ご挨拶 第 23 回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会会長日本臨床細胞学会栃木県支部支部長自治医科大学産科婦人科学講座主任教授鈴木光明 この度 第 23 回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会を栃木県支部の主催で 宇都宮市で開催させていただくことになりました 大変光栄に存じております プログラムとして

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1 第 23 回 日本臨床細胞学会関東連合会学術集会 プログラム 講演抄録集 会長 : 鈴木光明自治医科大学産科婦人科学講座主任教授会期 : 平成 21 年 9 月 12 日 ( 土 ) 会場 : 栃木県総合文化センター 栃木県宇都宮市本町 1-8 TEL:

2 ご挨拶 第 23 回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会会長日本臨床細胞学会栃木県支部支部長自治医科大学産科婦人科学講座主任教授鈴木光明 この度 第 23 回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会を栃木県支部の主催で 宇都宮市で開催させていただくことになりました 大変光栄に存じております プログラムとしては ポスターによる一般演題に加えて シンポジウムとして ベセスダシステムをスタートして - 現状と問題点 またパネルディスカッションとして マクロ所見と細胞診 を企画しました 子宮頸部細胞診報告様式は わが国においては長年にわたり日本母性保護医協会 ( 現日本産婦人科医会 ) が作製した いわゆる 日母分類 が使用されてきましたが 本年度から ベセスダシステム 2001 準拠子宮頸部細胞診報告様式 への変更が推奨されました この新しい報告様式が全国に普く浸透するにはまだ時間を要すると考えていますが 本シンポジウムがベセスダシステムの浸透への契機のひとつとなれば幸いであります マクロ所見と細胞診 では 様々な分野から採取された細胞診検体を日々鏡検されている検査師の皆様が ミクロに対応するマクロの所見を閲覧することによって 疾患の理解に役立てればとの想いから企画されたパネルです そのほか 臨床に役立つ免疫細胞化学 と題するセミナーを企画し 免疫細胞化学の補助診断としての役割と意義を解説して戴く予定です 本学術集会の開催にあたりましては 臨床細胞学会栃木県支部の皆様をはじめとして多くの方々のご助力をいただいております 末筆ながら心より御礼申し上げますとともに 多くの会員の皆様方の学術集会へのご参加をお願申し上げます 平成 21 年 9 月吉日 - 2 -

3 交通案内図 - 3 -

4 参加者へのお知らせ 総合受付 : 栃木県総合文化センターサブホールロビー受付開始 : 午前 8 時 30 分参加費 : 3000 円受付にて参加費をお支払いの上 ネームカード ( 参加証 領収書兼用 ) をお受け取り下さい ネームカードには氏名 所属をご記入の上 ご着用願います ネームカードのない方の入場はかたくお断り致します なお ネームカードは再発行できませんのでご了承下さい 細胞検査士の方は検査士カードをご持参下さい (JSC 単位 :15 IAC 単位 :8) 産婦人科医には 下記の学術集会参加証明が交付されます 日本産科婦人科学会専門医シール日本産婦人科医会研修参加証 発表形式 シンポジウム パネルディスカッション ランチョンセミナー Microsoft Office PowerPoint による PC プレゼンテーションです 座長の皆様へ 座長は開始予定 15 分前までに会場内の次座長席にお着き下さい 進行は座長に一任しますが 時間厳守にご協力下さい 演者の皆様へ 1. 会場に用意する PC の使用について (1)OS: Windows XP ( ソフト :Microsoft Office PowerPoint , 2007 対応 (3) 音声出力 : 不可 2. 発表データについて (1) 発表データを 9 月 7 日までに事務局 (kr23@jichi.ac.jp) までお送り下さい ( ご自身の PC でのご発表は機器の関係上できませんのでご了承下さい (3) コピーしたデータは学会発表後 責任を持って消去します 3. 講演台ある機材について (1) 講演台に PC を 1 台事務局で用意致します ( 発表はご自身でマウス 操作ボタンを操作し行って下さい 4. 発表時間シンポジウム : 演者ご発表 20 分 その後全体討論 質疑応答パネルディスカッション : 演者ご発表 15 分 質疑応答 4 分 - 4 -

5 発表形式座長を交えての口頭による発表です 発表時間は 5 分 質疑応答時間は 3 分です 一般演題 座長の皆様へ総合案内にて座長リボンをお渡し致します セッション開始予定 15 分前までに各パネル前までお越し下さい 発表開始時刻のアナウンスに従ってお始め下さい 進行は座長に一任しますが 時間厳守にご協力下さい 演者の皆様へパネルサイズは全体で縦 240cm 幅 90cm です そのうち下方約 100cm は空白になるようにして下さい 演題番号 ( 左上方 20cm 20cm) は事務局で用意します 演題名 所属 氏名 は演題番号横のスペース ( 縦 20cm 幅 70cm) におさまるように作成してください 掲示用ピンと演者リボンはそれぞれのパネルの前に用意致します セッション開始予定 15 分前までに各パネル前までお越し下さい 発表に際しては座長の指示に従って下さい 貼付 発表 撤去の時間は下記のとおりです 時間を過ぎても取り外されないポスターは 事務局にて処分いたします 貼付時間 9:00~ 10:00 発表時間 13:00~14:15 撤去時間 16:00~16:30-5 -

6 日程表 9 月 12 日 ( 土 ) 第 1 会場 ( サブホール ) 第 2 会場 ( 特別会議室ロビー ) 第 3 会場 ( 特別会議室 ) 9:00-9:05 開会の挨拶 9:05-11:30 (2 時間 25 分 ) 11:45-12:45 (1 時間 ) 13:00-14:15 (1 時間 15 分 ) シンポジウム ベセスタシステムをスタートして- 現状と問題点 - 座長 平井康夫( 癌研有明病院 ) 西田正人( 霞ヶ浦医療センタ-) 演者 西田正人( 霞ヶ浦医療センタ-) 小澤信義(NTT 東北病院 ) 赤松節 ( 下越総合健康開発センター ) 中山裕樹( 神奈川がんセンター ) 清川貴子( 千葉大学 ) 荒井祐司( 癌研有明病院 ) ランチョンセミナー 臨床に役立つ免疫組織化学 演者長村義之 ( 東海大学 ) 座長正和信英 ( 獨協医大 ) 一般演題 合同役員会 14:30-16:10 (1 時間 40 分 ) パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 座長坂本穆彦 ( 杏林大学 ) 婦人科進伸幸 ( 慶応大学 ) 呼吸器横瀬智之 ( 神奈川県立がんセンター ) 消化器井村穣二 ( 獨協医大 ) 泌尿器村田晋一 ( 埼玉医大国際医療 ) 甲状腺加藤良平 ( 山梨大学 ) 16:10-16:15 次回会長挨拶 閉会の辞 - 6 -

7 講演プログラム 第 1 会場 ( 栃木県総合文化センター 1 階サブホール ) シンポジウム 9:05~11:30 ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 座長平井康夫 ( 癌研究会有明病院細胞診断部 ) 西田正人 ( 国立霞ヶ浦医療センタ - 院長 ) 1. 基調講演西田正人 ( 国立霞ヶ浦医療センタ- 院長 ) 2. 宮城におけるベセスダシステム導入の試み 当院での ASC-US の細胞像とハイリスク型 HPV 検査の検討 小澤信義 (NTT 東日本東北病院産婦人科 ) 3. ベセスタシステムをスタートして- 現状と問題点 - 赤松節 ( 下越総合健康開発センター ) 4. 神奈川県における現状と問題点中山裕樹 ( 神奈川県立がんセンター婦人科 ) 5. 腺系病変の問題点 :atypical glandular cell と診断されうる病変清川貴子 ( 千葉大学大学院医学研究院病態病理学 ) 6. ベセスダシステムにおける ASC の概念と実際荒井祐司 ( 癌研究会有明病院細胞診断部 ) パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 14:30~16:10 座長坂本穆彦 ( 杏林大学医学部病理講座 ) 1. 子宮体癌の子宮鏡所見と細胞診進伸幸 ( 慶應大学医学部産婦人科 ) 2. 肺腫瘍性疾患の病理肉眼像と細胞像の対応 臨床画像所見を含めた多角的検討横瀬智之 ( 神奈川県立がんセンター病理診断科 ) 3. 肝 胆道 膵疾患における細胞診断に役立つ肉眼像の特徴 - 画像診断との有機的結合井村穣二 ( 獨協医科大学病理学 ( 人体分子 )) 4. 泌尿器疾患のマクロ / 画像所見と細胞診村田晋一 ( 埼玉医科大学国際医療センター病理診断科 ) 5. 甲状腺加藤良平 ( 山梨大学医学部人体病理学講座 ) - 7 -

8 ランチョンセミナー 臨床に役立つ免疫組織化学 11:45~12:45 座長正和信英 ( 獨協医科大学病理学 ) 長村義之 ( 東海大学医学部病理診断学 ) - 8 -

9 一般演題 ( 示説 ) 第 2 会場 ( 栃木県総合文化センター 3 階特別会議室ロビー ) 13:00~14:15 一般演題 ( 示説 Ⅰ) 座長 : 小山徹也 ( 群馬大学病理診断学 ) P1-1 扁平上皮への分化を伴った乳腺小細胞癌の 1 例山梨大学医学部附属病院病理部 1), 同人体病理学, 山梨大学第 1 外科 石井喜雄 1), 川崎朊範, 弓納持勉 1), 中澤久美子 1), 小堺智文 1), 中澤匡男 井上慎吾 3), 望月邦夫, 山根徹, 近藤哲夫, 加藤良平 1, 3) 1), P1-2 乳腺 Endocrine DCIS の細胞像新潟県立がんセンター新潟病院病理部 北澤綾, 畔上公子, 弦巻順子, 泉田佳緒里, 小林由美子, 小池敦, 落合広美, 川崎幸子, 桜井友子, 川崎隆, 本間慶一, 根本啓一 P1-3 気管支洗浄液細胞診標本で肺胞蛋白症を考えた, 肺アミロイドーシスの 1 例 1) 獨協医科大学病院病理部, 獨協医科大学形態病理 佐々木英夫 1), 永井多美子 1), 町田浩美 1), 佐藤豊彦 1), 圓谷勝 1), 小島勝 正和信英, P1-4 口腔内に発生した Solitary fibrous tumor の一例 JA 長野厚生連小諸厚生総合病院臨床検査科 1), 同病理診断科 荻原重正 1), 遠藤裕子 1), 利根川淳子 1), 小松多美子 1), 小山正道 P1-5 扁平上皮化生部位のみを穿刺吸引された Warthin's tumor の 1 例 水戸赤十字病院病理診断科部 坂本三千代, 三村貴裕, 木村勝隆, 堀眞佐男 - 9 -

