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1 卒 業 実 験 報 告 書 (2008 年 度 ) 学 籍 番 号 PC 氏 名 岩 舘 怜 子 研 究 テーマ 時 計 遺 伝 子 が 制 御 する 脂 質 代 謝 研 究 概 要 地 球 上 の 生 命 は 地 球 の 公 転 や 自 転 などにより 周 期 的 に 変 動 する 外 部 環 境 に 適 応 するため 体 内 に 生 物 時 計 を 有 している 外 部 環 境 の 周 期 に 応 じて 様 々な 周 期 の 時 計 が 存 在 するが 中 でも 睡 眠 覚 醒 リズムや 血 圧 心 拍 数 の 日 内 変 動 などに 関 わる 概 日 リズムについて 現 在 盛 んに 研 究 が 行 われて いる そのような 研 究 の 結 果 生 物 時 計 を 形 成 する 時 計 遺 伝 子 は 細 胞 の 分 化 や 脂 質 代 謝 も 調 節 して いることが 明 らかになってきた 悪 性 新 生 物 や 生 活 習 慣 病 で 亡 くなる 人 の 増 加 は 24 時 間 昼 夜 の 別 なく 活 動 するようになった 人 々の 生 活 と 関 係 している 可 能 性 がある 生 活 習 慣 病 患 者 とその 治 療 に 伴 う 医 療 費 の 増 加 は 現 在 の 日 本 が 直 面 している 大 きな 問 題 の 一 つであること 生 活 習 慣 病 の 一 つ である 脂 質 異 常 症 は 脂 質 代 謝 制 御 の 破 綻 により 生 じることから 時 計 遺 伝 子 が 制 御 する 脂 質 代 謝 に ついて 今 回 の 卒 業 論 文 で 報 告 する 時 計 遺 伝 子 がコードするタンパク 質 は 遺 伝 子 の 発 現 を 制 御 する 転 写 因 子 として 機 能 する そし て 時 計 遺 伝 子 が 互 いに 発 現 制 御 することで 遺 伝 子 群 全 体 として 約 24 時 間 の 発 現 周 期 を 形 成 して いる 時 計 遺 伝 子 には 分 子 時 計 の 核 を 形 成 する Bmal1 clock per cry や これらのリズムを 受 けて 発 現 調 節 される rev-erbαなどが 知 られており このうち BMAL1/CLOCK 複 合 体 は 促 進 性 の 転 写 因 子 として REV-ERBαは 抑 制 性 の 転 写 因 子 として 脂 質 代 謝 や 脂 肪 細 胞 分 化 にも 関 与 している 脂 肪 酸 (FAA)とコレステロール(Chol)の 合 成 酵 素 の 多 くは 転 写 因 子 SREBP によって 発 現 制 御 さ れている サブタイプ SREBP-1a は FAA および Chol の 両 合 成 系 に 関 与 するが この 転 写 因 子 が BMAL1/CLOCK により 発 現 調 節 されることが 明 らかになった また FAA を 細 胞 内 で 利 用 するた めリポタンパク 質 から 取 り 込 む 機 構 に REV-ERBαが 関 与 することも 明 らかになった リポタンパ ク 質 から FAA を 遊 離 させる 酵 素 はリポタンパク 質 リパーゼ(LPL)であり LPL はアポリポタンパ ク 質 C-Ⅲ(apoC-III)により 活 性 が 抑 制 される REV-ERBα 欠 損 マウスは apoc-iii の 増 加 とそれに 伴 う TG の 増 加 が 観 察 されるが これを 説 明 するものとして REV-ERBαによる apoc-iii の 転 写 抑 制 が 示 された また 脂 肪 細 胞 の 分 化 を 制 御 する 転 写 因 子 として PPARγや C/EBP が 知 られている が このうち PPARγは REV-ERBαの 発 現 も 活 性 化 することが 近 年 明 らかになった REV-ERBαの 発 現 が 脂 肪 細 胞 の 分 化 に 伴 い 増 加 することは 約 15 年 も 前 に 知 られていたが REV-ERBαが PPARγ によって 発 現 調 節 されることから PPARγによる 脂 肪 細 胞 分 化 誘 導 は REV-ERBαの 発 現 調 節 を 介 して 行 われている 可 能 性 がある しかし REV-ERBαの 下 流 でどのような 調 節 機 構 が 働 いているの かは 現 在 のところ 明 らかでない このように 時 計 遺 伝 子 と 脂 質 代 謝 の 関 連 は 徐 々に 明 らかにされてきているが それらは 細 胞 レベル の 話 であり 個 体 レベルにどの 程 度 反 映 されるかは 不 明 である また 脂 質 代 謝 と 時 計 遺 伝 子 の 関 与 の 全 体 像 も 今 は 明 らかにされていない しかし 部 分 的 ではあるものの 時 計 遺 伝 子 と 脂 質 代 謝 が 関 係 することは 明 らかであることから 今 後 研 究 が 進 み 時 計 遺 伝 子 が 調 節 する 分 子 機 構 が 明 らかに されるとともに リズム 異 常 と 生 活 習 慣 病 の 関 連 が 広 く 一 般 に 周 知 され 生 活 習 慣 病 予 防 の 一 手 段 として 活 かされることを 期 待 する

2 卒 業 実 験 報 告 書 (2008 年 度 ) 学 籍 番 号 PC 氏 名 黒 川 愛 研 究 テーマ 胆 汁 酸 の 新 しい 生 理 作 用 研 究 概 要 胆 汁 酸 は 胆 汁 の 主 な 構 成 物 質 であり 脂 肪 の 消 化 吸 収 を 助 長 する 物 質 である 事 は 誰 もが 中 学 生 の 理 科 の 授 業 で 学 習 する しかし 最 近 の 研 究 で 胆 汁 酸 は 脂 肪 の 消 化 吸 収 の 補 助 やコレス テロールの 排 泄 だけではなく トリグリセリドやエネルギー グルコースの 恒 常 性 の 維 持 など 様 々な 代 謝 に 重 要 な 役 目 を 果 たしている 事 が 明 らかとなっている 胆 汁 酸 は 主 に 一 次 胆 汁 酸 (コール 酸 ケノデオキシコール 酸 )と 二 次 胆 汁 酸 (デオキシコール 酸 リトコール 酸 )に 分 類 する 事 ができる 一 次 胆 汁 酸 が 腸 内 細 菌 で 酸 化 されると 二 次 胆 汁 酸 となります 胆 汁 酸 は 肝 臓 でコレステロールから CYP 類 に 酸 化 される 事 によって 生 成 する 肝 臓 で 生 成 された 胆 汁 酸 は 胆 管 を 経 て 十 二 指 腸 に 分 泌 される 一 日 の 排 泄 量 は 合 成 される 量 とほぼ 同 じで あり 一 日 0.2g~0.4gである 胆 汁 酸 は 胆 管 や 上 部 小 腸 ではミセルが 大 きくまた 極 性 が 高 いので 吸 収 されず 下 方 に 行 くにしたがい リパーゼによる 消 化 と 脂 肪 の 吸 収 を 得 て 回 腸 末 端 に 至 ると 約 94%が 能 動 的 に 再 吸 収 される 胆 汁 酸 の 主 な 生 理 作 用 は 脂 肪 や 脂 溶 性 ビタミンの 消 化 吸 収 の 促 進 である 胆 汁 酸 やその 塩 基 は 界 面 活 性 が 高 くミセルを 形 成 することで 親 水 性 が 高 めリン 脂 質 やモノグリセルドと 共 に 脂 肪 を 乳 化 し リパーゼの 作 用 を 受 けやすくしている しかし 今 回 私 が 注 目 したのは 最 近 胆 汁 酸 の 新 たな 生 理 作 用 といわれている 内 分 泌 に おける 伝 達 物 質 としての 作 用 である 胆 汁 酸 はGタンパク 質 共 役 受 容 体 であるTGR5や 核 内 受 容 体 であるFXRのリガンドと して 働 き TGやコレステロール エネルギー グルコースなどさまざまな 物 質 の 恒 常 性 の 維 持 