングのひとつである ポリエチレンは 高 分 子 量 化 合 物 で 生 理 学 的 に 不 活 性 であり 生 活 用 品 等 にも 用 いられている 物 質 で あ り 殺 生 物 性 はない ジンクリッチプライマー( 下 塗 り 塗 料 ) 及 びタールエポキシ 塗 料 ( 上 塗 り 塗 料 )は 広 く 一 般 的 に 用 いられていた 防 食 用 塗 料 である ジンクリ ッチプライマーの 主 成 分 は 無 機 亜 鉛 であり タールエポキシ 塗 料 の 主 成 分 はエポキシ 樹 脂 及 び 膨 潤 炭 (タール)である ジンクリッチプライ マー 及 びタールエポキシ 塗 料 は ともに 乾 燥 固 化 した 後 は 水 に 溶 ける 事 はほとんどなく したがってタールに 一 部 含 まれている 有 害 物 資 及 び 亜 鉛 の 溶 出 はないと 考 えられる : 溶 接 部 に 亜 鉛 板 を 合 計 76 個 4.6t 設 置 3) 本 管 曲 がり 部 補 強 材 (30 )( 図 1-3) 材 質 構 造 : 一 般 構 造 用 圧 延 鋼 材 (H_ 型 鋼 ) 仕 様 規 格 等 :- 塗 装 : 外 面 ;ジンクリッチプライマー(70μm)+タールエポキシ 塗 装 (75μm) 3 : 内 面 ; 塗 装 なし 防 食 陽 極 :なし 4) 海 底 管 予 備 管 ( 図 1-1 図 1-2) 材 質 構 造 : 溶 接 構 造 用 鋼 板 仕 様 規 格 等 :SM41A( 現 JIS 3106 SM400A( 引 張 強 さ 400~510N/mm 2 降 伏 強 さ 245N/mm 2 以 上 )に 相 当 ) 塗 装 : 外 面 ;タールエポキシ 塗 装 (300μm) 3 : 内 面 ; 塗 装 なし 防 食 陽 極 :なし 5) 予 備 管 曲 がり 部 補 強 材 (30 及 び 90 )( 図 1-3) 材 質 構 造 : 一 般 構 造 用 圧 延 鋼 材 (I_ 型 鋼 ) 塗 装 : 外 面 ;タールエポキシ 塗 装 ( 膜 厚 不 明 ) 3 : 内 面 ; 塗 装 なし 防 食 陽 極 :なし 6) ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 材 質 構 造 : 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 仕 様 規 格 等 :STK-41( 現 JIS G3444 STK400 ( 引 張 強 さ 400N/mm 2 以 上 降 伏 強 さ 235N/mm 2 以 上 )に 相 当 ) 塗 装 : 内 外 面 ともになし 防 食 陽 極 :なし 3 参 考 資 料 として 各 塗 料 の 成 分 表 等 を 添 付 する 添 付 2-2

7 (2) 当 該 海 洋 施 設 の 大 きさ 1) 係 留 パイル 径 :1,500 mm( 外 径 ) 厚 さ 25 mm 長 さ:14,000 mm 重 量 :13.1t 8 本 =104.8t( 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) うち 防 食 アラノード 30.7 kg 12 個 8 本 =2.95t 2) 海 底 管 本 管 (PLEM ライザー 管 を 含 む) 径 :1,219.2 mm(48 インチ) 外 径 厚 さ 14 mm 長 さ:7,078.1m(PLEM;13.4m 海 底 管 ;7,035.6m ライザー 管 ;29.1m) 重 量 :2,956.6t(PLEM;13.1t 海 底 管 ;2,926.8t ライザー 管 ;12.1t 以 上 全 て 鋼 管 犠 牲 陽 極 ( 防 食 亜 鉛 板 ) 60 kg 76 個 = 約 4.6t) 3) 本 管 曲 がり 部 補 強 材 (30 ) 幅 :4,309 mm 長 さ:14,928 mm 重 量 :2.5t(H 鋼 ) 4) 海 底 管 予 備 管 径 :1,219.2 mm(48 インチ) 外 径 厚 さ 14 mm 長 さ:5,195.2m 重 量 :2,161.2t( 鋼 管 ) 5) 予 備 管 曲 がり 部 補 強 材 (30 ) 幅 :2,656 mm 長 さ:9,200 mm 重 量 :2.5t(I 鋼 ) 6) 予 備 管 曲 がり 部 補 強 材 (90 ) 幅 :5,950 mm 長 さ:11,900 mm 重 量 :2.5t(I 鋼 ) 7) ラ イ ザー 支 持 架 台 鋼 管 杭 径 :711.2 mm( 外 径 ) 厚 さ 12.7 mm 長 さ:33,000 mm 重 量 :1.87t( 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) 4 本 =7.5t 添 付 2-3

8 8) ラ イ ザー 防 護 柵 鋼 管 杭 -1 径 :318.5 mm( 外 径 ) 厚 さ 7.9 mm 長 さ:15,000 mm 重 量 :0.24t( 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) 9 本 =2.2t 9) ラ イ ザー 防 護 柵 鋼 管 杭 -2 径 :318.5 mm( 外 径 ) 厚 さ 7.9 mm 長 さ:12,000 mm 重 量 :0.19t( 一 般 構 造 用 炭 素 鋼 鋼 管 ) 2 本 =0.4t 添 付 2-4

9 市 川 図 1-1 海 底 管 の 設 置 状 況 ( 青 線 : 本 管 赤 線 : 予 備 管 ) 添 付 2-5

10 洋 上 溶 接 (フ イ~2Km 250m 毎 ) (2Km~ 陸 上 500m 毎 ) PLEM 予 備 管 全 長 5,195.2m * 海 水 洗 浄 後 両 端 閉 塞 外 面 タールエポキシ 塗 装 タールエポキシコーティング ポリエチレンライニング Tank 水 深 :24.5m 洋 上 溶 接 部 本 管 全 長 7,078.1m コーティング 有 防 食 板 300mm 陸 上 ~5,200m:500m 間 隔 5,200m~7,078m:250m 間 隔 防 食 板 1,219.2mm コーティング 無 防 食 板 本 管 外 面 :ポリエチレンライニング 内 面 :ジンクリッチプライマー タールエポキシコーティング 犠 牲 陽 極 板 ( 防 食 亜 鉛 板 ) 100mm(W) 100mm(H) 1,370mm(L) 4 個 / 箇 所 設 計 寿 命 :15 年 以 上 予 備 管 外 面 :タールエポキシコーティング 内 面 : 防 食 施 工 なし 犠 牲 陽 極 なし 図 1-2 海 底 管 の 詳 細 本 管 30 補 強 材 予 備 管 30 補 強 材 予 備 管 予 備 管 90 補 強 材 本 管 図 1-3 曲 がり 部 補 強 材 添 付 2-6

11 (3) 当 該 海 洋 施 設 を 廃 棄 する 際 の 状 態 ( 密 閉 方 法 固 定 の 状 態 残 置 パイルの 打 ち 込 みの 深 さ 等 ) 1) 係 留 パイル 係 留 パイルは 平 成 18 年 の 調 査 によればその 上 端 部 は 海 底 面 下 1.5m~1.7m にあり 打 ち 込 み 深 さは 約 16m である 廃 棄 に 際 しては パイル 頂 上 部 を 掘 削 して 露 出 させ 海 底 面 下 約 2m の 部 分 で 切 断 して 上 部 を 係 留 チェーンとともに 撤 去 した 後 埋 戻 しを 行 い 下 部 につ い て はそのまま 残 置 して 廃 棄 する 計 画 である 2) 海 底 管 及 び 補 強 材 海 底 管 のうち 本 管 は 約 4m 予 備 管 は 約 2m の 深 さに 埋 設 されている 廃 棄 に 先 立 ち 油 分 等 が 残 存 しないよう 十 分 洗 浄 した 後 海 水 を 充 填 して 図 1-4 に 示 すようにブラインド フ ラ ンジを 用 いて 密 栓 して 廃 棄 する 計 画 である ( 単 位 :mm) 図 1-4 海 底 管 の 密 栓 方 法 なお 本 管 1 箇 所 予 備 管 2 箇 所 の 曲 がり 部 に 取 り 付 けられている 補 強 材 は それぞれ 図 1-3 に 示 すように 海 底 管 と 一 体 の 構 造 として 固 定 されていることから これらの 補 強 材 も あ わせて 廃 棄 することとなる 3) ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 鋼 管 杭 ライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 は 長 さ 33m であるが 海 底 ( 河 床 ) 上 部 に 約 9m 程 度 露 出 して おり 打 ち 込 み 深 さは 最 深 部 で 約 24m である 計 画 では 上 部 工 作 物 の 撤 去 時 に 周 囲 を 掘 削 し 海 底 面 下 約 3.8m の 部 分 で 切 断 上 部 は 撤 去 した 後 埋 戻 しを 行 い 下 部 についてはそ の ま ま 残 置 して 廃 棄 する 計 画 である 防 護 柵 の 鋼 管 杭 は 同 径 で 長 さの 異 なる 2 種 類 が 使 用 されており 長 いものは 15m 短 い ものは 12m である 海 底 ( 河 床 ) 上 部 に 約 4m 露 出 しており 打 ち 込 み 深 さはそれぞれ 最 深 部 で 約 11m 約 8m である 計 画 では ライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 と 同 様 に 海 底 面 下 約 3.8m の 部 分 で 切 断 上 部 は 撤 去 した 後 埋 戻 しを 行 い 下 部 はそのまま 残 置 して 廃 棄 する 計 画 で ある 添 付 2-7

12 (4) 当 該 海 洋 施 設 の 廃 棄 後 に 浮 遊 又 は 移 動 を 生 じさせないための 措 置 及 び 根 拠 等 1) 係 留 パイル 係 留 パイルは 平 成 4 年 に 既 設 のコンクリート 係 留 から 更 新 し 打 設 されたものである パイルは 直 径 1.5m 重 量 は 1 本 当 たり 13.1t 打 ち 込 み 深 度 は 海 底 面 下 約 16m に 達 してお り 平 成 7 年 に 発 生 した 兵 庫 県 南 部 地 震 を 経 た 現 在 まで 移 動 等 の 事 象 は 確 認 されておらず 重 量 及 び 打 ち 込 み 深 さなどから 今 後 も 浮 遊 又 は 移 動 は 生 じないと 判 断 した 2) 海 底 管 海 底 管 のうち 本 管 は 昭 和 55 年 に 海 底 面 下 約 4m に 埋 設 して 設 置 した 予 備 管 は 昭 和 46 年 に 海 底 面 下 約 2m に 埋 設 して 設 置 した 設 置 した 海 底 管 を 覆 っている 底 泥 の 移 動 については 海 洋 施 設 設 置 場 所 を 含 む 瀬 戸 内 海 における 底 泥 の 移 動 に 関 して 瀬 戸 内 海 の 海 底 環 境 ( 柳 哲 雄 編 著 恒 星 社 厚 生 閣 平 成 20 年 3 月 )に 以 下 に 示 すような 図 とともに 次 のような 記 載 がある 海 洋 施 設 注 : 図 中 の 白 丸 は 採 泥 点 白 矢 印 は 下 流 で 粒 径 が 細 かくなる 輸 送 黒 矢 印 は 下 流 で 粒 径 が 粗 くなる 輸 送 をそれぞれ 示 す ( 瀬 戸 内 海 の 海 底 環 境 より 作 成 ) 図 1-5 瀬 戸 内 海 東 部 の 底 泥 輸 送 方 向 ( 図 )の 結 果 から 表 層 底 泥 は 平 均 的 には 瀬 戸 内 海 東 部 で 西 向 きに 輸 送 されている ( 瀬 戸 内 海 の 海 底 環 境 第 4 章 瀬 戸 内 海 の 底 泥 輸 送 より) 即 ち 瀬 戸 内 海 の 東 部 播 磨 灘 全 体 でみると 底 泥 は 東 から 西 へ 輸 送 されている 傾 向 があ る とされている しかしながら 図 1-5 からは 海 洋 施 設 周 辺 では 明 瞭 な 底 泥 の 輸 送 は 認 め ら れていないようである 次 に 海 洋 施 設 周 辺 のうち 本 管 における 海 底 管 上 の 底 泥 の 厚 みについての 調 査 結 果 を 経 時 的 にみると 以 下 のようになる 添 付 2-8

