東京都におけるVOC対策について

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こうじいまいだ
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1 北京市東京都大気保全マネジメントワークショップ東京都の VOC 対策 ~ 産業部門における VOC 対策を中心に ~ 2013 年 10 月 30 日東京都環境局環境改善部 1

2 東京都の VOC 対策の目的光化学オキシダント SPM PM2.5 NOx VOC 有害光化学オキシダント高濃度日の削減 SPM の環境基準全局達成維持有害化学物質の環境リスク低減 2

3 ( 時間 / 局 ) 都内における光化学オキシダントの高濃度出現頻度の推移急激に増加 ( 日 ) ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 折れ線グラフ ( 左軸 ): 時間値 0.12ppm 以上となった一般局 1 局当たりの時間数棒グラフ ( 右軸 ): 光化学スモッグ注意報発令日数いずれも5 年移動平均 3

4 これまでの対策の経緯年度 ~2000 年取組内容都公害防止条例炭化水素類対策 2000 年 ~ 高濃度 Ox 頻度増加都環境確保条例国 VOC 規制のあり方検討 2006 年国改正大気汚染防止法( 濃度規制 ) 施行 VOC 自主行動計画開始都 VOC 対策の普及事業を展開 2010 年度 VOC 排出量削減目標年 ( 達成 ) 4

VOC 排出量の 30% 以上を削減 (2000 年度比 ) 10 年後の東京実行プログラム 44% 削減し達成 42% 削減し達成

5 VOC 対策の目標排出量削減に関する数値目標 (2010 年達成取組は継続 ) 国都 2010 年度の時点で蒸発系固定発生源からの VOC 排出総量を 2000 年度比で 3 割程度抑制大気汚染防止法施行通知 (2005) 2010 年度の時点で蒸発系固定発生源からの VOC 排出量の 30% 以上を削減 (2000 年度比 ) 10 年後の東京実行プログラム 44% 削減し達成 42% 削減し達成環境の改善に関する目標都 2016 年度までに光化学スモッグ注意報発令日を 0 日とする東京都環境基本計画 2008 目標対策継続中 5

6 産業部門 ( 蒸発系固定発生源 ) からの VOC 削減状況都内 VOC 排出量推計 (t/ 年 ) 80,000 約 42% 削減 ( 年度 ) 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 その他接着剤使用金属洗浄給油クリーニング印刷塗装塗装接着剤使用は屋外の建設作業を含む 6

7 都内の VOC 排出量推計 ( 移動発生源民生部門を含む ) 航空機船舶 2% 建設機械 1% 移動発生源 17% 一般家庭オフィス 16% 自動車 15% 燃焼系固定発生源 4% ボイラー等 4% その他 1% 接着剤 5% 金属表面処理 1% ( 工場内塗装 8%) 2010 年度 69.7 千 t/ 年クリーニンク 6% ( 工場外塗装 13%) 給油等 14% 蒸発系固定発生源 63% 塗装 21% 印刷 15% 蒸発系固定発生源燃焼系固定発生源移動発生源一般家庭オフィス塗装 ( 工場内 ) 塗装 ( 工場外 ) 印刷給油等クリーニング金属表面処理接着剤 ( 工場内 ) 接着剤 ( 工場外 ) その他ボイラー等自動車建設機械航空機船舶民生部門家庭用塗料接着剤うち大気汚染防止法の排出濃度規制対象は 3% 以下 7

8 都内の VOC 排出の特徴と都の取組の方向 VOC を排出する事業所の多くが大気汚染防止法の規制対象とならずかつ中小企業中小事業者の取組が不可欠屋外塗装等建設作業からの排出割合が高い発注者や消費者により商品やサービスの仕様が選択される発注者や一般消費者に対する低 VOC 製品の普及が必要 8

9 東京都の VOC 対策の体系 Ⅰ 法条例による規制大気汚染防止法揮発性有機化合物の排出濃度規制 ( 事業者による自主的取組 ) 東京都環境確保条例排出防止設備の設置義務化学物質適正管理制度 ( 都版 PRTR) Ⅱ 自主的取組の推進 Ⅲ 対策効果の検証 ( モニタリング ) 9

