88 第 1 章 問 題 の 所 在 と 検 討 の 方 向 性 第 1 節 はじめに いわゆるバブル 経 済 崩 壊 後 特 に1990 年 代 後 半 以 降 預 託 金 方 式 を 採 る ゴルフ 場 経 営 会 社 が 破 綻 するケースが 増 加 し 民 事 再 生 法 会 社 更 生 法

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1 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 87 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 二 重 利 得 法 の 拡 張 を 通 して 中 野 浩 幸 ( 近 畿 大 学 経 営 学 部 会 計 学 科 准 教 授 ) 目 次 第 1 章 問 題 の 所 在 と 検 討 の 方 向 性 第 1 節 はじめに 第 2 節 倒 産 処 理 を 伴 った 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 実 務 の 現 状 等 第 3 節 事 例 の 設 定 と 検 討 の 方 向 性 第 2 章 所 得 分 類 と 譲 渡 所 得 第 1 節 所 得 分 類 の 意 義 と 譲 渡 所 得 第 2 節 金 銭 債 権 と 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 第 3 節 資 産 の 消 滅 債 権 の 現 物 出 資 資 産 の 評 価 損 と 譲 渡 第 3 章 二 重 利 得 法 の 拡 張 第 1 節 二 重 利 得 法 の 意 義 と 租 税 法 律 主 義 との 関 係 第 2 節 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 とその 拡 張 第 3 節 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 への 二 重 利 得 法 の 拡 張 とそ の 要 件 第 4 章 倒 産 処 理 に 伴 う 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 の 課 税 上 の 問 題 第 1 節 倒 産 処 理 によるゴルフ 会 員 権 の 性 質 第 2 節 預 託 金 債 権 を 譲 渡 した 場 合 の 所 得 区 分 第 3 節 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 預 託 金 の 収 受 と 損 失 の 実 現 第 4 節 事 例 に 関 する 課 税 関 係 と 租 税 回 避 への 対 処 第 5 章 展 望

2 88 第 1 章 問 題 の 所 在 と 検 討 の 方 向 性 第 1 節 はじめに いわゆるバブル 経 済 崩 壊 後 特 に1990 年 代 後 半 以 降 預 託 金 方 式 を 採 る ゴルフ 場 経 営 会 社 が 破 綻 するケースが 増 加 し 民 事 再 生 法 会 社 更 生 法 や 破 産 法 等 の 倒 産 処 理 に 伴 って ゴルフクラブの 会 員 らは 預 託 金 債 権 の 大 部 分 に 相 当 する 金 額 が 回 収 不 能 となり 損 失 を 被 るケースが 生 じている 通 常 ゴルフクラブの 個 人 会 員 が 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 した 場 合 に 生 じた 損 失 は 総 合 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 として 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が 全 額 可 能 である しかし 倒 産 処 理 に 伴 い 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 し た 場 合 における 損 失 は 倒 産 処 理 の 態 様 に 応 じて 家 事 上 の 損 失 あるいは 金 銭 債 権 の 譲 渡 として 他 の 所 得 との 損 益 通 算 は 認 められない また 預 託 金 の 返 還 に 伴 う 損 失 は 単 に 金 銭 債 権 の 回 収 であるからその 損 失 は 所 得 金 額 の 計 算 上 損 失 控 除 をすることはできないとするのが 課 税 実 務 である 確 かに 損 失 が 実 現 した 時 点 において 所 得 区 分 が 決 定 される 現 行 の 所 得 税 法 の 原 則 からは 家 事 上 の 損 失 あるいは 金 銭 債 権 の 譲 渡 損 失 として 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 に 該 当 する 余 地 はないようにも 思 われるが 倒 産 処 理 が 行 われる 直 前 までの 期 間 に 対 応 する 損 失 の 実 質 的 性 質 は 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 となるキャピタル ロスであり 実 現 した 損 失 の 大 部 分 はこのキャピ タル ロスを 含 むものである このように 実 現 した 損 失 のうちに 複 数 の 所 得 類 型 に 係 る 損 失 が 含 ま れる 場 合 がある 本 論 文 では 倒 産 処 理 に 伴 って 個 人 に 生 じる 預 託 金 制 ゴ ルフ 会 員 権 に 係 る 損 失 を 題 材 として 取 り 上 げ 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 資 1) 産 の 譲 渡 損 失 に 係 る 所 得 税 法 上 の 課 税 問 題 について 検 討 する

3 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 89 第 2 節 倒 産 処 理 を 伴 った 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 実 務 の 現 状 等 1 倒 産 処 理 を 伴 った 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 実 務 の 対 応 等 現 行 の 課 税 実 務 では ゴルフ 場 経 営 会 社 の 株 主 又 は 出 資 者 でなくても 入 会 金 等 のみを 支 払 えば 会 員 となれる いわゆる 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 し その 譲 渡 による 所 得 は 所 得 税 法 33 条 1 項 に 規 定 する 譲 渡 所 得 として 取 り 扱 うとされている( 所 得 税 基 本 通 達 33 6の2) 2) したがって 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 したことによって 生 じた 譲 渡 損 失 は 給 与 所 得 等 他 の 所 得 と 損 益 通 算 ができるのが 通 常 の 取 扱 いである ところが ゴルフ 場 経 営 会 社 の 倒 産 処 理 等 一 定 の 場 合 には 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 ではないとされることがある 預 託 金 制 を 採 るゴルフ 場 経 営 会 社 が 経 営 不 振 に 陥 った 結 果 倒 産 処 理 が 行 われ ゴルフ 場 施 設 が 閉 鎖 される 等 によって 会 員 はそのゴルフ 場 施 設 を 利 用 することができず その 後 にその ゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 した 場 合 の 譲 渡 損 失 に 関 する 近 年 の 裁 決 例 ( 平 成 9 年 5 月 30 日 裁 決 平 成 13 年 5 月 24 日 裁 決 平 成 16 年 5 月 17 日 裁 決 ) 3) は い ずれも 譲 渡 した 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 では ないとして 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 であると 主 張 した 請 求 人 の 請 求 を 棄 却 し ている 課 税 実 務 の 対 応 として 国 税 庁 は 平 成 15 年 に 個 人 所 有 の 預 託 金 制 ゴル フ 会 員 権 を 巡 る 課 税 上 の 問 題 について( 情 報 ) 4) ( 以 下 平 成 15 年 情 報 という )を 公 表 し 預 託 金 の 償 還 問 題 等 に 伴 い 生 じた 損 失 が 損 益 通 算 の 対 象 となるか 等 の 課 税 上 の 取 扱 いについて いくつかの 態 様 別 に 一 定 の 指 針 を 示 している 上 述 の 裁 決 例 における 課 税 庁 の 主 張 もこの 情 報 の 内 容 に 副 うものであり 従 前 から 採 っていた 考 え 方 を 平 成 15 年 情 報 において そ

4 90 の 内 容 を 整 理 したものと 考 えられる その 内 容 はおおむね 次 のとおりであ 5) る 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であるといえる 6) ためには 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 が 併 存 する 必 要 がある とする そして 倒 産 処 理 による 優 先 的 施 設 利 用 権 の 行 使 不 能 をゴルフ 会 員 権 の 重 要 な 構 成 要 素 の 消 滅 と 捉 え その 後 はもはや 譲 渡 所 得 の 基 因 とな る 資 産 ではなくなり そのゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 した 場 合 や 預 託 金 の 返 還 を 受 けた 場 合 に 生 じた 損 失 は 他 の 所 得 との 損 益 通 算 ができないとする 2 現 状 平 成 15 年 情 報 に 従 えば 破 産 法 の 清 算 型 処 理 による 場 合 には 破 産 債 権 者 の 個 別 的 権 利 行 使 の 禁 止 規 定 ( 破 産 法 100 条 1 項 )を 根 拠 として ま た 担 保 権 の 実 行 による 競 売 の 場 合 には 競 落 者 ( 新 経 営 会 社 )は 各 会 員 にそのゴルフ 場 施 設 を 利 用 させる 義 務 は 承 継 しないことを 根 拠 として 各 会 員 が 有 する 優 先 的 施 設 利 用 権 は 法 的 に 消 滅 したと 捉 えられる たとえ 実 際 にゴルフ 場 施 設 を 利 用 することができるとしても それは 事 実 上 の 問 題 であるとされる したがって 優 先 的 施 設 利 用 権 が 法 的 に 消 滅 した 後 は 必 ず 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 ではないことになる 一 方 民 事 再 生 法 等 の 再 建 型 処 理 による 場 合 には 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 譲 渡 した ものとされる 余 地 がある しかし 実 際 には 営 業 譲 渡 型 では 多 くの 場 合 預 託 金 債 権 の 大 部 分 が 切 捨 てられ 会 員 はそのゴルフ 場 施 設 を 利 用 す ることもできないとされる また 切 捨 後 の 預 託 金 債 権 を 新 たなゴルフ 会 員 権 の 購 入 価 額 の 一 部 に 充 当 することを 条 件 として 営 業 譲 渡 を 受 けたゴ ルフ 場 経 営 会 社 ( 新 経 営 会 社 )から 優 先 的 に 新 たな 会 員 となる 資 格 が 付 与 される 場 合 もある しかし このような 場 合 でも 優 先 的 施 設 利 用 権 が 法 的 に 消 滅 した 後 に 新 たなゴルフ 会 員 権 の 交 付 を 対 価 として 従 前 の 預 託 金 債 権 を 新 経 営 会 社 に 譲 渡 したものと 評 価 される つまり 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 の 譲 渡 ではなく 金 銭 債 権 の 譲 渡 と 取 り 扱 われる

5 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 91 7) したがって 預 託 金 債 権 の 切 捨 てのみで 再 建 を 目 指 す 自 主 再 建 型 を 除 いて ゴルフ 場 経 営 会 社 が 経 営 不 振 に 陥 った 多 くの 場 合 個 人 会 員 は 会 員 自 身 の 行 為 や 責 任 とは 無 関 係 に 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 してしまう 事 態 に 直 面 し その 後 にそのゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 して 損 失 が 生 じても 他 の 所 得 との 損 益 通 算 は 認 められないのが 現 状 である 第 3 節 事 例 の 設 定 と 検 討 の 方 向 性 1 事 例 の 設 定 本 論 文 で 検 討 の 対 象 とする 問 題 は 倒 産 処 理 に 伴 ってゴルフ 場 施 設 が 利 用 できなくなった 後 における 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 であるが 次 のような 具 体 的 事 例 を 設 定 して 検 討 する 事 例 給 与 所 得 者 である 納 税 者 は 7 年 前 に 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 ( 預 託 金 1,000 万 円 )を3,000 万 円 で 取 得 していたが 本 年 そのゴル フ 場 経 営 会 社 が 倒 産 し ゴルフ 場 施 設 を 利 用 することができなくなっ た その 時 点 においては 預 託 金 の 償 還 期 日 は 到 来 していなかった が その 預 託 金 の 一 部 は 貸 倒 れになる 可 能 性 が 高 かったため ゴルフ 会 員 権 の 時 価 は400 万 円 まで 下 落 していた その 後 倒 産 処 理 に 従 っ て300 万 円 の 預 託 金 の 償 還 を 受 けた 少 なくとも 会 員 がそのゴルフ 場 施 設 を 利 用 することが 可 能 であった 期 間 に 対 応 する 損 失 はキャピタル ロスである 包 括 的 所 得 概 念 からすれ ば キャピタル ロスは 所 得 から 控 除 されるべきである また 倒 産 直 前 にそのゴルフ 会 員 権 を 実 際 に 譲 渡 していれば 例 えば 倒 産 直 前 に400 万 円 で 第 三 者 にこのゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 した 者 は 少 なくとも2,600 万 円 (400 万 円 3,000 万 円 )の 損 失 を 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 として 他 の 所 得 との 損 益 通 算 が 可 能 である この 場 合 と 比 較 すると 現 行 の 取 扱 いは 倒 産 前 後 で 著 しく 不 整 合 な 結 果 となっている