13 本 管 については 設 置 時 平 成 10 年 4 月 平 成 21 年 11 月 に 音 波 探 査 による 埋 設 深 度 4 ( 土 被 り 厚 さ)を 調 査 している( 図 1-6) 図 1-6 からは 特 に 河 口 部 である 離 岸 距 離 の 小 さい 部 分 で 海 底 面 が 上 昇 している( 堆 積 厚 が 増 している) 傾 向 がうかがわれた 理 由 として 河 川 から 流 下 してくると 考 えられる 土 砂 等 が 堆 積 したため と 推 察 された 0.0 離 岸 距 離 (m) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7, 深 さ ( m ) H21.11 H10.4 S55.2 H21.11: 海 底 面 H10.4: 海 底 面 S55.2: 海 底 面 図 1-6 本 管 の 埋 設 深 度 経 年 変 化 なお 図 1-6 からは 海 底 管 の 埋 設 深 度 についての 経 時 的 な 変 化 を 明 瞭 に 読 み 取 ることは 困 難 なため 各 調 査 時 の 差 分 を 取 ることで 本 管 の 土 被 り 厚 さの 変 化 を 確 認 した 結 果 を 図 1-7 及 び 図 1-8 に 示 す 図 1-7 は 上 段 が 設 置 時 と 平 成 10 年 4 月 調 査 時 の 土 被 り 厚 さの 差 分 を 中 段 は 平 成 10 年 4 月 と 平 成 21 年 11 月 との 差 分 下 段 は 設 置 時 と 平 成 21 年 11 月 との 差 分 をそれぞれ 棒 グラフで 示 したものであり 値 がマイナスの 場 合 は 土 被 り 厚 さが 減 少 したことを 示 してい る 設 置 時 と 現 在 を 比 較 するために 図 1-7 の 下 段 及 び 図 1-8 をみると 土 被 り 厚 さはごく わずかな 調 査 地 点 で 設 置 時 よりも 減 少 しているものの 管 全 体 としてみると 土 被 り 厚 さは 増 加 している 傾 向 がうかがわれる 4 深 度 の 基 準 面 は D.L とし 姫 路 港 験 潮 所 の 記 録 ( 基 準 面 DL= 記 録 潮 位 +0.11m)を 使 用 した 添 付 2-9

14 設 置 時 (S55.02) - H 土 被 り 厚 さ の 変 化 ( m ) ,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 H H ,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 設 置 時 (S55.02) - H ,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 離 岸 距 離 (m) 図 1-7 本 管 の 土 被 り 厚 さの 変 化 土 被 り 厚 さ ( m ) 土 被 り 厚 さの 比 較 設 置 時 (S55.02) H ,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 離 岸 距 離 (m) 図 1-8 本 管 の 土 被 り 厚 さの 比 較 ( 設 置 時 と 平 成 21 年 11 月 調 査 時 ) 図 1-6~ 図 1-8 に 示 したように 本 管 については 設 置 後 およそ 30 年 が 経 過 しているが 浮 上 はしていないと 判 断 できる 予 備 管 は 本 管 の 西 側 およそ 50m に 設 置 されている 昭 和 44 年 の 計 画 時 点 では 海 底 面 下 約 2m に 設 置 する 施 工 設 計 であった 平 成 21 年 11 月 の 土 被 り 厚 さの 調 査 結 果 をみると( 図 1-9) おおむね 当 初 計 画 のとおり 2m 程 度 の 厚 さを 維 持 している 添 付 2-10

15 6 5 土 被 4 り 厚 さ 3 ( 平 成 21 年 11 月 調 査 時 本 管 土 被 り 厚 (m) 予 備 管 土 被 り 厚 (m) m 2 ) ,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 離 岸 距 離 (m) 図 1-9 本 管 及 び 予 備 管 の 土 被 り 厚 さ 廃 棄 計 画 では 本 管 予 備 管 ともに 内 部 を 洗 浄 後 海 水 を 充 填 しブラインドフランジで 密 栓 する 予 定 であり さらに 現 在 の 埋 設 深 度 本 管 の 埋 設 深 度 に 関 する 経 年 調 査 結 果 をあわ せて 考 えれば 本 管 予 備 管 ともに 廃 棄 後 に 浮 上 移 動 する 可 能 性 はないものと 判 断 した 3) ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 ライザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 は 本 管 の 設 置 時 にあわせて 昭 和 55 年 に 打 設 され た したがって 平 成 4 年 に 打 設 された 係 留 パイルよりも 設 置 後 の 経 過 年 数 は 長 く 設 置 後 30 年 を 経 過 した 現 在 も 設 置 時 と 同 地 点 でライザー 管 を 支 持 しており 移 動 は 確 認 されて い な いことから 今 後 も 移 動 することはないと 判 断 した (5) 当 該 海 洋 施 設 の 運 用 期 間 中 に 生 じた 事 象 施 設 は 昭 和 46 年 より 操 業 を 開 始 し 平 成 15 年 3 月 に 操 業 を 停 止 して 以 降 も 定 期 的 に 点 検 メンテナンスを 行 っている 管 理 記 録 によれば 稼 働 中 及 び 休 止 後 現 在 に 至 るまで 本 管 予 備 管 ともに 移 動 破 損 等 の 特 段 の 事 象 はなく また 施 設 の 存 在 により 付 近 の 船 舶 航 行 漁 業 操 業 に 障 害 があったという 報 告 もない その 他 施 設 の 運 用 期 間 中 休 止 後 において 配 管 に は 特 段 の 事 象 は 生 じていない 添 付 2-11

16 1.3 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 特 性 の 総 括 (1) 係 留 パイル 廃 棄 する 予 定 の 係 留 パイルは 外 径 1.5m 厚 さ 25 mm 長 さ 14m の 炭 素 鋼 で 製 作 された 鋼 管 杭 8 本 で 防 食 陽 極 のアルミニウム 合 金 がパイル 1 本 あたり 12 個 設 置 されており その 重 量 は 防 食 陽 極 を 含 めて 1 本 13.1t 合 計 104.8t である パイルには 防 食 のための 塗 装 などは 施 さ れていない 廃 棄 は パイルの 上 部 約 0.6m を 切 断 撤 去 し 残 りの 13.4m の 部 分 についてはそのまま 残 置 して 廃 棄 する 計 画 である パイルは 平 成 4 年 に 打 設 され 以 降 現 在 まで 18 年 の 間 に 浮 遊 又 は 移 動 の 事 実 は 無 く 海 底 面 下 約 16m まで 打 ち 込 まれていることから 今 後 も 浮 遊 又 は 移 動 の 恐 れはないと 判 断 できる (2) 海 底 管 及 び 曲 がり 部 補 強 材 廃 棄 する 予 定 の 本 管 予 備 管 は ともに 炭 素 鋼 により 製 作 されており 外 径 1,219.2mm 厚 さ 14 mmで 同 様 であるが 設 置 時 期 及 び 防 食 の 仕 様 が 異 なる 昭 和 46 年 に 設 置 された 予 備 管 は 海 底 面 下 約 2m の 所 に 埋 設 されており 昭 和 55 年 の 本 管 設 置 供 用 開 始 とともに 使 用 を 中 止 した 予 備 管 の 外 側 には 防 食 のため 塗 膜 厚 300μm のタールエポキシ 塗 装 が 施 されて いるが 内 側 には 防 食 塗 装 は 施 されていない タールエポキシ 塗 料 は 乾 燥 固 化 した 後 は 水 に 溶 けることはほとんどなく 塗 料 の 成 分 であるタールに 含 まれる 有 害 物 質 の 溶 出 はないと 判 断 できる 昭 和 55 年 に 供 用 を 開 始 した 本 管 は 防 食 のため 外 側 には 被 覆 厚 4 mmのポリエチレンライ ニングが 施 されている また 内 側 には 塗 膜 厚 70μm のジンクリッチプライマー 及 び 塗 膜 厚 500μm のタールエポキシ 塗 装 が 施 されており さらに 内 側 が 無 塗 装 となっている 溶 接 部 には 防 食 のための 犠 牲 陽 極 として 防 食 亜 鉛 板 が 合 計 76 個 約 4.6t 設 置 されている 外 側 を 覆 っ ているポリエチレンライニングの 主 成 分 である 高 分 子 量 化 合 物 のポリエチレンは 生 活 用 品 等 にも 利 用 されている 生 理 学 的 に 不 活 性 な 物 質 であり 殺 生 物 性 はない 内 側 に 塗 装 されて いるジンクリッチプライマーは 無 機 亜 鉛 を 主 成 分 とした 下 塗 り 塗 料 であり ジンクリッチプ ライマーの 上 に 塗 られているタールエポキシ 塗 料 は 予 備 管 にも 使 用 されているものである ともに 乾 燥 固 化 した 後 は 水 に 溶 けることはほとんどなく ジンクリッチプライマーの 成 分 で あ るタールに 含 まれる 有 害 物 質 の 溶 出 はないと 判 断 できる 本 管 には 1 箇 所 予 備 管 には 2 箇 所 配 管 上 の 曲 がり 部 が 存 在 し 各 曲 がり 部 には 補 強 材 が 取 り 付 けられている 本 管 の 補 強 材 は H 鋼 予 備 管 の 補 強 材 は I 鋼 を 使 用 して 製 作 されて お り いずれも 防 食 のための 塗 装 は 施 されていない 残 置 して 廃 棄 する 計 画 の 本 管 は 長 さ 7,035.6m 本 体 重 量 は 2,926.8t で これに 防 食 亜 鉛 板 (4.6t) 及 び 補 強 材 (2.58t)が 取 り 付 けられており 総 重 量 は 2,933.9t である 予 備 管 は 長 さ 5,195.2m 本 体 重 量 は 2,161.2t で 2.5t の 補 強 材 が 2 箇 所 に 取 り 付 けられており 総 重 量 は 2,166.2t である いずれも 内 部 を 洗 浄 後 浮 遊 又 は 移 動 が 生 じないよう 海 水 を 充 填 しブ 添 付 2-12