10 一般演題 ( 示説 Ⅰ) 座長 : 石亀廣樹 ( 佐久総合病院病理部 ) P1-6 G-CSF 産生能を有する低分化型肝細胞癌の一例 信州大学医学部附属病院臨床検査部 上原弥生, 小林幸弘, 堀川美栄子, 上原剛, 福島万奈 P1-7 腹膜悪性中皮腫の一例上尾中央総合病院検査技術科 1), ( 株 ) 上尾中央臨床検査研究所 日赤医療センター検査部 3) 堀井梨恵 1), 穴原賢治 1), 岡田麻里 1), 渡辺俊宏, 川地素崇, 藤原睦憲, 3) P1-8 胸水貯留を伴わず, 比較的早期の中皮腫と思われた一例東京医科大学八王子医療センター病理診断部 1), 同胸部外科 中川淳子 1), 若槻よしえ 1), 鎌倉俊太郎 1), 信太えりか 1), 島田真澄 1), 梨木裕介 1) 大谷方子, 三浦弘之, 芹澤博美 1) 1), P1-9 穿刺吸引細胞診が原因と考えられたリンパ節梗塞 1) 群馬県立がんセンター病理, 獨協医科大学病理 群馬県健康づくり財団病理 3) 田端里美 1), 小島勝, 土田秀 1), 神山晴美 1), 原口理恵子 1), 中里宜正 飯島美砂 1), 杉原志朗 3), 1),

11 一般演題 ( 示説 Ⅱ) 座長 : 沖明典 ( 筑波大学産婦人科 ) P2-1 最近経験した子宮体部癌肉腫症例の臨床像と細胞 組織像 国際医療福祉大学病院病理部 1), 同産婦人科 川村政人 1), 黒田一 1), 伊藤明香 1), 篠原恵 1), 高橋佳容子, 大和田倫孝 P2-2 子宮癌肉腫の 1 例栃木県立がんセンター検査技術部 1), 同病理診断科 芳賀赤十字病院検査部 3), 栃木県立がんセンター婦人科 佐々木優 1), 中野公子 1), 星暢夫, 黒川敬男 3), 須藤祐紀子 1), 伊沢真一 鈴木兼一 1), 星サユリ, 平林かおる, 五十嵐誠治, 鎌田裕之 4) 4) 1), P2-3 子宮体部低分化腺癌の一例千葉市立青葉病院臨床検査科 1), 同病理科, 同産婦人科 1) 1) 1) 1) 3) 藤崎和仁, 井浦宏, 三橋涼子, 柿沼豊, 窪澤仁, 岩崎秀昭, 西脇哲二 3) 大見健二, 真田道夫 3) 3) 3), P2-4 子宮体部神経内分泌腫瘍 4 例の細胞学的検討 1) 神奈川県立がんセンター婦人科 同検査技術第 1 科 堀祐子 1), 近内勝幸 1), 塚田ひとみ 1), 長谷川哲也 1), 高橋肇 1), 小野瀬亮 加藤久盛 1), 中山裕樹 1), 上田朊子, 大金直樹 1), P2-5 子宮体癌における術前細胞診 組織診陰性例の検討神奈川県立がんセンター婦人科 高橋肇, 堀祐子, 近内勝幸, 塚田ひとみ, 長谷川哲哉, 小野瀬亮, 加藤久盛, 中山裕樹 P2-6 子宮頚部原発 atypical carcinoid (WHO) with adenocarcinoma の 1 例 山梨県立中央病院病理科 1), 婦人科 原仁 1), 寺本勝寛, 池上淳, 石井恵理 1), 本田智美 1), 中川美紀 1), 小山敏雄 1) P2-7 ポリープ状異型腺筋腫の一例独立行政法人国立病院機構長野病院研究検査科 金子司, 矢野政敏, 梅戸克之, 前島俊孝

12 シンポジウム ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 2. 宮城におけるベセスダシステム導入の試み 当院での ASC-US の細胞像とハイリスク型 HPV 検査の検討 NTT 東日本東北病院 1), 宮城県医師会臨床検査センター, 宮城県対がん協会 東北大学産婦人科 4), 宮城県立がんセンター婦人科 5), 仙台市救急事業団 東北大学病院病理部 7) 6) 3) 小澤信義 1), 亀セツ子 1), 牧野浩充 1), 矢嶋聡 1), 三浦敏也, 及川洋恵 3), 伊藤潔 4), 田勢亨 東岩井久 6), 笹野公伸 7) 5), NTT 東日本東北病院では2007 年からベセスダシステムを導入している 目的 : 当院での ASC-US 判定の妥当性を検討するために ASC-US の細胞像とハイリスク型 HPV (hr-hpv) 検査結果と組織診断結果の検討を行なった 方法 : 検討期間は 2007 年 10 月より 2008 年 9 月までの 1 年間で 標本は従来法による塗抹標本である 細胞判定は ベセスダシステム 2001 アトラス を主に参照している ASC-US は 意義不明な異型扁平上皮 で LSIL を示唆するが, 質的 量的に LSIL の定義を完全に満たさない細胞変化である また 細胞検査士会ベセスダ小委員会作成 ベセスダシステムワークショップハンドアウト が参考になる つまり ASC-US とは1) 表層 中層細胞において LSIL に満たない核異型を示す細胞 核異型の尐ない koilocytosis 3) 核異型を伴う中層細胞大の扁平上皮化生 4) 異型の尐ない錯角化細胞 5) 異形成が疑わしいが出現細胞が極めて尐ない等である 当院ではさらに核異型を伴う扁平上皮化生で細胞質が網目状にすけて見え,koilocytosis に移行しそうな細胞変化を 仮称 koilo- 様変化 として ASC-US 判定の参考としている 結果 :1. ASC-US の判定例は1 年間では 3,120 検体中 120 検体 (3.8%) であった 前半 2.8% で後半 5.0% と増加した 2. ASC-US の細胞像としては, HPV 感染を疑うが,LSIL とするには核異型の尐ない細胞が多かった 3. 細胞質が網目のようにすけて見える, koilo- 様変化 を伴う扁平上皮化生細胞がしばしば見られ,ASC-US 判定の参考とした 4 ASC-US 120 例中の 73 例 (61%) に hr-hpv 検査が実施され 陽性が 36 例 (49%) で, 陰性が 37 例 (51%) であった 5. ASC-US 120 例中の 48 例 (40%) に組織検査が行なわれ,CIN2 が 4 例 (8%),CIN1 が 30 例 (63%),CIN 無し等が 14 例 (29%) であった 6. hr-hpv 陽性 ASC-US 27 例からCIN2+ が 4 例 (14.8%) 発見され,hr-HPV 陰性 ASC-US 18 例からの CIN2+ は 0% であった 7. ASC-US 例のその後の取り扱いのトリアーシ (CIN2+の発見) には,hr-HPV 検査が有用であることが示唆された 宮城県では 2008 年に宮城県医師会子宮がん検診委員会を中心に検討会を重ね 2009 年度からベセスダシステムを導入している その運用上の問題点とその対応についてもふれる予定である

13 シンポジウム ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 3. ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 下越総合健康開発センター 赤松節 ベセスダシステムにおける標本の適否判定は パパニコロー分類には見られない優れた基準である 新潟県では検診判定にベセスダ 2001 基準の標本適否判定を取り入れ 検診の質の向上をはかってきた このほど平成 17 年から4 年間の状況をまとめたので報告する 平成 17 年度から 20 年度までの検診実数は 256,396 件で 不適標本数は 19,341 件 (7.8%) であった 年度別では初年度に 17% と高率であったものが 3 年後には 3% 弱まで減尐した 標本作成法別では直接塗抹法 ( 以後従来法と記す ) は平均 14.3% 液状検体法( 以後 LBC 法と記す )0.6% で有意差があった 検診方法別では車検診 8.11% 施設検診 5.24% と大差はなかったが 年度推移では車検診は 17 年度 17.1% であったものが 20 年度には 1.26% まで減尐していた 施設検診では 17 年度 5.1% でその後も大きな変化がなかったが 20 年度には 7.3% に増加していた 検診における LBC 法の普及状況は 平成 17 年度には 35.5% であったが年々増加し 20 年度には 55% にまで増加した 検診方法別では平成 17 年度の車検診の LBC 法は 37% であったが 20 年度には 97.5% まで増加した 施設検診では平成 17 年度の LBC 法が 35.3% であったが 20 年度には 25.4% まで減尐した 検診方法別の増加率では 17 年度の施設検診は 49.1% を占めていたがその後増加傾向が見られ 20 年度には 57.3% にまで増加しており今後も施設検診のしめる割合が増加するものと思われる 検診標本の適正率を増加させるためには LBC 法の普及が期待される