6 92 2 検 討 の 方 向 性 納 税 者 にとっては ゴルフ 場 経 営 会 社 の 倒 産 処 理 によってゴルフ 会 員 権 という 資 産 の 性 質 の 変 更 を 余 儀 なくされ その 資 産 の 性 質 の 変 更 が 課 税 上 の 所 得 区 分 に 影 響 を 与 えることになってしまうことになる 所 得 税 法 上 所 得 区 分 は 所 得 が 実 現 した 時 点 におけるその 所 得 の 態 様 に 応 じて 一 義 的 に 一 の 所 得 に 決 定 されるのが 原 則 である しかし 例 外 的 に 一 の 所 得 を2 以 上 の 所 得 に 区 分 して 課 税 する 方 が 合 理 的 である 場 合 がある これは 二 重 利 得 法 と 呼 ばれている 二 重 利 得 法 を 適 用 したものとしてこれまでの 裁 判 例 および 課 税 実 務 通 達 で 認 められてきたのは 土 地 造 成 型 である 本 論 文 では この 土 地 造 成 型 の 二 重 利 得 法 を 出 発 点 にして 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 とりわけ 倒 産 処 理 によって 所 得 区 分 の 変 更 が 伴 った 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 に 関 してもこの 二 重 利 得 法 が 適 用 できるかについて 検 討 し 実 現 した 損 失 を 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 に 区 分 して 課 税 関 係 を 考 えるこ とが 可 能 かを 試 みる そこで 検 討 に 当 たっては 次 の 諸 点 が 問 題 になると 考 えられる ま ず 二 重 利 得 法 に 関 しては 第 1にそもそも 二 重 利 得 法 は 現 行 所 得 税 法 の 解 釈 上 適 用 することが 可 能 なのか 第 2に 二 重 利 得 法 が 解 釈 上 適 用 可 能 で あるとした 場 合 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 にも 適 用 できるか 損 失 が 生 じる 場 合 にも 適 用 できるかという 問 題 である 次 に 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は その 構 成 要 素 の 一 つに 預 託 金 債 権 という 金 銭 債 権 が 組 み 込 まれていること から 所 得 区 分 の 決 定 の 関 係 において 第 1に 金 銭 債 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 するか 第 2に 金 銭 債 権 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないとすると 金 銭 債 権 の 譲 渡 による 所 得 はいずれの 所 得 区 分 に 決 定 されるのかということも 検 討 する 必 要 がある 最 後 に 所 得 税 法 上 資 産 の 未 実 現 のキャピタル ロス( 損 失 )は 控 除 できないところ その 損 失 の 実 現 の 機 会 である 譲 渡 との 関 係 において 第 1に 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 により 損 失 が 実 現 したといえるか 実 現 としていないとすると 優 先

7 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 93 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 による 損 失 はどうように 取 り 扱 うべきか 第 2に 預 託 金 の 返 還 を 受 けた 場 合 に 資 産 の 譲 渡 があったといえるかが 検 討 すべき 問 題 となる これらの 諸 点 を 検 討 した 整 理 した 上 で 上 述 の 事 例 についての 課 税 関 係 を 考 察 する 本 論 文 の 構 成 としては まず 第 2 章 所 得 分 類 と 譲 渡 所 得 では 現 行 の 所 得 税 法 における 所 得 分 類 の 意 義 特 に 譲 渡 所 得 に 焦 点 を 当 て 資 産 譲 渡 の 概 念 について 検 討 する 続 いて 第 3 章 二 重 利 得 法 の 拡 張 では 二 重 利 得 法 についての 考 察 を 行 い その 要 件 を 整 理 した 上 でそ の 拡 張 要 件 を 検 討 する そして これらのフレームワークを 前 提 にして 第 4 章 倒 産 処 理 に 伴 う 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 の 課 税 問 題 で 本 節 で 設 定 した 事 例 についての 検 討 を 試 みる 最 後 第 5 章 で 二 重 利 得 法 の 適 用 に 関 する 展 望 を 示 す 第 2 章 所 得 分 類 と 譲 渡 所 得 第 1 節 所 得 分 類 の 意 義 と 譲 渡 所 得 1 所 得 税 法 における 所 得 分 類 の 意 義 包 括 的 所 得 概 念 を 主 張 する 見 解 として 代 表 的 なサイモンズによれば 所 得 とは 1 消 費 によって 行 使 された 権 利 の 市 場 価 値 と 2 期 首 と 期 末 の 間 における 財 産 権 の 蓄 積 の 価 値 の 変 化 の 合 計 8) ( 所 得 = 消 費 + 純 資 産 の 増 減 )と 定 義 される そして 帰 属 所 得 や 所 有 資 産 の 価 値 の 増 加 益 等 の 未 実 現 のキャピタル ゲインも 所 得 を 構 成 するとされる 現 行 の 所 得 税 法 は 10 種 類 の 所 得 類 型 のうちにキャッチ オールとして の 雑 所 得 という 所 得 類 型 を 設 けることで 基 本 的 には 包 括 的 所 得 概 念 を 基 礎 としているといわれている 9) 伝 統 的 に 所 得 を 勤 労 性 所 得 と 資 産 性 所 得 の2つに 分 けると 勤 労 性 所 得 は 担 税 力 が 低 く 資 産 性 所 得 は 担 税 力 が

8 94 高 いといわれてきたが 実 際 の 所 得 税 制 では むしろ 資 産 性 所 得 を 軽 課 する 結 果 となっている 10) しかしながら 現 行 の 所 得 税 法 が 包 括 的 所 得 概 念 を 基 本 としながらも 所 得 を10 種 類 に 分 類 しているのは やはり 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 においてそれぞれの 担 税 力 の 相 違 を 加 味 しようという 考 慮 に 基 づくもの 11) 12) であることが 最 大 の 理 由 であろう 政 府 税 制 調 査 会 も 個 人 所 得 課 税 に 関 する 論 点 整 理 13) において 現 行 税 制 においては 所 得 はその 性 質 や 発 生 の 態 様 によって 担 税 力 が 異 なると 考 えられるので まずその 源 泉 ないし 性 質 によって10 種 類 に 分 類 される と 述 べている 2 所 得 分 類 における 譲 渡 所 得 と 平 準 化 措 置 譲 渡 所 得 が10 種 類 の 所 得 類 型 のうちの 一 つとされている 意 義 と 平 準 化 措 置 の 関 係 について 考 察 する 所 得 税 法 33 条 は 独 立 の 所 得 類 型 として 譲 渡 所 得 を 規 定 している この 譲 渡 所 得 に 対 する 課 税 について 最 高 裁 は 資 産 が 譲 渡 によって 所 有 者 の 手 を 離 れるのを 機 会 に その 所 有 期 間 中 の 増 加 益 を 14) 清 算 して 課 税 しようとするものである( 最 高 裁 昭 和 43 年 10 月 31 日 判 決 最 15) 高 裁 昭 和 47 年 12 月 26 日 判 決 )とする そして この 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 とを 区 分 する 基 準 としては 譲 渡 所 得 は 所 有 者 自 身 の 意 思 によらない 外 的 条 件 の 変 化 によって 生 ずる 資 産 価 値 の 増 加 である 16) という 考 え 方 が 重 要 とされる 17) が 同 条 は 譲 渡 所 得 と される 範 囲 について 棚 卸 資 産 および 準 棚 卸 資 産 を 明 文 の 規 定 によって 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 から 除 外 する( 同 条 2 項 ) 一 方 で 事 業 の 用 に 供 していた 資 産 の 譲 渡 による 所 得 であっても 固 定 資 産 の 譲 渡 による 所 得 で あれば 事 業 所 得 ではなく 譲 渡 所 得 に 該 当 する 18) とする つまり 所 得 税 法 は 固 定 資 産 として 保 有 する 期 間 にキャピタル ゲインが 生 じること になる 資 産 の 譲 渡 による 所 得 を 広 く 譲 渡 所 得 として 取 り 扱 っている これ は 事 業 用 非 事 業 用 資 産 いずれであっても 同 様 に 生 じたキャピタル ゲインに 対 しては 同 様 の 課 税 を 行 う 必 要 があるためと 考 えられる

9 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 95 ただ 譲 渡 所 得 が 総 合 累 進 所 得 税 の 課 税 ベースに 取 り 込 まれることにな ると 1 譲 渡 によって 一 時 に 実 現 した 資 産 価 値 の 増 加 益 に 対 して 通 常 の 累 進 税 率 で 課 税 すること( 束 ね 効 果 bunching effect)を 避 ける 必 要 があ ること 2 譲 渡 益 に 対 して 通 常 の 高 い 税 率 で 課 税 した 場 合 に 生 ずる 資 産 の 譲 渡 を 阻 害 する 効 果 ( 凍 結 効 果 freezing effect)を 減 殺 する 必 要 がある ことから 特 別 の 税 負 担 の 軽 減 措 置 を 講 じる 必 要 がでてくる 19) 所 得 税 法 の 沿 革 をみると 昭 和 22 年 改 正 では 譲 渡 所 得 の 対 象 として 改 正 前 の 分 類 所 得 税 における 譲 渡 所 得 のほかに それまで 非 課 税 とされてい た 株 式 等 の 譲 渡 による 所 得 が 加 えられた 上 で 2 分 の1 課 税 方 式 が 導 入 さ れた それは 平 準 化 措 置 として 採 用 されたものであると 考 えられてい る 20) 21) その 後 昭 和 25 年 改 正 でシャウプ 勧 告 を 受 けて 譲 渡 所 得 の 全 額 課 税 制 度 が 採 用 され その 課 税 方 法 は 総 合 課 税 の 下 変 動 所 得 として 平 均 課 税 を 行 うこととされた ところが 昭 和 28 年 改 正 において 昭 和 25 年 改 正 法 による 平 均 課 税 は 制 度 として 複 雑 すぎるとして 廃 止 され 従 前 の2 分 の1 課 税 方 式 となった その 後 現 在 まで2 分 の1 課 税 方 式 は 維 持 されて いる 22) この2 分 の1 課 税 方 式 は 算 術 上 長 期 譲 渡 所 得 の 金 額 を2 分 の1 23) と する( 定 率 課 税 除 外 方 式 )ものであるが その 実 質 的 効 果 は 適 用 税 率 を2 分 の1にすることにある 24) 25) 最 高 裁 昭 和 47 年 判 決 においても 年 々に 蓄 積 された 当 該 資 産 の 増 加 益 が 所 有 者 の 支 配 を 離 れる 機 会 に 一 挙 に 実 現 し たものとみる 建 前 から 累 進 税 率 のもとにおける 租 税 負 担 が 大 となるの で 法 は その 軽 減 を 図 る 目 的 で 10 分 の5に 相 当 する 金 額 をもっ て 課 税 標 準 としたのである と 判 示 されているところである 以 上 の 考 察 から 譲 渡 所 得 を 他 の 所 得 と 区 分 している 趣 旨 は キャピタ ル ゲインが 生 じる 資 産 の 譲 渡 による 所 得 について 平 準 化 措 置 が 講 じら れている 課 税 方 法 を 適 用 するためであるといえる

10 96 第 2 節 金 銭 債 権 と 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 1 金 銭 債 権 の 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 該 当 性 所 得 税 法 上 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 について 何 ら 定 義 を 規 定 されて おらず 解 釈 に 委 ねられている 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 には 預 託 金 債 権 という 金 銭 債 権 の 要 素 が 含 まれていることから ここでは 金 銭 債 権 自 体 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 含 まれるかどうかについて 検 討 する 課 税 実 務 では 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 について 明 文 の 規 定 がない 金 銭 債 権 を 除 外 している( 所 得 税 基 本 通 達 33 1) 課 税 当 局 者 執 筆 の 解 説 書 では 金 銭 債 権 を 除 外 している 理 由 について キャピタル ゲイン を 生 ずべき 資 産 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 となる 金 銭 債 権 の 譲 渡 による 利 益 は その 債 権 の 元 本 の 増 加 益 (すなわちキャピタル ゲ インそのもの)ではなく 事 業 所 得 又 は 雑 所 得 に 該 当 する 金 利 に 相 当 する ものであると 考 えられる 26) としている これは 所 得 という 経 済 的 利 得 のプラスの 側 面 からその 性 質 を 考 慮 しているといえる そして 金 銭 債 権 の 譲 渡 損 失 は 事 業 所 得 雑 所 得 等 における 債 権 の 貸 倒 れによる 損 失 とし て 取 り 扱 われる 27) これに 対 してこのような 取 扱 いを 疑 問 視 している 裁 判 例 がある すなわ ち 預 託 金 制 ゴルフクラブの 会 員 が 退 会 手 続 の 際 に 返 還 された 預 託 金 に 係 28) る 損 失 を 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 として 他 の 所 得 と 損 益 通 算 した 事 件 で 名 29) 古 屋 地 裁 平 成 17 年 7 月 27 日 判 決 は 同 法 33 条 1 項 にいう 資 産 とは 一 般 にその 経 済 的 価 値 が 認 められて 取 引 の 対 象 とされ 資 産 の 増 加 益 の 発 生 が 見 込 まれるようなすべての 資 産 を 含 むと 解 され とした 上 で およそ 金 銭 債 権 のすべてを 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 から 除 外 する 見 解 は 金 銭 債 権 の 譲 渡 により 生 じる 利 益 なるものは その 債 権 の 元 本 の 増 加 益 すなわちキャピタル ゲインそのものではなく 期 間 利 息 に 相 当 す るものであるとの 理 解 に 基 づいていると 考 えられる もちろん そのよう

