Q. 造血幹細胞移植とは? 通常の治療では根治や長期生存が期待できない造血器悪性腫瘍や 再生不良性貧血の患者に対して 大量化学療法や全身放射線照射などの移植前処置を行った後 骨髄機能を回復させるために多能性造血幹細胞を移植すること

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1 第 11 回腫瘍 血液内科勉強会 造血幹細胞移植の基礎 平成 28 年 2 月 25 日

2 Q. 造血幹細胞移植とは? 通常の治療では根治や長期生存が期待できない造血器悪性腫瘍や 再生不良性貧血の患者に対して 大量化学療法や全身放射線照射などの移植前処置を行った後 骨髄機能を回復させるために多能性造血幹細胞を移植すること

3 血球の分化と造血器腫瘍 骨髄 末梢血 骨髄系 幹細胞 急性骨髄性白血病 (AML) 顆粒球単球系 前駆細胞 好中球 骨髄異形成症候群 (MDS) 慢性骨髄性白血病 (CML) 赤芽球系前駆細胞 巨核球系 前駆細胞 赤血球 血小板 多能性造血幹細胞 急性リンパ性白血病 (ALL) リンパ芽球性リンパ腫 (LBL) B-ALL/ LBL B 細胞系前駆細胞 悪性リンパ腫 (ML) 慢性リンパ性白血病 (CLL) B 細胞 リンパ節 多発性 骨髄腫 (MM) 形質細胞 リンパ系 幹細胞 T-ALL/ LBL T 細胞系前駆細胞 T 細胞 NK 細胞 胸腺

4 同種造血幹細胞移植の流れ 移植適応の検討 + ドナーの検索 臓器障害の有無など

5 Q. 造血幹細胞移植の適応は? 3.7% 2.0% 9.6% 25.2% 7.7% 6.0% 28.8% 17.0% 急性骨髄性白血病急性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病骨髄異形成症候群非ホジキンリンパ腫ホジキンリンパ腫多発性骨髄腫再生不良性貧血 1991 年から 2013 年までの疾患別累計移植件数 (54044 件 ) 平成 26 年度全国調査報告書日本造血細胞移植学会

6 白血病治療を例に 体内白血病細胞数 寛解導入療法 ( 約 1kg) 10 9 ( 約 1g) 10 6 地固め療法 維持強化療法 完全寛解 寛解後療法 顕微鏡下検出限界 ( 骨髄中 <5%) PCR 法検出限界 予後良好群 予後不良群 : 化学療法 再発 血液学的完全寛解 分子生物学的完全寛解 治癒 微小残存病変 MRD 予後良好群 薬物療法 治療後の時間経過 MRD:minimal residual disease 予後不良群 薬物療法 + 造血幹細胞移植

7 AML の予後予測因子

8 AML の予後予測因子 NCCN JALSG( 日本 )

9 ALL の予後予測因子 µ µ

10 中悪性度 B 細胞リンパ腫に対する治療を例に I / II 期巨大病変なし R-CHOP 療法 3 コース 局所放射線照射 (or R-CHOP 療法 6 コース ) 非寛解 再発 救援療法 自家移植 (< 65 歳 ) II 期巨大病変あり III / IV 期 L HI H IPI R-CHOP 療法 6 8 コース? 自家移植 (< 65 歳 ) 部分寛解 or 同種移植?? L 群 : 低危険度群 LI 群 : 低 - 中危険度群 HI 群 : 中 - 高危険度群 H 群 : 高危険度群

11 Q. 造血幹細胞の種類は? 自家移植 同系移植 同種移植

12 自家移植 ( 原則 65 歳以下 ) 大量化学療法によりダメージを受けた骨髄を 自己の造血幹細胞でレスキューする 自家移植自体は骨髄回復の為の支持的なもの 自己血輸血 化学療法に感受性のある疾患が適応となる 現在は 末梢血幹細胞移植が主流

13 同系移植 一卵性双生児の兄弟 姉妹からの移植 一卵性双生児は HLA( 白血球の血液型 ) は完全に一致している 自家移植同様 移植自体は骨髄回復の為の支持的なものであり 移植前処置である 大量化学療法 が重要 自家移植と類似 自家移植と異なり 腫瘍細胞の混入がない