10 大気汚染防止法における VOC 規制ベストミックス排出の規制と事業者が自主的に行うVOCの排出及び飛散の抑制のための取組とを適切に組み合わせて効果的な VOCの排出及び飛散の抑制を図っていく制度 ( 大気汚染防止法第 17 条の 3) 排出規制 ( 強制的限定的 ) 一定規模以上の排出施設に対し VOC の排出基準を設定自主的取組 ( 自主的広範囲 ) すべての事業者の責務として VOC の排出抑制に努めることが規定 ( 大気汚染防止法第 17 条の 4 関連 ) ( 大気汚染防止法第 17 条の 14 関連 ) 10

11 法による VOC 排出濃度規制規制対象 VOC( 総体的な定義 ) 大気中に排出飛散した時に気体である有機化合物粒子状物質及びオキシダントの生成に寄与しない物質 (CH 4 HCFC-22 など 8 物質 ) を除く規制対象 VOC 排出施設 ( 施設を限定 ) 吹付塗装施設印刷用乾燥施設貯蔵タンクなど 9 種類 (6 施設類型 ) の施設排風機の風量等により大規模施設に限定都内には塗装施設等 21 施設 ( 貯蔵タンク無 ) ( 全国で約 3500 施設 ) 11

VOC 排出抑制に係る自主行動計画 ( 経済産業省産業構造審議会 ) 2005 年に WG にて事業者等による揮発性有機化合物 (VOC) の自主的取組促進のための指針を策定各団体が毎年度計画を提出 2011 年度実績 41 の業界団体等 ( 石油連盟日本自動車工業会日本印刷産業連合会

12 VOC 排出抑制に係る自主行動計画 ( 経済産業省産業構造審議会 ) 2005 年に WG にて事業者等による揮発性有機化合物 (VOC) の自主的取組促進のための指針を策定各団体が毎年度計画を提出 2011 年度実績 41 の業界団体等 ( 石油連盟日本自動車工業会日本印刷産業連合会日本工業塗装協同組合連合会全国鍍金工業組合連合会など ) 参加企業数 8,257 社自主行動計画における全国の VOC 排出量の推移 2011 年度実績 2000 年度比 60% 減全国団体の方針の下地域の業界団体が会員へ取組を普及年度 12

13 条例による VOC 規制排出防止設備設置義務貯蔵施設及び出荷施設における蒸発防止設備の設置 ( 国の VOC 規制より対象が広い ) 化学物質適正管理制度 ( 都版 PRTR) 化学物質管理制度を活用した VOC 対策国の PRTR 制度と異なり対象物質の VO C を独自に設定取扱量小規模も対象 13

14 化学物質適正管理制度濃度規制を行っている 59 種類の化学物質 ( 年間取扱量 100kg 以上 ) を対象に事業所ごとに以下を義務付け 1 毎年度の使用量排出量等の把握報告 2 化学物質管理方法書の作成従業員数 21 人以上の事業所については 2 の提出も義務付け 14

15 ( トン / 年 ) 9,000 8,000 7,000 化学物質適正管理制度から見た VOC 排出削減状況 (2011 年度 ) 物質別 (2011 年度時点 ) 適正管理化学物質 :58 物質うち VOC35 物質 other methanol hexane 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1, 年度 methyl ethyl ketone butyl acetate ethyl acetate xylene dichrolomethane trichroloethylene isopropyl alcohol toluene 15

16 ( トン / 年 ) 9,000 8,000 7,000 6,000 化学物質適正管理制度から見た VOC 排出削減状況 (2011 年度 ) 従業員規模別 5,000 4,000 3,000 2,000 1, 年度 20 人以下 21~50 人 51~100 人 101~300 人 301 人以上 16

17 東京都の VOC 対策の体系 Ⅱ 自主的取組の推進 (1) 工場における自主的取組への技術支援 1VOC 対策ガイド工場内編等の作成 2VOC 対策アドバイザーの派遣 3 セミナーによる VOC 排出抑制策の普及 4 区市における VOC 施策の支援 (2) 低 VOC 製品 ( 塗料など ) の普及啓発 17