11 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 97 な 場 合 があることは 否 定 できないが 現 実 の 経 済 取 引 の 実 態 に 照 らせば 金 銭 債 権 の 譲 渡 金 額 は むしろ 債 務 者 の 弁 済 に 対 する 意 思 及 び 能 力 (に 関 する 客 観 的 評 価 )によって 影 響 を 受 けることが 多 く これは 元 本 債 権 その ものの 経 済 的 価 値 の 増 減 (ただし 債 権 額 を 上 限 とする ) すなわちキャ ピタル ゲイン(ロス)というべきであるから 上 記 理 解 は 一 面 すぎると の 批 判 を 免 れ 難 く 上 記 通 達 の 合 理 性 には 疑 問 を 払 拭 できないというべき である と 判 示 した 金 銭 債 権 の 譲 渡 による 利 益 が 期 間 利 息 であるとす る 通 達 の 立 場 を 理 解 しながらも 債 務 者 の 弁 済 等 による 外 的 要 因 によって 増 減 する 側 面 もあるとしている 一 方 学 説 は 金 銭 債 権 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 から 除 外 されるこ とを 疑 問 視 する 見 解 もあるが 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 には 該 当 しない と 考 えていると 思 われる 金 子 宏 教 授 は 資 産 という 観 念 を 一 種 の 固 有 概 念 であると 解 した 上 で 資 産 とは 譲 渡 性 のある 財 産 権 をすべて 含 む 観 念 で 動 産 不 動 産 は もとより 借 地 権 無 体 財 産 権 許 認 可 によって 得 た 権 利 や 地 位 などが 広 くそれに 含 まれる 30) とされる ここでは 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 譲 渡 性 のある 財 産 権 を 中 心 に 捉 えられている 31) しかし 債 権 の 譲 渡 に よって 利 益 が 生 ずるのは 稀 な 例 外 として むしろ 譲 渡 損 失 の 取 扱 いに 注 目 され 金 銭 債 権 の 貸 倒 損 失 について 規 定 する 同 法 51 条 2 項 及 び4 項 の 取 扱 いとの 首 尾 一 貫 性 の 観 点 から 金 銭 債 権 を33 条 1 項 の 資 産 に 含 め その 譲 渡 による 損 失 を 譲 渡 損 失 として 取 り 扱 うことは 合 理 的 でない 32) とされ る そして このような 取 扱 いが 法 の 明 文 の 規 定 をまたず33 条 の 趣 旨 解 釈 としてでてくるかどうかについては 問 題 が 残 るが 実 質 論 としては この 取 扱 いは 正 当 である 33) とされる 34) これは 上 記 通 達 解 説 とは 対 照 的 に 損 失 というマイナスの 側 面 を 考 慮 されているといえる また 中 里 実 教 授 は 資 産 が 固 有 概 念 であるとする 上 記 の 金 子 教 授 の 説 を 前 提 にして 所 得 税 法 は 金 銭 債 権 を 金 銭 と 同 様 の 支 払 手 段 と

12 98 して 位 置 付 けた 上 で その 資 産 とは 要 するに 金 銭 と 金 銭 ( 類 似 物 ) の 交 換 に 他 ならず したがって そこに 資 産 の 譲 渡 を 観 念 することは できない 35) と 考 えられておられる これに 対 して 三 木 義 一 教 授 は 課 税 庁 が 通 達 によって 金 銭 債 権 を 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 から 除 外 している 趣 旨 を もし 金 銭 債 権 を 譲 渡 所 得 の 対 象 とすると 貸 倒 状 態 に 近 い 金 銭 債 権 を 安 く 譲 渡 し 本 来 事 業 上 もし くは 家 事 上 の 損 益 が 譲 渡 所 得 の 損 失 として 控 除 されることになるのを 恐 れたためである 36) と 理 解 した 上 で このような 回 避 行 為 を 規 制 する 趣 旨 自 体 はそれなりの 正 当 性 をもつとはいえても 金 銭 債 権 一 般 を 通 達 のよう に 排 除 37) することに 疑 問 をもたれている 2 考 察 所 得 税 法 は 課 税 標 準 の 算 出 過 程 において まず 何 らかの 原 因 で 生 じ た 経 済 的 利 得 を 所 得 と 構 成 し その 所 得 を 所 得 源 泉 に 応 じて10 種 類 に 分 類 することとしている つまり 所 得 の 分 類 を 考 えるにあたっ ては まず 経 済 的 利 得 というプラスの 側 面 から 考 えることが 重 要 であると いえる したがって 上 記 名 古 屋 地 裁 判 決 がいうように 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 資 産 の 増 加 益 の 発 生 が 見 込 まれるようなすべての 資 産 を 含 む と 解 することについては 支 持 する しかし 金 銭 債 権 は 次 のとお り 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 には 含 まれないものと 考 える 資 産 の 価 値 は 理 論 的 には 将 来 得 られると 期 待 される 純 収 益 の 額 の 総 和 と 資 本 還 元 率 から 導 かれ 次 の 式 で 表 される (V: 資 産 の 価 値 I: 純 収 益 r: 資 本 還 元 率 n: 期 間 ) 資 産 価 値 に 増 減 が 生 じるのは 通 常 将 来 の 一 定 期 間 (n)において 得

13 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 99 られると 期 待 される 純 収 益 の 額 (I)および 予 想 される 資 本 還 元 率 (r) がその 時 々の 予 測 に 基 づくものであるからであり 売 買 当 事 者 の 予 測 の 変 動 がその 資 産 の 価 格 を 変 動 させる これに 対 して 金 銭 債 権 は 通 常 元 本 金 額 契 約 期 間 利 率 が 約 定 されており すなわち 契 約 期 間 (n)に おいて 得 られると 期 待 される 純 収 益 の 額 (I)および 予 想 される 資 本 還 元 率 (r)が 決 定 していることから 金 銭 債 権 は 債 権 の 貸 倒 れの 可 能 性 が 増 加 することによって 契 約 期 間 において 得 られると 期 待 される 純 収 益 の 額 (I)が 減 少 して 資 産 価 値 が 減 少 することがあっても 資 産 価 値 が 増 加 することはないものと 思 われる つまり 金 銭 債 権 は 理 論 的 には 貸 倒 損 失 の 可 能 性 に 伴 い 元 本 価 値 の 下 落 が 生 じることはあるが しかし キャ ピタル ゲインは 生 じないと 思 われる 上 記 の 名 古 屋 地 裁 判 決 は 金 銭 債 権 について 元 本 債 権 そのものの 経 済 的 価 値 の 増 減 (ただし 債 権 額 を 上 限 とする ) としている ここでい う ただし 債 権 額 を 上 限 とする とは 判 示 の 理 解 とは 逆 に 金 銭 債 権 はおよそキャピタル ゲインが 生 ずる 資 産 ではないことを 示 しているの ではないかと 思 われる したがって 金 銭 債 権 のようにキャピタル ゲイ ンが 生 ずることのない 資 産 の 譲 渡 による 所 得 については 増 加 益 に 対 する 課 税 の 平 準 化 を 考 える 必 要 がないのであるから 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないと 考 える それでも 現 実 には 額 面 以 下 の 金 額 で 取 得 し た 金 銭 債 権 を 取 得 した 価 額 よりも 高 い 価 額 で 第 三 者 に 譲 渡 する 場 合 もあ る しかし その 場 合 であっても 金 銭 債 権 自 体 が 理 論 上 キャピタル ゲイ ンを 生 ずる 資 産 でないのであるから やはり 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないと 考 える また 現 金 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないことに 異 論 はない と 思 われるが それはキャピタル ゲインが 生 じる 資 産 でないからであろ う したがって 中 里 教 授 が 指 摘 するように 現 金 等 価 物 すなわち 売 掛 金 貸 付 金 等 債 権 の 目 的 が 金 銭 である 金 銭 債 権 についても 同 様 に 解 する

14 100 ことができ 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 には 該 当 しないと 考 えられる た だし 金 銭 債 権 について 資 産 の 譲 渡 を 観 念 することができないとまで はいえず 疑 問 の 余 地 はある さらに 金 子 教 授 が 指 摘 するように 金 銭 債 権 を 譲 渡 した 場 合 に 生 じる 損 失 の 経 済 的 実 質 は 債 務 者 の 資 力 の 悪 化 による 金 銭 債 権 の 貸 倒 損 失 と 異 なるところはない 仮 にそれを 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 とするならば 事 業 所 得 または 雑 所 得 における 金 銭 債 権 の 貸 倒 損 失 の 必 要 経 費 算 入 規 定 ( 所 得 税 法 51 条 2 項 及 び4 項 )と 不 整 合 な 結 果 を 生 じさせることになる 以 上 の 考 察 から 文 理 解 釈 上 問 題 はあるが 課 税 実 務 のとおり 金 銭 債 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないものと 考 える 第 3 節 資 産 の 消 滅 債 権 の 現 物 出 資 資 産 の 評 価 損 と 譲 渡 1 譲 渡 の 意 義 実 現 主 義 を 採 る 所 得 税 法 の 下 においては 資 産 の 増 加 益 は 資 産 を 譲 渡 した 時 点 で 課 税 されるため 課 税 のタイミングを 決 定 する 譲 渡 が 何 かということについて 明 らかにすることは 重 要 である しかし 所 得 税 法 は 譲 渡 についても 資 産 と 同 様 解 釈 に 委 ねられている 最 高 裁 は 資 産 の 譲 渡 とは 有 償 無 償 を 問 わず 資 産 を 移 転 させるい っさいの 行 為 をいうものと 解 すべきである ( 最 高 裁 昭 和 50 年 5 月 27 日 判 決 ) 38) としている 課 税 実 務 も 同 様 に 解 しており 売 買 等 資 産 の 所 有 権 の 承 継 取 得 の 原 因 となるもののほか 収 用 も 含 まれていることから 原 始 取 得 の 原 因 となるものであっても 譲 渡 に 該 当 する 39) としている 40) 41) さらに 金 子 宏 教 授 は 一 定 の 条 件 の 下 における 借 地 権 の 設 定 も 譲 渡 に 当 たる 42) とされ 譲 渡 を 比 較 的 広 く 解 されているのではないかと 思 わ れる

15 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 資 産 の 消 滅 と 譲 渡 所 得 税 法 施 行 令 95 条 は 資 産 が 他 に 移 転 する 場 合 に 限 らず 契 約 等 によ り 譲 渡 所 得 の 基 因 となるべき 資 産 が 消 滅 し 又 はその 価 値 が 減 少 したことに 伴 い 受 ける 補 償 金 等 は 譲 渡 所 得 の 収 入 金 額 に 該 当 するものと 規 定 してい る この 具 体 例 として 課 税 実 務 では 漁 業 権 等 の 収 用 消 滅 に 限 られず 一 般 的 には 譲 渡 性 がないとされるいわゆる 立 退 料 のうち 借 家 権 の 消 滅 の 対 価 の 額 に 相 当 する 部 分 の 金 額 ( 所 得 税 基 本 通 達 33-6)や 河 川 占 有 権 の 放 43) 棄 の 対 価 として 取 得 する 金 銭 が 該 当 するとしている 漁 業 権 や 借 家 権 等 はその 権 利 者 に 対 して 将 来 にわたって 継 続 して 利 益 や 便 益 をもたらすもの であり その 消 滅 の 対 価 はV=I/r 44) によって 表 される これらは 長 期 的 ( 永 久 的 )に 発 生 する 所 得 が 一 時 に 実 現 されたものであり 束 ね 効 果 を 緩 和 する 必 要 から 平 準 化 措 置 の 適 用 が 妥 当 であるから 譲 渡 所 得 とされる のであろうと 考 えられる 資 産 の 消 滅 が 譲 渡 に 含 まれるとした 裁 判 例 としては 建 物 の 賃 借 人 が 立 ち 退 きに 際 して 家 屋 明 渡 移 転 補 償 金 名 義 で 賃 貸 人 から 受 領 した 金 員 45) に 関 するものがある 第 一 審 判 決 は その 補 償 金 は 賃 借 人 が 有 していた 賃 借 権 を 消 滅 させる 対 価 としての 性 質 を 有 しているものと 認 定 した 上 で 譲 渡 所 得 は 資 産 の 値 上 りによる 含 み 益 が 処 分 によって 実 現 したもので あるから 処 分 によって 含 み 益 が 実 現 しさえすれば 足 りるのであって 売 却 等 資 産 が 譲 渡 によって 他 に 移 転 する 場 合 だけでなく 資 産 が 消 滅 する 場 合 において 譲 渡 所 得 が 生 ずるものと 解 すべきである とした ここで は 含 み 益 が 実 現 するならば 資 産 の 消 滅 であっても 譲 渡 としている 46) ことが 注 目 される その 控 訴 審 判 決 でも 資 産 の 所 有 者 にとって 相 手 方 のために 有 償 で 資 産 を 消 滅 させるのと 有 償 でそれを 譲 渡 するのとで は 経 済 的 効 果 に 差 異 はないから 同 項 所 得 税 法 33 条 1 項 の 資 産 の 譲 渡 には 権 利 放 棄 等 により 資 産 が 消 滅 する 場 合 をも 含 むと 解 すること ができる と 判 示 している 47)

