一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-2 Transmanubrial approach を応用した肺癌 縦隔腫瘍手 術 松本 桂太郎 山崎 直哉 土谷 智史 宮崎 拓郎 下山 孝一郎 谷口 大輔 永安 武 長崎大学 腫瘍外科 Transmanubrial approach は 肺尖腫瘍に対して安全に手術

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1 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-1 AAT に対する transmanubrial approach TMA の応 用 TMA 胸骨正中切開の有用性 清水 淳三 亀水 忠 守屋 真紀雄 北陸中央病院外科 AAT の手術では最も危険を伴う部位を良視野で手術できる approach の選択が重要であり 1 正岡 2 Dartevelle 3 Grunenwald が各々の approach を提唱し 鎖骨下血管などの重要臓器に浸潤する癌を安全 完全に切除できるよう修正 工夫している しかし 2 3 は頚部領域の視野は良好だが胸腔内の視野は不十 分なため 甲状腺癌 頚部腫瘍 浸潤範囲の狭い肺尖部癌に対し有用 また 1 は胸腔内の視野は確保され るが 鎖骨の可動性が小さいため頚部の視野が不十分と考えられる 今回 transmanubrial approach TMA の応用として TMA 胸骨正中切開の有用性を Video にて供覧 症例 88 歳男 主訴は右前胸部痛 近医 にて右肺尖部腫瘍の診断で当科に紹介 CT で RUL 末梢に空洞を有する径 3cm の腫瘤と第 1 2rib 前弓の破 壊を認め 右鎖骨下動脈の encasement が疑われる AAT と診断 高齢のため術前化学放治を施行せず手術を 行った 手術手技 鎖骨が TMA に準じた処理ができるよう皮切は右頚部襟状 前胸部正中の連続切開 ス トライカーで胸骨正中切開 浅頚筋群と胸鎖乳突筋を切離 さらに 線鋸で胸骨柄を右第 1 肋間で横断 次 いで線鋸で第 1 肋軟骨を切離 鎖骨下筋 前 中斜角筋を切離し 鎖骨は胸鎖関節を温存したまま上下方へ の可動が得られた 鎖骨下動脈への癌浸潤は根気強く剥離し何とか剥離できた RULwedge 切除 第 1 2rib 合併切除の後 Marlex mesh で胸壁を再建した 術後経過は良好で癌性疼痛も無くなった 鎖骨下動脈剥離 部で surgical margin 陽性となり 60Gy の放治を追加 脳転移で術後 1 年で死亡 病理は SQ まとめ 1 本 approach は頚部 胸腔の視野が良好で両者への手術操作が安全に連続して行える 2 胸鎖関節が温存でき 病変切除後の固定が容易である

2 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-2 Transmanubrial approach を応用した肺癌 縦隔腫瘍手 術 松本 桂太郎 山崎 直哉 土谷 智史 宮崎 拓郎 下山 孝一郎 谷口 大輔 永安 武 長崎大学 腫瘍外科 Transmanubrial approach は 肺尖腫瘍に対して安全に手術を行うという点において有用である オリジ ナルの方法は 頸部横切開 胸骨丙部の切離 第 1 肋間切除と第 1 肋骨の切離である しかし 腫瘍の部位 によっては より尾側までの切開が必要となる場合もみられ 我々は第 2 肋間の切離を用いて より大きな 視野を得ることが多い 我々の行っている Transmanubrial approach を応用したアプローチについて ビデ オにて供覧する 症例 1 は 46 歳女性 甲状腺乳頭癌術後縦隔リンパ節再発 腫瘍は右上縦隔にみられ 左 腕頭静脈より尾側へ進展していたため 右頸部襟上切開に加え Transmanubrial approach を第 2 肋間にて 開胸したアプローチを用いた 左右の腕頭静脈合流部より尾側まで観察でき 腕頭動脈 反回神経など露出 することで 周囲リンパ節とともに摘出した 症例 2 は 54 歳男性 右上葉 Pancoast 肺癌 術前化学放射 線療法を施行し Partial Response にて手術を施行した 仰臥位にて 頸部襟上切開 Transmanubrial approach を応用した第 4 肋間開胸にてアプローチした 肺門まで視野を確保できるため 肺門部処理を先行し た その後肺尖部の癒着部剥離を行った 腫瘍の周囲組織への浸潤は結果としてみられず 周囲組織との剥 離を行い 上葉切除術を施行した 腹側の Pancoast 腫瘍を伴う上葉切除を行う場合は 肺尖から肺門部まで 1 視野で行うことができ 第 4 肋間で横切開を加える方法は リンパ節郭清も含め 時間短縮 安全性に メリットがある

3 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-3 縦隔へ浸潤する左上葉肺癌に対して transmanubrial proach を併用し左上葉切除を行った 1 例 ap- 下田 篤史 杉本 龍士郎 片岡 和彦 国立病院機構岩国医療センター胸部外科 症例 80 歳代 男性 主訴 胸部異常影 現病歴 検診胸部レントゲンで異常を指摘 近医での気管支鏡にて腺癌の診断となり 当科紹介となった 既往歴 睡眠時無呼吸症候群 生活歴 タバコ 10 本 51 年 アレルギー なし 入院時検査所見 胸部レントゲンにて左上肺野に腫瘤影を認めた 胸部 CT では左肺上葉に 32m 大の腫瘤 " の集積を認め リンパ節には有意な集積は認めなかった 腫瘍マーカーは CEA 10.9ngml と上昇を認めた 手術 仰臥位での transmanubrial approach 右側臥位での腋窩開胸にて手術施行 左肺上葉切除 ND2a" 2 を認めた 縦隔への浸潤を認め 特に左内胸動脈 左第 1 肋骨は浸潤を疑った PET CT では SUVmax6.6 左腕頭静脈 左第 1 肋骨 左横隔神経合併切除を行い完全切除施行できた 結語 今回我々は縦隔へ浸潤する左上葉肺癌に対して transmanubrial approach を併用することで左上葉切 除を施行したので報告する

4 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-4 Transmanubrial osteomuscular sparing approach Paulson approach にて切除した第 1.2 肋骨浸 潤 SST の 1 例 長阪 智 喜納 五月 内田 嚴 横手 芙美 有本 斉仁 国立国際医療研究センター 呼吸器外科 当科受診の 4 か月程前より右背部痛を自覚 その後 徐々に悪化 整形外科受診も 改善認めず 精査の 胸部 CT 検査の結果 右肺尖部肺癌が疑われ 当科紹介 気管支鏡検査では診断確定に至らず CT ガイド下 肺生検にて肺扁平上皮癌の診断 第 1 2 肋骨浸潤伴っており ct3n0m0 stage IIB の診断 Chemo radiation therapy followed by surgery の方針とし CDDP 80mg VNR 20mg 1cycle に Radiation 40Gy の照射 を行った 治療終了後 3 週間後に 手術施行 手術は仰臥位で Transmanubrial osteomuscular sparing approach で開始 前方第 1 2 肋骨を切除 鎖骨下動静脈を安全に剥離 taping 後 閉創 続いて左側臥位と し Shaw Paulson approach にて右上葉切除 第 肋骨合併切除とした 術中第 3 肋骨もマージン確 保のため後方合併切除 術後は良好に経過 最終病理では EF.3 ypt3cn0m0 stage IIB squamous cell carcinoma の診断であった 手術後は CDDP 80mg VNR 20mg 1cycle を 3cycle 施行 術後 1 年 無再 発生存中である 第 1 2 肋骨浸潤の肺尖部 SST に対し Transmanubrial osteomuscular sparing approach を用いることで 前方の第 1 肋骨を安全に切除 鎖骨下動静脈も安全に剥離可能であった

5 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-5 胸壁浸潤肺尖部肺癌に対して Paulson approach にて鎖骨 下動静脈形成および鎖骨上リンパ節郭清を施行した 1 例 岡 壮一 森 將鷹 松宮 弘喜 篠原 周一 桑田 泰治 竹中 賢 新居 和人 近石 泰弘 米田 和恵 平井 文子 田嶋 裕子 永田 好香 黒田 耕志 宗 知子 浦本 秀隆 田中 文啓 産業医科大学 第2外科 はじめに 胸壁浸潤肺尖部肺癌は腫瘍の占拠部位および浸潤部位により アプローチ法を考慮する必要があ る 今回我々は 胸壁浸潤左肺尖部肺癌に対して後方アプローチにより鎖骨下動静脈形成および鎖骨上リン パ節郭清を施行した症例を経験したので 術中動画を中心に報告する 症例 60 歳代の女性 左背部痛を 自覚 CT で左肺尖部に φ40mm の腫瘍を認め胸壁浸潤 第 肋骨浸潤 を認めた 精査にて左肺扁平 上皮癌 c T3N3M0 stageiiib N3 同側鎖骨上リンパ節 と診断した 放射線化学療法 CDDP TS 1 Radiation 76Gy を施行し PR を得た 手術は Paulson 切開で行った 肺尖部腫瘍部位を胸壁につけた状態で左 肺上葉部分切除を先行した 第 肋骨を前方および後方で切離 後方から鎖骨下動静脈および腕神経 叢を同定 腫瘍部が鎖骨下静脈に固着しており鎖骨下静脈はサイドクランプし切離形成 direct suture し た 鎖骨下動脈も一部腫瘍と固着しており 中枢末梢側をそれぞれトータルクランプし切離形成 direct suture し 腫瘍部位を胸壁ごと切除した その後 左肺門部の処理を行い 残存した左肺上葉を切除し縦隔 リンパ節郭清施行 最後に後方から左鎖骨上リンパ節郭清を行い手術終了とした まとめ 左肺尖部肺癌に 対して 根治的放射線化学療法後に後方アプローチにより 胸壁合併切除 左鎖骨下動静脈形成 左鎖骨上 リンパ節郭清を施行した症例を経験した 術中動画を供覧することにより手術のアプローチ法等について議 論したい

6 一般ビデオ 1 肺癌 1 V1-6 背側浸潤の肺尖部肺癌に対する前方アプローチの有用性 白橋 幸洋 岩田 尚 山本 裕崇 松本 光善 竹村 博文 岐阜大学大学院医学系研究科高度先進外科学分野 肺尖部肺癌に対するアプローチは浸潤している解剖学的構造物によってアプローチが決定される 今回背 側浸潤の肺尖部肺癌に対し前方アプローチを追加することで安全に手術を施行し得た症例を経験したので報 告する 症例は 70 歳代女性 2013 年 7 月頃より右背部痛 咳嗽を認め 近医受診した 胸部 X 線で右上肺 野に腫瘍陰影を認め 精査の結果肺尖部肺癌が疑われた 胸部 CT では右 S1 に径 84 68mm の腫瘍陰影を 認め 第 2 肋骨の骨融解像と第 1 第 3 肋骨への浸潤が疑われた FDG PET では腫瘍に一致して SUV max の集積を認めた 気管支鏡検査の TBB にて扁平上皮癌が疑われた 以上より原発性肺癌 ct3n0m0 stage IIB と診断し 術前導入療法 CBDCA PTX RT 40Gy を施行した 導入療法後の胸部 CT で腫瘍径は 75 52mm となったものの第 2 肋骨への浸潤に変化はなく yct3n0m0 stage IIB の診断となった 腫瘍の浸潤 は主に背側であったが 第 1 肋骨の前方付近までの浸潤が疑われたため 前方アプローチで肋骨を切離した 後後方よりアプローチする方針とした 右鎖骨下から第 3 肋間まで弧状の皮膚切開を入れ 前方より第 1 肋 骨 第 2 肋骨を直視下に切離し閉創した その後 hook incision し 第 2 3 肋骨の肋横突起関節を離断した 第 1 肋骨はリュエルで切離し骨性胸郭を合併切除した その後第 5 肋間開胸し右上葉切除術 リンパ節郭清 を施行した 前方よりアプローチし肋骨切除することで安全に手術可能であった 術後経過は良好で術後 18 病日退院となった 背側浸潤の肺尖部肺癌における前方アプローチの追加は 第 1 肋骨のマージンを確保で きること 鎖骨下動静脈の確認が前方からできることにおいて有用であった 以上ビデオで供覧する

7 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-1 Left side extended sleeve lobectomy type C 清水 公裕1 永島 宗晃1 大瀧 容一1 尾林 海1 矢澤 友弘1 大沢 郁1 川島 修1 上吉原 光宏1 菅野 雅之1 伊部 崇史1 懸川 誠一1 渥實 潤1 井貝 仁2 中野 哲宏1 竹吉 泉1 1 群馬大学大学院臓器病態外科 2前橋赤十字病院呼吸器外科 肺全摘の回避は呼吸器外科医にとっての永遠の命題である 全摘回避術は主に気管支形成 肺動脈形成 double sleeve lobectomy などがあるが 最近の末梢型肺癌の増加に伴い左下葉肺癌の肺門リンパ節転移に対する extended sleeve lobectomy type C の割合が増加している 実際我々の施設において過去 3 年間の左肺全摘 回避手術の内訳は 肺動脈形成術が 2 例 気管支形成が 2 例 type C が 4 例であった この手術の利点は 1 区域切除の技術を応用すれば葉間の操作をすることは無しに切除が可能なこと 2 肺動脈の処理が容易 なこと 3 吻合部にテンションがかかりにくいことなどが上げられる 一方で上区と左主気管支を吻合しな ければならないため口径差を上手く調整しなければならない 今回は 我々の行なっている extended sleeve lobectomy type C をビデオで供覧し 手術の工夫や pits and falls について述べたい 我々の気管支吻合のポ イントは 1 血行の保持のためになるべく上区末梢で S1 2 と S3 が分岐する直前の生理的な拡大部まで切除 し吻合に用いること 2 4 0PDSII を用いた全層縫合で必要に応じて気管内結紮も併用すること 3 口径差 の調整に関しては太い主気管支の内腔に細い上区支をラッパ状に吻合することにより 口径差を逆に利用し て狭窄を回避していることなどが上げられる 4 症例の手術平均時間は 244 分 出血量は 152ml で術後に狭 窄などの合併症は経験していない この extended sleeve lobectomy type C はコツさえ掴めば技術的には比 較的容易な術式であり 合併症も少なく今後は必須の技術だと考え 広めたい手術として発表する

8 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-2 DES 挿入 3 か月後に抗血小板薬内服継続のまま右上葉肺癌に 対して double sleeve lobectomy を施行した 1 例 松永 健志 鈴木 健司 上田 琢也 福井 麻里子 高持 一矢 王 志明 順天堂大学呼吸器外科 背景と目的 近年 冠動脈硬化症に対して薬剤溶出性ステント DES ; drug eluting stent 後に肺癌の手術 をする機会は増加している 一般的には 6 か月から 12 か月は 2 剤抗血小板療法が必要であるものの その対 応は controversial である 今回 DES 挿入後に肺癌が発見され 肺門部肺癌であったことから わずか 3 か 月後に 1 剤を継続したまま 右上葉肺癌に対して double sleeve lobectomy を施行した 1 例を経験したので報 告する 症例 69 歳 男性 前医で冠動脈硬化症に対して DES stent を挿入した その直後に胸部レントゲ ンを契機に右肺上葉に mass を認め 当院へ紹介となった 腫瘍は 12u 4R と一塊となり 右上葉気管 支根部へ侵潤を認めた この為 asca2 を形成 気管支を管状に切除し sleeve lobectomy を施行した 手 術時間は 237 分 出血量は 50cc であった 術後 第 1 病日から抗血小板剤を 2 剤再開 第 2 病日に胸腔ドレー ン抜去 第 7 病日に気管支鏡で吻合部を確認して 第 8 病日に退院となった 現在は吻合部含め 経過良好 であり 術後補助化学療法を行っている まとめ 原発性肺癌に対して 抗血小板薬内服継続のまま sleeve lobectomy を行った報告はほとんどなく 特に DES stent 挿入直後 抗血小板内服継続での報告はない 出 血のコントロールは十分可能であり 術後経過も良好であった ビデオを供覧しつつ 重度合併症併存の気 管支 肺動脈形成を伴う肺切除に関して報告する