に 関 与 している 今 回 はその 中 でも エネルギーの 恒 常 性 と 胆 汁 酸 のリガンドとしての 役 わ りについて 調 べた 分 泌 された 胆 汁 酸 は 門 脈 に 再 吸 収 され 一 部 が 甲 状 腺 の 褐 色 脂 肪 細 胞 に 存 在 するTGR5 に 結 合 する 胆 汁 酸 によって 活 性 化 されたTGR5はMAPKカスケードを 活 性 化 しD2を 活 性 化 し T4からT3への 反 応 を 促 進 し 結 果 としてエネルギーの 消 費 を 促 進 する (D2:ヨー ドチロニン 脱 ヨウ 素 酵 素 チロキシンのヨウ 素 の 一 つ 脱 ヨウ 素 化 することで トリヨウドチロ シンへの 変 換 を 促 進 する ヒトの 体 内 ではチロキシンがトリヨウドチロニンに 活 性 化 される 事 でエネルギー 消 費 が 進 む ) この 胆 汁 酸 のエネルギーの 代 謝 への 関 与 がD2 誘 導 によるものであるかがD2 正 常 マウス と 欠 損 マウスを 用 いて 胆 汁 酸 を 摂 取 した 場 合 と 摂 取 していない 場 合 で 比 較 した 実 験 が 行 われ その 関 与 も 明 らかとなっている 現 在 胆 汁 酸 の 伝 達 物 質 としての 作 用 における 分 野 に 注 目 が 集 まり この 分 野 を 標 的 とした 薬 の 研 究 が 進 んでおり 生 活 習 慣 病 の 新 たな 薬 の 開 発 が 期 待 されている

3 卒業実験報告書 2008 年度 学籍番号 PC 所属講座 衛生化学講座 研究テーマ 氏 名 渡邉 晃大 GABA とてんかん治療 研究概要 GABA は脳内において 抑制性の神経伝達物質として重要な役割を果たしおり 様々な中枢神経系の疾患 に関与すると考えられている 中でも てんかんの病態には GABA の働きが深く関わるとされ GABA の 受容体や分解酵素を作用点とする抗てんかん薬が臨床で多く用いられている 古くから用いられている代表的な抗てんかん薬であるフェノバルビタールは GABA 受容体サブタイプの うち Cl-イオンチャネル複合体構造をもつ GABAA 受容体のバルビツール酸結合部位に結合し Cl-イオンの細 胞内への流入を増加させ 脳内神経系の過剰興奮を抑制することで 小発作以外のてんかん発作を抑制する フェノバルビタールと類似の構造をもつフェニトイン GABAA 受容体に間接的に作用するカルバマゼピンも 同様に 小発作以外のてんかん発作に用いられる また バルプロ酸は GABA の分解酵素である GABA ト ランスアミナーゼを阻害し脳内での GABA の量を増やすことで 全ての型の発作を抑制する 現在臨床では これらの薬物のうち てんかんの型や個々の薬剤感受性に合わせ いずれかの薬剤を単剤で 予防的に長期間 経口投与する方法が主流となっている その有効性が広く認識されている現在のてんかんの薬物療法であるが ほとんどの抗てんかん薬にあらわれ る眠気やめまいといった副作用 薬剤抵抗性の難治性てんかんの存在など 問題は多く残っている 前述の通り GABA とてんかんの関係は深く GABA の受容体や 詳細な作用メカニズムの解明が 副作 用や難治性てんかんといった問題を解決する糸口になる可能性が考えられる たとえば GABAA 受容体のサ ブユニット構造に特異的に作用する化合物を見出せれば 目的の作用のみを発現し 副作用の少ない薬物の開 発につながると考えられる また 今までの抗てんかん薬とは異なる作用点をもつ新たな薬剤として ガバペ ンチン GABAB 受容体作動薬 バクロフェンの構造類似化合 物 が難治性てんかんの治療 薬として注目されている 今後 GABA の研究が進ん でいくことで 新たな医薬品 の創製 より良い治療法が確 立され てんかんの薬物治療 がさらにリスクが少なく 有 効性の高いものになることが 期待できる 図 抗てんかん薬の作用点 これ ならわかる薬理学/MEDSI より 抜粋

4 卒 業 実 験 報 告 書 (2008 年 度 ) 学 籍 番 号 PC 氏 名 根 本 恵 理 子 研 究 テーマ セロトニン 研 究 概 要 セロトニンは 神 経 伝 達 物 質 であり 体 中 に 広 く 分 布 している そのほとんどは 腸 管 のクロム 親 和 性 細 胞 で 合 成 されるが 中 枢 神 経 系 でもつくられており 神 経 を 刺 激 したり 抑 制 したりすることで 様 々な 作 用 を 発 現 する セロトニンの 合 成 は トリプトファンヒドロキシラーゼがトリプトファン を 水 酸 化 し できた5-ヒドロキシトリプトファンを 芳 香 族 -L-アミノ 酸 デカルボキシラーゼが 脱 炭 酸 することで 成 される このセロトニンが 不 足 することで 不 安 症 恐 怖 症 多 動 不 眠 症 てん かん 発 作 うつなど 様 々な 症 状 が 現 れる 多 様 な 働 きをするセロトニンについて 調 べた 脳 で 主 にセロトニンが 集 中 している 部 分 は 縫 線 核 である 縫 線 核 にはセロトニン 作 動 性 神 経 が 集 まっており 軸 索 が 多 くの 脳 部 位 に 投 射 されている よって セロトニンは 脳 全 体 に 広 く 作 用 する ことになる セロトニン 作 動 性 神 経 は 現 在 行 われている 活 動 を 維 持 するようにはたらき 中 断 し ようとする 機 能 を 抑 制 する セロトニン 作 動 性 神 経 が 一 番 はたらいているのは 日 中 である 時 間 の 経 過 により 活 動 が 低 下 し 眠 っている 間 は 抑 制 されている 覚 醒 すると 活 性 化 する セロトニンは 松 果 体 で N-アセチルトラ ンスフェラーゼとヒドロキシインドール-O-メチルトランスフェラーゼによってメラトニンに 合 成 される このメラトニンを 合 成 する 酵 素 は 交 感 神 経 によって 支 配 されており 交 感 神 経 の 日 内 変 動 の 影 響 を 受 ける よってセロトニンからメラトニンへの 合 成 は 暗 くなると 開 始 される そして メラトニンが 睡 眠 を 促 すことで 眠 気 が 起 きる 仕 組 みになっている 覚 醒 時 にセロトニンが 分 泌 され 睡 眠 時 には 抑 制 されている 仮 にセロトニンが 不 足 した 状 態 で も 暗 くなるとセロトニンからメラトニンを 作 ろうという 反 応 が 起 こるので 基 質 が 少 ない 状 態 で は 十 分 な 量 のメラトニンを 作 ることができなくなる それによって メラトニンの 作 用 が 弱 まり 速 やかに 入 眠 できなくなる このように セロトニンは 眠 りと 覚 醒 を 調 節 する 役 割 を 果 たしている セロトニンが 不 足 した 状 態 は 不 眠 の 一 因 になるが その 不 足 が 引 き 起 こされる 原 因 は 多 様 である 不 眠 は なかなか 眠 れないという 入 眠 障 害 夜 中 に 目 が 覚 める 中 途 覚 醒 朝 早 く 目 が 覚 めて 眠 れな い 早 朝 覚 醒 眠 りが 浅 くて 満 足 感 が 得 られない 熟 眠 障 害 などに 分 類 できる 不 眠 症 の 原 因 としてあ げられるのは 喘 息 の 発 作 や 疾 病 による 痛 みなどに 邪 魔 をされることや 騒 音 による 環 境 要 因 不 安 があって 眠 れないという 精 神 的 な 要 因 などである 精 神 的 なものはセロトニンの 体 内 動 態 に 変 化 があると 考 える 余 地 があるが 環 境 要 因 はその 限 りではない それでは セロトニンのバランスを 保 ち より 良 く 生 活 するためにはどうすればよいか セロト ニンは 血 液 脳 関 門 を 通 らないので 腸 管 と 中 枢 を 行 き 来 することはないが セロトニンの 合 成 の 基 質 として 使 われるトリプトファンは 血 中 から 脳 内 へ 移 行 するので トリプトファンの 多 く 含 まれる 食 事 をとることで 脳 内 のセロトニン 濃 度 を 上 げることが 可 能 である しかし 単 純 に 食 事 だけで 不 眠 やうつなどの 症 状 が 改 善 することは 望 めない 規 則 正 しい 生 活 とバランスのとれた 食 事 が 基 本 で あることは 言 うまでもないが セロトニンが 減 ることになった 原 因 つまり 不 安 の 原 因 やストレス などを 取 り 除 く もしくはうまく 付 き 合 う 術 を 見 つけることが 大 切 である