16 102 譲 渡 所 得 課 税 では 所 有 者 の 所 有 期 間 中 の 増 加 益 を 清 算 して 課 税 するた めに 譲 渡 を 最 終 の 課 税 機 会 としているのであるから その 課 税 のタイ ミングを 決 定 する 譲 渡 には 対 価 の 収 受 を 伴 って 資 産 が 消 滅 する 場 合 や 価 値 が 減 少 する 場 合 も 広 く 含 まれると 解 するのが 妥 当 であると 考 えられ る 48) 3 債 権 の 現 物 出 資 回 収 行 為 と 譲 渡 対 価 の 収 受 を 伴 って 資 産 が 消 滅 する 場 合 も 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 に 含 まれるとされるところ その 資 産 が 金 銭 債 権 の 場 合 にも 同 様 に 解 することができるかが 問 題 となる 通 常 金 銭 債 権 ( 債 権 額 )に 相 当 する 金 銭 を 対 価 として 受 領 し その 金 銭 債 権 を 消 滅 させるというのは 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 であり 譲 渡 ではないとされている しかし 最 近 過 剰 な 債 務 を 抱 えた 経 営 不 振 企 業 の 再 建 のためにしばしば 利 用 される 不 良 債 権 の 処 理 手 法 として デッド エクイティ スワップ(Debt Equity Swap 以 下 DES という )が 利 用 されている DES は 債 権 者 が 債 務 者 である 法 人 から 交 付 を 受 けるその 法 人 の 株 式 を 対 価 としてその 法 人 に 対 し て 有 していた 債 権 ( 金 銭 債 権 )を 消 滅 させるものであるが その 法 的 構 成 は 通 常 債 権 の 現 物 出 資 と 理 解 されている このような 債 権 の 消 滅 の 態 様 が 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 に 該 当 するならば 債 権 の 消 滅 の 対 価 が 株 式 ではなく 金 銭 である 場 合 つまり 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 とい う 態 様 も 譲 渡 に 該 当 する 可 能 性 がある そこで DES の 債 権 者 側 の 取 扱 いについて 検 討 してみる 法 人 債 権 者 の 場 合 と 個 人 債 権 者 の 場 合 があるが まず 債 権 者 が 法 人 で ある 場 合 について 述 べる 法 人 税 の 取 扱 いでは 債 権 を 現 物 出 資 すること により 株 式 を 取 得 した 場 合 のその 取 得 価 額 は 法 人 税 法 施 行 令 第 119 条 第 1 項 第 2 号 の 規 定 に 基 づき 当 該 取 得 の 時 における 給 付 をした 当 該 債 権 の 49) 価 額 とされる 50) ( 法 人 税 基 本 通 達 ) 国 税 庁 は この 通 達 の 趣

17 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 ) 旨 説 明 の 中 において DES によって 発 生 した 損 失 について デッド エ クイティ スワップ これにより 生 じた 損 失 は 一 般 的 には 債 権 の 譲 渡 損 である と 説 明 していることは 注 目 すべきである つまり DES は 債 権 の 譲 渡 であるということである 次 に 債 権 者 が 個 人 の 場 合 であるが 所 得 税 法 には 法 人 税 法 施 行 令 119 条 に 相 当 する 規 定 がない しかし 所 得 税 法 においては 交 付 を 受 けた 株 式 の 取 得 価 額 はその 株 式 の 時 価 ( 所 得 税 法 施 行 令 109 条 1 項 5 号 )とな り やはり 法 人 税 法 の 取 扱 いと 同 様 損 失 が 生 じると 考 えられる DES により 生 じた 損 失 は 債 権 者 が 法 人 であろうと 個 人 であろうと 変 わりはない であろうから 所 得 税 法 においても 法 人 税 法 の 場 合 と 同 様 に 債 権 の 譲 渡 損 失 であると 考 えるのが 妥 当 であろう さらに 所 得 税 法 ではその 損 失 が いずれの 所 得 類 型 に 区 分 されるものかを 検 討 する 必 要 がある 消 滅 する 債 権 は 金 銭 債 権 である 金 銭 債 権 は 第 2 節 で 検 討 したとおり 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 ではないから その 金 銭 債 権 の 譲 渡 損 失 は 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 ではなく 事 業 所 得 または 雑 所 得 に 係 る 損 失 に 該 当 するものと 考 えられ る 以 上 の 考 察 から 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 と 譲 渡 との 関 係 について 検 討 する 既 に 述 べたとおり 譲 渡 とは 一 般 に 所 有 権 その 他 の 権 利 の 移 転 を 広 く 含 む 概 念 で 現 物 出 資 も 含 まれる 現 物 出 資 が 行 われると 通 常 出 資 された 資 産 は 出 資 を 受 けた 法 人 に 承 継 移 転 し 資 産 として 保 有 されるも のと 考 えられるが DES でみたように 債 権 という 資 産 の 移 転 に 伴 って その 債 権 ( 資 産 )が 混 同 により 消 滅 してしまう 場 合 も 譲 渡 に 該 当 する ということであった したがって その 債 権 の 消 滅 の 対 価 が 株 式 ではな く 金 銭 である 場 合 つまり 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 という 態 様 について も 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 に 該 当 する 余 地 があるものと 考 え られる

18 104 4 資 産 の 一 部 の 損 失 と 評 価 損 対 価 の 収 受 を 伴 って 資 産 が 消 滅 する 場 合 が 譲 渡 に 含 まれることか ら 対 価 を 伴 わない 場 合 資 産 の 消 滅 による 損 失 が 課 税 上 実 現 するのかが 問 題 となる 資 産 損 失 に 関 する 所 得 税 法 51 条 は 非 事 業 用 資 産 には 適 用 され ない したがって 非 事 業 用 資 産 の 全 部 が 消 滅 してしまった 場 合 には そ の 損 失 を 課 税 上 控 除 することができないことになる しかし 資 産 の 一 部 に 生 じた 損 失 については その 資 産 が 現 存 する 限 り その 損 失 を 事 後 にお いて 課 税 上 実 現 できる 可 能 性 がある 例 えば 自 家 用 自 動 車 が 何 らかのアクシデントによって 損 傷 を 受 けたケ ースのように その 一 部 が 毀 損 や 滅 失 等 によって 損 失 が 生 じたものの 資 産 として 存 続 している 場 合 には 毀 損 等 の 時 点 においては 所 得 税 法 上 損 失 控 除 の 対 象 とはならない それは 単 なる 評 価 損 であり 所 得 税 法 はこのよう な 評 価 損 を 控 除 できる 構 造 にはなっていないからである さらに 取 得 費 の 修 正 も 行 われない しかし その 損 失 はその 自 家 用 自 動 車 を 譲 渡 した 時 点 において 譲 渡 により 実 現 した 譲 渡 損 益 に 混 入 されて 顕 在 化 するものと 考 えられる つまり その 自 家 用 自 動 車 の 取 得 費 が 維 持 される 52) ことによ って その 損 失 は 自 家 用 自 動 車 を 譲 渡 するまで 繰 り 延 べられるのである また アクシデントにより 自 家 用 自 動 車 の 本 体 とタイヤが 分 割 されたケー スのように 一 の 資 産 が 分 割 され 分 割 後 の 資 産 がそれぞれ 単 独 で 財 産 的 価 値 を 持 ち 譲 渡 可 能 な 資 産 として 存 続 しうる 場 合 には 分 割 前 の 一 の 資 産 の 取 得 費 の 額 を 維 持 したまま 分 割 された 各 々の 資 産 に 取 得 費 が 配 分 さ れ その 損 失 は 分 割 後 の 各 々の 資 産 を 譲 渡 するまで 繰 り 延 べられる いず れの 場 合 も 非 事 業 用 資 産 に 係 る 一 部 損 失 は その 損 失 発 生 時 に 課 税 上 損 失 控 除 されることなく 繰 り 延 べられるのである 次 に 資 産 が 権 利 であり その 権 利 の 一 部 が 侵 害 された 場 合 の 取 扱 いを 検 討 する 例 えば 借 地 権 を 有 償 で 取 得 してその 土 地 を 使 用 していたとこ ろ 第 三 者 によって 違 法 占 拠 され その 土 地 の 使 用 が 妨 害 された 状 態 で 第

19 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 105 三 者 に 借 地 権 を 譲 渡 した 場 合 を 想 定 する 違 法 占 拠 によって 生 じた 借 地 権 の 価 値 減 少 という 損 失 は 課 税 上 損 失 が 生 じた 時 点 においては 損 失 控 除 す ることはできない この 場 合 も 取 得 費 の 修 正 を 行 わず 借 地 権 を 実 際 に 譲 渡 するまで 取 得 費 が 維 持 される 5 小 括 実 現 主 義 を 採 る 現 行 の 所 得 税 法 において 資 産 について 何 らかの 出 来 事 が 生 じた 場 合 その 出 来 事 が 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 に 該 当 するか 否 かが 重 要 である 上 記 1および2で 見 たように 譲 渡 には 資 産 の 移 転 や 対 価 を 伴 う 資 産 の 消 滅 が 該 当 するが 対 価 を 伴 わない 資 産 の 消 滅 は 譲 渡 に 該 当 しない また 上 記 3で 見 たように 譲 渡 には 金 銭 債 権 の 第 三 者 への 譲 渡 のほか デッド エクイティ スワップの ような 金 銭 債 権 の 現 物 出 資 も 含 まれ さらに 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 も 譲 渡 に 該 当 する 余 地 があるということであった しかし 上 記 4で 見 たよ うに 非 事 業 用 資 産 に 係 る 評 価 損 や 権 利 の 一 部 侵 害 による 価 値 減 少 は 譲 渡 に 該 当 しない このように 資 産 に 関 して 何 らかの 出 来 事 が 生 じ た 場 合 所 得 や 損 失 が 課 税 上 実 現 したかどうかは 譲 渡 に 該 当 するか どうかが 重 要 になる しかし 資 産 について 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 があったと 認 められたとしても 所 得 区 分 として 必 ず 譲 渡 所 得 に 決 まるというわけでは ない 所 得 区 分 が 譲 渡 所 得 と 決 定 されるためには 譲 渡 された 資 産 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 するものかどうかを 判 断 する 必 要 がある そ の 資 産 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であれば その 資 産 の 譲 渡 による 所 得 は 譲 渡 所 得 に 区 分 され 事 業 所 得 または 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 であれ ば 事 業 所 得 または 雑 所 得 に 区 分 されることになる そして 第 2 節 で 検 討 したように 金 銭 債 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないから 金 銭 債 権 を 譲 渡 した 場 合 や 現 物 出 資 をした 場 合 によ

20 106 る 所 得 は 譲 渡 所 得 以 外 の 所 得 すなわち 事 業 所 得 または 雑 所 得 と 区 分 されることになる 第 3 章 二 重 利 得 法 の 拡 張 第 1 節 二 重 利 得 法 と 租 税 法 律 主 義 との 関 係 1 二 重 利 得 法 の 適 用 可 能 性 金 子 宏 教 授 は 固 定 資 産 として 長 期 間 保 有 していた 土 地 に 販 売 目 的 をも って 造 成 し 譲 渡 した 場 合 や 区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 えて 販 売 した 場 合 には 譲 渡 益 の 中 に 譲 渡 所 得 と 事 業 所 得 ないし 雑 所 得 の 両 方 が 含 まれていること から 譲 渡 所 得 と 事 業 所 得 ないし 雑 所 得 とに 分 けて 課 税 すべきである 53) と 主 張 される この 課 税 方 法 を 二 重 利 得 法 54) という 課 税 実 務 においても 土 地 に 区 画 形 質 の 変 更 等 を 加 えて 譲 渡 した 場 合 に 二 重 利 得 法 を 選 択 的 に 適 用 することが 認 めている( 所 得 税 基 本 通 達 33 5) 以 下 では これを 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 と 呼 ぶ しかし この 通 達 でいう 極 めて 長 期 間 とはおおむね10 年 以 上 をいう( 所 得 税 基 本 通 達 33 3)とされており 2 分 の1 課 税 方 式 の 平 準 化 措 置 が 適 用 される 長 期 譲 渡 所 得 の 要 件 である 所 有 期 間 の5 年 と 必 ずしも 連 動 しているわけでは ない 55) また 裁 判 例 としては いずれも 固 定 資 産 として 長 期 間 保 有 していた 土 地 に 販 売 目 的 で 造 成 等 を 行 った 後 に 譲 渡 した 事 件 で 二 重 利 得 法 の 適 用 を 56) 肯 定 した 岡 山 地 裁 昭 和 59 年 4 月 25 日 判 決 松 山 地 裁 平 成 3 年 4 月 18 日 判 57) 決 がある 一 方 学 説 には 積 極 説 と 消 極 説 がある まず 二 重 利 得 法 を 主 張 される 金 子 教 授 は 二 重 利 得 法 を 適 用 するメリットして 1 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 方 法 であること 2 長 期 間 固 定 資 産 として 所 有 していた 期 間 に 対 応 す る 増 加 益 について 譲 渡 所 得 の 平 準 化 措 置 を 適 用 することで 納 税 者 に 課