9 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-3 右下葉気管支管状切除 気管支形成術 橋本 毅久 佐藤 征二郎 小池 輝元 土田 正則 新潟大学大学院呼吸循環外科学分野 はじめに 肺癌に対する気管支形成術は根治性を維持しつつ呼吸機能温存を図る術式として重要であり 呼 吸器外科専門医が習得すべき一般的な手技といえる しかし肺葉別にみると右下葉管状切除と中間幹中葉気 管支吻合術がおこなわれることは少ない 中葉を温存しても呼吸機能にあまり影響しないと考えられること や吻合手技の煩雑さから中下葉切除術にされることが多いことが原因の一つと考えられる 中間幹と中葉気 管支吻合は口径差が大きいが今回我々は吻合および口径差の調節が容易にできるように工夫してテレスコー プ吻合をおこなったので報告する 症例 75 歳男性 血痰と労作時の息切れを主訴に前医を受診 CT では 右下葉 S6 から中間幹に突出する 66mm の腫瘍を認めた 腫瘍マーカーは CEA8.4ng ml シフラ 5.6ng ml と 上昇していた 気管支鏡下生検で右下葉原発の扁平上皮癌 ct2bn1m0 stage IIB と診断された 手術 後 側方切開 第 V 肋間開胸 A6 は結紮の距離が確保できず直接縫合閉鎖した 管状下葉切除後に中間幹と中 葉気管支の吻合をおこなった まず術野の奥側にマットレス縫合を 3 針かけて中葉気管支が中間幹の内腔に 入るようにして結紮 その後は結節縫合を 2 針かけて 1 針結紮する形で順次追加 最後に膜様部にもマット レス縫合をかけて膜様部が折り畳まれるように結紮して口径差を調節した マットレス縫合には両端針 そ " の他は片針の 4 0 のモノフィラメント吸収糸を使用した 手術時間は 239 分 出血は 100ml 術後経過は良 好であり 5 病日に胸腔ドレーンは抜去され 9 病日に退院した 病理診断は 50mm G2 扁平上皮癌 pm1 n1 T3N1M0 stage IIIA であり 補助化学療法を受けて無再発生存中である

10 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-4 分岐部浸潤を疑った肺門部肺癌に対する右 sleeve 肺全摘 中尾 将之1 山崎 宏継1 平井 慶充1 後藤 英典1 森 彰平1 鮫島 譲司1 松浦 陽介1 上原 浩文1 文 敏景1 中川 健1 石川 雄一2 奥村 栄1 1 がん研有明病院呼吸器センター外科 2がん研究所病理部 症例 43 歳 男性 現病歴 20XX 年 1 月 咳漱 血痰を主訴に近医受診 気管支鏡を施行し右肺扁平上 皮癌と診断され当院紹介 既往歴 特記事項なし 喫煙歴 30 本 28 年 歳 B.I. 840 血液検査所 見 CRP 2.5 CYFRA 8.3 と上昇 呼吸機能 FVC 2.23 L FVC 57.5 FEV L FEV CT 所見 右肺 S6 を主座に 50mm 大の充実性腫瘍を認め 右主気管から中間幹は閉塞 中枢は分岐部近傍 末梢は中下葉分岐部に及ぶ 7 は腫瘍と一塊となっており評価困難 4R に短径 8mm 大の扁平な腫大リ ンパ節を認めた 気管支鏡所見 右主気管支をほぼ閉塞する易出血性の腫瘤が分岐部に近接 EBUS TBNA を施行し 4R 7 陰性を確認 治療方針 右肺扁平上皮癌 ct3n1m0 stage IIIA の診断で手術の方針に 術中所見 後側方切開 第 5 肋間開胸 腫瘍によるチェックバルブ効果で虚脱得られず PA PV を型の如 く処理 2R から 4R を頭側から郭清 7 は左主気管支側から分岐部方向のみ剥離 切離前に気管および 左主気管支前面の用指的剥離を行い授動 気管を竜骨の中枢 1 ring の上縁で 左主気管支を左 1 ring 目の末 梢側でそれぞれ切離 右肺 気管分岐部と縦隔リンパ節を一塊として摘出 左主気管支に術野挿管 外径 7.5 mm ショートカフ し換気を維持 気管 左主気管支を 4 0 absorbable mono filament 計 19 針の気道外結紮 で telescope 吻合し肋間筋弁を縫着 手術時間 6 時間 34 分 出血量 400 ml 術後経過 1POD に胸腔ドレー ン抜去 10POD に軽快退院 術後補助化学療法として CDDP GEM 4 コース施行 最終病理診断 多形癌 pt3n2 7 M0 stage IIIA 術中ビデオを供覧する

11 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-5 気管分岐部に発生した扁平上皮癌に対して分岐部切除再建を 行った 1 例 苅部 陽子 西平 守道 若松 郁磨 井上 尚 荒木 修 小林 哲 佐渡 哲 千田 雅之 獨協医科大学呼吸器外科 気管分岐部に発生した扁平上皮癌に 肺切除を伴わない分岐部再建 宮本法変法 を行った症例を報告する 症例 58 歳 男性 咳嗽を主訴に受診 気管分岐部にポリープ状に発育した腫瘍性病変を認め 気道は高 度狭窄しており まず気管支鏡下に可及的腫瘍切除を行なった 診断は扁平上皮癌 ct4n2m0 病変は LN 7 へ進展していたが限局しており 手術の方針とした 手術 右後側方切開 第 5 肋間開胸 上下肺静脈 右主肺動脈 気管 左右主気管支をテーピングした 左主気管支を切断し 術野挿管した 右主気管支を 上幹を残すように中間幹側に切り込み 斜めに切断 気管も切離し 分岐部を切除した 迅速診断にて断端 に癌遺残ないことを確認した まず 左主気管支と気管を単結節縫合で端々吻合し 分離肺換気チューブを 左主気管支内に再誘導した 次いで 端々吻合部の気管側壁に右上中間幹を端側吻合する孔を作成し 内側 連続縫合 外側単結節縫合にて吻合した 気管 左主気管支 右気管支の 3 点合流部には 8 字縫合を用い気 密性を維持した 出血 201ml 手術時間 351 分 全身状態の回復は順調で 吻合部の治癒も問題ないことを 確認し 25 病日に退院した 結語 宮本法は右気管支を気管 左主気管支吻合部に吻合する二連銃変法と して報告されているが 今回の右気管支の吻合は気管への端側吻合であり モンタージュ法に近い形となっ た

12 一般ビデオ 2 肺癌 2 V2-6 循環停止下に切除し得た左房腫瘍栓を伴う右上葉肺癌の 1 例 水口 真二郎 泉 信博 山本 寛子 岡田 諭志 戸田 道仁 原 幹太朗 西山 典利 大阪市立大学呼吸器外科 左房腫瘍栓を伴う右上葉肺癌切除例を報告する 49 歳 男性 頚部痛で近医受診し胸部異常陰影を指摘 当院紹介時は無症状 造影 CT 上右上葉 S1 2 を占拠する 8cm 大の腫瘍を認め 背側第 2 4 肋骨まで胸壁 に接するが骨破壊は認めず 上肺静脈内に腫瘍栓を認め 左房内まで連続して進展 経食道エコーで上肺静 脈起始部より左房内に 3cm 長の棒状腫瘍を認めた PET では主腫瘍は SUV9.7 左房内腫瘍は上肺静脈内と 連続し SUV5.4 葉間 LN に転移が疑われた 気管支鏡検査 CT ガイド下生検で低分化癌あるいは小細胞癌 と診断 腫瘍マーカー上昇なく c T4N1M0 stage3a と診断した 手術適応は議論があり微小転移の可能性 や術中塞栓の危険があるが 左房内腫瘍切除先行により致死的な脳梗塞など回避し術後化学放射線療法が施 行できると考え 手術方針となった 非小細胞肺癌で葉間肺動脈浸潤があれば肺動脈形成や肺全摘 小細胞 肺癌であれば単純肺葉切除の方針とした 手術は胸骨正中切開で開始 循環停止下に右主肺動脈を確保し 左房を切開し腫瘍栓を確認 腫瘍栓は V1 より進展 V4 5 は温存可能で腫瘍栓を除去し V1 3 を直接縫合 閉鎖した 心膜パッチを用い左房再建し 人工心肺離脱した 胸腔内術中所見で葉間肺動脈は腫瘍 リンパ 節浸潤なし 骨性胸壁浸潤も認めず 術中迅速病理検査で肺静脈切除断端陰性 肺門リンパ節転移を認めず 腫瘍栓は低分化癌で小細胞肺癌は否定的と診断された 正中切開創のみで右上葉切除および縦隔リンパ節郭 清を施行し終了した 術後経過は良好で第 22 病日に独歩退院 病理組織検査で LCNEC p T4N0M0 stage 3A と診断された 補助化学療法を 2 コース施行し術後 1 年経過も再発を認めていない

13 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-1 左上葉切除術における前方アプローチによる気管分岐下リンパ 節郭清 中村 好宏 狩集 弘太 横枕 直哉 大塚 綱志 永田 俊行 原田 亜矢 鈴木 聡一 佐藤 雅美 鹿児島大学大学院 呼吸器外科 当科では肺癌に対して膜構造を意識したリンパ節郭清行っている 左上葉切除術における膜を意識した前 方アプローチによる気管分岐下リンパ節郭清の工夫についてビデオを供覧する 上縦隔と肺門リンパ節のリ ンパ節郭清 肺動脈 肺静脈 葉間を処理後 気管支を切離する前に気管分岐下郭清を行った 術後気管支 瘻予防のため太い気管支動脈は可能な範囲で温存した また迷走神経の損傷を予防するため 背側で迷走神 経を上下葉間よりやや尾側まで剥離し taping を行った 郭清予定のリンパ節および脂肪を釣り上げておくた め 心膜側を先行して十分剥離した後気管支側の剥離を行った 上肺静脈切断端より心膜を損傷しないよう に露出し 尾側 背側へ向けて剥離を行った 肺門尾側では 下肺静脈上縁を露出させ 郭清下端とした 背側へ心膜の剥離を行うと右主気管支が同定でき その尾側で右下肺静脈を同定でき 同部を郭清の背側下 端とした この付近の視野はかなり不良で 視野展開が問題である そこで内視鏡用スポンジ セクレア を 剥離下縁に挿入し 視野展開に用いた 右主気管支左側で食道を同定 迷走神経のテーピングを参考に神経 を温存した 腹側尾側で B8 露出部分へ連続させ 左上葉支の方向へ剥離を進めた 右主気管支末梢側から分 岐部 左主気管支と剥離し 前方から気管分岐下リンパ節の郭清を行った 適宜エネルギーデバスを用いて シーリングを行った 背側から気管支への血流がある程度維持できる気管分岐下リンパ節郭清法と考えられ た

14 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-2 右中葉肺癌に対する完全鏡視下系統的リンパ節郭清の工夫 菊池 慎二1 上田 翔1 柳原 隆宏1 佐伯 祐典1 山岡 賢俊1 小林 尚寛1 山本 純1 井口 けさ人1 鈴木 久史1 後藤 行延1 酒井 光昭1 南 優子2 鬼塚 正孝1 市村 秀夫1 佐藤 幸夫1 1 筑波大学呼吸器外科 2筑波大学診断病理 肺癌発生部位別にリンパ節転移形式の特徴を検討することにより 系統的なリンパ節郭清範囲を工夫する ことは 肺癌標準手術の質を向上させるために重要である 当院において 2000 年 1 月から 2011 年 1 月まで に ND2 以上のリンパ節郭清術を伴う完全切除が行われた原発性非小細胞肺癌 351 例を検討したところ 右 中葉肺癌は 13 例で うち縦隔リンパ節転移を来たしたものは 2 例であった 1 例は 7 に孤立性転移を認め もう 1 例は 11i 11s 4R 2R に転移を認めた 後者は 7 を経由せずに 11s を経由して上縦隔に至るリ ンパ流路が考えられた 従って 右中葉の原発巣から上縦隔リンパ節への郭清の連続性を保つためには 2 つのリンパ流路を系統的に郭清しなければならないと考えた 1 つ目は 11i から上肺静脈裏面を剥離して気 管分岐下に至り さらに気管気管支心膜靭帯を切離して気管分岐下と右主気管支前面及び気管前面を連続さ せて上縦隔に至る経路である 2 つ目は 11s から 12u を通過して右主気管支外側を経由して気管右側壁に 至る経路である 我々は完全鏡視下に術野の十分な展開と拡大視野やシーリングデバイスの有効利用により 気管支動脈を可及的に温存した系統的リンパ節郭清を行う工夫をしている 今回 右中葉発生の肺腺癌 ct2bn 2M0stageIIIA 4R 7 リンパ節転移 に対して 導入療法後に完全鏡視下右中葉切除 縦隔リンパ節郭清 術を施行した症例を経験した 上記 2 つのリンパ流路を念頭に 系統的な肺門縦隔リンパ節郭清を行った手 術をビデオにて供覧する

15 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-3 完全胸腔鏡下手術における左下葉肺癌 気管分岐部郭清の工夫 平山 杏 松田 史雄 角岡 信男 稲沢 慶太郎 仙台厚生病院呼吸器外科 左下葉肺癌における気管分岐部リンパ節郭清は 腹側に心臓 背側に下行大動脈と食道が存在することな どから 郭清の最深部までの距離が右下葉肺癌のそれに比して遠く 一般に困難とされる 標準開胸におけ る気管分岐部郭清であれば 助手側から視野展開の器械が挿入可能であることに加えて 板状鉤なども使用 可能であるため それほど郭清に難渋はしないかもしれない しかし 胸腔鏡下手術では前述のような器械 は使用できず 視野展開に難渋することが度々経験される これまで各施設で気管分岐部リンパ節郭清にお いて様々な工夫が行われている 当院では虎ノ門病院式の 3 ポート式完全胸腔鏡手術を施行しているが ス タッフ数の問題より手術を術者と第 1 助手の 2 人で施行せざるを得ない状況があり そのような状況でも安 全に良好な視野を確保し 確実な気管分岐部リンパ節郭清を施行できることを目標とした工夫をしている 実際の手技をビデオで供覧する

16 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-4 リガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清 術 西岡 清訓1 岩澤 卓2 1 公立学校共済組合近畿中央病院外科 2市立豊中病院外科 背景および目的 エネルギーデバイスは結紮やクリッピングを省略でき 特に鏡視下手術におけるその有 用性は疑う余地がないが 肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清術の認容性に関するまとまった報告はな い 今回我々は リガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清症例の周術期データを解析 し その認容性を検証した また 郭清の実際を動画で供覧する 対象 当科で 2008 年 1 月から 2014 年 11 月までに 肺癌に対しリガシュアー V もしくはリガシュアー blunt tip を用い完全鏡視下に肺葉切除およ び縦隔リンパ節郭清術を施行した 66 例 方法 上記症例の周術期データを解析した 結果 上縦隔郭清 例は 30 例で 出血量 手術全体 は 15g 郭清縦隔リンパ節 病理検査 は 9 個 郭清時間は 35 分 ドレー ン留置期間は 3 日間であった 下縦隔郭清例は 24 例で それぞれ 25g 7 個 20 分 3 日間 上下縦隔郭清 例は 12 例で それぞれ 50g 17 個 56 分 3 日間 全症例は 66 例で それぞれ 25g 8 個 33 分 3 日間で あった 数値はすべて中央値 郭清に起因する可能性のある合併症は 不整脈を 3 例に認めた 結論 リ ガシュアーを用いた肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清術は安全に施行でき 認容できる