14 シンポジウム ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 4. 神奈川県における現状と問題点 神奈川県立がんセンター婦人科 中山裕樹, 堀祐子, 近内勝幸, 塚田ひとみ, 長谷川哲哉, 高橋肇, 小野瀬亮, 加藤久盛 子宮頸部細胞診報告様式の変更が提案された 2005 年から 日本産婦人科医会がん対策部の一員として新報告様式の作成に参画するとともに 地元神奈川県における導入を神奈川県生活習慣病対策委員会子宮がん分科会の一員として担ってきたので 神奈川県における現状と問題点を述べてみたい 2008 年 6 月の理事会決定 8 月に厚生労働省に通知 9 月の全国支部がん担当者連絡会議にて広報 12 月の小冊子 の理解のために の全会員配布と 中央での作業は順調に進んだ これを受けて 都道府県は検診実施主体である市町村を指導していくことになるが 内容が専門的であるため 地区医師会 ( 実質的には産婦人科医会 ) が積極的に動かざるを得ない 中央とのパイプが細かったり 検診 がんの専門家が参画していない地区では 対応が後手に回っている その中で 神奈川県については 中央のがん対策部に 3 名のメンバーが入っているため 2008 年 7 月の時点で県に情報提供し 県では直ちに市町村に非公式に通知した また 8 月 27 日には神奈川県生活習慣病対策委員会子宮がん分科会で情報提供した 10 月 2 日に神奈川県産科婦人科医会理事会で 準備のできた市町村から順次導入 2 年間で完全移行 が決定され 10 月 7 日には神奈川県健康増進課に正式に申し入れ 11 月 25 日に神奈川県子宮がん検診実施指針の一部改定が行われ 市町村に正式に通知された 横浜市をはじめいくつかの市町村で 本年 4 月より新方式が導入されたが 当初はクラス分類と並記の形である 行政側の問題点として 1) 検診結果の集計をどちらの方式で行うか 不適正検体となった場合の再検査の方式と費用負担 3) 検査会社の対応能力の評価 4) 医師以外の従事者に対する教育 などの問題が浮き彫りとなった 特に再検査費用の公費負担は行政の理解が得られず 現場の産婦人科医 検査会社側ともに対応に苦慮している 一方 産婦人科医側の問題点として 1)ASC-US を受診者にきちんと説明できるか 不適正検体となった場合の再検査の励行 3)2 年後に新方式に全面移行できるか などがあり 特に 現場では不適正検体に対する医師自身の責任感の欠如が明らかとなり さらなる啓蒙および教育の必要性が痛感された

15 シンポジウム ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 5. 腺系病変の問題点 :atypical glandular cell と診断されうる病変 千葉大学大学院医学研究院病態病理学 清川貴子 子宮頸部細胞診は, もともと扁平上皮病変のスクリーニングを主な標的として行われてきた. ベセスダシステム 2001 では, 腺病変の検出感度に限界があることを認めた上で, 腺系異型細胞の記載法も定められている. すなわち,1) 腺癌 adenocarcinoma, 内頸部上皮内腺癌 endocervical adenocarcinoma in situ (AIS),3) 異型腺細胞 atypical glandular cells (AGC), に分類している.1), 3) については, できる限りそれらの由来 ( 内頸部腺, 内膜腺, その他 ) についても記載することを推奨している. AGC はさらに, 腫瘍性を示唆する AGC-favor neoplastic と特定不能な AGC-NOS に分けられる. AGC-NOS とは, 反応性あるいは修復変化を上回る異型を示すものの,AIS や浸潤性腺癌の基準を満たさない腺細胞と定義され, その判定基準として以下があげられる :1 細胞はシート状ないし索状に出現し, 核の重積性や細胞密度の増加を伴う,2 正常内頸部腺の 3-5 倍の核腫大がみられることがある,3 核の大きさが不均一である,4 軽度のクロマチン濃染, 核小体がみられることがある, 5 核分裂像はまれ,6 細胞質は比較的豊富で,N/C 比は増加している,7 細胞境界は明瞭である. AGC-favor neoplastic とは, 細胞形態は異常であるが, 量的質的に AIS や浸潤腺癌の判断に至らないものと定義される. ベセスダシステム 2001 における AGC とは, 特定の前癌病変をさすものではなく, 癌へのリスクの高さを示す分類であり, 多彩な病変が含まれ.AGC と判定された例の follow-up ないし精査で 10-40% に high grade lesion が発見され, その多くは扁平上皮系病変であることが知られているが, 一方, 異型が弱い AIS ないし腺癌, 腺異形成, 良性内頸部腺病変も AGC と判定されうる. 主な良性内頸部腺病変には, 再生異型, 放射線療法や化学療法などの治療による変化, 卵管 ( 内膜 ) 上皮化生, 子宮内膜症, 頸管ポリープ, 内頸部腺過形成 ( 微小腺管過形成, 分葉状頸管腺過形成を含む ) がある. ここでは, 細胞診で AGC と診断されうる腺系病変の病理像について, 良性内頸部腺病変を中心に提示する

16 シンポジウム ベセスタシステムをスタートして - 現状と問題点 - 6. ベセスダシステムにおける ASC の概念と実際 癌研究会有明病院細胞診断部 荒井祐司, 平井康夫 ベセスダシステムの特徴は 1) 検体の適否の判断を記載する 扁平上皮内病変 (squamous intraepithelial lesion:sil) を 腫瘍性を示唆するという観点から 2 段階に分類した 3) 異型扁平上皮細胞 (atypical squamous cells : ASC) および異型腺細胞 (atypical glandular cells: AGC) というカテゴリーを設定した この3 点である この新しいカテゴリーである ASC および AGC は 細胞診による形態学的分類の限界部分を明確な形として表そうとしたものである しかし 意義不明な異型扁平上皮細胞 と広義な定義であったため 陰性の可能性の高いものから陽性の可能性の高いものまでが一つの項目の中に入ってしまい 臨床側に混乱を招く結果となってしまった それをベセスダシステム 2001( 以下 :TBC2001) では ASC を 意義不明な異型扁平上皮細胞 (atypical squamous cells of undetermined significance:asc-us) と HSIL を除外できない異型扁平上皮細胞 (atypical squamous cells, cannot exclude HSIL:ASC-H) の二つに細分化した ASC は単一の生物学的単位ではないとして 腫瘍性の可能性を示すものだけではなく 炎症や変性を伴う萎縮などの生態的変化による細胞変化 乾燥など標本作製上のことによる細胞変化なども含まれるとしている そして SIL を示唆する細胞変化であるが 判断するには質的 量的に不十分な状態であるものを示す そして このカテゴリーは個々の細胞に適用するのではなく 標本全体を判断するためのものとして設定されている 米国では ASC と診断された女性の約 50% が High-risk HPV のタイプに感染しているという結果が示されている 現在使用している日母分類 ( 日本母性保護医協会 = 現日本産婦人科医会 ) には このカテゴリーに相当するものはなくクラス分類において多くは Class Ⅱ Ⅲと判定しているものと考える この形態学的に白黒はっきりできないグレーゾーンを1つのカテゴリーとして位置づけているのは 我々細胞検査士にとっては新しい考え方であり 便利であると思われるが 安易に ASC が多くなるのは以前のベセスダシステムの経験からも避けなければならないことである TBC2001 では ASC(US+H) は婦人科全検体数の5% 程度の割合で その ASC の中の 10% 程度が ASC-H であることが望ましいとし ASC がゴミ箱的なものにならないよう示している 今まで我々は 標本状態の良悪から個人の力量の違いまで 様々な要因の中でそれら標本を判定してきているが その結果 例えばクラス分類では Class Ⅱから Class Ⅲの間を何段階にも分け その施設または地域のみでしか通用しない様な表現が用いられているのが現状である このような多種多様な表現を 一つのカテゴリーとして分類し共通の認識を持つことが必要である そして今後 HPV 検査を併用することによって このカテゴリーの異型細胞により確かな判断基準が示されてくることが期待される

17 パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 1. 子宮体癌の子宮鏡所見と細胞診 慶應義塾大学医学部産婦人科 進伸幸, 照井仁美, 荒井ゆり子, 長島義男, 平沢晃, 阪埜浩司, 青木大輔 目的 子宮鏡検査は子宮内腔病変の診断に有用とされ広く用いられている しかしながら 異型血管の異型度の判定基準など客観化が難しいこともあり 内膜病変の正診率は決して高くないのが現状である そこで 子宮鏡によるマクロ所見と内膜細胞診所見 内膜組織診所見を対比して どのような子宮鏡所見が細胞診 組織診判定に反映するのか検討した 方法と対象 当院子宮鏡外来にて 2008 年に子宮鏡検査が施行されたのべ 212 例の患者を対象に 子宮鏡所見 ( 隆起性病変 表面の粗造性 異型血管の有無 病変の局在など ) と内膜細胞診 内膜組織診または内膜全面掻爬 ( または経頸管的腫瘍切除 ) 組織診 摘出子宮組織診などと対比し 体癌の判定の精度を比較検討した 体癌 84 例中 51 例が G1 13 例が G2 13 例が G3 特殊組織型が 7 例であった 結果 組織診にて体癌と判定された 84 例中 57 例 (67.9%) が子宮鏡にて悪性と判定され 他は 腺癌か異型増殖症 4 例 異型内膜増殖症 11 例 悪性の可能性も否定できない 2 例 良性 9 例であった 一方 細胞診で腺癌と判定されたのは 84 例中 51 例 (60.7%) であり 他は 異型内膜増殖症 16 例 内膜増殖症 10 例 陰性 7 例であった 両者の体癌の陽性率はほぼ同等であった 黄体ホルモン療法施行中の組織診で腺癌残存症例 12 例に対する内膜細胞診陽性率は 16.7% 核異型を示す疑陽性以上でも 58.3% と低く 残存病変が小さいことと黄体ホルモンによる癌細胞の核異型の不明瞭化がその原因と考えられた 黄体ホルモン療法中の症例を除く腺癌症例 72 例中の陽性率は 49 例 (69.0%) であった 子宮鏡所見で体癌の所見として最も重要と考えられた異型血管と腫瘍表面の粗造性は 体癌症例でそれぞれ 73.5% 85.7% に認められ 両所見は 細胞診で陽性と判定された体癌症例において 86.3% でともに認められ 94.1% でいずれかが認められていた 結論 2008 年の子宮鏡施行症例による検討では G1 例が多いためか 体癌の陽性率は 内膜細胞診 子宮鏡ともに 70% 弱にとどまり G1 腺癌特に黄体ホルモン施行中の両者の陽性率が低い傾向が認められ 新たな診断方法の開発が必要と考えられた また 体癌例における子宮鏡での異型血管と腫瘍表面粗造性の所見は 細胞診陽性と高い一致率を示した