17 ラインドフランジで 密 栓 してある 残 置 して 廃 棄 する 予 定 の 海 底 管 は 設 置 後 30~40 年 経 過 しているが その 間 浮 遊 又 は 移 動 の 事 実 は 無 く また 管 内 の 洗 浄 を 含 む 事 前 工 事 でも 既 に 埋 設 されている 状 態 から 一 切 変 更 を 加 えず 本 管 については 埋 設 深 度 約 4m 予 備 管 について は 埋 設 深 度 約 2m を 維 持 することから 廃 棄 後 も 浮 遊 又 は 移 動 の 恐 れはないと 判 断 できる (3) ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 廃 棄 する 予 定 のライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 は 外 径 mm 厚 さ 12.7 mm 長 さ 33m 重 量 1.87t の 炭 素 鋼 鋼 管 4 本 であり 全 て 海 底 面 下 約 24m まで 打 ち 込 まれている 防 食 陽 極 は 設 置 されておらず また 塗 装 も 施 されてはいない ライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 については 上 部 分 約 13m( 海 底 面 下 約 3.8m)を 切 断 して 撤 去 し 下 部 はそのまま 残 置 して 廃 棄 する 計 画 であ る ライザー 防 備 柵 の 鋼 管 杭 は 長 さが 15m 重 量 0.24t と 長 さ 12m 0.19t の 2 種 類 がある が ともに 炭 素 鋼 鋼 管 であり 直 径 は mm 厚 さは 7.9 mmで 共 通 である いずれも 防 食 陽 極 は 無 く 塗 装 もされていない 打 ち 込 み 深 さは 杭 長 に 依 存 しており 長 いものは 約 11m 短 いものは 約 8m である ライザー 支 持 架 台 のパイルと 同 様 に 海 底 面 下 約 3.8m の 部 分 で 切 断 し 上 部 は 撤 去 し 下 部 は 残 置 して 廃 棄 する 計 画 である これらの 鋼 管 杭 は 昭 和 55 年 に 打 設 されており 打 設 後 およそ 30 年 が 経 過 している こ の 間 浮 遊 又 は 移 動 した 事 実 は 無 く 海 底 面 下 約 8m 以 上 の 深 さまで 打 ち 込 まれていることか ら 今 後 も 浮 遊 又 は 移 動 の 恐 れはないと 判 断 できる 以 上 のように 廃 棄 する 予 定 の 施 設 を(1)~(3)の 3 つに 区 分 して 特 性 を 取 りまとめたが いずれも 有 害 物 質 が 溶 出 するおそれは 無 く また 施 設 設 置 以 降 の 記 録 によれば これまで 移 動 した 事 実 は 無 く また 廃 棄 に 際 して 管 内 に 海 水 を 充 填 して 密 栓 することから 今 後 も 浮 遊 又 は 移 動 の 恐 れはないと 判 断 した 添 付 2-13

18 2 事 前 評 価 項 目 の 選 定 事 前 評 価 項 目 の 選 定 に 当 たっては 廃 棄 方 法 に 関 する 区 分 に 鑑 み 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 第 3. 2 (1) 2) に 定 めるとおり 選 定 した( 表 2-1) 表 2-1 事 前 評 価 項 目 の 選 定 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 第 3. 2 (1) 2) の 定 めによる 事 前 評 価 項 目 選 定 生 態 系 海 洋 の 利 用 藻 場 干 潟 サンゴ 群 落 その 他 の 脆 弱 な 生 態 系 の 状 態 重 要 な 生 物 種 の 産 卵 場 又 は 生 育 場 その 他 の 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 に とって 重 要 な 海 域 の 状 態 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 状 態 海 水 浴 場 その 他 の 海 洋 レクリエーションの 場 としての 利 用 状 況 海 中 公 園 その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 と し て の 利 用 状 況 漁 場 としての 利 用 状 況 主 要 な 航 路 としての 利 用 状 況 海 底 ケーブルの 敷 設 海 底 資 源 の 探 査 又 は 掘 削 その 他 の 海 底 の 利 用 状 況 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 添 付 2-14

19 3 事 前 評 価 の 実 施 3.1 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 の 設 定 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 ( 以 下 調 査 項 目 という )は 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 第 3. 2 (1) 2) 1 に 定 めるとおり 前 項 2. 事 前 評 価 項 目 の 選 定 で 選 定 した 次 の 項 目 とす る (1) 生 態 系 1) 藻 場 干 潟 サンゴ 群 落 その 他 の 脆 弱 な 生 態 系 の 状 態 2) 重 要 な 生 物 種 の 産 卵 場 又 は 生 育 場 その 他 の 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 にとって 重 要 な 海 域 の 状 態 3) 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 状 態 (2) 海 洋 の 利 用 1) 海 水 浴 場 その 他 の 海 洋 レクリエーションの 場 としての 利 用 状 況 2) 海 中 公 園 その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 としての 利 用 状 況 3) 漁 場 としての 利 用 状 況 4) 主 要 な 航 路 としての 利 用 状 況 5) 海 底 ケーブルの 敷 設 海 底 資 源 の 探 査 又 は 掘 削 その 他 の 海 底 の 利 用 状 況 添 付 2-15

20 3.2 自 然 的 条 件 の 現 況 の 把 握 (1) 水 深 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 存 在 する 海 域 は 瀬 戸 内 海 の 播 磨 灘 北 部 である 海 底 は 沿 岸 から 沖 合 に かけて 緩 やかに 水 深 が 増 大 する 海 域 であり 海 底 管 は 水 深 約 1m の 市 川 河 口 部 から 水 深 約 24 mの 沖 合 約 8km に 位 置 するシーバースまで 敷 設 されている( 図 3-1 図 3-2) 市 川 播 磨 灘 北 部 ( 海 図 番 号 W1113 平 成 25 年 8 月 補 刷 海 上 保 安 庁 ) より 作 成 図 3-1 水 深 と 海 底 管 位 置 (1) 添 付 2-16

21 市 川 姫 路 港 東 部 ( 海 図 番 号 :W134A, 平 成 22 年 1 月 補 刷 海 上 保 安 庁 発 行 )より 作 成 図 3-2 水 深 と 海 底 管 位 置 (2) 添 付 2-17

22 (2) 気 象 及 び 海 象 1) 気 象 1 概 況 兵 庫 県 の 一 般 的 な 気 象 等 は 神 戸 海 洋 気 象 台 のホームページ 5 によれば 次 のとおり である 兵 庫 県 は 本 州 のほぼ 中 央 に 位 置 し 日 本 の 標 準 時 を 定 める 子 午 線 ( 東 経 135 度 ) が 通 っている 県 の 東 は 京 都 府 と 大 阪 府 西 は 鳥 取 県 と 岡 山 県 に 接 し 北 部 は 日 本 海 南 部 は 瀬 戸 内 海 と 本 州 では 青 森 県 山 口 県 と 共 に 南 北 が 海 に 面 する 数 少 ない 県 であ る 兵 庫 県 のほぼ 中 央 を 東 西 に 横 切 る 中 国 山 地 を 境 に 北 側 は 冬 に 降 水 量 の 多 い 日 本 海 岸 気 候 区 に 南 側 は 乾 燥 した 晴 天 が 続 く 太 平 洋 岸 気 候 区 の 中 でも 雨 も 少 なく 温 和 な 気 候 の 瀬 戸 内 気 候 区 に 分 けられる さらに 南 側 の 地 域 は 大 阪 湾 に 面 し 都 市 気 候 の 特 徴 も 持 つ 南 東 部 と 播 磨 灘 に 面 し 典 型 的 な 瀬 戸 内 気 候 区 である 南 西 部 そして 太 平 洋 岸 気 候 の 特 徴 も 現 れる 淡 路 島 の 3 地 区 に 分 けられる 上 記 の 区 分 に 従 えば 廃 棄 を 実 施 する 海 域 は 県 の 南 西 部 播 磨 灘 に 面 しており 典 型 的 な 瀬 戸 内 気 候 区 ( 瀬 戸 内 海 式 気 候 )である 瀬 戸 内 海 式 気 候 は 年 中 少 雨 で 晴 天 の 続 くことが 特 徴 である これは 冬 の 季 節 風 は 日 本 海 側 に 降 雪 をもたらした 後 に 瀬 戸 内 に 流 れ 込 むため 乾 燥 が 激 しく 夏 の 季 節 風 は 太 平 洋 側 に 大 量 の 雨 を 降 らせるので 瀬 戸 内 には 乾 燥 した 空 気 が 流 れ 込 むためである 6 2 気 温 気 象 庁 の 気 象 統 計 によれば 姫 路 測 候 所 による 月 別 の 気 温 日 照 時 間 の 平 年 値 (1981 ~2010 年 )は 表 3-1 に 示 すとおりであり 年 間 の 平 均 気 温 は 約 15 年 間 平 均 最 高 最 低 の 気 温 差 は 9.4 である 表 3-1 姫 路 測 候 所 における 気 温 等 の 月 別 平 均 値 気 温 ( ) 日 照 時 間 平 均 最 高 最 低 ( 時 間 ) 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 年 間 [ 気 象 庁 HP 気 象 統 計 情 報 過 去 の 気 象 データ 検 索 平 年 値 ( 年 月 ごとの 値 ) 姫 路 より 作 成 ] 5 兵 庫 県 の 地 勢 と 気 候 ( 神 戸 海 洋 気 象 台 ) 6 近 畿 圏 の 自 然 環 境 の 特 性 ( 国 交 省 ) 添 付 2-18

23 3 風 向 7 大 阪 湾 播 磨 灘 における 風 向 は 全 般 的 には 冬 季 には 西 から 北 西 の 風 が 多 く 夏 季 には 南 寄 りの 風 が 多 いが 沿 岸 の 地 形 に 影 響 されやすく 一 様 ではない 紀 伊 水 道 をはさんで 東 岸 の 和 歌 山 では 東 寄 りの 風 が 多 いのに 反 して 西 岸 の 徳 島 で は 逆 に 西 寄 りの 風 が 多 い 紀 伊 水 道 においては 年 間 を 通 じて 北 寄 り 風 鳴 門 海 峡 においては 東 寄 りの 風 明 石 海 峡 においては 西 寄 りの 風 が 多 い 4 風 速 7 大 阪 湾 播 磨 灘 における 風 速 は 年 平 均 風 速 についてみると 各 地 共 一 般 に 弱 く 約 3m/s 程 度 であるが 冬 季 における 西 高 東 低 型 の 気 圧 配 置 のもとでは 15m/s 前 後 の 北 寄 りの 風 が 吹 くのが 普 通 であり 海 上 では 20m/s に 達 することもある また 突 風 暴 風 は 台 風 時 期 を 除 くと 冬 から 春 にかけて 日 本 海 で 発 達 した 低 気 圧 から 南 西 にのびる 寒 冷 前 線 の 通 過 により 吹 くことが 多 く 夏 から 秋 にかけては 比 較 的 少 ない 気 象 庁 の 気 象 統 計 によれば 姫 路 測 候 所 による 月 別 の 風 向 風 速 等 の 平 年 値 (1981 ~2010 年 )は 下 表 のとおりである 表 3-2 姫 路 測 候 所 における 風 向 風 速 の 平 年 値 風 向 風 速 (m/s) 要 素 各 階 級 の 日 数 平 均 風 速 最 多 風 向 10.0m/s 15.0m/s 20.0m/s 30.0m/s 1 月 3.0 北 西 月 3.0 北 西 月 3.0 北 西 月 3.0 北 西 月 2.8 北 西 月 2.6 南 南 西 月 2.8 南 南 西 月 3.0 南 南 西 月 2.9 北 北 西 月 2.6 北 西 月 2.7 北 西 月 2.8 北 西 年 2.8 北 西 霧 7 [ 気 象 庁 HP 気 象 統 計 情 報 過 去 の 気 象 データ 検 索 平 年 値 ( 年 月 ごとの 値 ) 姫 路 より 作 成 ] 大 阪 湾 播 磨 灘 においては 春 先 から 梅 雨 期 にかけて 不 連 続 線 低 気 圧 気 圧 の 谷 等 の 接 近 通 過 が 多 くなり これに 伴 う 霧 の 発 生 も 多 くなり 梅 雨 明 けとともに そ 7 大 阪 湾 播 磨 灘 排 出 油 等 防 除 計 画 ( 海 上 保 安 庁 平 成 18 年 12 月 ) 添 付 2-19