17 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-5 肺癌と気管支拡張症を合併した高度分葉不全肺に対する fissureless bilobectomy 藤原 俊哉 荒木 恒太 西川 仁士 小谷 一敏 松浦 求樹 広島市立広島市民病院呼吸器外科 緒言 分葉不全肺に対する肺葉切除は葉間からのアプローチが困難であるために難渋することが多く 術後 遷延性肺瘻の原因にもなり得る 今回 われわれは右上葉肺癌に中葉の気管支拡張症を合併し さらに高度 分葉不全であった症例に上中葉切除を施行した 症例 59 歳 女性 既往歴 20 歳代後半から気管支拡張 症 検診にて右上肺野異常影を指摘された CT にて右上葉に 42mm 大の腫瘤を認め 気管支鏡で腺癌の診 断を得たため ct2an0m0 stageia の診断で手術の方針とした CT では右中葉と左下葉に著明な気管支拡 張を認め 中葉には複数箇所に肉芽腫を疑う結節影を認め 肺癌が局在する上葉とともに萎縮していた ま た 高度の分葉不全を認めた PET CT では右上葉の腫瘤に SUV max 8.3 の異常集積を認めるのみであった 手術は上中葉切除を予定したが 分葉不全のため fissureless bilobectomy を計画した 手術手技を供覧する 考察 Fissureless lobectomy は 1998 年に Temes らによって報告された手技である Ann Thorac Surg 1998 ; 65 : われわれも術中判断で葉間形成を諦め 肺門処理を先行する症例を経験してきたが 術前の画 像所見などから計画的に fissureless lobectomy を行えば 手術時間の短縮 術後肺瘻の軽減 早期胸腔ドレー ン抜去が可能になるものと考えられる 結語 Fissureless lobectomy は胸腔鏡での狭い視野においてはより 有用な手技であると考えられる

18 一般ビデオ 3 肺癌 3 V3-6 葉間からのアプローチが極めて困難な肺癌症例に対する Retrograde lobectomy technique 大浦 裕之 石田 格 菅原 崇史 岩手県立中央病院呼吸器外科 はじめに 日常的に行われている肺癌手術の中には特段高度なテクニックは要さないものの 最初のアプロー チ方法を見誤ると高難度手術に変貌する症例が存在する 最近葉間からの展開が極めて困難で術式に工夫を 要した肺癌の 2 例を経験したので供覧する 症例 1 検診にて右肺門部の腫瘤影を指摘 胸部 CT にて右上 中葉間に跨り葉間肺動脈に近接する 30mm 大の腫瘤を認めた 精査にて診断つかず肺癌疑い ct2an0m0 stage IB として当科紹介 手術所見 腫瘍は右 S3 と S4 に跨るように存在し 術中針生検にて扁平上皮癌 と診断され上中葉切除 肺動脈形成 ND2a の方針としたが腫瘍により葉間肺動脈は全く不可視の状況 中下葉間を切離後 中葉気管支を切離して観察するに A4 5 分岐部まで腫瘍浸潤あり 主肺動脈を遮断後 TA type の stapler にて A4 5 を切離した A2b 肺動脈上幹を処理した後 懸念された肺動脈中幹への直接浸 潤なし 最後に上葉気管支を切離し上中葉と腫瘍を一塊として摘出した 症例 2 検診チェックの左下葉 末梢腺癌例 ct1an0m0 stage IA で手術目的に当科紹介 胸部 CT 上左葉間線が全く追えず高度分葉不全 が予想された 手術所見 分葉不全は予想を遥かに超え左肺はほぼ 単一葉 であった 葉間の展開は困難 と判断し下肺静脈 上肺静脈と共通幹 A6 下葉気管支 A8 10 の順で処理後 肺門を十分に剥離し上下 葉間の 含気虚脱ライン を指標として肺実質を stapler により切離し左下葉を摘出した あたかも超拡大区 域切除の如き術式であった 結語 術中における不測の事態を可及的に回避するためにも画像診断による解 剖学的予測に基づいた綿密な術前の術式シミュレーションが重要である

19 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-1 術前導入化学放射線療法後の右楔状スリーブ上葉切除術の検討 松本 耕太郎 許斐 裕之 大城戸 政行 一宮 仁 国家公務員共済組合連合会浜の町病院外科 はじめに 肺癌手術における気管支形成は根治性を確保しつつ肺機能温存を目的とした術式である 今回 導入化学放射線療法後に安全に施行しえた Deep Wedge 気管支形成術について報告する 症例 69 歳男性 胆石症の術前検査で右主気管支に浸潤する右上葉肺癌を指摘 生検で扁平上皮癌と診断された 併存疾患に " 糖尿病 心房細動がありインスリン療法 抗凝固薬を投与されていた PET CT で上縦隔リンパ節転移を疑 " " われ ct3n2m0 c stage IIIA の術前診断で S 1 CDDP 2 コース RT 41.4Gy による術前導入化学 放射線療法を施行した 治療後の効果判定は PR で右管状または楔状スリーブ上葉切除術を予定した 手術 所見 アプローチは第 4 肋間 後側方切開で開胸 腫瘍は上葉気管支基部から右気管支へ一部浸潤を疑う所 " 見を認めたが楔状スリーブ上葉切除で十分根治切除可能と判断した 気管支縫合は 3 0 モノフィラメント吸 収糸で結節縫合し吻合部は心膜前脂肪織で被覆した 病理組織診断 SCC ypt2a N2 2R 1 2 M " " " " 0 yp stageiiia pl0 pm0 ly0 v0 pa pv br Ef.2 術後は合併症なく順調に経過した まとめ 化学放射線療法後の気管支形成は通常より縫合不全のリスクが高くなることが危惧される Deep Wedge 法は気管支の一部が保たれているため縫合が比較的容易で縫合不全の危険性が少ないといわれてい る しかし気管支への切り込む角度によっては縫合部が不自然な形状となり 逆に縫合不全のリスクを高め てしまう可能性があり注意を要する また吻合部の緊張緩和のために周囲組織の授動をいかに行うかも重要 であり ビデオを供覧しながら Deep Wedge 法の良い点 悪い点 手技のポイントについて検討する

20 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-2 pn2 肺癌症例に対して導入化学放射線療法 CRT 後に気管 支形成を要した右上葉切除術の 2 例 西平 守道 荒木 修 苅部 陽子 小林 哲 佐渡 哲 千田 雅之 獨協医科大学呼吸器外科 過去 5 年間に当院にて導入化学放射線治療後に手術を行ったのは 34 例で 気管支形成術を行ったのは 8 例で あった うち 気管支形成を伴う右上葉切除を行った 2 例につきビデオを供覧する 症例 1 56 歳男性 主 訴は血痰 CT で 10 と一塊になった腫瘍を認めた 4R 7 の気管支鏡下生検で class5 腺癌 3A 期 ct 1bN2M0 と診断され CRT 40Gy CBDCA PTX 2 コース を施行した 治療効果は SD 手術は腫瘍 が 10 と一塊となり気管支 肺動脈に浸潤していたため肺動脈合併切除し右上葉スリーブ切除を行った 気 管支は 4 0PDS で 15 針結節縫合にて吻合し 有茎心膜脂肪織で被覆した 吻合部の緊張緩和目的に下肺静脈 尾側の心膜に U 字切開をおいた 症例 2 65 歳男性 主訴は血痰 CT で右上葉の空洞性病変 4R 7 の腫脹を認めた 気管支鏡下生検で大細胞癌 3A 期 ct2an2m0 と診断され CRT 40Gy CDDP VNR2 コース を施行した 治療効果は SD で手術を施行 腫瘍が 4R 10R と一塊になっており気管支 上大静 脈と強固な癒着を認めた 2R を郭清し 一塊となった 4R 10 12u を右主肺動脈 主気管支 上大静脈から慎 重に剥離した 大動脈前面の心膜を一部合併切除して右上葉と一塊に摘出した 気管支は楔状切除し 3 0PDS で 7 針単結紮にて縫合し肋間筋弁被覆を行った 術後経過は良好であった 通常 気管支形成を行う際被覆 は必須ではないが CRT 症例では縫合不全の予防目的に心膜脂肪織や肋間筋弁などによる被覆を行なってい る

21 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-3 化学放射線療法後に Extended Sleeve Type D を施行し た1例 鈴木 健司 松永 健志 阪野 孝充 今清水 恒太 王 志明 高持 一矢 順天堂大学 呼吸器外科 背景 化学放射線療法後の手術が様々な状況下に施行されている 北米で化学放射線療法後の全摘がハイリ スクで避けるべきであると報告されて以来 その是非に関する議論が続いている 一方化学放射線療法後に 行われる気管支形成に関しては北米ではほとんど行われておらず欧州の一部の施設で行われているにとどま る 化学放射線療法後に複雑気管支形成を施行した症例を提示する 症例 60 歳女性 胸部 CT 上腫瘍は右 下葉に存在し最大径 45mm 肺門リンパ節と一塊に存在した 臨床病期 IIIA で化学放射線療法 concurrent chemoradiotherapy with CDDP and docetaxel を施行された後に 切除目的に当院を紹介受診 肺腺癌の 診断で放射線 45Gy 照射終了後 3 ヶ月の時点で手術を施行した 手術 腫瘍は右肺門に位置した 後側方開 胸でアプローチ 腫瘍は中間気管支幹に浸潤し 右肺上葉を preserve すべく 気管支形成術を施行した 右 主気管支と右上葉支は口径差が大きく 結節縫合とした 4 0 non absorbable monofilament strings を用い た 気管支断端陰性をを確認し 手術終了 手術時間 194 分 出血 420cc 病理学的に腫瘍は 50 に viable tumor を認めたが 放射線の影響で腫瘍細胞は全体に大型化し細胞同士の接着性に乏しく核は濃縮していた 腫瘍周囲では肺胞の虚脱 器質化 繊維化 泡沫細胞浸潤をみとめ 放射線肺臓炎の所見 リンパ節は肺門 リンパ節に転移を認めた 4R リンパ節に繊維化とマクロファージの浸潤をみとめ 癌が存在していた可能性 があった 転帰 術後経過きわめて順調で第五病日に退院 術後 490 日の現在 無再発生存 まとめ 化 学放射線療法後の extended sleeve を供覧する

22 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-4 化学放射線療法有効後に腫瘍の存在していた部位で主気管支切 離 左下葉スリーブ切除で完全切除し得た一例 野守 裕明 叢 岳 杉村 裕志 武士 昭彦 亀田総合病院呼吸器外科 目的 術前化学放射線療法の対象となる肺癌は中枢伸展例も多く 気管支形成術を要することがしばしばあ る 術前治療で気管支浸潤部位が瘢痕化していた場合 気管支の切除範囲を腫瘍の存在していた部位すべて を含めるべきか 吻合部の緊張軽減のために瘢痕部位で切離するか 術中に判断の問われることがある 我々 は 2013 年 1 月より術前化学放射線療法後に手術を行った 31 例中 8 例に気管支形成 スリーブ切除 6 例 楔状切除 2 例 を伴う肺葉切除を行った その内 4 例は瘢痕部位で気管支切離し断端陰性を確認し手術を終 了しており 断端再発は現在まで生じていない 今回 瘢痕部位で気管支切離し左下葉スリーブ切除を行っ た 1 例を提示する 症例 67 歳男性 左下葉腺癌 ct4n2m0 左主気管支と大動脈へ浸潤 5 リンパ節 転移 左主気管支は分岐部より 3 軟骨輪 2cm 以内 まで浸潤 CDDP DTX2 コースと放射線照射 40Gy で PR を得 気管支鏡所見では気管支内の腫瘍は消失 術中所見では左主気管支壁は瘢痕組織に覆われてい たが 同瘢痕部位で主気管支を切離した結果 断端陰性であったので同部位で左下葉スリーブ切除気管支形 成術を施行 病理結果は Ef3 術後の気管支開存は良好 術後 1 年 2 か月の現在 局所再発はない 結語 同症例の場合 腫瘍の存在した主気管支の範囲を全て切除するには分岐部直下まで切離する必要があり そ の場合は吻合部の緊張が高くなり縫合不全のリスクが高くなる 中枢伸展型肺癌において術前化学放射線療 法で気管支浸潤部位の腫瘍が消失し術中の気管支断端が陰性の場合 腫瘍の存在していた範囲すべての気管 支切除は不要の可能性がある

23 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-5 左下葉肺門部肺癌に対し 下葉 舌区切除および気管支管状切 除にて左肺全摘を回避できた一例 川上 行奎1 坂本 晋一1 住友 弘幸1 坪井 光弘1 梶浦 耕一郎1 鳥羽 博明1 中川 靖士1 滝沢 宏光1 吉田 光輝1 先山 正二1 近藤 和也2 丹黒 章1 1 徳島大学胸部内分泌腫瘍外科 2徳島大学大学院臨床腫瘍医療学 61 歳 男性 3 か月前からの咳を主訴に近医受診 高血圧にて内服治療中 受診時まで喫煙あり 40 本 35 年 胸部 CT で左下葉肺門部肺癌が疑われ当院紹介 肺門部リンパ節と一塊になった腫瘍により下葉気管 支は閉塞 末梢の肺炎像や舌区気管支への圧排所見あり 気管支鏡では下葉入口部は B6 から隆起していると 思われる腫瘍にて閉塞していた 主気管支粘膜への浸潤は明らかではなかった 生検で扁平上皮癌と診断 ct 2aN1M0 stageiia PS0 HJ I さらに呼吸機能的にも全摘可能であったが 気管支形成を付加すれば上大区 は温存できるだろうと判断し手術に臨んだ 上大区下葉間を背側から開いていき肺動脈を露出 肺動脈への 浸潤は認めず A1 2c の末梢で切離し上下葉気管支の分岐部を露出した まず舌区気管支を確保 選択的に 舌区に含気を戻した後に舌区気管支を切離した 含気虚脱ラインにそってステープラーで切離 舌区切除を 完了 次いで上大区枝と舌区気管支断端および下葉気管支をまずは深く楔状に切離し下葉切除を完了した 迅速で主気管支側が断端陽性であったため 気管支を切り足して管状切除とし上大区と主気管支は離断され た 断端陰性を確認した後 4 0 モノフィラメント吸収糸による全周結節縫合にてテレスコープ型に端々吻 合 なお吻合に先立って主気管支側は膜様部で 2 針縫縮 口径差を小さくしている 肋間筋を吻合部に巻き つけ被覆した 8 日目の気管支鏡検査で吻合部の開存は良好 14 日目に退院した 最終病理診断は pt2an1 M0 stageiia であった