18 パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 2. 肺腫瘍性疾患の病理肉眼像と細胞像の対応 臨床画像所見を含めた多角的検討 神奈川県立がんセンター病理診断科 横瀬智之 呼吸器疾患領域の細胞診は腫瘍性病変の良悪判定や感染性微生物の検出 間質性肺疾患の活動性の評価など 多岐にわたり利用される有用な診断方法である 腫瘍性疾患の診断では 各組織型の細胞像を肉眼像と対比して知ることにより 細胞診断の精度向上が期待される では 肺がんの肉眼像はどのように分類されているのであろうか 肺以外の多くの臓器では 各臓器の癌取扱い規約中に肉眼分類が項目として挙げられている しかし 肺癌取扱い規約では病理に関する項目は組織分類と細胞診のみで肉眼分類は見あたらず 手術記載においても腫瘍割面の性状について記載する項目は見あたらない 種々の理由があるものと思われるが 肺癌の組織像は多彩であり 発生部によっても種々の形態像があることから 肉眼分類が作成されていない可能性がある そこで本演題では中枢性病変と末梢性病変に分ける 中枢性病変の肉眼像は気管支鏡所見を基本としうる 中枢性非早期肺癌では粘膜型 粘膜下型 壁外型に分類され 粘膜型は更に肥厚型 結節型 ポリープ型に細分類される 粘膜型は真の中枢発生腫瘍を表し 粘膜下型や壁外型は末梢発生病変の中枢進展像を表す 粘膜型の多くは中心型 ( 肺門型 ) 扁平上皮癌である 気管支腺型腫瘍やカルチノイドはポリープ型になりやすい 肺門部小細胞癌はびまん浸潤型や腫瘤型を取りやすい 末梢性病変の肉眼像は CT 画像を基本としうる 1990 年代以降 呼吸器領域では画像診断の発達が顕著であり 特に CT の発達はめざましい CT 画像上 腫瘍を大別すると 純粋なすりガラス状陰影 (GGO) 充実成分を含む GGO GGO のない充実性陰影からなる GGO の部分は通常 肉眼的に灰白色調で気腔が観察される領域に一致し 置換増殖型腺癌を示す確率が高い 充実性陰影を示す腫瘍は置換増殖型腺癌以外の腫瘍の可能性が考えられる 充実型となる各組織型の肉眼的特徴像を挙げると 末梢型扁平上皮癌では胸膜の平たい陥凹像が認められ 胸膜の肥厚を伴う 大細胞癌は典型像ではほぼ球形で 境界明瞭 凹凸は尐なく 割面は膨隆性である 小細胞癌は境界の鮮明さをやや欠き 割面は象牙色 半透明で柔らかく 髄様で みずみずしい外観を呈する 肉眼的に壊死は目立たない 大細胞内分泌癌は割面膨隆性で 黄色の点状病変が目立ちこれらは壊死を示す その他 日常の業務に役立つように肉眼像が細胞所見判読の補助となる症例を上げる

19 パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 3. 肝 胆道 膵疾患における細胞診断に役立つ肉眼像の特徴 - 画像診断との有機的結合 獨協医科大学病理学 ( 人体分子 ) 井村穣二 以前は消化器の細胞診と言えば 消化管に対するものが大半を占めていたが 近年 内視鏡診断の進歩と共に生検診断が積極的に行われ 細胞診検査の施行は殆ど行われなくなった また 肝疾患に対する形態診断はむしろ非腫瘍性病変に対して行うのに対し 腫瘍性病変に対しては飛躍的に進歩した画像診断技術のため 直接腫瘍から細胞採取を行うことは尐なく, 現行では留置胆道内カテーテルからの細胞採取が一部で行われている 一方 胆道 膵疾患に対しては 直視下に生検することが困難なため 胆汁や膵液に剥離してきた細胞や最近では病変部に対する擦過あるいは内視鏡的超音波検査下の穿刺吸引細胞診が積極的に行われきている この様に 肝 胆道 膵疾患の領域は限られてはいるが細胞診を行う上でも知っておかなければならない知識が多々ある その一つが 新たに提唱されてきている疾患概念を知ることであり 膵腫瘍では膵管内乳頭粘液性腫瘍 (Intraductal papillary-mucinous tumors: IPMTs) などが我が国を中心として発信され 同様の病変が胆道系でも存在することが最近注目されている また 膵の Solid-pseudopapillary tumor(sp tumor) に代表されるように 他臓器では見られない特異な組織型の腫瘍も存在している 従ってこれらの腫瘍においても肉眼像も特徴ある所見を呈することが多い 一方 胆道系腫瘍では胆道狭窄を来すものの 腫瘤性病変を伴うことは尐なく, 結果的に細胞採取は盲目的であることが多いという特殊性と閉塞機転に基づく炎症などの影響からか細胞形態の変貌を来し 結果的に胆汁細胞診の正診率の低さを反映しているのかもしてない この様な背景の中で 肝 胆道 膵疾患における細胞診断を行う際 他臓器同様 組織学的知識はもちろんのこと 臨床所見 特に画像診断の情報を考慮することで非常に役立つことが多い しかし 画像診断は最近では機能面をも把握できるようになったが やはりマクロレベルにおける一種の 影絵 を捉えているともいえる その点からも 肉眼所見を中心として, 一方は画像診断 他方は細胞診 組織診を互いに有機的に結びつけることでより的確な診断が今後は行われているものと確信する 本発表では 肝 胆道 膵など広範囲ではあるが 各々の臓器における腫瘍性病変を中心とする肉眼像を供覧し これらの症例の画像診断ならびに細胞 組織像を提示することで 肉眼像がどの程度までに画像診断や細胞 組織像に反映するかを概説したいと思う

20 パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 4. 泌尿器疾患のマクロ / 画像所見と細胞診 埼玉医科大学国際医療センター病理診断科 村田晋一 尿細胞診には 腎 尿管 膀胱を主とした尿路の様々な疾患に由来する異型細胞が出現する ここでは 尿路結石などの炎症性疾患および尿路上皮癌や腎細胞癌などの腫瘍性疾患のマクロ / 画像所見と細胞診像を提示する 尿路結石は尿中のリン酸塩や蓚酸塩の濃度上昇に伴い形成される 腎盂腔の形状に合致した珊瑚樹様結石が形成されることもある 結石に伴って出現する異型尿路上皮細胞は 極性の乱れの尐ない平面的細胞集団や個在性細胞として出現し 核や核小体の腫大を示すもののクロマチン増加は軽度である 腎炎や急性尿細管壊死などの非腫瘍性腎疾患において 再生尿細管上皮細胞が尿中に出現し 時に悪性細胞との鑑別が問題になることがある これらの様々な非腫瘍性腎疾患の末期像が機能的には慢性腎不全であり 肉眼的には萎縮腎となる 尿路上皮腫瘍の中で最も頻度の高い尿路上皮癌は 大きく分けて乳頭型と平坦型に分類される 乳頭型は数ミリの大きさの症例から膀胱腔を占拠するような大きな症例まで存在する 一般的に腫瘍径は 低異型度症例では小さく 高異型度症例では大きい 平坦型の高異型度尿路上皮癌である上皮内癌は 膀胱鏡では腫瘍病変として認識が困難なことが尐なくなく 細胞診は有効な検査法の 1つになる 低異型度症例の尿細胞診では 腫瘍細胞が小型で 良悪性鑑別が困難である 一方 高異型度症例では 腫瘍細胞が大型で 診断は容易と誤解されているが 実際には確定診断されていない症例が尐なくない 腎細胞癌には様々な亜型が存在する 明細胞型では 細胞内の脂質の多さから肉眼的には黄色調を呈し 出血や壊死を伴うため部分的に赤褐色な部分がみられる 細胞学的には明調な細胞質 円形核 繊細なクロマチンが特徴である 一方 乳頭型では 細胞内に脂質が尐なく 褐色調を呈することが多い 細胞の出現パターンは 乳頭状から管状の細胞集塊として出現し 背景にヘモジデリンを貪食したマクロファージが目立つ 特に 2 型では核異型が目立ち 大型核や腫大した核小体がみられる 疾患の肉眼像や画像所見は 腫瘍細胞 炎症細胞 うっ血 出血 壊死 間質などの病変の構成成分で決まる 病変の構成成分は尿中に出現し 細胞診所見に肉眼所見との相関を認めることが尐なくない 泌尿器疾患のマクロ / 画像所見を念頭に尿細胞診を行うことは 診断の精度向上につながると考えられる

21 パネルディスカッション マクロ所見と細胞診 5. 甲状腺 山梨大学医学部附属病院病理部 人体病理学講座 加藤良平, 弓納持勉, 石井嘉男, 中澤久美子, 小堺智文, 中澤匡男 甲状腺病変 ( 腫瘍 ) の術前診断のゴールドスタンダードは 超音波画像診断と吸引細胞診である 超音波画像診断は腫瘍のマクロ所見と深く関連しているが また細胞診所見を理解 診断する上においても重要な情報を提供するものである しかしながら 甲状腺結節性病変のマクロ所見については 現在までまとまった研究は極めて不十分といえる そこで 今回我々は 甲状腺結節性病変のマクロ所見の特徴をまとめ 細胞診所見との関係について述べていくことにする 1. 腺腫様甲状腺腫腺腫様甲状腺腫のマクロ所見の特徴は 甲状腺全体に結節が多数発生し 結節には明瞭な被膜は無く コロイド光沢が強いことである さらに これらの結節には 2 次的変性所見が加わることが多く しばしば出血 嚢胞化を伴う 細胞診断としては 上皮細胞の所見とともに 背景にこれらの 2 次的変性所見 Oxalate crystal マクロファージの出現などが見られることが多い 2. 濾胞腺腫と濾胞癌 ( 広範浸潤型濾胞癌と低分化癌 ) 濾胞癌の診断は 組織学的に被膜血管侵襲像を認識することによる したがって 濾胞腺腫と微尐浸潤型濾胞癌の肉眼的鑑別は困難である しかしながら 広範浸潤型の濾胞癌では 肉眼的に浸潤を確認できることが多い この広範浸潤型濾胞癌と診断されてきた腫瘍の多くは 現在の組織分類では低分化癌と診断されることが多い なお 通常の濾胞性腫瘍の割面は灰白色であるが 好酸性細胞腫瘍 (Hurthle cell tumor) では マホガニー色を呈することが特徴的である 3. 乳頭癌乳頭癌は甲状腺癌の中でも最も頻度の高い (90% 以上 ) 悪性腫瘍である 乳頭癌の増殖形態を検討すると 完全被包型 ( 頻度 6%) 部分被包型( 頻度 11%) 非被包型( 頻度 75%) 嚢胞型( 頻度 7%) 瘢痕性骨形成型( 頻度 1%) となる すなわち 乳頭癌の約 75% は非被包型で周囲に浸潤性の増殖を示し 超音波画像的にも診断可能であるといえる しかし 完全被包型 部分被包型などは 画像的に濾胞腺腫や濾胞癌との鑑別が困難で その術前診断には細胞診に頼らざるを得ないと思われる さらに 嚢胞型は嚢胞化した腺腫様結節との区別が問題となり 術前診断が難しいタイプの乳頭癌といえるだろう 特殊な腫瘍に瀰漫性硬化型乳頭癌があげられる