5 卒 業 実 験 報 告 書 (2008 年 度 ) 学 籍 番 号 PC 氏 名 遠 藤 芙 美 研 究 テーマ 時 計 遺 伝 子 Rev-erbαと Heme の 関 係 性 研 究 概 要 生 物 は 24 時 間 周 期 で 繰 り 返 される 生 物 学 的 リズム サーカディアンリズムをもっている 代 表 的 なものとして 一 定 の 時 刻 がくると 自 然 に 眠 くなり 一 定 時 間 眠 ると 自 然 に 目 が 覚 めると いう 睡 眠 - 覚 醒 のサイクルがあり その 他 体 温 やホルモン 系 (メラトニンなど)の 変 動 などが 含 まれる 体 内 時 計 のリズムは 複 雑 な 転 写 ネットワークが 生 み 出 す 周 期 的 な 遺 伝 子 の 転 写 レ ベルで 規 定 されており これに 関 与 する 遺 伝 子 を 時 計 遺 伝 子 と 呼 ぶ 主 な 時 計 遺 伝 子 としては PER1 PER2 CRY1 CRY2 CLK Bmal1 などがあり これらの 時 計 遺 伝 子 同 士 がお 互 い の 転 写 を 制 御 しあっていて 一 部 の 時 計 遺 伝 子 を 除 き その 発 現 は 顕 著 な 24 時 間 周 期 を 作 り 出 している Rev-erbα は 時 計 遺 伝 子 の 一 種 であり とくに Bmal1 の 発 現 を 抑 制 することで 時 計 遺 伝 子 群 の 発 現 調 節 に 関 与 していることが 分 かっている また その Rev-erbα の 働 きに は Heme の 関 与 があるとされている そこでこれらがどのように 関 与 していくのか 論 文 等 を 用 いて 調 べた Rev-erbα は 当 初 リガンドの 見 つかっていないオーファンレセプターだったが 最 近 Heme がリガンドだということが 報 告 され ある 論 文 では Rev-erbα と Heme が 実 際 に 結 合 するの かどうかを 調 べるため Rev-erbα のリガンド 結 合 部 位 のタンパク 質 を 精 製 して MALDI で 測 定 したところ 結 果 として Heme が 結 合 している 特 徴 的 なスペクトルを 得 た また Rev-erbα のどの 部 分 に Heme が 結 合 しているかを 調 べ その 結 合 部 分 の 変 異 体 を 用 い Heme が 結 合 で きない Rev-erbα と 正 常 な Rev-erbα とを 用 いて 遺 伝 子 発 現 抑 制 の 働 きに 差 があるのかを 調 べた 実 験 も 行 っていた その 結 果 で 正 常 な Rev-erbα よりも 変 異 体 を 用 いた 時 のほうが 遺 伝 子 の 発 現 抑 制 機 能 が 弱 いことが 分 かった これにより Heme は Rev-erbα の 抑 制 機 能 に 必 要 であ るということが 分 かった 次 の 実 験 では Rev-erbα の 標 的 遺 伝 子 である Bmal1 と ELOVL3 の 調 節 において Heme 濃 度 の 違 いで 調 節 機 能 に 差 があるかを 調 べた 実 験 では Heme の 少 な い 条 件 では 正 常 な 条 件 のものよりも Bmal1 および ELOVL3 の 遺 伝 子 発 現 量 が 多 く また Heme を 一 定 量 存 在 させた 条 件 では 抑 制 機 能 に 若 干 の 回 復 が 見 られた 結 果 となった( 右 図 参 照 ) 他 の 論 文 では Bmal1 と Rev-erbα Heme の 24 時 間 周 期 の 発 現 量 を 調 べ その 発 現 量 のリズムに 相 関 性 があるのかを 調 べていた Rev-erbα と Heme の 発 現 リズムに 相 関 性 があるのか 言 い 切 れるものではなかったが Rev-erbα と Heme がともに 発 現 量 の 多 い 時 間 では Bmal1 の 発 現 量 が 低 下 していた このような 論 文 により Rev-erbα は Bmal1 を 標 的 遺 伝 子 としていてその 発 現 を 抑 制 的 に 制 御 しており その 働 きには Heme が 関 与 しているということがわかった

6 学 籍 番 号 PC 氏 名 新 明 未 菜 睡 眠 相 後 退 症 候 群 (DSPS) 睡 眠 相 後 退 症 候 群 (DSPS)とは 1981 年 に Weitzman らが 初 めて 報 告 した 睡 眠 覚 醒 リ ズムの 障 害 を 主 症 状 とした 睡 眠 障 害 であり 自 分 の 起 きたい 時 間 に 起 きられず 眠 れない といった 症 状 がある 無 理 に 何 とか 起 きた 場 合 頭 痛 や 胃 腸 症 状 などの 自 律 神 経 症 状 や 日 々の 眠 気 全 身 倦 怠 感 などを 感 じ 思 うように 日 常 生 活 を 送 れない 不 眠 患 者 の 5-10% が DSPS といわれ 典 型 的 な DSPS 患 者 は 発 病 前 から 夜 型 人 間 の 傾 向 が 強 い という 特 徴 が 指 摘 されている DSPS 患 者 は 遅 れている 睡 眠 時 間 を 矯 正 することが 困 難 なため 遅 刻 や 欠 席 が 多 く 日 中 に 強 い 眠 気 に 襲 われ 授 業 や 勤 務 に 集 中 できないといった 障 害 がおこる 無 理 して 社 会 のリズムに 合 わせようとすると 逆 に 大 きく 睡 眠 のリズムを 乱 すこともあり 社 会 に 適 応 できない 状 態 が 続 くと 二 次 的 に 抑 うつ 状 態 となることもある 同 調 因 子 のな い 時 間 的 隔 離 環 境 下 では 睡 眠 覚 醒 リズムと 深 部 体 温 リズムはいずれも 24 時 間 以 上 の 周 期 でフリーランし 固 有 の 周 期 でリズムは 変 動 する 健 常 人 では 光 や 社 会 的 接 触 などによ り 24 時 間 の 環 境 に 同 調 することができるが DSPS 患 者 では 時 間 的 睡 眠 覚 醒 リズムと 深 部 体 温 リズムの 後 退 などが 認 められ 同 調 することができない DSPS の 原 因 には 遺 伝 的 要 因 生 物 時 計 の 光 感 受 性 の 低 下 睡 眠 の 恒 常 性 維 持 機 構 障 害 心 理 社 会 的 な 要 因 とい った4つの 仮 説 があるがまだ 不 明 な 点 が 多 い 現 在 の DSPS の 治 療 法 は 併 用 療 法 が 提 唱 されている それは 睡 眠 覚 醒 リズムの 障 害 は 多 因 子 的 に 発 現 することが 考 えられているためである 非 薬 物 療 法 は 覚 醒 薬 物 療 法 は 睡 眠 導 入 に 対 する 体 内 時 計 を 調 節 し ずれている 位 相 を 合 わせる 非 薬 物 療 法 には 時 間 療 法 と 高 照 度 光 療 法 の 二 通 りあり 時 間 療 法 では 徐 々に 入 眠 を 遅 らせ 睡 眠 相 を 患 者 の 望 む 時 間 帯 にリセットし その 時 間 帯 を 維 持 する DSPS 患 者 は 