24 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-6 術前化学放射線治療後左上葉管状切除術において気管支先行切 断 肺動脈処理が有効であった 1 例 杉村 裕志 野守 裕明 叢 岳 武士 昭彦 亀田総合病院呼吸器外科 目的 術前化学放射線療法後の III 期局所進行肺癌の手術においては肺門部の癌浸潤部位が瘢痕化して気管 支と肺動脈間の剥離が困難となり双方の処理に難渋する症例がある 術前治療後で肺門部が高度に瘢痕化し た左上葉肺癌手術において肺動静脈遮断下に瘢痕部位で上葉気管支を先行切断し 上葉肺動脈分枝の切離を 行い 上葉管状切除を行い得た症例を経験したので報告する 症例 60 歳台 男性 左上葉原発肺扁平上 皮癌 ct3n1m0 Stage IIIA 腫瘍は 70mm 大で肺門部リンパ節と一塊となり左肺動脈幹と広く接していた 腫瘍は上葉気管支を完全に閉塞して左主気管支内に突出していた CDDP DTX 46Gy による術前化学放射 線療法を行い PR の後に肺切除術を行った 肺門部の組織は高度に肥厚 瘢痕化していた 心嚢内で左主肺 動脈をテーピングして上肺静脈を心嚢内で切離した 肺動脈分枝は根部で瘢痕に巻き込まれており気管支と 肺動脈の分離も困難であった 左主肺動脈 下肺静脈をクランプし 肺動脈との瘢痕性癒合を残した状態で 腹側から上葉気管支を先行切断した 末梢側気管支断端を肺動脈から鋭的に剥離した 瘢痕部位に隣接した 肺動脈幹の一部をそぎ取る様に上葉への各肺動脈分枝を根部で切断した後に断端を縫合閉鎖した 上葉気管 支は管状切除を行った 肺動脈 気管支切離断端に癌の遺残のないことを確認して R0 切除し得た 結語 術 前化学放射線療法後の手術では肺門部組織の瘢痕化により肺動脈処理が困難になる場合がある 肺動静脈遮 断下の気管支先行切断は有効な手技であった

25 一般ビデオ 4 肺癌 4 V4-7 管状中葉切除を施行した非定型カルチノイドの一例 張 吉天 青山 晃博 山田 徹 佐藤 雅昭 毛受 暁史 佐藤 寿彦 陳 豊史 園部 誠 大政 貢 伊達 洋至 京都大学医学部附属病院 呼吸器外科 症例は 26 才男性 肺炎で他院に入院を繰り返し CT にて右中下葉の無気肺を認めた 前医にて気管支鏡 を施行され 中間気管支幹内腔に腫瘍を認め 生検にて定型カルチノイドと診断され当科を紹介受診 全身 検索にて遠隔転移を認めず手術を施行した 後側方第 5 間開胸 中下葉は完全無気肺であった 気管支鏡所 見と触診から腫瘍は中葉発生と判断した 葉間にて肺動脈を中枢 末梢を十分剥離し ascending A2 A4 5 A6 basal artery にテーピングし 中葉の動脈 静脈を切離し 肺動脈を腹側に牽引して中間気管支幹の 視野を確保した 中間気管支幹中枢と下葉気管支に支持糸をかけ 中枢は 2nd carina の 2 リング末梢で 末 梢側は B6 の中枢で切離し管状中葉切除とした 中間幹の中枢 下葉気管支の支持糸を寄せること 下肺静脈 周囲の心膜を切開することで 気管支吻合部の減張をはかった 気管支は 4 0 吸収性モノフィラメント糸に て 術野から深くなる縦隔側半分を連続縫合で 胸壁側を単結節縫合にて吻合した 下葉気管支内に多量の 泥状痰が認められ 術後シングルルーメンチューブに入れかえて吸痰し右下葉の含気は速やかに改善した 術後経過は良好で 第 3 病日に胸腔ドレーンを抜去 第 7 病日に退院 術後病理では 非定型カルチノイド pt1an0m0 stage IA と診断された 術後 2 ヶ月で気管支鏡を施行し 吻合部の治癒は良好であった 現在 術後 5 ヶ月で無再発 経過観察中である 管状中葉切除術は 気管支の視野展開 吻合部の減張に工夫が必 要である まれな術式であり 本症例の手術動画を供覧する

26 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-1 gefitinib 導入療法後に手術施行した右上葉肺癌の 1 例 森 將鷹1 平井 文子1 松宮 弘喜1 篠原 周一1 桑田 泰治1 竹中 賢1 新居 和人1 岡 壮一1 近石 泰弘1 田嶋 裕子1 黒田 耕志1 米田 和恵1 永田 好香1 宗 知子1 浦本 秀隆2 田中 文啓1 1 産業医科大学第2外科 2埼玉県立がんセンター胸部外科 症例は 83 歳女性 2014 年 3 月に検診で胸部 X 線施行し右上肺野に腫瘤影を認めた CT で右上葉 S1 3 に cm の腫瘤を認め SVC の左右腕頭静脈流入部から奇静脈中枢側 肺動脈本幹のレベルまで広く接 し 一部圧排所見があったため浸潤ありと判断した 右上葉肺癌 adenocarcinoma ct4 SVC N0M0 stageiiia と診断した EGFR 遺伝子変異 19 deletion を認め 6 月より gefitinib を開始した 50 日後の CT で腫瘍は cm RECIST 法で 34 縮小し SVC から離れたため手術可能と考えられ当科紹介となった 右上葉 肺癌 yct2a 3.3cm N0M0 stageib の診断で手術施行した 腫瘍は S1 3 に存在し 奇静脈中枢側周囲で固 着しており浸潤が疑われた 左腕頭静脈 右腕頭静脈 心嚢内にて SVC を taping した SVC に side clamp をかけて奇静脈中枢側を切離 直接縫合した A1 3 は縦隔側に変位しており gefitinib の効果に伴う影響と 考えられた そのため A1 3 を SVC の裏面で確保し右上葉切除 縦隔リンパ節郭清 ND2a 2 を施行した 病理標本では明らかな SVC 浸潤の所見は認められず yp T2a 40mm pl1 N0M0 stageib と診断した Gefitinib 導入療法により完全切除し得た症例を経験したため報告する

27 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-2 術前化学放射線治療後に胸骨正中切開で右肺上葉 sleeve 切除 を施行した N2 局所進行肺癌の 1 例 宮原 尚文 山下 眞一 緑川 健介 宮原 聡 吉田 康浩 濱武 大輔 平塚 昌文 吉永 康照 白石 武史 岩崎 昭憲 福岡大学病院呼吸器乳腺内分泌小児外科 58 歳男性 検診の胸部 X 線で異常を指摘され 胸部 CT で右肺上葉の肺門部に 61 56mm 大の腫瘤影とリ ンパ節 4R 7 に著明な腫大を認めた PET 検査で主病変に SUVmax : 18.0 リンパ節 4R 7 10 にそれぞれ SUVmax : の集積を認めた TBLB で NSCLC の診断で臨床診断は右肺癌 ct3n2m0 Stage3A とした Multiple N2 であったため 術前に CDDP DOC : 2 コース 放射線治療 total : 40Gy を施行予定であっ たが 化学療法に関しては副作用が強く 1 コースのみで中止とした 治療判定の CT で PR と診断されたた め 手術を施行した 腫瘍は右上葉気管支中枢に位置し 前方のリンパ節 10 から 4R にかけて一塊となり肺 動脈本幹中枢側への浸潤も疑われたため 胸骨正中切開で右前側方開胸を追加したアプローチで行った 右 肺動脈本幹をテーピング後に肺動脈の剥離を行ったが 浸潤はなく A1 3 A2 は切離可能であった リンパ 節 4R 7 は浸潤なく郭清可能であったがリンパ節 10 は気管支への節外浸潤が疑われたため 右肺上葉の sleeve 切除を行う事で肺全摘術を回避し完全切除ができた 気管支断端の被覆には前縦隔脂肪織を使用した 術後の合併症としては胸骨正中切開部の離開を認めたが 再閉鎖術を施行し術後 40 日で軽快退院となった 病理検査では腫瘍 リンパ節ともに Ef.3 であり pcr であった 術後補助化学療法として CDDP DOC を 1 コース施行したが副作用が強く 2 コース目は希望されず施行していない 現在術後 1 年半経過しているが 無再発生存中である 今回術前化学放射線治療後に前方アプローチによる右肺上葉の sleeve 切除術を施行した症例について供覧 する

28 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-3 Crizotinib にて術前化学導入療法を施行した 1 手術例 仁藤 まどか 和田 篤史 有賀 直広 大岩 加奈 中川 知己 増田 良太 岩崎 正之 東海大学医学部外科学系呼吸器外科学 背景 現在 III 期非小細胞肺癌 以降 NSCLC の標準治療は 化学放射線療法や手術など集学的治療が推 奨されている 近年 III 期 NSCLC における術前導入化学療法に分子標的薬を使用し 良好な結果を得たとす " る報告が散見される 今回 Crizotinib を用いた術前導入治療後 手術施行した EML4 ALK 遺伝子変異陽性 肺腺癌の症例を経験したため 文献的考察を含め報告する 症例 症例は 33 歳男性 倦怠感 血痰を主訴 に前医受診 胸部単純 X 線にて異常所見認め当院紹介受診となった 胸部 CT にて右 S9 に 29 25mm の結 節と縦隔肺門部リンパ節腫大が認められた 気管支鏡検査にて肺腺癌と診断され ALK 遺伝子変異検査 FISH " " 2M0 StageIIIA と診断された 右肺全摘術回避のため Crizotinib 500mgday を用いた術前導入化学療法 法 で EML4 ALK 遺伝子変異が検出された 精査にて遠隔転移なく EML4 ALK 遺伝子陽性肺腺癌 ct1bn 後に手術の方針となった 2 カ月後 胸部 CT にて 腫瘍径 17 19mm 縦隔肺門部リンパ節の腫大も縮小し ており RECIST : PR と判断した 術前診断 yct1an1m0 StageIIA として右中下葉切除及びリンパ節郭清 ND " 2a 1 を施行した 最終病理病期は肺腺癌 ypt3n2m0 StageIIIA であった 術後 3 日で Crizotinib を再開 " 術後 8 ヶ月 再発なく経過良好であった 結語 EML4 ALK 遺伝子変異陽性例に対して Crizotinib にて 術前導入化学療法を施行した 1 例を経験した 現在分子標的薬を用いた術前導入化学療法における治療期間 や手術時期 術後化学療法の必要性に関して明確な指標はなく その有効性に関しても更なる議論が必要と されるところである 今後の治療戦略の一つとして 症例を重ね検討していく必要があると考える

29 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-4 術前放射線化学療法後に左下葉切除 deep wedge resection を行った一例 池田 拓広 甲斐 佑一郎 半田 良憲 向田 秀則 広島市立安佐市民病院 症例 74 歳男性現病歴 C 型肝炎で近医通院中 CT で肝 S6 に SOL を指摘され当院紹介 術前の PET にて 左肺 S6 に集積を認め 気管支鏡検査で B6 の入口部に全周性の腫瘍で閉塞しており 2nd spur に一部伸展し ていた 細胞診では squamous cell carcinoma ct1an0m0stage1a と診断された 左肺全摘の可能性もあ るため 放射線化学療法を選択した 術前治療 放射線療法 40Gy 20Fr 化学療法 weekly CBDCA PTX 3 コース施行した 効果判定 気管支鏡検査にて B6 は開存しておりわずかな発赤を認めるのみであったが擦 過細胞診にて B6 入口部から squamous cell carcinoma と診断された 2nd spur の発赤は消失していた 手術 所見 胸腔内 放射線照射範囲に癒着は認めなかった 型どおり 下肺静脈 下葉肺動脈を自動吻合器にて 処理し下葉気管支をテーピングした CRT 前は腫瘍は B6 入口部から 2nd spur の舌区枝根部付近まで伸展し ていたため 舌区枝に切り込むようにして deep wedge resection で気管支形成を行い左下葉切除を施行し た 最終病理 B6a から分岐する 5 次気管支の内腔にわずかに癌細胞を認めるのみで Ef2 と診断された 術 後経過 術後経過良好にて第 9 病日に退院した 術後 7 日目の気管支鏡検査では舌区枝はやや閉塞しかけて いたが 2 ヶ月後の気管支鏡検査では完全に開存しており 肺の拡張も良好であった

30 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-5 Bevacizumab 併用導入化学療法後に気管支形成術を行い完 全切除し得た肺腺癌の一例 有村 隆明 西村 秀紀 小沢 恵介 藏井 誠 小林 宣隆 長野市民病院呼吸器外科 背景 局所進行肺癌における Bevacizumab BEV 併用化学療法は腫瘍縮小効果と切除不能非扁平上皮癌 の生存率上昇が報告されている また N2 肺癌は全身疾患であり周術期の化学療法が予後改善に寄与すると 期待されている 今回我々は局所進行 N2 肺癌に対する cisplatin CDDP pemetrexed PEM BEV の導 入化学療法が奏功し気管支形成術を行うことで完全切除し得た肺腺癌の一例を経験したので報告する 症例 52 歳 男性 2014 年 2 月の検診で胸部異常影を指摘 胸部 CT で右 S1 に 38mm の腫瘍を認め気管支鏡検査 で腺癌と診断した FDG PET では右肺門リンパ節 10 上縦隔リンパ節 4R に集積を認め ct2an2m0 と 診断した 導入化学療法で CDDP PEM BEV 投与を 4 コース施行 FDG PET でリンパ節の集積は消失し S1 の腫瘍も縮小 yct1bn0m0 で切除可能と判断した 手術 審査胸腔鏡で切除不能因子が無いことを確認 し後側方切開 第 5 肋間開胸で手術を行った 腫瘍は胸膜陥入を認めたが胸膜浸潤はなかった 上葉気管支 頭側で右肺門リンパ節 10 と上縦隔リンパ節 4R 奇静脈 迷走神経が一塊となっており 気管支形成 Wedge を行うことで上葉切除術が可能であった 気管支切離断端に腫瘍浸潤は無く 肋間筋弁を被覆し手 術を終了した 術後の経過は良好で 術後 7 日目の気管支鏡検査で吻合部の狭窄や虚血は無く 術後 8 日目 に退院となった 病理診断は右肺門リンパ節 10 に僅かな腫瘍の遺残を認め pt1an1m0 Ef2 と診断した 患者は現在も無再発生存中である 結語 Bevacizumab 併用導入化学療法後に気管支形成術を行った肺腺 癌の一例を経験したので若干の文献的考察を加え手術映像を供覧し報告する

31 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-6 肺門リンパ節の気管支浸潤を伴う肺腺癌に対する 放射線化学 療法後の右上葉管状切除術 合地 史明 太田 紗千子 河野 朋哉 吉村 誉史 寺田 泰二 松原 義人 京都桂病院呼吸器センター呼吸器外科 はじめに 局所浸潤や 2 群リンパ節転移を伴う肺癌に対して 根治性を高める為に術前放射線化学療法が行 われるが 治療後変化により手術の難度が上がり 周術期合併症の増加が問題とされている 今回 転移腫 大した 11s による主肺動脈と中間気管支幹への浸潤が考えられた肺癌症例に 放射線化学療法を施行後 右上葉管状切除術を施行した症例を供覧する 症例 48 歳女性 CT で右肺 S3b に 28 14mm 大の腫瘍と 右主肺動脈と右上葉気管支から中間気管支幹への浸潤が疑われる腫大した 11s が認められ 気管支鏡所見 では右上葉口はほぼ閉塞していた PET CT で腫瘍本体と 2R 11s へ集積があり ct1bn2m0 と診断され 術前に CBDCA PAC と 40Gy の放射線化学療法を行った 手術方法 前方腋下切開にて第 4 肋間開胸を施 行 気管支狭窄による気道感染と放射線化学療法により 11s と肺動脈本幹の癒着が強かったが浸潤は認 めなかった 肺動脈を葉間から頭側に向かって剥離し 上肺静脈を切離後に A1 3 を露出して結紮切離した 気管支と肺動脈本幹も高度に癒着しており 完全に剥離した 気管支の切離は 頭側が上葉気管支から 2 軟 骨輪中枢 尾側は 3 軟骨輪末梢を切離した 気管支吻合は 3 0Vicryl で軟骨部を 10 針単結節縫合 膜様部を 連続縫合で行い 遊離の心膜周囲脂肪織で吻合部を被覆した 術後経過 8 日目にドレーン抜去し 12 日目 に退院となった 病理では 2R に転移を認めず ypt1bn1m0 で 術前治療の効果と考えられた 気管支吻合 部位に逢着した遊離脂肪組織は術後 6 か月の CT では残存が確認され 1 年後にはほぼ消失していた 術後 9 ヵ月に小脳転移への SRT を施行したが 術後 1 年半の現在 他部位に転移再発を認めていない