14 同種移植 ( 原則 55 歳以下 ) 自分 同系以外の 他人からの造血幹細胞を移植する 同種の 種 は ヒト ということ ( もし猿や豚からの移植なら 異種 移植 ) HLA 一致のドナーを探す必要がある 移植自体に抗腫瘍効果 (GVL 効果 ) がある 移植片対宿主病 (GVHD) が見られる 一種の免疫療法 通常とは逆の拒絶反応

15 Q. どこから造血幹細胞を採取するか? 患者への輸注量 ml ml 25 ml

16 骨髄 臍帯血

17 Q. 造血幹細胞の見分け方は? 多能性造血幹細胞の指標 CD34 陽性細胞 * フローサイトメーターを用いた表面抗原解析により検出する

18 骨髄系細胞の分化と表面抗原 CD34 リンパ系幹細胞 HLA-DR HLA-DR CD13 CD13 CD11b CD116 CD116 CD116 CD33 CD15 CD33 CD15 CD33 CD15 CD33 CD11b 骨髄芽球前骨髄球骨髄球好中球 CD15 CD33 CFU-GM CD13 CD13 HLA-DR CD14 HLA-DR CD14 HLA-DR CD14 CD116 CD116 CD15 多能性幹細胞 HLA-DR CFU-GEMM 骨髄系 幹細胞 CD34 CD33 CD33 CD33 CD117 BFU-E CD15 単芽球前単球単球 CD36 CD33 CD117 CFU-E CD33 CD35 CD59 赤血球 CD33 CD116 CFU-MEGA 巨核球 CD36 CD41 CD42 CD61 CD116 CD41 CD42 CD61 CD49 血小板

19 Q. 造血幹細胞は移植にどのくらい必要か? CD34 陽性細胞 末梢血幹細胞移植 : 2 x 10 6 /kg( 患者体重 ) 好中球生着まで 1 週間 10 日 骨髄移植 臍帯血移植 : 1 2 x 10 6 /kg : 1 x 10 5 /kg 好中球生着まで 10 日 2 週間 好中球生着まで 2 週 3 週間

20 Q. 白血球の血液型 :HLA とは? 親から子供に受け継がれる自他認識のマーカー HLA は A B C DR DQ DP 座の 6 種類あり それぞれ対になっている 造血幹細胞移植で特に重要なものは HLA-A B DR 座で 父由来のものと母由来のものの計 6 抗原が一致するドナーを探す ( 現在は C 座も含む 8 抗原一致のドナーが推奨されている ) HLAが一致する確率は 同胞 ( 兄弟 ) で25% 両親や親戚で1% 以下 他人では数百 数万人に1 人である a b c d ハプロタイプ a c a d b c b d

21 ただし HLA 検査には 血清型とより精密な遺伝子型 (DNA 型 ) の 2 種類があり 血清型で適合しても 遺伝子型では不適合となることがある 日本人における HLA の遺伝子頻度 HLA-A 血清型 DNA 型 遺伝子頻度 (%) A1 A A2 A A A A A3 A A11 A A24 A A26 A A A30 A A31 A A33 A 血清学的レベル DNA( 遺伝子 ) レベル

22 ドナーの選択 HLA が一致する血縁者ドナーに造血幹細胞提供の意思があり 健康上も問題なければ ドナーとして採用する HLA 一致の血縁者ドナーがいなければ バンクを利用する 骨髄バンク (JMDP) 1991 年 財団法人骨髄移植推進財団 さい帯血バンク 1999 年 日本赤十字社の 4 つのバンクと中部さい帯血バンク 兵庫さい帯血バンクの 6 バンク体制

23 Q. 同種移植時に血液型 ( 赤血球 ) を合わ せる必要はあるか? 輸血対応は? 必要ありません

24 同種移植時における血液型不適合の定義 1. 血液型一致 (match) 2. 主不適合 (major mismatch) 患者側にドナーの血液型抗原に対する抗体がある場合 骨髄移植時には血球除去 3. 副不適合 (minor mismatch) ドナー側に患者の血液型抗原に対する抗体がある場合 骨髄移植時には血漿除去 4. 主副不適合 (major and minor mismatch) 患者 ドナーそれぞれにお互いの血液型抗原に対する抗体が存在する場合 骨髄移植時には血球 血漿除去