睡 眠 相 を 前 進 させることは 困 難 だが 後 退 させることは 比 較 的 容 易 であるが 睡 眠 相 が 再 び 後 退 することも 多 く 維 持 が 難 しい そのため 他 の 治 療 法 を 併 用 することが 多 い 高 照 度 光 療 法 では 2500 ルクス 以 上 の 高 照 度 光 の 照 射 時 刻 により 位 相 反 応 の 方 向 と 変 化 量 が 異 なることが 知 られているため 望 ま しい 起 床 時 刻 に 患 者 を 覚 醒 させ 高 照 度 光 を1~2 時 間 暴 露 する しかし 照 射 のために 起 きることが 困 難 なためコンプライアンスの 問 題 が 残 る 薬 物 療 法 にはトリアゾラム メチ ルコバラミン メラトニンの3つが 有 効 だと 言 われている ベンゾジアゼピン 系 睡 眠 薬 は 一 般 にサーカディアンリズム 睡 眠 障 害 に 対 しては 十 分 に 効 果 を 得 られないことが 多 いが トリアゾラムは 望 ましい 入 眠 時 刻 の3~4 時 間 前 に 服 用 することで 睡 眠 相 および 体 温 の 最 降 下 点 が 前 進 し 治 療 上 有 効 な 場 合 がある メチルコバラミンは 効 果 発 現 機 序 について は 十 分 に 解 明 されていないが 睡 眠 覚 醒 に 対 する 作 用 光 メラトニン 抑 制 反 応 に 対 する 作 用 サーカディアンリズムに 対 する 作 用 などが 考 えられている また メラトニンに 対 する 位 相 反 応 が 存 在 し 夕 方 から 夜 間 にかけての 投 与 は 生 体 リズムの 位 相 を 前 進 させるこ とが 明 らかにされ メラトニンが DSPS に 対 して 用 いられるようになった ここで 光 治 療 を 受 けた17 歳 男 子 高 校 生 の 症 例 について 紹 介 する 彼 は 中 学 1 年 の 2 学 期 から 起 床 困 難 により 無 理 に 起 床 すると 頭 痛 吐 気 易 疲 労 感 が 強 く 感 じられ 全 く 登 校 できなくなり 母 親 に 勧 められ 病 院 を 受 診 しかし 彼 は 活 気 がなく 無 気 力 なよう 様 子 で 睡 眠 日 誌 を 記 録 するよう 指 導 したが 本 人 の 治 療 意 欲 は 乏 しく 通 院 も 不 規 則 だ った 就 寝 は 午 前 2~3 時 頃 起 床 は 午 前 10~12 時 頃 だったが 実 際 の 入 眠 はさらに 遅 れていたと 思 われる 終 夜 睡 眠 ポリグラフを 自 宅 で 施 行 し 結 果 の 説 明 に 加 え 夜 中 の 覚 醒 に 対 して 辛 くないであろうかと 精 神 療 法 的 にアプローチしたところ 治 療 に 前 向 きにな った 再 度 治 療 の 必 要 性 を 強 調 し 治 療 の 選 択 を 本 人 に 任 せたところ 服 薬 よりも 光 療 法 を 受 けてみたいということになり 10 月 30 日 から 携 帯 型 の 装 置 を 用 いて 2000 ルクスの 光 療 法 を 開 始 し 午 前 中 に 起 床 できた 時 に 1 時 間 の 光 療 法 を 行 い 2 週 間 後 には 起 床 時 間 が 安 定 し 4 週 間 後 には 朝 9 時 頃 に 起 床 12 週 間 後 には 起 床 時 の 頭 痛 吐 気 易 疲 労 感 も 改 善 した この 頃 には 自 分 で 光 療 法 の 時 間 を 延 長 し 午 前 8 時 ~10 時 まで 施 行 した 半 年 後 には 本 人 と 相 談 のうえ 光 療 法 を 中 止 その 後 時 々30~60 分 の 光 療 法 を 自 主 的 に 施 行 するが 月 に 1 回 の 診 察 と 生 活 指 導 を 行 い 初 診 から 2 年 9 か 月 で 治 療 を 中 止 した DSPS は 治 療 後 も 就 床 数 時 間 前 は 暗 い 環 境 下 覚 醒 とともに 明 るい 環 境 下 で 過 ごし 入 眠 を 遅 らせる 可 能 性 がある 昼 寝 は 避 けるなどをすることで 睡 眠 スケジュールを 厳 しくコン トロールしなければ 再 び 元 の 生 活 に 戻 るため 気 をつけなければならない

7 学 籍 番 号 PC 氏 名 五 月 女 春 佳 夢 のしくみ 第 1 章 夢 とレム 睡 眠 レム 睡 眠 とは 急 速 眼 球 運 動 の 見 られる 睡 眠 である レム 睡 眠 中 の 脳 活 動 は 覚 醒 時 と 似 ており 眼 球 運 動 だけが 起 こるのは 目 筋 以 外 を 制 御 する 運 動 ニューロン の 働 きが 抑 制 されているためだと 言 われている レム 睡 眠 とは 脳 は 起 きていて 体 は 寝 ている すなわち 夢 はレム 睡 眠 中 に 見 るとされ ノンレム 睡 眠 時 は 発 現 されないと 考 えられていた し かし 最 近 ではノンレム 睡 眠 時 にも 夢 を 見 ることが 確 認 されている 第 2 章 夢 と 体 聴 覚 障 害 者 の 夢 は 視 覚 的 な 夢 はみており 内 容 もはっきりしている し かし 聴 覚 的 な 夢 はみておらず その 内 容 は 覚 醒 時 の 生 活 行 動 と 全 く 同 じだった 例 えば 2 歳 で 聴 力 を 失 った 人 の 夢 では この 人 は 手 話 で 教 育 を 受 けているために 文 字 もわかり 自 分 で 話 すこともできる この 人 の 書 いた 夢 の 内 容 は 視 聴 覚 のある 人 のものと 変 わらなかったが よくたずねてみると 夢 の 中 では 手 話 や 文 字 で 会 話 していたそうだ 視 覚 障 害 者 では 生 まれ つき 盲 目 の 人 は 視 覚 像 は 夢 に 現 われてこないが 手 や 足 で 物 に 触 れた 感 じや 音 が 夢 に 現 れる と 言 っており 他 人 と 話 している 夢 をよくみる 夢 に 視 覚 像 が 出 るかどうかは 盲 目 の 程 度 に よって 違 っており 盲 目 になった 時 期 が 遅 いほど 夢 の 中 に 現 れやすい また 夢 に 現 われて 来 る 内 容 は すべてその 人 が 覚 醒 している 時 に 経 験 した 感 覚 思 考 想 像 と 同 じことであって けっしてその 人 の 能 力 を 超 えた 奇 想 天 外 な 情 景 はめったに 現 れない 第 3 章 夢 と 記 憶 レム 睡 眠 時 には 記 憶 や 感 情 を 整 理 し その 固 定 消 去 をしている そ のため レム 睡 眠 をとらないと 技 能 の 習 得 が 悪 く 語 学 の 習 熟 が 遅 れるといわれている レム 睡 眠 を 途 中 で 中 断 させられると 短 期 の 記 憶 を 長 期 の 記 憶 に 変 えることがうまくいかなくなり 暗 記 効 率 が 低 下 する しかしノンレム 睡 眠 を 途 中 で 中 断 しても 学 習 能 力 の 低 下 は 見 られなかっ た 睡 眠 学 習 というものが 昔 からしばしば 取 り 上 げられているが 現 在 では その 効 果 は 否 定 的 であるよ というのも レム 睡 眠 中 に 脳 内 の 情 報 の 整 理 が 行 われているのは 確 かだが 何 か 新 しい 情 報 を 頭 に 入 れるのは 起 きている 間 でないといけないためこう 考 えられている 例 え ば 眠 っている 間 に 英 会 話 のテープを 聞 いても 英 語 が 習 得 できるわけではない 第 4 章 夢 の 必 要 性 夢 は 不 必 要 な 記 憶 を 消 去 する 役 割 という 仮 説 脳 は 不 要 な 記 憶 を 削 除 して 脳 のハードディ スクの 負 荷 を 軽 くするとともに 神 経 回 路 網 の 中 にある 混 乱 した 情 報 や 誤 った 情 報 を 