24 の 発 生 は 急 激 に 減 少 する 大 阪 湾 沿 岸 地 域 における 霧 発 生 状 況 の 特 異 的 傾 向 として 大 阪 市 沿 岸 における 都 市 霧 の 発 生 があげられる 大 阪 湾 における 霧 発 生 状 況 を 統 計 的 にみると 海 域 と 沿 岸 とでは 発 生 時 期 発 生 日 数 等 に 顕 著 な 差 異 がみられ 大 都 市 周 辺 を 除 いて 霧 の 発 生 は 3 月 から 7 月 にかけ て 集 中 している 紀 伊 水 道 海 域 では 大 阪 湾 播 磨 灘 に 比 較 して 霧 発 生 日 数 は 格 段 に 少 ない 6 降 水 量 8 大 阪 湾 播 磨 灘 排 出 油 等 防 除 計 画 によれば 大 阪 湾 播 磨 灘 は 年 間 を 通 じて 降 水 量 は 比 較 的 少 なく 特 に 夏 は 高 温 乾 燥 する 年 平 均 降 水 量 は 約 1,400 mm 程 度 年 間 降 水 日 数 は 1 mm 以 上 の 日 が 100 日 前 後 と な っ ている 気 象 庁 の 気 象 統 計 によれば 姫 路 測 候 所 による 降 水 量 の 月 別 平 均 値 (1981~2010 年 ) は 表 3-3 に 示 すとおりである 表 3-3 姫 路 測 候 所 における 降 水 量 等 の 平 年 値 降 水 量 各 階 級 の 日 数 合 計 (mm) 0.0mm 0.5mm 1.0mm 10.0mm 30.0mm 50.0mm 70.0mm 100.0mm 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 年 1, [ 気 象 庁 HP 気 象 統 計 情 報 過 去 の 気 象 データ 検 索 平 年 値 ( 年 月 ごとの 値 ) 姫 路 より 作 成 ] 8 大 阪 湾 播 磨 灘 排 出 油 等 防 除 計 画 ( 海 上 保 安 庁 平 成 18 年 12 月 ) 添 付 2-20

25 2) 海 象 1 潮 流 9 播 磨 灘 における 潮 流 は 鳴 門 海 峡 付 近 を 除 き 上 げ 潮 流 は 西 方 に 下 げ 潮 流 は 東 方 に 流 れ 流 速 は 明 石 海 峡 付 近 及 び 小 豆 島 北 方 付 近 を 除 き 微 弱 で 日 によって 一 定 しな い 2 海 水 温 度 10 大 阪 湾 播 磨 灘 における 年 平 均 表 面 海 水 温 度 は 17~19 であり 月 別 にみると 2 月 下 旬 から 3 月 上 旬 にかけて 最 も 低 く 平 均 水 温 は 8 前 後 となり 8 月 下 旬 から 9 月 上 旬 に かけて 最 も 高 く 平 均 水 温 は 27 前 後 に 達 する 3 波 向 波 高 年 における 神 戸 港 での 有 義 波 高 は 図 3-3 に 示 すように 25 cm 以 下 の 出 現 率 が 約 55%を 占 めており 波 向 は 南 西 ~ 南 南 西 の 出 現 比 率 が 高 かった [ 出 典 : 港 湾 空 港 技 術 研 究 所 全 国 港 湾 海 洋 波 浪 観 測 年 報 ( NOWPHAS 2011 ) 神 戸 波 高 波 向 別 出 現 頻 度 統 計 有 義 波 の 解 析 ] 図 3-3 波 高 波 向 別 出 現 頻 度 図 9 大 阪 湾 播 磨 灘 排 出 油 等 防 除 計 画 ( 海 上 保 安 庁 平 成 18 年 12 月 ) 10 大 阪 湾 播 磨 灘 排 出 油 等 防 除 計 画 ( 海 上 保 安 庁 平 成 18 年 12 月 ) 11 [ 港 湾 空 港 技 術 研 究 所 NOWPHAS 2011 波 高 波 向 別 出 現 頻 度 統 計 神 戸 ] データより 添 付 2-21

26 3.3 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 の 現 況 の 把 握 (1) 海 洋 施 設 廃 棄 の 影 響 が 及 ぶと 予 測 される 海 域 ( 影 響 想 定 海 域 ) 影 響 想 定 海 域 は 残 置 して 廃 棄 する 場 合 平 成 18 年 環 境 省 告 示 153 号 第 3. 2 (1) 3) 3 ア によれば 廃 棄 海 域 である 従 って 今 回 の 計 画 では 図 3-4 に 赤 で 示 した 場 所 が 影 響 想 定 海 域 となる 添 付 2-22

27 9.5m 市 川 河 口 陸 上 14.2m 8m 市 川 Φ 約 410 m 図 3-4 影 響 想 定 海 域 ( 赤 色 の 部 分 ) 添 付 2-23

28 (2) 現 況 の 把 握 1) 廃 棄 する 海 洋 施 設 の 現 況 1 係 留 パイル 廃 棄 する 計 画 の 係 留 パイルは 直 径 1.5m 厚 さ 25 mm 長 さ 14m の 炭 素 鋼 鋼 管 で 防 食 陽 極 としてアルミニウム 合 金 のアラノードが 1 本 当 たり 12 個 取 り 付 けられている パイル 1 本 あたりの 重 量 は 防 食 陽 極 を 含 め 13.1t であり 廃 棄 するパイルは 8 本 合 計 104.8t である パイルに 塗 装 等 は 施 されておらず 打 ち 込 み 深 さは 海 底 面 下 約 16m である 2 海 底 管 廃 棄 する 計 画 の 海 底 管 は 主 に 長 さ 及 び 防 食 に 関 する 仕 様 が 異 なる 本 管 と 予 備 管 の 2 種 類 である 本 管 は 外 径 1,219.2mm 厚 さ 14 mm 全 長 7,078.1m であり このうち PLEM ライザ ー 管 を 除 く 7,035.6m を 廃 棄 する 廃 棄 する 本 管 は 炭 素 鋼 鋼 管 で 岸 から 約 1.5 km 地 点 の 30 曲 がり 部 には 長 さ 約 15m 幅 約 4m 重 量 約 2.5t の 補 強 材 が また 犠 牲 陽 極 と して 重 量 60 kgの 亜 鉛 板 が 76 個 取 り 付 けられており これらの 補 強 材 犠 牲 陽 極 を 含 めた 重 さは 2,933.9t である 防 食 のため 海 底 管 の 外 側 には 被 覆 厚 4 mmのポリエ チレンライニングが 内 側 には 塗 膜 厚 70μmのジンクリッチプライマー 及 び 塗 膜 厚 500μmのタールエポキシ 塗 装 が 施 されており 海 底 面 下 約 4m に 埋 設 されている 外 側 の 防 食 用 ポリエチレンライニングは 防 食 用 に 一 般 に 広 く 行 われている 方 法 であり 殺 生 物 性 はない 予 備 管 は 外 径 厚 さともに 本 管 と 同 様 であるが 長 さ 5,195.2m と 短 く 本 体 の 重 さ は 2,161.2t である 市 川 河 口 左 岸 部 から 河 川 中 央 約 38m 地 点 の 90 曲 がり 部 及 び 沖 合 約 1.6 km 地 点 の 30 曲 がり 部 には それぞれ 重 量 約 2.5t の 補 強 材 が 取 り 付 けられ ており 予 備 管 の 総 重 量 は 2,166.2t である 防 食 陽 極 は 取 り 付 けられておらず 外 側 にのみ 塗 膜 厚 300μm の 防 食 用 タールエポキシ 塗 装 が 施 されており 海 底 面 下 約 2m に 埋 設 されている 本 管 予 備 管 ともに 廃 棄 に 先 立 ちピグ 洗 浄 を 実 施 し 洗 浄 廃 水 の 油 分 分 析 を 行 い 油 分 濃 度 が 排 水 基 準 値 以 下 であることを 確 認 した 後 廃 棄 する 計 画 である 3 ラ イ ザー 支 持 架 台 及 び 防 護 柵 の 鋼 管 杭 廃 棄 する 計 画 のライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 は 外 径 mm 厚 さ 12.7 mm 長 さ 33m 重 量 1.87t の 炭 素 鋼 鋼 管 杭 4 本 であり 防 食 陽 極 は 取 り 付 けられておらず 塗 装 等 も 施 さ れ ていない 打 ち 込 み 深 さは 海 底 面 下 約 24m である ライザー 防 護 柵 の 鋼 管 杭 は 2 種 類 あり ひとつは 外 径 mm 厚 さ 7.9 mm 長 さ 15m 重 量 0.24t の 炭 素 鋼 鋼 管 杭 9 本 で 打 ち 込 み 深 さは 海 底 面 下 約 11m である もうひ とつは 外 径 厚 さは 同 様 で 長 さ 12m 重 量 0.19t の 炭 素 鋼 鋼 管 杭 2 本 で 打 ち 込 み 深 さ は 海 底 面 下 約 8m である これら 2 種 類 の 鋼 管 杭 は いずれもライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 と 同 様 に 防 食 陽 極 は 取 り 付 けられておらず 塗 装 も 施 されていない 添 付 2-24

29 2) 海 洋 環 境 の 現 況 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 第 3. 2 (1) 3) 3 イ b に 示 されたとおり 影 響 想 定 海 域 及 びその 周 辺 の 海 域 を 対 象 として 海 洋 環 境 の 現 況 について 調 査 を 行 った 1 生 態 系 A. 藻 場 干 潟 サンゴ 群 落 その 他 の 脆 弱 な 生 態 系 の 状 態 藻 場 干 潟 等 については 自 然 環 境 保 全 法 第 4 条 に 基 づき 行 われた 環 境 庁 (1997) 12 の 調 査 結 果 から 整 理 した 調 査 は 昭 和 63~ 平 成 4 年 度 に 行 われたものであるが( 兵 庫 県 の 調 査 は 平 成 2 年 度 ) それ 以 前 に 行 われた 調 査 結 果 ( 昭 和 53~54 年 度 )と 比 較 整 理 されている a. 藻 場 播 磨 灘 北 海 域 には 51 箇 所 の 藻 場 があり 箇 所 数 ではアオサ アオノリ 場 が 17 箇 所 と 最 も 多 いが 面 積 としてはアマモ 場 が 最 も 大 きくなっている 市 川 河 口 周 辺 約 1km の 範 囲 の 陸 側 に 存 在 する 藻 場 は 昭 和 53~54 年 度 調 査 時 は 5 箇 所 であったのに 対 し 平 成 2 年 度 調 査 時 には 1 箇 所 に 減 っている( 表 3-4 表 3-5 図 3-5) 表 3-4 タイプ 別 藻 場 分 布 箇 所 数 海 域 タイプ アマモ 場 ガラモ 場 アラメ 場 アオサ ワカメ 場 テングサ 場 その 他 合 計 アオノリ 場 播 磨 灘 北 第 4 回 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 海 域 生 物 環 境 調 査 報 告 書 ( 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 調 査 ) 第 2 巻 藻 場 より 抜 粋 表 3-5 タイプ 別 藻 場 面 積 数 ( 単 位 :ha) 海 域 タイプ アマモ 場 ガラモ 場 アラメ 場 ワカメ 場 アオサ テングサ 場 その 他 合 計 アオノリ 場 播 磨 灘 北 第 4 回 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 海 域 生 物 環 境 調 査 報 告 書 ( 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 調 査 ) 第 2 巻 藻 場 より 抜 粋 な お 影 響 想 定 海 域 には 藻 場 は 存 在 しない 12 日 本 の 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 の 現 況 第 一 巻 干 潟 環 境 庁 編 (1997 年 7 月 ) 添 付 2-25