21 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 107 税 上 酷 な 結 果 をもたらすことを 回 避 できること 3 裁 判 所 にとって 事 件 の 処 理 が 容 易 になることを 挙 げられる そして 所 得 税 法 の 文 理 解 釈 からす れば 土 地 の 譲 渡 益 の 性 質 を 決 定 するのは 譲 渡 の 際 の 土 地 の 性 質 ないし 所 有 目 的 であるとしながらも 所 得 税 法 が 所 得 をその 性 質 に 応 じて 分 類 し 長 期 譲 渡 所 得 について2 分 の1 課 税 を 採 用 して 税 負 担 を 軽 減 している 趣 旨 が 事 業 所 得 なり 雑 所 得 なりが 所 有 者 の 活 動 による 資 産 価 値 の 増 加 で あるのに 対 し 譲 渡 所 得 は 長 期 間 にわたる 外 部 的 要 因 による 価 値 の 増 加 である ということにあるとするならば 目 的 論 的 解 釈 ないし 趣 旨 解 釈 と しては 一 定 の 範 囲 内 で 二 重 利 得 法 の 適 用 が 認 められてしかるべきであ る 58) とされる ただし 二 重 利 得 法 が 適 用 される 資 産 の 所 有 期 間 につい て 上 記 通 達 では おおむね10 年 以 上 とされているのに 対 し 金 子 教 授 は 長 期 譲 渡 所 得 の 要 件 である5 年 を 超 えていればよいとされる 59) 一 方 占 部 裕 典 教 授 は 二 重 利 得 法 の 問 題 点 として 保 有 期 間 の10 年 又 は5 年 と いった 期 間 は 通 達 事 項 ではなく 租 税 法 律 主 義 に 反 することを 指 摘 され る また 所 得 税 法 において 二 重 利 得 法 を 解 釈 論 して 採 用 することについ ては 一 の 資 産 譲 渡 により 生 ずる 所 得 を2 種 の 所 得 に 分 類 する 場 合 は 山 林 所 得 のように 明 文 をおいている 場 合 でなければ 許 されない 所 得 税 法 32 条 2 項 は 1つの 譲 渡 行 為 (ある 山 に 生 えている 樹 木 で 植 林 期 間 が5 年 以 内 の 樹 木 と5 年 を 超 える 樹 木 を 一 括 譲 渡 した 場 合 )によ り 2つ 以 上 の 所 得 が 生 ずることを 予 定 している 仮 に 規 定 なくし 60) てこのような 解 釈 が 導 けるとするならば いわゆる10 年 退 職 金 事 件 にお いて このような 場 合 にも 給 与 所 得 と 退 職 所 得 の 二 重 利 得 法 による 区 分 を 認 めなければならないこととなろう 61) と 反 証 を 挙 げられ 確 か に 二 重 利 得 法 は 理 論 的 には 優 れているが わが 国 の 所 得 税 法 は 10 種 類 の 所 得 分 類 において 異 種 の 所 得 の 混 在 を 前 提 としており 所 得 の 分 類 は 二 者 択 一 であるといえよう 62) として そもそも 二 重 利 得 法 を 解 釈 論 と して 採 用 できるか 疑 問 が 存 する 63) とされる

22 108 2 検 討 第 2 章 第 1 節 で 考 察 したとおり 包 括 的 所 得 概 念 を 基 本 としながらも 実 現 主 義 の 制 約 の 下 譲 渡 所 得 としてそれを 所 得 類 型 の 一 つとすることを 導 入 した 現 行 の 所 得 税 法 においては 担 税 力 に 即 した 課 税 を 行 うために 実 現 した 所 得 のうちキャピタル ゲインに 相 当 する 部 分 の 所 得 を 抜 き 出 し 平 準 化 措 置 を 具 備 している 譲 渡 所 得 に 区 分 して 課 税 することは 許 され ると 考 える 仮 に キャピタル ゲインを 事 業 所 得 あるいは 雑 所 得 と 区 分 して 平 準 化 措 置 が 適 用 できない 場 合 には 結 果 として 納 税 者 に 不 合 理 な 税 負 担 を 強 いることになり 所 得 分 類 を 導 入 した 趣 旨 に 反 すると 思 われ る 占 部 教 授 が 二 重 利 得 法 の 問 題 点 として 指 摘 されるとおり おおむね10 年 という 期 間 についても 長 期 譲 渡 所 得 の2 分 の1 課 税 という 平 準 化 措 置 が 発 動 する5 年 とした 上 で 立 法 によって 明 確 にすべきことが 望 ましい と 考 える しかし 二 重 利 得 法 が 解 釈 上 認 められないとして 挙 げられた 反 証 例 について 検 討 すると その 反 証 例 をもって 解 釈 上 二 重 利 得 法 が 適 用 できないとはいいがたいと 思 われる まず 山 林 所 得 の 例 にあっては 二 重 利 得 法 の 適 用 の 対 象 にしようとしているのは 譲 渡 した 資 産 は 一 つで あるが 実 現 した 所 得 の 中 に 複 数 の 所 得 の 性 質 が 混 在 している 場 合 である から 前 提 が 異 なると 思 われる また いわゆる10 年 退 職 金 事 件 の 例 にあ っては 退 職 所 得 の 基 因 となる 退 職 すなわち 勤 務 関 係 の 終 了 という 事 実 が 存 在 せず そもそも 退 職 所 得 という 性 質 の 所 得 が 存 在 しないのであ るから 二 重 利 得 法 の 適 用 の 問 題 とはならないと 思 われる したがって 二 重 利 得 法 の 適 用 を 立 法 によって 明 確 化 すべきことは 望 ま れるが 現 行 所 得 税 法 の 解 釈 上 二 重 利 得 法 の 適 用 が 全 く 認 める 余 地 がな いとは 思 われない むしろ 二 重 利 得 法 を 適 用 することによって 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 が 実 現 できることから 解 釈 上 も 容 認 できると 考 える また 山 田 二 郎 弁 護 士 は 借 地 権 設 定 に 際 して 収 受 される 権 利 金 収 入 を

23 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 ) 譲 渡 所 得 であるとした 最 高 裁 昭 和 45 年 判 決 の 検 討 の 中 で 課 税 標 準 に 関 する 規 定 でも 所 得 分 類 に 関 する 規 定 は その 担 税 力 に 着 目 して 区 分 しているものであるので この 立 法 趣 旨 に 照 らすと 経 済 的 実 質 に 即 して 解 釈 適 用 するのがかえって 合 理 的 な 解 釈 といえるのではないかと 考 え る 65) と 述 べておられる 租 税 法 の 解 釈 にあたっては 租 税 法 律 主 義 の 当 然 の 帰 結 として 条 文 の 厳 格 な 解 釈 が 要 請 されるのであるが 所 得 の 分 類 に おいては 特 に 経 済 的 実 質 に 即 して 解 釈 適 用 が 許 される 合 理 的 余 地 があると される 山 田 弁 護 士 は 二 重 利 得 法 の 適 用 について 直 接 述 べられているわけ ではないが この 考 え 方 は 所 得 の 分 類 において 二 重 利 得 法 を 解 釈 上 適 用 す ることが 許 される 根 拠 となりうるものと 考 える 以 上 のとおり 二 重 利 得 法 を 適 用 することによって 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 が 実 現 できるという 観 点 から 現 行 所 得 税 法 において 解 釈 上 その 適 用 が 許 されるものと 考 える 第 2 節 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 とその 拡 張 1 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 これまでみてきた 事 例 はいずれも 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 である そし て この 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 適 用 が 認 められる 場 合 の 要 件 を 列 挙 して みると 次 の5つの 要 件 を 満 たしていることがわかる ( 要 件 1) 一 の 資 産 の 譲 渡 益 に 譲 渡 所 得 と 区 分 すべき 増 加 益 と 事 業 所 得 または 雑 所 得 と 区 分 すべき 利 益 が 混 在 していること ( 要 件 2) 一 の 資 産 の 譲 渡 益 に 平 準 化 措 置 を 要 する 長 期 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 の 増 加 益 が 含 まれていること ( 要 件 3) 所 得 区 分 の 変 更 事 由 によって 所 得 が 実 現 していないこと ( 要 件 4) 最 終 的 に 資 産 の 譲 渡 により 所 得 が 実 現 したこと ( 要 件 5) 資 産 の 譲 渡 の 時 点 では 事 業 所 得 または 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 譲 渡 したこと

24 110 裁 判 例 はいずれも 全 体 で 譲 渡 益 が 生 じており なおかつ 区 分 された 譲 渡 所 得 と 事 業 所 得 または 雑 所 得 いずれにも 所 得 金 額 が 算 出 されるものであ る これをプラス プラス 型 と 呼 ぶことにする 2 譲 渡 損 失 が 生 じる 場 合 への 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 拡 張 二 重 利 得 法 の 適 用 によって 譲 渡 所 得 と 事 業 所 得 または 雑 所 得 に 区 分 した 場 合 上 記 1のようなプラス プラス 型 のほかに 一 方 の 所 得 あるいはい ずれの 所 得 にも 損 失 が 生 じる 場 合 がある とりわけ 譲 渡 所 得 と 雑 所 得 に 区 分 され 雑 所 得 に 損 失 が 生 じる 場 合 には その 雑 所 得 に 係 る 損 失 は 他 の 所 得 と 損 益 通 算 することができないため 二 重 利 得 法 を 適 用 した 結 果 納 税 者 に 返 って 不 利 な 結 果 をもたらす 可 能 性 がある 以 下 では 譲 渡 所 得 と 雑 所 得 に 区 分 される 場 合 を 念 頭 に 置 き どのような 場 合 に 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 納 税 者 に 不 利 な 結 果 をもたらすのか その 場 合 であっても 二 重 利 得 法 を 適 用 すべきかについて プラス プラス 型 の 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 を 出 発 点 として 類 型 別 に 検 討 する 1 プラス プラス 型 とは 反 対 に 全 体 で 損 失 が 生 じており なおかつ 譲 渡 所 得 雑 所 得 いずれにも 損 失 が 算 出 される 場 合 をマイナス マイナス 型 と いうことにする 譲 渡 所 得 は 所 有 者 の 意 思 によらない 外 部 的 条 件 の 変 化 に 起 因 する 資 産 価 値 の 増 加 であるから 需 給 バランスによって 資 産 価 値 が 減 少 し 譲 渡 損 失 が 生 じることも 当 然 ある そして 造 成 等 によって 土 地 の 価 格 が 下 落 する ことは 通 常 考 えにくいが あえてここでは 造 成 等 が 土 地 の 価 格 に 影 響 を 与 えず 土 地 の 価 格 が 下 落 した 場 合 を 考 えておく このような 場 合 には 譲 渡 所 得 および 雑 所 得 双 方 において 損 失 が 生 じることになる しかし 利 益 と 損 失 は 表 裏 の 関 係 にあるから 損 失 が 生 じることをもって 二 重 利 得 法 の 適 用 が 否 定 される 理 由 はないものと 思 われる

25 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 111 雑 所 得 に 係 る 損 失 について 他 の 所 得 との 損 益 通 算 を 認 めていない 所 得 税 法 においては このマイナス マイナス 型 の 場 合 に 二 重 利 得 法 を 適 用 する 実 益 が 明 確 に 現 れる すなわち 所 得 区 分 が 資 産 を 譲 渡 した 時 の 態 様 に 応 じて 一 義 的 に 決 定 されるならば すべて 雑 所 得 に 係 る 損 失 とされ その 損 失 は 全 く 他 の 所 得 と 損 益 通 算 をすることができない 結 果 となる しかし 二 重 利 得 法 を 適 用 し 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 と 雑 所 得 に 係 る 損 失 に 区 分 する ことで 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 については 他 の 所 得 と 損 益 通 算 が 可 能 とな る 66)67) ことから まさに 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 の 実 現 という 観 点 からは 望 ましい したがって マイナス マイナス 型 についても 二 重 利 得 法 を 適 用 することは 可 能 であるし むしろ 二 重 利 得 法 を 適 用 しない 方 が 不 合 理 な 結 果 をもたらすことになる 以 上 のことから 上 記 の 要 件 1から 要 件 4のうち 所 得 や 増 加 益 を 損 失 譲 渡 損 失 に 置 き 換 えても 二 重 利 得 法 は 適 用 できると 考 え る 2 含 み 損 が 生 じている 土 地 を 造 成 した 場 合 には 造 成 後 の 土 地 の 価 格 は 上 昇 するのが 通 常 であろう このような 土 地 を 譲 渡 した 場 合 に 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 譲 渡 所 得 には 損 失 が 算 出 され 雑 所 得 には 利 益 が 算 出 され る これをマイナス プラス 型 と 呼 ぶことにする この 場 合 には 全 体 と して 損 失 が 生 じる 場 合 と 逆 に 利 益 が 生 じる 場 合 の 双 方 が 考 えられる 全 体 として 利 益 が 生 じる 場 合 には 二 重 利 得 法 を 適 用 したとしても 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 は 雑 所 得 の 金 額 を 上 回 らない つまり 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 は 雑 所 得 と 損 益 通 算 され 損 益 通 算 後 の 金 額 は 雑 所 得 の 金 額 であり 全 体 の 利 益 を 雑 所 得 とすることと 結 果 は 変 わらない 一 方 全 体 として 損 失 が 生 じる 場 合 二 重 利 得 法 を 適 用 しなければ 損 失 のすべてが 雑 所 得 に 係 る 損 失 とされて 他 の 所 得 との 損 益 通 算 ができないことになる しかしながら 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 が 雑 所 得 の 金 額 を 上 回 るこ