22 ランチョンセミナー 臨床に役立つ免疫組織化学 東海大学医学部病理診断学 長村義之 技術協力 : 東海大学付属病院診療技術部伊藤仁, 芹澤昭彦, 加戸伸明, 伊藤太郎 日常の病理組織診断 細胞診断に免疫組織化学が着実に定着してきているが その使用頻度は 圧倒的に腫瘍が多い 臨床に役立つ 患者の治療への反映 という視点から その用途を大別して見ると以下のように考えられる 1. 腫瘍の良悪性の鑑別悪性腫瘍の最終診断原発不明癌の原発巣の特定 2. 悪性腫瘍の予後因子 3. 悪性腫瘍の治療指針のための標的分子の検出この中で #1 については これまでに多くのデータが蓄積されており ルーチンにも盛んに応用されてきている その範囲は 乳癌 前立腺癌 悪性リンパ腫 消化器癌 悪性中皮腫 GIST 種々の肉腫など極めて多岐にわたっている また 組織特異性を有する分子は 原発の特定に有用となる 大切なことは 診断に有効なマーカー分子を最小限に選択して染色し 的確な診断に反映することである #2 の予後因子としての代表格は増殖細胞抗原の検出と言える Ki-67(MIB-1) の染色が頻繁に行われる 大切なことは 腫瘍の種類によってその cut-off 値が異なる点である 下垂体腫瘍では 3%(WHO) 神経内分泌腫瘍(NETs) では 20%ENET(30%WHO) 乳癌の luminal type では 14% 前立腺癌では 10% 悪性リンパ腫で LBCL では 70% などが予後的に意義のある cut-off として報告されている その他多くのいわゆる Biomaker が予後因子として報告されており 実用化されているものも多い その実例として HER2 に注目してみたい 1991 年に McCann らは HER2+ ER- 乳癌が予後不良であることが報告された 癌の Molecular classification の始まりである 2000 年に HER2 を標的分子とした治療薬トラスツズマブが実用化され 現在では予後不良因子が治療のための標的分子になっていることも多い #3 での 分子標的治療はヒト化モノクローナル抗体 チロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) ホルモンアナローグ ( ソマトスタチンアナローグ SA など ) AKT/mTOR 阻害剤などに大別され その中での標的分子の免疫組織化学による検出も期待されている EGFR,HER2,KIT,VEGF,SSTR,AKT/mTOR などが標的分子となるが この分野では 分子病理技術と組み合わせて行われることも多い これらの 免疫組織化学染色は FFPE 組織標本および細胞標本で施行することが可能であり その際の精度管理 (QA/QC) も重要である Pre-analytical, analytical, post-analytical と整理して QA/QC を施行することが推奨されている また 染色の自動化 Automation も画像解析と組み合わせることにより より客観的な解析が可能となる

23 ( 示説 Ⅰ) P1-1 扁平上皮への分化を伴った乳腺小細胞癌の 1 例 山梨大学医学部附属病院病理部 1), 同人体病理学, 山梨大学第 1 外科 石井喜雄 1), 川崎朊範, 弓納持勉 1), 中澤久美子 1), 小堺智文 1), 中澤匡男 井上慎吾 3), 望月邦夫, 山根徹, 近藤哲夫, 加藤良平 1, 3) 1), はじめに 乳腺原発の小細胞癌は 乳腺神経内分泌腫瘍のまれな一亜型であるが 扁平上皮への分化を伴った症例の報告はほとんどない 症例 58 歳 女性 主訴は右乳腺腫瘤 画像所見 マンモグラフィでは 右 MO 領域に 鋸歯状の境界を有する分葉形腫瘍がみられた ( カテゴリー 4) 超音波では 3.5cm 大の境界明瞭な不整形腫瘤を認めた 腋窩リンパ節の腫大もみられ 浸潤性乳管癌が疑われた 穿刺吸引細胞診 背景は壊死性で 細胞採取量は豊富であった 腫瘍細胞は孤立散在性の出現パターンを主体とし 部分的に集簇性にみられた 孤在性の腫瘍細胞はおおむね裸核状を呈し 変性した濃縮状核をともなって 細網状ないし顆粒状のクロマチンを有する小 ~ 大型の類円形細胞としてみられた 核小体は目立たなかった 一方 集簇性に出現する腫瘍細胞は重積性を示し 結合性の緩い集団として認められた 細顆粒状を呈する狭小な胞体が一部にみられた また 扁平上皮化生を示唆する小クラスターを一部に認めた 組織像 肉眼的には 4.5x4x4cm 大の充実性腫瘍であり 割面は灰白色から一部褐色調であった 組織学的には N/C 比の高い比較的小型の腫瘍細胞が髄様に増殖し 発達した血管間質を伴っていた 腫瘍細胞は 類円形 ~ 短紡錘形を示し 核クロマチンは顆粒状であった 扁平上皮への分化が部分的にみられた 凝固壊死所見を斑状に認めた 免疫組織化学的に 腫瘍細胞は 神経内分泌マーカーである NCAM(CD56) シナプトフィジンがびまん性に陽性であった 以上より 扁平上皮への分化を伴う小細胞癌と診断された 考察 細胞診では異型性の強い腫瘍細胞の孤立散在性パターン 結合性の緩い重積性集塊など 充実腺管癌とオーバーラップする所見がみられた しかし 強い壊死性背景 極めて高い N/C 比 目立つ裸核状細胞 変性濃縮核 不明瞭な核小体などの所見とともに 細網状ないし顆粒状の核クロマチン パターンや 狭小ながら細顆粒状を呈する胞体などの神経内分泌分化を示唆する所見は 乳腺小細胞癌を推定する上での細胞学的な手掛かりと考えられた 一方 乳腺小細胞癌において 扁平上皮化生の所見は極めてまれである 結語 乳腺小細胞癌の術前診断は 治療法の選択において意義を有する可能性がある

24 ( 示説 Ⅰ) P1-2 乳腺 Endocrine DCIS の細胞像 新潟県立がんセンター新潟病院病理部 北澤綾, 畔上公子, 弦巻順子, 泉田佳緒里, 小林由美子, 小池敦, 落合広美, 川崎幸子, 桜井友子, 川崎隆, 本間慶一, 根本啓一 はじめに 神経内分泌への分化を伴う DCIS( 以下 Endocrine DCIS) は 乳癌取り扱い規約の組織学的分類には記載のない稀な腫瘍である 細胞異型が軽度で 筋上皮との二相性を認める集塊が出現することがある為 判定に苦慮することが多い 当院で過去 3 年間に採取された乳腺組織検体 3732 例中 Endocrine DCIS は 14 例あり そのうち細胞診検体が採取された 5 例 ( 年齢 40~81 才 ( 平均 60.4 才 ) 腫瘍径 0.8~2.7cm) について細胞像を検討し報告する 細胞所見 背景は嚢胞性 (5/5) 大型で樹枝状の血管結合織を認めた(3/5) 小型で軽度核異型 核偏在 クロマチン増量を認める異型細胞が 充実性 ~ 一部乳頭状に出現していた (4/5) 好酸性なことがある細胞質は化生性変化と鑑別困難であった (3/5) 筋上皮との二相性が認められた(3/5) 孤在性にも異型細胞が多数出現しており (4/5) 集塊辺縁より細胞が飛び出す傾向が見られた(5/5) 考察 今回の検討では細胞像の特徴とされている細胞質の好酸性変化を見分けることは難しい印象であった 背景が嚢胞性で化生性変化と鑑別困難な細胞が出現することから乳頭腫との鑑別が必要となるが 細胞採取量が多く 孤在性にも多数出現すること 個々の細胞異型は乏しいが 集塊の重積が強く充実性に増殖しており 集塊からの細胞の飛び出し クロマチンの増量等で悪性を疑うことは可能であると考える 当院での 5 例の細胞診結果は鑑別困難 2 例 悪性疑い 3 例であった 乳腺の DCIS は 検診の普及と画像診断精度の向上により近年増加傾向にある 高齢者で血性乳頭異常分泌などの臨床所見があり 上記の如く細胞所見を認めた場合には 直ちに乳頭腫とすることなく 本腫瘍を鑑別にあげ 針生検など次の検索手段を指示することが重要である