削 除 する 作 業 を 行 う 夢 は これらの 記 憶 から 削 除 される 情 報 が 素 材 となって 現 れたものであると 考 え られる 必 要 な 情 報 を 忘 れないようにする 役 割 という 仮 説 起 きているときに 脳 に 入 ってきた 情 報 のうち 重 要 なものが 睡 眠 中 に 再 生 され 改 めて 編 集 し 情 報 を 洗 練 化 し それを 記 憶 として 固 定 する 過 程 が 夢 となって 現 れるというもの 刺 激 を 受 けとめるためのシミュレーション という 仮 説 夢 は 恐 ろしい 出 来 事 を 安 全 な 状 況 でシミュレートする 手 段 で いわば 睡 眠 中 の 脳 が 作 り 出 すバ ーチャルリアリティーであるという 考 え 方 人 が 狩 猟 採 集 生 活 をしていた 時 代 には 人 々は 生 存 を 脅 かすさまざまな 危 険 に 日 々 遭 遇 していました こうした 状 況 下 で 生 存 を 脅 かす 要 因 にす ばやく 気 づき 対 処 するため 眠 っている 間 に 生 存 の 技 術 をリハーサルするための 役 割 として 夢 が 発 達 眠 っている 間 に 生 存 のスキルを 練 習 することに 長 けていた 人 たちが 覚 醒 時 に 危 険 を 回 避 して 生 き 残 ることができたという 考 え 記 憶 の 再 生 という 仮 説 夢 には 忘 れられていた 細 かな 点 や 失 われたように 見 え 実 は 記 憶 の 深 みに 隠 れていた 回 想 が 現 れることがあり 目 覚 めている 間 にぼんやりと ほとんど 無 意 識 に 知 覚 されたものや 事 実 が 現 れることもある 特 に 壊 れた 回 想 の 断 片 を 記 憶 があちこちでひろい 集 め 眠 っている 人 の 意 識 に 示 す ベルグソンは 夢 の 創 造 機 能 を 否 定 している

8 学 籍 番 号 PC 氏 名 米 澤 禎 貴 うつ 病 について 1 章 :うつ 病 の 症 状 以 下 の 症 状 のうち5つ(またはそれ 以 上 )が 同 じ 二 週 間 の 間 に 存 在 し 病 前 の 機 能 からの 変 化 をおこしている これらの 症 状 のうち 少 なくとも 1つは (1) 抑 うつ 気 分 または (2) 興 味 または 喜 びの 喪 失 1 患 者 自 身 の 言 明 か 他 者 の 観 察 によって 示 される ほとんど 一 日 中 ほとんど 毎 日 の 抑 うつ 気 分 2ほとんど 一 日 中 毎 日 のすべて またはほとんどすべての 活 動 における 興 味 喜 びの 著 しい 減 退 3 食 事 療 法 をしていないのに 著 しい 体 重 の 減 少 あるいは 体 重 増 加 毎 日 の 食 欲 の 減 退 または 増 加 4ほとんど 毎 日 の 不 眠 または 睡 眠 過 多 5ほとんど 毎 日 の 精 神 運 動 性 の 焦 燥 または 制 止 6ほとんど 毎 日 の 易 疲 労 性 または 気 力 の 減 退 7ほとんど 毎 日 の 無 価 値 観 または 過 剰 であるか 不 適 切 な 罪 責 感 8 思 考 力 や 集 中 力 の 減 退 または 決 断 困 難 がほとんど 毎 日 認 められる 9 死 についての 反 復 思 考 特 別 な 計 画 はないが 反 復 的 な 自 殺 念 慮 自 殺 企 図 2 章 :うつ 病 になる 病 因 危 険 因 子 として 心 理 的 ストレス 環 境 的 ストレス 性 格 的 ストレス 性 別 年 齢 等 が 考 えられ る 精 神 疾 患 はこれらの 事 象 によるホルモンバランスの 崩 れからくるセロトニン 不 足 が 病 因 と なっていると 考 えられている 3 章 : 治 療 法 うつ 病 の 治 療 法 としては 下 記 に 挙 げる3つの 治 療 法 が 一 般 的 である 心 理 療 法 ( 軽 度 の 患 者 に 対 して) ( 認 知 療 法 対 人 関 係 療 法 など) 薬 物 療 法 ( 中 等 度 ~ 重 度 の 患 者 に 対 して) ( 三 環 系 抗 うつ 薬 SSRI SNRI など) 電 気 けいれん 療 法 ( 重 度 の 患 者 に 対 して) ( 頭 部 に 電 気 を 流 し 効 果 を 得 る 方 法 ) 4 章 : 維 持 療 法 予 防 大 部 分 のうつ 病 は 再 発 性 であり エヒ ソ-ト が 生 じるたびに 次 のエヒ ソ-ト をおこし 慢 性 化 の 危 険 性 が 高 まる その 様 な 病 的 状 態 を 予 防 する 最 もよい 方 法 は 再 発 予 防 である 維 持 予 防 法 として 以 下 の3つの 方 法 がある 〇 食 事 療 法 ビタミン B6 ミネラル トリプトファンを 多 く 含 む 食 事 を 摂 取 することでセ ロトニンの 合 成 を 助 ける 作 用 などがある 〇 心 理 療 法 支 持 および 指 針 を 与 えることにより, 順 応 行 為 を 妨 げる 認 知 のゆがみを 除 去 することにより,また 患 者 が 彼 の 社 会 的 または 職 業 上 の 役 割 を 徐 々に 再 開 することを 勧 めるこ とにより,これらの 療 法 は 対 処 技 術 を 向 上 させ, 薬 物 療 法 の 効 果 を 増 大 させる 〇 薬 物 療 法 SSRI は 長 期 の 予 防 治 療 に 有 効 である しかし 薬 物 療 法 をいつまで 続 けるか という 問 に 対 する 単 純 な 答 はない 継 続 療 法 はある 一 定 の 期 間 すべての 患 者 に 続 けるが 維 持 療 法 は 種 々 様 々である 5 章 :まとめ うつ 病 を 始 めとした 精 神 疾 患 は 社 会 の 認 識 が 遅 れている 事 もあり 本 人 や 家 族 が 病 気 である と 気 付 かずにつらい 日 々を 過 ごしていたり また 自 殺 の 主 要 な 原 因 となっていることからも 病 気 の 事 を 多 くの 人 に 知 ってもらい 早 期 に 治 療 を 受 けられる 環 境 を 作 ることが 必 要 だと 感 じ た

9 学 籍 番 号 PC 氏 名 池 田 千 穂 シフトワーカーと 生 活 習 慣 病 の 関 係 性 生 活 習 慣 病 と 称 される 病 気 は 12 疾 患 もある 高 血 圧 糖 尿 病 脂 質 代 謝 異 常 心 筋 梗 塞 な どがその 一 例 である これらの 病 気 をひき 起 こす 原 因 は 生 活 習 慣 病 という 名 の 通 り 食 習 慣 や 運 動 習 慣 酒 などの 嗜 好 品 遺 伝 素 因 と 言 われている この 生 活 習 慣 病 に 夜 勤 を 長 年 続 け ているシフトワーカーがなりやすいと 言 われているが そもそも 夜 型 の 生 活 を 続 けると 体 はど うなるのだろうか? 私 たちは 空 腹 になると 食 事 をし 疲 れると 眠 り のどが 渇 けば 飲 み 物 を 口 にする そう 思 っ ていないだろうか?