26 112 とから 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 は 雑 所 得 との 損 益 通 算 後 もなおも 他 の 所 得 と の 通 算 が 可 能 となる したがって この 場 合 においても 二 重 利 得 法 を 適 用 することは 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 の 実 現 という 観 点 から 望 ましい 3 最 後 に 含 み 益 が 生 じている 土 地 を 造 成 した 結 果 造 成 後 の 土 地 の 価 格 が 下 落 した 場 合 を 考 える このような 土 地 を 譲 渡 した 場 合 に 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 譲 渡 所 得 には 譲 渡 益 が 算 出 され 雑 所 得 には 損 失 が 算 出 され ることになる これをプラス マイナス 型 と 呼 ぶ この 場 合 もマイナス プラス 型 と 同 様 全 体 として 利 益 が 生 じる 場 合 と 損 失 が 生 じる 場 合 があ る いずれの 場 合 にも 資 産 の 譲 渡 時 点 の 資 産 の 態 様 によってすべての 利 益 または 損 失 を 雑 所 得 とする 取 扱 いと 比 較 すると 二 重 利 得 法 を 適 用 した 場 合 納 税 者 に 不 利 な 結 果 を 招 く 可 能 性 がある 二 重 利 得 法 を 適 用 しなければ すべて 雑 所 得 と 区 分 されるのであるか ら 増 加 益 部 分 に 譲 渡 所 得 としての 平 準 化 措 置 が 適 用 できないのは いず れの 場 合 も 同 じである さらに 全 体 として 利 益 が 生 じる 場 合 例 えば 全 体 として 雑 所 得 200の 所 得 が 算 出 される 場 合 において 二 重 利 得 法 を 適 用 すれば 譲 渡 所 得 500 雑 所 得 300に 区 分 できる 場 合 には 雑 所 得 300 が 譲 渡 所 得 と 損 益 通 算 ができずに 譲 渡 所 得 500のみが 課 税 対 象 となり 納 税 者 に 不 利 な 結 果 をもたらすことになる しかし 私 見 においては こ のような 場 合 でも 二 重 利 得 法 を 適 用 すべきであると 考 える なぜならば 二 重 利 得 法 を 適 用 せず 算 出 される 雑 所 得 200は 譲 渡 所 得 500から 雑 所 得 300を 控 除 したものにほかならず その200の 利 益 は 資 産 の 増 加 益 に 相 当 す るものであって 雑 所 得 の 性 質 を 有 するものではない したがって 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 という 観 点 からは たとえ 二 重 利 得 法 を 適 用 して 納 税 者 に 不 利 な 結 果 を 招 くとしても 二 重 利 得 法 を 適 用 すべきであると 考 える また 全 体 として 損 失 が 生 じる 場 合 例 えば 全 体 として 雑 所 得 200の 損 失 が 算 出 される 場 合 において 二 重 利 得 法 を 適 用 すれば 譲 渡 所 得 500

27 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 113 雑 所 得 700に 区 分 できる 場 合 には 雑 所 得 に 係 る 損 失 700が 譲 渡 所 得 や 他 の 所 得 と 損 益 通 算 ができず 譲 渡 所 得 500のみが 課 税 対 象 となってしま い 納 税 者 に 不 利 な 結 果 となる したがって プラス マイナス 型 の 場 合 には 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 返 って 納 税 者 に 不 利 な 結 果 をもたらすこと になる しかし この 場 合 も 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 という 観 点 から マ イナス プラス 型 と 同 様 二 重 利 得 法 を 適 用 すべきと 考 える 第 3 節 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 への 二 重 利 得 法 の 拡 張 とその 要 件 1 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 への 二 重 利 得 法 の 拡 張 二 重 利 得 法 の 適 用 によって 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 が 実 現 できるのであ れば 二 重 利 得 法 が 適 用 できる 類 型 としては 土 地 造 成 型 に 限 られるはず はない 以 下 では 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 への 拡 張 と 限 界 について 検 討 す る 1 例 えば ( 例 1) 不 動 産 販 売 業 者 が 相 続 により 取 得 した 固 定 資 産 である 土 地 を 棚 卸 資 産 として 販 売 した 場 合 や( 例 2) 趣 味 で 収 集 していた 美 術 品 のコレクターがその 後 事 業 としてその 美 術 品 を 販 売 した 場 合 などが 想 定 さ れる いずれの 場 合 も 譲 渡 した 資 産 はその 譲 渡 の 時 点 では 棚 卸 資 産 であ るから 通 常 その 棚 卸 資 産 の 譲 渡 による 所 得 はすべて 事 業 所 得 に 区 分 さ れる 裁 判 例 の 中 には 美 術 品 を 継 続 的 に 売 買 していた 納 税 者 が 譲 渡 した 美 術 品 のうち 長 期 間 保 有 していた 美 術 品 について 予 備 的 主 張 として 所 得 税 基 本 通 達 33 5を 根 拠 に 二 重 利 得 法 の 適 用 を 求 めた 事 件 で 納 税 者 の 控 訴 を 68) 棄 却 したものがある この 事 件 で 東 京 高 裁 平 成 10 年 12 月 17 日 判 決 は 上 記 通 達 は 土 地 の 譲 渡 による 所 得 についてのものであることは 明 らかである とした 上 で 本 件 通 達 33 5に 依 拠 して 本 件 長 期 保 有 絵 画 の 売 却 による 所 得 のうち 継 続 的 な 譲 渡 を 開 始 した 時 期 までの 間 の 増 加 益 は 譲 渡 所 得 に 該

28 114 当 する 旨 の 控 訴 人 の 主 張 もまた 失 当 である とした 裁 判 所 は 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 の 場 合 について 二 重 利 得 法 の 適 用 を 消 極 的 に 考 えているよ うにもみえるが 本 件 はそもそも 販 売 目 的 であった 美 術 品 を 所 有 していた ものであって 所 得 区 分 が 変 更 された 場 合 について 直 接 判 断 したものでは ない したがって 裁 判 所 が 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 について 二 重 利 得 法 の 適 用 を 完 全 に 排 除 しているかは 不 明 である 所 得 税 基 本 通 達 では 自 己 が 育 成 した 山 林 を 伐 採 し 製 材 して 販 売 する 場 合 の 山 林 所 得 と 事 業 所 得 との 区 分 課 税 についても 規 定 している( 所 基 通 共 12)ことから 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 にも 一 の 資 産 の 譲 渡 により 生 ずる 所 得 を 複 数 の 所 得 に 区 分 して 課 税 することを 認 めている したがっ て 所 得 税 基 本 通 達 33 5は 二 重 利 得 法 が 適 用 できる 典 型 的 な 類 型 とし て 土 地 造 成 型 を 掲 げたものと 理 解 することができる 私 見 では 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 を 実 現 する 観 点 から 二 重 利 得 法 は 土 地 造 成 型 に 限 られるものではなく 上 記 例 1および 例 2のような 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 についても 適 用 することは 可 能 であるし 適 用 すべきと 考 える 2 さらに これまでの 例 とは 前 後 が 逆 で 資 産 の 譲 渡 時 点 ではすべての 所 得 が 譲 渡 所 得 に 区 分 される 場 合 であっても 棚 卸 資 産 または 準 棚 卸 資 産 が 固 定 資 産 に 転 化 している 場 合 がある 例 えば ( 例 3) 不 動 産 販 売 業 者 が 棚 卸 資 産 である 土 地 の 上 に 事 務 所 を 建 築 し 長 期 にわたって 利 用 した 後 に 譲 渡 した 場 合 や( 例 4) 不 動 産 販 売 業 者 であった 親 から 相 続 した 棚 卸 資 産 を 長 期 間 保 有 した 後 に 譲 渡 した 場 合 が 考 えられる この 場 合 においても 固 定 資 産 として 保 有 していた 期 間 に 対 応 する 増 加 益 のみを 譲 渡 所 得 とし その 他 を 事 業 所 得 または 雑 所 得 として 二 重 利 得 法 を 適 用 することが 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 であるということができる し かしながら 現 行 の 取 扱 いにおいては 譲 渡 した 時 点 で 譲 渡 した 資 産 が 固

29 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 115 定 資 産 であれば その 所 得 のすべてが 譲 渡 所 得 とされ 2 分 の1 課 税 の 平 準 化 措 置 が 適 用 されるため 二 重 利 得 法 を 適 用 すると 納 税 者 に 不 利 な 結 果 をもたらす 可 能 性 がある このように 納 税 者 に 不 利 な 結 果 をもたらす 場 合 について 金 子 宏 教 授 は 二 重 利 得 法 の 適 用 はそれを 納 税 者 の 不 利 益 に 変 更 することになるか ら 立 法 論 としてはともかく 解 釈 論 としては これらの 場 合 に 二 重 利 得 法 を 適 用 することはできない 69) とされる しかし 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 を 実 現 できるからこそ 二 重 利 得 法 を 適 用 したのであるから その 結 果 が 所 得 の 実 体 を 反 映 している 限 りにおいて 結 果 的 に 納 税 者 にとって 不 利 益 をもたらすとしても それがその 納 税 者 の 本 来 の 担 税 力 に 即 したもので あるとして 二 重 利 得 法 の 適 用 は 認 められるべきであると 考 える したがって 上 記 の 要 件 5は 緩 和 され 資 産 の 譲 渡 の 時 点 では 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 譲 渡 したこと を 追 加 することができる 2 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 前 節 2および 本 節 1で 見 たとおり 区 分 された 譲 渡 所 得 雑 所 得 等 に 損 失 が 生 じる 場 合 であっても あるいは 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 にも 二 重 利 得 法 を 拡 張 して 適 用 することができるものと 考 える それを 踏 まえた 上 で 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 の 要 件 を 拡 張 すれば 次 のとおりである な お このような 要 件 をおくことは 二 重 利 得 法 の 適 用 の 限 界 を 画 することに もなる ( 要 件 1 ) 一 の 資 産 の 譲 渡 益 ( 譲 渡 損 失 )に 譲 渡 所 得 とすべき 増 加 益 ( 損 失 )と 事 業 ないし 雑 所 得 とすべき 利 益 ( 損 失 )が 混 在 す ること ( 要 件 2 ) 一 の 資 産 の 譲 渡 益 ( 譲 渡 損 失 )に 平 準 化 措 置 を 要 する 長 期 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 の 増 加 益 ( 損 失 )が 含 まれているこ と

30 116 ( 要 件 3 ) 所 得 区 分 の 変 更 事 由 によって 所 得 ( 損 失 )が 実 現 していない こと ( 要 件 4 ) 最 終 的 に 資 産 の 譲 渡 により 所 得 ( 損 失 )が 実 現 したこと ( 要 件 5 ) 資 産 の 譲 渡 の 時 点 では 譲 渡 所 得 事 業 所 得 または 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 を 譲 渡 したこと 3 拡 張 後 二 重 利 得 法 の 適 用 の 意 義 土 地 造 成 型 二 重 利 得 法 を 拡 張 し 土 地 造 成 型 以 外 の 類 型 においても 二 重 利 得 法 を 適 用 することによって キャピタル ゲインやキャピタル ロス を 確 実 に 譲 渡 所 得 に 区 分 し 所 得 の 実 体 に 応 じた 課 税 が 実 現 できるものと 期 待 される また 納 税 者 に 有 利 となるように 雑 所 得 を 譲 渡 所 得 に 転 換 さ せて 税 負 担 の 軽 減 を 図 ろうとする 租 税 回 避 に 対 しての 防 止 効 果 も 期 待 でき ると 考 える このフレームワークを 利 用 して 第 1 章 第 3 節 で 設 定 した 倒 産 処 理 に 伴 う 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 の 課 税 問 題 について 次 章 で 検 討 してい く 第 4 章 倒 産 処 理 に 伴 う 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 譲 渡 損 失 の 課 税 上 の 問 題 第 1 節 倒 産 処 理 によるゴルフ 会 員 権 の 性 質 1 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 性 質 の 特 殊 性 まず 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 法 的 性 質 およびその 構 造 を 整 理 する 預 70) 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 法 的 性 質 について 最 高 裁 昭 和 50 年 7 月 25 日 判 決 を 参 考 にすれば 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 という 権 利 と 年 会 費 納 入 という 義 務 を 内 容 とする 契 約 上 の 地 位 であ り 譲 渡 性 があるとされる 71) つまり 会 員 がゴルフ 場 経 営 会 社 に 対 して