18 (1)1VOC 対策ガイド工場内編対策例リーフレット対策ガイドは工場内塗装印刷金属表面処理クリーニングの 4 分野を対象とした対策技術の解説書対策例リーフレットでは対策ガイドの中から特にコストパフォーマンスの高い対策を選択して紹介 18

19 (1)2VOC 対策アドバイザー無料派遣制度民間専門家 19

20 (1)3VOC 対策セミナー主な演題 VOC 対策の意義 VOC 排出抑制技術事業者及び業界団体の取組事例対策によるメリット 2008 年度以降業種別に年間 7~10 回程度開催 20

21 東京都の VOC 対策の体系 Ⅱ 自主的取組の推進 (1) 工場における自主的取組への技術支援 (2) 低 VOC 製品 ( 塗料など ) の普及啓発 1VOC 対策ガイド建築土木工事編の作成 2 低 VOC 塗装事例の普及 3 公共部門での低 VOC 製品優先使用 4 消費者への普及啓発 21

22 (2)1VOC 対策ガイド建築土木工事編塗装工事等の発注者を対象とした工事仕様書の参考となることを目的とした技術資料屋外塗装水性塗料低溶剤形塗料弱溶剤形塗料その他建築資材屋上防水床塗料内装用接着剤 22

23 ２ ②低ＶＯＣ塗装事例の普及知名度の高いシンボリックな構造物でＶＯＣ対策を可視化環境局ホームページに掲載 23

24 (2)3 公共部門での低 VOC 製品優先使用東京都環境物品等調達方針 ( 公共工事 ) 低 VOC 塗料低 VOC 塗装のセミナー ( 公共工事編 ) による普及 4 消費者への普及啓発グリーン購入の推進リーフレット 24

25 Ⅲ モニタリング種類測定地点 VOC 測定項目測定頻度非メタン炭化水一般局 25 局非メタン炭化水 1 時間値素 ( 法に基づく自排局 3 局素常時監視 ) 有害大気汚染一般局 12 局 108 物質月 1 回物質モニタリン ( うち2 局は八王子日平均値市の管轄 ) グ+VOC 多成分調査自排局 2 局 VOC 連続測定一般局 5 局自排局 1 局 16 物質多成分 ( 約 80 物質 ) についても測定データ収集中 1 時間値 25

26 μg/m3 μg/m 平成平成 VOC モニタリングの結果トルエン年度キシレン区部一般平均多摩部一般平均沿道平均檜原 ( ハッククラウント ) 年度 IPA Toluene Propane Ethylacetate Ethane Acetone n-butane iso-pentane iso-butane MEK Ethylene Dichloromethane m,p-xylene Trichloroethene Butylacetate 2010 年度都内一般局年平均上位物質濃度 (μg/m3) 26

27 現状と課題しかし VOC 排出量は既に 4 割削減達成高濃度の Ox が未だに出現夏季に光化学スモッグ注意報の発令あり (2013 年 17 日 ) 関東一帯で高濃度を観測 PM2.5 の環境基準が一部で未達成 27

28 今後の都の VOC 対策の方向性夏季に重点的に削減対策夏季の VOC 対策普及啓発強化期間 (2011 年から開始 ) 広域的な連携体制を構築上記夏季対策を近隣県市と連携し実施 (2012 年から開始 ) 光化学 Ox 生成能が高い成分を特定し重点的に対策対策実施に向けた調査事業等を 2013 年から開始 28

29 御清聴ありがとうございました東京都の VOC 対策 ( 日本語 ) /index.html 化学物質適正管理制度 ( 日本語 ) control/index.html 29

内容 1 都内の大気環境 2 VOC 対策の取組 3 VOC 対策の課題 2

VOC 排出抑制セミナー H30.2.2 東京都における大気環境の現状と課題東京都環境局環境改善部化学物質対策課 1 内容 1 都内の大気環境 2 VOC 対策の取組 3 VOC 対策の課題 2 人の健康の保護及び生活環境の保全の上で維持されることが望ましい基準行政上の政策目標光化学オキシダント (Ox) 微小粒子状物質 (PM 2.5 ) 二酸化硫黄 (SO 2 ) 一酸化炭素 (CO) 浮遊粒子状物質