しかしそのタイミングを 支 配 するのは 意 志 ではなく 体 に 組 み 込 まれた 体 内 時 計 である 体 内 には 概 日 リズムを 司 る 中 心 的 な 時 計 機 構 があり 全 身 のそれぞれの 機 能 が 協 調 的 に 働 くよう 調 整 している この 体 内 のタイマーに 狂 いが 生 じると 軽 い 時 差 ボケのよう な 症 状 から うつや 睡 眠 障 害 など 命 にかかわる 重 大 な 病 気 までさまざまな 問 題 が 起 こる 現 代 社 会 では 夜 間 勤 務 や 交 代 性 勤 務 者 が 急 増 しているが その 80% 近 くの 人 が 睡 眠 障 害 やめま いなどの 自 律 神 経 症 状 吐 き 気 下 痢 といった 消 化 器 症 状 を 訴 えているそうだ 居 眠 りは 交 通 事 故 や 医 療 事 故 をはじめとして スリーマイル 島 やチェルノブイリの 原 発 事 故 など 産 業 事 故 の 発 生 にも 大 きく 関 係 していることが 明 らかになっている このように 交 代 勤 務 性 睡 眠 障 害 は 健 康 問 題 の 側 面 だけではなく 社 会 経 済 的 側 面 からも 重 要 な 問 題 と 言 える 最 近 行 われた 実 験 では 男 性 シフトワーカーの 高 中 性 脂 肪 血 症 の 罹 患 率 は 日 勤 者 に 比 べ 2.5% 高 いことがわかった また 違 う 実 験 では 平 均 勤 続 年 数 が 10 年 の 男 性 のシフトワーカーで は 30 歳 以 上 になると 一 年 当 たり 血 圧 が 4mmHg 総 コレステロールが 9.72mg/dl も 上 昇 するこ とがわかった 私 たちの 体 には 体 内 の 恒 常 性 を 保 つ 基 本 的 なシステムとして 神 経 系 内 分 泌 系 免 疫 系 があり それらが 互 いに 見 張 りあい 相 互 作 用 をして 体 が 正 常 に 機 能 するように 調 節 している と 考 えられる 恒 常 性 を 維 持 しているシステムの 一 つに 内 分 泌 系 がある 内 分 泌 系 であり 生 体 リズムで 一 つでもあるメラトニンリズムは 睡 眠 と 覚 醒 のバランスを 保 っている メラトニン というのは 脳 にある 松 果 体 から 分 泌 されるホルモンで メラトニン 合 成 は 強 い 光 により 抑 制 されるため 日 中 は 起 きていることができる 夜 間 勤 務 をすると 体 内 のリズムとは 違 う 睡 眠 形 態 になるため 睡 眠 障 害 が 起 こる たとえ 夜 勤 のみを 長 期 継 続 しても 生 体 リズムは 完 全 には 夜 勤 スケジュールに 同 調 できない そのため シフトワークを 長 年 続 けると 生 体 リズムが 崩 れた ままになり 体 を 健 康 に 保 つ 恒 常 性 が 維 持 できなくなると 考 えられる この 恒 常 性 からの 脱 離 により 血 圧 の 上 昇 や 脂 質 代 謝 異 常 などがおこり 生 活 習 慣 病 に 罹 患 してしまうのかもしれな い シフトワークと 生 活 習 慣 病 との 関 係 性 はまだ 解 明 されていないが シフトや 生 活 環 境 の 工 夫 をしたり 適 度 な 運 動 をしたりするなどの 対 策 をとり 生 活 習 慣 病 に 負 けない 体 を 意 識 してつ くる 必 要 があると 思 われる

10 学 籍 番 号 PC 氏 名 小 杉 香 織 花 粉 症 と 体 内 リズム まずは 免 疫 バランスについて 説 明 する 免 疫 バランスが 崩 れると さまざまな 疾 患 を 発 症 してしまう 例 えば がん 生 活 習 慣 病 自 己 免 疫 疾 患 アレルギーなどである つまり 免 疫 バランスと 疾 患 には 深 い 繋 がりがあると 言 える では この 免 疫 バランスの 免 疫 とは 何 か これは リンパ 球 と 顆 粒 球 のことを 指 す リンパ 球 が 増 え 免 疫 バランスが 崩 れるとアレルギ ーが 発 症 し 顆 粒 球 が 増 加 するとがんなどを 発 症 する このリンパ 球 と 顆 粒 球 は 白 血 球 の 一 種 であり マクロファージ リンパ 球 顆 粒 球 から 構 成 されている その 中 でリンパ 球 は ヘ ルパーT 細 胞 キラーT 細 胞 B 細 胞 NK 細 胞 から 構 成 されている つまり このリンパ 球 と 顆 粒 球 が 増 加 し 免 疫 バランスが 崩 れるということは 白 血 球 のバランスと 免 疫 のバランス が 深 い 関 係 にあると 言 える また 白 血 球 は 交 感 神 経 と 副 交 感 神 経 のバランスによっても 左 右 される 交 感 神 経 が 優 位 になっていると 顆 粒 球 が 活 性 化 し 副 交 感 神 経 が 優 位 になっている とリンパ 球 が 活 性 化 する つまり 免 疫 と 自 律 神 経 にも 深 いつながりがあるといえる これら のことを 踏 まえて 睡 眠 とストレスが 花 粉 症 に 及 ぼす 影 響 を 説 明 したいと 思 う まずは 睡 眠 と 免 疫 バランスについてである 私 たちは 部 屋 を 暗 くすると 自 然 に 眠 くなる これは メラ トニンという 物 質 が 分 泌 されているからである このメラトニンは 個 々の 細 胞 を 活 性 酸 素 の 攻 撃 から 守 る 作 用 を 持 つ 抗 酸 化 物 質 の 一 種 である 活 性 酸 素 は 極 めて 不 安 定 な 状 態 にあり 他 の 化 学 物 質 と 容 易 に 結 びつき ときにはそれらの 構 造 を 完 全 に 破 壊 してしまうこともある この 活 性 酸 素 により 異 常 細 胞 が 増 加 すると リンパ 球 である NK 細 胞 が 増 え 副 交 感 神 経 が 優 位 になり 自 律 神 経 のバランスが 崩 れ 花 粉 症 の 発 症 の 原 因 となる 次 にストレスについて 簡 単 に 説 明 する 普 段 私 たちの 身 体 がストレスを 感 じると 大 量 の 活 性 酸 素 が 発 生 する 活 性 酸 素 によりリンパ 球 が 増 え 花 粉 症 の 原 因 となる ストレスが 取 り 除 かれれば 正 常 な 身 体 へ と 戻 るが 取 り 除 かれなければ コルチゾールが 放 出 される コルチゾールは ストレスによ るショックを 和 らげる 作 用 やリンパ 球 の 活 性 を 低 下 させる 作 用 を 持 っている 一 般 的 には 免 疫 力 を 高 めるのに 有 効 に 働 くリンパ 球 の 活 性 が 低 下 することは 欠 点 となるが 免 疫 過 剰 により 発 症 する 花 粉 症 にとって この 作 用 は 花 粉 症 になりにくくする 作 用 といえる しかし 同 じストレスを 繰 り 返 し 受 けていると コルチゾール 受 容 体 のネガティブフィードバックが 起 こ り 分 泌 が 抑 制 される 分 泌 量 が 減 少 するとリンパ 球 が 増 え 花 粉 症 の 症 状 を 悪 化 させる コ ルチゾールは 繰 り 返 し 同 じストレスを 感 じると 分 泌 量 が 減 弱 するが このような 状 況 におい て 新 しいストレスを 感 じるとコルチゾール 分 泌 量 はむしろ 増 加 する つまり 同 じストレス を 受 け 続 け その 状 態 のまま 新 しいストレス また 新 しいストレスを 受 け 続 けていると リ ンパ 球 が 増 加 と 減 少 を 繰 り 返 し 自 律 神 経 のバランスが 崩 れ 花 粉 症 の 発 症 を 誘 発 してしまう 結 論 として ストレスや 睡 眠 不 足 が 引 き 起 こす 体 内 変 化 がすべて 花 粉 症 の 原 因 となるわけで はなく ストレスや 睡 眠 不 足 により 自 律 神 経 バランスが 崩 れ これにより 花 粉 症 の 発 症 を 誘 発 したり 症 状 を 悪 化 させるきっかけを 与 えてしまうということである