30 海 洋 施 設 設 第 4 回 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 海 域 生 物 環 境 調 査 報 告 書 ( 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 調 査 ) 第 2 巻 藻 場 より 作 成 図 3-5 播 磨 灘 北 部 における 藻 場 分 布 状 況 b. 干 潟 市 川 河 口 周 辺 に 存 在 する 干 潟 は 昭 和 53~54 年 度 調 査 時 は 4 箇 所 であったのに 対 し 平 成 2 年 度 調 査 時 には 3 箇 所 に 減 っている これらの 干 潟 は 市 川 河 口 から 約 500m ~ 1km の 範 囲 に 位 置 し 干 潟 のタイプは 全 て 前 浜 である( 表 3-6 図 3-6) 表 3-6 現 存 干 潟 消 滅 干 潟 一 覧 表 調 査 区 面 積 (ha) 番 号 海 域 名 市 町 村 名 地 名 現 存 干 潟 消 滅 干 潟 1 播 磨 灘 北 姫 路 市 的 形 5 2 白 浜 9 3 網 干 8 * 4 御 津 町 新 舞 子 14 *: 平 成 17 年 10 月 に 龍 野 市 新 宮 町 揖 保 川 町 と 合 併 し 現 在 はたつの 市 となっている 第 4 回 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 海 域 生 物 環 境 調 査 報 告 書 ( 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 調 査 ) 第 1 巻 干 潟 より 作 成 な お 影 響 想 定 海 域 には 干 潟 は 存 在 しない 添 付 2-26

31 海 洋 施 設 第 4 回 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 海 域 生 物 環 境 調 査 報 告 書 ( 干 潟 藻 場 サンゴ 礁 調 査 ) 第 1 巻 干 潟 より 作 成 図 3-6 播 磨 灘 北 部 における 干 潟 分 布 状 況 c.サンゴ 群 落 等 脆 弱 な 生 態 系 同 調 査 結 果 によれば サンゴ 群 落 は 兵 庫 県 には 存 在 しない 添 付 2-27

32 B. 重 要 な 生 物 種 の 主 要 な 産 卵 場 生 育 場 その 他 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 にとって 重 要 な 海 域 の 状 態 a. 重 要 な 生 物 種 の 主 要 な 産 卵 場 生 育 場 (a) 貴 重 な 種 の 分 布 環 境 省 脆 弱 沿 岸 海 域 図 13 によれば 市 川 河 口 部 には 県 レッドデータブック 所 1 載 4 のエドハゼ チクゼンハゼ トビハゼが 分 布 するが( 図 3-7) これ 以 外 に は 海 底 管 の 周 辺 には 貴 重 な 生 物 の 生 息 分 布 に 関 する 報 告 はない なお 平 成 19 年 度 に 兵 庫 県 が 実 施 した ひょうごの 川 自 然 環 境 調 査 においては 市 川 河 口 部 で はこれら 3 種 の 存 在 は 確 認 されていない 15 海 洋 施 設 : 本 管 : 予 備 管 注 : 図 中 の は 貴 重 な 種 等 の 分 布 が 確 認 された 位 置 を 示 し 数 値 は 確 認 された 種 に 対 応 する 番 号 を 示 す 図 3-7 脆 弱 沿 岸 海 域 図 生 物 対 象 群 に 関 する 情 報 図 ( 環 境 省 HP より 作 成 ) 兵 庫 県 では 平 成 15 年 に A ランクに 変 更 されている 15 平 成 27 年 2 月 9,10 日 に 実 施 した 兵 庫 県 農 政 環 境 部 環 境 創 造 局 自 然 環 境 課 への 聞 き 取 り 結 果 による 添 付 2-28

33 (b) 漁 業 上 重 要 な 種 の 産 卵 場 生 育 場 廃 棄 海 域 である 姫 路 市 及 び 東 側 の 高 砂 市 西 側 のたつの 市 を 対 象 として 漁 業 上 重 要 種 を 漁 獲 量 から 選 定 した 漁 獲 量 は 平 成 19 年 度 から 平 成 23 年 度 までの 5 年 間 について 兵 庫 県 農 林 水 産 統 計 年 報 の 資 料 及 び 農 林 水 産 省 の 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 から 取 りまとめた 漁 獲 量 の 5 年 間 の 平 均 値 を 3 つの 市 別 に 算 出 し 各 市 の 漁 獲 量 上 位 10 種 を 表 3-7 に 示 した 上 位 10 種 のうち 3 市 に 共 通 しているのはイカナゴ しらす( 主 に カタクチイワシの 仔 魚 ) スズキ 類 その 他 のエビ 類 タコ 類 カレイ 類 イカ 類 の 7 種 である 表 3-7 にこれらの 種 を 漁 業 上 の 重 要 種 とし 各 種 について 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 兵 庫 県 立 水 産 試 験 場 昭 和 58 年 3 月 我 が 国 周 辺 水 域 の 重 要 魚 種 の 資 源 評 価 及 び Web の 情 報 などよ り 主 産 卵 場 及 び 生 育 場 等 に 関 する 情 報 を 整 理 した 表 3-7 漁 獲 量 上 位 10 種 及 び 近 5 年 の 平 均 漁 獲 量 姫 路 市 たつの 市 高 砂 市 魚 種 名 平 均 漁 獲 量 (t) 魚 種 名 平 均 漁 獲 量 (t) 魚 種 名 平 均 漁 獲 量 (t) いかなご いかなご いかなご しらす その 他 のえび 類 78.0 たこ 類 むろあじ 類 しらす 67.8 しらす 67.8 その 他 のえび 類 かれい 類 55.0 すずき 類 14.4 すずき 類 たこ 類 43.2 かれい 類 14.2 たこ 類 まあじ 38.2 あなご 類 10.6 かたくちいわし すずき 類 26.0 がざみ 類 7.2 かれい 類 かざみ 類 24.6 いか 類 6.8 いか 類 いか 類 19.0 その 他 のえび 類 6.2 さば 類 さわら 類 10.8 くろだい へだい 4.4 注 : 表 中 の 黄 色 の 網 掛 けは 上 位 10 種 のうち 3 市 に 共 通 した 種 である ア. い か なご(イカナゴ) 3 市 ともに 最 も 漁 獲 量 が 多 いイカナゴは 沿 岸 の 砂 泥 底 に 生 息 し 主 にプ ランクトンを 食 べている 1 歳 で 成 熟 し 12~1 月 に 水 深 10~30mの 砂 底 (す なぞこ)で 群 れて 産 卵 する 卵 は 表 面 が 粘 着 質 で 覆 われていて 産 み 出 され た 後 は 海 底 に 沈 んで 砂 礫 に 粘 着 するため 卵 が 大 きく 移 動 することは 少 なく 卵 からふ 化 した 稚 仔 魚 は 産 卵 場 付 近 に 12 月 下 旬 から2 月 中 旬 にかけてみら れる 仔 魚 はしばらく 比 較 的 表 層 を 群 れで 遊 泳 しながら 小 さな 動 物 プラン クトンを 食 べて 成 長 し 春 には 6 cm 前 後 となって 着 底 夜 間 は 砂 にもぐるよ うになる 1 年 で 9 cm 前 後 に 成 長 する 瀬 戸 内 海 での 産 卵 場 としては 播 磨 灘 の 鹿 ノ 瀬 や 大 阪 湾 の 上 ノ 瀬 沖 ノ 瀬 備 讃 瀬 戸 の 塩 飽 諸 島 下 津 井 ~ 丸 亀 水 域 燧 灘 の 三 原 水 道 などがよく 知 られている 瀬 戸 内 海 のイカナゴは 瀬 戸 内 海 の 中 で 生 活 を 送 っているため 仔 魚 から 成 魚 までその 資 源 量 はかなり のものと 推 定 されている このためイカナゴは 中 大 型 魚 の 餌 として 重 要 な 位 置 にあり これを 狙 ってブリやサワラなど 水 産 上 有 用 種 を 始 めとする 多 く 添 付 2-29

34 の 魚 類 が 瀬 戸 内 海 に 入 って 来 る イカナゴは 瀬 戸 内 海 を 豊 かにしている 重 要 な 魚 といえる 16 イカナゴの 主 産 卵 場 は 影 響 想 定 海 域 近 傍 では 図 3-8 に 示 すとおりであり 幼 稚 魚 は 影 響 想 定 海 域 を 含 む 沿 岸 域 に 広 く 分 布 してい る 海 洋 施 設 海 洋 施 設 上 図 : 兵 庫 県 漁 連 H.P 瀬 戸 内 海 の 春 イカナゴ イカナゴ 漁 の 新 仔 について より 作 成 下 図 : 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-8 イカナゴの 主 産 卵 場 16 社 団 法 人 瀬 戸 内 海 環 境 保 全 協 会 せとうちネット より 抜 粋 添 付 2-30

35 イ. しらす 船 曳 き 網 漁 業 により 漁 獲 されるしらすは その 大 部 分 がカタクチイワシのシ ラスである 17 瀬 戸 内 海 で 漁 獲 されるカタクチイワシの 主 産 卵 場 及 び 幼 稚 魚 の 分 布 は 図 3-9 に 示 すとおりである 海 洋 施 設 海 洋 施 設 上 図 :(( 独 ) 水 産 総 合 研 究 センター) 平 成 21 年 度 魚 種 別 系 群 別 資 源 評 価 平 成 21 年 度 カタクチイワシ 瀬 戸 内 海 系 群 の 資 源 評 価 作 成 下 図 : 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-9 カタクチイワシの 主 産 卵 場 及 び 生 育 場 17 兵 庫 県 立 農 林 水 産 技 術 総 合 センター 水 産 技 術 センターH.P イカナゴ シラス 情 報 より 添 付 2-31