25 ( 示説 Ⅰ) P1-3 気管支洗浄液細胞診標本で肺胞蛋白症を考えた, 肺アミロイドーシスの 1 例 獨協医科大学病院病理部 1), 獨協医科大学形態病理 佐々木英夫 1), 永井多美子 1), 町田浩美 1), 佐藤豊彦 1), 圓谷勝 1), 小島勝 正和信英, 肺胞蛋白症, 肺のアミロイドーシスの両者ともまれな疾患であり, その細胞診検体を経験することは尐ないと思われる. 今回私たちは気管支洗浄液の細胞標本で肺胞蛋白症を推定したが生検の結果アミロイドーシスであった 1 症例を経験した. 症例は 73 歳男性. 間質性肺炎が疑われ, 気管支洗浄細胞診と経気管支的肺生検が行われた. Pap 標本ではライトグリーンあるいはエオジンに好性の蛋白様物質が認められた. ギムザ染色では同様に好塩基性の顆粒状の蛋白様物質が多数認められた. 背景に炎症細胞の浸潤は軽度に見られるのみであった. 病理組織学的には気管支壁に多量の Congo-Red 陽性の無構造物質の沈着が見られアミロイド シスと診断された. 肺のアミロイドーシスの細胞所見は無構造の蛋白質様の沈着物を認めるカリニ肺炎や肺胞蛋白症の細胞所見と鑑別を要する. しかし後 2 者では沈着物は泡沫状であると成書には記載されている. 私たちが経験したカリニ肺炎 1 例では泡沫状の集塊が認められた. 肺胞蛋白症の 1 例では, 本症例に比べるとやや顆粒状に見える蛋白様物質が見られたが, 決して泡沫状ではなく細胞標本のみで両者の鑑別は実際には難しいのではないかと思われた. むしろ本症例では肉眼的に肺胞洗浄液が乳白色様でないという所見からアミロイド シスも鑑別に加えるべきであったと思われる

26 ( 示説 Ⅰ) P1-4 口腔内に発生した Solitary fibrous tumor の一例 JA 長野厚生連小諸厚生総合病院臨床検査科 1), 同病理診断科 荻原重正 1), 遠藤裕子 1), 利根川淳子 1), 小松多美子 1), 小山正道 はじめに Solitary fibrous tumor( 以下 SFT) は中高年に好発する稀な腫瘍で 全身のあらゆる部位に発生するが好発部位は胸膜とされている 今回我々は 口腔内に発生した SFT を経験したので報告する 症例 28 歳 男性 2007 年頃より 右頬部腫瘤を自覚したが放置 2008 年 他院にて生検の結果 悪性線維性組織球腫が疑われたが確定診断にいたらず当院口腔外科紹介となる 病理診断にて SFT と診断とされ腫瘍摘出術が施行され現在経過観察中である 肉眼所見 cm 大の境界明瞭な充実性腫瘍で 割面は乳白色であった 細胞所見 きれいな背景に 類円形から紡錘形をした腫瘍細胞が散在性や集塊状に出現しており 一部には膠原線維や毛細管がみられる 腫瘍細胞はライトグリーン好性の細胞質をもち核の大小不同や核内細胞質封入体を伴いクロマチンは細顆粒状で小さな核小体を 1 個認めた 組織所見 硝子化した膠原線維を伴って 楕円形から短紡錘型の核を有する線維芽細胞様細胞の増殖を認め patternless pattern や hemangiopericytoma 様の特徴を示す所見がみられた 免疫染色では CD34 陽性であり solitary fibrous tumor と診断した まとめ 口腔領域の SFT 報告例は我々の検索では 英論文報告で 39 例ほどと比較的稀な腫瘍である また細胞診での報告もあまりされておらず細胞像をみる機会は尐ない 今回 細胞像と組織像を比較検討し報告する

27 ( 示説 Ⅰ) P1-5 扁平上皮化生部位のみを穿刺吸引された Warthin's tumor の 1 例 水戸赤十字病院病理診断科部 坂本三千代, 三村貴裕, 木村勝隆, 堀眞佐男 緒言 Warthin's tumor( 以下 WaT とする ) は唾液腺腫瘍としては稀な組織型ではないが, 扁平上皮化生をきたした場合その細胞診断を誤る可能性が高くなる 今回広範な扁平上皮化生部位のみを穿刺吸引された WaT の1 症例を経験した 症例 69 歳の男性で長期の喫煙歴がある 6~7 年前から右耳下腺に無痛性の腫瘤を触れるようになったが放置していた 当院耳鼻科受診 5 日前から疼痛と発赤腫脹が出現してきた 画像上左耳下腺にも腫瘤が存在することが判明した 両側耳下腺良性腫瘍が疑われたが, 右側の方は悪性の可能性があることから穿刺吸引細胞診が施行された その後右側の腫瘤のみ切除されたが現在まで再発は認められていない 細胞所見 多量の顆粒状壊死物質を含む囊胞内容液と思われる成分が背景に認められた この中に比較的大型で核形不整な扁平上皮由来の細胞が散見された 囊胞化をきたした扁平上皮癌も鑑別にあげられたが, 角化が不明瞭でクロマチンの増量や核の飛び出しは無く臨床情報を含めて検討した結果 ClassⅡ,WaT の疑い有りと報告した 但し典型的な WaT の細胞像を全く欠如していたことや粘表皮癌 鰓性囊胞などを簡単に除外してよいのかが術前の大きな疑問として残った 病理所見 充実部と囊胞部が明瞭に線維性隔壁で分けられた合計長軸径 35mm の腫瘍であった 充実部は典型的な WaT の所見を示し, 囊胞部は扁平上皮化生と炎症を伴った変性脱落部位であった 穿刺吸引細胞診は囊胞部のみから施行されたものと考えられ, また疼痛の原因も囊胞の扁平上皮化生部の炎症とみなされた 考察 耳下腺を含め頸部腫瘤の穿刺吸引細胞診で異型扁平上皮が認められた場合は, その診断は臨床情報をふまえて慎重にすべきと考えられた 画像上複数の組織が同一腫瘍内に存在することが予期された場合は, 複数部位の穿刺をしていただくことを臨床サイドに要望する

28 ( 示説 Ⅰ) P1-6 G-CSF 産生能を有する低分化型肝細胞癌の一例 信州大学医学部附属病院臨床検査部 上原弥生, 小林幸弘, 堀川美栄子, 上原剛, 福島万奈 はじめに 低分化型肝細胞癌は明瞭な索状構造をとることなく充実性に増殖し 細胞質の好酸性は目立たなくなり N/C 比は大きいとされる また G-CSF 産生能を有する肝腫瘍は稀であり腫瘍細胞により産生された G-CSF により血中濃度が増加し 骨髄を刺激し顆粒球を増やすとされている 症例 75 歳男性 2003 年検診で肝機能異常を認め C 型肝炎を指摘され 2008 年 11 月腹痛を主訴に前医を受診し 肝腫瘤を指摘され精査加療目的で当院紹介となった 入院前より 38 度台の発熱が持続していた 肝 S4に多血性腫瘤を認め肝 S4/8 部分切除が行われた 細胞所見 多くのリンパ球 形質細胞などの炎症細胞を背景に結合のゆるい集塊状から孤立散在性に大型の異型細胞が多数採取されていた 核小体明瞭な異型性の著しい核を有し 胞体は細顆粒状であった また細胞質内に好中球を封入している emperipolesis を認めた 背景のリンパ球 形質細胞に異型は認められなかった 組織所見 核異型の著明な bizzare な異型細胞が充実性に増殖し わずかに索状配列を認めた 背景にはリンパ球 形質細胞主体の炎症細胞浸潤が著明であった 免疫染色所見は CK7(-) CK20(-) 抗ヘパトサイト (-) G-CSF に尐数陽性で 細胞質内に好中球浸潤を伴った emperipolesis が見られた これより低分化型肝細胞癌と診断され一部に G-CSF 産生能が認められた 考察 肝細胞癌は同一腫瘍中に異なる組織型 分化度の混在を示すことが多く そのような症例では優勢な組織型 分化度に従って診断され 本症例は低分化型肝細胞癌とされた 今回患者は術前より高熱を認めており これは G-CSF 産生能を有する腫瘍より産生された G-CSF の血中濃度上昇による炎症反応であると示唆された 今回 G-CSF 産生能を有する低分化型肝細胞癌の一例を報告した

29 ( 示説 Ⅰ) P1-7 腹膜悪性中皮腫の一例 上尾中央総合病院検査技術科 1), ( 株 ) 上尾中央臨床検査研究所 日赤医療センター検査部 3) 堀井梨恵 1), 穴原賢治 1), 岡田麻里 1), 渡辺俊宏, 川地素崇, 藤原睦憲, 3) はじめに 悪性中皮腫は近年急激に増加しており注目すべき疾患の一つである. 今回我々は剖検で確定診断に至った腹膜悪性中皮腫の一例を経験したので報告する. 症例 66 歳, 男性. 30 年程前に十二指腸潰瘍手術の既往あり. 腹部膨満自覚し近医受診, 腹水貯留指摘され精査加療目的で当院紹介入院となった. 腹部 CT で多発性腹腔内結節, 多量腹水あり. 血清で CEA, AFP, CA19-9 は基準値以内. 腹水細胞診は悪性疑い, 組織型は低分化型腺癌を疑った. その後全身状態悪化し当院入院より 14 日という急速な経過で永眠された. 細胞所見 腹水細胞診 : 血性, 中皮細胞と多数の炎症細胞を背景に, 主として孤立性, ごく一部に結合性やや疎な小集塊状で悪性を疑う異型細胞が出現していた. 核は類円形, 単 ~2 核で中心性 ~やや偏在傾向あり, 核クロマチンは軽 ~ 中等度増量, 腫大した核小体を単 ~ 数個認めた. 細胞質は比較的豊富で辺縁がやや不明瞭, 泡沫状を呈していた. 剖検時腫瘤部捺印 : 炎症細胞とともに壊死を伴って細胞質辺縁がやや不明瞭な紡錘形 ~ 類円形の多彩な細胞を認め, 一部に比較的豊富な細胞質有する孤立性の大型細胞が混在していた. 核は単 ~ 多核で核形不整あり腫大した核小体を単 ~ 数個認めた. 剖検時肉眼 組織所見 腹膜, 腸間膜, 大網などに灰白調の結節がびまん性に無数認められた. 組織学的に結節部分には腺腔や乳頭状構造呈する上皮様配列を示す部分と, 紡錘状細胞あるいは大型の未分化な細胞などからなる非上皮様を示す部分が見られた. 免疫染色は keratin, calretinin(+), CEA(-) を示した. まとめ 本例は腹膜原発肉腫様成分優位の二相型悪性中皮腫であった. 腹水細胞診で認められた腫瘍細胞は比較的尐数で孤立散在性の出現パターンが主体であり集塊状での出現は乏しく, 中皮腫としての細胞学的特徴が捉え難く組織型の推定が困難であったと考えられた. 悪性中皮腫診断における免疫組織化学的検索の有用性を改めて認識した一例であった