11 学 籍 番 号 PC 氏 名 島 田 麻 紀 子 糖 尿 病 の 時 間 治 療 糖 尿 病 はⅠ 型 とⅡ 型 に 大 きく 分 けられ Ⅰ 型 は 膵 臓 β 細 胞 が 破 壊 されることでインスリンが 欠 乏 し 発 症 する Ⅱ 型 は 遺 伝 的 因 子 と 生 活 習 慣 が 原 因 で 患 者 の 9 割 がこのタイプである Ⅱ 型 糖 尿 病 の 一 般 的 な 治 療 は まず 食 事 と 運 動 で 血 糖 をコントロールしていき 次 に 薬 物 療 法 を 開 始 する それでも 効 果 がない 場 合 はインスリンに 切 り 替 える 糖 尿 病 の 進 行 度 や 治 療 効 果 に 応 じて 患 者 個 々に 合 った 治 療 をしていくことが 大 切 である 治 療 の 最 大 の 目 的 は 腎 症 網 膜 症 神 経 障 害 などの 合 併 症 の 発 症 と 進 展 を 阻 止 することである 合 併 症 を 起 こさないため にも 血 糖 コントロールが 重 要 となってくる この 血 糖 コントロールには インスリン 分 泌 が 深 く 関 係 している インスリン 分 泌 を 支 配 するのは 基 礎 分 泌 に 関 するサーカディアンリズムと 摂 食 による 追 加 分 泌 がある Ⅱ 型 糖 尿 病 患 者 は 一 定 の 基 礎 分 泌 に 加 え 追 加 分 泌 の 山 を 形 成 す るが 健 常 人 に 比 べてインスリン 分 泌 が 遅 れて 山 を 形 成 し 血 中 インスリン 値 も 半 分 以 下 に 留 まってしまう Ⅰ 型 糖 尿 病 患 者 は 基 礎 分 泌 にも 満 たない 血 中 インスリン 値 であり 空 腹 時 血 糖 も 食 後 血 糖 もさらに 上 昇 して 血 糖 コントロールは 著 しく 不 良 状 態 となる 空 腹 時 あるいは 食 前 血 糖 値 はインスリンの 基 礎 分 泌 に 依 存 していて 食 後 血 糖 値 はインスリンの 追 加 分 泌 に 依 存 している 以 上 のように Ⅰ 型 Ⅱ 型 とも 厳 格 な 血 糖 コントロールが 重 要 となる 次 に 血 糖 値 変 化 の 特 性 として 暁 現 象 とソモジー 効 果 がある 血 糖 値 は 0 時 頃 から 4 時 頃 の 間 に 最 低 値 を 示 して 5 時 前 後 から 9 時 頃 に 向 かって 絶 食 にもかかわらず 上 昇 を 続 ける この 現 象 は 暁 現 象 と 呼 ばれていて 健 常 人 でも 多 少 この 傾 向 がある 糖 尿 病 患 者 ではこの 傾 向 がよ り 明 らかとなる 特 にインスリンを 使 用 中 であれば この 傾 向 が 著 しく 増 幅 される これは 糖 尿 病 患 者 にインスリンを 持 続 注 入 して 血 糖 値 を 一 定 に 保 つために 早 朝 にインスリンが 多 く 必 要 となる この 早 朝 にインスリンを 多 く 打 つことによって 逆 に 夜 間 の 成 長 ホルモンの 分 泌 を 促 進 し コルチゾールの 上 昇 やインスリンクリアランスの 上 昇 インスリン 感 受 性 の 変 化 が 影 響 して 暁 現 象 が 起 こってしまう 一 方 インスリンを 過 剰 投 与 した 結 果 夜 間 に 低 血 糖 を 起 こしてしまい 自 律 神 経 系 やインスリン 拮 抗 ホルモン 分 泌 によって 跳 ね 返 り 現 象 として 血 糖 値 が 上 昇 する 場 合 があり これをソモジー 効 果 という 臨 床 的 には 3 時 頃 の 血 糖 値 測 定 が 必 要 となり ソモジー 効 果 なのか 暁 現 象 なのか あるいは 前 回 のインスリン 注 射 の 効 果 が 弱 いの かを 見 分 けることが 重 要 となる よって 血 糖 値 を 一 定 に 保 つためには 微 妙 なコントロールが 必 要 となる これまで 述 べてきたように 血 糖 コントロールはまさに 時 間 治 療 そのものである 治 療 方 法 は 患 者 の 症 状 によって 千 差 万 別 で 患 者 個 々に 応 じた 時 間 治 療 をしていかなければならな い 投 与 するタイミングや 投 与 量 を 間 違 うと 高 血 糖 や 低 血 糖 が 起 こり 重 篤 な 場 合 は 死 に 至 ることもある 合 併 症 にならないためにも 血 糖 コントロールを 厳 密 に 行 うことが 重 要 となる

12 学 籍 番 号 PC 氏 名 瀧 林 英 文 気 管 支 喘 息 とがんへの 時 間 治 療 気 管 支 喘 息 とは 気 管 支 の 炎 症 が 慢 性 化 し 気 道 が 狭 くなってしまっているアレルギー 性 の 呼 吸 器 疾 患 でⅠ 型 に 分 類 されている 主 な 症 状 としては 呼 吸 のたびにヒューヒューやぜぇぜぇ といった 音 がする 喘 鳴 や 咳 息 切 れなどがある 細 菌 ウイルス 感 染 やホコリ ダニ 花 粉 ダニなどのアレルゲン タバコの 煙 やアルコール 気 圧 変 化 や 運 動 でさえも 気 管 支 喘 息 発 作 を 引 き 起 こす 誘 因 になりうる アスピリン 喘 息 は 成 人 の 気 管 支 喘 息 のおよそ 10%とも 言 われてお り 男 女 比 では 2 : 3 と 女 性 に 多 く 見 られます アスピリン 喘 息 はアスピリンだけでなく 非 ステロイド 性 抗 炎 症 薬 (NSAIDs)を 含 む 錠 剤 や 坐 剤 注 射 薬 や 塗 り 薬 などを 服 用 使 用 したこ とにより 気 管 支 喘 息 発 作 が 引 き 起 こされるもので 軽 い 息 苦 しさなどの 自 覚 症 状 を 感 じる 発 作 が 起 きる 程 度 から 意 識 の 消 失 を 伴 う 急 性 喘 息 重 積 発 作 まで その 症 状 はさまざまである ま た 気 管 支 喘 息 は 夜 中 ~ 明 け 方 に 非 常 に 発 症 しやすい 病 気 でもある 体 内 ではアドレナリンの 低 下 副 交 感 神 経 の 亢 進 アレルギー 誘 発 物 質 であるヒスタミンの 上 昇 気 道 炎 症 の 悪 化 など が 夜 間 ~ 明 け 方 特 に 午 前 4 時 頃 に 集 中 して 見 られるため この 時 間 に 気 管 支 喘 息 の 発 作 が 多 い 気 管 支 喘 息 の 治 療 薬 にテオフィリンがあり 気 管 支 喘 息 に 対 して 経 口 の 徐 放 剤 を 使 用 す る 今 までの RTC 療 法 から 朝 より 夕 方 に 投 与 量 を 多 くする 時 間 治 療 へと 変 化 しつつある 一 日 で 使 用 している 量 に 違 いはなくとも 時 間 治 療 がなされてからはコントロールされるように なり 時 間 治 療 の 優 位 な 点 が 見 られる がんは 遺 伝 子 が 何 らかの 刺 激 や 転 写 のミスなどにより 突 然 変 異 を 起 こし 無 限 増 殖 能 転 移 能 などをもった 病 気 であり がん 細 胞 は 幼 若 化 という 特 徴 を 持 っている 日 本 では 1981 年 か ら 死 因 の 第 一 位 であり 2006 年 の 死 因 の3 割 ががんによるものであった 禁 煙 健 康 的 な 食 事 適 度 な 運 動 をすることで 30%-40%のがんが 予 防 できるものであるとされている 抗 がん 剤 にはアルキル 化 剤 代 謝 拮 抗 剤 抗 がん 性 抗 生 物 質 植 物 アルカロイド ホルモン 療 法 剤 白 金 錯 体 L-アスパラギナーゼ 分 子 標 的 薬 がある 様 々な 細 胞 の 細 胞 周 期 も 日 内 変 動 をし がん 細 胞 の 多 くは 日 中 に 活 動 が 穏 やかで 夜 間 に 活 発 になる 時 間 治 療 により 副 作 用 を 抑 える ことで 治 療 を 継 続 して 行 うことが 出 来 その 結 果 抗 がん 剤 の 治 療 効 果 にも 影 響 が 出 てくる 卵 巣 がん 患 者 さんドキソルビシン シスプラチンの2 剤 併 用 の 化 学 療 法 を 行 い 4 つの 投 与 方 法 ごとに 患 者 を 分 けて 治 療 効 果 を 調 べたものでは 午 前 6 時 にドキソルビシンを 午 後 6 時 にシスプラチンを 投 与 する 方 法 と 午 前 6 時 にシスプラチンを 午 後 6 時 にドキソルビシンを 投 与 する 方 法 を 一 ヶ 月 ごとに 交 互 に 繰 り 返 したものが 一 番 良 い5 年 生 存 率 を 記 録 した これは がん 細 胞 は 夜 間 に 細 胞 分 裂 が 活 性 化 されるけれど 夜 間 に 活 性 化 されるものだけではないとい うこと がん 細 胞 は 耐 性 を 得 やすいということ がん 細 胞 にも 種 類 があり 一 つの 腫 瘍 にはい くつかの 種 類 のがん 細 胞 があることなどから 考 えて 午 前 に 活 発 になる 細 胞 と 午 後 に 活 発 にな る 細 胞 のどちらにも ドキソルビシンにもシスプラチンにも 暴 露 させることでより 高 い 治 療 成 果 が 得 られたのだと 考 る 今 後 の 抗 がん 剤 に 関 してはさらに 新 しい 抗 がん 剤 が 創 られ 遺 伝 子 型 により 有 効 性 の 高 い 薬 物 を 選 ぶことに 加 え この 時 間 治 療 の 活 躍 も 期 待 が 出 来 ると 思 う