31 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 117 有 する 権 利 部 分 は 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 が 併 存 する 二 重 構 造 となっている 優 先 的 施 設 利 用 権 預 託 金 返 還 請 求 権 また 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 との 関 係 については 最 高 72) 裁 平 成 7 年 9 月 5 日 判 決 を 参 考 にすると 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 基 本 的 な 部 分 は 優 先 的 施 設 利 用 権 であり 優 先 的 施 設 利 用 権 が 存 続 する 限 り ゴルフ 会 員 権 は 契 約 関 係 に 基 づく 包 括 的 権 利 であるとされる しか し 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 した 場 合 には ゴルフ 会 員 権 は 包 括 的 な 権 利 として 存 続 することはできない その 後 は 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 によ って 個 々の 権 利 がバラバラになり 存 続 するのは 預 託 金 返 還 請 求 権 という 金 銭 債 権 のみということになる 73) 2 課 税 の 観 点 からみた 優 先 的 施 設 利 用 権 消 滅 後 のゴルフ 会 員 権 の 性 質 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 基 本 的 な 要 素 である 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 に よる 損 失 消 滅 後 の 資 産 について 課 税 上 どのように 取 り 扱 うべきかを 検 討 する 佐 藤 英 明 教 授 は 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 法 的 性 質 および 構 成 要 素 であ る 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 の 関 係 を 詳 細 に 分 析 され 確 定 的 に 施 設 の 利 用 が 事 実 上 不 可 能 になった 場 合 には 施 設 利 用 権 を 中 核 と する ゴルフ 会 員 権 は 預 託 金 返 還 請 求 権 等 に 性 格 が 変 化 し それに 応 じ て 課 税 関 係 が 決 定 されるべきものであると 考 えられる 74) とされる つま り 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 した 後 残 存 する 資 産 は 預 託 金 返 還 請 求 権 ( 預 託 金 債 権 )であるとされる そして このようなゴルフ 会 員 権 を 譲 渡 した

32 118 場 合 には 譲 渡 した 資 産 は 残 存 する 預 託 金 債 権 であり 預 託 金 債 権 は 金 銭 債 権 であるから 金 銭 債 権 に 関 わる 損 失 となる 無 利 子 の 場 合 にはこの 金 銭 債 権 は 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 にもあたらないので その 損 失 は 所 得 税 法 上 無 視 されることになる 75) とされる このような 議 論 を 推 すと 佐 藤 教 授 は 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 による 損 失 を 消 滅 時 に 家 事 上 の 損 失 と 捉 えられておられるものと 考 えられる 優 先 的 施 設 利 用 権 預 託 金 返 還 請 求 権 預 託 金 返 還 請 求 権 取 得 ゴルフ 会 員 権 金 銭 債 権 譲 渡 しかし この 佐 藤 教 授 の 説 に 対 しては ゴルフ 会 員 権 の 性 格 に 変 化 が 生 じたとしても 資 産 自 体 が 未 だ 残 存 するにもかかわらず なぜ 権 能 の 一 部 の 消 滅 に 係 る 損 失 あるいは 資 産 の 価 値 の 減 少 を 課 税 上 消 滅 時 に 実 現 したとすべきなのか さらに 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 までのゴルフ 会 員 権 の 価 値 の 減 少 による 損 失 は キャピタル ロスの 性 質 を 有 するもので あるにもかかわらず なぜ 家 事 上 の 損 失 へとその 性 質 が 変 化 してしまう のかが 疑 問 である 76) 次 に 武 田 昌 輔 教 授 は ゴルフクラブの 預 託 金 方 式 は プレー 権 と 預 託 金 の 合 体 したものであり 値 上 がり 又 は 値 下 がりしたのはプレー 権 で あるとする 考 え 方 の 下 では その 実 態 はプレー 権 の 値 上 がり 又 は 値 下 がり であり 譲 渡 損 益 はプレー 権 について 生 じたというのであれば 少 なくと もプレー 権 相 当 部 分 については 譲 渡 損 失 として 取 り 扱 うべきである 77) と して 預 託 金 返 還 請 求 権 ( 預 託 金 債 権 )と 優 先 的 施 設 利 用 権 とに 区 分 して それぞれの 損 益 をそれに 対 応 する 所 得 に 区 分 してはどうかということを 提

33 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 119 案 されている 優 先 的 施 設 利 用 権 預 託 金 返 還 請 求 権 取 得 譲 渡 しかし 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 上 記 1で 見 たように 契 約 関 係 に 基 づく 包 括 的 権 利 であり 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 債 権 を 分 離 することが できない 性 質 を 持 つものである 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 債 権 が 一 体 と なっているゴルフ 会 員 権 という 一 の 資 産 がキャピタル ゲインあるいはキ ャピタル ロスを 生 じさせると 捉 えて それが 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 するとして 譲 渡 所 得 に 区 分 しているのである にもかかわらず 武 田 教 授 の 説 によると 優 先 的 施 設 利 用 権 のみにおいてキャピタル ゲイン あるいはキャピタル ロスが 生 ずることを 前 提 とされておられる そもそ も 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 債 権 を 分 離 することができないとされる 一 の 資 産 について 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 債 権 を 分 離 して 課 税 関 係 を 考 え ておられると 思 われる キャピタルゲイン ロスを 取 り 出 して 譲 渡 所 得 に 区 分 すべきことは 指 摘 のとおりであるが 不 可 分 である 性 質 を 持 つ 一 の 資 産 を 課 税 上 分 離 するこ とは 第 3 章 で 考 察 したように 所 得 の 性 質 によって 所 得 を 区 分 しようとす る 二 重 利 得 法 とは 異 なるものである 以 下 ではこれらと 異 なる 私 見 を 述 べる 第 2 章 で 考 察 したとおり 実 現 主 義 を 採 る 現 行 の 所 得 税 法 においては 資 産 について 何 らかの 出 来 事 が 生 じた 場 合 その 出 来 事 が 課 税 のタイミングとしての 譲 渡 に 該 当 するか 否 かが 重 要 であった 資 産 にキャピタル ロスが 生 じている 場 合 についても 資 産 に 譲 渡

34 120 があった 時 点 でその 損 失 が 実 現 する 逆 に 対 価 を 得 ることなく 資 産 のす べてが 消 滅 してしまう 場 合 等 譲 渡 がなければ 永 久 にその 損 失 を 課 税 上 実 現 させる 機 会 を 失 うことになる しかし 何 らかの 出 来 事 が 生 じ ても 資 産 が 残 存 し 事 後 において 残 存 した 資 産 に 譲 渡 の 機 会 がある 場 合 には その 譲 渡 を 機 会 にその 損 失 を 実 現 させる 可 能 性 が 残 されているも のと 考 えられる それは その 残 存 した 資 産 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であろうと 事 業 所 得 または 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 であろうと 問 わない 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 優 先 的 施 設 利 用 権 と 預 託 金 返 還 請 求 権 を 内 容 とする 包 括 的 権 利 であると 解 されている したがって 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 した 場 合 には 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 一 部 の 権 能 が 消 滅 した にすぎないと 考 える それは いわば 権 能 の 一 部 が 毀 損 したゴルフ 会 員 権 であるといえる しかし その 残 存 する 資 産 つまり 預 託 金 返 還 請 求 権 ( 預 託 金 債 権 )の 実 質 は 金 銭 債 権 である 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 している 以 上 もはや 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 とはいえない そこで このような 資 産 については 未 だキャピタル ロスが 課 税 上 実 現 されてい ない 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 による 未 実 現 損 失 の 残 像 が 付 着 している 金 銭 債 権 であると 理 解 する なぜなら 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 するまでの 時 点 までは 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 としてキャピタル ロスが 発 生 していたことに 違 いないの であって 権 能 の 一 部 である 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 したからといって キャピタル ロスという 性 質 が 他 の 所 得 に 係 る 損 失 に 変 化 することはない はずである つまり 資 産 の 権 能 の 一 部 が 毀 損 しても 資 産 の 評 価 損 の 問 題 であると 考 えられるからである したがって その 損 失 は 資 産 を 譲 渡 す る 時 点 まで 事 後 に 繰 延 べておくことになるのである そこで 残 存 する 資 産 は 未 実 現 損 失 の 残 像 が 付 着 している 金 銭 債 権 であ るとする 自 説 を 前 提 として その 資 産 が 事 後 において 譲 渡 された 場 合 の 所 得 区 分 について 次 節 で 検 討 する

35 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 121 優 先 的 施 設 利 用 権 預 託 金 返 還 請 求 権 預 託 金 返 還 請 求 権 取 得 ゴルフ 会 員 権 金 銭 債 権 譲 渡 第 2 節 預 託 金 債 権 を 譲 渡 した 場 合 の 所 得 区 分 1 検 討 の 必 要 性 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 1 に 該 当 するかどうかを 検 討 するためには 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 した 後 残 存 する 預 託 金 債 権 を 譲 渡 した 場 合 の 所 得 区 分 について 検 討 しておく 必 要 がある つまり 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 後 の 資 産 である 預 託 金 債 権 が 事 業 所 得 または 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 かど うかである 本 論 文 では 給 与 所 得 者 が 所 有 するゴルフ 会 員 権 の 課 税 関 係 を 前 提 としているから 預 託 金 債 権 が 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 する か その 譲 渡 損 失 が 雑 所 得 に 係 る 損 失 になるかを 検 討 する 必 要 がある 預 託 金 債 権 は 一 般 に 利 子 等 の 定 めはなく 一 定 の 期 間 据 え 置 き 定 め られた 返 還 期 日 経 過 後 ゴルフ 場 経 営 会 社 に 対 して 預 託 金 の 返 還 請 求 が 可 能 となるものであるが 仮 に 預 託 金 債 権 が 通 常 の 無 利 息 債 権 であり そ の 預 託 金 債 権 の 譲 渡 損 失 が 家 事 上 の 損 失 とされるならば 上 記 要 件 1 を 具 備 しないことになるからである 2 預 託 金 債 権 の 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 該 当 性 課 税 実 務 においては 事 業 から 生 じたもの 以 外 の 金 銭 の 貸 付 けによる 所 得 は 雑 所 得 に 該 当 する( 所 得 税 基 本 通 達 35 2)とされることから その 金 銭 債 権 は 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 になる これに 対 して 無 利 息 債 権 は 一 般 に 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないとされている 78) と 思 わ

36 122 れる したがって このような 無 利 息 債 権 を 譲 渡 して 損 失 が 生 じても そ れは 家 事 上 の 損 失 であるとされる しかし 平 成 15 年 情 報 は 優 先 的 施 設 利 用 権 消 滅 後 の 預 託 金 債 権 という 金 銭 債 権 を 譲 渡 した 場 合 に 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 でないことを 理 由 に 損 益 通 算 の 対 象 にならないとしているのみで 損 益 通 算 の 対 象 とならな いとする 理 由 が それが 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 であり 雑 所 得 に 係 る 損 失 であるからか 家 事 上 の 損 失 であるからか 直 ちには 明 らかでない た だ 自 主 再 建 型 処 理 に 伴 って 預 託 金 債 権 が100% 切 り 捨 てられた 場 合 の 損 失 は 家 事 上 の 損 失 として 切 り 捨 てられ るとする 一 方 で 担 保 権 の 実 行 によって 競 売 が 行 われた 後 に 預 託 金 債 権 を 譲 渡 した 場 合 は 金 銭 債 権 の 譲 渡 となり その 譲 渡 による 損 失 の 金 額 は 損 益 通 算 の 対 象 とならない としてその 理 由 付 けを 区 別 している 仮 に 預 託 金 債 権 が 単 なる 無 利 息 金 銭 債 権 であるならば 家 事 上 の 損 失 であることを 理 由 にすればよいはずで あるから 課 税 庁 は 預 託 金 債 権 を 単 なる 無 利 息 債 権 と 考 えているわけでは ないように 思 われる 通 常 の 無 利 息 債 権 は 経 済 的 には 債 権 者 が 得 べかりし 利 息 相 当 額 を 放 棄 して 債 務 者 に 利 益 を 与 えるものである 79) しかし 預 託 金 債 権 は 単 に 会 員 がゴルフ 場 経 営 会 社 に 対 して 利 息 相 当 額 の 利 益 を 与 えるものではな い 一 般 に 会 員 はゴルフ 場 施 設 を 有 利 な 条 件 で 利 用 できるという 経 済 的 利 益 を 享 受 することになっている 会 員 が 経 済 的 利 益 を 享 受 しているかど うかは 会 員 が 実 際 にそのゴルフ 場 施 設 を 利 用 したかどうか また その 経 済 的 利 益 が 課 税 対 象 となるかどうかとは 関 係 なく 会 員 は 経 済 的 利 益 を 得 ているといえる これは 本 来 ならゴルフ 場 経 営 会 社 から 受 け 取 るべき 預 託 金 債 権 の 利 息 相 当 額 が ゴルフ 場 施 設 を 有 利 な 条 件 で 利 用 できるとい う 経 済 的 利 益 の 対 価 と 相 殺 されていると 考 えられる このように 会 員 は ゴルフ 場 経 営 会 社 に 利 息 相 当 額 の 利 益 を 与 えているのではないから 預 託 金 債 権 を 単 なる 無 利 息 債 権 と 考 えることは 妥 当 でない