32 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-7 自然気胸における胸腔内アプローチでの傍脊椎ブロックカテー テル留置の実際と有用性の検討 坪島 顕司 若原 鉄平 的場 保巳 高砂市民病院呼吸器外科 はじめに 近年 胸部外科領域における傍脊椎ブロック paravertebral block : PVB の有用性が報告され ている 今回 胸腔内アプローチによる自然気胸に対する PVB の手技の実際とその有用性を硬膜外麻酔と比 較して報告する 対象と方法 2010 年 6 月から 2014 年 10 月までに自然気胸に対して 3 ポートで胸腔鏡下 手術 VATS を施行した 59 症例を対象とした 術後鎮痛方法として 34 症例に PVB P 群 25 症例に硬 膜外麻酔 E 群 を選択した 胸腔ドレーンの留置期間が 3 日以上の症例は除外した P 群では胸腔内から 壁側胸膜 胸内筋膜を切開し肋骨に沿う形で傍脊椎腔にカテーテルを留置した P 群 E 群ともに術後に持 続麻酔を行い 原則として胸腔ドレーン抜去時に鎮痛用のカテーテルも抜去した 結果 P 群では 4.0±1.8 中央値 4 肋間にわたって神経ブロックが得られた P 群 E 群の年齢 性別 BMI などに有意差は認めな かった 手術時間は 88.0± ±41.8 P 0.04 ドレーン留置期間は 1.8± ±0.6 P 0.01 術 後嘔気嘔吐 postoperative nausea and vomiting : PONV は P 0.05 で有意差を認めた NRS による術後疼痛評価 術後尿閉 血圧低下では有意差を認めなかった 結論 1 PVB の手技は容易で平均 で 4 肋間の範囲で神経ブロックが得られた 2 鎮痛効果は E 群と同等で かつ PONV が減少しており PVB の有用性が示唆された

33 一般ビデオ 5 術前 術後補助療法 周術期管理 V5-8 胸腔鏡手術における気腫化肺切除例の検討 神谷 紀輝 岡 英俊 柳澤 貴子 関 大仁 金田 宗久 鈴木 慶一 石井 良幸 浅沼 史樹 大作 昌義 北里研究所病院外科 目的 背景の肺に高度気腫化を伴い気胸や腫瘍性病変を有する症例では 術後の呼吸器合併症や肺瘻が懸念 される 各施設でこれまで様々な検討 工夫がなされているが難渋する症例に遭遇する 今回当科における 検討を行った 対象 までに 術前の画像所見で広範囲にわたる気腫性変化を認め 呼吸器の検 査実施例では閉塞性換気機能障害を呈する症例のなかで胸腔鏡下肺切除術を実施した 6 例を対象とした 結 果 年齢平均 65 歳 男女比 5 : 1 他に有する併存症としては糖尿病 1 であった 最終診断は肺癌 3 転移 性肺腫瘍 1 気胸 1 炎症病変 1 術式は葉切除 1 区域切除 1 部分切除 4 であった 術後ドレー ン抜去は全て 3 日目であった 呼吸リハビリ導入は 2 例に行った 退院は術後 4 6 日目に行われた 合併症 は糖尿病合併した 1 例に遅発性肺瘻を認め 胸膜癒着術により経過した 考察 再手術には至らなかったが 再ドレナージを要する症例を認めた 術後の肺炎は低侵襲手術や周術期呼吸リハビリ導入により発症は低下 しつつあるが リスク因子を複数有する症例の肺瘻については これまで以上の注意が必要と考えられた 実際の手術動画で供覧し検討を加える

34 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-1 巨大な左上葉 NSCLC に対する dcrt 後の左肺全摘術 左肺 全摘における Central Approach の工夫 白石 武史 吉田 康浩 宮原 尚文 阿部 創世 永田 旭 宮原 聡 柳澤 純 濱武 大輔 平塚 昌文 山下 眞一 岩崎 昭憲 福岡大学呼吸器 乳腺内分泌 小児外科 51 歳男性 ct3n2m0 の NSCLC 左上葉全体を占め胸壁 肺門に接する腫瘤 壁側胸膜直接浸潤が疑われ 肺門 縦隔リンパ節転移陽性 CDDP DOC の 2 クール 66Gy 後にリンパ節は縮小したが腫瘤は増大 空 洞化し 腫瘍壊死 化膿症化が懸念された 内科治療では制御困難と考え 切除が計画された 手術 腫瘍 は肺門部から胸壁に直接浸潤あるいは炎症 瘢痕性癒着を来していると想定され まず後側方開胸で胸壁側 剥離を行った 上葉部分は強靱な線維性組織で被われていたが胸壁への直接浸潤なく 胸膜外層で剥離 側 方視野での肺門処理は不可能であり 仮閉胸して前方アプローチを行った 胸縦切下に心嚢を開放し 主肺 動脈 上行大動脈間から主肺動脈分岐部を受動し 肺動脈分岐直後の左肺動脈を切断した 上肺静脈は心嚢 内処理した 再び後側方開胸を実施し 下肺静脈を心嚢外で切断 肺動脈脈断端 切除側 を外側へ牽引し ながらボタロー靱帯を切断して AP window 部分の肺動脈剥離を進め 心嚢後壁を解放して主気管支を露出 切断した 最後に左肺全体を背側に脱転しながら縦隔背側から大動脈弓部 下行大動脈にかけての癒着を剥 離し肺全摘を完了 まとめ 根治的化学放射線療法による肺門 胸壁への強固な癒着がある巨大な肺腫瘍を 安全に切除するには 1 側方開胸で胸壁側の癒着を適格に剥離すること 2 前方から安全に肺門処理を行 うこと の 2 点が重要 右側に比較して左側は前方 心嚢内 から肺門を処理することが困難で注意を要す る 左側肺門への Central Approach の工夫を紹介する

35 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-2 局所進行肺癌に対する導入化学放射線療法後の椎体合併切除術 杉本 誠一郎 岡田 真典 大亀 剛 伊賀 徳周 牧 佑歩 三好 健太郎 山本 寛斉 宗 淳一 山根 正修 豊岡 伸一 大藤 剛宏 三好 新一郎 岡山大学病院呼吸器外科 症例は 61 歳 男性 喫煙歴 15 本 40 年 右背部痛のため近医を受診し CT で右 S1 の 6.5cm 大の腫瘍 と第 2 4 肋骨や第 2 3 胸椎への直接浸潤が認められたが 遠隔転移は認められなかった 精査加療目的で当 科に紹介され CT ガイド下肺生検で腺癌と診断された ct4n0m0 cstageiiia CDDP DOC による導入 化学放射線療法が施行され 腫瘍の縮小が認められたため 整形外科と合同で手術を施行した まず 腹臥 位で背側正中から胸椎にアプローチし 術中 CT O アーム によるナビゲーションシステムを用いて切除 範囲を決定した後に 第 2 3 胸椎椎体 第 1 4 胸椎椎弓 第 2 4 肋骨部分切除術を施行した 次に 体位を 左側臥位に変換後 後側方切開による第 4 肋間開胸を追加し 右上葉切除術 ND2a 2 を施行した 最後に 露出した硬膜を最長筋で また気管支断端を傍心膜脂肪組織で被覆し 閉胸して手術を終了した 手術時間 は 9 時間 39 分 出血量は 1550ml であった 病理組織学的に線維性瘢痕組織のみで viable な腫瘍細胞は認め られず Ef3 と診断され リンパ節転移も認められなかった 術後に肺炎を発症したが軽快し術後 40 日目に退 院した 術後補助化学療法を施行し経過観察中である 肺癌に対する椎体合併切除術の致命的な合併症とし て 髄液漏や気脳症が発症することがある 髄液漏はくも膜下腔 胸腔瘻 SPF が原因で起こり 気脳症は SPF を通じて胸腔内の空気が侵入することで発症する 我々はこれらを予防するため 1 硬膜露出部位の 肋間神経根の過伸展を防止し 2 硬膜露出部位を筋弁で被覆し 3 長期の胸腔ドレナージが必要となる ような合併症 肺瘻 気管支胸腔瘻 乳糜胸 に注意して手術を施行しており 実際の手技をビデオで供覧 する

36 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-3 導入化学放射線療法後に気道再建を伴う切除を施行した肺癌症 例 小山 真 高橋 毅 閨谷 洋 高梨 裕典 早川 貴光 田中 悠子 藤枝市立総合病院呼吸器外科 はじめに 導入化学放射線治療後に気道再建を伴う切除を施行した肺癌症例を 2 例経験したので供覧する 症例 1 55 才女性 喘鳴を伴う呼吸困難に対し精査が施行され 気管遠位側から右主気管支に至り 右主気 管支を閉塞する腫瘤を認めた 生検で腺様嚢胞癌が疑われ 全身精査で右主気管支原発腺様嚢胞癌 c T4N0M 0 と判断した 導入化学放射線療法 CBDCA PTX 2 コース 40Gy 照射 により腫瘍の縮小を得 右上葉 管状切除 気管分岐部合併切除 One stoma 型気管分岐部再建を施行した 気道再建は 3 0PDS を用いた結 節縫合によるテレスコープ吻合とし 吻合部は有茎心膜傍脂肪織で被覆した 病理所見で中枢側断端に腫瘍 の残存が疑われたため追加照射を施行したが 気管支鏡検査による吻合部の観察では経過良好であった 症 例 2 59 才男性 持続する咳嗽に対し精査が施行され 右肺 S2 に最大径 85mm で気管浸潤が疑われる腫瘤 が指摘された 生検で腺癌の診断を得 全身精査で c T4N2M0 と判断した 導入化学放射線療法 CBDCA PTX 1 コース アレルギーにより中止し CDDP VNR 1 コースを追加 40Gy 照射 により yc T3N1M0 に down stage が得られ 右上葉管状切除術を施行した 気道再建は 3 0PDS を用いた結節縫合によるテレス コープ吻合とし 吻合部は有茎壁側胸膜で被覆した 気管支鏡検査による吻合部の観察では一部に粘膜欠損 と白苔の付着を認めたが 保存的に改善し有害事象は生じなかった

37 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-4 大動脈弓部に浸潤した肺がんに対して体外循環装置非使用下に 合併切除を行った一例 土岐 善紀1 仙田 一貴1 峠 正義1 本間 崇浩1 山本 優1 尾嶋 紀洋1 嶋田 喜文1 杉山 茂樹2 宮原 佐弥2 津田 基晴3 一木 克之4 草島 義徳5 瀬川 正孝5 1 富山大学附属病院呼吸器一般外科 2東名厚木病院呼吸器科 3国立病院機構石川病院外科 4 霧ヶ丘つだ病院呼吸器科 5富山市民病院呼吸器血管外科 以前私たちは 胸部下行大動脈に浸潤した肺がんに対してステントグラフト内挿術を行った後に大動脈壁 を合併切除した症例を報告した 今回 大動脈弓部に浸潤した左上葉肺がんに対して同様に体外循環装置お よび大動脈遮断を回避した手術を行い得た 67 歳男 嗄声を主訴として医療機関を受診した その結果左肺 上葉肺がんの弓部大動脈への直接浸潤 ct4n0m0 と診断された 左総頚動脈ならびに左鎖骨下動脈根部に も腫瘍は及んでいた 術前に導入放射線化学療法を行った 手術ではまず右総頚動脈から左総頚動脈を経由 して左鎖骨下動脈までジャンピングバイパスを置いた後に 大動脈弓部内腔に左総頚動脈と左鎖骨下動脈の 分岐部を塞ぐようにステントグラフトを内挿した 引き続き右側臥位をとり左上葉切除ならびに大動脈弓部 の合併切除を行い 定型的リンパ節廓清を追加し手術を終了した 通常 大動脈弓部に浸潤した肺がんの手 術においては脳保護のため 逆行性脳灌流もしくは超低体温下循環停止法などの体外循環装置を用いた手術 が必要となる これらには 大きな生体侵襲を伴う以外にも 1 ヘパリン使用に伴う出血傾向 2 大動脈 遮断による脳梗塞や脊髄虚血の発生リスク 3 ポンプ使用による腫瘍の拡散などの問題が生じる 私たちが 考案した本法は 成績が不良または手術そのもにが非適応とされた大動脈弓部に対する合併切除においても 上記諸問題をクリアできると考えられる 本会において手術を供覧し報告したい

38 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-5 完全内臓逆位に合併した原発性肺癌に対し 完全胸腔鏡下に左 上葉切除を施行した 1 例 金山 雅俊 井上 政昭 吉田 順一 下関市立市民病院呼吸器外科 はじめに 完全内臓逆位は 各臓器が左右逆転し正常位に対して鏡面的位置関係にあるものをいう 頻度と しては 人に 1 2 人と稀にみられる常染色体劣性遺伝の奇形である 今回 完全内臓逆位に合併した原 発性肺癌の手術症例を経験したので報告する 症例 61 歳女性 腹痛を主訴に近医受診し その際の胸部 X 線写真で左上肺野に異常陰影指摘され当院紹介となる 胸部 CT 上 左肺上葉 S2 に葉間胸膜に接して 25 mm 12mm の結節陰影を認めた 完全内臓逆位を認め 肺動脈 肺静脈の走行および気管支は正常の鏡面 を呈していた 気管支鏡下生検では悪性所見が認められなかったが CEA7.1 と高値であり 画像上も肺癌を 疑う所見であったため 左上葉肺癌 c T1bN0M0 StageIA として手術を行う方針とした 手術 3port の完 全胸腔鏡下に手術を開始した 左縦隔に下行大動脈は認めず 左肺は上中下葉の 3 葉に分葉していた 腫瘍 は上葉と下葉の葉間面に位置していたため 上下葉間の切離を行った後に部分切除を行った 迅速病理検査 により肺腺癌の診断であったため 肺葉切除行う方針とした 葉間より ascending A2 の処理を行い 肺門側 から上葉の肺静脈の切離を行った 上中葉間の葉間形成を行った後に 肺動脈上幹 上葉気管支の切離を行 い 左上葉を摘出した 肺門 上縦隔のリンパ節郭清を行い手術終了とした 手術時間は 3 時間 15 分 出血 量は 50g 経過 術後 3 日目に胸腔ドレーン抜去し 術後 8 日目に退院とした 考察 結語 完全内臓逆 位の手術においては 常に反対側の胸腔をイメージしながらの手術となる そのため 術前に肺血管 気管 支の解剖学的評価を十分に行ったうえで 注意深い操作が必要となる