13 学 籍 番 号 PC 氏 名 町 田 恭 一 気 管 支 喘 息 とがんへの 時 間 治 療 テオフィリンはカフェインと 同 様 のキサンチン 誘 導 体 で20 世 紀 に 入 り 合 成 された 喘 息 の 治 療 に 使 用 される 薬 である 日 本 ではテオフィリン 徐 放 性 製 剤 はその 吸 収 が 緩 やかでかつ 半 減 期 が 長 いといった 特 徴 により 喘 息 の 長 期 管 理 の 基 本 薬 として 軽 症 から 重 症 の 患 者 まで 使 用 さ れている テオフィリンの 抗 喘 息 作 用 は 主 にPDE(ホスホジエステラーゼ) 阻 害 作 用 とアデノ シン 受 容 体 拮 抗 作 用 によるものといわれている そのほかに HDAC 活 性 化 作 用 が 近 年 注 目 さ れている テオフィリンの 副 作 用 としては 中 枢 神 経 系 に 作 用 すると 呼 吸 器 中 枢 を 刺 激 し 頻 呼 吸 延 髄 への 影 響 としては 痙 攣 発 作 など 心 臓 血 管 運 動 系 に 対 しては 頻 脈 や 不 整 脈 の 誘 発 と 低 血 圧 消 化 器 系 に 対 しては 胃 酸 分 泌 の 亢 進 を 主 体 とする 悪 心 や 嘔 吐 などを 呈 することがあ る このようにテオフィリンは それぞれの 臓 器 に 対 してさまざまな 作 用 をもつが 一 般 的 に はテオフィリンの 血 中 濃 度 が25μg/ml 以 上 になると 薬 理 作 用 の 増 強 とともに 副 作 用 があら われる 血 中 濃 度 が40μg/ml 以 上 になるとすべての 症 例 で 中 枢 神 経 症 状 や 不 整 脈 痙 攣 の 出 現 を 見 る 60μg/ml 以 上 になると 痙 攣 または 付 加 逆 状 態 から 死 にいたる テオフィリンと 痙 攣 の 関 係 に 関 する 前 垣 ら(2006) 三 浦 ら(2000) 小 田 嶋 ら(2003)の 研 究 で は テオフィリン 使 用 時 の 痙 攣 は 痙 攣 時 のテオフィリンの 血 中 濃 度 がいずれも 有 効 域 ある いはそれを 下 回 ること より 低 年 齢 での 発 作 が 多 いことが 報 告 されている てんかんに 対 して 抗 痙 攣 剤 を 使 用 している 小 児 の 例 では テオフィリンではなく1 歳 未 満 児 に 痙 攣 発 作 が 有 意 に 多 いこと( 三 浦 ら) 喘 息 児 を 対 象 にした 調 査 では テオフィリン 使 用 群 と 非 使 用 群 との 間 に 優 位 な 差 がないなど( 小 田 嶋 ら) いずれもテオフィリンが 主 たる 原 因 ではなく 他 の 要 因 と の 関 連 がより 大 きいことが 示 唆 されている テオフィリンを 安 全 に 使 用 するには 下 表 の 点 に 留 意 し 投 与 すれば ほぼ 安 全 に 使 用 することができる 表 テオフィリンによるけいれん 発 症 憎 悪 の 要 因

14 学 籍 番 号 PC 氏 名 小 林 美 香 高 血 圧 の 時 間 治 療 高 血 圧 は 本 態 性 高 血 圧 と 二 次 性 高 血 圧 の2 種 類 に 分 類 されている 高 血 圧 の 治 療 は 本 態 性 高 血 圧 と 二 次 性 高 血 圧 によって 異 なり 本 態 性 高 血 圧 では 合 併 症 を 防 ぐような 治 療 を 二 次 性 高 血 圧 では 高 血 圧 の 原 因 となっている 疾 病 の 治 療 を 行 っている 治 療 法 は 運 動 食 事 などの 生 活 習 慣 を 修 正 する 非 薬 物 療 法 と 降 圧 薬 によって 血 圧 を 下 げ る 薬 物 療 法 がある しかし 高 血 圧 治 療 の 基 本 は 食 事 療 法 と 運 動 療 法 を 中 心 とする 非 薬 物 療 法 つまり 生 活 習 慣 の 改 善 が 重 要 となり 降 圧 薬 の 服 用 の 有 無 にかかわらず 実 行 すべきもの と 考 えられている 薬 物 療 法 で 使 用 される 降 圧 薬 のなかで 現 在 第 1 選 択 薬 とされているのは Ca 拮 抗 薬 A CE 阻 害 薬 ATⅡ 受 容 体 拮 抗 薬 降 圧 利 尿 薬 β 遮 断 薬 α 遮 断 薬 の6 種 類 である これらのどれを 選 択 するかは 喫 煙 高 脂 肪 血 症 肥 満 糖 尿 病 などの 血 管 危 険 因 子 標 的 早 期 障 害 心 血 管 病 の 有 無 降 圧 薬 の 副 作 用 患 者 のQOLへの 影 響 などを 考 慮 して 決 定 されて いる 血 圧 は 実 際 に 測 定 してみるとわかるが 昼 夜 を 通 して1 日 中 同 じというわけではない 1 日 の 血 圧 の 変 化 をみると 起 床 前 からその 日 の 活 動 に 備 えるように 上 がり 始 め 日 中 の 動 いている 時 間 帯 では 高 くなり 夕 方 から 夜 にむかって 活 動 しなくなると 下 がり 睡 眠 中 はさらに 低 くな るという 基 本 的 なカーブを 示 す これを 血 圧 の 日 内 変 動 といい 日 毎 にそれが 繰 り 返 されるこ とになる そこで 降 圧 薬 の 血 圧 日 内 変 動 への 影 響 はどうなるのかというと 薬 剤 の 作 用 時 間 や 作 用 機 序 服 用 時 刻 患 者 の 病 態 などにより 異 なってくるが 最 近 では 長 時 間 作 用 型 の 降 圧 薬 が 主 に 用 い られるようになり それらの 薬 剤 は 作 用 機 序 が 異 なっていても 日 内 変 動 に 及 ぼす 影 響 が 比 較 的 小 さく 安 定 した 降 圧 効 果 を 有 していることが 実 験 で 得 られている そのため 長 時 間 作 用 型 の 降 圧 薬 では 服 用 回 数 を 増 やしたり 就 寝 前 の 薬 剤 を 処 方 したりするな ど 個 々の 症 例 に 合 った 薬 剤 を 組 み 合 わせることで 血 圧 の 日 内 変 動 に 合 わせ 高 血 圧 となる 部 分 を 解 消 することができると 考 えられる 今 後 血 圧 の 日 周 リズムを 考 慮 に 入 れた 高 血 圧 の 時 間 治 療 の 有 効 利 用 が 実 践 されていくこと で 患 者 の 副 作 用 や 合 併 症 の 発 症 数 の 抑 制 につながると 思 うので 重 要 である 血 圧 上 昇 のメカ ニズムに 合 わせて 高 圧 効 果 が 期 待 できる 薬 の 種 類 量 服 用 回 数 服 薬 時 間 を 選 び 時 間 とと もに 常 に 変 動 する 血 圧 を1 日 中 望 ましい 高 さにコントロールすることができるようになるこ とが 今 後 の 課 題 である

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