36 ウ. すずき 類 影 響 想 定 海 域 を 含 む 播 磨 灘 におけるスズキの 主 産 卵 場 及 び 幼 稚 魚 の 分 布 は 図 3-10 に 示 すとおりであり 産 卵 は 沖 合 で 行 われるが 幼 稚 魚 は 影 響 想 定 海 域 を 含 む 沿 岸 域 に 分 布 している 海 洋 施 設 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-10 スズキの 主 産 卵 場 及 び 生 育 場 エ. その 他 のえび 類 瀬 戸 内 海 で 漁 獲 される 主 な 小 型 エビ 類 は サルエビ アカエビ キシエビ トラエビの 4 種 であるが 播 磨 灘 や 大 阪 湾 ではサルエビとアカエビが 主 体 で キシエビ トラエビはほとんど 漁 獲 されない 小 型 エビ 類 は 重 要 な 漁 業 資 源 で あるが 生 活 史 ( 産 卵 や 初 期 生 態 漁 獲 加 入 機 構 )や 資 源 変 動 の 実 態 について は ほ とんど 解 明 されていない これまでの 研 究 成 果 として 図 3-11 に 示 すように(1) 小 型 エビ 類 の 主 な 漁 期 は アカエビが 7~11 月 サルエビが 7~4 月 であるが 漁 獲 量 の 変 動 は 非 常 に 大 きいこと (2)5~9 月 の 長 期 にわたる 産 卵 期 の 後 浮 遊 期 を 経 て 水 深 10~20m の 浅 海 砂 泥 域 に 着 底 した 稚 エビは 成 長 にともなって 深 みに 移 動 して 漁 獲 対 象 となるが サルエビは 主 に 水 深 30m 程 度 の 砂 質 域 アカエビは 20~30m の 泥 質 域 を 好 んで 定 着 すること などが 判 明 している 兵 庫 県 立 農 林 水 産 技 術 総 合 センター 水 産 技 術 センターH.P 主 な 試 験 研 究 成 果 小 型 エビ 類 の 加 入 機 構 の 解 明 に 関 する 研 究 添 付 2-32

37 海 洋 施 設 播 磨 灘 で 主 に 漁 獲 される 小 型 エビ 類 (サルエビ アカエビ)の 生 活 史 について 農 林 水 産 研 究 情 報 H.P より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-11 エビ 類 の 生 育 場 等 オ. たこ 類 播 磨 灘 で 漁 獲 されているたこ 類 に 関 しては 兵 庫 県 農 林 水 産 統 計 年 報 及 び 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 において たこ 類 で 取 りまとめられており 種 別 の 具 体 的 な 漁 獲 量 に 関 する 情 報 がないため 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 に 情 報 が 記 載 されているマダコ 及 びイイダコに 関 する 主 産 卵 場 を 取 りまとめた 図 3-12 に 示 すように マダコは 明 石 海 峡 等 が 主 産 卵 場 であるが イイダコ は 影 響 想 定 海 域 近 傍 も 主 産 卵 場 として 利 用 している 添 付 2-33

38 海 洋 施 設 海 洋 施 設 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-12 マダコ( 上 図 ) 及 びイイダコ( 下 図 )の 主 産 卵 場 等 カ. かれい 類 現 在 の 統 計 では かれい 類 にまとめて 区 分 されているため 個 別 の 漁 獲 量 は 不 明 であるが 平 成 18 年 度 以 前 は 内 訳 としてめいたがれい あかがれい そう はち ひれぐろ(ナメタガレイ) うしのした 類 の 区 分 がなされている 過 去 の データ 区 部 によれば 姫 路 市 高 砂 市 たつの 市 で 漁 獲 されているカレイ 類 の 添 付 2-34

39 多 くはメイタガレイである 一 方 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 に 産 卵 場 に 関 する 情 報 が 記 載 されているカレイ 類 はイシガ レイ 及 びメイタガレイである したがって ここでは 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 にお ける 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 に 記 載 のあるイシガレイ 及 びメイタガ レイに 関 して 主 産 卵 場 の 情 報 を 取 り 上 げた これら 2 種 の 主 産 卵 場 は 図 3-13 に 示 すように 沖 合 であるが 幼 稚 魚 は 影 響 想 定 海 域 を 含 む 沿 岸 域 に 広 く 分 布 し ている 海 洋 施 設 海 洋 施 設 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-13 イシガレイ( 上 図 ) 及 びメイタガレイ( 下 図 )の 主 産 卵 場 添 付 2-35

40 キ. いか 類 兵 庫 県 農 林 水 産 統 計 年 報 及 び 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 によれば いか 類 の 内 訳 としてこういか 類 するめいか そでいか ほたるいか その 他 のいか 類 と いう 区 分 がなされている 漁 獲 量 をみると こういか 類 が 多 く ついでその 他 のいか 類 が 多 くなっている 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 では 産 卵 場 に 関 する 情 報 としては マイカ が 記 載 されている 水 産 庁 の H.P 魚 介 類 の 名 称 のガイドラインについて 19 によれば 瀬 戸 内 海 における 地 方 名 まいか は 標 準 和 名 コウイカ とされていることから ここでは まいか を 漁 獲 量 の 多 い コウイカ と 解 釈 して 主 産 卵 場 の 情 報 を 取 り 上 げた 播 磨 灘 におけるマイカ(コウイカ)の 産 卵 場 は 図 3-14 に 示 すとお り 淡 路 島 周 辺 及 び 大 阪 湾 西 側 であり 影 響 想 定 海 域 は 産 卵 場 としては 利 用 され ていない 海 洋 施 設 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 域 における 主 要 魚 介 類 の 生 息 分 布 及 び 漁 場 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-14 マイカ(コウイカ)の 主 産 卵 場 19 添 付 2-36

41 (c) 重 要 な 生 物 種 の 回 遊 経 路 影 響 想 定 海 域 を 含 む 瀬 戸 内 海 は スナメリが 分 布 していることが 知 られている ( 図 3-15) また 国 立 科 学 博 物 館 Web Site 標 本 資 料 データベース 20 海 棲 哺 乳 類 ストランディングデータベース によれば 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 側 における 小 型 の 海 産 哺 乳 類 のストランディングは スナメリの 確 認 頻 度 が 高 い( 表 3-8) 環 境 省 中 国 四 国 地 方 環 境 事 務 所 のプロジェクトである 瀬 戸 内 海 における 超 長 期 的 生 態 系 景 観 モニタリング 手 法 の 研 究 の 一 環 として 2009 年 に 2 回 行 われた 瀬 戸 内 海 スナメリ 一 斉 調 査 21 では 兵 庫 県 家 島 付 近 で 1 頭 が 目 撃 されている スナメリは 沿 岸 域 の 水 深 50m 以 浅 の 海 域 に 生 息 する( 図 3-16)ことから 影 響 想 定 海 域 にも 来 遊 する 可 能 性 があるが その 分 布 は 広 範 囲 であり 影 響 想 定 海 域 が 繁 殖 等 に 利 用 されている 重 要 な 海 域 であるという 情 報 は 得 られていない 海 洋 施 設 [ 水 産 庁 水 産 総 合 研 究 センター 平 成 19 年 度 国 際 漁 業 資 源 の 現 況 より 作 成 ] 注 : 図 中 の は 海 洋 施 設 の 設 置 位 置 を 示 す 図 3-15 スナメリの 分 布 域 添 付 2-37

42 [ 国 立 科 学 博 物 館 H.P 標 本 資 料 データベース 海 棲 哺 乳 類 図 鑑 22 より] 図 3-16 スナメリの 概 要 22 %5fbook%2fdetail.htm&-lay=hp&Family=Phocoenidae&-max=20&-recid=34042&-find= 添 付 2-38

43 表 3-8 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 側 における 海 棲 哺 乳 類 のストランディングデータ 年. 月. 日 和 名 学 名 郡 市 町 村 位 置 詳 細 状 況 備 考 ミンククジラ Balaenoptera a cutorostrata 姫 路 市 飾 磨 区 中 島 姫 路 港 漂 流 臍 部 より 後 躯 は 切 断 消 失 残 部 約 3.5m 種 不 明 ヒゲクジラ Mysticeti 洲 本 市 由 良 町 由 良 成 ヶ 島 漂 着 脊 椎 の 一 部 推 定 体 長 7-8 m ( 淡 路 島 ) スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides たつの 市 御 津 町 黒 崎 新 舞 子 浜 海 水 浴 場 漂 着 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides たつの 市 御 津 町 黒 崎 新 舞 子 浜 海 水 浴 場 漂 着 体 長 約 70cm マイルカ Delph inus delphis 神 戸 市 東 灘 区 六 甲 アイランド 北 側 神 戸 港 ( 大 阪 湾 ) 港 内 迷 入 体 長 約 2m スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 町 黒 島 北 東 沿 岸 漂 着 頭 骨 胸 鰭 骨 格 のみ ニタリクジラ*1 Balaenoptera edeni*1 飾 磨 郡 家 島 一 部 計 測 値 有 り 町 院 下 島 南 西 3.6km 漂 流 DNAによる 系 群 は 高 知 型 ( 沿 岸 型 edeni type) ナガスクジラ Balaenoptera p hysalus 津 名 郡 津 名 淡 路 島 沖 約 2km 混 獲 削 痩 脊 柱 損 傷 胃 内 容 オ キアミ 町 ( 大 阪 湾 ) (シラス 網 ) 詳 細 計 測 値 有 り スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 木 場 小 赤 壁 海 岸 漂 着 胃 内 容 物 (イカナゴ) 充 満 外 傷 有 り 腸 長 12.35m 詳 細 計 測 値 有 り スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 白 浜 町 丙 612 地 先 漂 着 新 生 仔 臍 帯 有 り 鮮 度 良 詳 細 計 測 値 有 り スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 西 宮 市 西 波 止 町 御 前 浜 沖 歯 は 欠 落 ( 大 阪 湾 ) 漂 流 頚 部 背 面 に 頚 椎 に 達 する スクリュ- 傷 有 り 種 不 明 イルカ Dolphin 明 石 市 林 崎 海 岸 漂 着 腐 敗 種 不 明 イルカ Dolphin 神 戸 市 神 戸 港 港 内 迷 入 体 長 1-1.5m 黒 色 カマイルカ Lagenorhynchus obliquidens 明 石 市 大 久 保 町 八 木 海 岸 漂 着 腐 敗 尾 鰭 吻 端 等 が 脱 落 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 的 形 町 福 泊 海 岸 漂 着 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 ニタリクジラ*1 Balaenoptera edeni*1 津 名 郡 一 宮 明 神 沖 3km 町 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 神 戸 市 垂 水 区 塩 屋 ( 大 阪 湾 ) スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides たつの 市 御 津 町 岩 見 混 獲 ( 刺 網 ) 混 獲 (イカナゴ 船 引 網 ) 胴 周 3.4m 計 測 値 は 新 聞 情 報 スナメリ Neophocaena phocaenoides 揖 保 郡 御 津 町 スナメリ Neophocaena phocaenoides 揖 保 郡 御 津 町 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 赤 穂 市 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 白 浜 町 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 スナメリ Neophocaena phocaenoides 揖 保 郡 御 津 町 スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 町 スナメリ Neophocaena phocaenoides 三 原 郡 西 淡 町 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 相 生 市 スナメリ Neophocaena phocaenoides 揖 保 郡 御 津 町 スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 姫 路 市 砂 浜 家 島 諸 島 岩 場 淡 路 島 スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 町 家 島 諸 島 スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 町 家 島 諸 島 アカボウクジラ Ziphiu s cavirostris 神 戸 市 ポートアイランド( 大 阪 湾 ) 漂 流 混 獲 ( 定 置 網 ) 混 獲 ( 浮 刺 網 ) 漂 着 漂 着 混 獲 ( 定 置 網 ) 混 獲 ( 定 置 網 ) 混 獲 ( 底 引 網 ) 混 獲 ( 定 置 網 ) アカボウクジラ Ziphiu s cavirostris 神 戸 市 神 戸 港 ポートアイランド 東 部 第 2 突 堤 ( 大 阪 湾 ) 漂 着 スナメリ Neophocaena phocaenoides 揖 保 郡 御 津 町 漂 流 スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 家 島 諸 島 混 獲 町 ( 定 置 網 ) スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 赤 穂 市 中 広 混 獲 ( 建 旋 網 ) スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 高 砂 市 伊 保 町 沖 漂 流 ( 漁 師 が 捕 獲 ) スナメリ Neophocaena phocaenoides 飾 磨 郡 家 島 町 家 島 諸 島 漂 着 種 不 明 鯨 Cetaceans 三 原 郡 南 淡 昭 島 沖 ( 淡 路 島 ) 混 獲 町 (イカ 一 本 釣 ) スナメリ Neoph ocaena phocaeno ides 神 戸 市 垂 水 区 塩 屋 町 地 先 約 800m ( 大 阪 湾 ) 漂 流 混 獲 (イカナゴ コマシ 網 ) 体 長 は 新 聞 情 報 死 後 時 間 経 過 スクリュー 傷 あり 体 長 体 重 166/ cm/25.2kg 3 日 後 死 亡 体 長 :4 m 体 重 :1200kg 新 聞 情 報 体 長 約 1m [ 国 立 科 学 博 物 館 H.P 標 本 資 料 データベース 海 棲 哺 乳 類 ストランディングデータベース 23 より 作 成 ] 23 添 付 2-39