39 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-6 左上葉肺癌における縦隔鏡下上縦隔リンパ節摘出生検と全摘回 避の肺動脈形成術 尹 亨彦 内海 朝喜 冨田 栄美子 野口 未紗 松井 浩史 金沢 豪 松村 晃秀 近畿中央胸部疾患センター外科 上縦隔リンパ節の組織学的評価法として縦隔鏡検査が広く行われている 我々は症例を選択して 縦隔鏡 検査時に鏡視下機器を用いてリンパ節の摘出生検を行っている また左上葉肺癌では 右上葉肺癌と比べ 気管支と肺動脈の解剖学的差異より右上葉肺癌では気管支形成で全摘を回避する症例が多いのに比べ 左上 葉肺癌では肺動脈形成により全摘を回避する症例が多い 我々は心膜を用いたパッチ形成や心膜管状グラフ トによる置換形成を行っている 特に左上葉進行肺癌の手術時に 柔軟な上縦隔リンパ節へのアプローチ法 の選択や全摘を回避できる点で これらの手技に習熟することが重要である 2 症例のビデオを供覧し 我々 の行っているビデオ縦隔鏡と鏡視下手術機器を用いた縦隔鏡検査時におけるリンパ節摘出生検 心膜パッチ と心膜管状グラフトを用いた肺動脈形成を供覧する 症例 1 は 79 歳男性 左上葉肺癌 長径約 100mm C T3N1M0 であったが FDG PET で 5 番リンパ節に軽度の異常集積を認めた 腫瘍が A1 2ab 3 根部に及ん でいた 縦隔鏡検査で左 2 番と左 4 番リンパ節を摘出生検 7 番と右 4 番は切除生検を行い 全て転移陰性 であった 上縦隔の郭清は行わず 心膜パッチによる肺動脈形成を伴う上葉切除を行った 症例 2 は 51 歳男 性 左上葉肺癌 長径 31mm C T2aN1M0 で 腫大 N1 リンパ節が肺動脈に浸潤していた 卜字型の胸骨正 中及び第 4 肋間前側方開胸で 上縦隔郭清 楔状気管支形成と心膜管状グラフトを用いた肺動脈形成を伴う 上葉切除術を行った

40 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-7 後方アプローチによる右肺上葉切除術 分葉状況によらずに施 行できる手術を目指して 櫻井 裕幸 中川 加寿夫 渡辺 俊一 国立がん研究センター中央病院呼吸器外科 肺葉切除において 分葉の良し悪しは肺動脈へのアプローチに工夫が必要となる 分葉不良症例では 葉 間アプローチでは葉間肺実質をひたすら電気メスなどで切離していかなければならず 途中で肺動脈損傷を 来たしたり 目測を誤れば肺動脈とは違った方向へ肺実質を掘り進めていってしまうこともありうる 右肺 においては手術の早い段階で葉間からの肺実質切離時に誤って中間肺動脈幹を損傷してしまうと致死的な出 血を招きかねない また 肺気腫や間質性肺炎のある症例では術後遷延する肺瘻の原因にもなりうるので 葉間から肺実質を切離し掘り進める手技は回避したい 我々が日常臨床で行っている minimally invasive open surgery MIOS による後方アプローチでは 肺の分葉状況にかかわらず右上葉切除術が施行できる ビデ オにて供覧する 皮膚切開は 7 8cm の後側方小切開で 第 4 肋間開胸にて胸腔に到達する まず最初に後 方から縦隔胸膜を切開し 気管支壁に沿って縦隔胸膜を剥離し 11s リンパ節を露出 これを廓清する その後 上葉気管支と気管支周囲リンパ節 肺動脈の間を剥離 上葉気管支を切離する 後方から肺動脈へ のアプローチが可能になり 12u リンパ節および肺動脈血管鞘を上幹肺動脈から剥離し 中間肺動脈幹 上行肺動脈 A2 の走行を確認し剥離したのち これを切離する 次いで 上葉肺静脈を切離し 最後に葉間 肺実質を自動縫合器にて切離する これらの手技が胸腔鏡補助下に後方アプローチによって行われる 気管 支切離ライン周囲のリンパ節を破壊せずに気管支壁より剥離すること 気管支処理の際に肺動脈を損傷しな いことが重要である

41 一般ビデオ 6 肺癌 5 V6-8 局所と縦隔に対する重粒子治療後の salvage 手術 清水 公裕1 永島 宗晃1 大瀧 容一1 尾林 海1 矢澤 友弘1 大沢 郁1 川島 修1 上吉原 光宏1 菅野 雅之1 伊部 崇史1 懸川 誠一1 渥實 潤1 井貝 仁2 竹吉 泉1 1 群馬大学大学院臓器病態外科 2前橋赤十字病院呼吸器外科 強い生物効果を持ち 病巣を的確に治療できる重粒子線治療 heavy ion radiotherapy : HIT は次世代の がん治療として期待されている しかし HIT でも 100 の症例で局所制御が可能であるわけでは無いため salvage 手術の必要性も同時に高まることが予測される 今回 我々が経験した局所及び縦隔に HIT が施行 された症例に対する salvage 手術をビデオで供覧し HIT の生体への影響と それを踏まえた術式 手技の 工夫について述べたい 症例は 77 歳男性 右下葉扁平上皮癌 ct2an0m0 で原発巣に HIT を施行した しか し その後半年で縦隔リンパ節に再発を来したため 7 リンパ節を中心に上縦隔まで HIT を施行した しか し 10 ヶ月後に原発巣 転移巣ともに再燃を来たし salvage 手術の方針となった 手術は第 5 肋間開胸で行っ た 通常の照射経路にみられるような腹側 背側への癒着や炎症は認めなかった 最初に 8 9 リンパ節を 郭清しながら 何とか下肺静脈を切離した S2 を合併切除する形で背側の不全分葉を切離し 肺動脈は A6 を別処理として A7 10 を一括切離した 最後に下葉気管支を自動縫合器で切離し右下葉を摘出した 7 領 域に関しては HIT による線維化が極めて強く気管支 食道 心膜 リンパ節の境界が認識困難であった し かし ハーモニック DH105 を用いた NIKI touch method により線維化が解除され認識可能になり郭清が可 能となった 気管支切離部周囲の阻血所見から一期的に腹腔鏡下に有茎大網弁を作成し 経横隔膜的に大網 充填を行なった 手術時間は 7 時間 18 分 出血量は 299ml であり術後経過は良好で術後 21 病日に退院した

42 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-1 巨大胸壁腫瘍の 1 切除例 花岡 淳1 堀本 かんな1 林 一喜1 白鳥 琢也1 片岡 瑛子1 五十嵐 知之1 大塩 恭彦1 橋本 雅之1 寺本 晃治2 1 滋賀医科大学呼吸器外科 2滋賀医科大学臨床腫瘍学講座 はじめに 巨大胸壁腫瘍に対する手術アプローチでは術野展開の困難さ等から方針決定に苦慮することが多 く 病変の占拠部位が胸頂部であれば尚更である 今回 胸腔内外へ進展する胸壁発生孤立性線維性腫瘍に 対し 胸骨正中切開に transmanubrial osteomuscular sparing approach TMA を併用し 難渋しながらも 腫瘍摘出術を施行した症例を経験したのでビデオで供覧する 症例 76 歳 男性 約 30 年前より左胸頂部 腫瘤を指摘されていた 2013 年 5 月 階段より転落し左肋骨 肩甲骨骨折および外傷性血気胸を受傷 画像 検査で増大する腫瘤と胸水貯留を指摘された その後 上気道炎を契機に酸素療法が必要となったため紹介 となった 胸部 CT で第 1 肋骨の溶骨性変化を伴った内部が不均一に造影され胸腔内外へ進展する巨大腫瘤 が認められ 生検で孤立性線維性腫瘍が疑われた FDG PET では高度集積像が見られ 悪性転化の可能性 も否定出来ず 腫瘍血管塞栓術施行後に手術療法を行った 腹臥位で第 1 2 胸椎レベルの横突起および肋骨 小頭を切除 仰臥位にした後 胸骨正中切開に TMA の併用アプローチを用いて腫瘍の摘出術を施行した 術中 視野展開は困難であり また 栄養血管からの出血のコントロールにも難渋した 術後は 8 日間の人 工呼吸器管理が必要であり 正中 尺骨神経および左反回神経麻痺を合併した 術後 1 年を経過した現在も 再発の徴候は認めておらず 残存する尺骨神経麻痺に対しリハビリ施行中である 考察 まとめ TMA は 血管系に隣接する胸頂部腫瘍に対して有効なアプローチ法の 1 つである しかし腫瘍が胸腔外に進展あるい は胸頂部を充満するような場合は さらなる工夫が必要と考えられた

43 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-2 Transmanubrial approach TMA を加えた胸骨正中切 開下に切除した右肺尖部浸潤肺癌の 1 例 朝戸 裕二1 清嶋 護之1 鈴木 久史1 北原 美由紀1 雨宮 隆太2 1 茨城県立中央病院 茨城県地域がんセンター呼吸器外科 2雪谷大塚クリニック 症例 63 歳 男性 右胸部痛自覚後に検診胸部レントゲン写真で右肺尖部の腫瘤陰影を指摘され 当院受診 胸部 CT では右鎖骨下動脈に広く接し 鎖骨下静脈浸潤を疑う腫瘤を認め 左肺上葉にも結節陰影を認めた PET CT では共に FDG の集積を認めたが明らかなリンパ節転移は認めず 右肺腫瘤からの生検では低分化 肺腺癌であった 左肺結節は気管支鏡下 CT ガイド下生検共に困難な部位に存在し 胸部痛もあることか ら右肺癌に対して同時化学放射線治療を開始した CDDP S1 による化学療法 2 コース 56G 放射線照射後 の再評価では左右とも軽度縮小するも効果判定は SD 新たな病巣の出現は認めなかった 多発肺癌の可能性 を重視し 切除の方針となった 手術 仰臥位とし 審査胸腔鏡で播種のないことを確認後 右頸部襟状切 開 胸骨正中切開を行った 左肺上葉結節を部分切除後に右 TMA を追加 腫瘤は鎖骨下静脈と接していた が動脈との剥離は可能で椎骨動脈も確認温存 腫瘤と静脈の剥離時に静脈を損傷し 中枢 末梢に血管鉗子 " をかけ静脈を一部切除して腫瘍と静脈を分離 静脈は 6 0 プロリンで修復 反回神経は温存しえたが 横隔 神経は腫瘍に巻き込まれており切離 第 1 肋骨も一部切除し 腫瘍を上縦隔より剥離 続いて上葉切除 上 縦隔リンパ節郭清施行 手術時間 6 時間 1 分 出血量は 524cc 術後経過 特に合併症なく経過し 術後 8 " " 病日に退院 病理所見では右は低分化肺腺癌 ypt1an0m0 Stage IA 左は扁平上皮癌 ypt2an0m0 Stage IB 考察 胸骨正中切開に TMA を加えた手術経路は良好な視野を確保でき 肺尖部腹側縦隔浸潤肺癌の手術で は有用と思われる

44 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-3 Transmanubrial approach を応用し切除した胸鎖関節腫 瘍の 1 例 佐々木 高信 照屋 孝夫 國吉 幸男 琉球大学医学部第2外科 Transmanubrial approach 以下 TMA は胸骨柄を L 字 もしくは逆 L 字 に切離することにより 鎖 骨の離断を行わずに胸鎖関節ごと外側に授動するアプローチ法で 1997 年に Grunenwald らが報告した 通 常 TMA は肺尖部腫瘍 SST などに対し用いられるが 今回我々は左胸鎖関節部の腫瘍に対し TMA を応 用することにより切除し得た症例を経験したので 手術ビデオを供覧し 報告する 症例は 60 歳 男性 口 腔癌 左舌縁癌 に対し 当院耳鼻科にて 2009 年に根治術が施行され 以降外来フォローされるも 左胸鎖 関節部に腫瘍の再発をみた 腫瘍は左腕頭静脈への浸潤も認められた 再手術であり胸骨裏と左腕頭静脈と の癒着も疑われたため まず胸腔鏡を用いて剥離操作を行った 次に胸骨丙から左第 1 肋間までを L 字に切 開し 第 1 肋軟骨を切断 鎖骨及び鎖骨下静脈を離断した 離断した胸骨 鎖骨近位端及び左腕頭静脈ごと 腫瘍を摘出した 腫瘍切除後の胸壁欠損部には大胸筋弁を作成し 充填した 特に合併症なく手術後 32 日目 に退院となった TMA 原法は鎖骨の離断を伴わず胸腔頂の良好な視野を得られるものであるが 今回は胸 鎖関節部の腫瘍であったため鎖骨の離断を必要とした 術後病理は扁平上皮癌で 切除標本の断端は陰性で あった

45 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-4 化学療法後に Transmanubrial osteomascular sparing approach にて胸壁合併切除を行った T3 肺癌の 1 手術 例 徳永 義昌 奥田 昌也 池田 敏裕 伊藤 公一 喜田 裕介 藤原 敦史 松浦 奈都美 笠井 由隆 中野 淳 劉 大革 後藤 正司 呉 哲彦 横見瀬 裕保 香川大学医学部 はじめに 化学療法後に Transmanubrial osteomascular sparing approach および後側方開胸にて第 1 肋骨 を含む胸壁合併切除と左上葉切除 リンパ節郭清を経験したのでビデオで供覧する 症例 71 歳男性 左 胸痛を自覚し近医受診 気管支鏡下生検で腺癌の診断を得 当科紹介となった CT 上 鎖骨下動静脈に浸 潤はないものの第 1 5 肋骨に浸潤する左上葉の腫瘍を認めた PET では主腫瘍 SUV max15.80 左腋窩リン パ節 5.14 の集積を認め 左腋窩リンパ節は FNA にて転移の診断であり 左上葉肺腺癌 ct3n0m1 と診断し た 化学療法 CBDCA PEM BEV 4 コース施行し 画像上 SD であったが 腫瘍マーカーは CEA24.3 から 8.7 へ低下した 左腋窩リンパ節は切除可能と判断し salvage 手術を行った 手術は頸部 L 字切開 胸 骨柄を鈎型に切断し胸鎖関節はそのままに鎖骨を跳ね上げる形で肋鎖靭帯を切離 1 肋骨 2 肋骨後方を切断 し一旦閉胸 続いて後側方開胸とし 2 肋骨後方および 肋骨を切断し 左上葉と一塊に切除 胸壁 欠損部は Gore Tex soft tissue patch で補填し閉胸した ypt3n0m0 の診断であった 結語 本アプローチ は Superior Sulcus Tumor の切除に有用である

46 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-5 肺尖部前方浸潤肺癌に対する胸骨正中切開に頚部切開を加えた アプローチ シンプルかつ汎用性が高い 塩見 和1 三窪 将史1 松井 啓夫1 園田 大1 中島 裕康1 近藤 泰人1 小野 元嗣1 北村 律2 佐藤 之俊1 1 北里大学医学部呼吸器外科 2北里大学医学部心臓血管外科 はじめに 肺尖部前方の胸壁浸潤肺癌 SST に対して Transmanubrial アプローチに加え肺葉切除のた めの別アプローチを併用した方法が選択されることが多い しかし 腫瘍浸潤部位は様々であり アプロー チもそれに応じて必要十分なものが選択されるべきである 今回我々は 右腕頭静脈 BCV から右鎖骨下 動脈 SCA への浸潤が疑われる症例に対し 胸骨正中切開に頚部切開を追加することで良好な視野を得て 人工血管再建術を含む切除術を施行したので報告する 症例 63 歳女性 喫煙指数 800 子宮頚癌の既往あ り その経過観察中に胸部 CT で右 S1 縦隔側に右 BCV に浸潤かつ右 SCA に接する 34mm の腫瘤影を認め た 全身精査で右原発性肺癌疑い ct4n1m0 IIIA の診断となり手術を施行した 手術 右第 5 肋間より カメラを挿入し播種のないことを確認後 胸骨正中切開を行った 腫瘍は瘢痕様に固く 可動性不良で明ら かに右 BCV に浸潤し かつ SCA とも固着していた 生検で悪性の診断を得た 腫瘍尾側で 上大静脈 左 右 BCV 右横隔神経 右迷走神経にテーピング 右頚部に皮膚切開を延長し 右前頚筋群と胸鎖乳突筋胸骨 枝を切離し 胸骨柄の挙上で頭側の視野を確保した 鎖骨下動静脈 迷走神経を露出しつつ 腫瘍周囲の剥 離を行った 最終的に 右 BCV 右横隔神経を合併切除し 右 BCV は人工血管で再建した その後 右上 葉切除 ND2a 1 を施行した まとめ 前方 SST の中でも 本症例のように右 BCV から鎖骨下動静脈中 枢付近までの浸潤を示す症例において 胸骨正中切開に頚部切開を加えたアプローチは有効である