30 ( 示説 Ⅰ) P1-8 胸水貯留を伴わず, 比較的早期の中皮腫と思われた一例 東京医科大学八王子医療センター病理診断部 1), 同胸部外科 中川淳子 1), 若槻よしえ 1), 鎌倉俊太郎 1), 信太えりか 1), 島田真澄 1), 梨木裕介 大谷方子 1), 三浦弘之, 芹澤博美 1) 1), はじめに 悪性中皮腫の細胞診断は, ほとんどが胸腹水によるものである. 今回我々は胸水貯留を認めず, 手術材料からの穿刺吸引細胞診で肺原発の高分化乳頭状腺癌や甲状腺癌の転移との鑑別が難しかった上皮型悪性中皮腫の一例を経験したので報告する. 症例 57 歳女性. 健診にて胸部異常陰影を認め, 当院受診.CT にて胸膜および肺内に多発結節影が認められ, 胸腔鏡部分切除術が試行された. 細胞所見 検体は手術材料からの穿刺吸引細胞診である. 背景は比較的清明で尐数の炎症細胞と塵埃細胞を認めた. 細胞量は多い. 軽度重積した核密度の高い細胞集塊を認めた. クロマチンは微細顆粒状, 小型で明瞭な核小体が 1~2 個認められた. 核縁の不整, 核溝, 核内細胞質封入体を認めた. 組織所見 腫瘍は胸膜に沿って増殖し小結節を作っている. 腫瘍細胞は小管状構造を呈していた. 細胞は低円柱あるいは扁平であり, 腔内には粘液が見られた. 免疫染色では,CK5/6(+),CK7(+), calretinin(+),d2-40(+),hbme-1(+),cea(±),ttf-1(-) であった. まとめ 本症例は核内細胞質封入体や核溝を認めたため, 肺原発の高分化乳頭状腺癌や甲状腺癌の転移との鑑別が難しかった. また, 反応性中皮細胞との鑑別も難しかった. 本症例のように胸水の貯留を認めない悪性中皮腫もあることを念頭に置き, スクリーニングすることが重要であると考えられた

31 ( 示説 Ⅰ) P1-9 穿刺吸引細胞診が原因と考えられたリンパ節梗塞 群馬県立がんセンター病理 1), 獨協医科大学病理 群馬県健康づくり財団病理 3) 田端里美 1), 小島勝, 土田秀 1), 神山晴美 1), 原口理恵子 1), 中里宜正 飯島美砂 1), 杉原志朗 3), 1), 背景 穿刺吸引 (fine-needle aspiration biopsy :FNAB) 細胞診はリンパ節の良悪性病変の診断に有用で, 比較的侵襲が尐ないことから日常的に用いられている検査法の 1 つである.FNAB がリンパ節梗塞を引き起こすことは知られているが, その詳細についての報告は尐ないと思われる. 今回,FNAB がリンパ節梗塞の原因と考えられた症例について検討を行ったので報告する. 方法 表在リンパ節に対して FNAB 細胞診が行われた後に, 同一部位のリンパ節が摘出された 98 例を対象とし, 組織診でリンパ節梗塞ならびにそれに伴う病変が認められた 5 例について検討を行った. 細胞診標本に Papanicolaou 染色を施し, 組織材料には Hematoxylin-eosin 染色と免疫組織化学的検索を行った. 結果 細胞診は 1 例を甲状腺癌,3 例を悪性リンパ腫,1 例を扁平上皮癌の転移と診断した. 組織診では 4 例が悪性リンパ腫と診断され,1 例は線維化のみであった.FNAB が原因と考えられたリンパ節梗塞は全体の約 5% であった. 細胞診標本で悪性リンパ腫の4 例の背景に壊死は認めなかった. 扁平上皮癌の1 例では尐量の壊死を認めたが, 多数の腫瘍細胞も出現していた. 組織標本では壊死性変化や線維化が認められたが, 血管内に腫瘍細胞は確認されなかった. 結論 FNAB 後にリンパ節に起こる病変としてリンパ節梗塞とその修復機転としての線維化が 5% 程度に起こりうる. リンパ節梗塞は癌の転移症例に比し, 悪性リンパ腫の症例でより高頻度に起こる可能性があると考えた

32 ( 示説 Ⅱ) P2-1 最近経験した子宮体部癌肉腫症例の臨床像と細胞 組織像 国際医療福祉大学病院病理部 1), 同産婦人科 川村政人 1), 黒田一 1), 伊藤明香 1), 篠原恵 1), 高橋佳容子, 大和田倫孝 はじめに 子宮体部癌肉腫は全子宮悪性腫瘍の 2% 程度で稀な疾患である 最近我々は 腺癌を伴い肉腫成分が横紋筋肉腫へ分化した癌肉腫症例を経験したので 臨床像および細胞 組織像について報告する 症例 74 歳の主婦 閉経 50 歳 既往歴として 54 歳で胃癌 68 歳で乳癌に罹患しており 合併症に糖尿病と軽度の認知症がある 現病歴は 2009 年 2 月より不正性器出血が見られたため 3 月当院を受診した 内診では子宮の大きさは鵞卵大で 硬度は軟であった 超音波検査および MRI では子宮内腔に約 6cm 大の充実性腫瘤が見られた 子宮内膜細胞診では悪性細胞が同定された 認知症のため疼痛を伴う内膜組織診は実施できず 3 月に子宮全摘術および両側付属器摘出術を行った 細胞像 内膜擦過細胞診では 乳頭状の異型細胞集塊がみられ N/C 比大 クロマチン増量 核形不整 重積性などの腺癌の特徴を示す細胞を認め 他に紡錘型の非上皮性極尐数集塊の核腫大した異型細胞を 1 ヶ所認めたが確定にはいたらなかった 腹腔洗浄細胞診は陰性 組織像 摘出子宮では 内腔に cm 大の割面において白色充実性のポリープ状腫瘍がみられた 組織学的には ポリープ状腫瘍のほとんどは肉腫成分であった この細胞は横紋筋細胞への分化を示し 免疫組織化学染色ではデスミン ビメンチン ミオグロビン陽性で 横紋筋肉腫に矛盾しない所見であった またポリープ状腫瘍の基部には細胞異型の強い乳頭状腺癌の合併が確認されたため 異所性癌肉腫とした まとめ 上皮性悪性腫瘍と比較して非上皮性悪性腫瘍は内膜細胞診では見逃すことが多く上皮性細胞以外の非上皮性細胞にも注目し癌肉腫の可能性も念頭におき 細胞診を診ることが必要であると考えられた

33 ( 示説 Ⅱ) P2-2 子宮癌肉腫の 1 例 栃木県立がんセンター検査技術部 1), 同病理診断科 芳賀赤十字病院検査部 3), 栃木県立がんセンター婦人科 佐々木優 1), 中野公子 1), 星暢夫, 黒川敬男 3), 須藤祐紀子 1), 伊沢真一 鈴木兼一 1), 星サユリ, 平林かおる, 五十嵐誠治, 鎌田裕之 4) 4) 1), はじめに 子宮体部癌肉腫は多彩な細胞像を呈し 術前細胞診での診断が困難な場合が多いとされる 今回我々は 子宮内膜細胞診で多彩な細胞像を呈した子宮癌肉腫を経験したので報告する 症例 62 歳女性 4 経産 2009 年 2 月に不正出血を主訴に近医受診 内膜細胞診と組織診から癌肉腫が疑われた 同年 3 月に当院を受診 前医の標本再診で内膜細胞診では classⅤ, 癌肉腫疑い 組織診では紡錘形細胞肉腫または癌肉腫の診断となり 単純子宮全摘 両側付属器切除 骨盤および傍大動脈リンパ節廓清が施行された 細胞所見 血性背景に 特徴の異なる複数の異型細胞集塊や大型の弧在性異型細胞を認めた 異型細胞集塊には レース状の細胞質に紡錐形や不整形の核を有する細胞境界が不明瞭な重積性集塊や円形 ~ 類円形の核を有する N/C 比の高い細胞からなる乳頭状集塊などがみられた 前者の核は核縁の肥厚に乏しく 細顆粒状のクロマチンの増量を認め非上皮性腫瘍が疑われた また 背景にはこれらの細胞由来と思われる裸核細胞を多数認めた 後者の核は核縁の肥厚を伴うクロマチンの増量を認め 核の大小不同や集塊辺縁からの核の突出も認め腺癌の成分と考えられた また 上皮性か否かの鑑別が困難な細胞や化生様の厚い胞体を有する異型細胞も散見された 上皮性 非上皮性の多彩な異型細胞を認めたことから癌肉腫が推定された 組織所見 子宮内腔をほぼ占拠するように外向型に発育した腫瘍が存在し 腫瘍の大部分は紡錘形腫瘍細胞の増生からなる肉腫成分で 横紋筋肉腫 内膜間質肉腫 線維肉腫 そして尐量の血管肉腫の成分も存在した 一方 腫瘍内には類内膜腺癌の成分も存在し 腺癌成分と肉腫成分の間に移行があることより 子宮癌肉腫 ( 異所性癌肉腫 ) と診断された まとめ 癌肉腫症例を報告した 多彩な細胞像を呈する内膜細胞診では 癌のみでなく癌肉腫の可能性を念頭に置き鏡検することが肝要と思われた