37 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 123 むしろ 預 託 金 債 権 は 利 息 相 当 額 を 生 じさせる 金 銭 債 権 であり 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 すると 考 えるべきである そして その 預 託 金 債 権 を 譲 渡 した 場 合 に 損 失 が 生 じることになれば それは 雑 所 得 に 係 る 損 失 であるといえる したがって 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 1 を 具 備 する ことになる 第 3 節 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 預 託 金 の 収 受 と 損 失 の 実 現 1 損 失 実 現 のタイミング ある 出 来 事 によって 損 失 が 生 じた 場 合 に それが 課 税 上 考 慮 すべき タイミングであるか つまり 課 税 上 損 失 が 実 現 したといえるかが 問 題 と なる 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 や 預 託 金 の 収 受 によって それぞれの 時 点 において 損 失 が 実 現 したといえるのかについて 検 討 する 2 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 と 損 失 の 実 現 まず 倒 産 処 理 に 伴 って 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 し 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 性 質 が 金 銭 債 権 に 変 化 したことによって それまでに 生 じていたキ ャピタル ロスが 実 現 することになるかについて 検 討 する 平 成 15 年 情 報 では 民 事 再 生 法 等 による 再 生 計 画 等 により 預 託 金 債 権 の 一 部 が 切 り 捨 てられる 場 合 には 切 り 捨 てられた 損 失 の 金 額 は 所 得 金 額 の 計 算 上 控 除 しないとする 一 方 で 預 託 金 債 権 の 全 部 が 切 り 捨 てられた 場 合 には 優 先 的 施 設 利 用 権 が 存 続 していても その 損 失 は 家 事 上 の 損 失 とす る 80) としている これに 対 して 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 することになる 破 産 法 による 処 理 の 場 合 には 破 産 宣 告 と 同 時 に そのゴルフ 会 員 権 は 金 銭 債 権 である 配 当 請 求 権 に 転 換 したこととなるから とする ゴ ルフ 会 員 権 から 配 当 請 求 権 に 転 換 した という 記 述 からすれば 課 税 実 務 では 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 したからといって その 損 失 が 課 税 上 実 現 したとは 解 していないように 思 える

38 124 その 一 つの 根 拠 として 株 式 会 社 が 解 散 した 場 合 における 個 人 株 主 の 残 余 財 産 分 配 請 求 権 行 使 の 例 を 取 り 上 げる 株 式 会 社 が 解 散 し 残 余 財 産 の 分 配 として 交 付 を 受 けて 損 失 が 生 じた 場 合 残 余 財 産 分 配 請 求 権 の 行 使 は 譲 渡 ではないから 特 別 の 規 定 がない 場 合 にはその 損 失 は 所 得 金 額 の 計 算 上 考 慮 されない しかし 特 別 の 規 定 として 租 税 特 別 措 置 法 で 残 余 財 産 の 分 配 として 交 付 を 受 ける 金 銭 の 額 等 は 譲 渡 所 得 の 収 入 金 額 とみなさ れる( 租 税 特 別 措 置 法 37 条 の10 3 項 3 号 )とされている この 規 定 は 残 余 財 産 の 分 配 時 に 実 現 した 損 失 を 譲 渡 所 得 の 計 算 に 取 り 込 むものであっ て 解 散 による 議 決 権 や 利 益 配 当 請 求 権 の 消 滅 時 に 課 税 上 実 現 したとされ る 家 事 上 の 損 失 を 残 余 財 産 の 分 配 時 に 損 失 のタイミングを 復 活 させること までを 意 味 するものではないと 思 われる つまり 議 決 権 や 利 益 配 当 請 求 権 の 消 滅 による 損 失 は 課 税 上 その 消 滅 時 点 で 家 事 上 の 損 失 として 実 現 し ているわけではないといえる 以 上 の 個 人 株 主 の 残 余 財 産 分 配 請 求 権 行 使 の 例 と 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 場 合 をパラレルに 考 えると 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 の 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 した 時 に 生 じた 損 失 をその 消 滅 時 に 課 税 上 実 現 したと 考 える 必 要 は ない また 私 見 によっても 第 1 節 2で 述 べたように 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 による 損 失 は 資 産 の 評 価 損 の 問 題 であって その 消 滅 時 には 実 現 していないと 考 える したがって 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 3 を 具 備 しているといえる 3 預 託 金 の 収 受 と 損 失 の 実 現 次 に 納 税 者 が 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 後 に 残 存 する 預 託 金 返 還 請 求 権 に 基 づいて 預 託 金 を 収 受 した 場 合 の 課 税 関 係 について 検 討 する すなわ ち 債 務 者 であるゴルフ 場 経 営 会 社 から 預 託 金 債 権 を 回 収 する 場 合 におい ても その 回 収 行 為 が 同 様 に 課 税 のタイミングとなる 譲 渡 (= 実 現 ) に 該 当 する 余 地 はないかを 検 討 する

39 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 125 この 問 題 を 検 討 するに 当 たり 退 会 手 続 を 行 った 後 に 預 託 金 債 権 の 回 収 を 行 った 場 合 の 裁 判 例 について 考 察 する 国 税 庁 は 納 税 者 が 自 発 的 に 退 会 手 続 を 行 った 場 合 には 退 会 手 続 によ り 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 し 残 存 する 資 産 は 預 託 金 返 還 請 求 権 ( 金 銭 債 権 )であるとした 上 で 預 託 金 返 還 請 求 権 の 行 使 は 譲 渡 ではないこと を 理 由 に 損 益 通 算 を 認 めていない 81) 82) 名 古 屋 地 裁 平 成 17 年 7 月 27 日 判 決 も 上 記 の 取 扱 いと 同 様 で ゴルフ クラブを 退 会 することによって ゴルフ 会 員 権 の 内 容 のうち 預 託 金 返 還 請 求 権 を 除 く 権 利 義 務 が 消 滅 するとの 理 解 を 前 提 としており したがって ゴルフクラブからの 退 会 に 伴 って 預 託 金 返 還 請 求 権 を 行 使 することは ゴ ルフ 場 経 営 会 社 に 対 する 金 銭 債 権 の 行 使 にほかならない として 預 託 金 返 還 請 求 権 の 行 使 は 資 産 の 譲 渡 には 当 たらない 83) とした これに 対 して 学 説 は この 判 決 に 否 定 的 である 金 子 宏 教 授 は ゴル フクラブからの 退 会 は 会 員 権 の 譲 渡 にあたり 退 会 に 伴 って 返 還 される 預 託 金 は 会 員 権 の 譲 渡 の 対 価 として 譲 渡 所 得 の 収 入 金 額 にあたると 解 す べきであろう 返 還 される 預 託 金 が 会 員 権 の 取 得 に 要 した 金 額 を 下 回 る 場 合 には 投 下 資 本 の 回 収 に 不 足 する 金 額 として 譲 渡 損 にあたると 解 すべき であろう 84) とされる また 増 田 英 敏 教 授 も 退 会 手 続 の 前 後 で 会 員 権 の 中 身 が 変 容 するかという 問 題 であるが 結 論 は 変 容 はあり 得 ないと 言 えよう なぜならば 退 会 は ゴルフクラブから 直 接 取 得 した 経 路 の 逆 をたどる 行 為 であり 入 会 と 退 会 は 表 裏 の 関 係 にあるからであ る 手 続 的 側 面 からは 譲 渡 手 続 と 退 会 手 続 は 異 なるが 退 会 は 実 質 的 には 譲 渡 の 一 形 態 といえる 85) として 金 子 教 授 の 見 解 を 支 持 されてい る 私 見 によれば 退 会 手 続 によって 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 したものと 解 したとしても 第 1 節 で 検 討 したとおり それは 包 括 的 権 利 であるゴルフ 会 員 権 の 権 能 の 一 部 が 毀 損 したものにすぎないと 考 えるから 名 古 屋 地 裁

40 126 判 決 のように 退 会 手 続 に 伴 う 預 託 金 の 収 受 を 預 託 金 返 還 請 求 権 の 行 使 であ るとして 所 得 計 算 の 外 に 置 くのは 妥 当 ではない 金 子 教 授 の 見 解 は 上 記 の 記 述 だけでは 伺 いしれないが おそらく 退 会 手 続 が 行 われても なお ゴルフ 会 員 権 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であると 考 えられておられるの ではないかと 推 測 する また 増 田 教 授 も 同 様 に 解 し 退 会 手 続 の 前 後 で 会 員 権 の 中 身 が 変 容 しないとされているのであろう その 上 で 退 会 手 続 後 においてもゴルフ 会 員 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であるとして 名 古 屋 地 裁 判 決 とは 異 なる 見 解 を 示 されているのであろう しかしながら 退 会 手 続 によってもはやゴルフ 場 施 設 を 優 先 的 に 利 用 できない 状 況 を 無 視 して 退 会 手 続 の 前 後 はその 中 身 に 変 容 がないとまで 言 えるのかは 疑 問 で ある つまり ゴルフ 会 員 権 の 所 有 者 は 退 会 手 続 により 優 先 的 施 設 利 用 権 を 行 使 しえず 残 存 する 権 利 は 預 託 金 返 還 請 求 権 ( 預 託 金 債 権 )のみであ る したがって 預 託 金 債 権 が 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 に 該 当 しないと する 私 見 によると 必 ずしも 金 子 教 授 や 増 田 教 授 の 説 をそのまま 支 持 する ことはできない しかし ここで 注 目 したいのは 金 子 教 授 や 増 田 教 授 が 預 託 金 の 収 受 を 資 本 の 回 収 として 特 に 増 田 教 授 によれば 明 確 にこれ を 譲 渡 と 位 置 づけていることである また 退 会 手 続 による 預 託 金 の 返 還 は 金 銭 債 権 の 回 収 行 為 であるが 私 見 によれば 第 2 章 第 3 節 3で 検 討 したとおり それは 損 失 を 実 現 させる タイミングとしての 譲 渡 (= 実 現 ) と 解 する 余 地 があるということで ある 退 会 による 預 託 金 返 還 請 求 権 の 行 使 は 預 託 金 債 権 を 消 滅 させてゴルフ 場 経 営 会 社 から 債 権 金 額 を 回 収 するものである これも 資 産 の 消 滅 として 課 税 のタイミングである 譲 渡 と 解 すれば それは 退 会 を 原 因 とするも のだけに 限 る 必 要 はない 倒 産 処 理 に 従 って 預 託 金 返 還 請 求 権 を 行 使 し 預 託 金 を 収 受 した 場 合 においても 同 様 に 預 託 金 債 権 が 消 滅 し 対 価 とし て 預 託 金 を 収 受 するものである つまり 預 託 金 返 還 請 求 権 に 基 づく 預 託

41 所 得 区 分 の 変 更 を 伴 った 譲 渡 損 失 に 関 する 課 税 問 題 127 金 の 収 受 という 態 様 も 譲 渡 に 該 当 すると 考 えられ その 時 点 で 損 失 が 実 現 したといえる したがって 拡 張 後 の 要 件 5 も 充 足 する 第 4 節 事 例 に 関 する 課 税 関 係 と 租 税 回 避 への 対 処 1 事 例 に 関 する 課 税 関 係 課 税 実 務 では 倒 産 処 理 に 伴 って 預 託 金 の 返 還 を 受 けたことによる 損 失 は 金 銭 債 権 の 行 使 による 損 失 とされるであろう しかしながら これまでの 考 察 の 結 果 ゴルフ 場 の 優 先 的 施 設 利 用 権 の 消 滅 時 には 損 失 は 課 税 上 実 現 せず その 後 の 預 託 金 の 収 受 によって 損 失 が 実 現 したと 考 えられる したがって 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 3 を 充 足 する 預 託 金 の 収 受 は 資 産 の 譲 渡 であり そして それは 損 失 を 実 現 で きる 最 後 の 機 会 でもあるから 要 件 4 を 充 足 したことになる また 預 託 金 債 権 は 雑 所 得 の 基 因 となる 資 産 であるから 要 件 5 も 充 足 する さ らに 優 先 的 施 設 利 用 権 が 消 滅 する 以 前 の 預 託 金 制 ゴルフ 会 員 権 は 譲 渡 所 得 の 基 因 となる 資 産 であるから 要 件 2 要 件 1 を 具 備 することは 明 らか である 以 上 のように 拡 張 後 の 二 重 利 得 法 の 要 件 のすべてを 具 備 していること になるから 二 重 利 得 法 を 適 用 することができると 考 える 具 体 的 には 最 終 的 に 預 託 金 を 収 受 した 時 点 において 実 現 した 損 失 は 全 体 で2,700 万 円 (300 万 円 3,000 万 円 )であるが そのうち 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 は 86) 倒 産 の 直 前 の 時 価 とゴルフ 会 員 権 の 取 得 費 との 差 額 である2,600 万 円 (400 万 円 3,000 万 円 )であり 雑 所 得 に 係 る 損 失 は 預 託 金 債 権 の 譲 渡 価 額 と 倒 産 の 直 前 の 時 価 との 差 額 である100 万 円 (300 万 円 400 万 円 )で ある そして 譲 渡 所 得 に 係 る 損 失 は 給 与 所 得 との 損 益 通 算 が 可 能 であ る ここで 注 意 しておきたいことは 二 重 利 得 法 の 適 用 によって 所 得 の 性 質 に 応 じた 損 失 を2つに 区 分 していることである つまり 包 括 的 権 利

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