47 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-6 胸骨を く 字状に斜め横断切除し残存胸骨肋鎖間を人工靭帯 と PTFE により再建した原発不明扁平上皮癌の 1 例 中西 浩三 下高原 昭廣 国立病院機構埼玉病院呼吸器外科 広範な胸骨浸潤を示す原発不明扁平上皮癌病巣に対し胸鎖関節を含む胸骨柄の大半を合併切除した上で視 野を得るため胸骨を 2 度斜め横断して開胸した手術を供覧する 症例は 51 歳男性 左肩痛を主訴に整形外科 " 受診 精査で左上縦隔の胸骨柄裏面に腫瘤を認め当科紹介となる 腫瘍は左第 1 3 肋骨と胸骨を破壊し胸骨 右縁近くへ 更に頭側には左鎖骨骨頭まで拡がり大胸筋直下にまで達していた 生検で扁平上皮癌と診断 手術は胸骨裏面の腫瘍の進展範囲を知るため視野方向可変式胸腔鏡 エンドカメレオン を使用 胸骨横断 部だけでなく胸骨右縁側も左胸腔へ挿入した胸腔鏡から腫瘍範囲確認の補助として利用した 胸骨は左第 3 肋間から右第 1 肋間方向に斜め上へ横断 更に胸骨上窩に向け斜め上へ横断し分断した 左鎖骨骨頭は 2 3 " 残し横断 左第 1 3 肋骨 肋軟骨 背面で左腕頭静脈 腫瘍周囲の大胸筋 皮膚などを腫瘍と一塊にして切 除した 腫瘍の主座は胸骨左縁胸腺左上極付近にあるように見えたが 肺への浸潤もあり腫瘍は一塊で肉眼 的に特定できなかった 左鎖骨骨頭と左第 1 肋骨 残存する胸骨柄右 1 4 と左鎖骨骨頭 胸骨柄と胸骨体の 間を各々人工靭帯で繋ぎ関節制限術とし前胸部の骨性胸郭欠損部は PTFE デュアルメッシュ で再建した 術後は手術翌日より自立歩行可能で左肩関節は挙上位以外ほぼ制限なかった再建部固定までの 3 週間 左上 肢は挙上禁止とした 血管切除に伴う左上肢の腫脹はあったが一時的で数日で改善 前胸壁はやや陥凹した が奇異性呼吸や呼吸苦は認めず術後 7 日目に退院した 病理学的に原発不明扁平上皮癌と診断され切除断端 は陰性であった 退院後も左肩関節の運動制限などはなく経過している

48 一般ビデオ 7 肺尖部肺癌 胸壁腫瘍手術 肺移植 V7-7 レシピエントの状態に応じ対側反転肺移植を行った 2 例 伊賀 徳周 大藤 剛宏 宮原 一彰 大亀 剛 岡田 真典 三好 健太郎 杉本 誠一郎 山根 正修 三好 新一郎 岡山大学病院 呼吸器外科 日本では肺移植待機患者は移植に至る原疾患や重症度によらず 登録後の待機期間の長い候補者が優先さ れる そのため肺移植登録後 短期間に病状が進展する場合には移植の機会を逃し死に至ることになる 片 肺移植適応患者において ドナー肺をレシピエントの対側胸腔へ移植することができれば 換気血流分布 胸郭グラフトサイズ等の患者の状態に応じた術式選択が可能となる 今回我々は急速に病状が進行する間質 性肺炎に対して対側反転移植を行った脳死および生体肺移植を経験したので報告する 対側反転移植は待機 期間中に一側肺の病状が悪くなる場合や 胸郭グラフトサイズミスマッチを理由に移植を断念せざる終えな くなる症例に対し有効であった 対側反転肺移植を行う方法として 胸郭とグラフト肺を合わせる前後反転 法と肺門の気管支 肺血管の位置関係を合わせる上下反転法がある 対側前後反転移植の場合 胸郭の形と グラフト肺の拡がりが合いやすい反面 気管支 肺血管の位置関係が前後逆になるため肺動脈や肺静脈間の 距離が長くなり血管形成や吻合法に工夫が必要となる 今回我々が行った脳死および生体での体側前後反転 肺移植を行った手技をビデオ提示する 症例 1 は特発性肺線維症の 61 歳男性に脳死右片肺移植 ドナー左肺 を右胸腔へ移植 を施行した 症例 2 は特発性間質性肺炎 胸膜炎の 18 歳男性に生体右片肺移植 父の左下 葉を右胸腔へ移植 を施行した 各々の症例における対側反転移植に至る経緯および移植における手術手技 の工夫や問題点について考察する

49 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-1 転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡下右 S3b 亜区域切除術 清水 俊榮1 青島 宏枝1 高圓 瑛博1 池田 豊秀2 前 昌宏1 1 東京女子医科大学東医療センター呼吸器外科 2イムス三芳総合病院呼吸器外科 はじめに 大腸 直腸癌の肺転移は外科的切除することにより予後が改善するとされている しかし多発症 例や肺門に近い部位への転移では切除範囲に苦慮する場合がある 当科では このような症例に対し 術前 3D CT 画像でシミュレーションし切除範囲を決定し切除を行っている 今回大腸癌肺転移症例に胸腔鏡下肺 亜区域切除術を施行した症例を供覧する 症例 69 歳 男性 S 状結腸癌術後 1 年目に肺転移あり 化学療 法施行 3 年後腫瘍増大したため左上区域切除を行った 術後 9 年目に胸部 CT にて右上葉に 17mm 大の小 結節影指摘された PET にて結節に異常集積認めるも他に転移を疑う所見なく手術をおこなった 術前 3D CT では腫瘍は右 S3b 亜区域切除を予定した 手術 第 4 肋間に 4cm の小開胸と第 7 と第 8 肋間にポートを 挿入 肺門前方より上肺静脈を剥離し V3b を結紮切断した 上幹動脈より分岐した A3b を自動縫合器で切 断し 気管支を剥離し B3b も自動縫合器で切断した 亜区域の中枢側を超音波凝固切開装置で切離し 自動 縫合器で亜区域間を切離し S3b を摘出した 迅速病理診断で転移性肺腫瘍の診断であった 肺切離面から気 漏あったため PGA シートとフィブリン糊にて閉鎖し手術終了した 手術時間は 1 時間 56 分 出血量は 50 g であった 術後 3 日でドレーン抜去し 5 日目に退院した 結語 転移性肺腫瘍に対し 3D CT で術前シミュ レーションを行い 胸腔鏡下肺亜区域切除が可能であった

50 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-2 右上葉転移肺性肺腫瘍に対して胸腔鏡下上葉切除 気管支管状 切除を施行し得た 1 例 油原 信二 河野 匡 藤森 賢 池田 岳史 原野 隆之 鈴木 聡一郎 飯田 崇博 酒井 絵美 国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器センター外科 症例は 78 歳女性 主訴は息切れ 咳嗽 2012 年上行結腸癌に対し腹腔鏡下右半結腸切除施行 病理診断 は pss N2 stage3b 術後化学療法として XELOX8 コース施行 2014 年 9 月の胸部 CT で右上葉気管支を 閉塞する 20 mm 18mm の腫瘍 1 箇所 肺門リンパ節腫脹と右上葉の部分無気肺を認めた 気管支鏡所見は 右上葉入口部を部分閉塞する腫瘍と 2nd carina の発赤を認め 各々の生検より腺癌の診断を得た 手術は 3 " port 胸腔鏡下右上葉切除 気管支管状切除 気管支断端胸腺被覆術を施行 手術時間は 192 分 出血量 425 " ml 完全モニター視での 3 port で行い 当科の定型的手技同様に肺動静脈 葉間の処理を先行した 麻酔科 医の気管支鏡下のもと 右主気管支は奇静脈下縁付近 中間幹は肺動脈本幹上縁付近で 鋏により管状に切 " 除した 迅速病理では気管支断端は陰性 4 0PDS で 1 2 周ずつ連続縫合し telescope 状に気管支吻合を施行 後 右胸腺を剥離し有茎の状態で気管支吻合部を全周性に被覆した 最終病理は大腸癌の肺転移 中枢側気 管支断端陽性 中枢側で粘膜浸潤は認めないが周囲神経への浸潤を認めた 術後肺瘻を認めたが 11 日目に 胸腔ドレーン抜去 18 日目に退院 完全モニター視での胸腔鏡下肺葉切除は一般的な手技になっている 大 腸癌の肺転移は 原発巣が制御されている場合積極的な外科切除を求められる事が多い 当科では 年に完全モニター視での胸腔鏡下肺葉切除を 776 例施行し 気管支形成を併用したのは 7 例で うち管状切 除は 2 例目であった 手術所見と共に報告する

51 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-3 電気メスにて部分切除した右下肺静脈近傍に存在する転移性肺 腫瘍の 1 例 川真田 修 尾道市立市民病院外科 はじめに 転移性肺腫瘍の中には切除で予後の期待できる症例が存在し 完全切除可能と判断されれば手術 適応となることが多い 術式は stapler による肺部分切除が選択される事が多いが 存在部位によっては stapler の切除では深部断端を確保することが困難な症例も存在する 当科では以前より stapler 使用での部分 切除では深部断端が確保できないと予想される症例に電気メスによる肺部分切除を施行してきた 今回右肺 静脈近傍に存在する転移性肺腫瘍を 電気メスによる肺部分切除術で完全切除できた症例を経験したので報 告する 症例 71 歳 男性 現病歴 当院泌尿器科で右腎癌に対し腎摘出術施行された 術後の経過観察 CT で右 S7 に約 1cm 大の腫瘍を指摘され肺転移の可能性高いとして当科紹介となった 胸部 CT 所見 右下肺 静脈より 7mm 尾側で 肺靭帯付近に腫瘍が認められた 腫瘍辺縁はほぼ整 部分切除で完全切除可能と判 断した 手術手技 分離肺換気による全身麻酔下に手術施行 小開胸と 2 カ所のポート孔作成 肺靭帯を切 離し鉗子にて腫瘍を確認 腫瘍より約 1cm 離れた尾側から電気メスにて肺切除開始 指標にしていた末梢肺 静脈を確認しつつ部分切除を下肺静脈中枢まで施行した 切除部位から air leak ないこと確認 断端をネオ ベールで被覆し手術終了した 病理所見 腎癌肺転移 切除断端陰性 術後経過 術翌日に胸腔ドレーン抜 去 術後 9 日目に退院した 術後 3 ヶ月目の CT と術前 CT を比較し十分な切除断端が確保されている事を 確認した 術後 1 年目の CT で再発は認められなかった 結語 stapler での肺部分切除が困難な部位に存在 する転移性肺腫瘍を 電気メスを使用する事により完全切除することができた

52 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-4 嚢胞内感染を伴った先天性気管支閉鎖症の胸腔鏡補助下手術例 名部 裕介 奥村 典仁 本多 陽平 中園 千晶 田崎 拓朗 木村 賢司 栢分 秀直 中島 尊 松岡 智章 亀山 耕太郎 倉敷中央病院 呼吸器外科 先天性気管支閉鎖症は胎生期に気管支が閉鎖する比較的稀な疾患でありその報告例は少ない 今回我々は 感染を伴った先天性気管支閉鎖症に対して胸腔鏡補助下手術を施行したのでビデオ供覧する 症例 21 歳女 性 6 ヶ月前から 40 台の発熱を繰り返すため複数医院で抗菌剤治療を施行されたが 解熱を認めず 当科 紹介となった 胸部 CT では右上葉支起始部から同定不能であり 気管支内視鏡検査では右上葉支を認めな かった また 右上葉に大型の嚢胞と広範な consolidation を認めた 肺嚢胞内感染を伴った右上葉支の先天 性気管支閉鎖症と診断し胸腔鏡補助下右上葉切除術を施行した 胸腔内は炎症により強固に癒着しており 胸膜外剥離を行った 嚢胞内には膿の貯溜を認めた 肺動脈の走行異常を認め A4 より分岐した A2 と A6 より分岐した A2 を認め また A1 3 は低形成であった 右上葉気管支は確認できず 右上葉気管支の遺残 と考えられる索状物を認めたのみであった 病理所見では 右上葉の外側は mm 大の嚢胞となっ ており その内側は含気のない充実性病変を認めた 肺門近くに拡張した気管支があり 中に粘液の貯溜を 認めた 気管支は肺門部側で途絶していた 術後経過は良好であり 術後 11 日目に自宅退院となった 術後 6 ヶ月の現在まで発熱を認めず 感染の再燃もみられていない 今回我々は大型の肺嚢胞内感染を伴った右 上葉支の先天性気管支閉鎖症に対して胸腔鏡補助下右上葉切除術を施行し 良好な結果を得たが 癒着剥離 には難渋した 本症では易感染性であることを考慮して 有症状例には早期に外科的切除を考慮すべきと考 えられた

53 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-5 高度分葉不全を伴った肺内気管支性嚢胞の 1 手術例 鷲尾 一浩 栗原 英祐 公立学校共済組合中国中央病院呼吸器外科 はじめに 高度分葉不全を伴った肺内気管支性嚢胞に対して cvats 拡大 S3 区域切除 右中葉部分切除を施 行した 1 例を経験したので報告する 症例 患者は 40 歳代女性 胸部打撲にて近医受診し胸部異常陰影を 指摘され当院紹介となった 胸部レントゲン写真 CT MRI にて右上中葉間に蛋白濃度の比較的高い液体を 貯留した正常気管支との交通が不明瞭な嚢胞性病変が認められ肺内気管支性嚢胞と診断され 増大傾向 58 38mm 76 54mm もあり当科紹介された 肺内嚢胞は A1 2rec A3 A4 5 V1a b V3a V3b V4 V5 中葉 気管支を強く圧排しており 高度の右上中葉間の分葉不全が疑われたが cvats 拡大 S3 区域切除 右中葉 部分切除を行うことでできるだけ呼吸機能温存し患者の希望である整容性を保ちながら嚢胞の完全切除が可 能と判断した 4 ポートで手術施行した 右上中葉間は分葉不全高度であり肺門腹側からのみ嚢胞の一部が 確認された 剥離は炎症のためか困難であったが A2rec V1a から嚢胞を剥離し A1 A3 V1b V3a V3b を結紮 切離し S1 に切り込むように S3 を拡大切除し A4 5 V4 V5 中葉気管支から嚢胞を剥離し右中葉を部分切除 し 嚢胞を完全切除した 考察 肺内気管支性嚢胞は良性疾患であるが切除が不完全な場合再発するとの報 告例もあり完全切除が重要であるが 嚢胞が深部にある場合には嚢胞のみの切除 肺部分切除は困難とされ 炎症を伴う場合には区域切除も困難とされる 今回 術前 CT の詳細な検討から右上中葉間の高度分葉不全 および肺動静脈 気管支と腫瘤との位置関係が十分に把握できていたため呼吸機能をできるだけ温存し腫瘤 の完全切除を行い得た 貴重な症例と考え報告した