25 血液型不適合同種移植後早期の対応 輸血した血液製剤が 最大限の貧血改善効果につながる ( 赤血球 ) あるいは患者の貧血を増悪させない ( 血小板 FFP) ように計画する 1. 主不適合 (major mismatch) 患者の抗体がドナー由来の赤血球と反応するため赤血球 : 患者と同じ血液型血小板 FFP: ドナーと同じ血液型 2. 副不適合 (minor mismatch) ドナー由来の抗体が患者の赤血球と反応するため赤血球 : ドナーと同じ血液型血小板 FFP: 患者と同じ血液型 3. 主副不適合 (major and minor mismatch) 赤血球 :O 型血小板 FFP:AB 型

26 血液型不適合同種移植後早期の輸血療法 血液型 ABO 血液型 Rho(D) 抗原 不適合 血液型輸血ドナー患者赤血球血小板 FFP A O O A (or AB) B O O B (or AB) 主不適合 AB O O AB AB A A (or O) AB AB B B (or O) AB O A O A (or AB) O B O B (or AB) 副不適合 O AB O AB A AB A (or O) AB B AB B (or O) AB 主副不適合 A B O AB B A O AB 主不適合 Rh+ Rh- Rh- Rh+ 副不適合 Rh- Rh+ Rh- Rh+

27 同種造血幹細胞移植の特徴 骨髄移植 (BMT: Bone Marrow Transplantation) 末梢血幹細胞移植 (PBSCT: Peripheral Blood Stem Cell Transplantation) 臍帯血移植 (CBT: Cord Blood Transplantation) ドナー HLA 適合性 血縁では血清型 1 座および DNA 型 2 座不一致まで 血縁では血清型 1 座および DNA 型 2 座不一致まで 血清型 2 座不一致および DNA 型 3 座不一致まで可能 非血縁では血清型一致および DR1 座不一致まで 非血縁では血清型一致および DR1 座不一致まで 負担 全身麻酔のリスク採取に伴うリスク G-CSF 投与のリスク体外循環のリスク なし コーディネート非血縁では 3 ヶ月以上血縁では比較的早い不要 ( 通常 2-4 週間 ) レシピエント輸注細胞数 /kg CD34+: /kg ー CD34+: /kg /kg( 確保が困難 ) CD34+: /kg 造血回復拒絶 10 日 ~2 週間 2 5% 1 週間 10 日 2 5% 2 週間 3 週間 7 40% 急性 GVHD ( Ⅱ) 慢性 GVHD 25% 40% 骨髄移植と同等 骨髄移植より多い 骨髄移植より少ない 骨髄移植より少ない

28 Q. 造血幹細胞移植毎の件数は? 臍帯血非血縁骨髄血縁末梢血血縁骨髄自家移植 平成 26 年度全国調査報告書日本造血細胞移植学会

29 Q. 同種移植の成績は? 血縁骨髄移植 血縁末梢血幹細胞移植 非血縁骨髄移植 臍帯血移植 移植後 1 年移植後 5 年 1 年 5 年 1 年 5 年 1 年 5 年 急性骨髄性白血病 69.4% 50.7% 57.7% 36.8% 62.1% 44.2% 50.2% 35.4% 急性リンパ性白血病 71.1% 50.5% 62.7% 37.9% 67.7% 49.2% 64.9% 46.9% 慢性骨髄性白血病 78.3% 66.9% 67.9% 55.8% 65.1% 52.7% 62.4% 44.3% 骨髄異形成症候群 74.8% 58.9% 65.2% 44.1% 63.7% 50.0% 51.9% 37.0% 再生不良性貧血 90.8% 87.5% 75.2% 62.1% 80.2% 74.7% 63.2% 59.1% 平成 26 年度全国調査報告書日本造血細胞移植学会

30 Q. 同種造血幹細胞移植の前処置は? 骨髄破壊的前処置 骨髄非破壊的前処置 (RIST: Reduce-Intensity Stem Cell Transplantation) (NST: Non-myeloablative Stem Cell Transplantation)

31 骨髄破壊的前処置 ( 従来型 フル移植 ): 通常 55 歳まで 長所 体内に残存する腫瘍細胞の根絶を目指した 大量化学療法や全身放射線照射による前処置 強い拒絶反応 (rejection) 抑制効果 さらに移植片の同種免疫反応による抗腫瘍効果 (GVL 効果 ) を期待する 短所 前処置に関連した合併症 (RRT) が多く 高齢者で行えない