34 ( 示説 Ⅱ) P2-3 子宮体部低分化腺癌の一例 千葉市立青葉病院臨床検査科 1), 同病理科, 同産婦人科 藤崎和仁 1), 井浦宏 1), 三橋涼子 1), 柿沼豊 1), 窪澤仁, 岩崎秀昭 3), 西脇哲二 大見健二 3), 真田道夫 3) 3) 3), はじめに 今回我々は 子宮体部原発の低分化腺癌と思われるも免疫組織学的検索などにより 大細胞神経内分泌癌が疑われた一例を経験したので報告する 症例 67 歳 2 経妊 2 経産 本年 5 月より食思不振 嘔吐 便秘が 2 週間持続したため他院外科を受診 CT 検査にて直径約 12 cmの下腹部腫瘤を認められた 悪性の可能性が示唆されたため 精査目的にて当院入院となった 当院 MRI 検査で下腹部に巨大腫瘤が認められるものの原発部位は不明であった 入院翌週に手術が行われ 子宮頸部 ~ 体部の後壁に cm 大の腫瘤が認められた 細胞像 腫瘍の捺印細胞診では 腫瘍細胞は大型で N/C 比が高く 裸核状で孤立散在性に多数出現していた また軽度の重積性もみられた 核クロマチンは増量し核の大小不同 核形不整が著明で大型の核小体も見られた 以上の所見より非上皮性腫瘍か低分化な上皮性腫瘍を考えた 組織像 腫瘍細胞は核縁が肥厚し 核小体が明瞭なやや明るく抜けた 大小不同 辺縁不整を示す核と比較的豊富な細胞質を有する polygonal な細胞が小型の包巣状増殖を示し 時に管腔形成を認めた 明らかな上皮性分化を示し腺癌への分化を示していた また小型の上皮性包巣から細胞質が乏しい 核の大小不同 辺縁不整の目立つ裸核状の細胞の diffuse な増殖へと移行している像も見られた 免疫組織化学染色では Vimentin CD10 SMA Desmin が陰性 EMA Cytokeratin AE1/AE3 NSE Synaptophysin が陽性なことから神経内分泌系への分化を示す腫瘍細胞が考えられ 腫瘍細胞がきわめて大型の細胞なことより大細胞神経内分泌癌と推定された まとめ 本症例は腫瘍捺印細胞診にて組織型までの判別が困難であった その後の検索より非常に稀な腫瘍であると診断された 原発が不明で低分化な腫瘍を経験した時には本症例も念頭において検索すべきであると考えた

35 ( 示説 Ⅱ) P2-4 子宮体部神経内分泌腫瘍 4 例の細胞学的検討 神奈川県立がんセンター婦人科 1) 同検査技術第 1 科 堀祐子 1), 近内勝幸 1), 塚田ひとみ 1), 長谷川哲也 1), 高橋肇 1), 小野瀬亮 加藤久盛 1), 中山裕樹 1), 上田朊子, 大金直樹 1), 目的 子宮体部神経内分泌腫瘍は非常にまれである 本邦の子宮体癌取扱い規約では 神経内分泌腫瘍の分類の記載がなく また WHO 分類では小細胞癌と未分化癌が記載されているが この基準にあてはまらないカルチノイド 大細胞神経内分泌癌 (LCNEC) が報告されている 子宮体部神経内分泌腫瘍の細胞像の報告はほとんどないため 今回自験例で検討を行った 方法 当院での子宮摘出術施行例のうち 病理組織学的に神経内分泌腫瘍と診断された 4 例を対象とした 4 例の内訳は 1 例が定型的カルチノイド (TC) 2 例が小細胞癌 (SmCC) 1 例が大細胞神経内分泌癌 (LCNEC) である 成績 1 例の SmCC を除き 術前細胞診は低分化型腺癌であった TC SmCC の細胞像は 結合性はあるが緩い集塊から孤立散在性に出現し クロマチン増量した N/C 比の極めて高い小型円形細胞がみられた 2 例の SmCC は鑑別可能であった TC では 核線や molding pattern 裸核状細胞など神経内分泌腫瘍を疑う所見があったが 他の神経内分泌腫瘍 ( とくに SmCC) との区別はできなかった LCNEC の細胞像は出血性背景で 孤立散在性の核腫大 クロマチン増量 核小体の目立つ紡錘形細胞や裸核様細胞を認め 結合性のある集塊も認めたが 採取細胞量が非常に尐なく診断が困難であった 結論 術前細胞診からの診断は困難であったが 後方視的に再検討すると SmCC のみ診断可能であった 鑑別としては 4 例とも神経内分泌腫瘍をあげられる可能性があった 子宮体部神経内分泌腫瘍は非常にまれで とくに高悪性度神経内分泌腫瘍は予後不良である その存在を疑い 特徴を理解することによって鑑別が可能になると思われた

36 ( 示説 Ⅱ) P2-5 子宮体癌における術前細胞診 組織診陰性例の検討 神奈川県立がんセンター婦人科 高橋肇, 堀祐子, 近内勝幸, 塚田ひとみ, 長谷川哲哉, 小野瀬亮, 加藤久盛, 中山裕樹 目的 子宮体癌の診断は 細胞診 組織診ともに 90% 程度と言われているが 同程度に不整性器出血を伴うことも事実であり 診断精度の向上が望まれている 方法 1998 年以後に当科で経験した体癌の術前細胞診 組織診と 術後の細胞診 組織診を対比し 偽陰性の原因を検討した 結果 体癌 497 例中 細胞診陰性は 26 例 (5.2%) 組織診陰性は 10 例 (2.0%) 異型内膜増殖症が 20 例 (4.0%) であった 組織診陰性の 10 例中 5 例は細胞診陰性であり うち 3 例は手術標本でも発見できず 微小な病巣が紹介医で掻爬されたものと考えられた 逆に組織診陰性でも 50% に 異型内膜増殖症でも 85% の細胞診が疑陽性以上となっていた 細胞診陰性例は 微小な病巣 筋腫の存在 内腔の液体貯留が主な原因であった 結論 内膜細胞診を併用することで 内膜組織診陰性例の 50% 以上に疑いを提供することができ 術前診断に有用な検査と考えられた

37 ( 示説 Ⅱ) P2-6 子宮頚部原発 atypical carcinoid (WHO) with adenocarcinoma の 1 例 山梨県立中央病院病理科 1), 婦人科 原仁 1), 寺本勝寛, 池上淳, 石井恵理 1), 本田智美 1), 中川美紀 1), 小山敏雄 1) はじめに 子宮頚部原発 atypical carcinoid は 1997 年に Albores-Saavedra J らにより Arch Pathol Lab Med で初めて報告され 2002 年の WHO 分類で独立した entity として確立された 今回我々はその亜型で 腺癌の性格を同時に有する atypical carcinoid with adenocarcinoma を経験したので報告する 症例 49 歳女性 子宮癌検診で class 4: 腺癌または carcinoid が疑われ 当院受診 頚部擦過細胞診と biopsy が行われた 47 日後に子宮摘出術が施行された 細胞所見 腫瘍性背景はなく 正常な扁平上皮細胞 腺細胞と共に豊富な悪性細胞が見られた 悪性細胞の核は小型均一な大きさで 粗顆粒状クロマチンと明瞭な核小体が見られた 粗顆粒クロマチン顆粒の辺縁は不明瞭であった 細胞質は主に顆粒状で rossete 様形成も時折見られた また粘液様物質を伴う腺管形成が見られた これらの細胞質は厚く 核偏在傾向も見られた 以上より class 5: 腺癌または carcinoid と診断された 組織所見 Biopsy では充実性に増殖する比較的小型の腫瘍細胞よりなる腫瘍を認める 部分的に索状 小管状構造もみられる 免疫組織化学的には synaptophysin chromogranin A がび慢性に陽性であり carcinoid の所見である また MIB-1 index が 50 % と高いことから 悪性である しかしながら 小細胞癌ではなく かつ腫瘍細胞が大型でないことより 高悪性度神経内分泌癌ではなく atypical carcinoid と診断される 部分的には粘液産生もみることから 腺癌の性格もみられ atypical carcinoid with adenocarcinoma と診断された 子宮摘出術材料も同様の所見で 進行度分類は stage Ⅰb1 期であった 考察 悪性度に関しては MIB-1 index の高さから 子宮頸部腺癌と同程度の悪性であると考えられる また同一細胞に CK-19 陽性 alcian blue-pas で PAS 陽性粘液もみられることから 同一細胞が内分泌細胞と腺上皮細胞の両方の性格を有すると考えられる まとめ 子宮頚部の内分泌腫瘍はきわめて稀な腫瘍で 当院でも初めての経験であるが 細胞形態学的にはその診断はできると考えられる

38 ( 示説 Ⅱ) P2-7 ポリープ状異型腺筋腫の一例 独立行政法人国立病院機構長野病院研究検査科 金子司, 矢野政敏, 梅戸克之, 前島俊孝 はじめに ポリープ状異型腺筋腫 atypical polypoid adenomyoma( 以下 APA) は組織学的に構造異型を示す子宮内膜腺と平滑筋性間質の増生が特徴的であり 子宮内膜間質腫瘍や子宮内膜癌との鑑別を要する疾患である 比較的若年者 ( 平均 40 歳 ) に発生し 画像上 子宮内腔にポリープ状病変として認めることが多い 今回 APA の一例を経験したので細胞像と組織像について報告する 症例 20 代後半の女性 未経妊未経産 過多月経及び貧血症状のため 近医を受診し 超音波検査で 子宮体部に6cm 大のポリープ状病変が認められた 精査目的で当院産婦人科に紹介となり 内膜細胞診 内膜生検が施行された 細胞所見 比較的きれいな背景で 壊死物質は認められない 内膜腺は重積や不規則な配列を示し 密集する腺管を認めた 間質成分は散在性に出現する裸核状細胞のほかに 束状の紡錘形細胞を認めた また squamoid morules を散見した 細胞診では子宮内膜異型増殖症を疑った 組織所見 生検材料では 不規則な形態を示す上皮成分と 間質成分が入り混じった像を呈し 増生した平滑筋束の混在がみられた また squamoid morules を高頻度に認めた 病理組織学的に APA と診断した その後 GnRH-a で病変の縮小後 経頸管的切除術 (TCR) を施行した 生検材料と同様の組織像を呈していた まとめ APA は比較的稀な疾患だが 内膜細胞診において 比較的若年者で子宮内腔にポリープ状病変を認める場合 APA を念頭に置き鏡検する必要がある APA は平滑筋細胞増生や squamoid morules の出現が特徴的であり 内膜腺形態のみにとらわれず 間質の細胞成分を十分に観察することで推定可能と思われる

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