54 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-6 膿胸を併発した結核性荒蕪肺に対し胸膜肺全摘術を施行した一 例 柴田 諭 花木 英明 国立病院機構 東広島医療センター 呼吸器外科 症例 患者は 40 歳台女性 半年前から盗汗 微熱あり 4 ヶ月前に近医を受診し 喀痰検査で Gaffly 7号 を認め 肺結核として当院に紹介入院となった 入院時より左肺は荒蕪肺となり尾側で気胸を呈し 右肺に は多数の散布性結節を認めた 未治療の糖尿病 HbA1c : 13.0 の合併があり血糖コントロールを行いながら INH RFP PZA EB の化学療法を施行し治療開始後 2 ヶ月で排菌陰性となった 治療開始後 3.5 ヶ月の胸 部 CT で 左胸水が出現あり 左膿胸および結核病巣コントロール目的に手術を施行する事となった 治療 開始後 4 ヶ月で左開窓術 第 9 10 肋骨背側部 10cm を切離 を施行し 膿胸腔の鎮静化を図った 開窓術 から約 3 週間に気管支動脈塞栓術を施行し 3 日後に左胸膜肺全摘術を施行した 手術は第 5 肋骨を切除し胸 膜外剥離を開始 背側と横隔膜面の癒着が著しく 腹側及び頭側から肺門部までの剥離を行った後 左主肺 動脈 左肺静脈 共通幹 左主気管支の順に自動縫合器で処理切離を行った 横隔膜からの胸膜剥離は開窓 部の創を延長し操作を行った 胸腔内の洗浄 止血を施行後に 有茎広背筋弁を用いて気管支断端を被覆し て手術を終了した 手術時間は 7 時間 20 分 出血量は 1500ml であった 手術後 創部皮下膿瘍を認めたが 軽快し 術後 27 日で退院となった 手術後約 8 ヶ月経過しているが 膿胸の再発を認めず 右側病変の悪化 再排菌を認めず経過良好である

55 一般ビデオ 8 転移性肺腫瘍 嚢胞性肺疾患 肺感染症 V8-7 繰り返す喀血のため 完全鏡視下に右肺中葉切除を行った肺放 線菌症の一例 古垣 浩一1 加藤 雅人1 小楠 真典2 井上 周2 小宮 奈津子2 北川 浩3 神谷 尚彦3 酒井 正3 田渕 正延3 井久保 丹3 鮫島 隆一郎3 木戸 伸一4 湯ノ谷 誠二3 1 唐津赤十字病院呼吸器外科 2唐津赤十字病院呼吸器内科 3唐津赤十字病院外科 4唐津赤十字病院病理部 はじめに 1 年の間に 9 回の喀血を繰り返し 喀痰細菌培養 細胞診 気管支鏡下肺生検 細胞診などの内 科的精査では確定診断に至らず 診断と治療のために責任病巣と思われる右肺中葉を完全鏡視下に切除 切 除標本の病理学的検査にて肺放線菌症の確定診断を得た一例を経験した 症例 症例 71 歳 女性 主訴 繰り返す喀血 現病歴 平成 25 年 8 月頃より月に 1 回喀血あり その後 8 回の喀血を認めた 今回 大量 喀血を来し緊急入院となったが Hb が 12.5g dl から 9.6g dl まで低下した 既往歴 心房細動 僧房弁狭窄 " " 症 大動脈弁閉鎖不全 左心耳血栓 右腎梗塞 抗凝固剤内服中 生活歴 喫煙 歳 本 ex smoker " BI CT にて右肺中葉に増悪と緩解を繰り返す腫瘤影あり 完全鏡視下に右肺中葉切除施行 ビデ オ供覧 切除標本にて肺放線菌症の菌塊を証明し 確定診断を得た 考察 肺放線菌症は画像上 腫瘤様 陰影を呈することが最も多く 内科的な生検等による診断率が低い 生検にて診断できない場合には 悪性 腫瘍の可能性が否定できず 外科的切除により確定診断がなされる事が多い 今回の症例も内科的精査では 確定診断に至らず 診断と治療のため 右肺中葉を完全鏡視下に切除 切除標本にて菌塊を証明することに より診断し得た 結語 炎症性疾患では腫大したリンパ節のため肺動脈の処理が困難な事が多いが 今回の 症例でも PA4 の処理に苦慮した 同部位の手技上の工夫を中心にビデオ供覧する

56 一般ビデオ 9 中皮腫 胸膜疾患 V9-1 気胸にて発症した画像診断不能のびまん性悪性胸膜中皮腫に対 し胸膜切除 肺剥皮術を施行した 1 例 岩田 隆 原 幹太朗 井上 英俊 溝口 裕規 白川 岳 吉龍 正雄 関西労災病院 心臓血管外科 呼吸器外科 症例 59 歳男性 生来健康 居住歴として 18 歳まで山口県宇部市 その後は兵庫県尼崎市 48 歳まで電機 会社工場にて通信機器製作を行っており明らかなアスベスト暴露歴はない X 年 11 月 会社の検診にて右気 胸を指摘され当科受診 入院の上ドレナージ CT にて気腫性変化やブラを認めず 胸膜にも結節陰影はな かったが 悪性胸膜中皮腫を疑い胸水ヒアルロン酸濃度を測定したところ 24 万 ng ml 胸腔鏡検査を提案し たが受け入れられずドレーン抜去後退院 退院一ヶ月後にすでに軽度気胸再発を認めた 3 ヶ月後再診時に も気胸を認めたため 胸腔鏡下生検を提案 X 1 年 6 月胸腔鏡検査を施行 迅速診断では悪性所見なしであっ " たが 免疫染色にて上皮型びまん性悪性胸膜中皮腫と診断した FDG PET にて転移のないことを確認し 同年 7 月胸膜切除 肺剥皮術を施行した 手術時間は 7 時間 50 分 出血量は術中浸出液を含む 1630g で 無 輸血で行った 当日より水封管理とし 強い咳嗽時のみ空気漏れが見られた 翌日より空気漏れはなくなり 第 5 病日にドレーンを抜去 第 10 病日軽快退院となった 病理検査では臓側胸膜において明らかな肺実質へ の浸潤を認めず 剥離面での腫瘍の露出はなかった T1bN0M0 stage IB と診断 補助化学療法として CDDP PEM 併用療法を行い無再発経過中である 考察 気胸で発症する画像診断不能な悪性胸膜中皮腫は診断こ そ困難であるが 肺実質や周辺臓器への浸潤が強くないことが予想され 胸膜切除 肺剥皮術の良い適応とな る可能性がある

57 一般ビデオ 9 中皮腫 胸膜疾患 V9-2 肉眼病変を有しない臓側胸膜の剥皮は可能である 黒田 鮎美1 中道 徹1 門司 祥子1 橋本 昌樹1 多久和 輝尚1 松本 成司1 近藤 展行1 坪田 紀明2 長谷川 誠紀1 1 兵庫医科大学 呼吸器外科 2兵庫医科大学 胸部腫瘍科 悪性胸膜中皮腫に対する外科的根治術としてはこれまで胸膜肺全摘 EPP が主に行われてきたが 近年 肺を温存できる胸膜切除 肺剥皮術 P D の利点が注目されてきている しかし悪性胸膜中皮腫は稀な疾患 でもあり P D が施行された症例は未だ多くない 特に 胸膜が著明に肥厚している症例に対する肺剥皮は 比較的容易であるが 病的な肥厚を認めない臓側胸膜を有する肺の剥皮については困難が予想された 今回 我々は ct1an0m0 の悪性胸膜中皮腫に対し P D を施行し 肉眼的完全切除できた症例を経験したのでビデ オを提示する 患者は 50 代男性で 胸痛を主訴に医療機関を受診し 左胸水を指摘された CT 上わずかな 胸膜肥厚以外の変化を認めず PET CT では明らかな集積を認めなかった 胸水細胞診で悪性胸膜中皮腫が 疑われ 胸膜生検にて悪性胸膜中皮腫 上皮型 ct1an0m0 と診断された 生検時の所見として 左肺上葉 は胸壁と癒着しており 壁側胸膜に数箇所 0.5mm 大の白色小結節を認めるほかは肉眼的には正常胸膜であっ た 臓側胸膜には観察範囲に結節性病変を認めなかった 導入化学療法後 左 P D を施行した P D 時の所 見でも壁側胸膜には目立った結節性病変を認めなかった 臓側胸膜は横隔膜面の一部にのみ数 mm 大の結節 性病変の集簇を認めた 壁側胸膜の剥離に若干の困難を伴ったが 臓側胸膜の剥皮は予想よりスムーズに進 行し 肉眼的完全切除 壁側臓側胸膜 100 切除 を達成して手術を終了した 画像上あきらかな結節性病 変を認めず 肉眼的にも病的な胸膜肥厚を認めない悪性胸膜中皮腫に対して施行した P D の手術ビデオを提 示する

58 一般ビデオ 9 中皮腫 胸膜疾患 V9-3 Extended P D を選択した 75 歳左悪性胸膜中皮腫の 1 例 平井 文子 松宮 弘喜 森 將鷹 篠原 周一 桑田 泰治 竹中 賢 新居 和人 岡 壮一 近石 泰弘 米田 和恵 黒田 耕志 宗 知子 浦本 秀隆 田中 文啓 産業医科大学第2外科 はじめに 悪性胸膜中皮腫に対する手術療法は EPP と P D があり 手術療法に加え集学的治療を行うこと で長期予後が見込める しかし EPP と P D のどちらを選択するかは依然 contraversial で 術前に十分な 検討が必要である 症例 75 歳 男性 2014 年 8 月に健診で左胸水を指摘され 近医にて胸腔鏡下胸膜生 検術を施行い 上皮型悪性胸膜中皮腫と診断された 75 歳で EPP は手術のリスクが高いと判断し P D を 含めた治療目的に当科に紹介となった CT では上葉の臓側胸膜に広い範囲で石灰化を認め 横隔膜上にわ ずかに壁側胸膜の肥厚を認めた 75 歳で EPP は侵襲が大きく 術後の集学的治療も困難であろうと判断し た 上葉の臓側胸膜石灰化は範囲が広く肺剥皮が困難と思われたが P D を選択した 手術 2014 年 11 月 左胸膜切除 肺剥皮術を施行 横隔膜は腫瘍浸潤を疑い合併切除し 心膜は容易に剥離が可能で合併切除し なかった 上葉の臓側胸膜石灰化はやはり剥皮ができず S1 2 を広い範囲で部分切除し 他壁側胸膜切除 臓側胸膜剥皮は良好に行えた 手術時間は 7 時間 41 分で 出血量は 2160ml であった 術後経過 術後 air leak " に対して OK 432 による胸膜癒着術を行い 15 日目に胸腔ドレーンを抜去した 術翌日から離床し経過は順 調で air leak 以外の合併症は認められなかった 結語 患者の選択を行うことで EPP の手術適応から外 れても十分な macroscopic complete resection を行い 術後早期に集学的治療を開始できる症例が存在する

59 一般ビデオ 9 中皮腫 胸膜疾患 V9-4 MCR 完遂と認識していても臓側胸膜剥皮面に微少病変が残存 した 1 例 門司 祥子1 多久和 輝尚1 中道 徹1 黒田 鮎美1 橋本 昌樹1 松本 成司1 近藤 展行1 清水 重喜2 長谷川 誠紀1 1 兵庫医科大学呼吸器外科 2兵庫医科大学分子病理学 はじめに 悪性胸膜中皮腫 MPM に対する手術のゴールは肉眼的完全切除 MCR であるが MCR 達 成の判断は外科医の主観に依存する 壁側および臓側胸膜を鈍的に剥離する場合 腫瘍は胸膜に固着してい るため切除側剥離面に残るとされている したがって 容易に剥離できた部位では MPM 病変遺残なしと判 断するのが通常である 逆に鈍的剥離が困難な部位では MPM 浸潤があると判断し 合併切除を考慮する " 今回 臓側胸膜にほとんど肉眼病変を認めず容易に剥皮可能であったにもかかわらず肺実質側に 1 2mm 大 の MPM 病変が遺残した症例を経験したので 手術動画を供覧したい 症例 66 歳男性 MPM 上皮型 術 前化学療法後に P D を実施 壁側臓側胸膜ともに非常に薄く 肉眼的病変としては壁側胸膜に結節性病変が 散在性に 臓側胸膜には数 mm の結節が少数存在する程度であった 横隔膜および中葉の一部はやや剥離困 難で合併切除を行ったが 壁側臓側胸膜は比較的容易に剥離でき 胸膜 100 切除および MCR を完遂した " と判断した 心膜上およびに肺実質に少数の 1 2mm 小結節が残存していたが この部位の胸膜剥離が容易 であったため残存 MPM 病変とは考えず 念のためサンプリングのみ行った しかし 術後病理診断で サ ンプリングした肺実質は腫瘍細胞の肺実質浸潤 心膜についても非貫通性心膜浸潤と判明した まとめ 容 易に胸膜が剥離できた場合でも剥離面に MPM 小結節が残存する可能性がある

60 一般ビデオ 9 中皮腫 胸膜疾患 V9-5 進行悪性胸膜中皮腫に対する下部胸壁広範合併切除を伴う右胸 膜外肺全摘の 1 例 岩田 剛和 畑 敦 稲毛 輝長 山本 高義 尹 貴正 田中 教久 長門 芳 中島 崇裕 鈴木 秀海 吉田 成利 吉野 一郎 千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学 背景 進行悪性胸膜中皮腫に対する胸膜外肺全摘を含めた集学的治療は 侵襲が大きい割に延命効果が得ら れぬとの理由から適応が議論されている 一方同疾患は他の治療法でも予後不良であり 臨床的には根治切 除の可能性を検討せざるを得ないケースもある 症例 石綿暴露歴のある 64 歳男性 右胸痛を自覚し X 線写真でびまん性右胸膜肥厚を指摘された 胸膜生検で類上皮型悪性胸膜中皮腫と診断された 画像上縦隔 側 横隔膜面 横隔膜洞を主体としたびまん性の腫瘤形成を認め 心臓を左方に圧排していた ct3 前縦 隔脂肪組織浸潤 N0M0 stage III の評価で CDDP PEM 療法 2 コースを施行したが NC であった 患者の 強い希望もあり 生理学的には切除可能と判断されたため 右胸膜外肺全摘 横隔膜 心膜 合併切除再建 を施行した 胸郭下部で胸膜外浸潤が疑われ 横隔膜全層とともに第 5 11 肋骨を含む骨性胸郭を合併切除 した 残存した骨性胸郭下縁を新たな季肋部とする形にゴアテックスで横隔膜を再建した 病理では肺実質 前縦隔脂肪組織 横隔膜の他に胸壁軟部組織への浸潤 前縦隔リンパ節単発転移を認め pt4n2m0 stage IV だが完全切除の評価だった その後 全身状態の改善を待って右胸壁に 60Gy の放射線照射を施行した 術 後 24 か月現在 明らかな再発なく活動性を保ちつつ日常生活を送っている 考察 本症例においては経過 からみて手術なしで現在の生存 生活の質を得ることは困難であったと考えられる 標準治療とはいえない が 体力のある若年症例においては 積極的切除が奏功する例もあると考え 症例を供覧する

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