32 骨髄非破壊的前処置 ( ミニ移植 ): 通常 65 歳まで 長所 RRTが少なく 高齢者でも可能 低 中等度の拒絶反応 (rejection) 抑制効果 移植片の同種免疫反応によるGVL 効果のみを期待する 短所 前処置が軽く 腫瘍細胞が残存する ( 再発率が高い )

33 前処置の位置づけ 拒絶反応抑制 FLU-TBI 2Gy TBI 2Gy ミニ移植 TBI-CY FLU-BU-ATG FLU-MEL BU-CY BEAM / MCVC フル移植 殺腫瘍効果 / 骨髄抑制

34 Q. GVHD とは? Graft versus Host Disease 移植片対宿主病 生着したドナー由来のリンパ球 (T 細胞 ) が 患者 ( 宿主 ) を非自己と認識して攻撃する免疫学的な病態 HLAを可能な限り一致させることで GVHD 発症の頻度を減らすことが出来る 急性 ( 移植後 100 日まで ) と慢性 ( 移植後 100 日以降 ) に区別される 急性 GVHD は移植細胞中に存在したドナーリンパ球により 慢性 GVHD は移植された造血幹細胞より分化 成熟したリンパ球により発症する

35 急性 GVHD 標的臓器は 皮膚 肝臓 消化管 Stage 皮膚 皮疹 (%) GVHD 重症度分類 肝 総ヒ リルヒ ン (mg/dl) 1 < 消化管 下痢 (ml/day) または持続する嘔気 > > 全身性紅皮症 >15 高度の腹痛 腸閉塞

36 慢性 GVHD Ocular sicca Oral ulcers Skin sclerosis Bronchiolitis obliterans 症状は多彩で 標的臓器は全身 皮膚が硬くなる 涙や唾液が出ないなど いわゆる自己免疫疾患類似の ( 強皮症 Sjogren 症候群など ) の症状が出現する

37 Q. Rejection( 拒絶反応 ) と GVHD の違いは? Rejection 患者リンパ球 GVHD ドナー由来リンパ球 皮膚 移植臓器 肝臓 消化管 攻撃対象 : 移植 ( ドナー ) 臓器 ドナー由来臓器 細胞 攻撃対象 : 患者臓器 患者由来臓器 細胞

38 Q. GVHD の予防法は? HLA 一致血縁ドナーの場合 メトトレキサート (Day1 は 10mg/m 2, Day3, 6 は 7mg/m 2 ) シクロスポリン (3mg/kg) Day 非血縁または HLA 不一致血縁ドナーの場合 メトトレキサート (Day1 は 10mg/m 2, Day3, 6, 11 は 7mg/m 2 ) タクロリムス (0.03mg/kg) Day Rejection( 拒絶反応 ) 予防にも

39 Q. GVL 効果とは? Graft versus Leukemia/Lymphoma 移植したドナー由来のリンパ球が 残存する腫瘍細胞を攻撃する効果 ドナー由来のリンパ球 リンパ腫細胞 肝臓 腸管 白血病細胞 皮膚皮膚 好ましい効果 副作用 表裏一体の作用

40 Q. その他の合併症は? 前処置 HSCT 無菌室療法 抗 T 癌 B 薬 I 免疫抑制剤 (~1 年間 ) ( 日 ) ( 早期 ) ( 中期 ) ( 後期 ) 治療関連毒性 (RRT) 皮膚障害口腔 消化管粘膜障害出血性膀胱炎 生着症候群 肝中心静脈閉塞症 (hepatic VOD) 急性 GVHD ( 重症度 Ⅰ~Ⅳ) 慢性 GVHD( 限局型 全身型 ) 低 γ グロブリン血症 血栓性微小血管障害 (TMA) 急激な腹水貯留 黄疸 細菌 真菌感染症 下血 溶血性貧血 血小板減少 カンジダアスペルギルスグラム陽性菌 : 口内炎 カテーテルグラム陰性桿菌 :Bacterial translocation 被包化細菌 : 肺炎球菌 インフルエンザ桿菌髄膜炎菌など ウィルス感染症 HSV: 口内炎 HHV-6: 脳炎 CMV: 肺炎 腸炎 造血抑制アデノウイルス : 出血性膀胱炎 ニューモシスチス VZV: 帯状疱疹 内臓播種 晩期障害 : 内分泌障害 ( 甲状腺 ) 不妊 二次発がんなど

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