44 (d) 水 産 資 源 保 護 法 に 基 づく 保 護 水 面 播 磨 灘 周 辺 において 水 産 資 源 保 護 法 により 兵 庫 県 が 指 定 した 保 護 水 面 等 は 図 3-17 に 示 すとおりである 保 護 水 面 は 淡 路 島 に 3 箇 所 が 指 定 されているが 赤 線 で 示 した 影 響 想 定 海 域 近 傍 には 保 護 水 面 及 び 増 殖 場 稚 魚 育 成 漁 場 等 は 指 定 さ れ ていない 海 洋 施 設 兵 庫 県 瀬 戸 内 海 海 域 小 型 底 曳 き 網 漁 業 包 括 的 資 源 回 復 計 画 ( 平 成 18 年 5 月 兵 庫 県 作 成 ) 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-17 兵 庫 県 の 保 護 水 面 等 添 付 2-40

45 C. 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 状 態 日 本 列 島 周 辺 の 海 底 には 活 発 なプレート 運 動 により 生 じる 熱 水 湧 水 現 象 による 化 学 合 成 生 物 群 集 分 布 する また 深 海 底 に 沈 んだ 鯨 類 の 死 骸 のまわりにも 化 学 合 成 生 物 群 集 が 形 成 される これらの 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 分 布 について 文 献 調 査 を 行 った 藤 倉 ほか(2012) 24 によれば 日 本 周 辺 での 分 布 は 図 3-18 のとおりであり 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 分 布 はほとんどが 深 海 域 で 影 響 想 定 海 域 にはこれら 熱 水 生 態 系 やその 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 存 在 は 確 認 されていない 海 洋 施 設 湧 水 生 物 群 集 熱 水 噴 出 孔 生 物 群 集 鯨 骨 生 物 群 集 注 : 図 中 の は 海 洋 施 設 の 設 置 位 置 を 示 す [ 藤 倉 ほか(2012)より 作 成 ] 図 3-18 日 本 周 辺 の 化 学 合 成 生 物 群 集 分 布 図 24 藤 倉 克 則 小 島 茂 明 橋 本 惇 (2008) 日 本 の 周 りにある 化 学 合 成 生 物 群 集 藤 倉 克 則 奥 谷 喬 司 丸 山 正 編 著 潜 水 調 査 船 が 観 た 深 海 生 物 [ 第 2 版 ]- 深 海 生 物 研 究 の 現 在 - (2012) 東 海 大 学 出 版 会 添 付 2-41

46 2 海 洋 の 利 用 A. 海 水 浴 場 その 他 の 海 洋 レクリエーションの 場 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 はそのほとんどが 姫 路 港 内 であり 社 団 法 人 姫 路 観 光 コンベンション ビューロー 25 によれば シーサイドのスポーツ レジャースポットとして 取 り 上 げら れている 地 点 は 図 3-19 に 示 すとおり 6 箇 所 であり 影 響 想 定 海 域 には 海 水 浴 場 等 の 海 洋 レクリエーションの 場 は 存 在 していない 市 川 海 洋 施 設 図 3-19 姫 路 市 の 海 水 浴 場 等 25 添 付 2-42

47 B. 海 中 公 園 ( 自 然 公 園 法 に 基 づき 指 定 された 海 中 公 園 地 区 )その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 を 含 む 播 磨 灘 の 一 部 は 瀬 戸 内 海 国 立 公 園 である 環 境 省 ホームページ 脆 弱 沿 岸 海 域 図 のうち 保 全 地 域 に 関 する 情 報 図 より 瀬 戸 内 海 の 国 立 公 園 等 の 位 置 を 図 3-20 に 示 す 海 洋 施 設 が 設 置 されている 影 響 想 定 海 域 の 周 辺 には 海 中 公 園 そ の 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 はない 海 洋 施 設 瀬 戸 内 海 国 立 公 園 境 界 環 境 省 H.P 脆 弱 海 岸 区 域 図 より 作 成 注 : 図 中 の 赤 線 は 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-20 公 園 等 の 区 域 添 付 2-43

48 C. 漁 場 としての 利 用 状 況 (3) 海 洋 環 境 の 現 況 1 生 態 系 B. 重 要 な 生 物 種 の 主 要 な 産 卵 場 生 育 場 そ の 他 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 にとって 重 要 な 海 域 の 状 態 a. 重 要 な 生 物 種 の 主 要 な 産 卵 場 生 育 場 ⅱ. 漁 業 上 重 要 な 種 の 産 卵 場 生 育 場 にて 選 定 した 漁 業 上 の 重 要 種 7 種 (いかなご しらす すずき 類 えび 類 たこ 類 かれい 類 いか 類 )に 関 する 漁 場 としての 利 用 状 況 を 漁 場 環 境 メッシュ 図 - 瀬 戸 内 海 - 平 成 11 年 3 月 水 産 庁 から 取 りまとめた 添 付 2-44

49 a.いかなご 播 磨 灘 周 辺 におけるいかなごの 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-21 に 示 した 影 響 想 定 海 域 の 沖 合 部 分 は 200t 以 上 のいかなごが 漁 獲 されている 海 域 であ る 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-21 いかなごの 漁 獲 量 分 布 添 付 2-45

50 b.しらす 播 磨 灘 周 辺 におけるしらすの 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-22 に 示 し た 影 響 想 定 海 域 の 沖 合 部 分 は 30~50t のしらすが 漁 獲 されている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-22 しらすの 漁 獲 量 分 布 添 付 2-46

51 c.すずき 類 播 磨 灘 周 辺 におけるスズキの 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-23 に 示 した 影 響 想 定 海 域 の 岸 よりの 部 分 は 250~1000 kg 程 度 沖 合 部 分 は 4000 kg 以 上 の ス ズ キが 漁 獲 されている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-23 スズキの 漁 獲 量 分 布 添 付 2-47

52 d.え び 類 (クルマエビ 以 外 のえび 類 ) 播 磨 灘 周 辺 におけるえび 類 の 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-24 に 示 した 影 響 想 定 海 域 の 岸 よりの 部 分 は 2~10t 程 度 沖 合 部 分 は 10~30t 程 度 のえび 類 が 漁 獲 されている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-24 えび 類 (クルマエビ 以 外 )の 漁 獲 量 分 布 添 付 2-48

53 e.たこ 類 播 磨 灘 周 辺 におけるたこ 類 の 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-25 に 示 し た 影 響 想 定 海 域 は 5~20t 程 度 のたこ 類 が 漁 獲 されている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-25 たこ 類 の 漁 獲 量 分 布 添 付 2-49

54 f.かれい 類 播 磨 灘 周 辺 におけるかれい 類 の 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-26 に 示 した 影 響 想 定 海 域 の 岸 よりは 2~5t 程 度 沖 合 部 分 は 15t 以 上 のかれい 類 が 漁 獲 さ れている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-26 かれい 類 の 漁 獲 量 分 布 添 付 2-50

55 g.いか 類 播 磨 灘 周 辺 におけるいか 類 の 漁 獲 量 分 布 及 び 影 響 想 定 海 域 ( 赤 線 )を 図 3-27 に 示 した 影 響 想 定 海 域 の 岸 よりでは 漁 獲 はないが 沖 合 部 分 は 8t 以 上 のいか 類 が 漁 獲 さ れ ている 海 域 である 海 洋 施 設 海 洋 施 設 メッシュのサイズは 東 西 方 向 約 3.1 km, 南 北 方 向 約 3.7 km 注 : 赤 線 は 当 該 海 洋 施 設 を 示 す 図 3-27 いか 類 の 漁 獲 量 分 布 添 付 2-51

56 D. 主 要 な 航 路 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 近 傍 の 主 要 な 航 路 としては 東 播 磨 港 付 近 から 家 島 沖 を 通 過 し 宇 野 港 付 近 までを 結 ぶ 播 磨 灘 北 航 路 がある( 図 3-28) 海 洋 施 設 海 洋 施 設 ( 上 図 : 第 六 管 区 海 上 保 安 本 部 HP 26, 下 図 : 第 五 管 区 海 上 保 安 本 部 HP 27 より 作 成 ) 図 3-28 瀬 戸 内 海 の 主 要 航 路 筋 及 び 航 路 名 添 付 2-52

57 E. 海 底 ケーブル 設 置 域 海 底 資 源 の 探 査 又 は 掘 削 その 他 海 洋 施 設 廃 棄 の 影 響 を 受 け やすい 海 域 海 底 ケーブルの 敷 設 海 底 資 源 の 探 査 又 は 掘 削 その 他 の 海 底 の 利 用 状 況 について 文 献 調 査 により 現 況 の 把 握 を 行 った a. 海 底 ケーブル 海 底 ケーブルの 設 置 状 況 については 海 図 ( 海 図 W1113 播 磨 灘 北 部 海 上 保 安 庁 平 成 18 年 1 月 補 刷 )によれば 影 響 想 定 海 域 及 びその 周 辺 には 凡 例 に 示 した 海 底 ケーブル( 海 底 線 )は 敷 設 されていない( 図 3-29) 市 川 播 磨 灘 北 部 ( 海 図 番 号 W1113 平 成 25 年 8 月 補 刷 海 上 保 安 庁 ) より 作 成 注 : 海 底 線 凡 例 上 は 電 信 電 話 等 の 線 下 は 電 力 線 を 示 す 図 3-29 海 底 ケーブルの 設 置 状 況 添 付 2-53

58 b. 海 底 資 源 等 海 底 資 源 については 日 本 周 辺 海 域 鉱 物 資 源 分 布 図 特 殊 地 図 No.33 ( 産 業 技 術 総 合 研 究 所 1994 年 )により また 油 田 ガス 田 については 海 洋 エネルギー 鉱 物 資 源 開 発 計 画 参 考 資 料 ( 資 源 エネルギー 庁 資 源 燃 料 部 平 成 21 年 3 月 ) により メタンハイドレートについては メタンハイドレート 資 源 開 発 研 究 コンソ ーシアム メタンハイドレート 探 査 と 資 源 量 評 価 により 分 布 状 況 を 確 認 した そ の 結 果 影 響 想 定 海 域 には 海 底 資 源 は 存 在 しない ( 図 3-30~ 図 3-32) 海 洋 施 設 [ 出 典 : 日 本 周 辺 海 域 鉱 物 資 源 分 布 図 特 殊 地 図 No.33 ( 産 業 技 術 総 合 研 究 所 1994 年 )] 注 : 図 中 の は 海 洋 施 設 の 設 置 位 置 を 示 す 図 3-30 海 底 資 源 の 分 布 状 況 添 付 2-54

59 海 洋 施 設 海 洋 施 設 [ 海 洋 エネルギー 鉱 物 資 源 開 発 計 画 参 考 資 料 より 作 成 ] 注 : 図 中 の は 海 洋 施 設 の 設 置 位 置 を 示 す 図 3-31 油 田 ガス 田 の 分 布 状 況 海 洋 施 設 [ メタンハイドレート 資 源 開 発 研 究 コンソーシアム 新 BSR 分 布 図 (2009 年 ) より 作 成 ] 注 : 図 中 の は 海 洋 施 設 の 設 置 位 置 を 示 す 図 3-32 メタンハイドレートの 分 布 状 況 添 付 2-55

60 3.4 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 に 係 る 変 化 の 程 度 及 び 当 該 変 化 の 及 ぶ 範 囲 並 びにそれらの 予 測 の 方 法 (1) 影 響 想 定 海 域 及 び 予 測 の 方 法 影 響 想 定 海 域 は 3.3 (1) 海 洋 施 設 廃 棄 の 影 響 が 及 ぶと 予 測 される 海 域 ( 影 響 想 定 海 域 ) に 示 したとおりである その 範 囲 は 本 管 及 び 予 備 管 が 埋 設 されている 市 川 河 口 部 左 岸 を 基 点 として 沖 合 7,050m 幅 50mの 範 囲 及 び 沖 合 に8 箇 所 ある 係 留 パイル 打 設 地 点 市 川 河 口 部 のライザー 支 持 架 台 の 鋼 管 杭 4 本 ライザー 防 護 柵 の 鋼 管 杭 11 本 がそれぞれ 打 設 さ れている 地 点 である( 図 3-4) 予 測 の 方 法 は いずれも 平 成 18 年 環 境 省 告 示 第 153 号 第 3. 2 (1) 3) 4 ア に 示 さ れた 廃 棄 される 海 洋 施 設 の 設 置 以 降 の 事 象 により 事 前 評 価 項 目 とした 生 態 系 又 は 海 洋 の 利 用 に 対 して 生 じた 影 響 の 解 析 により 行 なった (2) 海 洋 環 境 影 響 調 査 項 目 に 係 る 変 化 の 程 度 及 び 当 該 変 化 の 及 ぶ 範 囲 1) 生 態 系 1 藻 場 干 潟 サンゴ 群 落 その 他 の 脆 弱 な 生 態 系 の 状 態 藻 場 干 潟 サンゴ 群 落 その 他 の 脆 弱 な 生 態 系 は 影 響 想 定 海 域 には 存 在 しないこと か ら 生 態 系 の 状 態 に 変 化 は 生 じない 2 重 要 な 生 物 種 の 主 要 な 産 卵 場 生 育 場 その 他 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 にとって 重 要 な 海 域 の 状 態 影 響 想 定 海 域 には 兵 庫 県 レッドデータブックに 記 載 されている 種 であるエドハゼ チクゼンハゼ トビハゼの 生 息 が 記 録 されているが 兵 庫 県 農 政 環 境 部 環 境 創 造 局 自 然 環 境 課 への 聞 き 取 りによれば 平 成 19 年 に 兵 庫 県 が 実 施 した ひょうごの 川 自 然 環 境 調 査 において 市 川 河 口 部 ではこれら 3 種 の 存 在 は 確 認 されていない 廃 棄 に 先 立 ち 行 われる 撤 去 工 事 では 一 時 的 に 海 底 の 掘 削 を 行 うため 海 底 管 ( 本 管 ) の 埋 設 地 点 周 辺 については 海 底 撹 乱 による 影 響 が 想 定 されるが 汚 濁 防 止 膜 を 設 置 し 掘 削 範 囲 を 安 全 が 確 保 できる 範 囲 で 狭 くするなどの 影 響 低 減 策 を 取 った 上 で 工 事 を 実 施 する 廃 棄 については 既 に 存 在 しているものをそのままの 状 態 で 残 置 して 廃 棄 すること か ら 海 域 の 状 態 に 変 化 は 生 じない 影 響 想 定 海 域 を 含 む 周 辺 の 海 域 は 漁 獲 対 象 種 の 幼 稚 魚 やスナメリの 分 布 が 確 認 さ れているが これら 周 辺 に 分 布 する 種 に 対 して 影 響 を 与 えるような 変 化 についても 既 に 存 在 しているものをそのままの 状 態 で 残 置 して 廃 棄 することから 海 域 の 状 態 に 変 化 は 生 じない 海 洋 生 物 の 生 息 又 は 生 育 にとって 重 要 な 海 域 である 保 護 水 面 は 影 響 想 定 海 域 には 存 在 しないため 海 域 の 状 態 に 変 化 は 生 じない 3 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 の 状 態 影 響 想 定 海 域 及 びその 周 辺 には 熱 水 生 態 系 その 他 の 特 殊 な 生 態 系 は 存 在 しないため 特 殊 な 生 態 系 の 状 態 に 変 化 は 生 じない 添 付 2-56

61 2) 海 洋 の 利 用 1 海 水 浴 場 その 他 の 海 洋 レクリエーションの 場 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 には 海 水 浴 場 等 の 海 洋 レクリエーションの 場 は 存 在 しないことから 利 用 状 況 に 変 化 は 生 じない 2 海 中 公 園 ( 自 然 公 園 法 に 基 づき 指 定 された 海 中 公 園 地 区 )その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 と して 設 定 された 区 域 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 には 海 中 公 園 その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 は 存 在 しないことから 利 用 状 況 に 変 化 は 生 じない 3 漁 場 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 及 びその 周 辺 の 海 域 は 特 にカレイ 類 スズキ イカナゴに 関 しては 漁 獲 量 の 多 い 漁 場 として 利 用 されているが 海 洋 施 設 の 設 置 以 降 環 境 上 の 特 段 の 問 題 を 生 じておらず 周 辺 海 域 の 漁 場 の 利 用 にも 問 題 を 生 じたという 報 告 はない 既 に 存 在 している 施 設 をそのままの 状 態 で 残 置 して 廃 棄 することから 利 用 状 況 に 変 化 は 生 じない 当 社 は 廃 棄 海 域 を 利 用 している 地 元 の 漁 業 者 に 対 して 播 磨 灘 に 面 する 18 の 漁 業 協 同 組 合 により 構 成 される ( 社 ) 播 磨 漁 友 会 を 窓 口 として 施 設 設 置 時 より 様 々な 海 上 作 業 の 実 施 にあたって 種 々の 協 議 を 行 ってきている 今 回 の 海 底 管 の 廃 棄 についても 廃 棄 許 可 申 請 に 係 る 内 容 に 基 づき 現 在 の 状 態 か ら 変 化 がない 旨 の 説 明 を ( 社 ) 播 磨 漁 友 会 に 対 して 行 い 残 置 して 廃 棄 することの 了 解 を 得 ている 4 主 要 な 航 路 としての 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 には 主 要 な 航 路 は 存 在 しないことから 利 用 状 況 に 変 化 は 生 じない 5 海 底 ケーブルの 敷 設 海 底 資 源 の 探 査 又 は 掘 削 その 他 の 海 底 の 利 用 状 況 影 響 想 定 海 域 には 海 底 の 利 用 はないことから 利 用 状 況 に 変 化 は 生 じない (3) 海 洋 施 設 設 置 以 降 の 事 象 により 生 じた 影 響 の 解 析 当 該 海 洋 施 設 は 昭 和 46 年 の 予 備 管 設 置 以 来 現 在 に 至 るまで 定 期 的 なメンテナンスを 行 っている 管 理 記 録 によれば 本 管 予 備 管 ともに 現 在 まで 漏 洩 破 損 等 の 記 録 はない また 平 成 7 年 に 発 生 し 当 該 地 域 では 震 度 4~ 震 度 5 弱 を 記 録 した 兵 庫 県 南 部 地 震 を 経 た 現 在 まで 浮 遊 または 移 動 は 生 じておらず 施 設 の 存 在 により 付 近 の 船 舶 航 行 漁 業 操 業 に 障 害 があったという 報 告 もない その 他 施 設 の 運 用 期 間 中 休 止 後 現 在 まで 周 辺 の 環 境 に 変 化 を 与 えるような 特 段 の 事 象 は 発 生 していない 従 っ て 今 後 も 周 辺 環 境 海 域 利 用 に 対 して 変 化 を 生 じ 影 響 を 与 える 恐 れはない 添 付 2-57

62 3.5 海 洋 環 境 に 及 ぼす 影 響 の 程 度 の 分 析 及 び 事 前 評 価 影 響 想 定 海 域 には 藻 場 干 潟 サンゴ 礁 等 の 脆 弱 な 生 態 系 や 熱 水 鉱 床 等 の 特 殊 な 生 態 系 は 存 在 しない また 海 水 浴 場 その 他 の 海 洋 レクリエーションの 場 としての 利 用 海 中 公 園 その 他 の 自 然 環 境 の 保 全 を 目 的 として 設 定 された 区 域 としての 利 用 航 路 海 底 ケーブル 海 底 資 源 の 探 査 等 の 海 底 利 用 の 海 域 利 用 もなかった したがって 海 洋 施 設 の 廃 棄 を 行 なったとしても これらの 生 態 系 や 海 域 の 利 用 状 況 に 対 し て 変 化 を 生 じさせることはないと 判 断 した 影 響 想 定 海 域 を 含 む 播 磨 灘 は スナメリ 等 の 海 産 哺 乳 類 が 確 認 され 影 響 想 定 海 域 周 辺 は イカナゴ しらす 類 等 の 漁 場 となっているが 廃 棄 される 海 洋 施 設 は 設 置 以 降 現 在 まで 約 45 年 間 海 産 哺 乳 類 の 生 息 海 域 周 辺 漁 場 の 利 用 状 況 に 特 段 の 問 題 を 生 じていない 以 上 の 履 歴 とあわせ 既 に 存 在 しているものをそのままの 状 態 で 残 置 して 廃 棄 する 計 画 で あることから 新 たに 周 辺 海 域 に 対 して 何 らかの 変 化 を 生 じさせることはなく したがって 海 洋 環 境 に 影 響 を 与 える 程 度 は 極 めて 小 さいと 評 価 できる 添 付 2-58

63 4 参 考 資 料 4-1. 本 管 内 外 面 タールエポキシ 樹 脂 塗 料 製 品 カタログ 4-2. 本 管 内 面 ジンクリッチ 塗 料 製 品 カタログ 4-3. 予 備 管 外 面 塗 装 仕 様 添 付 2-59

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